【解決手段】血管内(経皮的に送達される)下大静脈(IVC)フィルタまたは他のインプラント、回収デバイスもしくはシステムおよび方法に関する。下大静脈(IVC)フィルタもしくは他の医療デバイスの送達および/または回収のための形状固化(例えば、熱固化)編組で作製される、ファネルトラップ型デバイスが説明される。送達および/または回収デバイス、それらが含まれるキット、使用方法、ならびに製造方法が、全て考慮される。付加的形成工具、方法、およびデバイス実施形態の形状が、本明細書に説明される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に提供される例示的実施形態は、他の医療デバイス用途に適用されるような本
必要性およびその他を満たす。IVCフィルタに関して、本主題のシステムは、既存または別様である、多種多様なフィルタアーキテクチャとともに使用されてもよい。したがって、新しいフィルタは、フィルタ設計のより少ない設計制約および/または妥協が必要とされ得る、本主題の回収装置とともに使用するために設計されてもよい。本主題のシステムの特徴は、OPTEASE、GUNTHER TULIP、CELECT、およびOPTION、またはその他を含む、市販のデバイスとともに、米国特許第3,952,747号、第5601595号、第6,443,972号、第7,338,512号、ならびに第7,625,390号(その特許の全ては、あらゆる目的で参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)のうちのいずれかに説明される、既存および/または修正バージョンのフィルタに関連して使用されてもよい。
【0006】
本主題の送達および/または回収デバイス、(アセンブリを伴う、および伴わない)それらが含まれるキット、使用および製造方法(生体内または生体外の構成要素の組立を含む)の例示的実施形態は全て、本開示の範囲内に含まれる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
血管医療デバイスの送達または回収のための装置であって、
伸長スリーブと、
縦軸を有し、前記スリーブ内で受容される、伸長シャフトであって、前記シャフトは、可撓性遠位延在部を有し、前記延在部は、遠位開口部において内向きに折り返され、より近位の開口部を形成し、前記遠位開口部は、鞍形を有し、前記シャフトの前記軸に対して鋭角に設定される、伸長シャフトと、
を備え、
前記近位開口部は、前記医療デバイスの拡大端を受容し、それを通して通過させるように定寸され、
前記装置は、前記スリーブが前記遠位延在部を覆って前進させられるときに、前記医療デバイスの前記拡大端が前記遠位延在部内のポケットの中で固着されるように適合される、
装置。
(項目2)
前記遠位延在部は、72〜288エンド数を伴う熱固化されたNitinol編組を備える、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記編組は、72〜288エンド数を有する、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記シャフトは、前記Nitinol編組を含む、項目2に記載の装置。
(項目5)
前記スリーブは、カテーテルである、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記拡大端は、バンドおよびフックから選択される、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記遠位延在部は、外部円錐形を有する、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記鋭角は、約45〜約60度である、項目1に記載の装置。
(項目9)
拡大端を有する、下大静脈フィルタと、
伸長スリーブと、縦軸を有し、前記スリーブ内で受容される、伸長シャフトとを備える、回収装置であって、前記シャフトは、可撓性遠位延在部を有し、前記延在部は、遠位開口部において内向きに折り返され、より近位の開口部を形成し、前記遠位開口部は、鞍形を有し、前記シャフトの前記軸に対して鋭角に設定され、前記近位開口部は、前記フィルタの前記拡大端を受容し、それを通して通過させ、前記スリーブが前記遠位延在部を覆って前進させられるときに、前記遠位延在部内のポケットの中で前記端部を固着するように定寸される、回収装置と、
を備える、下大静脈フィルタシステム。
(項目10)
前記拡大端は、バンドおよびフックから選択される、項目9に記載のシステム。
(項目11)
医療デバイスを作製する方法であって、
第1の円筒シェルを覆う第1の折り目を伴って管状編組の区分を形成するステップと、
前記第1の折り目に隣接する第2の円筒シェルを覆う第2の折り目を伴って前記編組を
形成するステップと、
を含み、内部フラップが、前記第1の折り目と第2の折り目との間に形成される、
方法。
(項目12)
前記第1の折り目が形成された後に、前記編組を熱固化するステップをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第2の折り目が形成された後に、前記編組を熱固化するステップをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記編組は、前記折り目を形成するときに、略円筒形で構成される、項目11に記載の方法。
(項目15)
略円筒形で前記編組を熱固化するステップをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記編組を略円錐形に収縮させるステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記円錐形を外側スリーブと固着させるステップをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第1の折り目は、圧縮状態で形成される、項目11に記載の方法。
(項目19)
前記第1の折り目のみが、圧縮状態で形成される、項目11に記載の方法。
(項目20)
前記第1の折り目に隣接してバンドを挿入するステップと、
前記バンドを横断してワイヤを挿入するステップと、
前記第2の円筒シェルの縁に前記第2の折り目を形成するために前記ワイヤを引っ張るステップと、
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目21)
前記第2の折り目は、前記編組の軸に対して鋭角で形成される、項目11に記載の方法。
(項目22)
前記編組は、前記第2の折り目を形成するためのプラグを用いて非対称に引っ張られる、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記第2の折り目は、鞍形で形成される、項目11に記載の方法。
(項目24)
前記編組は、前記第2の折り目を形成するためのプラグを用いて非対称に引っ張られる、項目23に記載の方法。
【0007】
本明細書に説明される主題の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および発明を実施するための形態の吟味に応じて、当業者に明白であろう、または明白となるであろう。全てのそのような付加的システム、デバイス、方法、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることが意図される。例示的実施形態の特徴は、請求項内のこれらの特徴の明白な記載がない場合に、いかようにも添付の請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に記載される主題の詳細は、その構造および動作の両方に関して、類似参照番号が類似部品を指す、付随の図の検討によって、明白となり得る。図中の構成要素は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、主題の原理の例証に強調が置かれる。また、全ての例証は、概念を伝えることを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳述される属性は、文字通りまたは精密ではなく、概略的に図示され得る。
【0009】
【
図1】
図1Aおよび1Bは、IVCフィルタの例示的実施形態を描写する写真であ る。
【
図2】
図2A−2Eは、任意のタイプの埋込型医療デバイス(IVCフィルタまた はその他)の端部に関連する種々の作用の段階で送達および/または回収システムの 例示的実施形態を描写する、側面図である。
【
図3】
図3A−3Fは、本主題の回収システムを構築するためのプリフォームの製 造で使用される構成要素の例示的実施形態を描写する、側面および断面図である。
【
図4A】
図4Aは、プリフォームを最終的に成形された医療デバイスに変換するた めの工具の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図4B】
図4Bは、医療デバイスの例示的実施形態を成形するために使用されてい る
図4Aの工具の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図5A】
図5Aは、プリフォームを最終的に成形された医療デバイスに変換するた めの工具の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図5B】
図5Bは、医療デバイスの例示的実施形態を成形するために使用されてい る
図5Aの工具の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図6】
図6は、熱固化後の変換されたプリフォーム(すなわち、本主題のデバイス の最終的に成形されたファネル区分)の例示的実施形態を描写する、断面図である。
【
図7A】
図7Aは、プリフォームを最終的に成形された医療デバイスに変換するた めの工具の別の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図7B】
図7Bは、医療デバイスの例示的実施形態を成形するために使用されてい る
図7Aの工具の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図8】
図8は、そのプリフォームが
図7Aおよび7Bのもののような工具を用いて 熱固化された後の医療デバイスの例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図9】
図9は、
図7Aおよび7Bのもののような工具を使用して、異なる形状に設 定されたプリフォームの例示的実施形態を描写する、断面図である。
【
図10】
図10は、
図7Aおよび7Bのもののような工具と併せて使用され得る、 付加的工具部品の例示的実施形態を描写する、部分断面図である。
【
図11】
図11は、
図10の工具部品を使用して熱固化され得る、プリフォームの 例示的実施形態を描写する、断面図である。
【
図12】
図12A−12Cは、それぞれ、
図7Aおよび7Bに示されるもののよう な工具と併せて使用され得る、別の工具部品の例示的実施形態の上面、側面、ならびに正面図である。
【
図13】
図13は、
図12A−12Cのもののような工具を用いて熱固化され得る、プリフォームの例示的実施形態を描写する、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本主題が詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の例示的実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、本開示の範囲が添付の請求項のみによって限定されるであろうため、限定することを意図しないことを理解されたい。
【0011】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることを意図している。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、一実施形態のみに関して説明される場合、特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に記述されない限り、本明細書に説明される全ての他の実施形態とともに使用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、常に、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または、一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別のもので代用する、請求項の導入の先行する基礎ならびに書面による支援としての役割を果たし、仮に以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記述しなくても、そのような役割を果たす。特に、本説明を読んだ当業者が、ありとあらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容性が容易に認識されるであろうことを考えれば、可能性として考えられる全ての組み合わせおよび代用を明示的に記載することは、過度の負担である。
【0012】
図1Aは、回収のためのフック12の端インターフェースを伴うGUNTHER TULIP(Cook Medical, Inc.)一時IVCフィルタ10を示す。IVCフィルタ20について
図1Bに示されるように、フックは、ナビン型インターフェース22のために修正または代用されてもよい。ナビン(自体)は、ハブ28からの延在部26上にレーザ形成またははんだ形成された隆起もしくは突起24を備えてもよい。代替として、
図2A−2Eに示されるように、フィルタ回収インターフェース22は、延在部26上に(例えば、スエージ加工、溶接、接着等によって)搭載されるバンド24’(例えば、Ptマーカバンド)を備えてもよい。どのようにして拡大部が作成されても、本システムの他の部分とのその相互作用は、以下の図で明白となるであろう。
【0013】
したがって、
図2Aは、システム100の例示的実施形態の概観を提供する。ここで、編組材料32で作製されたファネルトラップ構造30が、示されている。これは、可撓性遠位延在部を伸長シャフト34に提供する。シャフトは、(市販のカテーテルまたは全体的システム100のカスタム部品であり得る)伸長スリーブ50内で受容され、遠位放射線不透過性マーカバンド52を含んでもよい。
【0014】
編組は、Nitinol(好ましくは、体温において超弾性である)、CoCr、ステンレス鋼、または別の生体適合性材料を含んでもよい。これは、有利なこととして、1オーバー1、2オーバー2、または他のメイポール編組パターンで、72〜288(より典型的には、96または144〜192)個のフィラメント「端」を組み込む、編組材料である。編組は、いわゆる「軸方向」フィラメントも含んでもよい。これらは、最終的に形成されるデバイスの柱強度を向上させるために使用されてもよい。軸方向フィラメントは、形成されているときにメイポール編組パターンで組み込まれてもよい、または後に手動で追加されてもよい。(超弾性)Nitinolを用いると、ワイヤは、有利なこととして、直径が約0.001〜約0.003インチである。その場合、示され、説明される可撓性ファネルトラップアーキテクチャを構築する、柔軟で比較的「平滑」なマトリクス表面が提供される。そのような表面の価値は、その非外傷性側面にあり、そして/または角度を外れて配向されたとしても捕捉のためにIVCフィルタインターフェースを定位置に誘導することを助ける能力にある。依然として、編組もしくは他の構造オプションにおける他のワイヤサイズおよび/またはエンド数も可能である。代替実施形態では、非編組材料が使用される。
【0015】
再捕捉をさらに支援するために、ファネルトラップ構造30は、選択可能に指向可能であり得る。
図2Aの矢印によって示されるように、それが作製される材料は、角度方向に付勢を提供するように熱固化または別様に構成されることができる。展開の角度は、コア部材もしくは閉塞具(図示せず)の相対位置によって、またはさらに説明されるようなスリーブもしくはカテーテルシースによって、選択可能であり得る、または完全に直線化されてもよい。さらなる位置付けが、さらに図示されるようにデバイスを回転させることによって達成されてもよい。
【0016】
デバイスのファネルトラップ部分の角度配向を選択するための他のデバイス関節運動オプションも、可能である。(引張ワイヤに依拠する、または別様である)種々の操向可能または指向可能カテーテル型技術のうちのいずれかが、そのような目的でシャフト34に組み込まれることができる。実施例は、そのような説明のために、それぞれ参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第4,723,936号、第4,960,411号、第6,251,092号、および第8,273,073号で説明される機構を含む。
【0017】
いずれの場合も、
図2Bは、断面で編組マルチフィラーデバイスの有利な構造を図示する。ここで、内側および外側編組層32/32’は、(例えば、加熱炉、塩炉等の中で)従来の技法を使用して、(より)大型の遠位開口部を有する外側周縁40を形成し、(より)小型でより近位の開口部を有する内側周縁42を形成する内側屈曲部38で交わる、編組ワイヤの遠位屈曲部36を伴って、ファネル形状で熱固化される。別の言い方をすれば、ファネル形状トラップを構築するために使用される編組は、より近位の開口部を提供するように、遠位開口部において(例えば、フラップ46内で)折り返される。
【0018】
本「ファネルトラップ」は、示されるように略円錐台形であり、先細であり、広がり、または遠位回収区分内の近位開口部より比較的大きい遠位開口部を伴って別様に構成されてもよい。外側円錐形(すなわち、断面が三角形)を用いると、構造は、据え付けられたフィルタを解放するために生じる必要があり得る、任意の必要または望ましい組織離散のために高度に支持的である。また、そのような形状は、上記の指向可能特徴用の可撓性「ウェスト」区分48を提供する。依然として、本デバイスは、その側面に沿って外向きに曲げられてもよい、または代替実施形態では別様に構成されてもよい。
【0019】
多くの実施形態では、遠位周縁開口部40は、より近位の周縁開口部42より大きく、
図2Dおよび2Eに示されるように、ポケット44の中へ、フィルタ係合特徴もしくは拡大部24/24’を誘導する際に、図示されるように動作し、該ポケットにおいて、フィルタ係合特徴もしくは拡大部24/24’が捕捉され、後に、スリーブ50を前進させると係止される。
【0020】
示されるように、そのようなポケット44は、編組壁32と屈曲部38の端部との間に形成され、随意に、ナビン/突起24/24’の随意の肩部38’との当接特徴としての機能を果たす。捕捉を確実にするために、
図2Eに示されるように、スリーブ50は、別個のカテーテルに引き込む前に、トラップ30を完全に覆って前進させられてもよい。換言すると、ファネル区分30を覆ってスリーブ50を前進させることは、「トラップを閉鎖し」、回収されるインプラントをしっかりと捕捉する。別様に、スリーブは、カテーテルであってもよく、シャフト34の引き込みは、(左の)インプラントもその中で引動されるまで継続する。任意または全てのそのような活動は、便宜的に提供され得るようなマーカ特徴24/24’ならびに52および/またはその他を介して、医師によって透視下で視覚化されてもよい。代替実施形態では、遠位開口部が近位開口部より大きいままであり、トラップ機能性が保持される限り、折り畳まれた区分は省略されることができる。
【0021】
着目すべきこととして、システム100は、典型的フック端12を用いてフィルタ10を捕捉するときと同様に使用されてもよい。しかしながら、フックの付加的バルク/側方延在部が、
図2A−2Eで描かれるものより比較的大きいスリーブまたはカテーテル50の使用を必要とし得る。
【0022】
種々のシステムアーキテクチャ実施形態では、カテーテル/プッシャシャフトおよび/もしくはスリーブは、単純押出(例えば、PTFE、FEP、PEEK、PI等)を含んでもよい、または従来のカテーテル構築技法を使用して構築され、ライナ、編組支持体および他の外側ジャケット(図示せず)、金属ハイポチューブ等を含んでもよい。さらに、フィルタフレームは、従来のレーザ切断ならびに電解研磨技法を使用して構築され、および/または別様に構築されてもよい。組み込まれたシースを伴わないガイド/送達カテーテルを通して追跡するために意図される実施形態では、装填シースが採用されてもよい。有利なこととして、任意のそのような装填シースは、分割可能である。他の典型的経皮アクセス器具(ワイヤ等)、弁、および他のハードウェアもまた、実施形態で採用されてもよい。
【0023】
ファネルトラップ構造30は、サブアセンブリとして作製され、カテーテル/プッシャシャフトに取り付けられてもよい。
図3A−3Fは、最終的なデバイスのファネルトラップ部分を構築するためのプリフォームの製造における随意のステップを詳述する。
【0024】
図3Aでは、上記で説明されるような編組の長さまたは区分200が提供されている。示されるように、交差フィラメントの編組パターンは、織り合わせられた傾斜要素、ならびに織り合わせられた軸方向要素を含んでもよい。軸方向要素は、同一のサイズおよび/またはタイプの材料(例えば、Nitinol)、もしくはPt、CoCr、またはステンレス鋼等のより放射線不透過性の材料を含んでもよい。わずか4つの軸方向部材が、編組に組み込まれてもよい。より多くの場合、6つ、8つ、またはそれを上回るそのようなフィラメントが、含まれる。織り合わせられた角度繊維より直径が小さい軸方向フィラメントが採用されるとき、それらの使用される数は、より多くあり得る。比較的大型の軸方向繊維が採用されるとき、使用される数は、より少なくあり得る。それにもかかわらず、編組は、有利なこととして、それが形成されたマンドレルへの張力下で熱固化される。現在満了している米国特許第6,447,531号によって説明されるように、そのようなアプローチは、デバイスのさらなる形状固化において、後続のデバイス形成のための編組安定性を増進する。
【0025】
図3B(断面図)では、編組区分が、ハイポチューブ300の区分に折り重ねられて示されている。これは、それを通して編組の内層204を送給した後に、ハイポチューブを覆って、現在編組200の外層202であるものを外転させることによって、達成されてもよい。代替として、内層は、外層がハイポチューブを覆って固化された後に、ハイポチューブの中へ、およびそれを通して送給されてもよい。いずれの場合も、編組ワイヤは、ハイポチューブの遠位端において折り目210で屈曲される。次に、編組は、(例えば、Nitinol編組について520℃で5分間)熱固化のためにハイポチューブに固着される。編組は、熱固化のためにハイポチューブに対して編組を保持するように使用され得る、可鍛ワイヤまたは外部形態(図示せず)を巻装する、もしくは巻き付けることによって固着されてもよい。圧入ロッドもしくはプラグ301が、折り目210を固着する、および/またはさらに圧縮するために使用されてもよい。
【0026】
熱固化後、ハイポチューブは、層202および204内に編組200のみを残して、
図3Cに示されるように除去される。
図3Dに示されるように、編組層は、同一の長さまで(例えば、鋏で)切り取られてもよい。
図3D(別の断面図)では、バンド302が、編組の折り目に当接するように挿入される。
【0027】
ハイポチューブ300と同様に、バンド302は、好ましくは、最小限の厚さの頑丈な材料を含む。各場合において、構造は、編組ワイヤの屈曲部を形成することと関連付けられる。より薄い材料が、説明されるように、編組のより緊密な半径の折り目(または編組ワイヤの屈曲部)を生じるであろう。有利なこととして、ハイポチューブ300およびバンド302はそれぞれ、所望の壁厚さ(すなわち、約0.001〜約0.002インチ)において、そのような部分が丈夫であり、同様に構成された(別様に使用可能な)ステンレス鋼、白金、もしくは真鍮部品のような変形および/または断裂の傾向が少ないことを考慮して、超弾性Nitinolを含む。
【0028】
いったんバンド302を用いて調製されると、折り畳まれた編組およびバンドは、ロッド310のポケットまたはソケット312、もしくは別の管またはハイポチューブの端部内で受容されることができる。ポケットは、軽い圧入を編組に提供してもよい。別様に、バンドおよび編組の中間構造は、接着剤(例えば、LOCTITE 4014)を用いてソケット310の中で固着されてもよい。
【0029】
次いで、編組202/204の両方の層は、
図3Eに示されるように、ロッドを覆って反転または内転させられ、(例えば、上記の通りに巻装することによって)そこに固着される。そのように固定されると、編組200は、(断面図)
図3Eに示されるように、第2の折り目212を含む。(例えば、再度、上記の通りに)熱固化すると、折り目は、形状を固化または固定される。次いで、ロッドおよびバンドが除去され、
図3Fに示されるような完成したプリフォーム220を提供する。
【0030】
屈曲部210/212を形成することへのそのようなアプローチは、その簡略化された工具を考慮すると有利である。さらに、本アプローチに使用される工具(すなわち、バンドおよび/または管)は、編組において可能な限り緊密な折り目を提供するように、厚さを最小限にされることができる。したがって、最小直径が、最終的に形成されるような圧縮医療デバイスのために達成されることができる。
【0031】
そのような形成(すなわち、プリフォームから最終デバイス構成への変換)に関して、
図4Aは、そのように使用され得る工具の第1のセット320の例示的実施形態を図示する。工具セット320は、内部形態またはマンドレル330と、空洞342を伴う外部形態340とを含む。これらは、(断面図)
図4Bでプリフォーム220に対して使用中に示されている。随意に、位置決めねじ324と関連して、編組がそのように位置付けられ、ロッド322を覆って固着される(例えば、上記の通りに縛り付けられる)と、編組は、(例えば、
図6に関連して詳述されるような)最終ファネルトラップデバイス形状を画定するように、工具構築物内で加熱される。
【0032】
着目すべきこととして、本最終熱固化サイクルは、工具の熱質量に起因して、前のサイクルより長くかかり得る。したがって、約10分間、温度で熱処理することが望ましくあり得る。さらに、酸化物形成を最小限にするように、不活性雰囲気中で熱固化することが望ましくあり得る。同じことが、先行の熱固化活動に当てはまる。
【0033】
具体的工具特徴に関して、マンドレル330は、コア区分332/332’と、肩区分334/334’とを含む。ともに、これらの区分は、最終デバイス角度構成および形成のための誘導を提供する。ロッド通過穴336およびねじ山付き位置決めねじ穴338もまた、マンドレル330の中に提供されてもよい。外部形態340は、前述のポケット342と、それぞれ、随意の位置決めねじおよびロッド通過穴344および346とを含む。
【0034】
外部形態340は、形状固化で使用される必要はない。しかしながら、形成プロセスでのその使用/包含は、有利なこととして、その適用におけるさらなる制約によって、部品間変動性を低減させ得る。
【0035】
図5Aは、プリフォーム220を最終的に成形されたデバイスに変換するための第2の工具アプローチの例示的実施形態を図示する。ここでは、2部品マンドレル350が提供される。これは、周縁または穴縁364において編組のフラップおよび折り目212を拘束することによって、潜在的利点を提供する、傾斜挿入物またはポケット362を伴う円錐部品360を含む。工具350の当接部品370が、編組をさらに拘束するために使用されてもよい。これは、挿入物362を補完する円錐区分372を含み、また、熱固化中に編組をさらに拘束または圧縮するように、肩区分374を含んでもよい。ともに(または円錐部品360を使用して、単独で)、折り目およびフラップ領域中の付加的拘束は、マンドレル330を提供された構成と比較して、(断面図)
図5Bに示されるような形成プロセスにおいて、形態340のような外部形態を使用する必要性または利点を除去してもよい。依然として、(
図4Aに示される形態340のような)外部形態が、工具350に関連して使用されてもよい。
【0036】
一般に、前述の形成方法は、形状が実質的に円筒形であり、内部の折り畳まれた「フラップ」区分を含む、熱固化(おそらく多段階熱固化)プリフォームが提供される、方法である。したがって、プリフォームは、カテーテル追跡のためのその完全圧縮状態における本主題のデバイスに類似する。次いで、プリフォームは、所望の「作業」構成に(例えば、円錐形で)拡張され、それに応じて熱固化される。
【0037】
別の形成および工具アプローチは、形状固化手順で薄壁円錐バンド(図示せず)を使用してもよい。これらは、トラップデバイス30の円錐およびフラップ区分を直接成形または形成するために使用されてもよい。そのような工具は、薄壁円筒材料を所望の円錐形に「スピニング」し、次いで、最終部品の長さを切り取ることによって、構築されてもよい。しかしながら、内部工具の使用は(それ自体は)、熱固化後に編組層が並置して位置する程度を限定し、それによって、(すなわち、
図4A/5Aまたは別様に示されるように、後に、編組が工具を用いて形成されない限り)層の間にある間隙をもたらし得る。
【0038】
いずれの工具アプローチが採用されるかにかかわらず、
図6は、主題のファネルトラップデバイス部分30への変換(または別様に形成された編組)後のプリフォームを図示する。IVCフィルタ回収に関して、ファネルトラップ部分30は、約5mm〜約20mm、またはより好ましくは、約10〜約15mmの直径(D)(すなわち、ヒトIVCが13〜30mmの範囲内で20mmの平均直径を有するとして報告されている、平均サイズのそのような血管内で稼働する範囲内のサイズ)を有してもよい。長さ(L)は、約10mmから約30mmに及んでもよい。全体的円錐角(α)は、約30〜約90度であってもよい。フラップ46の角度(β)は、約0〜約60度であってもよく、フラップ長(F)は、長さが約1〜約10mmであってもよい。全体的に、ファネルトラップ開口部直径(d)は、記述された変数(すなわち、d、D、L、F、α、およびβ)の選択された組み合わせに応じて、直径(D)の約5〜約95%であってもよい。本範囲の下限で、内側「開口部」は、回収中にインプラントの近位係合特徴を受容するために押し開けられなければならないように、実質的に閉鎖されてもよい。範囲の上限で、フラップは、完全にデバイスの外層に沿って、またはそれと一列に位置してもよい。
【0039】
図7Aは、プリフォームの形状を変換するための別の例示的実施形態を図示する。すなわち、工具400は、
図8に示され、以下でさらに説明されるように、第2または二次プリフォーム形状500を生成するために使用される。
【0040】
工具または工具セット400は、円筒シェルまたは管402を含む。プラグ410が、その近位端402のために提供される。管の遠位端406は、90度で、または軸(図示せず)に対する角度(鎖線の外形を参照)で切断されてもよい。代替として、したがって、起伏または鞍形外形が、示されるように代用されてもよい。
【0041】
いずれの場合も、端部は、(例えば、カウンタボア、デバリング工具、またはその他を使用して)尖った縁408として形成されてもよい。プラグ410は、内側および外側シリンダ区分412、414を含む。内側区分412は、管に当接するプラグの肩部416を伴って、管402内で嵌合するように定寸される。プラグ410はまた、ワイヤ420に適応するように貫通穴418も含む。ワイヤ420はまた、バンド422を開口424に通過させてもよい。
【0042】
そのような配列は、
図7Bに示されている。具体的には、ワイヤ420は、ループ状であり、バンド422内の開口424を通過し、プラグ410を近位に通過する。ワイヤの近位端またはその付近で、位置決めねじ432を伴う突起430が、ばね434によって印加される張力下でワイヤを固着する。コイルばねが示されているが、種々の板ばねまたはばね座金配列が、代替として使用されてもよい。
【0043】
いずれの場合も、ばね張力は、バンド422が捕捉される編組200によって、ワイヤの反対端で保持される。編組は、その遠位屈曲部36を形成するように、管402に折り重ねられ、ワイヤラップ440または他の圧着機構を用いて管に固着される。(関連フラップ46とともに)バンド422の近位側の間の距離を設定する際に、定寸管442が、示されるように一時的に間置され、プラグ430を管402に挿入し、ワイヤ420および編組200を引っ張ることに先立って除去されてもよい。
【0044】
いったん熱固化されると、製品(すなわち、第2または二次形状プリフォーム500)は、
図8に示されるように、円筒外側本体502および傾斜内部フラップ46を伴って現れる。いったん熱収縮シース504または他の拘束がそれに適用されると、本デバイスは、その最終形状を成し、全体的デバイスのファネルトラップ部分として、カテーテルまたはプッシャ本体上に搭載する準備ができている。
【0045】
成形シース504は、最終構造に恒久的に含まれてもよい(すなわち、製品のカテーテルシャフトまたはプッシャの一部を形成する)、または本デバイスを最終的に成形するために熱固化手順で一時的に使用されてもよい。代替として、ワイヤラップ(図示せず)が、形状を最終決定するように、付加的熱固化サイクルを達成するために使用されてもよい。
【0046】
最終的な断面外形は、デバイスの本体によって画定される軸に対して90度に設定された面または開口部40を伴って、
図8のように見えてもよい。代替として、開口部は、それが鋭角γによって本体のそのような軸512に対して角度を付けられる、
図9のファネルトラップ部分510の中で示される通りであってもよい。その場合において、角度は、有利なこととして、約45度から約60度に及んでもよい。
【0047】
そのように角度を付けられた面または開口部40は、血管壁に隣接するIVCフィルタフックおよび/またはナブを持ち上げるための前縁514を提供する。形状は、回収デバイスの本体をそのような標的構造または生体構造の中へ回転させるときに役立ち得る、もしくは別様に採用されてもよい。また、上記で説明されるシステムの種々の指向性または指向可能側面が、そのように採用されてもよい。
【0048】
(例えば、
図9に示されるような)傾斜遠位端を伴ってデバイス部分またはプリフォームを形成する際に、近位開口または開口部516は、傾斜形状を熱固化するときに編組に別様に存在するであろう緩みを取り上げるために、距離「O」に設定およびオフセットされてもよい。編組の緩みを除去することは(それ自体は)、(例えば、
図7Aおよび7Bに示される工具400のような)傾斜工具縁408を覆って周囲に緊密な遠位しわまたは折り目を形成する際に、編組を一様に引っ張ることを可能にする。
【0049】
図10は、工具400と併せて使用され得る、別の熱固化形態または工具部品450の例示的実施形態を図示する。その使用によって、ファネルトラップ区分520が、
図11に示されるように形成されることができる。図示される形状の補完的性質が明白である。
【0050】
より具体的には、近位開口または開口部522は、中心に置かれる。これを可能にするために、工具450の肩またはアーチ部分452が、ファネルトラップの編組を変形させ、その下方角度側に沿って補完的な弧524を覆って緊締するために使用される。工具450は、単純に、編組にそのような熱固化を生成するために、
図7Bに示されるワイヤ420、バンド422、突起430、および他の工具と並んで使用される。
【0051】
図12A−12Cは、シェル402縁の非対称に対処するように編組の引っ張りに使用される、別の工具部品460の例示的実施形態の図を示す。「魚の口」または「鞍」形遠位開口部もしくは端532の周囲に緊密な遠位折り目またはしわを伴う、プリフォーム変換もしくは最終ファネルトラップ区分530が、そのような工具部品または形態に関連して生成されることができる。その場合において、シェル402は、
図7Aに示される鞍形外形を伴って構成される。
【0052】
そのように形成されると、ファネルトラップ区分530は、(
図9および11に示される変形例のように、1つの前縁または隆起514を有することと比較して)2つの突出湾曲穴縁、縁、または隆起534を含む。そのような形状は、フィルタの端部を固着する際に、手順の複雑性および任意の必要な回転を低減させることに有利であり得る。
【0053】
そのような複雑な形状を形成することは、困難であり得る。それにもかかわらず、その付勢形状を伴う(すなわち、卵形または楕円形基部462から円形断面端または先端464まで先細である)工具部品460は、本デバイスがシェル402の鞍形縁を覆って作製される、編組の緊密な嵌合を可能にする。したがって、緊密にしわのよった周縁または縁は、本デバイスの遠位端における編組内で効果的に熱固化されることができる。
【0054】
デバイス区分520および530の各実施例では、編組は、編組を非対称に引っ張る、または負荷を加える、プラグの形態の工具(450、460)を用いて形成される。プラグおよび/または編組の引っ張りの非対称は、IVCフィルタフックもしくはナブ捕捉のために、ファネルトラップデバイスの近位開口を中心に置くことを可能にする。本技法の他の使用も、可能であり得る。
【0055】
本明細書に説明される実施形態の全ては、自由に交換可能である。例えば、フィルタの例示的実施形態の全ては、送達または回収デバイスの実施形態の全てとともに使用されることができ、送達または回収デバイスの例示的実施形態の全ては、説明されるような製造工具および製造ステップの例示的実施形態の全てを用いて、もしくは本開示を精査することにより当業者に明白となるであろう軽微な修正を伴って、製造されることができる。
【0057】
使用および/または製造の方法を含む、本主題の方法は、論理的に可能である任意の事象の順序、ならびに任意の記載された事象の順序で実行されてもよい。医療方法は、デバイス提供、インプラント位置付け、再配置、回収、および/または解放と関連付けられる、病院のスタッフの活動のうちのいずれかを含んでもよい。
【0058】
さらに、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限と、その規定範囲内の任意の他の規定または介在値との間で、あらゆる介在値が本開示内に包含されることが理解される。また、説明される実施形態の任意の随意の特徴が、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものと組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。
【0059】
単数のアイテムの言及は、複数の同一アイテムが存在しているという可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付の請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「該(said)」、および「前記(the)」という単数形は、別様に具体的に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに以下の請求項の中の本主題のアイテムのうちの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、請求項は、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、本記述は、請求項の要素の記載と関連する「単に(solely)」、「のみ(only)」、および同等物等の排他的用語の使用、または「消極的」限定の使用のための先行詞としての機能を果たすことを意図している。
【0060】
そのような排他的用語を使用しないと、請求項における「〜を備える(comprising)」という用語は、所与の数の要素が請求項で列挙されるかどうかにかかわらず、任意の付加的要素の包含を可能にするものとする、または特徴の追加は、請求項に記載される要素の性質を変換すると見なされ得る。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の正当性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。したがって、本明細書に説明される異なる実施形態もしくは側面の範疇は、提供される実施例および/または本主題の明細書に限定されるものではないが、発行された請求項の用語の範囲のみによって限定されるものである。