(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-82026(P2021-82026A)
(43)【公開日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】オンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20210430BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-209170(P2019-209170)
(22)【出願日】2019年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】519414251
【氏名又は名称】ソキャッシュ プライベート リミデッド
【氏名又は名称原語表記】SOCASH PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100148068
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】ハリ パラパランビル シバン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA36
(57)【要約】
【課題】本人が銀行又は現金自動預け払い機に現金を輸送しなくても代理人を利用して安心、安全かつ迅速に代理入金することができるオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法を提供する。
【解決手段】本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、引渡情報の送信に基づいて入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金処理と、を実行する。記憶媒体、システム及びオンデマンド現金処理方法は上記各処理に基づき実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金依頼者から代理人に入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、
前記依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、
前記受任情報の送信に基づいて、前記依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、
前記預り金の口座送金後に、前記入金依頼者から前記代理人に対して前記代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの少なくとも前記代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも前記代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、
前記引渡情報の送信に基づいて、前記管理者用預り金口座から前記入金依頼者用銀行口座に前記預り金が自動的に口座入金される入金処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項2】
前記依頼情報に含まれる一部又はすべての情報を前記代理人用アプリケーションが地図画面に表示する依頼情報表示処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項3】
前記依頼情報表示処理において、前記代理人用アプリケーションは、前記代理人用銀行口座における出金可能金額が前記依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、前記依頼情報を前記地図画面に表示しない
ことを特徴とする請求項2に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項4】
前記代理人用銀行口座における出金可能金額が前記依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、前記代理人用アプリケーションは前記受任情報の送信を取り消す受任取消処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項5】
前記引渡情報の送信に基づいて、システム利用に対する依頼報酬金が前記入金依頼者用銀行口座に自動的に口座送金される依頼報酬金送金処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項6】
前記引渡情報の送信かつ前記代理人による前記代理人用銀行口座への現金入金に基づいて、システム利用に対する代理報酬金が前記代理人用銀行口座に自動的に口座送金される代理報酬金送金処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項7】
前記預り金の口座送金時から所定の期間までに代理人用アプリケーションから前記引渡情報が送信されなかった場合、前記管理者用預り金口座から前記代理人用銀行口座に前記預り金が自動的に口座返金される預り金返金処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項8】
前記預り金返金処理において、前記預り金が自動的に口座返金される前に前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの少なくとも前記入金依頼者用アプリケーションに対して前記現金が引き渡されたか否かを確認する引渡有無確認情報を管理者用アプリケーションが自動で送信し、かつ、前記引渡有無確認情報の送信後に前記現金の引き渡しがあったことを示す引渡存在情報を少なくとも前記入金依頼者用アプリケーションから管理者用アプリケーションが受信した場合、前記管理者用アプリケーションは前記預り金の返金を中止する
ことを特徴とする請求項7に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項9】
前記引渡金額が前記預り金に満たない場合、その不足額が前記管理者用預り金口座から前記代理人用銀行口座に自動的に口座返金される差額返金処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項10】
前記預り金の口座送金後に前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの一方のアプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信されるとともに、その他方のアプリケーションを介して前記管理者用アプリケーションが前記認証コードを認証した場合に前記引渡情報の送信が前記管理者用アプリケーションにより許可される認証処理と、
をコンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを機能させる複数の通信端末を備えることを特徴とするオンデマンド現金処理システム。
【請求項13】
入金依頼者から代理人に入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、
前記依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、
前記受任情報の送信に基づいて、前記依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、
前記預り金の口座送金後に、前記入金依頼者から前記代理人に対して前記代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの少なくとも前記代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき前記少なくとも前記代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、
前記引渡情報の送信に基づいて、前記管理者用預り金口座から前記入金依頼者用銀行口座に前記預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、
を備えることを特徴とするオンデマンド現金処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法に係り、特に、企業に貯蓄された現金を代理人が当該企業の銀行口座に代理入金するために好適に利用できるオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大規模企業又は中規模企業が管理する店舗の売上金等により現金収入が発生した場合、大規模企業又は中規模企業は、有償で現金輸送業者に依頼して、銀行口座に代理入金させている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−168789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、小規模企業が管理する店舗の売上金等により現金収入が発生した場合、小規模企業には有償で現金輸送業者に依頼するほど経済的に余裕がない。そのため、小規模企業に所属する経営者や従業員が銀行又は現金自動預け払い機に現金を自ら輸送することを止めたり渋ったりすると、小規模企業が管理する店舗にその現金が滞留してしまうという問題があった。一般的に、企業全体に占める小規模企業の割合は大規模企業及び中規模企業の合計割合よりも大きいため、小規模企業が現金を滞留すると国内全体の現金流通が抑制される一因にもなり得る。
【0005】
小規模企業にとってこの問題は、銀行口座に入金処理が行われないために入出金を銀行口座から正確に管理することが困難となる。その結果、現金入出金記録を手入力で処理しなければならないため、小規模企業の経理作業が煩雑になるという問題を引き起こすおそれがあった。
【0006】
また、銀行にとってこの問題は、小規模企業の銀行口座に入金されないと当該銀行口座を管理する銀行の預金残高が減少する問題を引き起こすおそれがあった。銀行の預金残高が減少すると、貸出可能額や投資額など銀行が利益を生むために運用する金額が減少するので、銀行の収益が減少する問題を引き起こすことにもつながるおそれがある。
【0007】
また、銀行が管理する現金自動預け払い機の預入金額が減少すると、銀行は銀行から現金自動預け払い機に現金を輸送しなければならないため、銀行はその分の輸送コストと現金輸送に伴う強盗リスクを負う問題も生じるおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、本人が銀行又は現金自動預け払い機に現金を輸送しなくても代理人を利用して安心、安全かつ迅速に代理入金することができるオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)前述した目的を達成するため、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、入金依頼者から入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
これにより、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として預かることができるため、入金依頼者が見ず知らずの代理人を介しても銀行情報を公開することなく、現金をだまし取られることなく入金依頼者用銀行口座に安心、安全かつ迅速に代理入金することができる。また、代理人は、銀行や現金自動預け払い機から現金を引き出すことなく、入金依頼者を銀行の出金代理者として入金依頼者から現金を出金することができる。また、銀行は、銀行や現金自動預け払い機の現金残高を減らすことなく、入金依頼者及び代理人の現金入出金を処理することができる。
【0011】
(2)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報に含まれる一部又はすべての情報を代理人用アプリケーションが地図画面に表示する依頼情報表示処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0012】
これにより、代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報を表示することができる。また、依頼情報のうちの一部の情報のみを表示するということもできる。
【0013】
(3)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報表示処理において、代理人用アプリケーションは、代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、依頼情報を地図画面に表示しないことが好ましい。
【0014】
これにより、出金可能金額が代理入金額よりも少ない代理人の代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報が表示されないため、預り金に基づく口座入金額が代理入金額よりも少ないといった入金トラブルを未然に防ぐことができる。
【0015】
(4)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、代理人用アプリケーションは受任情報の送信を取り消す受任取消処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0016】
これにより、出金可能金額が代理入金額よりも少ないにもかかわらず代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報が表示されてしまっていても、受任情報の送信が取り消されることにより、預り金に基づく口座入金額が代理入金額よりも少ないといった入金トラブルを未然に防ぐことができる。
【0017】
(5)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡情報の送信に基づいて、システム利用に対する依頼報酬金が入金依頼者用銀行口座に自動的に口座送金される依頼報酬金送金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0018】
これにより、本発明のオンデマンド現金処理プログラムにおける入金依頼者の数を増やすことができるので、現金滞留の問題を解消することができる。
【0019】
(6)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡情報の送信かつ代理人による代理人用銀行口座への現金入金に基づいて、システム利用に対する代理報酬金が代理人用銀行口座に自動的に口座送金される代理報酬金送金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0020】
これにより、本発明のオンデマンド現金処理プログラムにおける代理人の数を増やすことができるので、現金滞留の問題を解消することができる。また、代理人用銀行口座への現金入金を報酬条件としているため、入金依頼者から代理人を介して銀行に代理入金する流れを促進することができる。
【0021】
(7)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金の口座送金時から所定の期間までに代理人用アプリケーションから引渡情報が送信されなかった場合、管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に預り金が自動的に口座返金される預り金返金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
これにより、代理人が入金依頼者から現金を受領できなかったとしても、預り金が不当に徴収されてしまうことを防止することができる。
【0022】
(8)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金返金処理において、預り金が自動的に口座返金される前に入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも入金依頼者用アプリケーションに対して現金が引き渡されたか否かを確認する引渡有無確認情報を管理者用アプリケーションが送信し、かつ、引渡有無確認情報の送信後に現金の引き渡しがあったことを示す引渡存在情報を少なくとも入金依頼者用アプリケーションから管理者用アプリケーションが受信した場合、管理者用アプリケーションは預り金の返金を中止することが好ましい。
【0023】
これにより、代理人が入金依頼者から現金を受領できなかったと偽って預り金の返金を不正に取得しようとしても、入金依頼者からの引渡存在情報に基づいて預り金の返金の不正取得を防止することができる。その後は、本発明のオンデマンド現金処理プログラムによる処理の範疇を超えるため、当事者同士やシステム管理者を含めた三者間で話し合いを行う。例えば、管理者が入金依頼者及び代理人の双方から事情を確認する。両方が合意に達した場合、管理者が入金依頼者用銀行口座又は代理人用銀行口座に預り金を手動で振り込む。両方が合意に達しなかった場合、裁判等の第三者判断機関に正しい振込先の判断を委ねた上で、その判断結果に基づき管理者が入金依頼者用銀行口座又は代理人用銀行口座に預り金を手動で振り込む。
【0024】
(9)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡金額が預り金に満たない場合、その不足額が管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に自動的に口座返金される差額返金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
これにより、入金依頼者から代理人に実際に引き渡された引渡金額と預り金とが相違しても、現金処理を正しく行うことができる。
【0025】
(10)また、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金の口座送金後に入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの一方のアプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信されとともに、その他方のアプリケーションを介して管理者用アプリケーションが認証コードを認証した場合に引渡情報の送信が管理者用アプリケーションにより許可される認証処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0026】
これにより、入金依頼者又は代理人のどちらか一方が他方の許可なく引渡情報を送信することを防止することができるので、入金依頼者と代理人との間の引渡トラブルを回避することができる。
【0027】
(11)また、本発明の記憶媒体は、(1)から(10)のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0028】
これにより、本発明の記憶媒体を介して本発明のオンデマンド現金処理プログラムを各種通信端末にインストールすれば、本発明のオンデマンド現金処理プログラムをシステムとして利用することができる。
【0029】
(12)また、本発明のオンデマンド現金処理システムは、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを機能させる複数の通信端末を備えることを特徴とすることが好ましい。
これにより、本発明のオンデマンド現金処理プログラムをシステムとして利用することができる。
【0030】
(13)また、本発明のオンデマンド現金処理方法は、入金依頼者から代理人に入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、を備えることを特徴とすることが好ましい。
【0031】
これにより、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として預かることができるため、入金依頼者が見ず知らずの代理人を介して入金依頼者用銀行口座に安心、安全かつ迅速に代理入金することができる。また、代理人は、銀行や現金自動預け払い機から現金を引き出すことなく、入金依頼者を銀行の出金代理者として入金依頼者から現金を出金することができる。また、銀行は、銀行や現金自動預け払い機の現金残高を減らすことなく、入金依頼者及び代理人の現金入出金を処理することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法によれば、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として即座に預かるため、本人が銀行又は現金自動預け払い機に現金を輸送しなくても代理人を利用して安心、安全かつ迅速に代理入金することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本実施形態のオンデマンド現金処理システムを示す概念図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムによる各処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム及びオンデマンド現金処理方法を説明する。
【0035】
[オンデマンド現金処理システム1]本実施形態のオンデマンド現金処理システム1は、以下の一般的構成要件及び具体的構成要件により構成されている。一般的構成要件及び具体的構成要件は別個に存在するのではなく、一般的構成要件に基づいて具体的構成要件が構成されている。
【0036】
[一般的構成要件]本実施形態のオンデマンド現金処理システム1は、
図1に示すように、1又は2以上の入金依頼者用通信端末2と、1又は2以上の代理人用通信端末3と、1又は2以上の管理者用通信端末4と、1又は2以上の銀行用通信端末5と、を備えている。これら各種の通信端末2,3,4,5は、図示しない中央処理装置、記憶装置、入出力装置及び通信装置などの一般的な構成要素をそれぞれ有することにより、コンピュータとしての一般的な機能を発揮する。また、これら各種の通信端末2,3,4,5は、コンピュータネットワークを介して相互にインターネット接続されている。
【0037】
また、本実施形態のオンデマンド現金処理システム1は、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムをインストールしている。このオンデマンド現金処理プログラムは、そのインストール作業前において、図示しない他の通信端末又はCDやUSB型メモリなどの各種の記憶媒体に記憶されている。
【0038】
本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムがネイティブアプリケーション(ローカル・コンピュータに保存されたアプリケーション)として機能する場合、全ての通信端末2,3,4,5は、インターネット又は上記した記録媒体を介してそれらにそれぞれインストールされた入金依頼者用アプリケーション、代理人用アプリケーション、管理者用アプリケーション及び銀行用アプリケーションを用いて、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムを実行する。
【0039】
それに対して、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムがウェブ・アプリケーションとして機能する場合、最低限、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムがインターネット又は上記した記録媒体を介してこの管理者用通信端末4のみにインストールされていればよい。入金依頼者用通信端末2、代理人用通信端末3及び銀行用通信端末5は、入金依頼者用アプリケーション、代理人用アプリケーション、管理者用アプリケーション及び銀行用アプリケーションとして機能するそれぞれのインターネットブラウザを介して、ウェブサイト上で本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムの機能を発揮させる。
【0040】
そして、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムにおいて以下に示す各処理を各ステップとして実行することにより、本実施形態のオンデマンド現金処理方法が実現する。
【0041】
なお、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、ブロックチェーン技術と呼ばれる分散型台帳技術又は分散型ネットワーク技術を利用している。つまり、以下の説明において、依頼情報及び受任情報の送信によって成立する「受任契約」、「預り金の記録」、「預り金の送金」などに代表される各処理はブロックチェーン技術を利用して実現する。
【0042】
[具体的構成要件]本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報送信処理と、受任情報送信処理と、預り金送金処理と、引渡情報送信処理と、入金処理と、をコンピュータ(例:通信端末2,3,4,5)に実行させることを特徴とする。また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報表示処理と、受任取消処理と、依頼報酬金送金処理と、代理報酬金送金処理と、預り金返金処理と、差額返金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0043】
[依頼情報送信処理]
図1及び
図2に示すように、入金依頼者が入金依頼者用アプリケーションを介して入金依頼者用通信端末2の画面に表示される「依頼」ボタンを選択すると、入金依頼者用アプリケーションは指示信号を送信する(処理S01)。その後、依頼情報送信処理において、入金依頼者用アプリケーションは、入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき、依頼情報を送信する(処理S02)。
【0044】
[入金依頼者]入金依頼者は、入金依頼者用銀行口座に対して第三者を介して代理で入金を依頼する意思のある個人又は法人である。入金依頼者としては、主に、有償にて現金輸送業者に現金輸送を依頼しておらず、かつ、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う対価として受領した現金を保有している商店を経営する個人事業主や小規模企業を想定している。
【0045】
[指示信号]指示信号は、入金依頼者が入金依頼者用アプリケーションを介して代理入金を依頼する意思があることを指示する情報である。
【0046】
[依頼情報]依頼情報は、入金依頼者から代理人に入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む情報である。具体例として、依頼情報は、入金依頼者の氏名、名称又は仮名、入金依頼者の連絡先、代理入金額、入金依頼者が現金を引き渡す引渡場所、引渡場所から代理人の現在地までの距離及び到着予定時間(ETA)など、代理入金の依頼に必要になる情報である。入金依頼者用銀行口座と代理人用銀行口座との間で直接の取引がないため、依頼情報に銀行口座を特定する情報は含まれていない。
【0047】
[代理人]代理人は、第三者から入金の代理を依頼される対価として入金額相当分の現金又は代理報酬金を受領することを希望する意思のある個人又は法人である。代理人としては、銀行又は現金自動預け払い機から直接出金するのでなく、入金依頼者を介して入金額相当分の現金を間接的に出金する意思又は入金代理の対価として代理報酬金を得る意思のある個人を想定している。
【0048】
[代理入金・代理出金]代理入金とは、入金依頼者が代理人に対して代理で入金を行う行為である。代理出金とは、上記した「入金依頼者を介して現金を間接的に行う出金」を意味する語句である。
【0049】
[各種アプリケーション]入金依頼者用アプリケーション、代理人用アプリケーション、管理者用アプリケーション及び銀行用アプリケーションは、オンデマンド現金処理プログラムの各処理を実行するため、インストールした入金依頼者用通信端末2、代理人用通信端末3、管理者用通信端末4又は銀行用通信端末5を介して、画面表示、入出力、通知、送金、認証その他の好適な処理を行う。
【0050】
[管理者]管理者は、オンデマンド現金処理プログラムを管理する個人又は法人である。管理者としては、管理会社及び/又は銀行である。管理者は、管理者用アプリケーションの機能を介して入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションに各種情報を送信する権限及び管理者用預り金口座から他の銀行口座に送金する権限を有する。すなわち、管理者用アプリケーションは、オンデマンド現金処理プログラムに関するすべての処理を実行することが可能になっている。ただし、セキュリティの観点から、オンデマンド現金処理プログラムに関するすべての処理のうち銀行が実行を禁止した処理はその制限機能により実行されない。
【0051】
[銀行]銀行は、電子的な送金技術に対応する銀行口座を管理する法人である。本明細書における説明を容易にするため、銀行は代理人用銀行口座を管理していることにする。
【0052】
[依頼情報表示処理]代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも大きい場合(処理S03+YES)、依頼情報表示処理において、代理人用アプリケーションは、依頼情報に含まれる一部又はすべての情報を地図画面に表示する(処理S04)。依頼情報のうちどの情報を表示するかの判断は、代理人が受任する際に必要な情報か否かに基づき管理者が予め決めている。セキュリティの観点から、代理人の受任前には地図画面に代理入金額は表示されず、代理人の受任後に代理入金額が表示される。
【0053】
また、依頼情報表示処理において、代理人用アプリケーションは、代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合(処理S03+NO)、依頼情報を地図画面に表示しない(処理S03)。
【0054】
[受任情報送信処理]代理人用アプリケーションに依頼情報が表示されたら(処理S04)、代理人用アプリケーションの機能により代理人用通信端末3に画面表示される「受任」ボタンの選択が可能になる。代理人が「受任」ボタンを選択すると、代理人用アプリケーションは指示信号を送信する(処理05)。その後、受任情報送信処理において、代理人用アプリケーションは、代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき、受任情報を送信する(処理S06)。
【0055】
[指示信号]指示信号は、代理人が代理人用アプリケーションを介して代理入金の依頼を受任する意思があることを指示する情報である。
【0056】
[受任情報]受任情報は、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む情報である。具体例として、受任情報は、代理人の氏名、名称又は仮名、代理人の連絡先、代理人用銀行口座における出金可能金額、代理人の現在地、引渡場所から代理人の現在地までの距離及び到着予定時間(ETA)など、代理入金の依頼に必要になる情報である。入金依頼者用銀行口座と代理人用銀行口座との間で直接の取引がないため、受任情報に銀行口座を特定する情報は含まれていない。
【0057】
[受任取消処理]ここで、代理人が代理人用アプリケーションを介して依頼情報を取得した際、何らかのアプリケーション・エラー又はシステム・エラーなどの異常により、仮に、代理入金額よりも出金可能金額が少ないにもかかわらずその依頼情報が地図画面に表示された場合を想定する。このとき、受任取消処理において、代理人用アプリケーションは、出金可能金額が代理入金額よりも少ないことに基づいて受任情報の送信(処理S06)を取り消す。この受任取消処理はセキュリティ機能を強化するためのオプション機能である。
【0058】
[預り金送金処理]受任情報の送信(処理S06)が正常に行われた場合、預り金送金処理において、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が管理者用アプリケーションにより代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される(処理S07)。「自動的に口座送金」とは、代理人の意志によらず、かつ、代理人の手動操作を必要せず、受任情報の送信という事実のみに基づいて代理人用アプリケーションが機械的に行う処理である。そのため、受任情報の送信(処理S06)が正常に行われたら、預り金送金処理の実行を拒否することはできない。
【0059】
預り金送金処理が正常に実行されると、依頼情報表示処理において、代理人用アプリケーションは、引渡場所から代理人の現在地までの距離及び到着予定時間(ETA)など依頼情報に含まれる一部又はすべての情報を地図画面に表示し、代理人の現在地から入金依頼者の引渡場所までの道のりを代理人に案内する(処理S08)。
【0060】
[認証処理]預り金送金処理による預り金の口座送金後、認証処理において、入金依頼者用アプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信される。また代理人用アプリケーションが認証コードを認証した場合、引渡情報の送信が管理者用アプリケーションにより許可される(処理S09)。
【0061】
[認証コード]認証コードは、他者間でのやり取りを行う際に要求されるコードである。認証コードは識別コードであってもよい。具体例として、認証コードは、QRコード(日本登録商標)などの二次元コードやバーコードなどの一次元コードなどの高速認証が可能な各種のコードである。
【0062】
[その他]なお、認証処理においては、入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの一方のアプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信されるとともに、その他方のアプリケーションを介して管理者用アプリケーションが認証コードを認証した場合に引渡情報の送信を管理者用アプリケーションが許可すればよい。そのため、他の実施形態の認証処理においては、上記説明とは逆に、代理人用アプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信され、入金依頼者用アプリケーションを介して管理者用アプリケーションが認証コードを認証した場合に引渡情報の送信を管理者用アプリケーションが許可してもよい。
【0063】
[引渡情報送信処理]入金依頼者がいる引渡場所まで代理人が到着すると、入金依頼者は代理人に対して代理入金額と同額の現金を引き渡す。それとともに、入金依頼者が入金依頼者用アプリケーションを介して認証コードを代理人に提示し、代理人の操作により代理人用アプリケーションに認証コードが読み取られると、代理人用アプリケーションを介して管理者用アプリケーションが認証コードを認証する。その後、管理者用アプリケーションが引渡情報の送信を許可する。預り金の口座送金後に引渡情報の送信が許可されると、少なくとも代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき、引渡情報送信処理において少なくとも代理人用アプリケーションは引渡情報を自動又は手動で送信する(処理S09)。入金依頼者が依頼情報の送信時に希望した代理入金額(=代理人が事前徴収された預り金)と入金依頼者から代理人に対して実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額との相違による入金依頼者と代理人との紛争を避けるため、代理人は、引渡情報の送信前に、代理人用アプリケーションに引渡金額を入力することが好ましい。
【0064】
[指示信号]指示信号は、入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションから与えられる信号である。認証処理が行われる場合、引渡情報の送信が許可される許可信号が指示信号を兼ねることもある。認証処理が行われない場合、指示信号は、入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションの機能により入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションに表示される「引渡完了」ボタンの選択により送信される信号である。
【0065】
[引渡情報]引渡情報は、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す情報である。具体例として、引渡情報は、引渡事実があったことを示す情報、代理入金額、引渡金額、引渡時間、引渡場所など、代理入金の依頼に必要になる情報である。「代理入金額相当の現金」とは、代理入金額と同額の現金だけでなく、代理入金額と異なる額の現金をも許容する記載である。代理入金額が依頼情報の送付時に提示された金額であるのに対し、実際に引き渡す引渡金額とは異なる場合があることを見込んでそのように表現されている。
【0066】
[その他]なお、他の実施形態において、引渡情報送信処理において、入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションの両方のアプリケーションに与えられた指示信号に基づき引渡情報を送信してもよい。引渡情報送信処理において入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号のみに基づき入金依頼者用アプリケーションが引渡情報を送信しない理由は、それを許すと入金依頼者が代理人に現金を引き渡さなくても引渡情報の引渡が可能となり、預り金の不正取得につながるからである。
【0067】
[入金処理]代理人が引渡金額を入力し、預り金と引渡金額とが一致した場合(処理S10+YES)、入金処理において、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が管理者用アプリケーションにより自動的に口座入金される(処理S11)。それに対し、引渡金額が預り金の金額と一致しない場合(処理S10+NO)、入金処理において、預り金のなかから引渡金額分のみが預り金として自動的に口座入金される(処理S11)。
【0068】
[差額返金処理]差額返金処理において、引渡金額が預り金に満たない場合、引渡金額分の入金処理を行うとともに、その不足額が管理者用アプリケーションにより管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に自動的に口座返金される(処理S12)。本来、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムの開発趣旨からみると、入金依頼者から代理人に引き渡される引渡金額は代理入金額と同額であることが好ましい。しかしながら、入金依頼者の利便性を考慮すると、引渡金額は代理入金額と同額(例:300シンガポール・ドル)だけでなく、依頼情報の送信後から引渡情報の送信前の間に入金依頼者の経済的な事情の変化に応じて代理入金額よりも低い金額(例:280シンガポール・ドル)をも本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは許容している。
【0069】
また、入金依頼者の利便性を考慮すると、引渡金額が代理入金額よりも高い金額(例:320シンガポール・ドル)であってもよい。ただし、引渡金額が代理入金額よりも高い場合、そのマイナス差額分についての差額返金処理(=差額分の預り金送金処理+入金処理)を行う(処理S12)。入金依頼者から代理人に引渡金額を引き渡した後に引渡金額の入金処理が行われると、入金依頼者用銀行口座には入金情報が記録される。
【0070】
[預り金返金処理]次に、代理人が引渡場所まで到着しなかったり、入金依頼者が代理人に対して現金を引き渡さなかったり、認証処理が正常に行われなかったりするなど、預り金の口座送金時から所定の期間までに代理人用アプリケーションから引渡情報が送信されなかった場合を想定する。この場合、預り金返金処理において、管理者用アプリケーションは、少なくとも入金依頼者用アプリケーションに対して引渡有無確認情報を送信する(処理S13)。
【0071】
[引渡有無確認情報]引渡有無確認情報は、現金が引き渡されたか否かを確認するアンケート情報である。引渡金額が代理人に引き渡されない場合、代理人は引渡情報を送信しなければ預り金が返金されるため、代理人にとって経済的な損失はない。しかしながら、引渡情報が送信されないと入金依頼者用銀行口座に引渡金額分の口座入金がなされないため、入金依頼者にとって経済的な損失が発生する。そのため、預り金返金処理において、管理者用アプリケーションは、少なくとも入金依頼者用アプリケーションに対して引渡有無確認情報を送信する。
【0072】
なお、事情聴取の観点から、預り金返金処理において、管理者用アプリケーションは、入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションの両方のアプリケーションに対して引渡有無確認情報を送信してもよい(処理S13)。
【0073】
引渡有無確認情報の送信後、入金依頼者用アプリケーションを介して現金の引き渡しがなかったことの意志表示や、現金の引き渡しに関する入金依頼者からの意思表示が一切ない場合、預り金返金処理において、管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に預り金が管理者用アプリケーションにより自動的に口座返金される(処理S14)。
【0074】
それに対して、引渡有無確認情報の送信後、現金の引き渡しがあったことを示す引渡存在情報を少なくとも入金依頼者用アプリケーションから管理者用アプリケーションが受信した場合、管理者用アプリケーションは預り金の返金を中止する(処理S15)。預り金が返金されないと、その預り金は管理者用預り金口座に残されたままになるので、入金依頼者と代理人との協議その他の紛争解決手段によりどちらの銀行口座に送金するかを決定する。
【0075】
[依頼報酬金送金処理]次に、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムの利用者に対する報酬金の処理方法を説明する。報酬金を支払う理由は、銀行の現金残高を減らずことなく入金依頼者の現金を利用して代理人への出金処理ができるという銀行の利益に対する対価のためである。
【0076】
依頼報酬金送金処理において、
図1に示すように、引渡情報の送信に基づいて、システム利用に対する依頼報酬金が管理者用アプリケーション又は銀行用アプリケーションにより入金依頼者用銀行口座に自動的に口座送金される(処理S16)。引渡情報の送信が依頼報酬金の獲得条件となったのは、それにより入金依頼者用銀行口座への入金処理が行われるため、銀行の利益となるからである。
【0077】
[代理報酬金送金処理]また、引渡情報の送信後、さらに、代理人が引渡金額相当額の現金を代理人用銀行口座に入金すると、代理報酬金送金処理において、
図1に示すように、その入金履歴に基づいて、システム利用に対する代理報酬金が管理者用アプリケーション又は銀行用アプリケーションにより代理人用銀行口座に自動的に口座送金される(処理S17)。引渡金額相当額の現金入金が代理報酬金の獲得条件となったのは、それにより銀行の現金残高が増えることにより銀行の利益となるからである。なお、引渡金額相当額の現金とは、引渡金額と同額の現金だけでなく、引渡金額と異なる額の現金も含む意味である。
【0078】
[報酬金]依頼報酬金及び代理報酬金の金額は、管理者又は銀行によって決められる。例えば、依頼報酬金又は代理報酬金の金額は引渡金額又は引渡金額相当額の現金に応じて決められる。また、依頼報酬金及び代理報酬金は、銀行口座の利用手数料が無料になったり、金利優遇を受けることができたりといったような、引渡金額又は引渡金額相当額の金額に関連のないメリットでもよい。
【0079】
以上により、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムによる処理の実行が終了する。
【0080】
次に、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム1及びオンデマンド現金処理方法の効果を説明する。
【0081】
(1)本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、入金依頼者から入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0082】
これにより、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として預かることができるため、入金依頼者が見ず知らずの代理人を介しても銀行情報を公開することなく、現金をだまし取られることなく入金依頼者用銀行口座に安心、安全かつ迅速に代理入金することができる。また、代理人は、銀行や現金自動預け払い機から現金を引き出すことなく、入金依頼者を銀行の出金代理者として入金依頼者から現金を出金することができる。また、銀行は、銀行や現金自動預け払い機の現金残高を減らすことなく、入金依頼者及び代理人の現金入出金を処理することができる。
【0083】
(2)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報に含まれる一部又はすべての情報を代理人用アプリケーションが地図画面に表示する依頼情報表示処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0084】
これにより、代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報を表示することができる。また、依頼情報のうちの一部の情報のみを表示するということもできる。
【0085】
(3)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、依頼情報表示処理において、代理人用アプリケーションは、代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、依頼情報を地図画面に表示しないことが好ましい。
【0086】
これにより、出金可能金額が代理入金額よりも少ない代理人の代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報が表示されないため、預り金に基づく口座入金額が代理入金額よりも少ないといった入金トラブルを未然に防ぐことができる。
【0087】
(4)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、代理人用銀行口座における出金可能金額が依頼情報から得られた代理入金額よりも少ない場合、代理人用アプリケーションは受任情報の送信を取り消す受任取消処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0088】
これにより、出金可能金額が代理入金額よりも少ないにもかかわらず代理人用アプリケーションに入金依頼者の位置情報や代理入金額などの依頼情報が表示されてしまっていても、受任情報の送信が取り消されることにより、預り金に基づく口座入金額が代理入金額よりも少ないといった入金トラブルを未然に防ぐことができる。
【0089】
(5)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡情報の送信に基づいて、システム利用に対する依頼報酬金が入金依頼者用銀行口座に自動的に口座送金される依頼報酬金送金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0090】
これにより、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムにおける入金依頼者の数を増やすことができるので、現金滞留の問題を解消することができる。
【0091】
(6)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡情報の送信かつ代理人による代理人用銀行口座への現金入金に基づいて、システム利用に対する代理報酬金が代理人用銀行口座に自動的に口座送金される代理報酬金送金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0092】
これにより、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムにおける代理人の数を増やすことができるので、現金滞留の問題を解消することができる。また、代理人用銀行口座への現金入金を報酬条件としているため、入金依頼者から代理人を介して銀行に代理入金する流れを促進することができる。
【0093】
(7)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金の口座送金時から所定の期間までに代理人用アプリケーションから引渡情報が送信されなかった場合、管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に預り金が自動的に口座返金される預り金返金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0094】
これにより、代理人が入金依頼者から現金を受領できなかったとしても、預り金が不当に徴収されてしまうことを防止することができる。
【0095】
(8)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金返金処理において、預り金が自動的に口座返金される前に入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも入金依頼者用アプリケーションに対して現金が引き渡されたか否かを確認する引渡有無確認情報を管理者用アプリケーションが送信し、かつ、引渡有無確認情報の送信後に現金の引き渡しがあったことを示す引渡存在情報を少なくとも入金依頼者用アプリケーションから管理者用アプリケーションが受信した場合、管理者用アプリケーションは預り金の返金を中止することが好ましい。
【0096】
これにより、代理人が入金依頼者から現金を受領できなかったと偽って預り金の返金を不正に取得しようとしても、入金依頼者からの引渡存在情報に基づいて預り金の返金の不正取得を防止することができる。その後は、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムによる処理の範疇を超えるため、当事者同士やシステム管理者を含めた三者間で話し合いを行う。例えば、管理者が入金依頼者及び代理人の双方から事情を確認する。両方が合意に達した場合、管理者が入金依頼者用銀行口座又は代理人用銀行口座に預り金を手動で振り込む。両方が合意に達しなかった場合、裁判等の第三者判断機関に正しい振込先の判断を委ねた上で、その判断結果に基づき管理者が入金依頼者用銀行口座又は代理人用銀行口座に預り金を手動で振り込む。
【0097】
(9)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、引渡金額が預り金に満たない場合、その不足額が管理者用預り金口座から代理人用銀行口座に自動的に口座返金される差額返金処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0098】
これにより、入金依頼者から代理人に実際に引き渡された引渡金額と預り金とが相違しても、現金処理を正しく行うことができる。
【0099】
(10)また、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、預り金の口座送金後に入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの一方のアプリケーションに対して認証コードが管理者用アプリケーションから送信されとともに、その他方のアプリケーションを介して管理者用アプリケーションが認証コードを認証した場合に引渡情報の送信が管理者用アプリケーションにより許可される認証処理と、をコンピュータに更に実行させることが好ましい。
【0100】
これにより、入金依頼者又は代理人のどちらか一方が他方の許可なく引渡情報を送信することを防止することができるので、入金依頼者と代理人との間の引渡トラブルを回避することができる。
【0101】
(11)また、本実施形態の記憶媒体は、(1)から(10)のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0102】
これにより、本実施形態の記憶媒体を介して本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムを各種通信端末にインストールすれば、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムをシステムとして利用することができる。
【0103】
(12)また、本実施形態のオンデマンド現金処理システム1は、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のオンデマンド現金処理プログラムを機能させる複数の通信端末を備えることを特徴とすることが好ましい。
【0104】
これにより、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムをシステムとして利用することができる。
【0105】
(13)また、本実施形態のオンデマンド現金処理方法は、入金依頼者から代理人に入金依頼者用銀行口座を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、を備えることを特徴とすることが好ましい。
【0106】
これにより、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として預かることができるため、入金依頼者が見ず知らずの代理人を介して入金依頼者用銀行口座に安心、安全かつ迅速に代理入金することができる。また、代理人は、銀行や現金自動預け払い機から現金を引き出すことなく、入金依頼者を銀行の出金代理者として入金依頼者から現金を出金することができる。また、銀行は、銀行や現金自動預け払い機の現金残高を減らすことなく、入金依頼者及び代理人の現金入出金を処理することができる。
【0107】
すなわち、本実施形態のオンデマンド現金処理プログラム、記憶媒体、オンデマンド現金処理システム1及びオンデマンド現金処理方法によれば、代理入金に係る現金引渡しの前に代理人から代理入金額に相当する金額を預り金として即座に預かるため、本人が銀行又は現金自動預け払い機に現金を輸送しなくても代理人を利用して安心、安全かつ迅速に代理入金し、かつ、銀行や現金自動預け払い機から現金を引き出すことなく出金希望者が代理出金することができるという効果を奏する。
【0108】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 オンデマンド現金処理システム
2 入金依頼者用通信端末
3 代理人用通信端末
4 管理者用通信端末
5 銀行用通信端末
【手続補正書】
【提出日】2020年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
入金依頼者から代理人に代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、
前記依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、
前記受任情報の送信に基づいて、前記依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、
前記預り金の口座送金後に、前記入金依頼者から前記代理人に対して前記代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの少なくとも前記代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも前記代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、
前記引渡情報の送信に基づいて、前記管理者用預り金口座から前記入金依頼者用銀行口座に前記預り金が自動的に口座入金される入金処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするオンデマンド現金処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項13】
入金依頼者から代理人に代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、
前記依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき前記代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、
前記受任情報の送信に基づいて、前記依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、
前記預り金の口座送金後に、前記入金依頼者から前記代理人に対して前記代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を前記入金依頼者用アプリケーション及び前記代理人用アプリケーションのうちの少なくとも前記代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき前記少なくとも前記代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、
前記引渡情報の送信に基づいて、前記管理者用預り金口座から前記入金依頼者用銀行口座に前記預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、
を備えることを特徴とするオンデマンド現金処理方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(1)前述した目的を達成するため、本発明のオンデマンド現金処理プログラムは、入金依頼者から
代理人に代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
(13)また、本発明のオンデマンド現金処理方法は、入金依頼者から代理人に
代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、を備えることを特徴とすることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
[依頼情報]依頼情報は、入金依頼者から代理人に
代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む情報である。具体例として、依頼情報は、入金依頼者の氏名、名称又は仮名、入金依頼者の連絡先、代理入金額、入金依頼者が現金を引き渡す引渡場所、引渡場所から代理人の現在地までの距離及び到着予定時間(ETA)など、代理入金の依頼に必要になる情報である。入金依頼者用銀行口座と代理人用銀行口座との間で直接の取引がないため、依頼情報に銀行口座を特定する情報は含まれていない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
[代理入金・代理出金]代理入金とは、
代理人が入金依頼者の代わりに代理で入金を行う行為である。代理出金とは、上記した「入金依頼者を介して現金を間接的に行う出金」を意味する語句である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
(1)本実施形態のオンデマンド現金処理プログラムは、入金依頼者から
代理人に代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信処理と、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信処理と、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金処理と、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信処理と、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
(13)また、本実施形態のオンデマンド現金処理方法は、入金依頼者から代理人に
代理入金を依頼する際に必要な金額情報及び入金依頼者の位置情報を含む依頼情報を入金依頼者用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき入金依頼者用アプリケーションが送信する依頼情報送信ステップと、依頼情報を確認した代理人が入金代理を受任する意思があることを示す意志情報を含む受任情報を代理人用アプリケーションに与えられた指示信号に基づき代理人用アプリケーションが送信する受任情報送信ステップと、受任情報の送信に基づいて、依頼情報から得られた代理入金額と同額の預り金が代理人用銀行口座から管理者用預り金口座に自動的に口座送金される預り金送金ステップと、預り金の口座送金後に、入金依頼者から代理人に対して代理入金額相当の現金が引き渡された事実及び実際に引き渡された現金額が記入された引渡金額を示す引渡情報を入金依頼者用アプリケーション及び代理人用アプリケーションのうちの少なくとも代理人用アプリケーションから与えられた指示信号に基づき少なくとも代理人用アプリケーションが送信する引渡情報送信ステップと、引渡情報の送信に基づいて、管理者用預り金口座から入金依頼者用銀行口座に預り金が自動的に口座入金される入金ステップと、を備えることを特徴とすることが好ましい。