【課題】本発明は、「位置学習機能」を有する大量な無線通信ノードを作る全地球測位サービスのシステム、及びその方法を提供する。具体的には、通信ノードの精度指数(Accuracy Merit、AM)を評価する時に無線通信測距の誤差を記入する漸進的全地球測位システム及び漸進的全地球測位方法を提供する。
【解決手段】各通信ノードは、隣接する通信ノードから位置情報を取得してその地理的座標を得る。測距を複数回実行して精度指数を採点することで、各通信ノードがその地理的座標を継続的にメンテナンスし、時間の推移につれて精度を向上できる。
前記通信ノードにおける少なくとも1つの前記通信ノード並びに地理的座標及び精度指数を有する第2アンカー通信ノードに対して前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を再び行うことで、前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を計算する場合、
前記通信ノードは、前記通信ノードの地理的座標及び精度指数と、前回取得した地理的座標及び精度指数とを比較し、精度指数が高い地理的座標を選択することを特徴とする、請求項1に記載の漸進的全地球測位システム。
いずれかの前記通信ノードが外部リソースから前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を取得し、その地理的座標及び精度指数並びに信頼性認証データを前記ブロックチェーンに提出し、第2スマート約定を実行し、
前記第2スマート約定の承認条件は、前記外部リソースが信頼性認証を有することであり、
前記第2スマート約定の承認条件を通過すると、前記通信ノードが得た地理的座標及び精度指数を前記ブロックチェーンの台帳に記録することを特徴とする、請求項3に記載の漸進的全地球測位システム。
前記ブロックチェーンの台帳記録は、前記通信ノード及び前記第1アンカー通信ノードのUIDを有することを特徴とする、請求項3に記載の漸進的全地球測位システム。
前記通信ノードは、前記第1アンカー通信ノードのUIDに基づいて前記ブロックチェーンの台帳から前記第1アンカー通信ノードの地理的座標及び精度指数を得て、前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことを特徴とする、請求項3に記載の漸進的全地球測位システム。
いずれかの前記通信ノードが外部リソースから前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を取得し、その地理的座標及び精度指数及び信頼性認証データを第2検証プログラムに提出し、
前記第2検証プログラムの承認条件は、前記外部リソースが信頼性認証を有することであり、
前記第2検証プログラムの承認条件を通過すると、前記第1検証プログラムのログ記録は、前記通信ノードが得た地理的座標及び精度指数を含むことを特徴とする、請求項7に記載の漸進的全地球測位システム。
各前記通信ノードは、前記通信ノードの地理的座標の過去のデータに基づいて地理的座標の統計分析を行うことで、前記通信ノードの地理的座標の精度及びその精度指数を高めることを特徴とする、請求項9に記載の漸進的全地球測位システム。
少なくとも1つ前記相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する前記通信ノードは、警報通信ノードの警報情報を他の前記通信ノード又は前記警報通信ノードが指定したIPアドレスに伝送することを特徴とする、請求項1に記載の漸進的全地球測位システム。
少なくとも1つ前記相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する前記通信ノードがアクチュエータを有し、モバイル通信ノードのUIDを利用してデジタル署名技術によって前記モバイル通信ノードの秘密鍵による暗号化した身元情報を復号する時に、前記通信ノードは、前記身元情報に基づいて、前記アクチュエータを起動して遠隔制御装置を制御するかどうかを決めることを特徴とする、請求項1に記載の漸進的全地球測位システム。
前記通信ノードにおける少なくとも1つの前記通信ノード並びに地理的座標及び精度指数を有する第2アンカー通信ノードに対して前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を再び行うことで、前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を計算する場合に、
前記通信ノードは、前記通信ノードの地理的座標及び精度指数と、前回取得した地理的座標及び精度指数とを比較し、精度指数が高い地理的座標を選択することを特徴とする、請求項15に記載の漸進的全地球測位方法。
前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を経て前記通信ノードがより高い精度指数を有する地理的座標を得た場合に、前記通信ノードが前記相対的位置決めアルゴリズムの演算データをブロックチェーンに提出し、前記ブロックチェーンの第1スマート約定を実行し、
前記第1スマート約定の承認条件は、前記ブロックチェーンに存在する前記第1アンカー通信ノードの台帳であり、
前記通信ノードが得た地理的座標及び精度指数は、前記通信ノードが提出した前記相対的位置決めアルゴリズムの演算データ、並びに前記ブロックチェーンに存在する第1アンカー通信ノードの台帳に記録される地理的座標及び精度指数に基づいて、物理的及び数学的な制限を満たすと判断され、
前記第1スマート約定の承認条件を通過すると、前記通信ノードが得たより高い精度指数を有する地理的座標及び精度指数を前記ブロックチェーンの台帳に記録することを特徴とする、請求項15に記載の漸進的全地球測位方法。
いずれかの前記通信ノードが外部リソースから前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を取得し、その地理的座標及び精度指数並びに信頼性認証データを前記ブロックチェーンに提出し、第2スマート約定を実行し、
前記第2スマート約定の承認条件は、前記外部リソースが信頼性認証を有することであり、
前記第2スマート約定の承認条件を通過すると、前記通信ノードが得た地理的座標及び精度指数を前記ブロックチェーンの台帳に記録することを特徴とする、請求項17に記載の漸進的全地球測位方法。
前記通信ノードは、前記第1アンカー通信ノードのUIDに基づいて前記ブロックチェーンの台帳から前記第1アンカー通信ノードの地理的座標及び精度指数を得て、前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことを特徴とする、請求項17に記載の漸進的全地球測位方法。
いずれかの前記通信ノードが外部リソースから前記通信ノードの地理的座標及び精度指数を取得し、その地理的座標及び精度指数及び信頼性認証データを第2コンピュータプログラムに提出し、
前記第2コンピュータプログラムの承認条件は、前記外部リソースが信頼性認証を有することであり、
前記第2コンピュータプログラムの承認条件を通過すると、前記通信ノードが得た地理的座標及び精度指数を前記第1コンピュータプログラムのログに記録することを特徴とする、請求項21に記載の漸進的全地球測位方法。
各前記通信ノードは、前記通信ノードの地理的座標の過去のデータに基づいて地理的座標の統計分析を行うことで、前記通信ノードの地理的座標の精度及びその精度指数を高めることを特徴とする、請求項23に記載の漸進的全地球測位方法。
少なくとも1つ前記相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する前記通信ノードは、警報通信ノードの警報情報を他の前記通信ノード又は前記警報通信ノードが指定したIPアドレスに伝送することを特徴とする、請求項15に記載の漸進的全地球測位方法。
少なくとも1つ前記相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する前記通信ノードは、アクチュエータを有し、モバイル通信ノードのUIDを利用してデジタル署名技術によって前記モバイル通信ノードの秘密鍵による暗号化した身元情報を復号する時に、前記通信ノードは、前記身元情報に基づいて、前記アクチュエータを起動して遠隔制御装置を制御するかどうかを決めることを特徴とする、
請求項15に記載の漸進的全地球測位方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の漸進的全地球測位システム及びその方法の実施例を説明する。説明の便宜上、図面において、各部品のサイズ及び比率が実際より拡大又は縮小することがある。下記説明及び/又は請求項において、素子が他の素子に「接続」又は「連結」されるとは、前記他の素子に直接に接続又は連結されてもよいが、他の素子を介して接続又は連結されてもよい。素子が他の素子に「直接に接続」又は「直接に連結」されるとは、介在の素子が存在しないことを示す。素子又は層の間の関係を説明するための他の文言も同じように解釈されるべきである。理解を容易にするために、下記実施例において、同じ符号で同じ素子を示す。
【0014】
図1Aは、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムの第1模式図である。
図1Aに示すように、漸進的全地球測位システム1は、地理的座標及び精度指数を有する複数の通信ノードN
0、N
1、並びに第1アンカー通信ノード(first anchor node又はfirst hinge node)N
A、N
B及びN
Cを有する。本実施例は単なる例であり、通信ノード及び第1アンカー通信ノードの数が図面に限定されない。漸進的全地球測位システム1は、より多くの通信ノード及び第1アンカー通信ノードを有してもよい。また、若通信ノードN
0、N
1が初期状態(即ち、未使用の通信ノードN
0、N
1が初めてある地点に取り付ける状態)であってもデフォルトの地理的座標及び精度指数を有する。
【0015】
いずれかの又は複数の前記通信ノードN
0、N
1、並びに1つ又は複数の第1アンカー通信ノードN
A、N
B及びN
Cに対して相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことで、その地理的座標及び精度指数を決める又は更新することができる。
【0016】
以下、複数の通信ノードN
0、N
1が相対的位置決めアルゴリズムの演算によって第1アンカー通信ノードN
A、N
B及びN
Cから1組の地理的座標を得ることを説明する。相対的位置決めアルゴリズムの演算は、下記隣接する第1アンカー通信ノードから取り込んだ地理的座標を有し、隣接する第1アンカー通信ノードとの距離を測定し、三辺測定法によってその地理的座標を決めることができる。直線にない3つの第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cは、既知の地理的座標(x
i、y
i、z
i)を有する。第1アンカー通信ノードN
Aの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
A、y
A、z
A)及びAM
Aである。第1アンカー通信ノードN
Bの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
B、y
B、z
B)及びAM
Bである。第1アンカー通信ノードN
Cの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
C、y
C、z
C)及びAM
Cである。通信ノードN
0の地理的座標及びその精度指数は、それぞれ(x
0、y
0、z
0)及びAM
0である。通信ノードN
1の地理的座標及びその精度指数は、それぞれ(x
1、y
2、z
1)及びAM
1である。第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cの無線通信範囲内の通信ノードN
0の地理的座標を決めようとする場合に、幾何学的原理に基づいて、通信ノードN
0と第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離d
A、d
B、d
Cが既知であれば、三辺測定法(Trilateration)によって三次元空間(x、y、z)における通信ノードN
0の地理的座標(x
0、y
0、z
0)を確定できる。第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離d
A、d
B、d
Cについて、先に通信ノードN
0との相対位置(relative or offset position)及び座標を提供してから、加減算で通信ノードN
0の地理的座標(x
0、y
0、z
0)を得る。前記作業において、さらに各通信ノードの地理的座標に精度指数を付与することで、測距測定誤差及び前記アンカー通信ノードからの誤差を含むことができる。より詳しい内容を後述する。即ち、地理的座標及び精度指数を決めようとする少なくとも1つの通信ノード(例えば、通信ノードN
0)及び前記第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cに対して相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことで、その地理的座標及び精度指数を決めることができる。
【0017】
三次元空間幾何学において、直線にない3つの第1アンカー通信ノードだけに対して相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うと、得られた通信ノードN
0の(x
0、y
0、z
0)が鏡像の不明確な位置(ambiguous location)を生じる。その場合、他のアンカー通信ノードを追加するか、又は第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cのいずれかを僅かに移動することで、正確の(x
0、y
0、z
0)を確定できる。それは多面的な幾何学的な問題であり、本発明の範囲に含まない。三次元空間において、1つ又は2つの第1アンカー通信ノードしかない場合でも、誤差がより多きであるが、通信ノードN
0の(x
0、y
0、z
0)を計算できる。本実施例において、「三辺測定法」でこのような相対的位置決めアルゴリズムを示すが、他の相対的位置決めアルゴリズム、例えば三角測定法(triangulation)及び受信角度法(phase/angle of arrival、AoA)等であってもよい。前記他の相対的位置決めアルゴリズムは、異なる数学演算モデル及び異なる通信ノードの共通の動作モードが必要である。
【0018】
使用できる測距ツールとしてIEEE(登録商標)802.11mc規格が挙げられる。802.11mcをサポートするWiFi装置(AP及びスマートフォンを含む)がますます流行っている。802.11mcを採用する装置を「イニシエータ」(initiator)又は「レスポンダー」(responder)として定義できる。
図1Aに示すように、通信ノードN
0、N
1、N
A、N
B、N
Cのいずれかをイニシエータ又はレスポンダーにしてもよい。従来技術に記載したように、イニシエータとレスポンダーの間のRTT(Round Trip Time)のFTM(Fine Time Measurement)を利用し、ToFの原理を使用すると、2つのノードの間の距離を確定できる。一般的には、地理的測定で得た複数の地理的座標を802.11mcをAP利用してレスポンダーとして空間に配置する。その場合、802.11mcをサポートするスマートフォンがイニシエータとなる。802.11mcの測距メカニズムによって前記レスポンダーとの間の距離を測定し、レスポンダーの既知の地理的座標を取り込むと、スマートフォンは三辺測定法によってその地理的座標を取得できる。802.11mcを利用するToFの他に、無線装置の相対信号強度指示(Relative Signal Strength Indicator、RSSI)も、通信ノードN0、N1で受信したNA、NB、NCからび信號強さに基づいてそれらとの距離を決めることができる。本發明で使用する測距技術は、信號強度、ToF、及びその他の全ての手段を含む。
【0019】
本実施例の方法において、全てのレスポンダーが事前に地理的測定を行わなくてもよい。AP(例えば、
図1Aの通信ノードN
0、N
1)は、既知の地理的座標及び精度指数を有するAP(例えば、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
C)からその地理的座標を取得できる。その後、より高い精度指数を有するノードが存在する場合に、AP(例えば、
図1Aの通信ノードN
0、N
1)がその地理的座標の精確さを高めるように再び三辺測定を行う。
【0020】
図1Bは、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムの第2模式図である。
図1Bに示すように、より高い精度指数を有する第2アンカー通信ノード(second anchor node又はsecond hinge node)N
D、N
Eが存在する場合に、AP(通信ノードN
0又は通信ノードN
1)がその地理的座標の精確さを高めるように再び三辺測定を行う(通信ノードN
0と第2アンカー通信ノードN
D、N
Eとの距離は、それぞれd
D及びd
Eである)。第2アンカー通信ノードN
Dの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
D、y
D、z
D)及びAM
Dである。第2アンカー通信ノードN
Eの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
E、y
E、z
E)及びAM
Eである。通信ノードN
0は、元々の第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cから精度指数が高いNCを選択し、更により精確な地理的座標を得るために第2アンカー通信ノードN
D、N
Eを利用して三辺測定法を行う。通信ノードN
0は、得られた地理的座標及び精度指数とその前に得られたものとを比較し、精度指数が最も高いものを使用する。
【0021】
APのファームウェア及びスマートフォンのアプリケーションプログラムに対してプログラミングすることで、レスポンダーとイニシエータの間に測距データを交換してもよい。例えば、Google Android(登録商標)において、「測距要求」(RangingRequest)というAPIがあって、測距に参加する複数のAP又はWi−Fi Aware(登録商標)(工業規格)通信ノードを相対測距協働リストに含ませる。測距要求において、複数のAP又はWi−Fi Awareを協働して通信ノードとすることができる。実行した後、APIが全ての設備の測定距離を回復する。また、802.11mcにおいて、地理空間フォーマットの地理的座標情報(例えば、緯度、経度、及び海抜高さ)をFTMフレームのLCI情報(詳しくは後述する)に書き込んでもよい。それらの座標情報と前記ToFによって測定した距離に基づいて、802.11mcをオンにしたAP(例えば、
図1Aの通信ノードN
0又はN
1)は、三辺測定法によってその地理的座標を得ることができる。
【0022】
問題は、如何にAPが所在する同じ空間で信頼性のある地理的座標の通信ノードを見つけて協働させ、測位の測定及び演算に参加することにある。本発明において、専門的な方法で地理的測定を行って得られた精度座標を最も高い精度指数とするため、「スーパーアンカーノード」とすることができる。他の簡単な解決策としては、同じ無線通信フィールドでの1つの又は複数のスマートフォンをアンカー通信ノードとしてGPS信号を受信できる箇所に置くこともできる。同じ地点でのGPS信号受信回数が増えた場合に、統計計算により信頼性が高い精確な地理的座標を得て、信頼性のある精度指数を得ることができる。スマートフォンのいくつかの高等技術の測距ツール、例えばUWB又はLiDARを利用すると、短距離の測距精度を高めることができる。GPSを利用できない場合に、後述の慣性ナビゲーションを利用してもよいが、移動距離の増加につれて精度が急激に劣化する。また、Wi−Fi Awareによって近くの協働可能なAPを検索すると、より多くのアンカー通信ノード(anchor node又はhinge node)を見つかることができる。無線測定を行う毎に測定誤差があるため、精度指数の低下になる。例えば、前記「後方」の通信ノードが前方の誤差を含むため、精度指数の低下になる。そのため、全てのノードが1つの共通規格で精度指数を定義すれば、APは、続けてより良い協働アンカー通信ノードを見つけてそれを測定に参加させ、徐々にその地理的座標をより良い精確さに微調整させることで、他の人が信頼できるアンカー通信ノードになることができる。
【0023】
説明の便宜上、本実施例においても、「イニシエータ」(例えば、通信ノードN
0又はN
1、又は
図2に示す移動中のスマートフォンN
i)で初期の通信ノード、又は改善した地理的位置を必要とする通信ノードを示し、また、「レスポンダー」で参加するアンカー通信ノード(例えば、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
C、又は第2アンカー通信ノードN
D、N
E)を示す。
【0024】
近くに3つのアンカー通信ノードが存在し、アンカー通信ノードとの距離を測定できる場合に、独立したイニシエータ通信ノードは、その地理的座標を計算できる。ここでいう「独立」とは、イニシエータとレスポンダーの間に限られた無線通信のみを行うことを示す。例えば、3つのアンカー通信ノードは、それらの地理的座標(一方通信)を「放送」できる必要がある。また、通信ノードは、距離を測定できる必要がある。信号強度の場合、一方又は両方向の通信を行う必要がある。ToFの場合、両方向の通信を行う必要がある。アンカー通信ノードが移動(例えば、携帯電話、詳しくは後述する)できる場合に、前記アンカー通信ノードが時間別に移動軌跡における異なる箇所でそれぞれの地理的座標データを提供することで、イニシエータ通信ノードが逐次に距離を測定できる。その場合、各点の地理的座標データ及び測定データを同時に取得すればよい。即ち、座標の放送及び測距の他に、参加するノードの間にメッシュネットワーク又は同期のようなワイヤレスコラボレーションを行う必要がない。Android RangingRequest APIを使用する場合に、協働するAP又はWi−Fi Aware装置をメッシュネットワークに接続する必要がない。参加するスマートフォンは、APに「WiFi関連」(associate)する必要がなく、時間同期をする必要がない。他の相対的位置決めアルゴリズム、例えば三角測位法又は受信角度法を使用すると、より多くの無線通信協働が必要になる場合がある。
【0025】
慣性ナビゲーションは、地理的位置データを既知の地理的座標位置からもう1つの位置に「伝送」するのに役立つ。スマートフォンは、近くのアンカー通信ノードを利用するか、又はGNSS(GPS)信号を受信することで、その地理的座標を取得できる。その後、スマートフォンが移動している時に、慣性ナビゲーションの原理に基づいてモーションセンサー(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)によって受信した情報を積分すると、スマートフォンの位置、方向及び速度を連続に認識できる。スマートフォンをある地理的座標を取得しようとするイニシエータ通信ノードが所在する空間に移動すると、その移動軌跡における点は、一時的なアンカー通信ノードとして機能できる。前記移動軌跡における直線にない3つの位置サンプルを選択すると、前記イニシエータ通信ノードは、三辺測定法によってその地理的座標を取得できる。慣性ナビゲーションの欠点としては、毎回の位置推移の演算で誤差が累積することにある。しかしながら、多くの方法でその精確さを高めることができる。近い将来に、ハードウェア又はソフトウェアによってより精確な結果を提供できるだろう。
【0026】
図2は、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムの第3模式図である。
図2は、信頼性のある地理的座標を有するアンカー通信ノードによって、他のノードに測位サービスを提供することを示す。例えば、自宅や公共の場所等で使用する場合に、信頼性のある地理的座標を有する(第1又は第2)アンカー通信ノードN
J、N
K、N
L、N
Mを設けることで、スマートフォンN
iのようなモバイル通信ノードをイニシエータとし、相対的位置決めアルゴリズムによってその地理的座標を認識できる。アンカー通信ノードN
Jの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
J、y
J、z
J)及びAM
Jである。アンカー通信ノードN
Kの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
K、y
K、z
K)及びAM
Kである。アンカー通信ノードN
Lの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
L、y
L、z
L)及びAM
Lである。アンカー通信ノードN
Mの地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
M、y
M、z
M)及びAM
Mである。通信ノードN
i(スマートフォン)の地理的座標及び精度指数は、それぞれ(x
i、y
i、z
i)及びAM
i(スマートフォンN
iとアンカー通信ノードN
J、N
K、N
L、N
Mとの距離は、それぞれd
J、d
K、d
L及びd
M)である。スマートフォンN
iは、相対的位置決めアルゴリズムによってその地理的座標を取得した後、その新たに取得した位置情報を様々な応用に利用できる。例えば、位置データをオンラインマップサービスに送信し、地図に前記スマートフォンN
iの位置を表示できる。また、位置データをクラウドにある追跡サーバーを介してサードパーティー装置に送信し、前記スマートフォンN
iの所有者の位置を通知できる。なお、前記位置データをゲームサーバーに送信し、位置によって変わるゲームのリアクションを得ることができる。即ち、スマートフォンN
iは、前記位置データを使用する位置データの消費者である。即ち、通信ノードN
iは、モバイル機器であり、モバイル機器(通信ノードN
i)の地理的位置を他のアプリケーションプログラムに伝送して表示するか、又は、モバイル機器(通信ノードN
i)の地理的位置を追跡サーバーに伝送し、前記追跡サーバーを介してモバイル機器(通信ノードN
i)の地理的位置を電子装置に提供する。
【0027】
通信ノードの測位演算を追跡可能にするために、各通信ノードは、ハードウェア又はソフトウェアによって1つのUID(Unique Identifier)を付ける。ハードウェア方法は、例えば、チップをシリアル化し、又はシリアル番号をフラッシュメモリにプログラミングする。業界でよく知られる秘密鍵/公開鍵暗号(private/public key cryptography)によって公開鍵メカニズムで登録してもよい。通信ノードは、1つの秘密鍵をランダムに生成して秘密に所有する。そして、各通信ノードは、前記秘密鍵に基づいて、一意の公開鍵を生成して公開識別用UIDとする。秘密鍵から公開鍵の変更は、業界で知られるECDSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm)、又は「デジタル署名」と称する技術で行う。すべてのデジタル署名アルゴリズムにおいて、一般的には、秘密鍵エンコードスペースが極めて巨大であるため、計算によって同じ秘密鍵を推測したり選択したりすることはできない。同じく、公開鍵スペースも巨大であるため、繰り返しの可能性はほぼゼロである。そのため、公開鍵暗号化を通信ノードの認識コードとすると、一意と見做(以下、「一意の公開鍵」と称する)され、シリアルナンバー(serial number)として使用できる。有効化すると、他の通信ノードは前記一意の公開鍵によって前記通信ノードを認識できる。
【0028】
精度指数(AM)は、位置データの使用者が容易に理解できる指標であり、0〜5(最も高い精度)で示し、信頼性認証(詳しくは後述する)を有する「スーパーアンカーノード」に用いる。0は、適切な証拠を提供できない通信ノードを示す。表1において、精度指数及び誤差範囲(即ち、座標不精度)の対応状況を示す。留意すべきことは、表1は、整数のAM値及び対応するおおよそのE
C(座標誤差)の範囲を示す。AM値は、0から5まで連続に変化するので、整数だけではない。それに対応するE
C値も連続に変化する。アンカー通信ノードNiに精度指数AM
iを付与すると、表1の誤差値に基づいて、N
i空間座標(x
i、y
i、z
i)の周りに「誤差範囲」の球を描画し、通信ノードN
iのネイティブの不精度を示すことができる。
図3は、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムによって三辺測定法を行う時に精度指数推定を行うフローチャートである。
図3において、三辺測定法を行う時に精度指数(AM)を評価することを説明する。イニシエータ通信ノードN
0は、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
C(
図1に示す)から地理的座標及び精度指数のデータを受信し、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離d
A、d
B、d
Cを測定する。そのうち、多くのエラーファクターが存在する。d
A、d
B、d
Cの不精度は、無線通信帯域幅及びデータ速度の影響を受ける。また、壁や家具等の障害物で遮られる場合に誤差を生じる。そのため、三辺測定作業において、d
A、d
B、d
Cの端点にその誤差範囲の球を有し、それを三辺測定法で得られた地理的座標の精度指数に反映しなければならない。関連文献から分かるように、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cから形成した傾斜三角ピラミッドは、規則的なピラミッドより大きい三辺測定法の誤差を生じる可能性がある。また、通信ノードN
Aの精度指数がN
B、N
Cよりはるかに高い場合、N
0の地理的座標を計算する時に、N
B、N
Cのネイティブの「誤差範囲」の球が大きいため、N
B、N
Cの誤差感度(Sensitivity)がN
Aよりはるかに高い。変数の干渉を出来る限りに避けるために、理想状況では、例えば、参加するアンカー通信ノードの精度指数、N
0との距離、及び距離測定不精度が近く、N
0と構成した三角ピラミッドの形状が正しい場合、下式(1)で示す。なお、表現手段の制約の為、上線付きの文字については、上線付きの文字の前に上線を記している。
E
C0= ̄E
Ci+ ̄E
Ri ・・・(1)
【0029】
そのうち、E
Cは、表1に基づいてAM値から換算する座標(Coordinate)不精度を示す。ERは、測距(Radio Ranging、無線通信測距)不精度を示す。下付き0は、イニシエータN
0を示す。下付きiは、参加する全てのアンカー通信ノードを示し、ここでは第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cを示す。上の棒線は、i個のケースから得られた平均値を示す。E
CAは、表1に基づいてAM
Aから換算する。E
CBは、AM
Bから換算する。その他は類推できる。座標不精度E
Cは、最小桁の不精度だけではない。E
CAは、(x
A、y
A、z
A)の精確さを反映し、AM
Aで代表する。詳しい測位演算において、更にx、y、zの3軸の異なる誤差区間を区別し、分散(variance)で示す。ここでは、各軸の分散の平均値で示す。前記のように、AM
Aは、前の第1アンカー通信ノードN
Aの「最適な」相対的位置決めアルゴリズムを行う過程で定義される(即ち、
図1Bの実施例に示すように、第1アンカー通信ノードN
Aをイニシエータ通信ノードとしてなにかの相対的位置決めアルゴリズムを行った後、精度指数が最も高いものを選ぶ)。そのため、E
C及びAMは、最適な相対的位置決めアルゴリズムを行う過程での全ての誤差を含む。また、測距不精度E
Rは、無線通信帯域幅、データ速度、使用頻度、及び障害物の遮るによる物理的制限に関する。E
Rの評価が非常に複雑であるが、理論及び経験的データの標準測距不精度ルックアップテーブル(Look−up Table)に基づいて管理できる。式(1)において、上の棒線は、i個のケースから得られた平均値を示すが、傾斜三角ピラミッドの場合、又は複数の測定技術を混合(例えば、d
A、d
BがFTM測定を使用するが、d
CがRSSI測定を使用する。詳しくは後述する)する場合に、式(1)を他の非単純平均式で置換してもよい。イニシエータ通信ノードN
0の座標不精度E
C0は、前記アンカー通信ノードからの誤差E
Ciを含むだけでなく、毎回の測距で誤差E
Riが累積する。明らかに、イニシエータ通信ノードN
0の精度指数の評価は、E
C0= ̄E
Ci+ ̄E
Riのために数学上の制限条件が存在する。測距について、スマートフォンがUWB又はLiDARを搭載する場合に、E
Rを大幅に改善できる。このようにすると、通信ノードN
0は、複数のエラーファクターに基づいて精度指数を計算する。エラーファクターは、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cの精度指数、及び通信ノードN
0に対して相対的位置決めアルゴリズムを行うことで得られた通信ノードN
0と第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離の不精度を有する。表1において、例として精度指数及び誤差E
Cの関係を説明する。
【0031】
前記計算を支持するために、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cの無線通信信号が有する測定に関する情報は、(1)公開鍵、(2)現在の地理的座標(x
i、y
i、z
i)、(3)精度指数AM
i、(4)ToFレスポンス、及び(5)他のネットワーク接続及び同期情報を有するが、それらに限定されない。IEEE 802.11−2016規格において、地理的座標及び精度の指示を提供する。LCI(Location Configuration Information)は、緯度、経度、高さ及びその不精度(量子化誤差)を含む。また、LCR(Location Civic Report、又はCIVIC)は、規格化フォーマットによってその「civic」アドレスを認識させる。
【0033】
工程S31:通信ノードN
0が第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cから地理的座標及び精度指数を受信し、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離d
A、d
B、d
Cを測定する。
【0034】
工程S32:第1アンカー通信ノードN
Aの精度指数AM
A、第2アンカー通信ノードNBの精度指数AM
B、及び第3アンカー通信ノードN
Cの精度指数AM
Cを読み込む。
【0035】
工程S33:不精度ルックアップテーブルから距離d
Aの不精度、距離d
Bの不精度、及び距離d
Cの不精度を取得する。
【0037】
工程S35:通信ノードN
0の新の精度指数AM
0を得る。
【0038】
図4は、本発明の実施例の漸進的全地球測位方法の第1フローチャートである。
図4は、通信ノードの精度指数を改善する方法を説明する。各通信ノードは、その精度指数を改善することで、後の位置データの共有では、より信頼性のある地理的座標を提供する。各通信ノードは、隣接する利用可能な新アンカー通信ノードの兆候を持続的に観察することで、前記精度指数を改善できる。無線通信範囲内に高い精度指数等級を有するアンカー通信ノードを認識したら、相対位置決めアルゴリズムは、三辺測定法において、前記アンカー通信ノードの地理的座標に対してより多い「重み」をつける。このことは、低い精度指数等級を有する参加する通信ノードを削除することによって達成できる。例えば、
図1Bにおいて、第1アンカー通信ノードN
A、N
Bを削除する。また、他の統計方法によって達成してもよい。全ての高い精度指数等級を有するアンカー通信ノードは、他の相対的位置決めアルゴリズムに用いられるが、類似な精度指数等級を有する全てのアンカー通信ノードも重要である。それは、統計学において、無線通信測定の不精度がランダムであるからである。類似な精度指数等級を有するアンカー通信ノードに対して数回の測定を行うことで、最終的に、通信ノードの地理的座標を統計的に有意な高い精度指数等級に収束できる。前記作業において、統計方法は、平均値(Mean)、分散分折(Variance analyses)、カルマンフィルター(Kalman filtering)、線性最小二乗法推定(Linear least−squares estimation)、繰り返し重み付き最小二乗法推定(Iteratively reweighted least−squares estimation)、非線性最小二乗法の技術(Non−linear least−squares technique)、及び全て他の既知の方法を含む。統計方法は、多くの数学の制限を受けられるが、慎重に統計方法を利用すると、不精度を減少し、イニシエータ通信ノードN
0の精度指数を高めることができる。即ち、各通信ノードは、その地理的座標の過去のデータに対して地理的座標の統計分析を行うことで、より精確な地理的座標及び好ましい精度指数を得ることができる。
【0039】
上記をまとめると、精度指数は複合指数である。まず、イニシエータ通信ノードは、他のシステムによって承認したローバル地理座標系を有するアンカー通信ノードから、それ自体のグローバル地理座標系を導入し、精度指数を評価する。そのため、精度指数が追跡可能である。GPS測位によるアンカー通信ノードに比べて、隣接するイニシエータ通信ノードに属する。「スーパーアンカーノード」の近くに位置するイニシエータ通信ノードは、先天性により高い精度指数を取得できる。精度指数は、1回の相対測位演算での座標不精度及び測距不精度の評価(即ち、 ̄E
C0= ̄E
Ci+ ̄E
Ri)での誤差の累積)を含む。また、E
Cは、全てのアンカー通信ノードに対して最適な相対的位置決めアルゴリズムを行う過程での誤差を含む。それだけでなく、相対測位演算の実行回数が増えるにつれて、座標データの累積によって統計的に有意な収斂を確認され、E
C値が低下し、精度指数を改善できる。精度指数は、本発明の実施例の漸進的測位でのグローバル地理的位置の座標、及び精度のトレーサビリティを組み合わせて、誤差の生成及び相続、及び統計の改善を得て、地理的座標の優劣を表する数値指標である。全般的に精細、正確な比較を行うことができないが、漸進的全地球測位システムの地理的座標の精度を長期的に改善できる。システムに有利であるなら、前記原理に従って1つ以上の精度指数、例えば、相続した通信ノード数及び層数評価した地理的位置の信頼性を設け、アンカーノードで構成した幾何学的な形状誤差、無線測定の不精度、又は統計誤差を再区分等は、いずれも本発明に含む。
【0041】
工程S41:通信ノードN
0は、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cから地理的座標及び精度指数を受信し、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cとの距離d
A、d
B、d
Cを測定し、工程S42に進む。
【0042】
工程S42:通信ノードN
0は、三辺測定法によってその地理的座標を得て、前記組地理的座標に付随する精度指数を評価し、工程S43に進む。
【0043】
工程S43:通信ノードN0は、精度指数が改善したかどうかを判断する。YESの場合、工程S44に進む。N
Oの場合、工程S431に進む。類似する場合、工程S432に進む。
【0044】
工程S431:通信ノードN
0は、この地理的座標を放棄する。
【0045】
工程S432:通信ノードN
0は、地理的座標及び精度指数の過去のデータに基づいて統計分析を行って、工程S43に戻る。
【0046】
工程S44:通信ノードN
0は、精度指数等級増加工程を開始する。
【0047】
イニシエータ通信ノードN
0は、その精度指数より優れた複数の精度指数等級を有するアンカー通信ノードがある場合に、三辺測定法によって、1組の精度が高い又は精度指数等級が高い地理的座標を生成する。
図4において、過去のログの統計分析によって得られた収斂した地理的座標、又は三辺測定法によって得られた高い精度指数等級を有するため、「精度指数等級増加」となる。それは、前記通信ノードに対して重要だけでなく、その無線通信範囲の通信ノードに対しても重要である。そのため、精度指数等級増加は、厳格な検査を受ける必要がある。
【0048】
図5は、本発明の実施例の漸進的全地球測位方法の第2フローチャートである。
図5において、精度指数等級増加の取引(一回の取引とは、一回の精度指数等級増加に対する公正な判断を示す)記録を維持する新たな方法を開示する。精度指数等級増加イベントが悪意のあるユーザーによって破壊されるのを防止するために、前記取引の演算データは、公正なサードパーティーによって検証される必要がある。公正なサードパーティーは、参加者の過去の精度指数のアップグレード記録及び計算の有効性を検査し、各通信ノードの地理的座標及び精度指数の相続関係が正しいであることを確認した後、それを許可する。そのため、通信ノードの精度指数等級増加が正式に認可される。ブロックチェーンは、変更できない機能を有する分散型台帳(distributed ledger)を採用し、本システムによる各通信ノードの間の地理的座標及び精度指数の相続関係の確認に役立つ。ブロックチェーン技術を使用すると、スマート約定を介して公正なサードパーティー検証を行うことができる。
図5において、通信ノードN
0は、制度指数等級増加の許可を得ようとするイニシエータである。通信ノードN
0は、前記取引の演算データをスマート約定に提出して審査を受ける。スマート約定は、イーサリアム(Ethereum(登録商標))等のブロックチェーンのプラットホームを介してインターネット又はサービスクラウド(service cloud)で実行されるコンピュータプログラムである。スマート約定は、契約条件に基づいて、イベント及びアクションを実行、制御及び記録する。通信ノードN
0のID偽造を防止するため、N
0からスマート約定に提供する演算データは、デジタル署名法によって秘密鍵暗号化される。スマート約定は、N
0の公開鍵によってそれを復号して認識する。前記スマート約定は、事前に決められた前提条件又は条約に基づいて、前記精度指数等級増加の申請を受け入れるかどうかを決める。実行したスマート約定は、今回の精度指数等級増加で実行する三辺測定法の参加通信ノード及び生成した精度指数等級、及び詳細な情報をブロックチェーンの分散型台帳(以下、「台帳」と称する)に保存する。ブロックチェーンの性質に基づいて、新なスマート約定は、追跡可能で、修正できない特性を有する。各参加する通信ノードの最終的な地理的座標が徐々に正確となり、且つ改竄できない。
【0049】
図5において、通信ノードN0が提供した「演算データ」は、三辺測定法で演算する前後の地理的座標及び精度指数、新の精度指数の判断基礎、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
CのUIDを含む。演算データの判断基礎について、その改善は、台帳からの追跡可能なE
C(座標不精度)、通信ノードN
0が標準測距不精度ルックアップテーブルに基づいてE
Rに対する判断、又は1つの統計的な改善で得られた結果、又は前記の組み合わせ、及びその裏付けデータのいずれかによるものである。演算データは、例えば後述のVID/DID、並びに第1アンカー通信ノードとの測距に用いる無線通信の頻度及び帯域幅のような通信ノードN0の物理的限制情報を更に含む。前記スマート約定の承認条件(契約条件)は、(1)アンカー通信ノードが追跡可能、即ち第1アンカー通信ノードの地理的座標及び精度指数が予めにブロックチェーンの台帳に存在すると、(2)通信ノードN
0が実行する三辺測定法が正確であるとを含む。(1)アンカー通信ノードが追跡可能について、台帳からスマート約定を検索できる。(2)通信ノードN
0が実行する三辺測定法が正確であるについて、スマート約定によって通信ノードN
0が提出した精度指数等級増加の判断基礎を検査し、記録に基づいて台帳から検索できる。例えば、通信ノードN
0がその改善が追跡可能なE
Cによるものであると主張する場合に、スマート約定が台帳のE
Cは、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
CのUIDによって台帳の各第1アンカー通信ノードのE
cから確認できる。通信ノードN
0の改善が統計的な改善で得られた結果と主張する場合に、スマート約定がその裏付けデータから確認できる。統計的な改善の裏付けデータは、サンプル数、主要な統計パラメータ、及び測定期間の長さ等を含む。スマート約定は、統計学の合理性、及び台帳から主張した測定期間を検査できるかどうか等をチェックすることで、検査を行うことができる。通信ノードN
0の改善が誤差ルックアップテーブルに基づいてE
Rに対する判断と主張する場合に、スマート約定が通信ノードN
0の無線測定の物理的な制限によって判断する。前記のように、標準測距不精度ルックアップテーブルは、無線通信操作頻度、帯域幅等の関連理論及び経験データに基づいたものである。そのため、それらの不精度が、装置の無線測定の物理的な制限に依存する。ネットワーク業界で広く使用される認識可能な「VID(Vender ID)」及び「DID(Device ID)」は、各通信ノードが使用する無線通信技術、無線通信帯域幅、データ速度、及び頻度等の制限の認識に用いられる。スマートフォンの型番及び製造メーカは、そのIMEI番号のTAC(Type Allocation Code)から認識できる。スマート約定は、通信ノードが事前に提供したVID/DIDをUIDで表示するように設計してもよい。通信ノードN
0及びアンカー通信ノードの技術に基づいて、イニシエータ通信ノードN
0がE
R0の値を修正できない。アンカー通信ノードの技術は、スマート約定の台帳のアンカー通信ノードのVID/DIDデータから得られる。
【0050】
精度指数等級がアップした通信ノードを相対的位置決めアルゴリズム、高い精度指数等級を有するアンカー通信ノードの支払い価格に選択的に加入すると、前記漸進的全地球測位システム1が非常に有用となる。このようなメカニズムは、高い精度指数を有する通信ノードの貢献意欲を促進できる。十分の動機があれば、これに基づいて、より好ましい慣性ナビゲーションアルゴリズム、GNSS信号に対するより正確な評価技術、及びより精確な測距方法を有する行動通信ノードの開発が進むことは間違いないだろう。そのことは、前記漸進的全地球測位システム1の有効性及び普及性に有利であると考える。
図5に示すように、精度指数アップグレードの計算を確認し、スマート約定の一部として、所定のルールに従って価格を通信ノードN
0から貢献度を有する第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cに転移する。
【0051】
上記をまとめると、相対的位置決めアルゴリズムのイベントによれば、通信ノードN
0がより高い精度を有する地理的座標を得る。そして、前記通信ノードN
0は、前記相対的位置決めアルゴリズムの演算データをブロックチェーンに提出し、前記ブロックチェーンの第1スマート約定を実行する(
図5参照)。前記第1スマート約定の承認条件(即ち、契約で決められた精度指数等級増加の承認条件)は、
(1)第1アンカーノードの地理的座標及び精度指数が予めにブロックチェーンの台帳に保存することと、
(2)通信ノードが提出した相対的位置決めアルゴリズムの演算データ及び台帳に記録される地理的座標及び精度指数データに基づいて、前記通信ノードが得られた地理的座標及び精度指数は、物理的および数学的な制限を満たすことと、を含む。第1スマート約定は、既知の通信ノードの物理的な制限によって判断できる。具体的には、VID/DIDによって判断できる。数学的な制限は、E
C0= ̄E
Ci+ ̄E
Riの計算上の因子を含む。例えば、第1スマート約定は、イニシエータ通信ノードの不精度がアンカー通信ノードより低いという原則に基づいて、数学的な制限を満たすかどうかを判断できる。数学的な制限は、使用する統計方法の制限をさらに含む。例えば、サンプル数及び測定時間の長さによって判断できる。最後に、第1スマート約定の承認条件を満足した場合に、第1スマート約定は、通信ノードN
0の精度指数等級増加を許可し、対応して得られた地理的座標及び精度指数を台帳に記録する。スマート約定の特性によって、たとえ通過されなくても、それに対応する記録(参加する通信ノードのUIDを含む)台帳にを生成する。また、受益の通信ノードN
0から第2アンカー通信ノードに送信した価格を台帳に記録する。通信ノードN
0は、第1スマート約定APIから通知されるか、又は台帳から第1スマート約定が既に許可したことを検索すると、その地理的座標及び精度指数を正式に更新できる。上記工程によると、通信ノードN0が1組の不精度が低い地理的座標を得て、即ち、サービスクラウドにあるスマート約定によって通信ノードN0の地理的座標を校正(recalibrated)した。上記をまとめると、相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことで、通信ノードN
0がより高い精度指数を有する地理的座標を得た場合に、通信ノードN
0が相対的位置決めアルゴリズムの演算データをブロックチェーンに提供し、ブロックチェーンの第1スマート約定を起動、実行する。
第1スマート約定の承認条件は、
前記第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cがブロックチェーンの台帳に存在することと、通信ノードN
0が得られた地理的座標及び精度指数は、通信ノードN
0が提出した相対的位置決めアルゴリズムの演算データ、及び前記台帳に記録される地理的座標及び精度指数に基づいて、物理的および数学的な制限を満たすと判断することと、を含む。
【0052】
また、第1スマート約定の承認条件を通過すると、ブロックチェーンの台帳の記録は、通信ノードN
0が得られたより高い精度指数を有する地理的座標及び精度指数を有する。
【0054】
工程S51:通信ノードN
0は、三辺測定法で演算する前後の地理的座標及び精度指数、新の精度指数の判断基礎、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
CのUIDを第1スマート約定に入力し、工程S52に進む。
【0055】
工程S52:第1スマート約定が上記入力データを受信し、承認条件に合うかどうかを判断する。YESの場合、工程S53に進む。NOの場合、工程S521に進む。第1スマート約定の承認条件は、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cの過去の地理的座標及び精度指数が有効であり、且つ新の精度指数の判断基礎が有効である。
【0056】
工程S521:第1スマート約定によって通信ノードN
0の精度指数等級増加を否定する。
【0057】
工程S53:第1スマート約定によって通信ノードN
0精度指数等級増加を許可し、通信ノードN
0が得られた地理的座標及び精度指数をブロックチェーンの分散型台帳に保存し、価格を通信ノードN
0から第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cに伝送し、工程S54に進む。
【0058】
工程S54:通信ノードN
0は、その地理的座標及び精度指数を更新する。
【0059】
イーサリアムブロックチェーンのプラットホームにおいて、毎回のスマート約定の実行記録は、イニシエータの公開鍵から検索できる。公開した台帳から過去の取引を検索、検査できる。台帳に含む毎回の取引情報は、参加する通信ノードのUID、通信ノードN
0の地理的座標、精度指数等級、実行時間、VID/DID、及び支払った価格(詳しくは後述する)等を含むが、それらに限定されない。これによって、通信ノードN
0は、あらかじめに新のアンカー通信ノードの信頼性があるかどうかを検査できる。アンカー通信ノードの信頼性がない場合に、リソースを節約するために、相対的位置決めアルゴリズムの実行、及びスマート約定に対する精度指数アップグレードの要求をスキップすることもできる。Ethereum Explorer(登録商標)において、トランザクションハッシュ(Transaction hash)又はアドレスハッシュ(Address hash)は、いずれも実行したスマート約定の検索に利用できる。前記アドレスは、一意の公開鍵から変換された一意の値であるため、繰り返すことがない(一意の公開鍵からアドレスに変換する式は、当業者によって周知である)。即ち、ブロックチェーンの台帳記録は、各通信ノードのUIDを含む。イニシエータ通信ノードは、第1アンカー通信ノードのUIDに基づいて、ブロックチェーンの台帳から第1アンカー通信ノードの地理的座標及び精度指数を得て、相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことができる。
【0060】
建物又はトンネルの深い所にある通信ノードは、地理的測定を行わずに隣接するアンカー通信ノードによって三辺測定法を行うことができる。隣接する通信ノードは、他の通信ノードに接続されて利用してもよい。このような状況では、数回のE
C0= ̄E
Ci+ ̄E
Ri)の演算を行ったため、不精度が持続的に累積する。精度指数等級が安定するまではより時間がかかる。その場合、統計の方法は非常に重要である。数回の接続を行った状況では、ブロックチェーンの技術が更に重要となる。それは、精度指数等級増加を逐次に検証し、それらの通信ノードに欺瞞的な通信ノードが存在することを避け、信頼性を確保できるからである。
【0061】
上記のように、通信ノードの間の無線接続が一方又は両方向であるため、無線ネットワーク接続(association)されない状況では、802.11mc通信プロトコルを実行し、通信ノードの間に地理的座標及び距離を交換できる。前記通信プロトコル規格に含まないパラメータ(例えば精度指数及び公開鍵)は、「LCR(Location Civic Report)」フレーム又はネットワーク接続によって伝送できる。一方、台帳が公開アクセスであるため、アンカー通信ノードの一意の公開鍵を取得すれば、クラウドの台帳からその地理的座標及び精度指数を得る。よって、ローカルIPネットワーク接続する必要がない。イニシエータに懸念がある場合、台帳から確認及び検査できる。
【0062】
そして、本システムは、ブロックチェーンの台帳から、UIDを介して(第1又は第2)アンカー通信ノードの地理的座標及び精度指数を得ることができる。ほとんどのブロックチェーンのプラットホームにおいて、台帳が公開検索のデータベースである。イニシエータが要求する場合、アンカー通信ノードの一意のIDを利用すると、直ちにアンカー通信ノードの最新の地理座標、精度指数、及び発効時間/日付を得ることが出来る。通信ノードのUIDは、SSID(又はBluetoothビーコン、Beacon)を介して公開放送、又はLCRで公開放送できる。そのため、多様な測距方法の互換性から見ると、元帳の確認は非常に有用なツールである。イニシエータ通信ノード(例えば、スマートフォン又はAP)は、信号強度、FTM、UWB、及びLiDAR等の測距手段によって、隣接するアンカー通信ノードとの距離を測定する同時に、台帳からそれらの通信ノードの地理座標を検索すると、三辺測定法によってその地理的座標を得ることができる。アンカー通信ノードがUIDをSSID(又はBluetoothビーコン)として公開放送できない場合、協働する変更サーバーによって、小エリア(例えば、イニシエータ通信ノードの位置によってどの小エリアに属するかを判断する)SSID及びBluetoothビーコンデータベースによって検索できる。また、MACアドレス認識を利用し、前記アンカー通信ノードのUIDに変更してもよい。
【0063】
図2に示すように、位置データの使用者(ここではスマートフォン)がある空間に進入し、前記空間に複数のアンカー通信ノードが存在する場合に、それらのアンカー通信ノードが特定の精度指数等級の地理的座標を有する。測距の不精度があるため、スマートフォンが1組の精度指数がアンカー通信ノードより低い地理的座標を得る。このような消費レベルの位置データの利用は、精度指数等級増加にかかわらない場合、一般的には、価格取引を行わないか、又は少し価格取引しか生成しない。しかしながら、スマートフォンは、前記相対的位置決めアルゴリズムの演算データをブロックチェーンに提出し、前記ブロックチェーンの第1スマート約定を実行し、台帳にその地理的座標及び精度指数を記録することができる。前記のように、必要であれば、前記スマートフォンを臨時のアンカー通信ノードとすることができる。
【0064】
数回の相対的位置決めアルゴリズムの演算を経て、通信ノードがより高い精度指数等級を達成する。しかしながら、前記システムは、全ての人が全地球測位サービスを提供することを前提として設計される。固定の通信ノードが「移動」する場合に、その精度指数等級をキャンセルされなければならない。そのため、通信ノードのファームウェアは、その位置の変化を検出できるように設計する必要がある。超高精度の通信ノードは、ハードウェアによってその位置が移動したかどうかを検出できる。通信ノードは、一般的には、電源を切った後に相対的測位演算を行って、同じエリアの協働通信ノードのUIDを得て、測定した距離及び地理的座標を過去のデータと比較し、位置が変動しなかったことを確認できる。距離変動がER値を超えた場合に、位置が移動したことを表示する。その場合、ファームウェアによって第1スマート約定を実行し、新の地理的座標及び精度指数を得ることで、台帳における前の地理的座標及び精度指数を無効化する。
【0065】
一部のGPS信号発生器は、偽造のGPS座標を放送できる。そのため、偽造の地理的座標を避けるルールを定義してもよい。例えば、精度指数等級増加の検証過程において、現れたすべてのGPS信号が、良好な精度指数等級増加記録を有する他の通信ノードと共に前記空間に存在するかどうかを検証してもよい。
【0066】
アマチュアの測定者は、スマートフォンを利用し、GPS位置が有効である状況において、GoogleMap(登録商標)座標を参考し、アンカー通信ノードにその地理的座標をマークできる。スマートフォンのアプリケーションプログラムによって、GPS位置の有効性、及び前記マークされたアンカー通信ノードの無線連結に対して検証を行うことで、最低限の信頼性認証を取得できる。多くの従来文献において、GPSの測定誤差の推定方法が開示される。表1を利用してその精度指数を換算できる。GPS以外の測位システムによって取得した地理的座標は、同じく検証された条件では参考アンカー通信ノードとすることができる。アマチュアの測定者が測位したアンカー通信ノードは、「漸進的観察」のメカニズムを採用してもよい。例えば、前記通信ノードは、付近のスマート約定の検証を経たアンカー通信ノード(スマートフォンによって)と共に三辺測定法の演算を行うと、第1スマート約定の許可を得て、その精度指数等級を得ることができる。その場合、GPS等の他の測位システムの過去記録が台帳に存在しないため、第1スマート約定は、スマート約定の検証を経た通信ノード、及びスマートフォンのアプリケーションプログラムが提供した信頼性認証を判断の根拠とする。より多くのスマート約定の検証を経た通信ノードが協働通信ノードになり、三辺測定法の演算が徐々に安定すると、前記通信ノードの精度指数をさらに向上できる。前記GPS位置でその地理的座標をマークする方法を使用すると、相対的位置決めアルゴリズム機能を備えない従来のWiFi APを「准」アンカー通信ノードに変更できる。そのSSIDを一意のIDとすると、隣接する地理的情報の消費者は、公開台帳から検索し、その地理的座標及び精度指数を得ることができる。普通のアンカー通信ノードと比べると、無線測距を作動できないが、地理的位置及び精度指数を示す機能が完備である。従来のWiFi APから変更した「准」アンカー通信ノードは、前記「漸進的観察」のメカニズムを利用してより高い精度指数を得ることができるが、測距能力の不足に制限されるため、得られた精度指数があんまり高くない。
【0067】
本システムは、実際な地理的測定方法によって得られた高精度な地理的位置のアンカー通信ノードを参考できる。地理的測定、衛星測位、又は他の測位システムから得られた地理的座標は、ここでは「外部リソース」から得られた地理的座標と称する。専門的または非専門的な測定方法で入力した地理的座標のノードについて、監視されたメカニズムで特殊な「参考アンカーノード」又は「スーパーアンカーノード」の第2スマート約定を起動し、前記外部リソース精確程度に基づいて、相対的位置決めアルゴリズムに相当する精度指数等級を作ることができる。そのため、前記第2スマート約定の承認条件は、証明可能な署名者である。即ち、前記外部リソース及びそこから得られた精度指数は、信頼性認証を得る必要がある。信頼性認証を得る署名は、ブロックチェーンの実務ではスマート約定の制限的なアクセス管理(restricted access control)によって実現されるが、又は複数の署名契約(multi−signature contract、multisig)、即ち異なるアクセスからの複数の署名によって取引を実行する。即ち、通信ノードは、外部リソースからその地理的座標及び精度指数を得て、前記通信ノードがその地理的座標、精度指数、及びその信頼性認証をブロックチェーンに提出し、第2スマート約定を実行する。このようにすると、第2スマート約定を起動させる。第2スマート約定の承認条件は、証明可能な署名者であり、即ち、前記外部リソースが信頼性認証を有する。第2スマート約定の承認条件を通過すると、前記通信ノードが得られた地理的座標及び精度指数をブロックチェーンの台帳に記録する。
【0068】
前記実施例の第1スマート約定及び第2スマート約定は、クラウドサービスのコンピュータプログラムによって検証工程を実行してもよい。即ち、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cに対して相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことで、通信ノードN
0がより高い精度指数を有する地理的座標を得る。そして、前記通信ノードが前記相対的位置決めアルゴリズムの演算データを第1検証プログラムに提出する。第1検証プログラムの承認条件は、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cが第1検証プログラムのログに存在することと、通信ノードN
0が得られた地理的座標及び精度指数は、通信ノードN
0が提出した相対的位置決めアルゴリズムの演算データ、及び前記ログに記録される地理的座標及び精度指数に基づいて、物理的および数学的な制限を満たすと判断されることと、を含む。
【0069】
また、第1検証プログラムの承認条件を通過すると、第1検証プログラムのログ記録は、通信ノードN
0が得られたより高い精度指数を有する地理的座標及び精度指数を有し、且つ選択的に通信ノードから第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cに支払った価格を有する。また、いずれかの通信ノード、例えば、通信ノードN
0は、外部リソースからその通信ノードN
0の地理的座標及び精度指数を得て、その地理的座標及び精度指数及び信頼性認証データを第2検証プログラムに提出する。第2検証プログラムの承認条件は、前記外部リソースが信頼性認証を有する。第2検証プログラムの承認条件を通過すると、通信ノードN
0が得られた地理的座標及び精度指数を第1検証プログラムのログに記録する。同じく、第1検証プログラムのログ記録は、通信ノードN
0及び第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
CのUIDを含んでもよい。通信ノードN
0は、第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
CのUIDに基づいて、第1検証プログラムのログ記録から第1アンカー通信ノードN
A、N
B、N
Cの地理的座標及び精度指数を得て、相対的位置決めアルゴリズムの演算を行う。
【0070】
図6A及び
図6Bは、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムの車両測位応用の第1模式図及び第2模式図である。
図6A及び
図6Bにおいて、車両内部空間での漸進的全地球測位方法の応用を例として説明する。複数の通信ノードNvを車両に設ける。それらの通信ノードNvは、車両が移動する時に即時にその地理的座標を得るだけでなく、車両内部位置情報の利用者のアンカー通信ノードとすることもできる。複数の「車両通信ノード」Nvを列車T及び車Cに設ける。他の実施例において、それらの車両通信ノードNvをバス及び他の乗り物に設けてもよい。それらの車両通信ノードは、先ず道端に固定されるアンカー通信ノードNF(第1アンカー通信ノード)に対して相対位置決めアルゴリズムを行うことで、その絶対地理的座標及び精度指数を得る。そして、それらの車両通信ノードNvを車両のポータブル装置のアンカー通信ノードとすることで、その位置データの利用に有利である。このようにすると、GPS又はインターネット接続がない場合であっても、車両のポータブル装置がその精確な位置を得ることができる。ポータブル装置(例えば、スマートフォン)のアプリケーションプログラムは、絶対位置から地図上での位置を認識するだけでなく、車両中の参考位置を認識できる。そのため、1つの応用例において、乗客を特定の座席に導く、又は移動している車掌を見つけることができる。車両で収集した慣性モーションセンサー(例えば、加速度計及びジャイロスコープ)のデータは、車両通信ノードNvの絶対地理的座標の精度を高めるのに利用できる。このことは、車両の既知の軌跡及び前記軌跡の開始点の既知の位置によって達成できる。慣性ナビゲーションを利用すると、しばらく道端に固定されるアンカー通信ノードNFを取得できなくても、車両通信ノードNvは、持続的にサービスを提供できる。即ち、複数の通信ノードNvは、移動中の車両の内部空間に分布される。固定のアンカー通信ノードNF(第1アンカー通信ノード)は、車両外の固定位置に設けられる。相対的位置決めアルゴリズムの演算を行うことで、地理的座標及び精度指数を得た後、通信ノードNvが車両内部のモバイル機器の相対的位置決めアルゴリズムの実行に参加する。
【0071】
一方、本発明は、車両衝突防止の通信ノードに関する。道で隣接する車両が車両通信ノードNvを有する場合に、車両間の測距を行うことで運転中の車両の間の相対位置を得る。隣接する車両の間の無線通信は、干渉が少なく、距離が短いため、信号減衰が少ない。そのため、極めて短い協働時間で高精度な相対測位を得ることができる。このようにすると、インターネット接続があるかどうかに関わらず、車両の間に衝突防止メカニズムを設計できる。従来文献に記載するように、IEEE802.11ax WiFiを前記衝突防止ネットワークに利用すると、OFDMAの起動レイテンシ(Latency)を7.6mSに抑えることができる。また、たとえ車両が70Km/hの速度で走っても、車両の反応精度がサブメーター(Sub−meter)級を達成できる。
【0072】
一方、本発明は、近接センサの応用に関する。通信ノード(前記通信ノードは、前記相対的位置決めアルゴリズムの演算を行う)がアクチュエータ(actuator)を有し、物体を移動することができる。前記応用は、建物のセキュリティシステムに使える。以下、その方法を説明する。モバイル通信ノード(例えば、スマートフォン)が建物に近づいた時に、建物のセキュリティシステムのアクチュエータを有するアンカー通信ノードが認証を求める。前記モバイル通信ノードは、その身元情報、例えば平文の「私は田中」を秘密鍵によって暗号化する。そして、アンカー通信ノードは、前記モバイル通信ノードの一意の公開鍵(即ち、UID)によって復号し、復号した身元情報(前記平文)を認識すると、認証成功となる。逆に、前記モバイル通信ノードの一意の公開鍵がコピーされた場合に、コピーを行った通信ノードは、元の公開鍵所有人の秘密鍵を有しないため、どんな秘密鍵を利用して身元情報を暗号化しても、前記一意の公開鍵によって有意義な平文を得ることができない。それは、従来の「デジタル署名」の技術である。身元情報の一意の公開鍵によれば、アンカー通信ノードによって復号し、認識できる身元情報を得ることができる。従って、アクチュエータを起動してドアを移動させ、ドアを開けることができる。モバイル通信ノードを車に設置し、且つ認識できる一意の公開鍵を持つ場合に、前記モバイル通信ノードは、類似の方法によって駐車場に出入りすることができる。アクチュエータは、建物又は駐車場のドアを開けるために用いる。上記建物のセキュリティシステムのアンカー通信ノードが認証を求めること及び秘密分の伝送は、相対的位置決めアルゴリズムによく使われる一方通信及び両方向ToF等の簡単な通信範囲に属しないに属しないが、「LCR」フレーム又はネットワーク接続によって情報を伝送できる。即ち、少なくとも1つの相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する通信ノード(即ち、前記セキュリティシステムのアンカー通信ノード)は、アクチュエータを有する。モバイル通信ノードのUIDを利用し、モバイル通信ノードから得られたモバイル通信ノードの秘密鍵で暗号化した身元情報をデジタル署名技術によって復号し、身元情報に基づいて、遠隔制御装置を制御するようにアクチュエータを起動するかどうかを決める。
【0073】
図7は、本発明の実施例の漸進的全地球測位システムの高度な応用の模式図である。
図7は、本発明の高可用性(High Availability)及び高安全性の応用を説明する。隣接するノードが相互支援メカニズムを参加すると、通信ノードは、地理的座標及び精度指数を交換する以外、一意の公開鍵によってもう1方を認識して情報を交換できる。相互支援情報の伝送は、相対的位置決めアルゴリズムによく使われる一方通信及び両方向ToF等の簡単な通信範囲に属しないが、「LCR」フレーム又はネットワーク接続によって情報を伝送できる。警報通信ノードは、例えば、遭難信号を送信しようとする使用者の携帯電話M、又はBLE(Bluetooth Low Energy)タグを有する紛失物L(例えば、荷物)が挙げられる。警報通信ノードが協働ノード群(以下、「ノード群」と称する)Aの支援範囲に進入する。前記ノード群Aは、複数の通信ノードN
Haから構成され、その一部がBluetoothブリッジ(Bluetooth bridge)を有する。暗号化した警報情報Frは、ノード群Bのもう1つの通信ノードN
Hb(無線通信範囲内にある)に伝送し、且つインターネットの警報サーバーWSに伝送する。このようにすると、ノード群Aは、インターネットに接続されない場合でも動作できる。隣接する通信ノード(図の中の隣接する通信ノードN
Ha、N
Hb)を利用すると、システム信頼性、高可用性、及び安全性に役立つ。1つの通信ノードN
Haは、通常のインターネット接続をバイパスし、隣接する通信ノードN
Hbの協力を得て、接続中断、警報又は緊急信号(前記警報情報Frが警報情報Frの目的地を確実に表示する)を発信することができる。また、高い精度指数等級を有する隣接する通信ノードが消えた場合に警報を生成してもよい。地理的位置データが警報の重要な部分であれば、アンカー通信ノードのUID又は地理的座標を伝送してもよい。バッテリ駆動のBLEの通信ノードは、電源がない時に警報状態を長時間維持できる。紛失物Lが協働通信ノードのファームウェアをインストールした場合に、秘密の方法によって見つかることができる。即ち、少なくとも1つの相対的位置決めアルゴリズムの演算に参加する通信ノード(例えば、ノード群Aの任意の通信ノード)は、警報通信ノード(例えば、携帯電話M又は紛失物L)の警報情報Frを他の通信ノード(例えば、ノード群Bの任意の通信ノード)又は警報通信ノードが指定したIPアドレスに伝送できる。
【0074】
警報情報Frは、ある位置に存在すること(Undeniable presence)を示す証拠となるように設計してもよい。
図7に示すように、ノード群B(ノード群Bがインターネットに接続されない場合に、ノード群A)の中の1つの通信ノードは、警報を検出してから、「無効(Null)」の相対的位置決めアルゴリズム及び精度指数等級増加の第1スマート約定の実行を起動する。より高い精度指数等級を有する新のアンカー通信ノードが存在しているため、前記要求の目的は、スマート約定を利用するではなく、台帳に1つの記録を維持し、警報状態の装置と共存する時間を表示することにある。それは、複数の通信ノードによって相対的位置決めアルゴリズム及び「無効」精度指数等級増加のスマート約定の要求を実行することで、警報状態の装置が少なくともその中の1つに参加させるためである。台帳の記録が否定不可能(undeniable)であるため、特定時間内、警報状態となる装置の位置も否定不可能である。また、警報情報が発生する際の確実な地点を台帳の記録に追加してもよい。即ち、モバイル機器は、選択的にブロックチェーンの第1スマート約定を実行し、台帳に維持する記録に基づいて警報情報が発生する際の確実な地点を表示する。その場合、警報情報Frが警報通信ノードのUIDを有すると、Frを受信した受信者は、台帳から前記警報通信ノードの否定不可能な位置を検索できる。
【0075】
本発明は、優れた効果を有し、当業者が容易に完成できるものではないため、進歩性及び実用性を備え、特許の要件を満たす。
【0076】
本発明は、上記内容に限定されない。本発明の精神及び範囲に基づいてなされた均等的な変更は、いずれも本発明に含む。