特開2021-79450(P2021-79450A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-79450多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-79450(P2021-79450A)
(43)【公開日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/10 20060101AFI20210430BHJP
   B22D 29/00 20060101ALI20210430BHJP
   B22C 1/00 20060101ALI20210430BHJP
   B22C 3/00 20060101ALI20210430BHJP
【FI】
   B22C9/10 J
   B22C9/10 K
   B22D29/00 F
   B22C1/00 F
   B22C3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-191474(P2020-191474)
(22)【出願日】2020年11月18日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0148401
(32)【優先日】2019年11月19日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520452688
【氏名又は名称】エムエイチ テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジン−ホ
【テーマコード(参考)】
4E092
4E093
【Fターム(参考)】
4E092AA01
4E093QA01
4E093QA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】中空からのコアの除去が容易な多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法の提供。
【解決手段】内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成された開口を通じて中空が外部に露出する非水溶性物質の第1コア22と、中空内に配置される水溶性物質の第2コア21と、第1コア22および第2コア21が外部に露出することを防止するように第1コア22を取り囲むコーティング層10と、を含み、第1コア22は、内部に供給された流体が第2コア21に移動することができるように多数の空隙を含むことを特徴とする多重コア30を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成されて前記中空に連結される開口を具備し、非水溶性物質の第1コアと;
前記中空内に配置される水溶性物質の第2コアと;
前記第1コアおよび第2コアの少なくとも一部が外部に露出することを防止するように前記第1コアを取り囲むコーティング層と;を含み、
前記第1コアは、前記第1コアの内部に供給された流体が前記第2コアに移動することができるように多数の空隙を具備する多重コア。
【請求項2】
前記第1コアは、内部に供給された流体が前記第1コアを長さ方向に移動することができるように前記多数の空隙が相互連結されることを特徴とする請求項1に記載の多重コア。
【請求項3】
前記第1コアは、
外観を形成する外周面と、前記中空を取り囲む内周面とを含み、前記内周面と外周面との間の領域で流体が前記第1コアの長さ方向および半径方向のうち1つ以上の方向に移動することができるように前記多数の空隙が相互連結されることを特徴とする請求項1に記載の多重コア。
【請求項4】
型閉可能な金型のキャビティにコアが投入されるコア投入段階と;
前記コアを取り囲むように溶融物が前記キャビティに注入されて形成される成形品の成形段階と;
前記成形品の成形完了後に、前記コアを前記成形品から除去するコア除去段階と;を含み、
前記コアは、多数の空隙が互いに連結されたまま、前記コアの長さ方向および半径方向に配置されるように形成された非水溶性物質および前記非水溶性物質の内部に設けられる水溶性物質を含み、
前記コア除去段階は、前記非水溶性物質の内部を流れる水が前記水溶性物質を溶融させて除去することを含む多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【請求項5】
前記コアは、
内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成された開口を通じて前記中空が外部に露出する前記非水溶性物質の第1コアと;
前記中空内に配置される前記水溶性物質の第2コアと;
前記第1コアと前記溶融物間の接触を防止するように前記第1コアの外面を取り囲むコーティング層と;を含むことを特徴とする請求項4に記載の多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【請求項6】
前記コア除去段階は、
前記コアの両端に位置するコーティング層を除去した後、前記第1コアに水を供給することを特徴とする請求項5に記載の多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【請求項7】
前記コア除去段階は、
前記第1コアに水を供給して前記第2コアおよび第1コアを順次に除去することを特徴とする請求項5に記載の多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【請求項8】
前記コア除去段階は、
前記コアの一端に水を供給して前記第2コアおよび第1コアを順次に除去することを特徴とする請求項5に記載の多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【請求項9】
前記第1コアは、外観を形成する外周面と、前記中空を取り囲む内周面とを含み、前記内周面と外周面との間の領域で流体が前記第1コアの長さ方向および半径方向のうち1つ以上の方向に移動することができるように前記多数の空隙が相互連結されるように形成され、
前記コア除去段階は、前記コアの一端に水を供給し、前記第1コアの多数の空隙に沿って水が移動するようにするものの、前記第2コアおよび第1コアを順次に除去することを特徴とする請求項5に記載の多重コアを用いた中空製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法に関し、より詳細には、鋳造による成形物の中空をより容易に成形し、品質問題を改善することができる多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鋳造で中空製品を成形するためには、日本国特許登録JP5737016のようにサンド(sand;砂)コアやサルト(salt;塩)コアのような単一材質のコアが使用される。このようなコアを中子として活用して鋳造を進行後、成形物からコアを除去して成形物に中空が設けられるようにする。
【0003】
従来、コアを除去するために、鋳造後に成形物に衝撃を加えてサンドコアとサルトコア等のコアをこわした後に水や空気を中空に強く注入して振り落とす工法が使用される。しかしながら、折り曲げ部位や螺旋形構造のようにコアの形状によってこわれない一部領域がコアに存在する。
【0004】
こわれないコアの一部領域は、塊りに凝集して中空の一部区間を塞ぐことになり、これにより、空気や水の流れを妨害して、結局、中空からコアが除去されないことになる。
【0005】
また、サンドコアの場合、サンド粒子が鋳物の表面に打ち込まれて抜けない問題が発生する。この残存物は、後でシステムの故障を引き起こす原因となるので、コアを完全に除去することが大変重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、一実施例を通じて、中空からのコアの除去が容易な多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法を提供しようとする。
【0007】
また、本発明は、一実施例を通じて、コアを成す粒子が中空の内側面に打ち込まれて抜けないことを防止する多重コアおよび多重コアを用いた中空製品の製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成されて前記中空に連結される開口を具備し、非水溶性物質の第1コアと;前記中空内に配置される水溶性物質の第2コアと;前記第1コアおよび第2コアの少なくとも一部が外部に露出することを防止するように前記第1コアを取り囲むコーティング層と;を含み、前記第1コアは、前記第1コアの内部(interior)に供給された流体が前記第2コアに移動することができるように多数の空隙を具備する多重コアを提供する。
【0009】
前記第1コアは、外観を形成する外周面と、前記中空を取り囲む内周面とを含み、前記内周面と外周面との間の領域で流体が前記第1コアを長さ方向に貫通できるように複数の空間が形成され得る。
【0010】
前記第1コアは、内部に供給された流体が前記第1コアを長さ方向に貫通できるように前記多数の空隙が相互連結され得る。
【0011】
前記第1コアは、外観を形成する外周面と、前記中空を取り囲む内周面とを含み、前記内周面と外周面との間の領域で流体が前記第1コアの長さ方向および半径方向に移動することができるように前記多数の空隙が相互連結され得る。
【0012】
また、本発明は、型閉可能な金型のキャビティにコアが投入されるコア投入段階と;前記コアを取り囲むように溶融物が前記キャビティに注入されて形成される成形品の成形段階と;前記成形品の成形完了後に前記コアを前記成形品から除去するコア除去段階と;を含み、前記コアは、多数の空隙が互いに連結されたまま、前記コアの長さ方向に配置されるように形成された非水溶性物質と、前記非水溶性物質の内部に設けられる水溶性物質とからなり、前記コア除去段階は、前記非水溶性物質に水を供給して前記水溶性物質を除去することを特徴とする多重コアを用いた中空製品の製造方法を提供することによって上述した課題を解決する。
【0013】
前記コアは、内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成された開口を通じて前記中空が外部に露出する前記非水溶性物質の第1コアと;前記中空内に配置される前記水溶性物質の第2コアと;前記第1コアと前記溶融物間の接触を防止するように前記第1コアの外面を取り囲むコーティング層と;を含むことができる。
【0014】
前記コア除去段階は、前記コアの両端に位置するコーティング層を除去した後、前記第1コアに水を供給することができる。
【0015】
前記コア除去段階は、前記第1コアに水を供給して前記第2コアおよび前記第1コアを順次に除去することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の実施例によれば、次のような効果を有する。
【0017】
第一に、本発明の一実施例によれば、中空からのコアの除去が容易な効果を提供する。
【0018】
第二に、本発明の一実施例によれば、コアを成す粒子が中空の内側面に打ち込まれて抜けないことを防止する効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施例による中空成形品製造用金型装置を示す分解斜視図である。
図2図2は、図1に示された金型装置に使用される多重コアを説明する図面である。
図3図3は、図2に示された多重コアの両端にコーティング層がない状態を示す図である。
図4図4は、図1に示された中空成形品製造用金型装置に成形品が形成された状態を示す側断面図である。
図5図5は、図1に示された中空成形品製造用金型装置から取り出された中空が設けられた成形品である。
図6図6は、図5に示された中空が設けられた成形品の断面図であり、中空に支持部材が充填された状態を示す。
図7図7は、図2および図3に示された多重コアにおける水の流れを説明する図である。
図8図8は、図5に示された中空が設けられた成形品の断面図であり、中空から支持部材が除去された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下で説明される実施例は、発明の理解を助けるために例示的に示すものであり、本発明は、ここで説明される実施例とは異なって多様に変形されて実施され得ることが理解されなければならない。ただし、本発明を説明するに際して関連した公知機能あるいは構成要素に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にするかも知れないと判断される場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付の図面は、発明の理解を助けるために実際の縮尺のとおり図示されたのではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されるように図示され得る。
【0021】
本出願で使用される第1、第2用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、構成要素は、用語により限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0022】
また、本出願で使用される用語は、ただ特定の実施例を説明するために使用されたものであって、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数形の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数形の表現を含む。本出願で「含む」、「なる」または「構成される」等の用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0023】
図1は、本発明の一実施例による中空成形品40製造用金型装置を示す分解斜視図である。本発明の一実施例による金型装置は、内部に中空が形成された成形品40を製造するための装置である。内部に中空が形成された成形品40の中空成形品40は、金型装置の金型を型開し、金型の内部に形成されたキャビティに多重コア30を投入した後、金型の型閉および溶融物の注入によって製作される。成形物の内部に形成される中空は、成形物から多重コア30を除去することによって形成される。
【0024】
このような金型装置は、第1金型41と第2金型42を含む金型4と、第1金型41と第2金型42との間に設けられる多重コア30とを含む。
【0025】
第1金型41は、内部に第1キャビティ44が形成され、一側に多重コア30が嵌合され得るように第1貫通溝45Aが設けられる。第1貫通溝45Aは、外部と第1キャビティ44を連通させる。
【0026】
第2金型42は、内部に第2キャビティ43が形成され、第2キャビティ43は、第2金型42と第1金型41が型閉されるとき、第1キャビティ44と共に1つのキャビティを形成する。第2金型42は、一側に多重コア30が嵌合され得るように第2貫通溝45Bが設けられる。第2貫通溝45Bは、外部と第2キャビティ43を連通させる。また、第2貫通溝45Bは、第1貫通溝45Aと共に多重コア30が位置する1つの貫通溝45を形成する。
【0027】
多重コア30は、両端部がキャビティの外側に配置される。また、多重コア30は、図1図6および図8に示されたように、キャビティの内部に設けられて、相互平行に配置される平行部30Aと、平行部30Aを相互連通させる湾曲部30Bとを含む。
【0028】
平行部30Aと湾曲部30Bは、1つの単一経路を形成し、両端部それぞれに形成されたホールを通じて外部と連通する。これにより、多重コア30は、ジグザグで連続するように続いた経路を形成する。しかしながら、多重コア30は、ジグザグ形状に限定されるものではなく、直線状など多様な形状に形成され得る。
【0029】
図1図3を参照して、多重コア30を詳細に説明する。図2は、図1に示された金型装置に使用される多重コア30を説明する図であり、図3は、図2に示された多重コア30の両端にコーティング層10がない状態を示す図である。図2の左側は、多重コア30の側面図であり、右側は、多重コア30を長さ方向に交差する方向に切断した面を示す断面図である。
【0030】
多重コア30は、多数の空隙が互いに連結されたまま、多重コア30の長さ方向および半径方向に配置されるように形成された非水溶性物質および非水溶性物質の内部に設けられる水溶性物質を含む。
【0031】
これにより、多重コア30の一端に水が供給されると、供給された水は、非水溶性物質の空隙に沿って長さ方向、すなわち多重コア30の他端に向かって移動し、一部が水溶性物質に移動しつつ、水溶性物質を溶かすことになる。
【0032】
このような多重コア30は、一例として、コア部20とコーティング層10を含む。コア部20は、内部に中空が形成され、両端にそれぞれ形成された開口を通じて前記中空が外部に露出する第1コア22と、中空内に配置される第2コア21とを含む。
【0033】
第1コア22は、非水溶性物質からなり、第2コア21は、水溶性物質からなる。一例として、第1コア22は、サンドを含むことができ、第2コア21は、サルトを含むことができる。
【0034】
第1コア22は、内部に供給された流体が第2コア21に移動することができるように多数の空隙を含む。このような空隙は、流体が第1コア22を長さ方向に移動することができるように多数の空隙が相互連結される。
【0035】
具体的に、第1コア22は、外観を形成する外周面と、中空を取り囲む内周面とを含み、内周面と外周面との間の領域で流体が第1コア22の長さ方向および半径方向に移動することができるように多数の空隙が相互連結される。
【0036】
一方、コーティング層10は、多重コア30を完全に取り囲むように第1コア22の外周面と端面を覆うように形成される。すなわちコーティング層10は、第1コア22および第2コア21が外部に露出することを防止するように第1コア22を取り囲むように形成される。
【0037】
コーティング層10は、耐火性物質からなり、多重コア30を金型の内部に配置する過程で多重コア30が崩れないようにする役割を行う。また、コーティング層10は、第1コア22を構成する物質により圧痕が発生しないように硬度が高い。
【0038】
コーティング層10は、ディッピング(dipping)工程あるいはスプレー工程を用いて第1コア22にコーティングされ得る。一方、コーティング層10は、必要に応じて多重コア30の両端に形成されなくてもよい。
【0039】
一方、本発明の中空製品の製造方法は、型閉可能な金型のキャビティに多重コア30が投入されるコア投入段階と、多重コア30を取り囲むように溶融物がキャビティに注入されて形成される成形品40の成形段階と、成形品40の成形完了後に多重コア30を前記成形品40から除去するコア除去段階とを含む。
【0040】
溶融物は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり得る。
【0041】
金型に高温の溶融物が注入されると、コーティング層10は、このような高温に耐えるように溶融物を構成する物質の融点以上の融点を有する。
【0042】
また、コーティング層10は、溶融物が注入されて圧力が加えられるとき、第1コア22を成す物質により圧痕が発生しないように硬度が高い物質からなり得る。
【0043】
金型4に高温の溶融物が注入された後、冷却されると、図4のように金型4の内部に成形品40が位置することになる。
【0044】
その後、金型4を型開して成形品40を取り出す。取り出された成形品40は、図5のように多重コア30の一部が内部に埋め込められ、残りの一部が外部に突出した状態である。
【0045】
取り出された成形品40の内部に中空が形成されるためには、多重コア30が除去されなければならない。
【0046】
ただし、除去される部分は、多重コア30のうち外部に突出した部分30C、30Dと埋め込められた部分30A、30Bのうち第1コア22および第2コア21である。
【0047】
必要に応じて多重コア30のうち外部に突出した部分30C、30Dの外周面上のコーティング層10は、除去されなくてもよい。ただし、外部に突出した部分30C、30Dの両端のコーティング層は、水の流入のために除去されなければならない。
【0048】
また、多重コア30の埋め込められた部分のコーティング層10は、溶融物と強固に結合することによって除去されないか、内側面が加工されることによって部分的に除去されることはできる。
【0049】
一方、成形品40の内部に埋め込められた多重コア30を効果的に除去するための方法を、図6および図7を参照して説明する。
【0050】
図6は、図5に示された中空が設けられた成形品40の断面図であり、中空に支持部材が充填された状態を示し、図7は、図2および図3に示された多重コア30における水の流れを説明する図である。
【0051】
図6および図7を参照すると、まず、図6に示されたように、成形品40に埋め込められた多重コア30の両端のうち一端に水を供給する。この場合、水は、第1コア22に供給され得る。
【0052】
多重コア30に供給された水は、多重コア30の第1コア22の内部に沿って両端のうち他端に移動する。
【0053】
第1コア22の内部には、多数の空隙が形成され、これらの空隙は、互いに連結されて、第1コア22の長さ方向の流路と第1コア22の半径方向の流路を形成する。
【0054】
これにより、供給された水は、これらの流路に沿って一部は第1コア22の長さ方向に沿って移動し、残りの一部は、第1コア22の半径方向に沿って第2コア21側に移動することになる。
【0055】
第2コア21側に移動した水は、水溶性物質からなる第2コア21を第1コア22の長さ方向に沿って溶かして成形品40から除去する。
【0056】
第2コア21が継続して除去されることによって、第1コア22は、空洞が生成される部分が増加することになる。
【0057】
第1コア22は、空洞が生成された部分から順次に除去され得る。水が第1コア22に向かって高圧で供給され、第2コア21が内部でこれ以上第1コア22を支持しないためである。
【0058】
継続して加えられる水は、図8に示されたように、第1コア22を成形品40から完全に除去することになる。
【0059】
以上のように、本発明は、限定された実施例と図面により説明されたが、本発明は、これにより限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者により本発明の技術思想と下記に記載される特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正および変形可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0060】
4 金型
10 コーティング層
20 コア部
21 第2コア
22 第1コア
30 多重コア
41 第1金型
42 第2金型
45 貫通ホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8