【課題】回転除振部によりベースとブラケットとの相対的な滑りを防止すると共に接触により回転方向の振動を低減し、水平除振部によりブラケットと熱画像カメラとの相対的な滑りを防止すると共に接触により一方向の振動を低減することのできる、熱画像監視装置及びそれを含む配電盤を提供する。
【解決手段】本発明による熱画像監視装置は、配電盤内に配置される固定プレート5に固定されるベース100と、ベース100に結合され、ベース100となす角度を調整できるように形成されるブラケット200と、ブラケット200に結合され、ブラケット200上に結合される位置によって向きを調整できるように形成される熱画像カメラ300と、ベース100とブラケット200の結合位置及びブラケット200と熱画像カメラ300の結合位置の少なくとも一方に備えられ、固定プレート5から伝達される振動を低減する除振部とを含む。
前記結合溝の内部には、前記ベースと前記固定プレートを結合する結合手段の少なくとも一部が係止される係止片が形成される、請求項3〜6のいずれかに記載の熱画像監視装置。
前記ブラケット本体の前面には、前記複数の長孔間に形成され、前記熱画像カメラの一面に接触して前記熱画像カメラの移動に伴う振動を低減する水平除振部一面が形成される、請求項11に記載の熱画像監視装置。
前記水平除振部一面は、表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸からなり、前記ブラケットの長手方向と同じ方向に形成される、請求項12に記載の熱画像監視装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の配電盤においては、前述したように配電盤の内部で電気的/熱的/化学的ストレスや振動が発生することがあり、特に、配電盤内部の振動により配電盤の内部に設けられた熱画像監視装置が元の位置から離脱することがある。
【0006】
すなわち、配電盤内部の振動により熱画像監視装置が移動して監視対象地点ではない他の地点を映したり、配電盤の内部に設置された構造が劣化して設置地点から離脱するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決できる熱画像監視装置及びそれを含む配電盤を提供することにある。
【0008】
具体的には、本発明の目的は、配電盤内に配置される固定プレートに固定されるベースと、前記ベースに結合され、前記ベースとなす角度を調整できるように形成されるブラケットと、前記ブラケットに結合され、前記ブラケット上に結合される位置によって向きを調整できるように形成される熱画像カメラと、前記ベースと前記ブラケットの結合位置及び前記ブラケットと前記熱画像カメラの結合位置の少なくとも一方に備えられ、前記固定プレートから伝達される振動を低減する除振部とを含む、熱画像監視装置及びそれを含む配電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明による熱画像監視装置は、配電盤内に配置される固定プレートに固定されるベースと、前記ベースに結合され、前記ベースとなす角度を調整できるように形成されるブラケットと、前記ブラケットに結合され、前記ブラケット上に結合される位置によって向きを調整できるように形成される熱画像カメラと、前記ベースと前記ブラケットの結合位置及び前記ブラケットと前記熱画像カメラの結合位置の少なくとも一方に備えられ、前記固定プレートから伝達される振動を低減する除振部とを含む。
【0010】
また、前記除振部は、前記熱画像カメラの回転に伴う振動を低減する回転除振部と、前記熱画像カメラの左右移動に伴う振動を低減する水平除振部の少なくとも一方を含んでもよい。
【0011】
さらに、前記ベースは、前記固定プレート上に配置できるように形成されるベース本体と、前記ベース本体の外側から突設され、前記ブラケットと結合できるように形成されるベース突出結合部とを含み、前記ベース本体には、円周に沿って形成される結合溝が備えられてもよい。
【0012】
さらに、前記ベース突出結合部は、結合手段が挿入される結合孔が形成されるラウンド部と、前記ブラケットと結合される前記ラウンド部の一面に形成される回転除振部一面と、前記ラウンド部の一面から突設され、下向きに凹んだ円周曲面を有する回転ガイドとを含んでもよい。
【0013】
さらに、前記回転除振部一面は、前記結合孔を囲んで配置されてもよい。
【0014】
さらに、前記回転除振部一面は、前記ラウンド部の表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸が繰り返される形状に形成されてもよい。
【0015】
さらに、前記結合溝の内部には、前記ベースと前記固定プレートを結合する結合手段の少なくとも一部が係止される係止片が形成されてもよい。
【0016】
さらに、前記ブラケットは、前面が凸状に屈曲形成されるブラケット本体と、前記ブラケット本体の背面から突設され、前記ベース突出結合部に結合されるブラケット突出結合部とを含んでもよい。
【0017】
さらに、前記ブラケット突出結合部は、前記ラウンド部に結合されると前記結合孔に連通する開口部が形成されるラウンド部結合部と、前記ラウンド部結合部の一側に形成され、前記回転除振部一面に接触して前記ブラケットの回転に伴う振動を低減する回転除振部他面と、前記ラウンド部結合部の他側から突設され、前記ブラケットが前記ベースに対して1つの軸を中心に回転する際に前記回転ガイドに隣接して回転する回転突起部とを含んでもよい。
【0018】
さらに、前記回転除振部一面及び前記回転除振部他面の少なくとも一方は、表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸が繰り返されてもよい。
【0019】
さらに、前記ブラケット本体には、長手方向に互いに離隔して配置される複数の長孔が形成され、前記熱画像カメラは、前記複数の長孔のうち1つ以上の長孔を貫通して挿入される熱画像カメラ結合手段により前記ブラケットに固定されるように構成され、前記ブラケットへの装着位置が変更可能であってもよい。
【0020】
さらに、前記ブラケット本体の前面には、前記複数の長孔間に形成され、前記熱画像カメラの一面に接触して前記熱画像カメラの移動に伴う振動を低減する水平除振部一面が形成されてもよい。
【0021】
さらに、前記水平除振部一面は、表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸からなり、前記ブラケットの長手方向と同じ方向に形成されてもよい。
【0022】
さらに、前記ブラケットの両端には、前記熱画像カメラから延びるケーブルが挿入されるケーブル孔が形成されてもよい。
【0023】
さらに、前記熱画像カメラの背面は、前面が凸状に屈曲形成される前記ブラケット本体に対応するように、内側に凹んだ凹陥部を含んでもよい。
【0024】
さらに、前記凹陥部は、前記ブラケット本体の長手方向に対応して形成され、2つ以上形成されて交差するように配置されてもよい。
【0025】
さらに、前記凹陥部には、前記水平除振部一面に接触して一方向の振動を低減する水平除振部他面が形成されてもよい。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明による配電盤は、内部に空間が形成されるキャビネットと、前記キャビネットにおいて前記空間に配置される電力部品から離隔して設置される固定プレートと、前記固定プレートに設置されて前記電力部品の温度を検知する熱画像監視装置とを含み、前記熱画像監視装置は、前記固定プレートに固定されるベースと、前記ベースに結合され、前記ベースとなす角度を調整できるように形成されるブラケットと、前記ブラケットに結合され、前記ブラケット上に結合される位置によって向きを調整できるように形成される熱画像カメラと、前記ベースと前記ブラケットの結合位置及び前記ブラケットと前記熱画像カメラの結合位置の少なくとも一方に備えられ、前記固定プレートから伝達される振動を低減する除振部とを含む。
【0027】
また、前記除振部は、前記熱画像カメラの回転に伴う振動を低減する回転除振部と、前記熱画像カメラの左右移動に伴う振動を低減する水平除振部の少なくとも一方を含んでもよい。
【0028】
さらに、前記ベースは、前記固定プレートに対して一軸を中心に回転させて固定可能であり、前記ブラケットは、前記ベースに対して前記一軸に垂直な他軸を中心に回転させて固定可能であり、前記熱画像カメラは、前記ブラケットに対して前記一軸及び前記他軸に直交する直交軸を中心に回転させて固定可能であってもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明においては、ベースから突設されるベース突出結合部とブラケットから突設されるブラケット突出結合部とが結合されるので、ベースに対するブラケットの1つの軸を中心とする回転を容易にする空間が設けられる。
【0030】
また、熱画像監視装置は、固定プレートに対して互いに直交する3軸を中心に自由に回転させてから固定することができる。このように熱画像カメラを設置する位置の自由度が高まることにより、熱画像監視装置が配電盤内部の目的とする電力部品を向くように容易に角度を変更することができる。
【0031】
さらに、回転除振部は、ベースとブラケットとの相対的な滑りを防止することができるだけでなく、接触により回転方向の振動を低減することができる。それに加え、水平除振部は、ブラケットと熱画像カメラとの相対的な滑りを防止することができるだけでなく、接触により一方向の振動を低減することができる。
【0032】
さらに、ブラケットの回転突起部は、回転ガイドに隣接して回転するので、ブラケットが振動により上下に動く際に回転突起部が回転ガイドに支持され、上下方向の振動が低減される。
【0033】
さらに、熱画像カメラは、交差する凹陥部を備えるので、ユーザの利便性のために、かつ、監視対象である電力部品の配置地点を向くようにするために、ブラケットに対して様々な方向に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による熱画像監視装置について詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の一実施形態による配電盤の内部を示す側面図である。
【0037】
本発明の一実施形態による配電盤は、キャビネット1、固定プレート5及び熱画像監視装置Aを含む。配電盤は、内部に空間Sが形成されるキャビネット1と、空間Sに配置される電力部品2と、固定プレート5と、固定プレート5に設置されて電力部品2の温度を測定する熱画像監視装置Aとを含んでもよい。
【0038】
キャビネット1は、配電盤の外観を形成し、その内部に設置された電力部品2を支持する。キャビネット1は、複数の部材の結合体で構成されてもよい。キャビネット1は、フレーム11と、フレーム11を覆う側面カバー13とを含んでもよい。キャビネット1は、フレーム11及び側面カバー13に加え、底部15と、上側に配置されるトップカバー16とをさらに含んでもよい。
【0039】
配電盤は、空間Sを開閉するドア7、8をさらに含んでもよい。ドア7、8は、キャビネット1の開放された前面を開閉するフロントドア7と、キャビネット1の開放された背面を開閉するリアドア8とを含んでもよい。フロントドア7及びリアドア8は、キャビネット1に回転又は摺動可能に設けられてもよい。
【0040】
固定プレート5は、リアドア8の内側に横長に配置されてもよい。また、固定プレート5は、
図1の紙面前後方向に延び、上下に離隔して複数配置されてもよい。
【0041】
キャビネット1の内部に配置されて熱画像監視装置Aにより温度が測定される電力部品2は、バスバーB、コンデンサ(図示せず)、リアクトル(図示せず)、変流器(Current Transformer)CT、遮断器(Circuit Breaker)CBなどであり得る。
【0042】
熱画像監視装置Aにより温度が測定される電力部品2は、バスバーBであってもよく、熱画像監視装置Aの温度測定対象は、順次配置されるR相バスバー、T相バスバー及びS相バスバーであってもよい。
【0043】
熱画像監視装置Aにより温度が測定される電力部品2は、コンデンサであってもよく、熱画像監視装置Aの温度測定対象は、順次配置されるR相コンデンサ、T相コンデンサ及びS相コンデンサであってもよい。
【0044】
熱画像監視装置Aにより温度が測定される電力部品2は、リアクトルであってもよく、熱画像監視装置Aの温度測定対象は、順次配置されるR相リアクトル、T相リアクトル及びS相リアクトルであってもよい。
【0045】
熱画像監視装置Aにより温度が測定される電力部品2は、変流器CTであってもよく、熱画像監視装置Aの温度測定対象は、順次配置されるR相変流器、T相変流器及びS相変流器であってもよい。
【0046】
熱画像監視装置Aは、同じ種類の複数の電力部品の温度を共に測定するようにしてもよく、異なる種類の複数の電力部品の温度を共に測定するようにしてもよい。
【0047】
配電盤において、同じ種類の複数の電力部品は同程度の温度域を有し、1つの熱画像監視装置Aにより、同じ種類で異なる位置の複数の電力部品の温度を共に測定することができる。
【0048】
配電盤内部の様々な電力部品の中には、特に温度が高いと予想される電力部品があり得る。例えば、バスバー部分において電力が集中して熱が最も多く発生すると予想される。
【0049】
この場合、ユーザは、熱画像監視装置Aを、熱が最も多く発生すると予想されるバスバーが配置された地点に向けて配置することができる。
【0050】
前述したように、ユーザは、熱画像監視装置Aが監視対象地点を映すように、熱画像監視装置Aを、上下に離隔して配置された固定プレート5のうち、適切な高さに配置された固定プレート5に設置することができる。
【0051】
以下、熱画像監視装置について詳細に説明する。
【0052】
図2は本発明の一実施形態による熱画像監視装置を示す分解斜視図である。
図3〜
図5は
図2の熱画像監視装置が各軸に対して回転可能であることを説明するための図である。
【0053】
本発明の一実施形態による熱画像監視装置は、ベース100、ブラケット200及び熱画像カメラ300を含む。また、熱画像監視装置は、ベース100とブラケット200の結合位置及びブラケット200と熱画像カメラ300の結合位置の少なくとも一方に備えられる除振部をさらに含む。
【0054】
ベース100は、前述したように、配電盤内に配置される固定プレート5に固定される。固定プレート5には固定プレート孔5aが形成され、ベース100は結合手段105により固定プレート5に固定される。
【0055】
ベース100は、ベース本体102、ベース突出結合部120及び結合溝110を含んでもよい。
【0056】
ベース本体102は、固定プレート5上に配置できるように形成される。ベース本体102は、円形に形成され、固定プレート5に対してZ軸を中心に回転できるように結合されてもよい。
【0057】
ベース突出結合部120は、ベース本体102の外側から突設される。ベース突出結合部120は、ベース本体102において固定プレート5に対向する面の反対側の面から突設される。ベース突出結合部120は、ブラケット200と結合できるように形成される。
【0058】
ベース本体102には、円周に沿って形成される結合溝110が備えられてもよい。結合溝110は、前述した結合手段105が挿入されるように開口している。結合溝110に結合手段105が挿入され、挿入された結合手段105は固定プレート5の固定プレート孔5aに挿入される。
【0059】
ブラケット200は、ベース100に結合され、ベース100となす角度を調整できるように形成される。ブラケット200は、前面が凸状に屈曲形成されるブラケット本体202と、ブラケット本体202の背面から突設され、ベース突出結合部120に結合されるブラケット突出結合部220とを含んでもよい。
【0060】
一方、ブラケット本体202には、長手方向に互いに離隔して配置される複数の長孔210が形成されてもよい。熱画像カメラ300は、複数の長孔210のうち一部に挿入される熱画像カメラ結合手段305によりブラケット200に固定されてもよい。
【0061】
ブラケット200の両端には、熱画像カメラ300から延びるケーブルが挿入されるケーブル孔204が形成されてもよい。熱画像カメラ300の端子306には、熱画像カメラ300から得られる情報を送信するためのケーブルが挿入されてもよい。ここで、ケーブルをブラケット200の両端に形成されるケーブル孔204に挿入するのは、ケーブルが配電盤の内部に垂れることを防止するためである。
【0062】
また、ケーブル孔204がブラケット200の両端に配置されるので、ブラケット200に対する熱画像カメラ300の設置方向に関係なくケーブルを整理することができる。具体的には、熱画像カメラ300は、ブラケット200に対して一方向にのみ設置されるのではなく、他の方向に設置することもできる。
【0063】
すなわち、
図2とは異なり、熱画像カメラ300が横長にブラケット200に固定されてもよい。この場合、熱画像カメラ300の端子306から近い位置に配置されたケーブル孔204にケーブルを挿入して整理することができ、利便性が高まる。
【0064】
また、ブラケット本体202の前面には、結合手段105を結合するためのボルト組付孔206が形成されてもよい。具体的には、ベース102が固定プレート5に対して回転できるように形成される際に、ブラケット本体202によりベース102の結合溝110が遮蔽された場合、結合手段105を組み付けることが困難であり得る。よって、ボルト組付孔206により、結合手段105を結合溝110に容易に挿入して組み付けることができるようにする。
【0065】
ブラケット本体202の前面には、複数の長孔210間に形成され、熱画像カメラ300の一面に接触して熱画像カメラ300の移動に伴う振動を低減する水平除振部一面240が形成されてもよい。その詳細については後述する。
【0066】
熱画像カメラ300は、筐体の前面302aにカメラモジュール304を備え、筐体の側面にケーブルの接続のための端子306が配置されてもよい。
【0067】
熱画像カメラ300は、筐体の背面302bがブラケット200に結合され、ブラケット200上に結合される位置によって向きを調整できるように形成される。
【0068】
具体的には、ブラケット200は、上下に長く形成され、熱画像カメラ300は、上下に長いブラケット200の筐体において上部と下部間に配置される。よって、熱画像カメラ300の設置高さを調整することができる。
【0069】
また、ブラケット本体202の前面は屈曲状に形成される。熱画像カメラ300の背面は屈曲状に形成されたブラケット本体202に接触してブラケット200に固定される。ここで、ブラケット本体202の前面が屈曲状に形成されるので、熱画像カメラ300を、カメラモジュール304の向きに合わせてブラケット本体202の前面に配置することができる。
【0070】
このようなブラケット200の構造により、熱画像カメラ300の設置高さ及び熱画像カメラ300の向きを設定することができる。
【0071】
除振部は、固定プレート5から熱画像監視装置に加わる振動を低減する。よって、熱画像監視装置が固定プレート5から離脱したり、目的とする電力部品を映す位置から離脱することを防止することができる。
【0072】
除振部は、熱画像カメラ300の回転に伴う振動を低減する回転除振部、及び/又は熱画像カメラ300の左右移動に伴う振動を低減する水平除振部を含んでもよい。その詳細については後述する。
【0073】
以下、
図2〜
図5を参照して、熱画像監視装置の各構成の回転について説明する。
【0074】
ベース100は、固定プレート5に対して一軸を中心に回転させて固定することができる。具体的には、
図2及び
図3に示すように、ベース100は、固定プレート5に対してZ軸を中心に回転可能である。
【0075】
前述したように、固定プレート5には、固定プレート孔5aが形成されてもよい。また、結合溝110は、ベース100の円周方向に長く形成される。よって、ベース100を固定プレート5に対してZ軸を中心に回転させても、結合溝110を介して結合手段105を固定プレート孔5aに挿入することができる。
【0076】
ブラケット200は、ベース100に対して前記一軸に垂直な他軸を中心に回転させて固定することができる。具体的には、
図2及び
図4に示すように、ブラケット200は、ベース100に対してX軸を中心に回転可能である。
【0077】
ベース100のベース突出結合部120とブラケット200のブラケット突出結合部220とは互いに結合される。具体的には、ベース100とブラケット200とは、結合手段205により結合される。ここで、結合手段205は、ボルト205a、ナット205b及びワッシャ205cなどであってもよい。
【0078】
ベース100とブラケット200との結合がそれぞれのベース本体102、ブラケット本体202から突設された部分において行われない場合、ブラケット200とベース100の間隔が狭くなるので、ベース100に対するブラケット200のX軸の回転半径が制限される。
【0079】
本発明の一実施形態においては、ベース100から突設されるベース突出結合部120とブラケット200から突設されるブラケット突出結合部220とが結合されるので、ベース100に対するブラケット200のX軸中心の回転を容易にする空間が設けられる。
【0080】
熱画像カメラ300は、ブラケット200に対して前記一軸及び前記他軸に直交する直交軸を中心に回転させて固定することができる。具体的には、
図2及び
図5に示すように、熱画像カメラ300は、ブラケット200に対してX軸及びZ軸に直交するY軸を中心に回転可能である。
【0081】
ブラケット本体202は、前面が凸状に屈曲形成される。よって、熱画像カメラ300のどの部分がブラケット本体202の前面に接触するかによって、熱画像カメラ300の向きが異なる。
【0082】
具体的には、
図5において、熱画像カメラ300がブラケット本体202の前面において右部(すなわち、ブラケット本体202の中心からX軸方向に進んだ部分)に接触すると、熱画像カメラ300は、Y軸を中心に反時計方向に回動した部分に対向して配置される。また、熱画像カメラ300がブラケット本体202の前面において左部(すなわち、ブラケット本体202の中心から−X軸方向に進んだ部分)に接触すると、熱画像カメラ300は、Y軸を中心に時計方向に回動した部分に対向して配置される。つまり、熱画像カメラ300は、ブラケット本体202の前面の曲面に対応して向きを調整することができる。
【0083】
前述したように、熱画像監視装置は、固定プレート5に対して互いに直交する3軸を中心に自由に回転させてから固定することができる。このように熱画像カメラ300を設置する位置の自由度が高まることにより、熱画像監視装置が配電盤内部の目的とする電力部品を向くように容易に角度を変更することができる。
【0084】
図6は
図2の熱画像監視装置における固定プレートとベースの結合を説明するための斜視図である。
図7は
図2の熱画像監視装置におけるベースとブラケットの結合を説明するための斜視図である。
図8及び
図9は
図2の熱画像監視装置におけるブラケットと熱画像カメラの結合を説明するための斜視図である。
図10は本発明の一実施形態による除振部が振動を低減する例を示す図である。
【0085】
ここで、
図8及び
図9は説明を容易にするために異なる方向から見た図である。具体的には、
図8は右上方から見た図であり、
図9は左下方から見た図である。
【0086】
前述したように、ベース100は、ベース本体102から突設され、ブラケット200と結合されるベース突出結合部120を含む。ベース突出結合部120は、ラウンド部122、回転除振部一面123及び回転ガイド126を含んでもよい。
【0087】
ラウンド部122は、上端が曲面状に形成され、下端が次第に広くなる断面を有するようにしてもよい。ラウンド部122の中心には、結合手段205が挿入される結合孔124が形成されてもよい。結合孔124に結合手段205が挿入されることにより、ブラケット200とベース突出結合部120とが結合されるようにしてもよい。
【0088】
回転除振部一面123は、ラウンド部122においてブラケット200と結合される一面に形成される。回転除振部一面123は、後述する回転除振部他面223と結合され、回転除振部を構成する。すなわち、回転除振部は、回転除振部一面123及び回転除振部他面223を含む。
【0089】
回転除振部一面123は、結合孔124を囲んで配置されてもよい。すなわち、回転除振部一面123は、結合孔124の周辺に形成されてもよい。
【0090】
また、回転除振部一面123は、
図6に示すように、ラウンド部122の表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸が繰り返される形状に形成されてもよい。よって、回転除振部一面123は、回転除振部他面223が接触する際に、回転除振部他面223が滑ることを防止することができる。また、回転除振部一面123と回転除振部他面223との接触により、回転方向の振動を低減することができる。
【0091】
回転ガイド126は、ラウンド部122の一面から突設され、下向きに凹んだ円周曲面を有する。ラウンド部122の上端及び回転除振部一面123は、略円形の断面を有するようにしてもよい。また、その円の下端部の円周に相当する領域から回転ガイド126が突設されるようにしてもよい。
【0092】
回転ガイド126は、下向きに凹んだ円周状の曲面を有する。回転ガイド126の表面には、ブラケット200の回転突起部226(
図7参照)が隣接して配置される。ブラケット200がベース100に対して相対回転する際に、ブラケット200の回転突起部226は回転ガイド126上をかすめるように回転する。
【0093】
ブラケット200の回転突起部226は、回転ガイド126に隣接して回転するので、ブラケット200が振動により上下に動く際に回転突起部226が回転ガイド126に支持され、上下方向の振動が低減される。
【0094】
ベース100の結合溝110は、2つ備えられ、互いに対向して形成されるようにしてもよい。具体的には、結合溝110は、上下に形成される固定プレート孔5aに対応して2つ備えられてもよい。結合溝110は、ベース100が回転しても固定プレート孔5aに結合手段105を挿入できるように、円周状に形成されることが好ましい。
【0095】
すなわち、互いに対向して形成される2つの結合溝110が、ベース100が回転しても固定プレート孔5aに結合手段105を挿入できるように円周状に形成される。
【0096】
結合溝110の内部には、ベース100と固定プレート5を結合する結合手段105の少なくとも一部が係止される係止片112が形成されてもよい。具体的には、
図2に示すように、結合手段105がボルトであり、ボルト上端のボルトヘッド105aが係止片112に係止されるようにしてもよい。
【0097】
以下、
図8及び
図9を参照して、ブラケット200について説明する。
【0098】
ブラケット200は、前面が凸状に屈曲形成されるブラケット本体202と、ブラケット本体202の背面から突設され、ベース突出結合部120に結合されるブラケット突出結合部220とを含んでもよい。
【0099】
ブラケット本体202は、前面が凸状に屈曲形成される。具体的には、ブラケット本体202は、ベース100に対向する面の反対側の面が凸状に屈曲形成される。
【0100】
前面が凸状に形成されるブラケット本体202は、熱画像カメラ300の背面302bに形成される凹陥部310に接触し、熱画像カメラ300を安定して支持する。それだけでなく、ブラケット本体202は、円周の一部のように突出するように屈曲形成されるので、前述したように、熱画像カメラ300が配置される位置によって熱画像カメラ300の向きが調整されるようにする。
【0101】
ブラケット突出結合部220は、ブラケット本体202の背面から突設され、ベース突出結合部120と結合される。ブラケット突出結合部220は、ラウンド部結合部222、回転除振部他面223及び回転突起部226を含んでもよい。
【0102】
ラウンド部結合部222には、ベース100のラウンド部122と結合されると結合孔124に連通する開口部224が形成される。ラウンド部122とラウンド部結合部222とは、相対回転してから結合されるようにしてもよい。よって、ラウンド部結合部222の下端は、ベース100のラウンド部122の上端及び回転除振部一面123に対応するように、円に近い形状に形成されることが好ましい。
【0103】
回転除振部他面223は、ラウンド部結合部222の一側に形成される。具体的には、回転除振部他面223は、ラウンド部結合部222がベース100のラウンド部122と結合される際に回転除振部一面123に対向する面に形成される。
【0104】
回転除振部他面223は、ベース100の回転除振部一面123に接触し、ブラケット200の回転に伴う振動を低減する。具体的には、回転除振部一面123及び回転除振部他面223の少なくとも一方は、表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸が繰り返されるようにしてもよい。
【0105】
一例として、回転除振部一面123及び回転除振部他面223は、いずれか一方が付勢力を有する材質で形成され、他方が凹凸を有するようにしてもよい。よって、付勢力を有する材質の面は、結合手段205により凹凸を有する面と結合される際に、凹凸を有する面の凸部により表面が変形する。
【0106】
こうすることにより、回転除振部一面123及び回転除振部他面223は、相互の結束が強化されるだけでなく、振動による変形及び振動も低減することができる。また、回転除振部は、ベース突出結合部120とブラケット突出結合部220との相対回転を低減するので、最初に設定されたベース100とブラケット200の角度が振動により変更されることを防止することができる。
【0107】
他の例として、回転除振部一面123及び回転除振部他面223は、どちらも凹凸部からなるようにしてもよい。
【0108】
回転突起部226は、ラウンド部結合部222の他側から突設される。回転突起部226は、ラウンド部結合部222の回転除振部他面223が形成される面の反対側の面から突設されてもよい。回転突起部226は、ベース100の回転ガイド126に対応する位置に形成されてもよい。回転突起部226は、ブラケット200がベース100に対して1つの軸を中心に回転する際に回転ガイド126に隣接して回転するようにしてもよい。
【0109】
回転突起部226は、両側に対向して配置されてもよい。よって、ブラケット200がベース100に対して回転する際に、いずれか一方の回転突起部226が回転ガイド126に近い位置に配置される。
【0110】
例えば、ブラケット200が上側を向くようにベース100に対して回転する場合、第1回転突起部226aは回転して回転ガイド126の内側に移動し、また、第2回転突起部226bは回転して回転ガイド126の外側に移動する。
【0111】
すなわち、両側に配置された回転突起部226は、ブラケット200が回転する際に、いずれか一方の回転突起部226が回転ガイド126に接触して回転をガイドする。また、回転突起部226は、振動によりブラケット200が揺動する際に、回転ガイド126に支持されて振動が低減される。
【0112】
以下、
図8及び
図9を参照して、ブラケット200及び熱画像カメラ300について説明する。
【0113】
ブラケット本体202の前面には、水平除振部一面240が形成されてもよい。水平除振部一面240は、複数の長孔210間に形成される。水平除振部一面240は、熱画像カメラ300の一面に接触して熱画像カメラ300の移動に伴う振動を低減する。
【0114】
水平除振部一面240は、表面が突出するか又は凹んで形成される凹凸からなり、ブラケット200の長手方向と同じ方向に形成されてもよい。具体的には、
図8に示すように、水平除振部一面240は、ブラケット200の長手方向と同じ方向に延びる凹凸からなるようにしてもよい。
【0115】
熱画像カメラ300は、複数の長孔210のうち1つ以上の長孔210を貫通して挿入される熱画像カメラ結合手段305によりブラケット200に固定されるように構成され、ブラケット200への装着位置が変更可能であってもよい。
【0116】
具体的には、
図8及び
図9に示すように、複数の長孔210のいずれかの長孔210を貫通する熱画像カメラ結合手段305は、熱画像カメラ本体302の背面に形成される結合孔320hに結合される。よって、ブラケット200と熱画像カメラ300とが固定される。
【0117】
熱画像カメラ300の背面は、前面が凸状に屈曲形成されるブラケット本体202に対応するように、内側に凹んだ凹陥部310を含んでもよい。
【0118】
凹陥部310は、ブラケット本体202の前面に対応する凹状に形成されてもよい。すなわち、凹陥部310の凹んだ程度、屈曲は、ブラケット本体202の前面の屈曲に対応する。よって、熱画像カメラ300の背面がブラケット200の前面に重なると、凹陥部310の全面でブラケット本体202に接触する。
【0119】
凹陥部310は、ブラケット本体202の長手方向に対応して形成され、2つ以上形成されて交差するように配置されてもよい。
図9に示すように、第1凹陥部310aは、熱画像カメラ300の縦方向に長く形成され、また、第2凹陥部310bは、第1凹陥部310aに直交するように形成されてもよい。
【0120】
よって、熱画像カメラ300は、ユーザの利便性のために、かつ、監視対象である電力部品の配置地点を向くようにするために、第1凹陥部310aがブラケット本体202に接触するように縦に配置することもでき、第2凹陥部310bがブラケット本体202に接触するように横に配置することもできる。
【0121】
凹陥部310には、ブラケット200の水平除振部一面240に接触して一方向の振動を低減する水平除振部他面320が形成される。具体的には、
図8及び
図9に示すように、水平除振部他面320は、熱画像カメラ本体302の背面に形成される凹陥部310の結合孔320hの周辺に形成され、ブラケット本体202の上面に形成される水平除振部一面240に結合される。
【0122】
結合孔320hの周辺には、熱画像カメラ結合手段305によりブラケット200と熱画像カメラ300との圧着力が集中する。つまり、圧着力が集中する結合孔320hの周辺に水平除振部他面320が形成されるので、水平方向の振動を低減する効果が増加する。
【0123】
図10の(a)は、水平除振部一面240と水平除振部他面320とが離隔した状態を示す。水平除振部一面240及び水平除振部他面320は、それぞれ凹凸状に形成されてもよい。具体的には、水平除振部一面240は、凸部241及び凹部242が繰り返されて形成され、また、水平除振部他面320は、凸部321及び凹部322が繰り返されて形成される。
【0124】
図10の(b)は、ブラケット本体202と熱画像カメラ300とが結合される過程で、水平除振部一面240と水平除振部他面320とが近接した状態を示す。ここで、水平除振部一面240の凸部241と水平除振部他面320の凸部321とが重なるように配置されてもよい。この場合、熱画像カメラ300とブラケット本体202とは完全に結合されていない状態である。
【0125】
図10の(c)は、水平除振部一面240の凸部241と水平除振部他面320の凹部322とが重なり、水平除振部一面240の凹部242と水平除振部他面320の凸部321とが重なるように結合された状態を示す。
【0126】
熱画像カメラ結合手段305によりブラケット200と熱画像カメラ300とが結合される前は、水平除振部一面240と水平除振部他面320とが接触している
図10の(b)の状態であり得る。
【0127】
熱画像カメラ結合手段305によりブラケット200と熱画像カメラ300とが結合されると、水平除振部一面240と水平除振部他面320のいずれか一方が移動して
図10の(c)の状態となる。
【0128】
この場合、熱画像カメラ300の左右方向(d)の移動が制限される。また、ブラケット200からの振動が熱画像カメラ300に伝達されることが低減される。さらに、配電盤の振動によりブラケット200と熱画像カメラ300との結束が解除されて熱画像カメラ300が意図せず移動することが低減される。
【0129】
一方、このような凹凸部の結合は、回転除振部一面123及び回転除振部他面223においても同様に行われるようにしてもよい。また、回転除振部及び水平除振部は、いずれか一面は弾性の平面からなり、他面は凹凸面からなるようにしてもよい。
【0130】
上記とは異なり、水平除振部一面240及び水平除振部他面320は、それぞれ、凸部241、321の長さの方が凹部242、322の長さより短く形成されてもよい。この場合、ブラケット本体202の前面と熱画像カメラ300の凹陥部310とが重なった状態で、それぞれの凹部242、322に間隙が発生する。よって、その凹部242、322の間隙により、熱画像カメラ結合手段305は、ブラケット本体202と熱画像カメラ300とを若干の弾性変形が起こるように結束させることができる。
【0131】
一方、図示とは異なり、水平除振部他面320は、凹陥部310の結合孔320hの周辺に加え、凹陥部310の他の部分にさらに形成されてもよい。例えば、水平除振部他面320は、第1凹陥部310aと第2凹陥部310bとが重なる領域を除く領域に形成されてもよい。この場合、水平除振部一面240に接触する水平除振部他面320が増加するので、ブラケット200と熱画像カメラ300との結束力がより高まる。
【0132】
図11は本発明の他の実施形態による熱画像カメラを示す背面図である。
図11に示す熱画像カメラ300’は、
図9に示す熱画像カメラ300と比較すると、凹陥部310’の形状のみ異なり、他の構成要素は同一又は類似であるので、他の構成要素については説明を省略する。
【0133】
図11に示すように、熱画像カメラ300’の凹陥部310’は4箇所に形成されてもよい。具体的には、第1凹陥部310a’と第2凹陥部310b’が約45度の角度で交差し、第2凹陥部310b’と第3凹陥部310c’が約45度の角度で交差し、第3凹陥部310c’と第4凹陥部310d’が約45度の角度で交差し、第4凹陥部310d’と第1凹陥部310a’が約45度の角度で交差するようにしてもよい。また、各凹陥部310’上には水平除振部他面320’が配置される。
【0134】
この場合、熱画像カメラ300’をブラケット上に配置する上で、熱画像カメラ300’を配置できる方向の数が増加するので、ユーザは配電盤内の目的とする電力部品をより正確に映すように熱画像カメラ300’を配置することができる。
【0135】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できることを理解するであろう。