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特開2021-82939設計支援装置、設計支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-82939(P2021-82939A)
(43)【公開日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】設計支援装置、設計支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/66 20060101AFI20210430BHJP
【FI】
   H04N5/66 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-208785(P2019-208785)
(22)【出願日】2019年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】川口 英世
【テーマコード(参考)】
5C058
【Fターム(参考)】
5C058BA18
5C058BA24
5C058BB11
(57)【要約】
【課題】複数のレイヤーからなる動画像の実機での表示を容易に検証可能な設計支援装置を提供する。
【解決手段】表示部24は、画像を構成するレイヤーの数に対応する数の値を有する目盛り画像を画像表示装置15に表示し、複数のレイヤーのうち指定された目盛り画像が有する値に応じた数のレイヤーを重ね合せた動画像のフレームを表示し、指示部26は、指定された目盛り画像が有する値に応じた数のレイヤーを重ね合せた動画像のフレームを表示するように実機50に指示する。重ねて表示するレイヤー数を変えながら設計支援装置10上での表示と実機での表示を見比べ、不具合がありそうなレイヤーを特定することが出来る。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイヤーを重ねた画像に対応する画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第1画像を第1表示装置に表示させる表示部と、
情報処理装置に対して、前記画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第2画像を前記情報処理装置が制御する第2表示装置に表示させる表示指示をする指示部と、
を備えることを特徴とする設計支援装置。
【請求項2】
前記表示部は、
前記複数のレイヤーの数に対応する目盛り値を有する目盛り画像を前記第1表示装置に表示させ、
前記設計支援装置は、さらに、
前記目盛り画像が有する目盛り値の指定を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けた前記目盛り画像の目盛り値に応じて、レイヤーの表示数を決定する決定部と、
を備え、
前記表示部は、
前記決定部により決定された前記表示数のレイヤーを重ねた前記第1画像を前記第1表示装置に表示させ、
前記指示部は、
前記情報処理装置に対して、前記決定部により決定された前記表示数のレイヤーを重ねた前記第2画像を前記第2表示装置に表示させる指示をする
ことを特徴とする請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記設計支援装置は、さらに、
前記情報処理装置が前記表示指示に応じて前記第2表示装置に表示させた前記第2画像を取得する取得部と、
前記第1画像に含まれる第1レイヤーと、前記取得部により取得された前記第2画像に含まれる前記第1レイヤーに対応する第2レイヤーとの一致検証をする検証部と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記表示部は、
前記第1画像と、前記取得部により取得された前記第2画像とを、前記第1表示装置に重ねて表示させる
ことを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の設計支援装置。
【請求項5】
複数のレイヤーを重ねた画像に対応する画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第1画像を生成する生成部と、
情報処理装置に対して、前記画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第2画像に対応する画像情報を生成させる生成指示をする指示部と、
前記生成指示に応じて生成された前記画像情報を前記情報処理装置から取得する取得部と、
前記第1画像と前記画像情報に対応する前記第2画像とを表示装置に表示させる表示部と、
を備えることを特徴とする設計支援装置。
【請求項6】
設計支援装置のプロセッサによって実行される設計支援方法であって、
複数のレイヤーを重ねた画像に対応する画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第1画像を第1表示装置に表示させ、
情報処理装置に対して、前記画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第2画像を前記情報処理装置が制御する第2表示装置に表示させる表示指示をする
ことを特徴とする設計支援方法。
【請求項7】
設計支援装置のプロセッサによって実行される設計支援プログラムであって、
複数のレイヤーを重ねた画像に対応する画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第1画像を第1表示装置に表示させ、
情報処理装置に対して、前記画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第2画像を前記情報処理装置が制御する第2表示装置に表示させる表示指示をする
処理をプロセッサに実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレイヤーからなる画像の設計、検証の支援を行う設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機において画像表示装置に表示する演出画像を用いた演出はより複雑さを増している。
液晶表示装置に表示される演出画像としては、背景画像や図柄画像といった主要な画像に加え、遊技結果を示唆する多種多様な予告画像が同時に表示され、非常に複雑な構成、構造を有するに至っている。
また、遊技機以外のゲーム機などにおいても映像表現はより複雑となっている。ゲーム機の高性能化によって、大量の画像を高速に処理出来るようになった結果、画面に表示されるオブジェクトも劇的に増加している。結果として、ゲーム用グラフィックの制作には大きな困難が伴う。
このため、遊技機に表示する演出画像やゲーム機等で使用するグラフィックの設計、作成を支援するための設計支援装置では、画像を構成する様々なオブジェクトを含む複数のレイヤーを編集し、編集後の各レイヤーを重ねて結合することによって表示用画像を作成する処理が一般に行われている。
【0003】
支援装置で作成した表示用画像は、遊技機等の実機で必ずしも想定通りに表示されない場合があるため、作成した画像が実機で正常に表示されるか検証する必要がある。
従来知られる支援装置では、作成画像が遊技機実機の表示装置で想定通りに表示されるか検証するために、遊技機に作成画像のデータを用いた表示処理を実行させる。
支援装置は、表示装置に表示された表示画像を取り込み、作成画像と表示画像とを比較することにより、作成画像が表示装置で想定通りに表示されたか否かを検証する検証処理を実行する。
例えば、特許文献1乃至3には、画像の表示指示に応じて表示装置に表示される画像を取得し、表示指示に対応付けられた画像と表示装置に表示された画像とを比較し、比較結果を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−328509公報
【特許文献2】特許2007−86899公報
【特許文献3】特許2018−190324公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像作成に用いられるレイヤーの数が多くなると、従来知られる支援装置をもっても作成画像が表示装置で想定通りに表示されたか否かを完全に検証ことは出来ない。
特に作成画像がレイヤー単位で想定通りに表示されているかどうかの確認が難しく、作成画像と、実機での表示画像との間に不一致の部分があるとき、どのレイヤーが想定通り表示されていないかの確認をすることは困難である。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、一側面として、複数のレイヤーを重ねて作成した画像の実機での表示を容易に検証可能な設計支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、一形態として、複数のレイヤーを重ねた画像に対応する画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第1画像を第1表示装置に表示させる表示部と、情報処理装置に対して、前記画像データを用いて、複数のレイヤーを重ねた第2画像を前記情報処理装置が制御する第2表示装置に表示させる表示指示をする指示部と、を備える設計支援装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一側面において、複数のレイヤーを重ねて作成した画像の実機での表示を容易に検証可能な設計支援装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシステムを説明する図である。
図2】パチンコ機等、遊技機の実機の構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る設計支援装置における画像表示画面を示す図である。
図4図3に示す画像表示画面において、レイヤー選択ボタンが操作された場合の表示を示す図である。
図5】ポインタの移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
図6】ポインタの移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
図7】表示対象レイヤーの数が、目盛りに表示可能な目盛り数の上限を超える場合の表示態様を示す図である。
図8】本実施形態の設計支援装置で作成した動画像の表示を検証する第1の態様を説明する図である。
図9】本実施形態の設計支援装置で作成した動画像の表示を検証する第2の態様を説明する図である。
図10】設計支援装置上の作成画像とキャプチャした表示画像との一致検証を自動化した態様を説明する概念図である。
図11】設計支援装置上の作成画像とキャプチャした表示画像との一致検証を自動化した態様を説明する概念図である。
図12】本実施形態に係る設計支援装置の機能構成を示す図である。
図13】本実施形態の設計支援装置が実行する初期表示処理を説明するフローチャートである。
図14】本実施形態の設計支援装置が実行するポインタ移動時処理を説明するフローチャートである。
図15】実機における画像表示処理を説明するフローチャートである。
図16】本実施形態の設計支援装置が実行する検証処理を説明するフローチャートである。
図17】コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムを説明する図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム100は、設計支援装置10と、情報処理装置の一例としての遊技機の実機50と、を備えている。
設計支援装置10は、実機50で表示するための画像の設計、作成を支援するための装置である。
なお、設計支援装置10による画像の設計支援の対象となるのは、所謂遊技機に限らない。家庭用ゲーム機や業務用ゲーム機、カーナビゲーション装置、携帯端末、車載メータなど画像を表示可能な任意の情報処理装置を適用することが出来る。以下の説明では、設計支援装置10は、動画像の設計を支援するものとして説明する。ただし、設計支援装置10は、動画像に限らず、静止画像の設計を支援するときに用いてもよい。
設計支援装置10で作成した動画像は、遊技機等の実機で必ずしも想定通りに表示されない場合があるため、作成した動画像が実機50で正常に表示されるかを検証する必要がある。動画像の表示を検証するうえで、実機50側のみでの検証、設計支援装置10側のみでの検証はいずれも不十分である。
動画像の表示を検証する場合、設計支援装置10及び実機50において、動画像を表示する処理をし、双方の処理に応じた動画像を表示する。そして、設計支援装置10及び実機50における動画像の表示を比較することにより、作成した画像が正しく表示されているかを検証することが望ましい。
【0010】
そこで、設計支援装置10は、作成した動画像を実機50に表示させ、設計支援装置10での表示と比較して正常に表示されているか検証するための機能をさらに備える。
設計支援装置10と実機50はケーブルを介して相互に接続され、設計支援装置10は、作成した動画像を実機50で表示させるための表示指示コマンドを、ケーブルを介して実機50に入力することが出来る。
実機50は、内部的なコマンドによって実機50が備える画像表示装置に動画像を表示するだけなく、設計支援装置10から入力された表示指示コマンドで指定された動画像を画像表示装置60に表示することが出来る。
実機50は、例えば、設計支援装置10から表示指示コマンドが入力されると、表示指示コマンドに応じた描画コマンドを作成する。実機50は、描画コマンドに従って、記憶装置から複数の画像データを読み出す。そして、実機50は、読みだした各画像データに対応する複数のレイヤーを描画コマンドにしたがって合成することにより、フレームを作成する。なお、実機50が画像データを読み出す記憶装置は、実機50に含まれてもよいし、実機50が通信可能に接続されている記憶装置でもよい。ここで、本明細書では、フレームは、動画像に含まれる画像のことである。動画像は、複数のフレームを切り替えて表示することにより、表現される画像である。
下記の説明において設計支援装置10で作成された動画像を作成画像(第1画像)と表記し、この作成画像に基づいて実機50で生成された動画像を表示画像(第2画像)と表記する場合がある。
表示検証のために実機50が表示する動画像データは、表示指示コマンドとともに設計支援装置10からケーブルを介して供給されてもよいし、実機50が備える記憶装置に予め格納された動画像データであってもよい。
【0011】
設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10の画像表示装置に表示された作成画像と、実機50の画像表示装置に表示された表示画像と、を見比べて、設計支援装置10で作成したとおりに動画像が実機50で表示されているかを検証することが出来る。
また、実機50は、設計支援装置10からの要求に応じて映像信号を設計支援装置10に出力する。設計支援装置10は、実機50から映像信号を取得することにより、実機50で生成された動画像を画像表示装置に表示する。映像信号とは、例えば、実機50で生成された、動画像でもよいし、動画像を生成するための描画コマンドでもよい。
これにより、設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10の画像表示装置だけを見て、設計支援装置10で作成したとおりに実機50で動画像が表示されるかを検証することが出来る。従って、設計支援装置の利用者は、設計支援装置10と実機50の画像表示装置を見比べる必要はない。従って、設計支援装置の利用者は、より容易に表示の検証を行うことが出来る。
【0012】
設計支援装置10が作成する動画像は、1以上のレイヤーを含むフレームから構成され、設計支援装置10は特に、複数のレイヤーを重ねて作成したフレーム画像の実機50での表示検証を容易にする。
設計支援装置10では、利用者は、動画像のフレーム毎に表示するレイヤーを選択するとともに、選択されたレイヤーのうち重ねて表示するレイヤーの数を下記に説明する方法で指定することが出来る。以下の説明では、レイヤーの数のことを単にレイヤー数ともいう。
設計支援装置10では、動画像のレイヤー構造から選択されたレイヤーのうち、最下層から、指定された数のレイヤーを重ねて表示する。利用者は、重ねて表示するレイヤー数を変更しながら、設計支援装置10で作成されるフレーム画像を確認することが出来る。
【0013】
さらに設計支援装置10は、利用者が指定した表示フレームと表示レイヤー、表示レイヤー数の情報を含む表示指示コマンドを、実機50に送信することが出来る。
表示指示コマンドを受信した実機50は、表示指示コマンドで指定された動画像のフレームを表示するとき、フレームを構成する1以上のレイヤーのうち、表示をすると指定されたレイヤーを指定数だけ最下層から重ねて表示する。
従って利用者は、設計支援装置10において、動画像のフレームを構成するレイヤーのうち重ねて表示するレイヤー数を指定する操作を行うことで、指定された数のレイヤーを重ねた作成画像の実機50での表示を確認することが出来る。
重ねて表示するレイヤー数が変化すると最も上に表示されるレイヤーが変わるので、動画像のフレームにおいてどのレイヤーが意図通りに表示できていないかを、実機50において簡単に検証することが出来る。
【0014】
設計支援装置10についてより詳しく説明するが、それに先立ち、表示検証の対象となる遊技機等の実機50の構成について概説する。
上記したが、設計支援装置10による動画像の設計支援の対象となるのは、パチンコ機などの遊技機に限らない。図2の説明は、あくまで設計支援の対象となる情報処理装置の一例を示すものである。
図2は、パチンコ機等、遊技機の実機の構成の一例を示す図である。
一般的に、図2に示すように、遊技機の実機50は、主制御基板51、演出制御基板52、画像制御基板53を備えている。これらの他に、電源基板、ランプ制御基板、払出制御基板、発射制御基板等を含むが、ここでは表示及び説明を省略している。
全体としては、主制御基板51に対して演出制御基板52が接続され、演出制御基板52に対して画像制御基板53が接続されている。
また画像制御基板53には画像表示装置60が接続されている。
主制御基板51は、CPU51a、ROM51b、RAM51cを備えている。
CPU51aは、ROM51bに格納された制御プログラムをRAM51cに展開して実行することにより、遊技機の制御を行う。
【0015】
CPU51aは、図示しない発射ハンドルを遊技者が回転操作することによって発射された遊技球が、図示しない始動口に入賞したことを契機に所定の大当たり乱数の抽選を行い、大当たりかを否かを判定する。
CPU51aは、大当たり判定結果に基づいて、変動パターンを決定する。変動パターンは、遊技球の入賞を契機とした特別図柄の変動表示の継続時間や、特別図柄の変動に対応して画像表示装置60で行われる演出内容を規定している。
【0016】
演出制御基板52は、CPU52a、ROM52b、RAM52cを備えている。
CPU52aは、ROM52bに格納された制御プログラムをRAM52cに展開して実行することによって演出制御を行う。
CPU52aは、主制御基板51で決定された変動パターンに基づいて演出パターンを規定する演出指定コマンドを選択し、画像制御基板53に出力する。
画像制御基板53は、CPU53a、ROM53b、RAM53c、VDP(Video Display Processor)55、CGROM(Character Generator ROM)56を備えている。
CPU53aは、ROM53bに格納された制御プログラムをRAM53cに展開して実行し、VDP55を制御することによって、画像表示装置60に表示する演出画像の表示制御(描画制御)を行う。
【0017】
CPU53aは、演出制御基板52から入力された演出指定コマンドに基づく動画像を再生出力させるようにVDP55に命令する。
VDP55は、いわゆる画像プロセッサである。VDP55は、CPU53aからの指示に基づき、CGROM56に格納された動画像のデータをフレームバッファに展開する。そして、VDP55は、フレームバッファから読み出した動画像データに基づいて映像信号を生成して画像表示装置60に出力する。
またCPU53aは、演出制御基板52から入力された演出指定コマンドはなく、設計支援装置10から入力された表示指示コマンドに基づいて、同コマンドで指定された動画像の表示出力をVDP55に命令することが出来る。
VDP55は、CPU53aが指定した動画像データから映像信号を生成して画像表示装置60に出力し、動画像を表示させる。
【0018】
上記したように、設計支援装置10は、複数のレイヤーを含む動画像のフレームについて、レイヤーの重なり状態(重ねて表示するレイヤー数)を変更しながら設計支援装置10上で動画像のフレームを表示させ、表示状態を確認することが出来る。そして、設計支援装置10は、重ねて表示するレイヤー数を実機50に指定することが出来る。
表示レイヤー数が設計支援装置10によって指定されている場合、画像制御基板53のCPU53aは、VDP55に対して、動画像データから映像信号を生成する際のレイヤー数の指定を行う。
VDP55は、動画像データを構成する1以上のレイヤーのうち、指定された数のレイヤーを最下層から重ねた映像信号を生成して画像表示装置60に出力する。
これにより、レイヤーの重なり状態が同じフレームの、設計支援装置10上での表示状態と、実機50での表示状態との比較が容易に可能となり、不具合があるレイヤーを特定する助けとなる。
またVDP55が生成した映像信号は、外部接続端子及びケーブルを介して設計支援装置10に対して出力することが出来る。これにより、レイヤーの重なり状態が同じフレームの、設計支援装置10上での表示状態と、実機50での表示状態との比較が、設計支援装置10上で容易に行えるようになる。
【0019】
設計支援装置10において、動画像のフレームを構成するレイヤーから重ねて表示するレイヤーを指定する操作を説明する。
図3は、本実施形態に係る設計支援装置における画像表示画面を示す図である。
図3に示す画像表示画面1は、設計支援装置10と接続される表示装置(ディスプレイ)に表示される。
画像表示画面1は、プロジェクト選択ボタン2と、フレーム表示領域40と、レイヤー選択ボタン3と、画像表示領域4と、を備えている。プロジェクト選択ボタン2は、複数のフレームを含む動画像データの選択を受け付ける。フレーム表示領域40は、選択された動画像データに含まれるフレームを時系列順に並べて表示し、フレームの選択を受け付ける。レイヤー選択ボタン3は、選択されたフレームに含まれるレイヤーから表示する表示対象レイヤーの選択を受け付ける。画像表示領域4は、選択された表示対象レイヤーを重ねて表示する。以下の説明では、動画像データのことをプロジェクトデータともいう。
【0020】
図3は、設計支援装置10において、プロジェクト選択ボタン2が操作されて一のプロジェクトデータが読み込まれ、フレーム表示領域40で選択されたフレームが画像表示領域4に表示されている状態を示している。
設計支援装置10において、レイヤー選択ボタン3による選択が行われない場合、フレームを構成する全てのレイヤーを重ねた画像が画像表示領域4に表示される。
【0021】
さらに、設計支援装置10は、フレーム表示領域40にプロジェクトデータに含まれるフレームを表示して、利用者によるフレームの選択を受け付ける。そして、設計支援装置10は、選択されたフレームの画像を画像表示領域4に表示させる。これにより、設計支援装置10は、プロジェクトデータに含まれる各フレームについて、表示検証を行うことが出来る。
【0022】
本明細書でいう一のレイヤー群は、例えば、画像表示装置60に表示される動画像に含まれるフレームを構成するものである。
一連の動画像は、一のレイヤー群を含むフレームを連続して表示することによって再生される。例えば、一連の動画像は、1秒間に60フレームを連続して表示することによって再生される。
設計支援装置10は、一連の動画像ではなく、1フレームを構成する各レイヤーについて、実機50における表示の検証を行うためのものである。
動画像全体として構成を確認していくには、本実施形態に係る方法による検証作業を、1フレームずつ行っていくことになる。
設計支援装置10が備える編集ツールを呼び出して、レイヤー毎、あるいはフレーム単位で、画像の編集が行えるようにしてもよい。
【0023】
図4は、図3に示す画像表示画面において、レイヤー選択ボタンが操作された場合の表示を示す図である。
レイヤー選択ボタン3がマウス等の入力手段を用いて選択されると、例えばレイヤー選択領域3aとしてのドロップダウンリストが表示されて、現在、画像表示領域4に表示されているフレームを構成するレイヤー群が一覧表示される。
レイヤー選択領域3aは、ボタン操作に応じて表示されるドロップダウンリストとしてはではなく、画像表示画面1内に常に表示されていてもよい。その場合、レイヤー選択ボタン3は不要である。
ここで、一例として、読み込まれたフレームは、最も奥行き側から最も手前側までのレイヤーL1からレイヤーL10までの10のレイヤーから構成されているものとする。
【0024】
図4に示すように、レイヤー選択領域3aは、例えば、各レイヤーに対応するチェックボックスを有し、各レイヤーの表示の有無の選択を受け付け可能になっている。
図4(a)は、初期状態におけるレイヤーの選択状態を示している。初期状態とは、フレームに含まれるレイヤー群を読み込んだ直後の状態である。図4(a)に示すように、初期状態とは、例えば、フレームに含まれる全てのレイヤー(レイヤーL1からレイヤーL10)が選択されている状態でもよい。
図4(a)に示す状態では、ドロップダウンリスト3aにおいて全てのチェックボックスにチェックが入っており、全てのレイヤーが表示対象となっている。
その結果、画像表示領域4には、レイヤーL1からL10が、奥行き方向から順に、全て重ねられた作成画像が表示される。
【0025】
本実施形態の設計支援装置10の利用者は、表示対象としないレイヤーについてはチェックボックスのチェックを外していくことで、表示させたいレイヤーのみからなる画像を画像表示領域4に表示させることが出来る。
あるいは、初期状態では、全てのレイヤーが非表示対象となっており、全てのチェックボックスにチェックが入っていない状態となっていてもよい。
この場合、設計支援装置10の利用者は、表示対象としたいレイヤーについてチェックボックスにチェックを入れていくことで、表示させたいレイヤーのみからなる作成画像を画像表示領域4に表示させることが出来る。
【0026】
図4(b)は、利用者による選択後のレイヤーの選択状態を示している。
図4(b)に示す状態では、レイヤー選択領域としてのドロップダウンリスト3aにおいて、レイヤーL4、レイヤーL5、レイヤーL10のチェックボックスのチェックが外され、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9のチェックボックスにチェックが入っている。
その結果、画像表示領域4には、レイヤーL1、レイヤーL2、レイヤーL3、レイヤーL6、レイヤーL7、レイヤーL8、レイヤーL9が、奥行き方向から手前側に順に、全て重ねられた作成画像が表示される。
【0027】
本実施形態の設計支援装置10では、画像表示画面1における画像表示領域4内に、あるいは画像表示領域4に隣接して、スケール状の目盛り画像5を有する。
この目盛り画像5は、読み込まれたレイヤー群、あるいはそこから表示のためにさらに選択されたレイヤー数に応じた目盛り数を有する。
例えば、図4(a)のチェックボックスで選択されているレイヤー数が「10」である場合、目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」までである。
なお、表示対象となるレイヤー数が多い場合には、表示される目盛りの数も、非常に多くなってしまう。その場合、図7を参照して後述するように、目盛り画像5の一部のみが表示されるようにしてもよい。
【0028】
また、図4(b)のチェックボックスで選択されたレイヤー数が「7」である場合、目盛り画像5の目盛りは、「0」から「7」までである。
さらに、目盛り画像5に隣接して、目盛りの値を指定するためのポインタ画像6が表示されている。
設計支援装置10では、目盛り画像5においてポインタ画像6で示される目盛りの値に応じた数のレイヤーが、画像表示領域4に表示される。
そして、設計支援装置10では、下記に説明するように、ポインタ画像6をマウス操作等によって目盛り画像5に対して移動させることで、表示するレイヤー数を増減させることが出来る。
上記のように、設計支援装置10は、重ねる画像(レイヤー)の数に対応する目盛り値を有する目盛り画像5を表示装置に表示させ、目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。そして、設計支援装置10は、指定された目盛りの値に応じた数のレイヤーを並べた作成画像を表示装置に表示させる。
【0029】
さらに、設計支援装置10は、目盛り画像5の目盛り値を指定するためのポインタ画像6を、画像表示画面1に表示させる。
そして、設計支援装置10はマウス等の入力装置の操作に応じたポインタ画像6の移動表示を受け付け、目盛り画像5に対するポインタ画像6の位置に基づいて目盛り画像5の目盛り値の指定を受け付ける。
設計支援装置10は、指定された目盛り画像5の目盛り値に応じた数の画像を並べて画像表示画面1に表示させる。
これにより、重ねて表示された各レイヤーの確認をGUI(Graphics User Interface)を用いた直感的な操作によってより容易に行うことが出来る。
【0030】
ポインタ画像6の移動に応じたレイヤーの表示態様を詳細に説明する。
図5図6は、ポインタ画像の移動に応じて変更されるレイヤーの表示数を説明する図である。
ここでは、図4(b)に示した操作によって、選択されたフレームに含まれる7つのレイヤーが表示対象として選択された場合を説明する。
図5(a)は、初期状態を示しており、ポインタ画像6は、目盛り画像5における整数の目盛り値(以下、整数値)「7」を指し示す位置に表示されている。整数値は、表示対象となるレイヤー数を示す値である。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から(奥行き側から)順に7枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側(下側から上側)に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8、7枚目のレイヤーL9よりなる作成画像が表示される。
図5では、各レイヤーをずらして表示する例を示しているが、各レイヤーを同じ位置に重ねて表示してもよい。このことは下記の説明においても同じである。
【0031】
図5(b)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「6」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に6枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6、5枚目のレイヤーL7、6枚目のレイヤーL8よりなる作成画像が表示される。
図5(c)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「4」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に4枚重ねて表示される。
すなわち、画像表示領域4において、奥行き側から手前側に向けて、1枚目のレイヤーL1、2枚目のレイヤーL2、3枚目のレイヤーL3、4枚目のレイヤーL6よりなる作成画像が表示される。
【0032】
図6(d)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が整数値「1」に移動された場合を示している。
この場合、表示対象となるレイヤーが、下から順に1枚表示される。すなわち、画像表示領域4において、1枚目のレイヤーL1の画像が表示される。
図6(e)は、マウス操作等によってポインタ画像6の表示位置が値「0」に移動された場合を示している。この場合、画像表示領域4に表示されるレイヤーはなくなる。
なお、ポインタ画像6が複数の整数値の間の目盛り値(小数の値)を指し示す場合、何れか近い方の整数値を指し示す位置にポインタ画像6が移動されるようにしてもよい。
また、整数値の前後では、整数値に吸い付くようにポインタ画像6を整数値の位置に移動表示させるマグネット表示をしてもよい。
例えば、ポインタ画像6が、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「5」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「5」を指し示す位置に移動表示される。その一方で、操作によって目盛り画像5の整数値「5」と整数値「6」間の「6」寄りの値を示す位置に移動された場合、ポインタ画像6は整数値「6」を指し示す位置に移動表示される。
【0033】
図7は、表示対象レイヤーの数が、目盛り画像に表示可能な目盛り数の上限を超える場合の表示態様を示す図である。
目盛り画像5に表示可能な目盛り数の上限を「5」とし、表示対象レイヤー数が「10」であるとする。表示可能な部分と、表示不可能な部分を含め、実質的に目盛り画像5の目盛りは「0」から「10」まで存在する。
この場合、図7(a)に示す初期表示では、目盛り画像5には、「0」から「10」までの値のうち、「0」から「5」が表示されている。「5」より大きい値は非表示である。すなわち、目盛り画像5のうち、「0」から「5」に含まれる部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は、「0」から「5」までの目盛り画像5の目盛り値の間で移動表示が可能である。
【0034】
ポインタ画像6が、図7(a)では非表示とされていた「5」以上の値まで移動された場合、目盛り画像5には、図7(b)や図7(c)のような表示が行われる。
例えば、図7(b)に示すように、目盛り画像5には、「3」から「8」までの目盛り値が表示される。「3」未満の値、「8」より大きい値は非表示である。
すなわち、目盛り画像5のうち、「3」から「8」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は「3」から「8」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0035】
あるいは図7(c)に示すように、目盛り画像5には、「5」から「10」までの目盛り値が表示される。「5」未満の目盛り値は非表示である。
すなわち、目盛り画像5のうち、「5」から「10」を含む部分が表示領域であり、それ以外の部分が非表示領域である。
この状態で、ポインタ画像6は「5」から「10」までの目盛りの値間の移動表示が可能である。
【0036】
下記に詳述するが、図7(a)、図7(b)、図7(c)における目盛り画像5の表示領域内でポインタ画像6が移動されている限りは、表示領域は変更されない。
ただし、例えば図7(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限(表示領域の下側)を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域は下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示がなされる。
下方へのスクロール表示の結果、表示領域は、図7(b)のような状態となる。
新たな表示領域が設定されているので、図7(b)の表示領域内で上下にポインタ画像6を移動表示しても、表示領域は変更されない(スクロール表示されない)。
【0037】
なお、例えば図7(a)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限(表示領域の上側)を超えて移動されようとした場合でも、すでに目盛り画像5の最上部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
図7(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限を超えて移動されようとした場合には、下限を超えた分だけ表示領域はさらに下方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示が行われる。
また、図7(b)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限を超えて移動されようとした場合には上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。すなわち、ポインタ画像6の移動に追随した表示領域のスクロール表示が行われる。
移動範囲の上限を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、図7(a)の状態に戻る。
【0038】
移動範囲の下限を超えたポインタ画像6の移動表示を続けると、図7(c)の状態に至る。
図7(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の下限を超えて移動されようとした場合、すでに目盛り画像5の最下部を表示しているので、表示領域のスクロール表示は行われない。
図7(c)の状態において、ポインタ画像6が移動範囲の上限を超えて移動されようとした場合には、上限を超えた分だけ表示領域は上方に移動していく。ポインタ画像6の移動に追随した、表示領域のスクロール表示がなされ、図7(b)のような状態に至る。
【0039】
このように、本実施形態の設計支援装置10は、ポインタ画像6の移動に応じて、目盛り画像5の一部を表示装置に表示させる。
これにより、設計支援装置10では、重ねるレイヤー数が多くなっても、目盛り画像5の一部を拡大表示することにより目盛り値の指定を容易にすることが出来る。
上記したように、設計支援装置10は、利用者が設定した表示対象レイヤーと、表示レイヤー数とを実機50に送信する。これにより、設計支援装置10は、実機50に作成画像に含まれるレイヤーを重ねて表示させることが出来る。
そして、設計支援装置10における動画像の表示と、実機50における動画像の表示とを比較して、各レイヤーについて意図通りの表示が実機50で行われているか否かを検証することが出来る。
設計支援装置10は、例えば、図4乃至図6で示す作成画像と同じレイヤー構造の表示画像を、実機50に表示させることにより、実機50の表示検証を実行することができる。
【0040】
図8は、本実施形態の設計支援装置で作成した動画像の表示を検証する第1の態様を説明する図である。
(1)設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10においてマウス操作等を行ってポインタ画像6を移動させ、重ねて表示するレイヤー数を指定する。
(2)ポインタ画像6の移動によってレイヤー数が決定されると、設計支援装置10は、画像表示装置15において、指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを表示する。
(3)設計支援装置10は、決定されたレイヤー数の情報を、実機50に送信する。
(4)実機50は、指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置60に表示する。
(5)設計支援装置10及び実機50双方で同じ状態のフレームを表示させ、利用者が目視にて双方の表示の一致確認を行う。この確認は、動画像を構成する1フレームずつ順次行うことが出来る。
同じ表示対象レイヤー及び同じ表示レイヤー数の設定で、動画像に含まれる一部又は全部のフレームを、設計支援装置10及び実機50に連続的に自動表示するようにしてもよい。利用者は、フレームを都度切り替えることなく、所望のシーンにおける表示検証を容易に、目視にて行うことが出来る。
【0041】
本実施形態において、利用者は、設計支援装置10の画像表示画面1に表示されるポインタ画像6を移動させる操作を行って重ねて表示するレイヤー数を変化させる。
この操作に連動して、設計支援装置10と実機50において、同じ状態でレイヤーが重ね合わされた動画像のフレームが表示されるので、利用者は目視にて一致判定を行うことが出来る。
このようにすることで、設計支援装置10で作成した動画像の実機50における表示状態を検証する効率を向上させ、時間及び人的コストを削減することが出来る。
【0042】
図9は、本実施形態の設計支援装置で作成した動画像の表示を検証する第2の態様を説明する図である。
(1)設計支援装置10の利用者は、設計支援装置10においてマウス操作等を行ってポインタ画像6を移動させ、重ねて表示するレイヤー数を指定する。
(2)ポインタ画像6の移動によってレイヤー数が決定されると、設計支援装置10は指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置15に表示する。
(3)設計支援装置10は、決定されたレイヤー数の情報を、実機50に送信する。
(4)実機50は、指定された数のレイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置60に表示する。
(5)画像表示装置60に表示するとともに、あるいは画像表示装置60に表示することなく、実機50は映像信号を設計支援装置10に送信する。
(6)設計支援装置10は、送信された映像信号をキャプチャした動画像のフレームを画像表示装置15に表示する。
(7)設計支援装置10及び実機50で同じ状態の映像を表示させることで、利用者が目視にて一致確認を行う。この確認は、動画像を構成する1フレームの画像ずつ順次行うことが出来る。
【0043】
利用者は、設計支援装置10の画像表示画面1に表示されるポインタ画像6を移動させる操作を行って重ねて表示するレイヤー数を変化させる。
この操作に連動して、設計支援装置10と実機50において同じ状態でレイヤーを重ねた動画像のフレームが表示され、利用者が目視で一致判定を行う。
このようにすることで、設計支援装置10と実機50の検証効率を向上させ時間及び人的コストを削減することが出来る。
さらに設計支援装置10の画像表示装置15上に、設計支援装置10上の作成画像と実機50での表示画像とを両方表示するので、利用者は、設計支援装置10と実機50を見比べる必要がない。
設計支援装置10と実機50とが必ずしも近接した位置に配置されているとは限らないことを考えると、図8の場合よりも効率的に目視による一致確認を行うことが出来る。
同じ表示対象レイヤー及び同じ表示レイヤー数の設定で、動画像に含まれる一部又は全部のフレームを、設計支援装置10及び実機50に連続的に自動表示するようにしてもよい。利用者は、フレームを切り替えることなく、設計支援装置10の画像表示装置15で、所望のシーンにおける表示検証を容易に目視にて行うことが出来る。
【0044】
なお、設計支援装置10は、利用者からの指示に応じて、設計支援装置10での作成画像に実機50での表示画像を重ねた、重ね画像を画像表示装置15に表示してもよい。
さらに、設計支援装置10は、利用者からの指示に応じて、作成画像、表示画像、及び上記重ね画像を切り替えてを画像表示装置15に表示してもよい。これにより、設計支援装置10は、目視での検証の効率を向上させることが出来る。
上記重ね画像は実機50の画像表示装置60に表示してもよい。
また重ね画像は、重ね情報(表示レイヤー数)に応じた数のレイヤーを重ねた作成画像と表示画像とを重ねた画像であってもよい。
指定した目盛りに対応するレイヤーについて、作成画像と表示画像とが重ねて表示されるので、利用者の目視による検証をより容易にすることが出来る。
設計支援装置10は、マウス、リモコン、及び音声などを用いた利用者の指示に応じて、作成画像と表示画像の表示を切り替え可能であってもよい。
【0045】
また、設計支援装置10は、作成画像と表示画像との一致率が閾値未満のため不一致と判定されたレイヤーを抽出し、利用者からの指示に応じて抽出されたレイヤーを切り替えながら表示する。これにより、利用者は、画像をレイヤーごとに確認し、作成画像のレイヤーと表示画像のレイヤーとの違いが許容出来る場合には、各画像を一致と判定するなど、より詳細な判定を実行することが出来る。
作成画像と表示画像との違いが許容出来る場合としては、レイヤーまたは不一致箇所が画像の要部ではないなどの状態などが考えられる。
【0046】
図10図11は、設計支援装置上の作成画像とキャプチャした表示画像との一致検証を自動化した態様を説明する概念図である。
図9で説明したように、設計支援装置10は、実機50で表示されている動画像をキャプチャして画像表示装置15に表示することが出来る。
設計支援装置10は、この状態で、作成画像と表示画像との一致検証を、例えばAI等を用いて自動的に行う。
例えば設計支援装置10は、作成画像を構成するレイヤー画像から例えばCNN(Convolutional Neural Network)を利用して学習モデルを作成し、この学習モデルを用いて表示画像を構成するレイヤーに対する推論を行う。設計支援装置10は、例えば、推論処理によって得られる作成画像と表示画像とが一致する確率の値が所定値以上のとき、作成画像と表示画像とが一致したと判断する。
【0047】
AIによる一致検証は、例えば、動画像のフレームを構成するレイヤー単位で実施され、設計支援装置10は、1フレームに含まれるレイヤーについて一致検証を自動的に行うことが出来る。
同じ表示対象レイヤー及び同じ表示レイヤー数の設定で、動画像に含まれる一部又は全部のフレームを、設計支援装置10及び実機50に連続的に自動表示するようにしてもよい。その場合、自動表示される全てのフレームに含まれるレイヤーについて順次、一致検証を自動的に行うことが出来る。
また、いわゆるAIの仕組みを行わずとも、設計支援装置10は、作成画像と表示画像とをパターンマッチングによって比較し、算出される一致度合いによって一致検証を行ってもよい。
【0048】
パターンマッチングにおいて、設計支援装置10は例えば、作成画像と表示画像のそれぞれから取り出したRGBのいずれかの成分を取り出す。
例えばR成分を取り出すとすると、設計支援装置10は、作成画像、表示画像それぞれのR成分における画素毎の濃淡の情報などを数値に置き換える。そして設計支援装置10は、この数値を作成画像と表示画像とで比較することにより、作成画像と表示画像の一致度合いを決定する。すなわち、設計支援装置10は、作成画像及び表示画像を構成する同一のレイヤー毎に、画素単位で上記数値の一致又は不一致を判定する。
設計支援装置10は、画素単位の判定の結果不一致となる画素が存在しなければ(完全一致)、そのレイヤーについて作成画像及び表示画像の間に不一致がないと判定する。
あるいは、設計支援装置10は、不一致の画素があったとしても、一致率が所定の閾値以上であれば(不一致率が所定の閾値以下であれば)、そのレイヤーについては作成画像及び表示画像の間に不一致がないと判定するようにしてもよい。
設計支援装置10は、図10で説明したAI等によって自動的に一致検証を行った結果ログを図11に示すように、画像表示装置15に表示する。
結果ログは、作成画像と表示画像との間で不一致があったレイヤーをリスト表示するものである。これを確認することで、利用者は表示画像との間で不一致があるレイヤーを特定することが出来る。不具合があったレイヤーが動画像の中でのどの時間のフレームに属するものであるのか表示してもよい。AIやパターンマッチング等を用いた一致検証は上記のようにレイヤー毎に行ってもよいが、レイヤーを重ねた状態でのフレーム単位で行ってもよい。レイヤー単位での検証に比べて簡便に、しかし目視に比べれば詳細に一致検証を行うことが出来る。
【0049】
本実施形態において、利用者は、設計支援装置10の画像表示画面1に表示されるポインタ画像6を移動させる操作を行って重ねて表示するレイヤー数を変化させる。
この操作に連動して、設計支援装置10と実機50には、同じ状態で重ね合わされたレイヤーが表示されるので、利用者は作成画像と表示画像とに含まれる各レイヤーの一致判定を、目視で行うことができる。
また、設計支援装置10の画像表示装置15上に設計支援装置10上の作成画像と実機50での表示画像とを両方表示してもよい。
【0050】
重ねて表示するレイヤー数を順次変化させながら目視による検証を行っていき、両画像の表示に不一致があると考えられた画像を構成するレイヤーに対してAI等による検証を実行する。このとき、AI等による検証が行われるのは、不一致が見られた作成画像と表示画像を構成するレイヤーのみである。
動画像のフレームを構成するすべてのレイヤーについてAI等による検証をすることがなく、設計支援装置10の処理負荷を抑えつつ短期間で必要な一致検証を行うことが出来る。
【0051】
なお、特定の一つのレイヤー同士を目視あるいはAIやパターンマッチング等を用いて詳細に検討したい場合には、図4で説明した表示レイヤーの選択操作を行い、特定のレイヤーを選択する。
そのレイヤーのみの画像が設計支援装置10、実機50に表示されるので、利用者は、目視でも特定のレイヤーについて正確に検討可能である。1つのレイヤーに関しては、上記したAIやパターンマッチング等による検証も高速で実行可能である。
【0052】
特定のオブジェクトに関連するレイヤーのみについて検討したい場合も同様である。
例えば図4においてキャラクターを構成するレイヤーのみについて一致検証を行いたい場合は、キャラクターに関連するレイヤーL6〜L10のみを選択し、これらを重ねた動画像のフレームを設計支援装置10、実機50に表示させる。
この状態で、上記に説明した操作によって重ねレイヤー数を減らしながら、設計支援装置10における作成画像、実機50での表示画像を見比べ、不具合があった重ね状態でAI等による一致検証を行うことが出来る。
複数のレイヤーから構成される動画像のフレームについて全てのレイヤーが選択されている状態では、最下層から重ねるレイヤーを増やしていくのみで、下層側を排した上側のレイヤーについてのみ、あるは特定のオブジェクトに係わるレイヤーについてのみ目視等による検証を行うことは難しい。それに対して、図4で説明した操作よって特定のレイヤーを選択することで、特定のオブジェクトに係わるレイヤーについてのみ目視等による検証を行うことが出来る。
【0053】
図12は、本実施形態に係る設計支援装置の機能構成を示すブロック図ある。
設計支援装置10は、制御部10Aと、記憶部10Bと、を備えている。
また設計支援装置10は、実機50とケーブルを介して接続されて信号を入出力するための入出力部16を備えている。入出力される信号は、設計支援装置10で決定した表示レイヤー数、この表示レイヤー数に基づいて実機50で再生出力された動画像の映像信号である。
【0054】
制御部10Aは、受付部21と、選択部22と、設定部23と、表示部24と、決定部25と、指示部26と、取得部27と、検証部28と、を備える。
記憶部10Bは、表示対象レイヤー情報記憶部35、ポインタ位置情報記憶部36、及び表示レイヤー数情報記憶部37を記憶する。
また、記憶部10Bは、複数のレイヤーを含むフレームを時系列で並べた1以上のプロジェクトデータを記憶する。
プロジェクトデータは、設計支援装置10と通信可能に接続された記憶装置に記憶されてもよい。また、プロジェクトデータは、設計支援装置10がネットワークを介して接続可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0055】
受付部21は、マウス等の入力装置13を用いた操作を受け付ける。
選択部22は、プロジェクトデータの選択を受け付けるダイアログを画像表示画面1に表示させる。そして、選択部22は、ダイアログ画面を用いて利用者により選択されたプロジェクトデータを読み出す。ダイアログは、例えば、画像表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。
選択部22は、読みだしたプロジェクトデータに含まれるフレームを一覧表示する。また、選択部22は、フレーム表示領域40を画像表示画面1に表示する。そして、選択部22は、フレーム表示領域40に含まれるフレームの選択を受け付ける。選択部22は、フレームが選択されると、選択されたフレームをプロジェクトデータから読み出す。フレーム表示領域40は、例えば、画像表示画面1の一部の領域に表示されてもよい。また、選択部22は、例えば、フレーム表示領域40をユーザインターフェースとして用いて、利用者によるフレームの選択を受け付ける。
選択部22は、読み出されたフレームに含まれるレイヤーのうち、表示対象とするレイヤーを利用者に選択させるダイアログ(図4のドロップダウンリスト等)を、画像表示画面1に表示させる。そして、選択部22は、利用者によるレイヤーの選択を受け付ける。
【0056】
設定部23は、読み込まれたフレーム、及び選択部22によって選択された情報に基づいて、表示対象とするレイヤーの情報を表示対象レイヤー情報記憶部35に格納する。表示対象レイヤー情報記憶部35には、表示対象レイヤーの奥行き方向の前後関係(重ね順)の情報も記憶される。
選択部22による表示対象レイヤーの選択が行われなかった場合には、設定部23は、レイヤー群に含まれる全てのレイヤーを表示対象レイヤーとして設定する。また、選択部22による選択が行われた場合には、設定部23は、選択に係るレイヤーを表示対象レイヤーとして設定する。
【0057】
表示部24は、表示対象レイヤー情報記憶部35に格納された表示対象レイヤー情報に基づく表示対象レイヤー数を参照する。そして、表示部24は、参照した表示対象レイヤー数に応じた目盛り値を有する目盛り画像5を、画像表示装置15に表示する。さらに、表示部24は、目盛り画像5に含まれる目盛り値を指定する、ポインタ画像6を画像表示装置15に表示する。
表示部24は、入力装置13の操作に応じた入力に基づいて、ポインタ画像6を移動させる。そして、表示部24は、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値を、ポインタ位置情報記憶部36に格納する。
表示部24は、表示対象レイヤー情報記憶部35に格納された表示対象レイヤー情報に応じたレイヤーを、表示レイヤー数情報記憶部37に格納された表示レイヤー数に応じた数だけ画像表示装置15上の画像表示領域4に表示する。
表示部24は、作成画像を、画像表示装置15に表示する処理を行う。表示部24は、取得部27が取得した映像信号に対応する表示画像を、画像表示装置15に表示させる処理を行う。表示部24は、例えば、映像信号が動画像である場合には、取得部27が取得した動画像に含まれる、作成画像に対応するフレームを表示画像として画像表示装置15に表示させる。
表示部24は、検証部28の検証により不一致が見つかった作成画像のレイヤー及び表示画像のレイヤーと、不一致が見つかった時間と、その他の情報を一致検証ログとして画像表示装置15に表示する。
【0058】
決定部25は、ポインタ位置情報記憶部36に格納された目盛り画像5の目盛り値に基づいて、実際に表示する表示レイヤー数を決定し、決定した表示レイヤー数を、表示レイヤー数情報記憶部37に格納する。
指示部26は、決定部25が決定した、あるいは表示レイヤー数情報記憶部37に格納された表示レイヤー数を、入出力部16を介して表示指示コマンドとして実機50に送信し、レイヤーを重ねた動画像のフレームを画像表示装置60に表示させる指示を行う。
取得部27は、表示指示コマンドに基づいて実機50が表示した動画像を、入出力部16を介して取得する(キャプチャする)処理を行う。
検証部28は、表示部24が表示する設計支援装置10の作成画像と、実機50の表示画像とを比較し、互いの表示画像の一致検証を行う。
生成部29は、表示対象レイヤーを用いて、表示対象レイヤーを重ねた作成画像を生成する。
上述の説明では、指示部26は、表示指示コマンドを実機50に送信するものとして説明したが、動画像の生成を指示する生成指示コマンドを実機50に送信してもよい。この場合には、実機50は、生成指示コマンドに応じて、動画像を生成し、設計支援装置10に生成した動画像を出力する。取得部27は、生成指示コマンドに応じて実機50が生成した動画像を取得する。そして、表示部24は、取得部27が取得した動画像に含まれる、作成画像に対応するフレームを表示画像として画像表示装置15に表示させる。
また、指示部26は、描画コマンドの生成を指示する生成指示コマンドを実機50に送信してもよい。この場合には、実機50は、生成指示コマンドに応じて、描画コマンドを生成し、設計支援装置10に生成した描画コマンドを出力する。取得部27は、生成指示コマンドに応じて実機50が生成した描画コマンドを取得する。生成部29は、取得部27が取得した描画コマンドに従って動画像を生成する。そして、表示部24は、生成部29が生成した動画像に含まれる、作成画像に対応するフレームを表示画像として画像表示装置15に表示させる。
以上により、設計支援装置10は、画像表示装置15に作成画像と表示画像とを並べて表示する。これにより、設計支援装置10は、利用者による一致検証を容易にすることができる。
なお、実機50が生成した動画像及び描画コマンドのことを、画像情報ともいう。但し画像情報は、動画像及び描画コマンドの少なくとも一方を含んでもよい。
すなわち、設計支援装置10は、実機50で生成された画像情報を用いて、実機50で生成されるものと同じ、画像情報に対応する表示画像を画像表示装置15に表示する。
【0059】
図13は、本実施形態の設計支援装置が実行する初期表示処理を説明するフローチャートである。
なお、ここでは、選択部22によって、プロジェクトデータが読み込まれ、図3に示す状態でフレームが展開表示されているものとする。
ステップS101において、選択部22は、図3に示したフレーム表示領域40で一のフレームが選択されたか否かを判定する。
選択が行われたと判定した場合(ステップS101でYes)、選択部22は、ステップS102において、選択されたフレームのデータを読み出す。
【0060】
設定部23は、ステップS103において、該当のフレームに含まれる全てのレイヤーを表示対象として設定した表示対象レイヤー情報を、表示対象レイヤー情報記憶部35に格納する。
次に決定部25は、ステップS104において、表示対象として設定されたレイヤー数を表示レイヤー数情報として設定し、表示レイヤー数情報記憶部37に格納する。
表示部24は、ステップS105において、表示レイヤー数に応じた目盛り数の目盛りを表示する。
表示部24は、ステップS106において、目盛りの初期表示位置にポインタ画像6を表示する。初期表示位置は、例えば目盛り画像5の最大の目盛り値である。
表示部24は、ステップS107において、表示対象として設定されている全てのレイヤーを、最も奥行き側の1枚目から手前側に重ねて画像表示領域4に表示させる。
指示部26は、ステップS108において、表示対象として設定されている全てのレイヤーを重ねた動画像のフレームを表示するように指示する表示指示コマンドを実機50に送信する。
【0061】
フレームの選択がないと判定した場合(ステップS101でNo)、設定部23は、ステップS109において、選択部22によってレイヤー選択領域3aを用いた表示対象レイヤーの選択が行われたか否かを判定する。
表示対象レイヤーの選択が行われたと判定した場合(ステップS109でYes)、設定部23は、ステップS110において、選択されたレイヤーを表示対象として設定した表示対象レイヤー情報を、表示対象レイヤー情報記憶部35に格納する。
その後、表示部24は、表示対象レイヤー情報に基づいて、ステップS104〜S108の処理を実行する。すなわち、表示部24は、選択されたレイヤー数に応じた目盛り数の目盛り画像5を表示し、ポインタ画像6を初期表示位置に表示し、選択されたレイヤーを1枚目から手前側に重ねて表示する。
表示対象レイヤーの選択が行われなかったと判定した場合(ステップS109でNo)、設定部23は何もせずに処理を終了する。あるいは設定部23はフレームの選択を待機する。
【0062】
図14は、本実施形態の設計支援装置が実行するポインタ移動時処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の設計支援装置10では、図5図6に示したように、ポインタ画像6の移動に伴って、ポインタ画像6が指し示す目盛り画像5の目盛り値に応じた数の表示対象レイヤーを重ねて表示する。
そして、目盛り画像5は、図7で説明したように、その一部が(拡大されて)表示されており、ポインタ画像6の移動に応じて、表示する領域を変化させていく。
表示部24は、ステップS201において、マウス等の入力装置13によるポインタ画像6の移動操作がなされたか否かを判定する。
ポインタ画像6の移動操作がされていないと判定した場合(ステップS201でNo)、表示部24は、そのまま処理を終了する。あるいは、表示部24は、ポインタ画像6の移動操作を待機する。
【0063】
ポインタ画像6の移動操作がなされたと判定した場合(ステップS201でYes)、表示部24は、ステップS202において、移動操作に追随したポインタ画像6の移動表示を開始する。
そして、表示部24は、ステップS203において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上であるか否か、すなわち、図4図5における上方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、図7に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えたか否かを判定する。
【0064】
ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上でないと判定した場合(ステップS203でNo)、表示部24は、ステップS204の処理を実行する。なお、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の上限以上でないとは、ポインタ画像6の移動先が現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっている状態である。
表示部24は、ステップS204において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下であるか否かを判定する。すなわち、表示部24は、図4図5における下方向に行われたマウス等操作によるポインタ画像6の移動が、図7に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えたか否かを判定する。
【0065】
表示部24において、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下ではないと判定された場合(ステップS204でNo)、決定部25は、ステップS205の処理を実行する。なお、ポインタ画像6の移動量が移動範囲の下限以下でないとは、ポインタ画像6の移動先が、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示す現在の目盛り画像5の表示領域内に留まっている状態である。
決定部25は、S205において、表示領域内で移動した後のポインタ画像の目盛り画像5に対する位置情報(目盛り値)に基づいて表示レイヤー数を決定する。
そして、表示部24は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
指示部26は、ステップS207において、決定した表示レイヤー数を、実機50に送信し、表示レイヤー数に基づいて重ねたフレームの表示を実機50に指示する。
【0066】
ステップS203において、ポインタの移動量が移動範囲上限以上の移動量であると判定した場合(ステップS203でYes)、表示部24は、ステップS208の処理を実行する。なお、ポインタの移動量が移動範囲上限以上の移動量であるとは、ポインタ画像6の移動が、図7に示した目盛り画像5の表示領域の上限を超えた状態である。
表示部24は、S208において、移動範囲(表示領域)の上限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を上側に移動する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0067】
表示部24は、ステップS209において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の上限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の上限に到達したと判定した場合(ステップS209でYes)、表示部24は、ステップS210において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、図7(a)の状態に相当する。
決定部25は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部24は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいてレイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0068】
表示部24において、図7(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の上限に到達していないと判定された場合(ステップS209でNo)、決定部25は、ステップS205の処理を実行する。
決定部25は、S205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部24は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0069】
ステップS204において、ポインタの移動量が移動範囲下限以上の移動量であると判定した場合(ステップS204でYes)、表示部24は、ステップS211の処理を実行する。なお、ポインタの移動量が移動範囲下限以上の移動量であるとは、ポインタ画像6の移動が、図7に示した目盛り画像5の表示領域の下限を超えた状態である。
表示部24は、S211において、移動範囲の下限を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、目盛り画像5の表示領域を下側に移動する。
すなわち、ポインタ画像6が現在の表示領域を超えて移動表示されようとすると、目盛り画像5は、それに追随し、表示領域を超えたポインタ画像6の移動量分だけ、スクロール表示される。
【0070】
表示部24は、ステップS212において、目盛り画像5の表示領域が、目盛り画像5の下限に到達したか否かを判定する。
表示領域が目盛り画像5の下限に到達したと判定した場合(ステップS212でYes)、表示部24は、ステップS210において、目盛り画像5の表示領域の移動を固定する。これは、図7(c)の状態に相当する。
決定部25は、ステップS205において、ポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部24は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
【0071】
図7(b)に示されるように表示領域が目盛り画像5の下限に到達していないと判定した場合(ステップS212でNo)、決定部25は、ステップS205において、ポインタ画像6の目盛り画像5に対するポインタ位置情報に基づいて表示レイヤー数を決定する。そして、表示部24は、ステップS206において、決定した表示レイヤー数に基づいて、レイヤーを最も奥行き側から重ねて表示する。
表示部24は、上記の処理により、ポインタ画像6の移動に合わせて逐次出力されるポインタ画像6の目盛り画像5に対する位置情報に合わせて、表示レイヤー数を順次変化させる。
【0072】
なお目盛り画像5は、図示したものに限らず、横方向に長い態様であってもよい。
また目盛り画像5は、図示したスケール状のものに限らず、ダイヤル状のものであってもよい。その場合、利用者は、マウス等の入力装置13を用いて、ダイヤルを回転させる操作を行うことにより、表示されるレイヤー数を変更することが出来る。
レイヤー上の画像は、静止画像であっても、動画像又はそのフレームであってもよい。
【0073】
図3図6において、各レイヤーは互いにずれて表示されているが、これはレイヤーの重なり、及び重ねられているレイヤーを説明するための便宜上の表示である。
実際には、必ずしも図3図6のように各レイヤーがずれて表示される必要は無い。
ただし、本実施形態の設計支援装置10を実現する場合に、レイヤーの重なり具合を強調表示するために図3図6のように各レイヤーを互いにずらして表示するようにしてもよい。
【0074】
上記に説明したように、本実施形態の設計支援装置10によれば、複数のレイヤーからなる画像について、目盛り画像に対するポインタ画像の移動表示を行うことによって表示レイヤー数を増減させることが出来る。
利用者が選択した複数のレイヤーからなる動画像のフレームを実機50に表示させた状態で、ポインタの移動表示を行うことで、重ねて表示するレイヤー数を変更した作成画像の実機50での表示態様を確認することが出来る。
これにより、複数レイヤーからなる動画像のフレームにおいて、どのレイヤーが意図通りに実機50で表示できていないかを簡単な操作で検証することが出来る。
【0075】
図15は、実機における画像表示処理を説明するフローチャートである。
例えば画像制御基板53のCPU53aは、ステップS301において、表示指示コマンドを設計支援装置から受信したか否かを判定する。
表示指示コマンドを受信したと判定した場合(ステップS301でYes)、ステップ302において、CPU53aはVDP55を制御して、表示指示コマンドで指定されている表示対象レイヤーを結合した動画像のフレームを画像表示装置60に表示させる。
ステップS305において、CPU53aは、表示した動画像の映像信号を設計支援装置10に送信する制御を行って処理を終了する。
表示指示コマンドを受信しなかったと判定した場合(ステップS301でNo)、CPU53aは、ステップS303において、表示レイヤー数を指定するコマンドを受信したか否かを判定する。
【0076】
表示レイヤー数を指定するコマンドを受信したと判定した場合(ステップS303でYes)、CPU53aは、ステップS304において、指示された数のレイヤーを結合して動画像のフレームを表示する。
ステップS305において、CPU53aは、表示した動画像の映像信号を設計支援装置10に送信する制御を行って処理を終了する。
ステップS305の、表示した動画像の映像信号を設計支援装置10に送信する処理は自動的に行われるのではなく、設計支援装置10からの要求に応じて行われてもよい。
表示レイヤー数を指定するコマンドは、表示指示コマンドとともに送信されてもよく、表示レイヤー数の指定は、表示指示コマンド内で行われてもよい。
【0077】
図16は、本実施形態の設計支援装置が実行する検証処理を説明するフローチャートである。
取得部27は、ステップS401において、実機50から映像信号を受信したか否かを判定する。
映像信号を受信したと判定した場合(ステップS401でYes)、検証部28は、ステップS402において、受信した映像信号に含まれる一のレイヤーと、それに対応する作成画像のレイヤーと、を比較して一致度合いを検証する。
一致度合いの検証は、一のレイヤーについて、上記の説明した濃淡情報に基づく数値を作成画像と表示画像の画素毎に比較したときの一致率や、AI推論の確率値によって行う。
ステップS403において、検証部28は、当該レイヤーについて、上記一致率や確率値が所定の閾値以上か否かを判定する。
一致率や確率が閾値以上であったと判定した場合(ステップS403でYes)、検証部28は、そのレイヤーについては問題がないと判定し特に何も行わない。また、一致率や確率が閾値以上でなかったと判定した場合(ステップS403でNo)、検証部28は、ステップS406において、当該フレームを不一致として、関連情報とともに記録する。
検証部28は、ステップS404において、当該レイヤーが、受信した映像信号に含まれる最後のレイヤー(最終レイヤー)であったか否かを判定する。
最後のレイヤーではなかったと判定した場合(ステップS404でNo)、検証部28は、ステップS402に処理を戻す。
最後のレイヤーであったと判定した場合(ステップS404でYes)、ステップS405において、表示部24は、ステップS406で記録した情報をもとに検証結果を画像表示装置15に表示する。
上記したように複数フレームを設計支援措置10と実機50で自動表示する場合は、次のフレームについて、図16の処理を繰り返す。
【0078】
図17は、コンピュータ装置の一実施例を示すブロック図である。
図17を参照して、コンピュータ装置200の構成について説明する。
図17において、コンピュータ装置200は、制御回路201と、記憶装置202と、読書装置203と、記録媒体204と、通信インターフェイス205と、入出力インターフェイス206と、入力装置207と、表示装置208とを含む。また、通信インターフェイス205は、ネットワーク300と接続される。そして、各構成要素は、バス210により接続される。
設計支援装置10は、コンピュータ装置200に記載の構成要素の一部または全てを適宜選択して構成することが出来る。
【0079】
制御回路201は、コンピュータ装置200全体の制御をする。制御回路201は、例えば、Central Processing Unit(CPU)などのプロセッサである。制御回路201は、例えば、図12における制御部10Aとして機能する。
記憶装置202は、各種データを記憶する。そして、記憶装置202は、例えば、Read Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)などのメモリや、Hard Disk(HD)などである。記憶装置202は、制御回路201を、制御部10Aとして機能させるプログラムを記憶してもよい。記憶装置202は、例えば、図12における記憶部10Bとして機能する。
【0080】
設計支援装置10は、記憶装置202に記憶されたプログラムをRAMに読み出す。
設計支援装置10は、RAMに読み出されたプログラムを制御回路201で実行することにより、受付処理、選択処理、設定処理、表示処理、決定処理、指示処理、取得処理、検証処理のいずれか1以上を含む処理を実行する。
なおプログラムは、制御回路201が通信インターフェイス205を介してアクセス可能であれば、ネットワーク300上のサーバが有する記憶装置に記憶されていても良い。
読書装置203は、制御回路201に制御され、着脱可能な記録媒体204のデータのリード/ライトを行なう。
記録媒体204は、各種データを保存する。記録媒体204は、例えば、取引処理プログラムを記憶する。記録媒体204は、例えば、Secure Digital(SD)メモリーカード、Floppy Disk(FD)、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disk(DVD)、Blu−ray(登録商標) Disk(BD)、及びフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(非一時的記録媒体)である。
【0081】
通信インターフェイス205は、ネットワーク300を介してコンピュータ装置200と他の装置とを通信可能に接続する。
入出力インターフェイス206は、例えば、各種入力装置と着脱可能に接続するインターフェイスである。入出力インターフェイス206は、接続された各種入力装置とコンピュータ装置200とを通信可能に接続する。そして、入出力インターフェイス206は、接続された各種入力装置から入力された信号を、バス210を介して制御回路201に出力する。また、入出力インターフェイス206は、制御回路201から出力された信号を、バス210を介して入出力装置に出力する。入力装置は、例えば、キーボード、及びマウスなどである。入力装置は、例えば、図12において、入力装置13として機能する。また、入出力インターフェイス206は、例えば、図12において、受付部21として機能する。
また、入出力インターフェイス206は入出力部16として機能しケーブルを介してコンピュータ装置200と遊技機の実機50などの外部装置とを接続する。
【0082】
表示装置208は、各種情報を表示する。ネットワーク300は、例えば、LAN、無線通信、P2Pネットワーク、またはインターネットなどであり、コンピュータ装置200と他の装置を通信接続する。
なお、本実施形態は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることが出来る。
【符号の説明】
【0083】
1…画像表示画面、2…プロジェクト選択ボタン、3…レイヤー選択ボタン、4…画像表示領域、5…目盛り画像、6…ポインタ画像、10…設計支援装置、10A…制御部、10B…記憶部、13…入力装置、15…画像表示装置、16…入出力部、21…受付部、22…選択部、23…設定部、24…表示部、25…決定部、26…指示部、27…取得部、28…検証部、31…表示レイヤー情報記憶部、35…表示対象レイヤー情報記憶部、36…ポインタ位置情報記憶部、37…表示レイヤー数情報記憶部、40…フレーム表示領域、50…実機、60…画像表示装置、100…システム、200…コンピュータ装置、201…制御回路、202…記憶装置、203…読書装置、204…記録媒体、205…通信インターフェイス、206…入出力インターフェイス、207…表示装置、208…表示装置、210…バス、300…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17