【課題】新規に受信したメッセージに対して返信する場合でも、適切にメッセージの誤送信を判定できる誤送信防止装置、誤送信防止方法、及び誤送信防止プログラムを提供する。
【解決手段】誤送信防止装置としての検知サーバ10は、受信メール及び返信メールを取得するメール取得部131と、受信メールのメール本文から受信特徴情報を抽出する受信特徴抽出部132Aと、受信メールのメッセージIDと受信特徴情報とを関連付けた判定情報を記録する判定情報記録部133と、返信メールのメール本文から返信特徴情報を抽出する返信特徴抽出部132Bと、返信メールの「In-Reply-To:」フィールドに示されるメッセージIDに対応する判定情報に記録された受信特徴情報、及び返信特徴情報に基づいて、返信メールが誤送信メールであるか否かを判定する誤送信判定部134と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る一実施形態のメール送受信システムについて説明する。
[メール送受信システムの概要説明]
図1は、本実施形態に係るメール送受信システム1の概略構成を示す模式図である。
メール送受信システム1は、誤送信防止装置である検知サーバ10と、メールサーバ20と、クライアント端末30と、を備えて構築されている。
本実施形態では、メールサーバ20及びクライアント端末30は、他の外部機器(例えば、他のメールサーバ等)と通信可能に接続され、検知サーバ10は、メールサーバ20と通信可能に接続されている。
【0016】
このメール送受信システム1は、インターネットを介して様々な外部機器とメッセージの送受信処理を行うシステムである。本例では、メッセージとして、電子メールを例示する。インターネット上で送受信される電子メールの基本的なデータ構成は、公知の技術であり、ヘッダ情報と、メール本文とを含む。ヘッダ情報には、複数のフィールド情報が含まれ、例えば、電子メールの送信先のメールアドレスを示す宛先フィールド(To:,CC:,BCC:等)、電子メールの送信主のメールアドレスを示す「From:」フィールド、件名を示す「Subject:」フィールド、電子メール毎に付されるメッセージID(メッセージ特定情報)を示す「Message-ID:」フィールド、返信メールにおいて直近の受信メールのメッセージIDを示す「In−Reply−To:」フィールド、返信メールにおいて関連する電子メールのメッセージIDを示す「References:」フィールド等が挙げられる。「Message−ID」で示されるメッセージIDは、個々の電子メールでそれぞれ異なる情報となる。
【0017】
メール送受信システム1において、メールサーバ20には、受信するメールのドメインが割り当てられており、インターネットに接続された外部機器から当該ドメインを送信先に含む電子メールは、メールサーバ20で受信される。
例えば、メールサーバ20に対して、ドメイン「domain-A」が割り当てられているものとする。この場合、メールサーバ20は、ヘッダ情報の宛先(To,CC,BCC)にドメイン「domain-A」が含まれる電子メールを、インターネット上の他の外部機器から受信する。以降において、クライアント端末30以外のインターネット上の外部機器から受信する電子メール、つまり、宛先にドメイン「domain-A」が含まれる電子メールを受信メールと称する。受信メールは、本発明の受信メッセージに相当する。
なお、メールサーバ20に、複数のドメインが割り当てられていてもよい。この場合、メールサーバ20は、複数のドメインをそれぞれ個別に管理する。
【0018】
また、クライアント端末30において、所定のプログラムを実行することで、クライアント端末30は、クライアント端末30を管理するユーザのメールアドレスを送信先に含む電子メールが受信されているか否かをメールサーバ20に問い合わせる。例えば、クライアント端末30を操作するユーザが、アドレス「user1@domain-A」の管理者である場合、クライアント端末30から、アカウント名「user1」(またはメールアドレス「user1@domain-A」)と、当該アカウント名「user1」に対するパスワードをメールサーバ20に送信する。これにより、クライアント端末30は、メールサーバ20で受信された受信メールのうち、ヘッダ情報の宛先に、「user1@domain-A」を含む受信メールを、メールサーバ20から受信する。
【0019】
クライアント端末30において、ユーザの操作によって電子メールが作成され、当該電子メールを送信する旨の操作が行われると、クライアント端末30は、メールサーバ20に送信対象の電子メールを送信する。なお、以降の説明において、送信対象の電子メールのうち、受信メールに対して返信する電子メールを返信メールと称する。返信メールは、ヘッダ情報の「In-Reply-To:」フィールド及び「References:」フィールドに、受信メールの「Message-ID:」フィールドで示されたメッセージIDが記録される送信メールであり、本発明の返信メッセージに相当する。
【0020】
本実施形態では、メールサーバ20は、インターネットを介して受信メールを受信した受信タイミングで、受信メールを検知サーバ10に送信する。また、メールサーバ20は、クライアント端末30から返信メールを受信した返信タイミングで、返信メールを検知サーバ10に送信する。
検知サーバ10は、受信メールと、その受信メールに対する返信である返信メールとに基づいて、返信メールの送信先相手が、ユーザが意図する相手であるか否かを判定する。つまり、検知サーバ10は、返信メールの誤送信を防止する誤送信防止装置として機能するものである。検知サーバ10において、誤送信ではないと判定されると、メールサーバ20に送信を許可する旨の許可指令が送信され、メールサーバ20は、ヘッダ情報の宛先に基づいて返信メールを送信する。
以降、メール送受信システム1の各構成、及び誤送信防止方法について、詳細に説明する。
【0021】
[検知サーバ10の構成]
検知サーバ10は、通信部、記憶部、プロセッサ等のコンピュータを構築する一般的なハードウェア構成を備えている。なお、メールサーバ20及びクライアント端末30に設けられる通信部、記憶部、プロセッサと区別するため、
図1に示すように、検知サーバ10の通信部、記憶部、プロセッサをそれぞれ、第一通信部11、第一記憶部12、第一プロセッサ13と称する。
【0022】
第一通信部11は、外部機器と通信する通信インターフェースである。本実施形態では、第一通信部11は、イントラネット等のネットワークを介して、メールサーバ20と通信する。なお、ここでは、メールサーバ20のみと通信する例を示すが、インターネットを介して、インターネット上の外部機器と通信可能な構成としてもよい。
【0023】
第一記憶部12は、検知サーバ10を制御するための各種情報や情報処理プログラムを記録する。第一記憶部12としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)や半導体メモリ等、情報を記録する記録装置であればいかなる構成であってもよい。
第一記憶部12に記録される各種情報には、電子メールの誤送信を判定するための判定情報が含まれる。
この判定情報は、第一通信部11がインターネットを介して受信した電子メール(受信メール)の「Message-ID:」フィールドで示されるメッセージIDと、受信メールを解析して得られる受信特徴情報とが対応付けられた情報である。
判定情報は、例えば、メッセージIDをファイル名とし、受信特徴情報をテキストデータとして記録したファイルであってもよい。この場合、所定フォルダ内に、判定情報としてのファイルが保存されていればよい。ファイルが保存されるフォルダは、複数であっても単数であってもよい。ファイルが保存されるフォルダを複数用いる場合、例えば、受信メールのヘッダ情報に含まれる宛先(To)をフォルダ名として管理されていてもよく、受信メールの送信主(From)をフォルダ名として管理されていてもよい。
また、判定情報は、例えば、メッセージIDと、受信特徴情報とを含むレコードとして記録されていてもよい。この場合、データベースに判定情報である複数のレコードが記録されていればよい。
【0024】
また、本例では、検知サーバ10に設けられる第一記憶部12に判定情報が記録される例を示すが、検知サーバ10と通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに判定情報が記録される構成としてもよい。
【0025】
第一プロセッサ13は、CPU等の演算回路、RAM等の記録回路により構成される。第一プロセッサ13は、第一記憶部12に記録されている誤送信防止プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
そして、第一プロセッサ13は、誤送信防止プログラムを読み込んで実行することで、
図1に示すように、メール取得部131、特徴抽出部132、判定情報記録部133、及び誤送信判定部134等として機能する。
【0026】
メール取得部131は、本発明の受信メッセージ取得部、及び返信メッセージ取得部として機能し、受信メール及び返信メールを取得する。このメール取得部131は、メールサーバ20が受信メールを受信した受信タイミングで、当該受信メールをメールサーバ20から取得する。また、メール取得部131は、メールサーバ20が返信メールを受信した返信タイミングで、当該返信メールをメールサーバ20から取得する。
【0027】
特徴抽出部132は、メール取得部131により取得された電子メールのメール本文中のテキストデータを解析して、特徴情報を抽出する。具体的には、特徴抽出部132は、受信特徴抽出部132A、及び返信特徴抽出部132Bとして機能する。
受信特徴抽出部132Aは、受信メールのメール本文(受信メッセージ本文)から受信特徴情報を抽出する。
返信特徴抽出部132Bは、返信メールのメール本文(返信メッセージ本文)から返信特徴情報を抽出する。
これらの特徴情報は、受信メールを送信した送信相手、及び、返信メールの送信相手に関する情報であり、例えば、送信相手の名前や、送信相手が所属する組織名等が挙げられる。
【0028】
判定情報記録部133は、受信タイミングで受信特徴抽出部132Aにより抽出される受信特徴情報と、受信メールのヘッダ情報に記録されている「Message-ID:」フィールドのメッセージIDとを関連付けて判定情報を生成し、第一記憶部12に記録する。メッセージIDは、個々の電子メールでそれぞれ異なる情報となるので、判定情報は、個々の受信メールのそれぞれに対応して判定情報が生成されることになる。
【0029】
誤送信判定部134は、返信タイミングで受信した返信メールに含まれる「References:」フィールドまたは「In-Reply-To:」フィールドで示されるメッセージIDに対応した判定情報を、第一記憶部12から読み込む。本実施形態では、誤送信判定部134は、「In-Reply-To:」フィールドで示されるメッセージIDを参照し、当該メッセージIDに対応した判定情報を読み込む例を示す。
また、誤送信判定部134は、検索された判定情報に記録される受信特徴情報と、返信特徴抽出部132Bにより抽出された返信特徴情報とが一致するか否かを判定する。
受信特徴情報と返信特徴情報とが一致すると判定した場合、誤送信判定部134は、返信メールが誤送信メールではないとして、返信メールの送信を許可する許可指令をメールサーバ20に返す。これにより、メールサーバ20は、返信メールを、当該返信メールのヘッダ情報の宛先に基づいて送信する。
一方、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致しないと判定した場合、誤送信判定部134は、返信メールが誤送信メールである、つまり、ユーザが意図していない送信先に送信されるメールである、として、返信メールの送信を保留する旨の保留指令をメールサーバ20に返す。
【0030】
[メールサーバ20の構成]
メールサーバ20は、電子メールを管理するコンピュータであり、
図1に示すように、検知サーバ10やクライアント端末30等の他の外部機器と通信する通信部(第二通信部21)、各種情報を記憶する記憶部(第二記憶部22)、及びメールサーバ20を制御するプロセッサ(第二プロセッサ23)等を含んで構成されている。
このメールサーバ20は、電子メールを管理する一般的なメールサーバと同様に、第二記憶部22に、受信メールを記録する受信ボックス、返信メールを含む送信メールを記録する送信ボックス等の記憶領域を備えている。第二記憶部22としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)や半導体メモリ等、データを記録する記録装置であればいかなる構成であってもよい。
【0031】
また、メールサーバ20に設けられた第二プロセッサ23は、第二記憶部22に記録された所定のプログラムを読み込み実行することで、メール転送部231、及びメール送信制御部232として機能する。
メール転送部231は、インターネットを介して外部から受信した受信メール、及び、クライアント端末30から受信した返信メールを、検知サーバ10に転送する。この際、本実施形態では、メール転送部231は、各メールの種別を示す制御コードを付与して、検知サーバ10にメールを転送する。すなわち、メール転送部231は、受信メールを転送する場合に、転送メールが受信メールである旨を示す制御コードとともに、受信メールを転送し、返信メールを転送する場合に、転送メールが返信メールである旨を示す制御コードとともに、返信メールを転送する。
なお、メールサーバ20は、受信メール及び返信メールの判別方法としては、特に限定されない。例えば、メールサーバ20は、メールのヘッダ情報に基づいて、宛先フィールド(To:,CC:等)にクライアント端末30のアドレスが含まれている場合に受信メールとして判別し、送信元(「From:」フィールド)にクライアント端末30のアドレスが含まれている場合、又は宛先フィールドにクライアント端末30のアドレスが含まれていない場合に返信メールとして判別する。これにより、メール転送部231は、受信メール及び返信メールを、メールの種別に対応した制御コードとともに検知サーバ10に転送することができる。
【0032】
メール送信制御部232は、検知サーバ10から送信された指令に基づいて、返信メールの送信を制御する。すなわち、検知サーバ10から、返信メールの送信を許可する許可指令が送信されると、メール送信制御部232は、返信メールのヘッダ情報に基づいて、返信メールを送信する。一方、返信メールが誤送信メールの可能性がある旨の保留指令が送信された場合、メール送信制御部232は、返信メールの送信を行わない。この場合、メール送信制御部232は、クライアント端末30に対して、誤送信メールの可能性がある旨を伝える警告メールを送信してもよい。
【0033】
[クライアント端末30の構成]
クライアント端末30は、ユーザ(メッセージ送信者)が保有するコンピュータであり、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等により構成される。つまり、クライアント端末30は、各種情報を表示させる表示ディスプレイ31、各種情報を入力操作するための入力操作部32、インターネットを介して外部機器を通信する通信部(第三通信部33)、各種情報を記憶する記憶部(第三記憶部34)、及びクライアント端末30を制御するプロセッサ(第三プロセッサ35)等を含んで構成される。
このクライアント端末30には、電子メールの送受信を行う電子メールアプリケーションがインストールされている。ユーザ操作によって当該電子メールアプリケーションを起動させることで、上記のように、クライアント端末30は、メールサーバ20に受信メールの有無を問い合わせて、受信メールを受信する。また、ユーザによる電子メールの作成操作によって、受信メールに対する返信メールが作成され、クライアント端末30からメールサーバ20に返信メールが送信される。
【0034】
[誤送信防止方法]
次に、本実施形態のメール送受信システム1の誤送信防止方法を含むメール送受信方法について説明する。
図2は、本実施形態の電子メールの受信方法を示すフローチャートである。また、
図1において、破線の矢印は、電子メールの受信時に転送される受信メールの流れを示している。
インターネットに接続された任意の外部機器から、ドメイン「domain-A」をヘッダ情報の宛先(To,CC,BCC)に含む電子メールが送信されると、ドメイン「domain-A」が割り当てられたメールサーバ20は、当該電子メールを受信メールとして受信する(ステップS201:
図1(1))。また、メールサーバ20は、受信メールを受信すると、第二記憶部22に当該受信メールを記録する。つまり、メールサーバ20は、受信メールのヘッダ情報の宛先(To,CC,BCC)に記録されたメールアドレスに対応する受信ボックスに、当該受信メールを保存する(ステップS202)。
なお、メール転送部231は、転送メールが受信メールである旨を示す制御コードとともに、受信メールを転送する。
【0035】
検知サーバ10のメール取得部131は、メールサーバ20から転送された受信メールを受信する(ステップS101)と、当該受信メールを、第一記憶部12に一時記憶する。このステップS101は、本発明の受信メッセージ取得ステップに相当する。転送されたメールが受信メールであるか否かは、転送メールとともに受信される制御コードにより容易に判定することができる。
【0036】
この後、受信特徴抽出部132Aは、受信メールのメール本文を解析して、受信メールを送信した送信相手の名前や所属組織名等の受信特徴情報を抽出する(ステップS102)。ステップS102は、本発明の受信特徴抽出ステップに相当する。
具体的には、受信特徴抽出部132Aは、受信メールのメール本文(テキスト文)を、公知の形態素解析技術等を用いて解析することで、受信特徴情報を抽出する。
例えば、一般的な電子メールでは、メール本文の最終行近傍に、メール送信者の署名情報を記載することが多い。したがって、受信特徴抽出部132Aは、メール本文の最終行から所定行前(例えば5行前)までの範囲を解析することで、送信相手の名前や、送信相手が所属する組織名を抽出することが可能となる。
【0037】
なお、企業に対する問い合わせメール等を受信メールとする場合、WEBコンテンツ等の特定のアプリケーションで閲覧可能なコンテンツにおいて、「お問い合わせページ」等のメール送信コンテンツを用いる場合がある。このようなメール送信コンテンツでは、一般に、「送信者のメールアドレス」、「送信者の名前」、「送信者が所属する組織名」、及び「メール本文」等の記入欄を備えたフォーマットにより構成されている。メール送信コンテンツを閲覧した閲覧者が、記入欄に必要な情報を記入することで、予め設定されたメールアドレス(例えば、クライアント端末30で受信する電子メールのメールアドレス「user1@domain-A」)に電子メールを送信することが可能となる。
このようなメール送信コンテンツを用いた電子メールでは、送信者の名前、送信者が所属する組織名等は、受信メールのメール本文の予め決められた位置に配置される。したがって、受信特徴抽出部132Aは、当該位置に記載された情報を解析することで、容易に、受信特徴情報を抽出することが可能となる。
【0038】
次に、判定情報記録部133は、ステップS101で受信した受信メールの「Message-ID:」フィールドに示されるメッセージIDを読み込む(ステップS103)。
そして、判定情報記録部133は、ステップS102で抽出した受信特徴情報と、ステップS103で読み込んだメッセージIDと、を関連付けた判定情報を生成し、第一記憶部12に記録する(ステップS104)。ステップS104は、本発明の判定情報記録ステップに相当する。
判定情報の形式は特に限定されず、上記のように、メッセージIDと受信特徴情報とを含むレコードを判定情報としてデータベースに登録してもよく、メッセージIDをファイル名とし、受信特徴情報をテキスト文として記録したファイルを判定情報として、所定のフォルダに保存してもよい。
【0039】
一方、クライアント端末30での受信メールの受信は、メールサーバ20において、受信メールが受信される受信タイミングよりも後のタイミングで実施される。クライアント端末30が受信メールを受信するタイミングとしては、例えば、クライアント端末30を操作するユーザが、受信メールを受信する旨の操作を実施したタイミング、或いは、クライアント端末30において予め設定された周期等が挙げられる。クライアント端末30は、上記タイミングにおいて、アカウント名とパスワードによる認証もしくはその他の認証方式(例えば、Oauth等)を用いてメールサーバ20にアクセスし、メールサーバ20から受信メールを受信(ダウンロード)する(ステップS301)。
【0040】
図3は、本実施形態の電子メールの返信方法を示すフローチャートである。また、
図1において、実線の矢印は、電子メールの返信時の信号の流れを示している。
ステップS301で、受信メールがクライアント端末30で受信され、ユーザによって、クライアント端末30で受信メールに対する返信メールが作成され、かつ当該返信メールを送信する旨の操作が実施されると、クライアント端末30は、当該返信メールをメールサーバ20に送信する(ステップS311:
図1(4))。
この返信メールは、受信メールに対する返信であり、「References:」フィールド及び「In-Reply-To:」フィールドに、対応する受信メールの「Message−ID:」フィールドに記録されていたメッセージIDが記録される。
また、クライアント端末30を操作するユーザは、返信メールの作成時に、返信メールの送信相手の名前、及び送信相手が所属する組織名等を含む返信特徴情報を、メール本文と予め設定された特定の位置に記載する。例えば、一般的なビジネスメールにおいて、メール本文の開始行から所定行(例えば5行)までの間に、送信先相手の名前や、送信先相手が所属する組織名を記入することが多い。特に、企業等の組織において、問い合わせメールに対して返信メールを送信する場合、送信先相手の名前や組織名は、返信メールの開始行に記載するように、ルール化されていることがある。本実施形態では、クライアント端末30を操作するユーザは、返信メールの作成において、開始行から所定行までの間に、送信先相手の名前や所属組織名を記載するものとする。
【0041】
ステップS311の後、メールサーバ20は、クライアント端末30から返信メールを受信する(ステップS211)と、受信した返信メールを第二記憶部22に記録する(ステップS212)。つまり、メールサーバ20は、アカウント名(またはメールアドレス)に対応する送信ボックスに、当該返信メールを一時保存する。
そして、メールサーバ20のメール転送部231は、返信メールの受信タイミングで、検知サーバ10に、当該返信メールを転送する(ステップS213:
図1(5))。この際、メールサーバ20のメール転送部231は、転送メールが返信メールである旨を示す制御コードとともに、返信メールを転送する。
【0042】
検知サーバ10のメール取得部131は、メールサーバ20から転送された返信メールを受信する(ステップS111)と、当該返信メールを、第一記憶部12に一時記憶する。ステップS111は、本発明の返信メッセージ取得ステップに相当する。転送されたメールが返信メールであるか否かは、転送メールとともに受信される制御コードにより判定することができる。
この後、返信特徴抽出部132Bは、返信メールのメール本文を解析して、返信メールの送信先の送信相手の名前及び所属組織名等の返信特徴情報を抽出する(ステップS112)。ステップS112は、本発明の返信特徴抽出ステップに相当する。
具体的には、返信特徴抽出部132Bは、返信メールのメール本文(テキスト文)を、公知の形態素解析技術等を用いて解析することで、返信特徴情報を抽出する。本実施形態では、上述のように、返信メールの開始行から所定行の間に、送信相手の名前、及び送信相手が所属する組織名が記載されている。したがって、返信特徴抽出部132Bは、メール本文の開始行から所定行前までの範囲を解析することで、返信特徴情報を抽出することが可能となる。
【0043】
次に、誤送信判定部134は、返信メールの「In-Reply-To:」フィールドに記録されているメッセージIDに対応する判定情報を読み込む(ステップS113)。そして、誤送信判定部134は、検索され判定情報に記録されている受信特徴情報と、ステップS112で抽出した返信特徴情報とが一致するか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114は、本発明の誤送信判定ステップに相当する。
「In-Reply-To:」フィールドに記録されているメッセージIDは、当該返信メールの返信対象の受信メールを示す。したがって、返信メールの返信特徴情報と、受信メールの受信特徴情報とが一致すれば、ユーザが受信メールの送信者に対して返信した返信メールである、つまり誤送信ではないと判定することができる。
なお、ステップS114において、「受信特徴情報と返信特徴情報とが一致する」とは、受信特徴情報と返信特徴情報とが完全一致することに加え、受信特徴情報の一部と返信特徴情報の一部とが一致することをも含む。例えば、受信特徴情報が、「B株式会社」「法務本部」「知的財産部」「山田太郎」であり、送信特徴情報が「B株式会社」「知的財産部」「山田様」である場合に、「B株式会社」「知的財産部」「山田」が一致していることで、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致すると判定する。
【0044】
ステップS114でYesと判定された場合(受信特徴情報と返信特徴情報とが一致する場合)、誤送信判定部134は、メールサーバ20に対して、返信メールは誤送信メールではないとして、返信メールの送信を指令する許可指令を送信する(ステップS115:
図1(6))。また、ステップS114でNoと判定された場合(受信特徴情報と返信特徴情報とが一致しない場合)、誤送信判定部134は、メールサーバ20に対して、返信メールは誤送信メールであるとして、返信メールの送信を保留する旨の保留指令を送信する(ステップS116)。
【0045】
この後、メールサーバ20のメール送信制御部232は、検知サーバ10から許可指令を受けたか否かを判定する(ステップS214)。ステップS214でYesと判定される場合、メール送信制御部232は、許可指令に対応する返信メールを、当該返信メールのヘッダ情報に基づいた宛先に送信する(ステップS215:
図1(7))。
一方、ステップS214でNoと判定される場合、つまり、検知サーバ10から保留指令を受信した場合、メール送信制御部232は、返信メールの送信を保留する。この場合、メール送信制御部232は、さらに、クライアント端末30に、返信メールが誤送信メールの可能性がある旨を知らせる通知を、クライアント端末30に返す(ステップS216)。この通知としては、電子メールであってもよく、Twitter(登録商標)等の他のアプリケーションやSNS(Social Networking Service)を用いた通知であってもよい。
通知を受信したクライアント端末30は、表示ディスプレイ31に当該通知を表示させる(ステップS312)。通知の表示方法は特に限定されず、例えば、プッシュ通知等であってもよく、メールアプリケーション等の所定のアプリケーションを実施した際に通知を表示させるものであってもよい。これにより、誤送信メールの可能性がある返信メールの送信は保留され、クライアント端末30のユーザは、返信メールのメール本文の内容が、返信メールの宛先に示される送信相手に対する内容であるかを確認することができ、返信メールがユーザの意図しない送信相手に送信される不都合が抑制される。
【0046】
以上のような、本実施形態のメール送受信システム1では、特に、企業等の組織において、任意のメール送信者から受信メールに対して返信を行う場合に有効となる。
すなわち、企業等の組織では、例えば、サービスに関する問い合わせのメール等、企業が保有するアドレス帳以外のメールアドレスから、多数の受信メールを新規に受信する場合があり、クライアント端末30を操作する企業の返信担当者は、各受信メールに対して返信を行うことがある。この際、返信担当者は、各受信メールに対して、それぞれ、別のアプリケーション(例えば、「メモ帳」等のテキスト編集用のアプリケーション)を用いて返信メールのメール本文を作成し、作成したメール本文を、返信メールにコピーアンドペーストによって貼り付けて返信することがある。この場合、返信メールに対して、貼り付けるメール本文を誤ると、誤送信メールとなる。
これに対して、本実施形態のメール送受信システム1では、メッセージIDに基づいた判定情報を用いて、返信メールのメール本文内の返信特徴情報と、返信メールに対応する受信メールのメール本文内の受信特徴情報とが一致するか否かを判定することで、返信メールの誤送信を適切に防止することができる。
【0047】
例えば、クライアント端末30が、予め登録されているアドレス帳等に記録されていない、「info@domain-B」とのメールアドレスから電子メールを受信する。当該電子メールには、「Message−ID:」フィールドとして、ID−1が付され、メール本文に、電子メールの送信主に関する「B会社」「担当者C」が記述されているものとする。
この場合、受信メールを受信したメールサーバ20から検知サーバ10に対して、当該受信メールが転送される。そして、検知サーバ10において、メッセージIDとしての「ID−1」と、受信特徴情報としての「B会社」及び「担当者C」とが関連付けられた判定情報が生成される。
ここで、クライアント端末30において、メッセージID「ID−1」に対する返信メールが作成され、当該返信メールに、送信先相手に関する「B会社」「担当者D」が記載されていたとする。
この場合、クライアント端末30から返信メールを受信したメールサーバ20は、当該返信メールを検知サーバ10に送信し、検知サーバ10の返信特徴抽出部132Bは、返信特徴情報として、「B会社」「担当者D」を抽出する。また、返信メールの「In-Reply-To」には、メッセージID「ID−1」が記録されているので、誤送信判定部134は、メッセージID「ID−1」に対応する判定情報を読み込み、受信特徴情報と、返信特徴情報とが一致するか否かを判定する。
本例では、受信特徴情報が「B会社」「担当者C」であり、返信特徴情報が「B会社」「担当者D」であるので、誤送信判定部134は、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致しない、と判定することができる。
つまり、これまで電子メールの送受信履歴がない新規の受信相手「B会社」「C担当者」に対する返信メールであっても、誤送信判定部134は、当該返信メールの誤送信を適正に判定することができる。
【0048】
ところで、判定情報として、受信メールの送信主のメールアドレス(「From:」フィールドに記載のメールアドレス)と、受信特徴情報とを関連付けた判定情報を作成することも考えられる。しかしながら、この場合、返信メールの誤送信判定の精度が低下する。
比較例として、受信メールの送信主のメールアドレスと、受信特徴情報とを関連付けた判定情報を生成するものを用いて説明する。例えば、「B会社」「担当者C」が、「B会社」の複数の担当者が使用する共通アドレス「info@domain-B」から、クライアント端末30のユーザに対応する「u1@domain-A」に電子メールを送信する。ここで、受信メールの送信主のメールアドレスと、受信特徴情報とを関連付けた判定情報を作成する場合では、アドレス「info@domain-B」と、受信特徴情報「B会社」「担当者C」とを関連付けた第1の判定情報が生成される。
しかしながら、「B会社」の「担当者C」が電子メールを送信した後、さらに、「B会社」の「担当者D」が、同じアドレス「info@domain-B」から、「u1@domain-A」に電子メールを送信することがある。この場合、アドレス「info@domain-B」と、受信特徴情報「B会社」「担当者D」と、を関連付けた第2の判定情報がさらに作成されることになる。
このような場合では、誤送信判定部134は、アドレス「info@domain-B」宛ての返信メールに対して、第1の判定情報を用いた誤送信判定を行うか、第2の判定情報を用いた誤送信判定を行うかを決定できずにエラーとなり、誤送信判定を正しく行うことができない。例えば、クライアント端末30のユーザが、「担当者D」からの受信メールに対して、「担当者D」への返信メールを作成した場合に、第1の判定情報を用いて誤送信の判定を行うと、受信特徴情報と返信特徴情報とが異なるために、誤送信と判定されてしまう。あるいは、「担当者D」からの受信メールに対して、誤って「担当者C」への返信メールを作成してしまった場合、本来、誤送信メールの判定としなければいけないところ、第1の判定情報を用いて、誤送信メールではないと判定することも考えられる。
【0049】
これに対して、本実施形態では、判定情報記録部133は、「Message−ID:」フィールドに示されるメッセージIDと、受信特徴情報とを対応付けた判定情報を生成する。つまり、個々の電子メッセージに対して、それぞれ個別の情報となるメッセージIDを用いて判定情報を生成する。
例えば、「B会社」の「担当者C」が、アドレス「info@domain-B」から、クライアント端末30のユーザに対応する「u1@domain-A」に電子メールを送信し、当該電子メールの「Message−ID:」フィールドに示されるメッセージIDが「ID−1」であるとする。この場合、第1の判定情報は、メッセージID「ID−1」と、受信特徴情報「B会社」「担当者C」とを関連付けた情報となる。
この後、「B会社」の「担当者D」が、アドレス「info@domain-B」から、クライアント端末30のユーザに対応する「u1@domain-A」に電子メールを送信し、当該電子メールの「Message−ID:」フィールドに示されるメッセージIDが「ID−2」であるとする。この場合、第2の判定情報は、メッセージID「ID−2」と、受信特徴情報「B会社」「担当者D」とを関連付けた情報となる。
ここで、クライアント端末30のユーザが、「担当者D」からの受信メールに対して、「担当者C」への返信メールを作成した場合、返信メールの「In-Reply-To:」フィールドは、メッセージID「ID−2」となる。したがって、誤送信判定部134は、メッセージID「ID−2」に対応する、第2の判定情報を用いて、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致するか否かを判定し、返信メールが誤送信メールであると、判定できる。つまり、メッセージID「ID−2」の受信メールの返信メールに関して、メッセージID「ID−1」の第1の判定情報が参照されることがなく、返信メールの誤送信を適切に防止することができる。
【0050】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のメール送受信システム1において、誤送信防止装置である検知サーバ10は、メール取得部131、受信特徴抽出部132A、返信特徴抽出部132B、判定情報記録部133、及び誤送信判定部134として機能する。
メール取得部131は、電子メールを特定するメッセージIDを示す「Message−ID:」フィールドを含むヘッダ情報、電子メールの内容を記述したメール本文を含む受信メールを取得する。また、メール取得部131は、受信メールに対して返信された電子メールであって、受信メールのメッセージIDを示す「In-Reply-To:」フィールドを含むヘッダ情報、受信メールへの返信内容が記述されたメール本文を含む返信メールを取得する。
受信特徴抽出部132Aは、受信メールのメール本文から、受信特徴情報を抽出する。
返信特徴抽出部132Bは、返信メールのメール本文から、返信特徴情報を抽出する。
判定情報記録部133は、受信メールの「Message−ID:」フィールドで示されるメッセージIDと、受信特徴情報とを対応付けた判定情報を生成して記録する。
そして、誤送信判定部134は、返信メールの「In-Reply-To:」フィールドで示されたメッセージIDに対応する判定情報の受信特徴情報を読み出し、その受信特徴情報と返信特徴情報とが一致しない場合に、返信メールが誤送信メールであると判定する。
【0051】
このような本実施形態では、従来のように、クライアント端末30を操作するユーザが、予め、送信メールの誤送信を防止するためのアドレス帳情報等を作成(登録)する必要がなく、ユーザの作業手間を軽減することができる。
また、本実施形態では、これまで電子メールの送受信を行ったことがない相手から、新規の受信メールを受信し、その受信メールに対して返信メールを返す場合でも、誤送信判定部は、受信特徴情報と、返信特徴情報とを比較することで、返信メールが誤送信メールであるか否かを判定することができる。
【0052】
本実施形態では、判定情報記録部133は、個々の電子メールにおいて異なる情報となる「Message−ID:」フィールドで示されるメッセージIDと、受信特徴情報とを対応付けた判定情報を生成する。
これにより、複数の送信相手が、1つの共通のメールアドレスからクライアント端末30に対して電子メールを送信し、クライアント端末30のユーザが、各々の受信メールに対して返信メールを送信する場合でも、誤送信判定部134は、各々の返信メールの誤送信を判定することができる。
【0053】
本実施形態では、受信メールは、「Message−ID:」フィールドを含むヘッダ情報を有する電子メールであり、返信メールは、「References:」フィールド、又は、「In−Reply−To:」フィールドを含むヘッダ情報を有する電子メールであり、受信メールの「Message−ID:」フィールドで示されるメッセージIDを、個々の受信メールを特定するメッセージ特定情報としている。
このため、本実施形態の検知サーバ10は、既存の電子メールに対して、メッセージ特定情報を示す新たなヘッダ情報を追加する必要がなく、簡素なデータ構成で、返信メールの誤送信を防止することができる。
【0054】
本実施形態では、誤送信判定部134は、「In-Reply-To:」フィールドに示されるメッセージIDに対応する判定情報に基づいて、返信メールの誤送信を判定する。
この「In-Reply-To:」フィールドに示されるメッセージIDは、直近の受信メールのメッセージIDが記録される。したがって、複数回の電子メールの送受信を繰り返しの途中で、受信メールを送信した送信相手が、例えば「B会社」「担当者C」から、「B会社」「担当者D」に変更した場合でも、誤送信判定部134は、直近の受信メールの送信主に対して、返信メールが適切な返信相手に返信しているか否かを適切に判定することができる。
【0055】
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、
図1に示すように、メールサーバ20が、インターネットからの受信メール、及びクライアント端末30からの返信メールを受信し、これらの電子メールを検知サーバ10に転送する構成例を示したが、これに限定されない。
図4は、変形例1に係るメール送受信システム1Aの概略構成を示す模式図である。
図4において、破線矢印は受信メールの流れを示し、実線矢印は、返信メールの流れを示している。
図4に示すように、受信メールは、メールサーバ20で受信される前に検知サーバ10で受信され、検知サーバ10で受信されたメールが、メールサーバ20に送信されてもよい。この場合、検知サーバ10のメール取得部131は、インターネットを介して受信メールを受信し、その受信タイミングで、受信特徴抽出部132Aが、受信特徴情報を抽出して、判定情報記録部133が判定情報を生成する。
また、
図4に示すように、クライアント端末30で生成された返信メールは、メールサーバ20を介さずに、検知サーバ10に送信されてもよい。この場合、検知サーバ10のメール取得部131がクライアント端末30から返信メールを受信する。これにより、返信特徴抽出部132Bは、返信メールから返信特徴情報を抽出し、誤送信判定部134は、返信メールの誤送信判定処理を実施する。誤送信判定部134によって誤送信メールではないと判定されると、検知サーバ10からインターネットを介して、返信メールの宛先に対応した外部機器に返信メールが送信される。
【0056】
[変形例2]
また、
図1に示すメール送受信システム1、及び
図4に示すメール送受信システム1Aは、検知サーバ10とメールサーバ20とがそれぞれ別体であり、検知サーバ10を本発明の誤送信防止装置として機能させる例であるが、メールサーバを本発明の誤送信防止装置として機能させてもよい。
図5は、変形例2に係るメール送受信システム1Bの概略構成を示す模式図であり、メールサーバ20Aが本発明の誤送信防止装置として機能する。
この場合、メールサーバ20Aの第二プロセッサ23は、メール取得部131、特徴抽出部132、判定情報記録部133、及び誤送信判定部134としても機能する。
このメール送受信システム1Bでは、メールサーバ20Aのメール取得部131がインターネットを介して受信メールを受信した受信タイミングで、受信特徴抽出部132Aによって受信特徴情報が抽出され、判定情報記録部133によって判定情報が生成される。
また、メールサーバ20Aからクライアント端末30に受信メールが送信された後、クライアント端末30で生成された返信メールがメールサーバ20Aに送信される。これにより、メールサーバ20Aのメール取得部131が返信メールを取得し、返信特徴抽出部132Bが返信メールから返信特徴情報を抽出し、誤送信判定部134が返信メールの誤送信判定処理を実施する。誤送信判定部134によって誤送信メールではないと判定されると、メール送信制御部232は、インターネットを介して、返信メールの宛先に対応した外部機器に返信メールを送信する。
この場合、検知サーバ10が不要となるので、メール転送部231は不要となり、メールサーバ20から検知サーバ10への電子メールの転送処理を不要にできる。
【0057】
[変形例3]
変形例2は、メールサーバ20Aを本発明の誤送信防止装置として機能させる例であるが、クライアント端末を誤送信防止装置としてもよい。
図6は、変形例3に係るメール送受信システム1Cの概略構成を示す模式図である。
図6は、クライアント端末30Aが本発明の誤送信防止装置として機能する、メール送受信システム1Cの概略構成を示す図である。
このメール送受信システム1Cでは、クライアント端末30Aの第三プロセッサ35は、第三記憶部34に記録された誤送信防止プログラムを読み込み実行することで、メール取得部131、特徴抽出部132、判定情報記録部133、及び誤送信判定部134として機能する。
クライアント端末30Aのメール取得部131は、例えば、ユーザが電子メールを受信する旨の操作を実施することで、上記実施形態のステップS301と同様に、メールサーバ20Bに受信メールの送信を要求する。これにより、メール取得部131は、メールサーバ20Bから受信メールを取得する。
受信メールが取得されると、その受信タイミングで、受信特徴抽出部132Aは、受信メールから受信特徴情報を抽出し、判定情報記録部133は、抽出された受信特徴情報とメッセージIDとを関連付けた判定情報を生成する。
また、クライアント端末30Aでユーザ操作によって返信メールが作成され、当該返信メールを送信する旨の操作が実施されると、メール取得部131は、当該返信メールを取得し、第三記憶部34に一時記憶する。そして、返信メールの送信前に、誤送信判定部134が、第三記憶部34に記録された返信メールに含まれる「In-Reply-To:」フィールドのメッセージIDに基づいて判定情報を読み出し、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致するか否かを判定する。受信特徴情報と返信特徴情報とが一致する場合、クライアント端末30Aは、通常通り、返信メールを送信する。一方、受信特徴情報と返信特徴情報とが一致しない場合、クライアント端末30Aは、表示ディスプレイ31に、返信メールが誤送信メールの可能性がある旨を知らせる警告通知を出力する。
この場合、メールサーバ20Bにおいて、メールの誤送信を判定する必要はなく、また、判定結果に応じた返信メールの送信及び保留を選択する必要がない。つまり、メールサーバ20Bは、インターネットを介して受信メールを受信し、クライアント端末30Aから受信した送信メールを送信すればよい。
【0058】
[変形例4]
上記実施形態では、誤送信判定部134は、返信メールの「In-Reply-To:」フィールドに示されるメッセージIDに対応する判定情報に基づいて、返信メールの誤送信を判定した。これに対して、誤送信判定部134は、返信メールの「References:」フィールドに示されるメッセージIDに対応する判定情報に基づいて、返信メールの誤送信を判定してもよい。
「References:」フィールドは、「In-Reply-To:」フィールドと同様に、受信メールの「Message−ID:」フィールドのメッセージIDが記録される。したがって、上記実施形態と同様に、個々の受信メールに対応する判定情報に基づいて、誤送信メールを判定することが可能となる。
【0059】
また、クライアント端末30のユーザと、受信メールの送信主との間で、複数回のメールが返信形式で送受信された場合、送受信された各電子メールに対してそれぞれ異なるメッセージIDが付され、これらのメッセージIDが「References:」フィールドで示される。したがって、誤送信判定部134は、「References:」フィールドに記録される、複数のメッセージIDに基づいて、返信メールの誤送信を判定することも可能となる。
【0060】
例えば、「B会社」「担当者C」との受信特徴情報が含まれる受信メールを受信し、その受信メールのメッセージIDが「ID−1」であるとする。この場合、検知サーバ10は、メッセージID「ID−1」と、受信特徴情報「B会社」「担当者C」とを関連付けた判定情報(第1の判定情報)を生成する。
クライアント端末30のユーザは、返信特徴情報として、「B会社」「担当者C」を含む返信メールを作成することで、メッセージID「ID−1」の受信メールに対して返信メールを送信することが可能となる。
この後、ユーザが送信した返信メールに対して、「B会社」の「担当者D」がさらに返信メールを送信すると、この返信メールが新たな受信メールとして、検知サーバ10に転送される。新たな受信メールのメッセージIDを「ID−2」とすると、検知サーバ10は、メッセージID「ID−2」と、受信特徴情報「B会社」「担当者D」とを関連付けた判定情報(第1の判定情報)を生成する。
ここで、誤送信判定部134が、「In-Reply-To:」フィールドで示されるメッセージIDに対応する判定情報のみに基づいて誤送信メールを判定する場合、クライアント端末30のユーザは、返信特徴情報として「B会社」「担当者D」を含む返信メールを、メッセージID「ID−2」に対して返信する必要がある。つまり、ユーザが、メッセージID「ID−2」に対する返信メールに、元の受信メールの送信主である「B会社」「担当者C」との返信特徴情報を記述すると、検知サーバ10によって、誤送信メールとして判定されてしまう。
これに対して、誤送信判定部134が、「References:」フィールドで示されるメッセージIDに対応する判定情報に基づいて誤送信メールを判定する場合、クライアント端末30のユーザは、返信特徴情報として「B会社」「担当者D」を含む返信メールを返信してもよく、返信特徴情報として「B会社」「担当者C」を含む返信メールを返信してもよい。つまり、メッセージID「ID−2」に対する返信メールの「References:」フィールドには、「ID−1」「ID−2」が含まれるので、誤送信判定部134は、「ID−1」に対応する判定情報と、「ID−2」に対応する判定情報とに基づいて、返信メールの誤送信を判定することができる。
【0061】
さらには、クライアント端末30のユーザと、受信メールを送信した送信相手との間で、複数回のメールの送受信を返信形式で繰り返す場合、受信メールの「送受信相手の名前」や「送信相手の所属組織名」等の受信特徴情報が省略されたり、メール本文内の受信特徴情報の記述位置が移動したりすることがある。このような場合、受信特徴抽出部132Aが、受信特徴情報が抽出できない場合や、抽出精度が低下する場合がある。これに対して、「References:」フィールドに示される各メッセージIDに対する判定情報を用いれば、直近の受信メールに基づいた判定情報のみならず、1つ前や2つ前の受信メールに基づいた判定情報を用いて、返信メールの誤送信判定を行うことも可能となる。
【0062】
[変形例5]
上記実施形態において、受信特徴抽出部132Aは、公知の形態素解析技術等を用いて、メール本文の予め設定された特定の範囲に含まれる返信特徴情報を抽出する例を示した。これに対して、検知サーバ10は、メール本文と、当該メール本文における受信特徴情報とを教師データとし、複数の教師データを用いて、入力されたメール本文から特徴情報を出力する受信特徴抽出モデルを機械学習により生成してもよい。この場合、受信特徴抽出部132Aは、メール本文の特定位置に受信特徴情報が記述されていない場合でも、受信特徴情報を抽出することができる。
返信特徴抽出部132Bに関しても同様であり、メール本文と、当該メール本文における返信特徴情報とを教師データとし、複数の教師データを用いて、入力されたメール本文から返信特徴情報を出力する返信特徴抽出モデルを機械学習により生成しておき、返信特徴抽出部132Bは、返信特徴抽出モデルにメール本文を入力し、返信特徴抽出モデルから出力する返信特徴情報を取得してもよい。
【0063】
[変形例6]
上記実施形態の検知サーバ10は、受信メールに対して返信された返信メールが、誤送信メールであるか否かを判定するものであるが、さらに、返信メールではない送信メールの誤送信を判定する機能を備えていてもよい。
この場合、例えば、特許文献1に示した従来の誤送信防止装置のように、送信メールのメールアドレスと特徴情報とを関連付けたアドレス帳情報を、予め第一記憶部12に記憶(登録)しておく。
また、メールサーバ20は、クライアント端末30から受信した全ての送信メールを検知サーバ10に転送する。送信メールを受信した検知サーバ10は、送信メールのうち「In-Reply-To:」フィールド、又は「References:」フィールドにメッセージIDが記録されている場合、返信メールであると判定して、上記実施形態と同様の処理により誤送信を防止する。
一方、検知サーバ10は、送信メールのうち「In-Reply-To:」フィールド、又は「References:」フィールドにメッセージIDが記録されていない場合、アドレス帳情報から、送信メールのヘッダ情報の宛先に対応する送信相手の情報(送信相手の名前や所属組織)を読み込む。さらに、送信メールのメール本文から特徴情報を抽出し、アドレス帳情報から読み込んだ特徴情報と、メール本文から抽出された特徴情報とが一致するか否かに基づいて、誤送信メールを判定する。
【0064】
[変形例7]
上記実施形態では、検知サーバ10は、メールとともに受信した制御コードに基づいて、受信したメールが、受信メールであるか返信メールであるかを判定したが、これに限定されない。例えば、受信メールを送信する場合に用いるポートと、返信メールを送信する場合に用いるポートとを、異なるポートとし、メール送信に用いられたポートによって、受信メールと返信メールとを区別してもよい。
例えば上記実施形態では、メールサーバ20から、受信メールを検知サーバ10に転送する場合、検知サーバ10の受信メール受付用ポート(例えば25番ポート)を用い、返信メールを検知サーバ10に転送する場合に、検知サーバ10の返信メール受付用ポート(例えば10025番ポート)を用いる。この場合、検知サーバ10は、受信メール受付用ポートに入ってきたメールを受信メールとし、返信メール受付用ポートに入ってきたメールを返信メールとして判別することができる。
【0065】
また、変形例1のメール送受信システム1Aの場合では、クライアント端末30側のメール送信設定として、検知サーバ10を介してメールを送信する場合に、検知サーバ10Aの返信メール受付用ポート(例えば10025番ポート)を用いるように設定しておく。これにより、クライアント端末30は、返信メール受付用ポートを用いて検知サーバ10Aに返信メールを送信する。この場合、検知サーバ10Aは、外部機器から25番ポート(一般にメール送信に割り当てられたプロトコル)に入ってきたメールを受信メールとし、クライアント端末30から返信メール受付用ポートに入ってきたメールを返信メールとして判別することができる。
【0066】
変形例2のメール送受信システム1Bにおいても同様であり、クライアント端末30が、メールサーバ20Aの返信メール受付用ポートを用いて返信メールを送信するように設定しておく。これにより、誤送信防止装置として機能するメールサーバ20Aは、外部機器から25番ポートに入ってきたメールを受信メールとし、クライアント端末30から返信メール受付用ポートに入ってきたメールを返信メールとして判別することができる。
【0067】
その他、誤送信防止装置での受信メールと返信メールとの判別方法として、例えば、誤送信防止装置は、メールのヘッダ情報に基づいて、宛先(「To:」フィールド等)にクライアント端末30のアドレスが含まれている場合に受信メールとして判定し、送信元(「From:」フィールド)にクライアント端末30のアドレスが含まれている場合、又は宛先にクライアント端末30のアドレスが含まれていない場合に返信メールとして判定してもよい。
【0068】
[変形例8]
上記実施形態では、メールサーバ20は、メールのヘッダ情報に基づいて、外部機器から受信した受信メールと、クライアント端末30から受信した返信メールとを判別する例を示したが、これに限定されない。
例えば、メールサーバ20は、メール又は指令が送信されたポートによって、これらを判定してもよい。具体的には、メールサーバ20は、外部機器から25番ポートに入ってきたメールを受信メールとし、クライアント端末30からクライアント用ポート(例えば10025番ポート)に入ってきたメールを返信メールとし、検知サーバ10から指令送信用ポート(例えば10999番ポート)に入ってきた情報を指令(許可指令又は保留指令)として判別する。これにより、メールサーバ20は、外部機器から送信された受信メールと、クライアント端末30から送信された返信メールとを適正に判別でき、受信したメールを、当該メールに対応したポートで検知サーバ10に転送することができる。また、メールサーバ20は、検知サーバ10から受信した指令に基づいて、返信メールの送信及び保留の制御を適正に実施することができる。
【0069】
[変形例9]
上記実施形態では、メッセージとして、To、CC、BCC等の宛先フィールド、「Message−ID:」フィールド、「In-Reply-To:」フィールド、「References:」フィールド等のヘッダ情報を有する電子メールを例示したが、これに限定されない。
例えば、インターネットを介して送受信される他のメッセージ送受信システムに対しても適用することができる。具体的には、SNS(Social Networking Service)等において、個々のメッセージにメッセージ特定情報を付し、メッセージに対して返信を行う際、受信したメッセージに付されたメッセージ特定情報を関連付けた返信メッセージを送信するメッセージ送受信システムに適用することが可能である。
【0070】
なお、メッセージとして電子メールを用いる場合においても、「Message−ID:」フィールドに示されるメッセージID以外の情報を、メッセージ特定情報として用いてもよい。例えば、メールサーバ20は、受信メールを受信した際に、新規にメッセージ特定情報を受信メールに付与する、メッセージ特定情報付与部として機能しもよい。つまり、メールサーバ20は、「Message−ID:」フィールドに示されるメッセージIDとは別のメッセージ特定情報を付与する。
この場合、クライアント端末30は、受信メールを受信する際に、受信メールとともに、当該受信メールに付与されたメッセージ特定情報を受信する。そして、クライアント端末30は、返信メールが作成された際に、返信メールの返信対象である受信メールに付与されていたメッセージ特定情報を、返信メールに付与する。
また、検知サーバ10は、メールサーバ20から、受信メッセージと、メールサーバ20で付与されたメッセージ特定情報とを受信して、判定情報を生成する。そして、検知サーバ10は、メールサーバ20から、返信メールと、当該返信メールに付与されたメッセージ特定情報とを受信すると、返信メールに付与されたメッセージ特定情報に対応する判定情報を特定し、当該判定情報に基づいて、返信メールの誤送信判定を実施する。この場合でも、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。変形例2のように、メールサーバ20を誤送信防止装置として機能させる場合や、変形例3のように、クライアント端末30を誤送信防止装置として機能させる場合も同様である。