特開2021-80235(P2021-80235A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-80235(P2021-80235A)
(43)【公開日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20210430BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20210430BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210430BHJP
【FI】
   A61K8/31
   A61K8/63
   A61K8/368
   A61K8/49
   A61K8/25
   A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-211551(P2019-211551)
(22)【出願日】2019年11月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】木崎 寿美子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC582
4C083AC662
4C083AC681
4C083AC682
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC912
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD352
4C083AD531
4C083AD532
4C083AD572
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC19
4C083CC22
4C083DD17
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】
抗炎症剤の有する使用感触上のべたつきを改善した使用感の良好な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アズレン,サリチル酸,アラントイン,それらの誘導体及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の抗炎症剤と、中実球状ホウケイ酸塩粒子とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アズレン,サリチル酸,アラントイン,それらの誘導体及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の抗炎症剤と、中実球状ホウケイ酸塩粒子とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
中実球状ホウケイ酸塩粒子が、微粒子酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料等の皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ストレス、環境汚染等が原因となり、化学物質、ダニ、ほこり等のアレルゲンや紫外線等を刺激として感じやすい人が多く、皮膚のかぶれ、かゆみ、肌荒れ、炎症等の改善のために抗炎症剤を含有した皮膚外用剤が開発されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、抗炎症剤は優れた作用を有する反面、使用感触がべたついたものになりやすいことにより、抗炎症剤を配合した製剤は、ともすれば消費者から嫌われることが多く、皮膚外用剤、特に化粧料に配合することにおいては、大きな難点となっている。
一方、中実ガラスを化粧料に配合することが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−63942号公報
【特許文献2】特開平6−321726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、皮膚外用剤に中実ガラスを配合することにより、抗炎症剤によるべたつきを軽減することは知られていない。
本発明の一目的としては、抗炎症剤によるべたつきが少なく、使用感の良好な皮膚外用剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するにいたった。すなわち本発明は、下記のとおりである。
【0007】
[1]グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アズレン,サリチル酸,アラントイン,それらの誘導体及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の抗炎症剤と、中実球状ホウケイ酸塩粒子とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
[2]中実球状ホウケイ酸塩粒子が、微粒子酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子である、[1]に記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚外用剤は、抗炎症剤によるべたつきがなく、使用感が良好である皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明の皮膚外用剤は、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アズレン,サリチル酸,アラントイン,それらの誘導体及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上の抗炎症剤を含有する。
【0011】
グリチルリチン酸、その誘導体及びそれらの塩としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が挙げられる。この中でもグリチルリチン酸ジカリウムを用いることが好ましい。市販品としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(いずれもアルプス薬品工業株式会社)、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(いずれも丸善製薬株式会社)、グリチルリチン酸ジカリウム「コウキ」、グリチルリチン酸モノアンモニウム「コウキ」(いずれも宏輝株式会社)等が挙げられる。
【0012】
グリチルリチン酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、2質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.8質量%以下、洗い流さないものには0.5質量%以下がより好ましい。
【0013】
グリチルレチン酸、その誘導体及びそれらの塩としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリン等が挙げられる。この中でもグリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルを用いることが好ましい。市販品としては、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル(いずれもアルプス薬品工業株式会社)、グリチルレチン酸、シーオーグレチノール(登録商標)(いずれも丸善製薬株式会社)、アグリチノン、アグリチノンステアリル(いずれも株式会社常盤植物化学研究所)、グリチルレチン酸「コウキ」、グリチルレチン酸ステアリル「コウキ」(いずれも宏輝株式会社)等が挙げられる。
【0014】
グリチルレチン酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、2質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.8質量%以下、洗い流さないものには0.5質量%以下がより好ましい。
【0015】
アズレン、その誘導体及びそれらの塩としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、アズレン、グアイアズレン、グアイアズレンスルホン酸エチル、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カマズレン等が挙げられる。この中でもグアイアズレンスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。市販品としては、グアイアズレン、水溶性アズレン(いずれも甲南化工株式会社)等が挙げられる。
【0016】
アズレン、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
【0017】
サリチル酸、その誘導体及びそれらの塩としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸エチルへキシル等が挙げられる。これらの中でもサリチル酸エチルへキシル、サリチル酸ナトリウムを用いることが好ましい。市販品としては、SALICYLIC ACID(Solvay)、サリチル酸メチル(株式会社エーピーアイコーポレーション)、サリチルサンナトリウム(吉富ファインケミカル株式会社)、サリチル酸エスカロール587(アシュランド・ジャパン株式会社)、パルソール EHS(DSM株式会社)等が挙げられる。
【0018】
サリチル酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
【0019】
アラントイン、その誘導体及びそれらの塩としては、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。この中でもアラントインを用いることが好ましい。市販品としては、アラントイン(アシュランド・ジャパン株式会社)、アラントイン、ALCA(いずれも川研ファインケミカル株式会社)、RonaCare(登録商標) Allantoin(Meeck KgaA)等が挙げられる。
【0020】
アラントイン、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.5質量%以下、洗い流さないものには0.3質量%以下がより好ましい。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、上記の抗炎症剤から選択される1種又は2種以上を含有することができる。
【0022】
本発明の皮膚外用剤は、中実球状ホウケイ酸塩粒子を含む。
中実球状ホウケイ酸塩粒子の平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、7μm以上が一層好ましい。また、中実球状ホウケイ酸塩粒子の平均粒子径は、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下がさらに好ましい。例えば、中実球状ホウケイ酸塩粒子の平均粒子径は、べたつき軽減効果の観点から、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmであり、さらに好ましくは7〜13μmである。なお、中実球状ホウケイ酸塩粒子の平均粒子径は、粉体粒子の形状に合わせ、顕微鏡法の原理により個数平均の平均粒子径として測定することができる。
【0023】
中実球状ホウケイ酸塩粒子において、ホウケイ酸塩は、Na、K等のアルカリ金属塩、Mg、Ca等アルカリ土類金属塩、Al塩、又はこれらの塩の組み合わせであってよい。好ましくは、ホウケイ酸Na、ホウケイ酸Ca、ホウケイ酸Al、ホウケイ酸(Ca/Na)、ホウケイ酸(Ca/Al)であり、より好ましくはホウケイ酸(Ca/Na)である。
中実球状ホウケイ酸塩粒子は、化粧品表示名称(INCI名称)としては、ホウケイ酸(Ca/Na)(CALCIUM SODIUM BOROSILICATE)、ホウケイ酸(Ca/Al)(CALCIUM ALUMINUM BOROSILICATE)等と表示されるが、本発明においてはいずれの表示名称の中実球状ホウケイ酸塩粒子を用いてもよく、ホウケイ酸(Ca/Na)を用いることがより好ましい。
【0024】
中実球状ホウケイ酸塩粒子の配合量は特に限定されないが、皮膚外用剤全量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、中実球状ホウケイ酸塩粒子の配合量は特に限定されないが、皮膚外用剤全量に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
例えば、中実球状ホウケイ酸塩粒子の配合量は、皮膚外用剤全量に対し、0.01〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。例えば、水媒体又は油媒体の剤型の皮膚外用剤では、中実球状ホウケイ酸塩粒子は、皮膚外用剤全量に対し0.01〜10質量%がさらに好ましい。また、粉末状又は固形状の剤型の皮膚外用剤では、中実球状ホウケイ酸塩粒子は、皮膚外用剤全量に対し0.1〜20質量%がさらに好ましい。
【0025】
中実球状ホウケイ酸塩粒子は未処理のものを用いてもよいし、親水化処理、又は疎水化処理を施したものを用いてもよい。
【0026】
本発明の中実球状ホウケイ酸塩粒子を皮膚外用剤に配合する場合、酸化亜鉛を被覆した酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子とすることにより、皮脂固化効果を発揮し、化粧持ちを向上させることができる。
【0027】
本発明の酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子に用いられる酸化亜鉛は、皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。酸化亜鉛の形状は特に限定されない。酸化亜鉛の平均粒子径は、皮脂固化能の観点より、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、さらには15〜50nmが一層好ましい。なお、酸化亜鉛の平均粒子径は、体積基準の平均粒子径であり、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
【0028】
酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子は、例えば、中実球状ホウケイ酸塩粒子を酸化亜鉛粉末によって被覆することによって得ることができる。酸化亜鉛粉末には、微粒子酸化亜鉛粒子を用いることが好ましい。
酸化亜鉛は未処理の酸化亜鉛をそのまま用いることもできるが、疎水化処理を施した酸化亜鉛を用いることが好ましい。疎水化処理剤としては特に限定されるものではなく、ジメチコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、金属石鹸等が例示される。これらの疎水化処理剤の中でも、ジメチコンを用いることが好ましい。疎水化処理剤の被覆量は酸化亜鉛を疎水化処理するのに十分な量であればよい。具体的には酸化亜鉛と疎水化処理剤の質量比が85:15〜99:1が好ましく、さらには90:10〜98:2が好ましい。
【0029】
本発明の皮膚外用剤に用いられる酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子において、中実球状ホウケイ酸塩粒子1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。また、中実球状ホウケイ酸塩粒子1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は2質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましい。この範囲で、皮脂固化能をより高めて、皮脂崩れをより防止することができる。
中実球状ホウケイ酸塩粒子1質量部に対し、酸化亜鉛の被覆量は0.01〜2質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましい。
【0030】
中実球状ホウケイ酸塩への酸化亜鉛の被覆方法としては、これまで知られた各種方法を用いることができ、例えば、物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)、化学的な沈着法等を用いることができる。酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子の皮脂固化能の点から、乾式の混合摩砕法を好ましく用いることができる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、上記した中実球状ホウケイ酸塩粒子、好ましくは酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子を含むことによって、皮脂固化能を有し、優れた化粧持ち効果を発揮することができる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤において、抗炎症剤及び中実球状ホウケイ酸塩粒子の合計量は、皮膚外用剤全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
本発明の皮膚外用剤において、抗炎症剤1質量部に対し、中実球状ホウケイ酸塩粒子は、0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部が好ましい。この範囲で、抗炎症剤による作用を得ながら、皮膚外用剤のべたつき及び化粧持ちを改善することができる。
【0033】
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定されず、ルースタイプの粉末状皮膚外用剤、固形状油性皮膚外用剤、ペースト状油性皮膚外用剤、液状油性皮膚外用剤、油中水乳化型皮膚外用剤、水中油乳化型皮膚外用剤、水性皮膚外用剤、エアゾール等の剤型を採用することができる。
本発明の皮膚外用剤には、通常皮膚外用剤に配合し得る成分を配合することができる。例えば、水性成分、油性成分、保湿剤、色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、美容成分、香料、高分子物質、防菌防黴剤、アルコール類、粉体、スクラブ剤、生体由来成分等を適宜配合することができる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤は、通常の製造方法により製造することができる。
例えば、皮膚外用剤は、上記した抗炎症剤と、中実球状ホウケイ酸塩粒子と、基剤とを混合することで、製造することができる。固形状又は粉末状の皮膚外用剤には、基剤として、無機粒子、樹脂粒子等を用いることができる。液体状、乳液状、又はエマルション状の皮膚外用剤には、基剤として、水、水溶性有機溶剤、非水溶性有機溶剤等を用いることができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量は、特に指定しない限り質量%を意味する。比較例については、対応する実施例に配合したホウケイ酸(Ca/Na)又は酸化亜鉛被覆ホウケイ酸(Ca/Na)を「全量を100とする量」と表記される成分に置換したものを対応する比較例とした。また、実施例又は比較例は定法により調製した。
【0036】
以下実施例及び比較例の評価方法について説明する。
[べたつき]
前腕内側部をあらかじめ決められた石鹸を用いて洗浄し、前腕の水分をふき取る。左右前腕に2箇所ずつ3.0cm×3.0cmの領域を記し、実施例及び比較例の組成物を指サックをはめた指で隣り合わせに適量塗布し、下記の基準で合議により判定した。なお、官能評価専門員3名を被験者とした。
「○」:実施例のほうが、べたつきが少ない。
「△」:実施例、比較例が同等である。
「×」:比較例のほうが、べたつきが少ない。
【0037】
[化粧持ち]
べたつきを評価したサンプルについて、4時間後の前腕内側部に残存している実施例又は比較例を目視で観察し、下記の基準で合議により判定した。なお、官能評価専門員3名を被験者とした。
「○」:実施例のほうが、残存量が多い。
「△」:実施例、比較例が同等である。
「×」:比較例のほうが、残存量が多い。
【0038】
ホウケイ酸(Ca/Na)としては、商品名「COVABEAD CRYSTAL」(SENSIENT COSMETIC TECHNOLOGIES社製;平均粒子径11μm;中実球状ホウケイ酸塩粒子)を使用し、酸化亜鉛被覆ホウケイ酸(Ca/Na)としては、商品名「プルセア CBZ−NV」(鈴木油脂工業株式会社製;酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子)を使用した。
【0039】
表1、表2にパウダーファンデーションの処方例とその評価結果を示す。表1、表2に示す通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例より、べたつきの少ない良好な使用感であった。また、酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例6〜10は、対応する比較例よりも化粧持ちがさらに良好であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
表3、表4に水中油型乳化リキッドファンデーションの処方例とその評価結果を示す。表3、表4に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。また、酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸を配合した実施例16〜20は、対応する比較例よりも化粧持ちが良好であった。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
表5に化粧下地の処方例とその評価結果を示す。表5に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。
【0046】
【表5】
【0047】
表6、表7に油中水型乳化日焼け止めの処方例とその評価結果を示す。表6、表7に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。また、酸化亜鉛被覆中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例31〜35は、対応する比較例よりも化粧持ちがさらに良好であった。
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
表8に乳液の処方例とその評価結果を示す。表8に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。
【0051】
【表8】
【0052】
表9にクリームの処方例とその評価結果を示す。表9に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。
【0053】
【表9】
【0054】
表10にクレンジングクリームの処方例とその評価結果を示す。表10に示した通り中実球状ホウケイ酸塩粒子を配合した実施例は、配合していない比較例よりべたつきの少ない良好な使用感であった。
【0055】
【表10】