【解決手段】エッジコンピューティングの概念を応用して、運転映像から交通状況を識別する任務を各車載装置で行う。即ち、各車載装置で運転映像を取り込んで、その交通状況情報を分析する。前記情報を「静態認知し易い情報」、「動態認知し易い情報」及び「静態認知し難い情報」に分け、ワイヤレス伝送を介してバックエンドプラットフォームに伝送する。前記バックエンドプラットフォームの機能としては、交差検証メカニズムによって交通状況情報の有効性を確認し、更に動態予測メカニズムによって補完することで、交通状況地図を作成することにある。前記交通状況情報を各運転者の位置に基づいて各車載装置に伝送することで、参考データとして各運転者に通知する。更に、低帯域幅の自動交通状況車内向けインタネットを形成する。
前記デバイスストレージモジュールに少なくとも1つの確認済み交通状況地図、固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの緊急車両の位置情報が保存され、
前記緊急車両の位置情報は、動態認知不可情報として車載装置に表示されることを特徴とする、
請求項1に記載の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システム。
前記交通状況処理モジュールは、交通状況統合ユニットと、交通状況位置予測ユニットと、未加工交通状況地図更新ユニットと、交通状況信頼度測定ユニットと、確認済み交通状況地図更新ユニットと、交通状況中継ユニットとを更に有し、
前記交通状況統合ユニットは、各車載装置からの各交通状況を受信し、前記交通状況と前記プラットフォームストレージモジュールに保存された未加工交通状況地図における各未加工交通状況とを統合し、
前記交通状況位置予測ユニットは、前記交通状況統合ユニットに接続され、各交通状況に対して、未来の異なる時点の前記交通状況の可能位置を予測し、
前記未加工交通状況地図更新ユニットは、前記交通状況位置予測ユニットに接続され、予測された動態交通状況の未来の可能位置を前記未加工交通状況地図に更新し、
前記交通状況信頼度測定ユニットは、前記未加工交通状況地図更新ユニットに接続され、各交通状況の信頼度を計算し、
確認済み交通状況地図更新ユニットは、前記交通状況信頼度測定ユニットに接続され、信頼度がしきい値より大きいである交通状況を確認済み交通状況地図に更新し、
交通状況中継ユニットは、前記確認済み交通状況地図更新ユニットに接続され、確認済み交通状況地図における各交通状況を各車載装置のGPS位置に基づいて、関連する車両状態を前記車載装置に伝送することを特徴とする、
請求項1に記載の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システム。
前記未加工交通状況地図及び前記確認済み交通状況地図は、前記プラットフォームストレージモジュールに保存され、それぞれ各未加工交通状況及び各確認済み交通状況を含むことを特徴とする、
請求項8に記載の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システム。
車載装置が前方に走っている固定ルート車両があると識別した場合、その方向幕又は車両番号に基づいて、現在の運転位置と関連する図面データを参考してその運転ルートを識別してから、前記運転ルートの情報を取得し、その可能な移動方向を運転者に警告し、
前方に走っている固定ルート車両があると確定した場合、リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニットは、前方に走っている固定ルート車両があることを前記交通状況提出ユニットに提出し、前記交通状況提出ユニットによって現在の運転位置、図面データ、識別したバスの方向幕及び車両番号の情報に基づいて、そのバスのルートを判定し、その詳細な運転ルートを取得して警告することを特徴とする、
請求項2に記載の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システム。
第三者からの交通状況情報及び他の公共交通機関のデータ交換プラットフォーム(PTX)に公開される交通状況情報を受信する少なくとも1つの第三者交通状況データインターフェイスユニットを更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システム。
【背景技術】
【0002】
自動車用電子機器の普及につれて、多くの電子機器が運転サポートに用いられている。例えば、一番よく見られる衛星航法システムは、グローバルポジショニングシステム(GPS)及び地図情報システムに基づいて、音声及び地図を合わせることで、運転者が、その指示するルートに従って目的地にたどり着く。また、車両に複数のカメラ及びセンサ装置が設置されている。プログラム制御で、車間距離の警告、自動駐車、ひいては自動運転等の目的を達成できる。しかし、道路の交通状況が予測し難いため、多くの運転者は、依然として従来的な交通ラジオ放送から交通状況情報を得る。
【0003】
一般的に、運転において、主は視覚システムに基づいて見る交通状況を識別することで、適切な運転方針を決める。容易に分析するために、一般的に、運転者に対する交通状況情報の関係を3種類に分ける。第1種類である「認知し易い情報」は、運転者の視覚範囲内にあり、運転方針の決定に用いられる交通状況情報であり、例えば、前方の車両及び前車との距離が挙げられる。第2種類である「認知し難い情報」は、運転者の視覚範囲内にあるが、運転者が取得できない交通状況情報である。それは、運転方針の決定に直接用いられない交通状況情報である。
【0004】
例えば、運転者は、前方のバスがもうすぐ車線変更するか、又は左右折するかどうかを予測できない。第3種類である「認知不可情報」は、運転者の視覚範囲外の交通状況情報であり、例えば、前方500mに道路工事があって車線規制が行われていることが挙げられる。また、各情報は、前記交通状況の位置が時間につれて変化するかどうかによって動態情報及び静態情報に分ける。例えば、道路工事及び事故等は、静態情報に属する。走行中の自転車、高速道路の道路清掃車、及び緊急救助車両(例えば救急車及び消防車)の位置は動態情報に属する。
【0005】
既存の警告システム、例えば衝突警告及びフルオートブレーキ(Collision Warning with Full Auto Brake、CWFAB)、自動衝突防止システム(Automatic Collision Avoidance System、ACAS)、死角情報システム(Blind Spot Information System、BSIS)、及び車線維持支援システム(Lane keeping assistance system、LKAS)等のシステムは、感知及び自動制御で周辺交通状況の警告効果を働き、運転者の不注意を予防する。
【0006】
同様に、台湾特許出願105134417号に開示されている技術は、同じく、運転者が集中せず、周辺交通状況に注意を払っていなくて、安全性に危害を及ぼすこと予防するために、早期警告を提出するものである。言い換えると、前記警告システムは、いずれも上記第1種類である「認知し易い情報」に属する。しかし、運転経験があって、安全性を重視する運転者にとって、前記技術又は装置から提供された「認知し易い情報」は、運転方針の決定での安全性向上効果が相対的に弱い。
【0007】
現在の運転環境において、前記第2種類である「認知し難い情報」は、大体、他の運転者から提供されなければならない。例えば、前方の運転者は、ウインカーで、これから運転動態の変更があると後方の運転者に通知することが挙げられる。そのような「認知し難い情報」が通知された運転者は、受動的である。車両の右左折を例として説明する。もし前方の運転者の運転習慣が悪く、ウインカーを正確に使わない、又はウインカーで右左折の意図を表示できない場合、後方の運転者が危険に陥る可能性がある。台湾特許出願104126916号に開示されている技術において、前方の運転者の動きを注意すべきことが開示されているが、明確な「認知し難い情報」は提供できない。
【0008】
視覚範囲外の第3種類である「認知不可情報」は、第三者(他の運転者、通行人、工事単位等)から提供されなければならない。情報流の参加者から分けると、情報提供者及び情報伝送者に分けられる。例えば、前記ラジオ局、例えば警察ラジオ局又は交通ラジオ局が情報伝送者に属する。それに対し、交通事故及び交通状況を電話で通報する一般市民は情報提供者に属する。しかし、このような情報流通又は通報方法は下記欠点を有する。まず、情報提供者が人間であるため、情報通報の遅延又はミス、例えば、通報遅延及び詳確位置不明等の欠点を生じる可能性がある。また、情報伝送者は、主動的に情報を収集できない。なお、大量の無差別情報を羅列した放送方法も、情報伝送及び受信効率の低下を招く。
【0009】
なお、前記のように、科学技術の進歩につれて、市場では、例えばGarmin Connect、及びWaze等の主動式情報伝送者の装置がある。それによって全ての交通情報を濾過し、関連する交通状況情報のみを運転者に通知する。前記装置と台湾特許出願106121909号に開示されている技術とを組み合わせれば、確かに有効な早期警告システムを実現できるが、情報提供者が人間であることによって生じた問題は未だに解決されていない。
【0010】
また、台湾特許出願104128876号に開示されている技術において、運転映像をリアルタイムにアップロードして、後方の車両がそれを受信することで、前方の車両の運転者が見えた画像がそのまま見える。しかし、前記技術の画像のストリームは大量の帯域幅が消費され、更に、装置自体が運転者の集中力を奪う視覚装置であるため、その不注意で交通事故になる危険性を無視できない。
【0011】
なお、台湾特許出願100146222号に開示されている技術は、運転動態感測データを分析して特定交通状況イベントを識別し、ワイヤレス伝送を介してバックエンドプラットフォームのデータベースに伝送することで、データの統合及び更新を行う。それによって、関連する特定交通状況イベントを運転者に通知する。しかし、前記技術は、詳しい運転交通状況情報を提供できない。その原因としては、前記技術で分析した運転動態は、前方の運転者があるイベントに対してなされた反応であり、例えば、前方の車両の速度低下によってブレーキを踏む、又は前方の車線に工事があるため車線変更する等が挙げられる。その反応を分析しても、明確な交通状況情報をリバースできない。
【0012】
例えば、車線変更の原因は、道路工事、自転車又は歩行者がいる等様々である。そのため、前記車両の運転動態情報を分析しても、前記運転動態になる交通状況原因を推知できず、正確な交通状況情報を運転者に提供できない。特に、動態交通状況がある場合、例として、犬又は野生動物が高速道路に入った場合、それを移動性ある動態交通状況として見なし、その位置につれて運転者の反応も変える。このような状況があるため、識別可能の交通状況タイプが更に限られている。また、前記技術において、同じ車両では、同じイベントを繰り返し識別することができないため、複数の車両から得た情報を繰り返し験証しなければならない。そのため、システムの動作効率低下を招き、充分な交通状況情報を提供できない。よって、その技術の発展が限られている。
【0013】
モノのインターネット(Internet of Things)技術の発展につれて、同じ概念を交通状況車内向けインタネットの構成にも用いられる。それは、分散性の配置、例えば、ジャンクションの監視カメラを交通状況情報源とする。しかし、このような「固定情報源」の交通状況車内向けインタネットは、比較的疎らな情報源から、同じレベルの疎らな交通状況情報を得るしかない。「疎らな情報源から密集な情報を得る」という重要な原則に従って、情報を有効且つリアルタイムに共有する交通状況システムを構成できない。その原因はやはり固定の交通状況情報源にあり、いくら固定の交通状況情報源を密集的に配置しても、交通状況情報源の移動によって取得した密集な情報に比べられない。現在の市場で提出された技術は、いずれも前記重要な要件を満足できない。そのため、概念的に魅力的であるが、従来技術において、未だに有効な交通状況車内向けインタネットの目的を達成できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記従来技術の欠点を鑑み、本発明の主な目的は、画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムを提供することにある。交通状況情報源の移動によって取得した密集な情報に基づいて、「疎らな情報源から密集な情報を得る」という重要な原則を達成できる。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、車載装置とバックエンドプラットフォームとを有する、画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムを提供することにある。エッジコンピューティング(edge computing)の概念を応用して、運転映像から交通状況を識別する任務を各車載装置で行う。即ち、各車載装置で運転映像を取り込んで、その交通状況情報を分析する。前記情報を「静態認知し易い情報」、「動態認知し易い情報」及び「静態認知し難い情報」に分けて、ワイヤレス伝送を介してバックエンドプラットフォームに伝送する。前記バックエンドプラットフォームの機能は、交差検証メカニズムによって交通状況情報の有効性を確認し、更に動態予測メカニズムによって補完することで、交通状況地図を作成する。前記交通状況情報を各運転手の位置に基づいて各車載装置に伝送することで、参考データとして各運転者に通知する。更に、低帯域幅(low bandwidth)の自動交通状況車内向けインタネットを形成する。
【0016】
本発明の別の目的は、バックエンドプラットフォームを有する、画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムを提供することにある。前記バックエンドプラットフォームの交差検証メカニズムは、同じ場所のイベントを繰り返し受信することで、前記場所に交通状況があるかどうかを確認できる。更に、作成した交通状況地図を参考して、交通状況地図で表示した静態交通状況情報を追加、更新又は解除できる。又は、動態交通状況情報の予測条件を調整して、その予測の未来の位置を更新することで、早期警告を行うこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施例は、少なくとも1つの車載装置(in−vehicle device)及びバックエンドプラットフォーム(backend platform)を有する、画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムが開示されている。各車載装置で複数の交通状況画像をキャプチャ及び処理して関連する交通状況情報を決定する。前記交通状況情報を未加工交通状況の形で前記バックエンドプラットフォームに伝送する。前記バックエンドプラットフォームは、各車載装置からの前記未加工交通状況を統合して確認済み交通状況を生成する。更に、各車載装置の位置に基づいて、統合した確認済み交通状況を関連する車載装置に伝送する。
【0018】
前記車載装置は、視覚モジュール(visual module)と、車両状態モジュール(vehicle condition module)と、警告モジュール(alarm module)と、デバイスストレージモジュール(device storage module)と、コントロールモジュール(control module)とを更に有する。前記視覚モジュールは、複数の交通状況画像をキャプチャ及び処理して関連する交通状況情報を決定する。
【0019】
前記車両状態モジュールは、GPS測位、リアルタイムタイムスタンプ、及びスピードの車両状態関連情報を提供し、前記車両状態関連情報に基づいて、最適加減速度及び平均加減速度の運転情報を得る。前記警告モジュールは、警告イベントを受信して警告信号を送信する。前記デバイスストレージモジュールは、前記車載装置内の各モジュールのデータを保存する。
【0020】
前記コントロールモジュールは、それぞれ前記視覚モジュール、前記車両状態モジュール、前記警告モジュール、及び前記保存モジュールに接続され、前記車載装置の動作、及び前記バックエンドプラットフォームとの間のデータ伝送を制御する。
【0021】
前記バックエンドプラットフォームは、データ伝送モジュール(data transmission module)と、交通状況処理モジュール(traffic condition processing module)と、プラットフォームストレージモジュール(platform storage module)とを更に有する。前記データ伝送モジュールは、各車載装置からの要求に基づいて必要なデータを提供する。前記交通状況処理モジュールは、各車載装置からの各未加工交通状況を受信及び処理し、処理結果である確認済み交通状況を各車載装置のGPS位置に基づいて、関連する車両状態を前記車載装置に伝送する。前記プラットフォームストレージモジュールは、前記バックエンドプラットフォームの各モジュールのデータを保存する。
【0022】
好ましい実施例において、前記視覚モジュールは、画像キャプチャユニット(image capture unit)と、交通状況情報識別ユニット(real−time image analysis and traffic condition identification unit)と、交通状況提出ユニット(traffic condition filing unit)とを更に有する。前記画像キャプチャユニットは、一連の複数の連続画像をキャプチャする。前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニットは、前記画像キャプチャユニットに接続され、前記キャプチャされた複数の連続画像を受信及び分析することで、画像における交通状況情報を識別する。前記交通状況提出ユニットは、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニットに接続され、識別された前記交通状況情報を確認する。
【0023】
好ましい実施例において、前記車両状態モジュールは、GPSユニット(GPS unit)と、時計ユニット(clock unit)と、少なくとも1つのセンサユニット(sensor unit)と、車両状態分析ユニット(vehicle condition analysis unit)とを更に有する。前記GPSユニットは前記GPS測位を提供する。前記時計ユニットは前記リアルタイムタイムスタンプを提供する。前記少なくとも1つのセンサユニットは少なくとも1つの車両状態関連情報を提供する。前記車両状態関連情報は少なくともスピード情報を有する。前記車両状態分析ユニットは、前記車両状態関連情報を分析、計算することで、最適加減速度及び平均加減速度の運転情報を得て、前記運転情報を前記デバイスストレージモジュールに保存する。
【0024】
好ましい実施例において、前記警告モジュールは、少なくとも1つの音声警報ユニット(audio alarm unit)、画像警報ユニット(visual alarm unit)、又はそれらの組み合わせ更に有し、警告イベントを受信して警告信号を送信する。前記警告信号は、音声警報信号、画像警報信号、又はそれらの組み合わせである。
【0025】
好ましい実施例において、前記デバイスストレージモジュールに少なくとも1つの確認済み交通状況地図、固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの緊急車両の位置情報が保存される。また、前記緊急車両の位置情報は、動態認知不可情報として車載装置に表示される。
【0026】
好ましい実施例において、前記コントロールモジュールは、イベント処理ユニット(event handling unit)と、交通状況処理ユニット(traffic condition handling unit)と、データゲートウェイユニット(data gateway unit)とを更に有する。前記イベント処理ユニットは、前記視覚モジュールに接続され、前記視覚モジュールからのデータ要求イベント及び交通状況提出イベントを受信及び処理する。前記交通状況処理ユニットは、前記イベント処理ユニット、前記車両状態モジュール、及び前記デバイスストレージモジュールに接続され、交通状況を受信し、自身の車両状態に基づいて、警告イベントを前記警告モジュールに伝送するかどうかを決定する。前記データゲートウェイユニットは、前記イベント処理ユニット及び前記デバイスストレージモジュールに接続され、バックエンドプラットフォームとの間にデータのアクセスを行うことで、データを前記データ要求イベントに伝送する。
【0027】
好ましい実施例において、前記データ伝送モジュールは、データ要求受信ユニット(data request receiving unit)と、データ要求処理ユニット(data request handling unit)と、データ中継ユニット(data relay unit)とを更に有する。前記データ要求受信ユニットは各車載装置からのデータ要求を受信する。前記データ要求処理ユニットは、前記データ要求受信ユニットに接続され、前記データ要求を処理する。前記データ中継ユニットは、前記データ要求処理ユニットに接続され、前記データを各車載装置に伝送する。
【0028】
好ましい実施例において、前記交通状況処理モジュールは、交通状況統合ユニット(traffic condition consolidation unit)と、交通状況位置予測ユニット(traffic condition location prediction unit)と、未加工交通状況地図更新ユニット(raw traffic condition map update unit)と、交通状況信頼度測定ユニット(traffic condition confidence measurement unit)と、確認済み交通状況地図更新ユニット(confirmed traffic condition map update unit)と、交通状況中継ユニット(traffic condition relay unit)とを更に有する。前記交通状況統合ユニットは、各車載装置からの各交通状況を受信し、前記交通状況と前記プラットフォームストレージモジュールに保存された未加工交通状況地図における各未加工交通状況とを統合する。
【0029】
前記交通状況位置予測ユニットは、前記交通状況統合ユニットに接続され、各交通状況に対して、未来の異なる時点の前記交通状況の可能位置を予測する。前記未加工交通状況地図更新ユニットは、前記交通状況位置予測ユニットに接続され、予測された動態交通状況の未来の可能位置を前記未加工交通状況地図に更新する。前記交通状況信頼度測定ユニットは、前記未加工交通状況地図更新ユニットに接続され、各交通状況の信頼度を計算する。前記確認済み交通状況地図更新ユニットは、前記交通状況信頼度測定ユニットに接続され、信頼度がしきい値より大きい交通状況を確認済み交通状況地図に更新する。交通状況中継ユニットは、前記確認済み交通状況地図更新ユニットに接続され、確認済み交通状況地図における各交通状況を各車載装置のGPS位置に基づいて、関連する車両状態を前記車載装置に伝送する。
【0030】
好ましい実施例において、前記交通状況位置予測ユニットが予測した交通状況は、静態交通状況及び動態交通状況を含み、前記静態交通状況及び動態交通状況のいずれも、前記交通状況位置予測ユニットによって処理された後、前記未加工交通状況地図更新ユニットに伝送される。
【0031】
好ましい実施例において、前記交通状況位置予測ユニットが予測した静態交通状況は動態交通状況の特例とされ、静態交通状況の未来の予測位置を前記交通状況の初期位置とする。
【0032】
好ましい実施例において、前記プラットフォームストレージモジュールは少なくとも未加工交通状況地図及び確認済み交通状況地図を保存する。前記未加工交通状況地図及び確認済み交通状況地図は、それぞれ各未加工交通状況及び各確認済み交通状況を含む。
【0033】
好ましい実施例において、前記プラットフォームストレージモジュールは、少なくとも固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの動態交通状況の過去の予測条件を保存する。前記動態交通状況の過去の予測条件は、前記交通状況位置予測ユニットに用いられる。
【0034】
好ましい実施例において、前記動態交通状況は、少なくとも緊急救助車両位置と、自転車位置と、ダンプカー位置とを含む。保存された前記過去の予測条件は、少なくとも緊急救助車両における所定の時点及び道路での時速を含む。
【発明の効果】
【0035】
運転者は、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムの大量の交通状況情報に基づいて最適の運転方針を決定できるため、安全性を向上できる。例えば、一般の道路では、運転者が前方の視覚範囲外の交通状況情報を取得し、前方の固定ルート車両、例えばバス等の可能動態を取得できる。そのため、運転者は、前車のウインカーによる警告の前に、その行先を得ることができる。受動的ではなく、主動的に準備できる。更に、バックエンドプラットフォームの動態予測メカニズムによって、緊急救助車両の遭遇の事前警告を得てから回避できる。また、狭い道路又はカーブの道路では、視線状況が良くない状態でも、動態予測メカニズムによって対向車の情報を得るため、不適切な追い越し行為を控える。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、特定の具体的な実施例によって本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書の開示内容に基づいて本発明の他の利点及び効果を理解できる。本発明は、他の異なる具体的な実施例によって実行又は応用できる。本発明の明細書の各項目は、異なる観点及び応用によって、本発明の精神を超えない範囲で様々な改良及び変更をなされることができる。
【0038】
注意すべきことは、本明細書の図面において、その構造、比率、又は大きさ等は、あくまで当業者が理解できるように明細書の開示内容に合わせて例示するものである。本発明の範囲は、それらに限定されていない。すべての構造の改良、比率関係の変更、又は大きさの調整は、本発明の効果及び目的に影響しない範囲では、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
図1、
図2、及び
図3を参考しながら説明する。
図1は、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムの模式図である。
図2は、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムの車載装置の構造模式図である。
図3は、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムのバックエンドプラットフォームの構造模式図である。
【0040】
図1、
図2、及び
図3に示すように、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムは、少なくとも1つの車載装置(in−vehicle device)100及びバックエンドプラットフォーム(backend platform)200を有する。各車載装置100は、複数の交通状況画像をキャプチャ及び処理して、関連する交通状況情報を決定し、前記交通状況情報を未加工交通状況の形で前記バックエンドプラットフォーム200に伝送する。前記バックエンドプラットフォーム200は、各車載装置100からの前記未加工交通状況を統合して、確認済み交通状況を生成し、各車載装置100の位置に基づいて、統合した確認済み交通状況を関連する車載装置100に伝送する。
【0041】
前記車載装置100は、視覚モジュール(visual module)110と、車両状態モジュール(vehicle condition module)120と、警告モジュール(alarm module)130と、デバイスストレージモジュール(device storage module)140と、コントロールモジュール(control module)150とを更に有する。前記視覚モジュールは、複数の交通状況画像をキャプチャ及び処理して関連する交通状況情報を決定する。前記車両状態モジュールは、GPS測位、リアルタイムタイムスタンプ、及びスピードの車両状態関連情報を提供し、前記車両状態関連情報に基づいて、最適加減速度及び平均加減速度の運転情報を得る。
【0042】
前記警告モジュール130は、警告イベントを受信して警告信号を送信する。前記デバイスストレージモジュール140は、前記車載装置100内の各モジュールのデータを保存する。前記コントロールモジュール150は、それぞれ前記視覚モジュール110、前記車両状態モジュール120、前記警告モジュール130、及び前記保存モジュール140に接続され、前記車載装置100の動作、及び前記バックエンドプラットフォーム200との間のデータ伝送を制御する。
【0043】
前記バックエンドプラットフォーム200は、データ伝送モジュール(data transmission module)210と、交通状況処理モジュール(traffic condition processing module)220と、プラットフォームストレージモジュール(platform storage module)230とを更に有する。
【0044】
前記データ伝送モジュール210は、各車載装置100からの要求に基づいて必要なデータを提供する。前記交通状況処理モジュール220は、各車載装置100からの各未加工交通状況を受信及び処理し、処理結果である確認済み交通状況を各車載装置100のGPS位置に基づいて、関連する車両状態を前記車載装置100に伝送する。前記プラットフォームストレージモジュール230は、前記バックエンドプラットフォーム200の各モジュールのデータを保存する。
【0045】
前記のように、本発明において、交通状況情報を第1種類である「認知し易い情報」、第2種類である「認知し難い情報」、及び第3種類である「認知不可情報」に分ける。前記第1種類である「認知し易い情報」は、運転者の視覚範囲内にあり、運転者が取得できる交通状況情報である。前記第2種類である「認知し難い情報」は、運転者の視覚範囲内にあるが、運転者が取得できない交通状況情報である。前記第3種類である「認知不可情報」は、運転者の視覚範囲外の交通状況情報である。また、各類情報は、その位置、及び時間につれて変化するかどうかに基づいて、静態情報及び動態情報に分ける。
【0046】
例えば、運転者の視覚範囲内の事故及び道路工事等の情報は、第1種類である「認知し易い情報」に属し、また、その位置が時間につれて変化しないため、「静態認知し易い情報」に属する。なお、運転者の視覚範囲内の前車の動態は、第2種類である「認知し難い情報」に属し、また、その位置が時間につれて変化するため、「動態認知し難い情報」に属する。運転者の前方500mの視覚範囲外の(動態、静態)交通情報は、第3種類である「(動態、静態)認知不可情報」に属する。
【0047】
例えば、「静態認知し易い情報」は、事故及び道路工事等を含むが、それらに限定されない。「動態認知し易い情報」は、走っている車両の位置、例えば救急車、消防車、道路清掃車、バス、及びゴミ収集車等の車両の位置を含むが、それらに限定されない。「静態認知し難い情報」は、バスがもうすぐ右左折すること、追い越し車線に変更すること、又はバス停に止まること、及びゴミ収集車がもうすぐUターンすること等の運転動態を含むが、それらに限定されない。
【0048】
このような前記交通状況情報の分類において、本発明の技術的な特徴としては、各運転者は、前記視覚モジュール110でキャプチャした複数の交通状況画像から第1種類の交通状況情報を直接得る。
【0049】
また、前記デバイスストレージモジュール140に保存したデータから第2種類の交通状況情報を識別する。又は、前記コントロールモジュール150及び前記バックエンドプラットフォーム200のデータ伝送モジュール210によって前記プラットフォームストレージモジュール230のデータ、例えば、固定ルートのバス、スクールバス又はゴミ収集車等のルート及び駐車站の関連データを読み込んで、第2種類の交通状況情報を識別する。
【0050】
そして、各車載装置は、前記第1種類及び第2種類の交通状況情報を前記バックエンドプラットフォーム200に伝送し、前記バックエンドプラットフォーム200で統合した後、第3種類の交通状況情報の形で各運転者に通知する。なお、前記第1種類及び第2種類の交通状況は、イベント処理ユニットでバックエンドプラットフォームに伝送するだけでなく、イベント処理ユニットでその車載装置の交通状況処理ユニットに伝送することで、最適な警告タイミングを決定できる。言い換えれば、各運転者が直接取得できない第3種類の交通状況情報は、他の運転者の第1種類及び第2種類の交通状況情報を統合してなるものである。
【0051】
前記バックエンドプラットフォーム200の統合とは、交差検証によって提出された各交通状況情報の有効性を確認し、更に動態予測によって補完することで、交通状況地図を作成する。そして、交通状況情報を各運転者の位置に基づいて各車載装置100に伝送して、参考データとして各運転者に通知する。
【0052】
具体的には、前記バックエンドプラットフォーム200の交差検証メカニズムは、同じ場所のイベントを繰り返し受信することで、前記場所に交通状況があるかどうかを確認できる。更に、作成した交通状況地図を参考して、交通状況地図で表示した静態交通状況情報の追加、更新又は解除を行う。又は、動態交通状況情報の予測条件を調整して、その予測の未来の位置を更新することで、早期警告を行うことができる。
【0053】
また、本発明のシステムにおいて、前記バックエンドプラットフォーム200は、「認知不可情報」を伝送する役目を果たし、作成した交通状況地図に基づいて、車載装置100の走行位置を参考して、前記車載装置100に第3種類である「(動、静態)認知不可情報」を伝送する。そして、前記車載装置100の交通状況処理ユニット152によって最適警告タイミングを決定する。
【0054】
前記交通状況処理ユニット152は、車両状態モジュール120が提供した各車両自身の状態関連情報及び運転情報、即ち、特定の車両状態及び運転環境に基づいて、最適警告タイミングを計算し、早期警告情報を警告ユニットに伝送することで、運転者に通知する。上記特定の車両状態は、最適加減速度及び平均加減速度等を含むが、それらに限定されない。運転環境は、前後方の交通流、及び上り下り坂道路に走っているかどうかを含むが、それらに限定されない。
【0055】
例えば、前記車両状態モジュール120は、GPS測位、リアルタイムタイムスタンプ、スピードの車両状態関連情報、前記車両状態関連情報に基づいた最適加減速度及び平均加減速度の運転情報を提供できる。前記最適加減速度は、連続時間内のスピード及び関連するセンサの情報の分析により取得され得る。特に説明すべきことは、前記運転情報は、ある交通状況に対する最適警告タイミングの計算に用いられる。高速に走る一般なセダン及びダンプカーに対して、その最適警告タイミングが異なる。それは、必要な減速又はブレーキの時間及び距離が異なり、5秒以上の時間差があるからである。なお、車に荷物を載せるかどうかも、その加減速に影響を及ぼす。
【0056】
図4に示すように、好ましい実施例において、前記視覚モジュール110は、画像キャプチャユニット111と、リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112と、交通状況提出ユニット113とを更に有する。前記画像キャプチャユニット111は、一連の複数の連続画像をキャプチャする。
【0057】
前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112は、前記画像キャプチャユニット111に接続され、前記キャプチャされた複数の連続画像を受信及び分析することで、画像における交通状況情報を識別する。前記交通状況提出ユニット113は、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112に接続され、識別された前記交通状況情報を確認する。前記画像キャプチャユニット111はカメラであってもよい。
【0058】
具体的には、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112が識別した交通状況情報は、前記第1種類である「認知し易い情報」及び第2種類である「認知し難い情報」を更に有する。第1種類である「認知し易い情報」に対して、車載装置100は、前記コントロールモジュール150によって、バックエンドプラットフォーム200にリアルタイムにアップロードする。第2種類である「認知し難い情報」、例えば固定ルート車両の静態情報に対して、コントロールモジュール150によって必要な関連データを取得した後、バックエンドプラットフォーム200にアップロードする。なお、前記第1種類及び第2種類の交通状況をそのまま交通状況処理ユニット152に伝送することで、最適警告タイミングを決定する。
【0059】
具体的には、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112は、第2種類の交通状況があると検知した場合、前記交通状況提出ユニット113に通知する。前記交通状況提出ユニット113が必要なデータを取得した後、第2種類の交通状況情報の構築が完了する。なお、交通状況が検知されなかった場合、前記交通状況提出ユニット113によって、交通状況無しを示す定期通報運転情報を提出できる。
【0060】
同様に、前記車両状態モジュール120は、GPSユニット121と、時計ユニット122と、少なくとも1つのセンサユニット123と、車両状態分析ユニット124とを更に有する。前記GPSユニット121は前記GPS測位を提供する。前記時計ユニット122は前記リアルタイムタイムスタンプを提供する。少なくとも1つのセンサユニット123は少なくとも1つの車両状態関連情報を提供する。前記車両状態関連情報は少なくともスピード情報を有する。
【0061】
前記車両状態分析ユニット124は、前記車両状態関連情報を分析、計算することで、最適加減速度及び平均加減速度の運転情報を得る。前記警告モジュール130は、少なくとも1つの音声警報ユニット、画像警報ユニット、又はそれらの組み合わせを更に有し、警告イベントを受信して警告信号を送信する。前記警告信号は、音声警報信号、画像警報信号、又はそれらの組み合わせである。更に、前記デバイスストレージモジュール140に、少なくとも1つの確認済み交通状況地図、固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの緊急車両の位置情報が保存される。
【0062】
また、前記緊急車両の位置情報は、動態認知不可情報として車載装置に表示される。前記確認済み交通状況地図は、前記視覚モジュール110から識別された第1種類である「認知し易い情報」及び第2種類である「認知し難い情報」の関連する交通状況、及び前記バックエンドプラットフォーム200から通知した第3種類である「認知不可情報」の関連する交通状況を含む。言い換えれば、それは、他の運転者から提出された交通状況であり、且つバックエンドプラットフォーム200によって交差検証した確認済み交通状況の地図である。なお、前記確認済み交通状況地図、固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの緊急車両の位置情報である。
【0063】
前記緊急車両の位置情報は、動態認知不可情報として車載装置に表示される。前記視覚モジュール110によって第2種類の交通状況を識別する時に、又は前記コントロールモジュール150によって適切な警告タイミングを計算する時に、前記緊急車両の位置情報は必要な関連データである。特に説明すべきことは、前記デバイスストレージモジュール140に固定ルート車両のルート及び駐車データがない場合、前記コントロールモジュール150によって前記バックエンドプラットフォーム200のプラットフォームストレージモジュール230から取得できる。
【0064】
同様に、好ましい実施例において、前記コントロールモジュール150は、イベント処理ユニット151と、交通状況処理ユニット152と、データゲートウェイユニット153とを更に有する。前記イベント処理ユニット151は、前記視覚モジュール110に接続され、前記視覚モジュール110からのデータ要求イベント及び交通状況提出イベントを受信及び処理する。
【0065】
前記交通状況処理ユニット152は、前記イベント処理ユニット151、前記車両状態モジュール120、前記警告モジュール130、及び前記デバイスストレージモジュール140に接続され、交通状況を受信し、前記デバイスストレージモジュール140に保存した運転情報及び車両状態に基づいて、最適警告タイミングを決定する。警告タイミングを満たしていない交通状況をデバイスストレージモジュール140に保存する。前記データゲートウェイユニット153は、前記イベント処理ユニット151、前記デバイスストレージモジュール140に接続され、前記バックエンドプラットフォーム200との間にデータのアクセスを行うことで、データを前記データ要求イベントに伝送する。
【0066】
特に説明すべきことは、前記データゲートウェイユニット153は、前記交通状況提出ユニット113によって第2種類の交通状況情報を構成する時に、前記デバイスストレージモジュール140又はバックエンドプラットフォーム200から必要なデータを取得して、前記交通状況提出ユニット113に伝送する。
【0067】
要するに、本発明の車載装置100は、視覚モジュール110のリアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112によって、前記画像キャプチャユニット111がキャプチャした複数の連続画像における第1種類を識別する。更に、第2種類の交通状況があり、且つ第2種類の交通状況情報を作成しなければならないことを前記交通状況提出ユニット113に通知する。前記交通状況提出ユニット113は、コントロールモジュール150によって情報を取得し、第2種類情報の構築が完成する。
【0068】
最後、前記交通状況提出ユニット113によって識別された第1種類及び第2種類の交通状況を提出して、前記コントロールモジュール150のイベント処理ユニット151を経てバックエンドプラットフォーム200に伝送する。一方、前記バックエンドプラットフォーム200からの第3種類の交通状況をコントロールモジュール150に伝送した後、前記交通状況処理ユニット152と、前記車両状態モジュール120が元々デバイスストレージモジュール140に保存した他の交通状況に基づいて提供した車両状態関連情報とを合わせて処理することで、適切な警告タイミングを決定する。更に、前記警告モジュール130によって注意すべき交通状況を運転者に通知する。
【0069】
言い換えれば、前記交通状況処理ユニット152は、前記交通状況提出ユニット113が提出した識別された第1種類及び第2種類の交通状況、前記バックエンドプラットフォーム200からの第3種類の交通状況、並びに適切な警告タイミングを満たしていない交通状況等を合わせて処理する。適切な警告タイミングを満たしていない交通状況は、前記交通状況処理ユニット152自体で判断して、前記デバイスストレージモジュール140に保存する。
【0070】
同様に、
図5に示すように、好ましい実施例において、前記データ伝送モジュール210は、データ要求受信ユニット211と、データ要求処理ユニット212と、データ中継ユニット213とを更に有する。前記データ要求受信ユニット211は、各車載装置からのデータ要求を受信する。前記データ要求処理ユニット212は、前記データ要求受信ユニットに接続され、前記データ要求を処理する。
【0071】
前記データ中継ユニット213は、前記データ要求処理ユニットに接続され、前記データを各車載装置に伝送する。具体的には、データ伝送モジュール210は、各車載装置100のコントロールモジュール150のデータゲートウェイユニット153からのデータ要求イベントを受信する。前記データ要求イベントは、固定ルート車両のルート及び駐車場所等の関連静態関連データである。
【0072】
更に詳しく言うと、前記交通状況提出ユニット113は、第2種類の交通状況情報を構築する必要がある場合に、まず、データ要求を前記イベント処理ユニット151に発信して、前記イベント処理ユニット151を介して前記データゲートウェイユニット153に伝送する。前記データゲートウェイユニット153は、まず、必要なデータが既に保存モジュール140に保存されているかどうかを確認する。既に保存されている場合、そのまま伝送する。保存されていない場合、データ要求を前記バックエンドプラットフォーム200に送信し、前記バックエンドプラットフォーム200から伝送されたデータを前記デバイスストレージモジュール140に保存する。
【0073】
更に、前記交通状況処理モジュール220は、交通状況統合ユニット221と、交通状況位置予測ユニット222と、未加工交通状況地図更新ユニット223と、交通状況信頼度測定ユニット224と、確認済み交通状況地図更新ユニット225と、交通状況中継ユニット226とを更に有する。前記バックエンドプラットフォーム200の交差検証メカニズムは、前記交通状況統合ユニット221で始まり、前記ユニット確認済み交通状況地図更新ユニット225で終了する。
【0074】
前記交通状況統合ユニット221は、各車載装置100からの各交通状況を受信し、受信した交通状況と、既に前記プラットフォームストレージモジュール230に保存した未加工交通状況地図における各未加工交通状況とを対照し、それを識別動作と称する。既に存在している交通状況又は新たな交通状況を前記交通状況位置予測ユニット222に送信する。1つの交通状況は、異なる時点に異なる車載装置から提出される可能性があるため、前記ユニットの機能は、送信された同じ交通状況を統合する。注意すべきことは、まだ任意の交通状況の確認を行っていない。そのことは、下記の信頼度計算で説明する。
【0075】
前記交通状況位置予測ユニット222は、前記交通状況統合ユニットに接続され、221各交通状況に対して、未来の異なる時点の前記交通状況の可能位置を予測する。静態交通状況である場合、未来の可能位置は前記交通状況の現在の位置である。前記未加工交通状況地図更新ユニット223は、前記交通状況位置予測ユニット222に接続され、予測された動態交通状況の未来の可能位置を前記未加工交通状況地図に更新する。
【0076】
前記交通状況信頼度測定ユニット224は、前記未加工交通状況地図更新ユニット223に接続され、各交通状況の信頼度を計算する。更に、前記信頼度に基づいて、前記交通状況が実際に存在するかどうかを決定する。前記確認済み交通状況地図更新ユニット225は、前記交通状況信頼度測定ユニット224に接続され、信頼度がしきい値より大きい交通状況を確認済み交通状況地図に更新する。言い換えれば、新たな交通状況の追加、既に存在する交通状況の更新、又は既に解決した交通状況の削除を行う。前記交通状況中継ユニット226は、前記確認済み交通状況地図更新ユニット225、及び前記プラットフォームストレージモジュール230に接続され、確認済み交通状況地図における各交通状況を各車載装置100のGPS位置に基づいて関連する車両状態を前記車載装置100に伝送する。
【0077】
特に説明すべきことは、前記交通状況統合ユニット221及び前記交通状況信頼度測定ユニット224は、前記交差検証の方式によって各提出された交通状況情報の有効性を確認するユニットである。前記交通状況統合ユニット221は、繰り返し受信した同じ場所のイベントを識別する。更に前記交通状況信頼度測定ユニット224によって前記場所に確実に交通状況があるかどうかを確認する。そして、作成した確認済み交通状況地図を参考して、前記確認済み交通状況地図で表示した交通状況情報の追加、更新又は解除を決定する。また、前記交通状況位置予測ユニット222は、前記動態予測によって補完の形で、プラットフォームストレージモジュール230に保存した関連データを参考して、各交通状況情報の予測条件を調整し、更にその予測の未来位置を更新することで、早期警告の効果を奏する。
【0078】
前記交通状況信頼度測定ユニット224は各交通状況の信頼度を計算する。前記信頼度は、前記交通状況が存在するかどうかの信頼度を示す。多くの交通状況、例えば車事故の現場又は道路改修による車線規制等は、時間の経過につれて排除される。そのため、本発明において、提出した各交通状況に報告時間及び解除時間が付けられている。前記提出した交通状況は、解除時間の前に適用交通状況と見なし、例えば、5人の運転者がそれぞれ異なる時点に同じ交通事故交通状況を提出した場合、前記5つの異なる時点で提出した交通状況及びその解除時間の状況を計算することで、前記交通事故交通状況の持続存在の信頼度を計算できる。前記交通状況の信頼度がしきい値より大きい場合、前記確認済み交通状況地図更新ユニット225によって確認済み交通状況地図に更新する。最後、前記交通状況中継ユニット226によって、確認済み交通状況地図における各交通状況を各車載装置100のGPS位置に基づいて関連する車両状態を前記車載装置100に伝送する。
【0079】
要するに、バックエンドプラットフォームの全体の交差検証メカニズムは、前記交通状況統合ユニット221で始まり、前記確認済み交通状況地図更新ユニット225で終了する。前記交通状況統合ユニット221は、受信した交通状況と既に存在する交通状況とを対照し、それを識別動作と称する。既に存在している交通状況又は新たな交通状況を前記交通状況位置予測ユニット222に送信する。前記交通状況位置予測ユニット222は、入力した交通状況の未来の可能位置(静態交通状況である場合、未来の可能位置が現在の位置である)を予測して、前記未加工交通状況地図更新ユニット223を命令して未加工交通状況地図を更新する。前記未加工交通状況地図更新ユニット223によって未加工交通状況地図を更新した後、前記交通状況信頼度測定ユニット224によって前記交通状況が実際に存在するかどうかを決定し、前記確認済み交通状況地図更新ユニット225を命令して確認済み交通状況地図を更新する。
【0080】
特に説明すべきことは、前記交通状況信頼度の計算は異なる方法によって実現できる。下記内容は好ましい実施例の説明であるが、それらに限定されない。
【0081】
交通状況報告(report)を(T,χ)で示す。Tは前記交通状況を検出して報告する時間(detection time)、即ち、前記車載装置が前記交通状況を発見して報告する時間である。注意すべきことは、前記交通状況はその時間より早い時間に起こっている。χは検出結果(detection result)を示す。χ=0は交通状況無しを示す。χ=1は交通状況有りを示す。そのような設計の目的としては、車載装置が交通状況無しと検出した場合にも報告して、後の他の関連する交通状況報告と相互比較する時に参考とすることができる。即ち、定期通報運転情報と見なすことができる。言い換えれば、定期通報運転情報は、交通状況無しの場合に車載装置によって提出された特殊な第1種類の交通状況情報であり、どの交通状況も検出されていないことを示す。前記定期通報運転情報は、後の各交通状況情報の交差検証との統合、及び信頼度の計算に用いられる。交通状況無しの定期通報運転情報を参考した信頼度計算によれば、既に解決した交通状況を削除できる。
【0082】
なお、1つの交通状況紀録(record)を(T,χ,Γ)で示す。Γは前記交通状況紀録の有効期限(expiration time)を示す。Γ=T+σ、σは有効期間(valid duration)を示す。言い換えれば、任意の時点T
0に対して、T
0<Γの場合、(T,χ,Γ)は有効な交通状況記録である。特に説明すべきことは、前記交通状況紀録の期限が切れたとしても、必ずしも前記交通状況が終了したとは限らない。
【0083】
各車載装置が各交通状況を検出した場合、前記交通状況を報告して、バックエンドプラットフォームによって対応の交通状況紀録を生成する。
【0084】
1つの交通事故の交通状況を例として説明する。毎回交通状況信頼度を計算する度に使われる有効交通状況紀録数の上限をMとする。σはシステムが規定した各交通事故交通状況の特定の有効期間を示す。時点Tに対して、Nを交通状況紀録総数とし、m=min{M,n}である。nは有効交通状況紀録数(n≦N)である。また、(T
1,χ
1,Γ
1)、(T
2,χ
2,Γ
2) … (T
m,χ
m,Γ
m)は、最新のm個の交通状況紀録を示す。
【0085】
こうすると、前記交通事故時点Tにおける交通状況の信頼度confは、下記のように定義される。
【0086】
N>1の場合、
そうでないと、conf=0.1
【0088】
言い換えれば、各交通状況紀録の信頼度は、前記交通状況紀録がその有効期限内の残余時間と関連する。全ての計算用有効交通状況紀録の信頼度を加重平均したものを、その交通状況の信頼度とする。もちろん、それらに限定されていない。信頼度の計算も他の関数を利用できる。本発明の応用範囲はそれらに限定されていない。
【0089】
例えば、具体的には、上記例において、M=5、σ=30である場合、全ての前記交通事故交通状況に関する交通状況紀録を以下のように仮定する。
【0091】
T=14:01である場合、N=n=m=1、conf=0.1
T=14:04である場合、N=n=m=3、
T=14:34である場合、N=5,n=m=2、
【0092】
好ましい実施例において、少なくとも未加工交通状況地図及び確認済み交通状況地図は、前記プラットフォームストレージモジュール230に保存され、それぞれ各未加工交通状況及び各確認済み交通状況を含む。前記プラットフォームストレージモジュール230は、少なくとも固定ルート車両のルート及び駐車データ、並びに少なくとも1つの動態交通状況の過去の予測条件を保存する。
【0093】
動態交通状況の過去の予測条件は、過去の交通状況に基づいて得られた動態交通状況の予測規則である。例えば、所定の緊急車両が所定の道路で40KM/Hのスピードで走行すると検出した場合、それを根拠としてその動態交通状況を予測する。しばらくして、前記緊急車両が予測したスピードより速い(例えば45KM/H)と検出されると、それを根拠として新たな予測規則を生成する。そのスピードを例えば42.5KM/Hで計算する。前記交通状況位置予測ユニット222は、前記動態交通状況の過去の予測条件によって交通状況の未来の位置を予測する。
【0094】
要するに、前記バックエンドプラットフォーム200は、前記未加工交通状況地図及び前記確認済み交通状況地図のメンテナンスによって、各車載装置100が提出した交通状況をそれぞれ統合、動態予測、及び交通状況信頼度測定を経て継続的に更新して、更新した関連する交通状況情報を各車載装置100に伝送する。
【0095】
図6は、実際に道路で、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムを利用して複数の車両の動きを示す模式図である。
図6の交通状況情報は、走っている緊急救助車両20(動態交通状況情報)、事故場所10(静態交通状況情報)、及び運転中の車両30、31、32、33、34を含む。車両30、31、32、33、34は、いずれも本発明の車載装置を搭載する。
【0096】
図6に示すように、前記イベントの1つは、車両30が緊急救助車両20の後方に走っており、また、緊急救助車両20の後に一定の時間を走ったため、車両30の車載装置は、前方では走っている緊急救助車両20があると繰り返し識別する。その場合、前記車載装置は、前記連続識別した動態認知し易い交通状況情報(40、41、42)と関連測位情報とを合併して、バックエンドプラットフォーム200にアップロードする。
【0097】
バックエンドプラットフォーム200が車両30から連続発送した交通状況情報を受信した後、交差検証メカニズムによって前記動態交通状況情報の追加を承認し、過去の緊急車両の移動方向予測条件及び車両30の運転測位情報に基づいて、初期予測条件を生成する。それによって、動態交通状況情報(緊急救助車両20)の未来の位置を予測する。
図6に示す位置21、22は、それぞれ緊急救助車両20の2秒後、7秒後の予測位置である。
【0098】
また、
図6において、他のイベントは、車両31が定期通報運転情報を伝送した時に、バックエンドプラットフォーム200は、その予測結果に基づいて、前記車両31が2秒後に緊急救助車両20に遭うことを推知する。前記動態交通状況情報(即ち、車両31に対して、それは第3種類の動態認知不可情報の交通状況である)を車両31の車載装置に伝送する。そして、車両31の車載装置は、自身の車両状態関連情報及び運転情報に基づいて、最適警告タイミングを決定して前記運転者に警告する。
【0099】
なお、他のイベントとしては、車両32、33は同じ道で同方向に走行する。車両33の車載装置によって事故10を識別して、前記静態認知し易い交通状況情報43をバックエンドプラットフォーム200に伝送する。その同時に、同じ道の対向車線の車両34の車載装置も同じ事故10を検出して、前記情報44をバックエンドプラットフォーム200に伝送する。
【0100】
そして、バックエンドプラットフォーム200は、車両33及び車両34からイベント43、44を受信した後、交差検証メカニズムによって前記静態交通状況情報を交通状況地図に追加する。前記交通状況情報50、51、52をそれぞれ車両31、32、34の車載装置(即ち、車両32対して、それは第3種類の静態認知不可情報の交通状況)に報告する。また、車両32の車載装置は、収集した車両状態関連情報に基づいて最適警告タイミングを決定し、前記運転者に警告する。交通状況情報50、51、52は、それぞれ、2秒後前方に緊急救助車両20があり、7秒後前方に緊急救助車両20があり、前方300mに交通事故(43及び44から確認した交通状況)があり且つ7秒後前方に緊急救助車両20に遭うということである。
【0101】
図6において、前記イベントの1つは、車両35の車載装置が対向車線に走っている緊急救助車両20があると識別する。前記動態認知し易い交通状況情報45と、現在の運転測位情報とをバックエンドプラットフォーム200にアップロードする。バックエンドプラットフォーム200は、交差検証メカニズムによって前記動態交通状況情報(緊急救助車両20の動態)の予測条件及びその未来の可能な位置を確認及び更新する。
【0102】
図6の応用状況に基づいて、各車載装置が如何に「動、静態認知し易い情報」を判定するか、及びバックエンドプラットフォームが如何に各車載装置に対する「動、静態認知不可情報」を判定するかを説明する。
図7において、バスを例として、車載装置が如何に第2種類の静態認知し難い情報を判定して運転者に警告するかを説明する。
図7に示すように、車載装置が前方に走っているバスがあると識別した場合、その方向幕又は車両番号に基づいて、現在の運転位置及び関連する図面データを参考し、その運転ルートを識別する。更に前記運転ルートの情報を取得することで、その可能な移動方向を運転者に警告する。例えば、前方130mにXX路に右折すること、前方50mに前記ルートのバスのバス停があること、又は全方の道でバス専用車線に変更すること等が挙げられる。
【0103】
特に説明すべきことは、本発明において、各車載装置は、まずキャプチャした1枚の画像について、車線、車両、歩行者、事故及び道路工事等物件を識別し、複数枚の画像の識別結果及び現在のスピード等の関連する車両状態関連情報を組み合わせることで、交通状況情報の識別を行い、各交通状況の信頼度を計算する。以下、同方向の救急車両を例として、信頼度の計算、交通状況確立の判定及び動静態の判定を説明する。
【0104】
車載装置100の画像キャプチャユニット111は、1秒ごとに60枚の画像をキャプチャできる。正確率の向上のため、20枚の画像によってその交通状況情報を判断できる。まず、車載装置のリアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112によって、1枚の画像に対して救急車両の識別を行う。得られた20個の結果において、10枚の画像で救急車両が検出された場合、信頼度は50%である。信頼度がスピードによって決定したしきい値より大きい場合、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112は、その範囲内に救急車両があるという交通状況情報を承認する。また、前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112は、更に10枚連続画像における救急車両の位置を分析し、現在のスピードを参考して、その救急車両が移動しているかどうかを判定し、更にそれは動態情報又は静態情報であることを判定する。
【0105】
前記リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112によって確定した動態静態交通状況情報を承認した後、車載装置に保存した交通状況地図に基づいて、前車に関連する「認知し難い情報」があるかどうかを判定する。バスを例として説明すると、前方に走っているバスがあると確定した場合、リアルタイム画像分析及び交通状況情報識別ユニット112は、前記交通状況提出ユニット113に第2種類の交通状況があると提出してから、前記交通状況提出ユニット113は現在の運転位置、図面データ、識別したバスの方向幕及び車両番号の情報に基づいて、そのバスのルートを判定し、詳細な運転ルートを取得し、更に「静態認知し難い情報」を取得する。注意すべきことは、前記例は、任意な方法でその運転ルートを開示する車両に適用できる。
【0106】
上記車載装置が識別した静態交通状況情報は、少なくとも事故、車両故障、道路工事、及び車線に異物ある等を含む。また、動態交通状況情報は、少なくとも視野囲内で移動する同方向、対向方向の車両の数量及びその車種、異常な行動の歩行者、又は体が不自由の歩行者等を含む。車種は、少なくとも緊急救助車、例えば救火車、救急車等、自転車、バイク、大型バイク、自動車、トラック、ダンプカー、バス、観光バス及びゴミ収集車等を含む。また、車載装置とバックエンドプラットフォームを連結する場合、お互いの測位情報を伝送し、それは、更にGPS情報、高度計情報、及び所在車線情報等を含んでもよい。
【0107】
一方、バックエンドプラットフォームについて、交通状況情報は「動態」及び「静態」のみに分ける。車載装置からの静態交通状況情報を受信した場合、バックエンドプラットフォームは、まず、その交通状況地図において、同じ又は近い位置で既に存在する同じ交通状況があるかどうかを検査する。同じ交通状況がない場合、所定の解除時間及び所定の信頼度を付けて、それを交通状況地図にマークする。同じ交通状況がある場合、その所定の解除時間を更新して、そのイベントの信頼度をアップする。車載装置からの動態交通状況情報を受信した場合、バックエンドプラットフォームは、まず、交通状況地図にはおいて、近い位置で既に同じ交通状況予測位置のマークがあるかどうかを検索する。同じ交通状況予測位置のマークがある場合、初期予測条件を決定して、前記条件によって固定期間内の可能位置を予測し、所定の信頼度を付けて交通状況地図にマークする。同じ交通状況予測位置のマークがない場合、過去の予測位置と交差検証することで、その予測条件を更新して、新たな予測位置を交通状況地図にマークし、そのイベントの信頼度をアップする。
【0108】
一方、バックエンドプラットフォームは車載装置から伝送した交通状況無しの定期的な報告を受信した場合、交通状況地図において、マークされる動、静態交通状況情報があるかどうかを検査する。ある場合、その信頼度をダウンする。信頼度がしきい値以下になる場合、そのイベントを交通状況地図から削除する。
【0109】
本発明によって提出された交通状況動態予測メカニズムにおいて、バックエンドプラットフォームは、車両の運転測位情報及び過去の類似イベントの過去の予測紀録を参考して、初期予測条件を生成し、それに基づいて未来の異なる時点の可能位置を推定する。その後、その他の車載装置が通報した同じ動態交通状況を受信した場合、先の通報位置と現在の通報位置及びその相対時間を分析することで、前記動態交通状況の実際速度を得る。それによって、そのシミュレーション条件のスピードをアップ又はダウンすることで、新たなシミュレーション結果を生成できる。特に説明すべきことは、動態交通状況の実際の速度の取得は、異なる方法によって実現できる。好ましい実施例で説明したが、それらに限定されない。バックエンドプラットフォームは、車載装置が提出した情報を受信した後、作成した交通状況地図を参考して、車載装置の運転位置に基づいて、信頼度がしきい値より大きく、且つ前記装置に対して「認知不可」に属する情報を伝送する。
【0110】
また、車載装置は、警告すべき確認済み交通状況を取得した後、最適警告タイミングを決定しなければならない。しかし、その判断は、関連の車両状態等の情報、例えば、運転者の情報処理の反応時間、現在のスピード、現在の車線、周辺の交通状況、車両状況、及び交通状況位置を考えなければならない。好ましい実施例において、カーブにいる場合、運転者が緊急イベントに対応できない場面が多い。そのため、交通状況位置情報は、その実際の位置及び処理位置を更に含む。交通状況イベントがカーブにある場合、前記イベントの位置をカーブの入口(即ち、処理位置)と見なす。前記状況では、実際の位置及び処理位置が異なる。一方、実際の位置が直線の道にある場合、2つの位置を同じに設定できる。
【0111】
また、考慮すべき車両状態関連情報は、少なくとも最適加減速度と平均加減速度とを含む。前記情報は、GPS測位情報、加速度計、OBD情報、センサ、又はそれらの組み合わせのデータから取得される。車載装置は、音声で運転者に通知する場合、警告の交通状況情報は、「前方1000mに追い越し車線で工事がある」である。直線の道を走行する場合、その実際の位置と処理位置が同じである。現在の車両は、100KM/Hで追い越し車線を走り、周辺の車両が少なく、車両を50KM/Hに減速するのに8秒かかり、運転者の情報処理が2秒かかる。その場合、車載装置は、事故場所にたどり着く8+2+bias(biasは固定数値である)秒前に、運転者に最適タイミングを通知する。
【0112】
しかし、周辺の車両が多い場合、減速パラメータを車両が0KM/Hまで減速するのに必要な時間に修正する。前記修正に基づいて、運転者に通知する最適タイミングを修正する。また、現在の車両が追い越し車線を走行していない場合、追い越し車線を走る車両の車線変更も考慮しなければならない。そのため、同じパラメータで運転者に通知する最適タイミングを計算する。しかしながら、前記イベントが追い越し車線にあることを通知しなければならない。よって、運転の効率に影響しないように、運転者自身がその減速程度を決定できる。車載装置は、上記工程にて最適早期警告タイミングを計算した後、時間がしきい値より短く、例えば5秒以下である場合、直ちに運転者に通知する。そうではない場合、計算した最適早期警告タイミングに運転者に通知する。
【0113】
更に、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムは、第三者からの交通状況情報及び他の公共交通機関のデータ交換プラットフォーム(PTX)に公開される交通状況情報を受信する少なくとも1つの第三者交通状況データインターフェイスユニットを更に有する。バスの動態交通状況を例として説明する。各バスのリアルタイム位置が上記公共交通機関のデータ交換プラットフォームに公開されているため、前記第三者データインターフェイスユニットから各バスのリアルタイム位置を得て、前記プラットフォームストレージモジュール内に保存した前記バスルート情報を参考して、前記バスの動態交通状況情報、及び前記バスがもうすぐ左右折すること、もうすぐ車線変更すること等の静態交通状況情報を作成する。その後、前記交通状況処理ユニットに提出及び処理して、各運転者に通知する。なお、前記第三者交通状況データインターフェイスユニットは、前記バックエンドプラットフォーム、又は前記車載装置に設けられる。
【0114】
要するに、運転者は、本発明の画像認識に基づく車内向けインタネット用交通状況システムの大量の交通状況情報に基づいて最適の運転方針を決定することで、運転の安全性を向上できる。例えば、一般の道路では、運転者が前方の視覚範囲外の交通状況情報を取得し、前方の固定ルート車両、例えばバス等の可能動態を取得できる。そのため、運転者は、前車のウインカーによる警告の前にその行先を得ることができる。受動的ではなく、主動的に準備できる。更に、バックエンドプラットフォームの動態予測メカニズムによって、緊急救助車両の遭遇の事前警告を得てから回避できる。また、狭い道路又はカーブの道路では、視線状況が良くない状態でも、動態予測メカニズムによって、対向車が来る情報を得て、不適切な追い越し行為を控える。
【0115】
しかし、上記実施例は、あくまで本発明の効果を説明するものである。本発明は、それらに限定されない。当業者は、本発明の精神及び範囲を超えない範囲で上記実施例を改良及び変更できる。また、上記実施例において、素子の数量は、あくまで例として説明するものであり、本発明は、それらに限定されない。本発明の範囲は、以下の請求の範囲で示す。