(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-81885(P2021-81885A)
(43)【公開日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】電子部品リール用RFタグ
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20210430BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20210430BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20210430BHJP
【FI】
G06K19/077 108
H05K13/02 Z
B65G1/137 A
G06K19/077 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-207569(P2019-207569)
(22)【出願日】2019年11月17日
(71)【出願人】
【識別番号】719006951
【氏名又は名称】池戸 俊二
(72)【発明者】
【氏名】池戸 俊二
【テーマコード(参考)】
3F522
5E353
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB03
3F522BB22
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE19
3F522GG23
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH04
3F522HH32
3F522LL15
3F522LL25
5E353CC25
5E353EE23
5E353EE31
5E353LL01
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】電子部品等が巻かれたリールのピッキングを容易にする為に、とコンピューターシステム上にて関係を結び付けたIDを持つ電子部品リール用LED搭載のアンテナ付きRFIDタグと電子部品のリールを物理的に離すこと無く、保管場所からの取り出し、チップマウンターなどの実装装置の部品供給場所へのセット、保管場所への収納を可能とする。
【解決手段】ICタグ読み取り機からのコマンドによって点灯が可能なLEDを搭載した電子部品リール用RFIDタグを、リールの中心の穴に筒状の形状のシャフトを通して装着を行う。ICタグのLEDを点灯させることにより目的の電子部品のリールを収納場所から探し出すことを容易とし、電子部品リールにRFIDタグ装着したまま電子部品のテープの引き出し及び実装装置への部品テープの供給を可能とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波及び電磁波を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体であるRFタグであって、
電子部品リールの中央の穴の直径程度の幅のスリットを設けた板状のRFタグ本体となるプレート部の一方の端側にパッシブ・アクティブ・セミアクティブ等の方式にて発光を可能なLEDランプ備え、
抜け止めおよび滑り止めの為のローレット加工や弾性のある素材を使用した貫通したパイプ状で片側にフランジ状の張出を設けたシャフト部を、
前記プレート部のスリットを通して電子部品リールの中央の穴にはめ込んでリールの表面もしくは裏面へ装着することを特徴とするRFタグ。
【請求項2】
前記RFタグにおいて、シャフト部によりリールに装着されたプレート部が、シャフト部が貫通しているスリットの遊び分を移動することにより、プレート部の重心がリールに対しての中心位置にある位置から、プレート部のLED搭載部分をリールの外周の外側への移動、LED搭載部分をリールの側面側に折れる機能を有し、リールの側面の外側方向へLED搭載部分を向けることを特徴としたRFタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装工場の実装前の保管ラックからの電子部品などのテープが巻かれたリールの取り出し、実装装置(マウンター)のフィーダーへのリールのセット等の準備作業、実装後の保管場所への収納等の後作業を支援し、それに費やす時間及び人的工数を削減するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器製造において、チップマウンターなどの実装装置を使用してプリント基板に部品を実装する工程で、プリント基板ごとに部品リストに従って、実装する電子部品がテープ状に巻かれたリールをラックなどの保管場所から取り出し、実装装置の部品供給口へセットを行う準備作業と、実装後、後片付けとして、残った電子部品のリールを、次回必要となった時に容易に取り出せるように、どのラックの何段目の右から何番目というように整理して保管場所へ収納する後作業を必要としている。
保管されている電子部品のリールを探す時間、および、保管すべき場所を特定する時間の削減のために、リールごとに間仕切りと点灯するランプが設けられた保管棚があるが、間仕切り位置・数が限られ、部品の増減や変更に対し柔軟な対応が難しい。
又、部品の型番などは桁数が多く、表記の文字が小さく、似た型番も多い為、熟練の作業者でも二重チェックなどしなければ、読み間違いの発生の可能性があり、取り出し間違いや、収納間違いを防止するため、リールに貼付されたバーコードをバーコードリーダーで読み込ませ、取り出すべき部品であるかどうか、収納すべき場所であるかどうか、一点一点確認が必要とされ、実装する部品の増加、保管する部品の増加に伴い、指数関数的に作業工数は増加している。
電子化された部品表をもとに自動的に必要な電子部品のリールが取り出される自動倉庫や、さらに実装装置へのリールのセットまで自動化されている自動倉庫があるが、導入の為に多大なコストがかかるため、少量多品種のプリント基板の実装を行う工場では、費用対効果の面で導入が困難であり、準備作業と後作業は人手に頼らなければならない状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-327998特表2019-519038特表2019-515404特表2017-511560特開2018-163602特開2016-034120特開2010-226272特開2018-093457
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子部品のリールを保管場所から間違えることなく早く簡単に見つけ取り出すことを可能とし、又、保管場所へ戻す際も安易でかつ次回の取り出しが容易な収納を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.電子部品リール用RFタグは読み取り装置からの指示により発光可能なLEDを備えたアンテナ付きICを搭載しており、方式はパッシブタグ(受動タグ)とアクティブタグ(能動タグ)、双方を組み合わせたセミアクティブタグ(起動型能動タグ)の方式のいずれも可とする。ただし、種類に関わらず、1工場及び1倉庫内でのRFタグのIDはユニークとし、読み取り装置からのIDを指定した発光及び消灯の指示により、指定された対象のIDを持つRFタグはLEDの発光及び消灯を行う。RFタグを装着したリールが、読み取り装置からのLEDの発光可能な強さの電波が届く範囲の保管棚で収まらない場合は、部品の取り出し効率をあげる為に、LEDの発光可能な強さの電波が届く範囲の棚ごとに色分けや番号を付番して表記し、RFタグには収納を行う保管棚の色や番号を割り当て、システムにRFタグのIDと保管棚の色分けや番号を関連付け、それを示す為、RFタグのLED面側に保管棚と対応した色や番号をシール等でマーキングしておく。
2.システムでは実装加工を行うプリント基板別に搭載する電子部品の構成と、実装を行うチップマウンターのフィーダー番号を登録しておく。
3.RFタグを、実装の為に取り出される可能性のある全ての保管する電子部品のリールに装着し、RFタグ装着時に電子部品のリールとタグのIDとの関連付けをシステム上に登録を行う。
4.システム内ではどの電子部品のリールにどのRFタグが装着されているか、及び、どのRFタグがどの電子部品のリールに装着されているか、どちらからでも検索できるように索引を生成しておく。
5.電子部品のリールはRFタグのLED面が正面に向くように保管棚へ収納(順不同を可とする)。
6.実装作業の準備時にシステムにて実装加工を行うプリント基板別に搭載する電子部品のリールと装着されたRFタグのIDの部品表を生成。
7.部品表に従い読み取り装置が複数の電子部品のリールと関連付けたIDのRFタグ読み込み、同時にそのRFタグのLEDを点灯させるコマンドを発行し、対象のRFタグのLEDを点灯させる。
8.保管棚から電子部品のリールを取り出す作業者は、LEDが点灯しているRFタグが装着されたリールをRFタグを装着したままの状態で取り出す。
9.取り出し後は、取り出した全てのリールのRFタグのIDを、読み取り装置ーで実装の為の出庫部品(実装作業中の部品)として読み込ませることにより、そのRFタグのLED消灯のコマンドを発行し、対象のタグのLEDを消灯させる。
10.取り出すべき電子部品の収納場所が一か所からではLED点灯が可能な読み取り装置の電波が届かない複数の保管棚に及ぶ場合、作業者は電子部品表を保管棚単位に並べ替え、保管されているラックの前面へ移動し、読み取り装置へ保管棚の色もしくは番号を指定して前記の7〜9を取り出し対象の電子部品のリールをすべて取り出すまで繰り返す。
11.実装装置のフィーダーへの装着時、フィーダー番号を読み取り装置に指定することにより、読み取り装置が対象となるRFタグのLED点灯のコマンドを発行し、LEDが点灯しているRFタグが装着された電子部品のリールをRFタグを装着したままの状態でフィーダーへのセットを行う。(この動作を構成部品数分行う。)
12.セットすべき電子部品のリールをフィーダーへセットした後、それらリールに装着されているRFタグを、読み取り装置でチップマウンターセット部品として読み込ませ、同時にそのRFタグのLED消灯のコマンドを発行し、対象のRFタグのLEDを消灯させる。
13.実装後、実装機のフィーダーから外した全てのリールのRFタグを、読み取り装置で保管部品として読み込ませる。
14.RFタグが装着された電子部品のリールをRFタグを装着したままの状態でタグのLED面が正面に向くように保管棚へ順序不同で収納。複数の保管棚から取り出した場合は、タグにマーキングされた色及び番号に対応する保管棚へそれぞれ順序不同で収納する。
【発明の効果】
【0006】
実装工程の準備作業はである保管棚からの部品の取り出しは、LEDが点灯しているRFIDタグごとリールを取り出す為、リストとの照合の必要がなくなり、早く間違いない取り出しが可能となる。
後作業となる保管棚へ戻す作業は、複数の保管棚にも同場合においてもタグの色もしくは番号に対応する保管棚へ順不同で収納するだけの為、早くなる。
電子部品のリールとタグの関連付けを正確に行うことにより、準備作業、実装機へのセット、後作業まで、一貫してICタグのLED点灯によるガイドに従う為、随所で行われていた作業者の目視やバーコードによる電子部品の型番のチェックが省くことが可能となり、工程全体の工数及び作業時間が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】電子部品リール用RFIDタグ構造イメージである。
【
図2】電子部品リール用RFIDタグの表・裏・横からのイメージ図である。
【
図3】電子部品リール用RFIDタグ・LED搭載部の可動イメージ図である。
【
図4】電子部品リール用RFIDタグ・LED搭載部の可動イメージ図である。
【
図5】電子部品リール用RFIDタグ装着時の保管棚への収納イメージ図である。収納時、LEDランプの搭載部分を正面に向けることを可能としている。
【
図6】電子部品リール用RFIDタグをリールへの装着時の補助板の装着イメージ図である。
【
図7】補助板の装着による電子部品リールを重ね置きしたイメージ図である。
【
図8】実装装置のリール保持シャフトへ、電子部品リール用RFIDタグ装着状態でリールを掛けるイメージ図である。
【
図9】実装装置へ電子部品リール用RFIDタグ装着状態でリール立てて、部品を供給するイメージ図である。電子部品リール用RFIDタグを装着した側の反対側に補助板を装着し、重量のバランスを取ってリールを立てた状態で部品の供給を可能としている。
【
図10】手持ちタイプの読み取り装置を使用したRFIDタグの捜索による収納棚からのリールの取り出し作業イメージ図である。読み取り装置からのコマンドで指定されたIDのRFIDタグのLEDランプの点灯により、RFIDタグが装着されたリールを収納棚より取り出す。