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特開2021-87665手術支援システムおよびその表面情報を取得する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-87665(P2021-87665A)
(43)【公開日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】手術支援システムおよびその表面情報を取得する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/00 20160101AFI20210514BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20210514BHJP
【FI】
   A61B34/00
   A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2019-220238(P2019-220238)
(22)【出願日】2019年12月5日
(71)【出願人】
【識別番号】519434536
【氏名又は名称】炳碩生醫股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】周皓凱
(72)【発明者】
【氏名】楊智閔
(72)【発明者】
【氏名】嚴家和
(72)【発明者】
【氏名】▲ユ▼首安
(72)【発明者】
【氏名】黄薇臻
(72)【発明者】
【氏名】蘇哲▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】莊學誠
(57)【要約】
【課題】解剖学的表面上の位置合わせプローブの接触角を制御および検出する手術用器具を提供すること。
【解決手段】手術支援システムは、ツールおよびツールに連結されているマニピュレータを備える器具と、ツールの空間情報を検出する空間センサシステムと、マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステムと、を含む。手術支援システムによって表面情報を取得する方法は、対象の仮想解剖学的モデル上でターゲット領域および複数の基準ポイントを画定する工程と、器具を使用して基準ポイントに対応する対象上の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程と、サンプリング情報をサンプリングポイントの表面情報として指定する工程と、を含む。各サンプリング情報は、サンプリングポイントの座標と、サンプリングポイントにおけるツールの接触角と、接触に関連するパラメータと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術支援システムによって表面情報を取得する方法であって、
前記手術支援システムは、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み、
当該方法は、
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する、前記対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおける前記ツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程;を含む、方法。
【請求項2】
前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作して、前記サンプリングポイントを1回に1つずつプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、前記サンプリングポイントがサンプリングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程S1の前に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
前記コンピュータシステムによって、前記対象上の複数の基準マーカーの概略空間データを、仮想解剖学的モデルに割り当てる工程であって、
前記基準マーカーは前記空間センサシステムによって読み取り可能であり、前記手術支援システムに関連する医療用イメージャに対して放射線不透過性である、工程。
【請求項4】
前記工程S1の前に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
前記コンピュータシステムによって、前記仮想解剖学的モデル上の前記ターゲット領域の複数の概略基準ポイントを画定する工程;
前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する対象の複数の概略サンプリングポイントをサンプリングすることによって概略空間データを生成するようにユーザを促す工程;および
前記コンピュータシステムによって、前記概略空間データを前記仮想解剖学的モデルに割り当てる工程。
【請求項5】
前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作して、前記概略サンプリングポイントを1回に1つずつプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、前記概略サンプリングポイントがサンプリングされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基準ポイントが前記ターゲット領域に分布していることによって、複数の表面特徴が前記基準ポイントによってカバーされている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記工程S2の後に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;
(S22)サンプリング状態をチェックする工程;および
(S23)前記サンプリング情報をフィルタリングする工程。
【請求項8】
前記工程S21が以下の工程をさらに含む、請求項7に記載の方法:
(S211)前記現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;
(S212)前記パラメータがサンプリング基準を満たす場合は前記現在のサンプリング情報を第1の印で示し、前記パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す工程;および
(S213)前記現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は前記工程S22に進み、前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は前記工程S2に進む工程。
【請求項9】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持される垂直方向の力が垂直方向の力の閾値以上であることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持される横方向の力が横方向の力の閾値以下であることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持されるトルクがトルク閾値以下であることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプリング基準は、前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力が電力閾値以上であることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプリング基準は、前記ツールと1つのサンプリングポイントとの安定した接触の持続時間が時間閾値以上であることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記工程S22が以下の工程を含む、請求項7に記載の方法:
(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が第1の印で示されているかを判断する工程;および
(S222)前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは前記工程S23に進み、前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは前記工程S2に進む工程。
【請求項15】
前記工程S23が、第1の印で示されるサンプリング情報から第2の印で示されるサンプリング情報をスクリーニングすることによって実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記工程S3の後に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
(S4)前記表面情報を前記仮想解剖学的モデルに割り当てて、前記仮想解剖学的モデルを座標系の位置と合わせる工程。
【請求項17】
前記工程S4の後に、以下の工程をさらに含む、請求項16に記載の方法:
(S5)前記表面情報に従って前記仮想解剖学的モデルを精密にする工程。
【請求項18】
前記工程S4の後に、以下の工程をさらに含む、請求項16に記載の方法:
(S6)前記表面情報に従って手術計画を更新する工程。
【請求項19】
手術支援システムであって、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み、
前記コンピュータシステムは、表面情報を取得するプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含み、
前記プログラムは前記コンピュータシステムの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であり、
前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されるとき、手術支援システムに以下の工程を含む動作を実行させる命令を含む、システム:
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおけるツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程。
【請求項20】
前記器具が、ユーザが前記器具を保持し操作することを可能にする、少なくとも1つのハンドルを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記器具が、前記ツールによって維持される力およびトルクのうちの少なくとも1つを検出する力センサをさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記力センサが、前記ツールと前記マニピュレータとの間で連結されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記力センサが前記ツール内に配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールによって維持される力を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールによって維持されるトルクを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールと1つのサンプリングポイントとの間の安定した接触の持続時間を含む、請求項19に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手術支援システムに関する。より詳細には、手術支援システムによって実行されるコンピュータ支援手術の正確性および精度を向上させる位置合わせの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの外科手術は、外科医の側で高い手動精度を必要とする。例えば、整形外科手術は外科医が所定のインプラントを骨に適合させるために、または骨を成形して所望の幾何学的プロファイルを作成するために、正確な位置および正確な角度で、対象の骨をミル加工、ドリル加工、または鋸引きすることを必要とする。このような手術は通常、外科医が特定の手術用器具を保持し、解剖学的目印に基づいた軌跡をたどることにより、フリーハンドで行われる。したがって、外科手術の正確性は、ハンドヘルド手術用器具を用いて所定の手術計画に従う際の外科医の技能に依存する。
【0003】
情報技術およびロボット工学の利点を利用して、コンピュータ支援手術は、外科手術の正確性および精度を改善する際に信頼できる選択肢を提供した。コンピュータ支援手術はコンピュータ技術を利用し、手術前仮想環境において術野を視覚化し、より正確な手術前診断および明確な手術計画を可能にする手術概念を表す。コンピュータ支援手術でおいて、患者の位置合わせは、コンピュータ医用イメージング(例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像法(MRI))などのコンピュータ医用イメージングによって収集された仮想3次元(3D)データセットの位置を、患者の位置と相関させる重要な術前処置である。患者の位置合わせは、術前スキャンおよび手術中に患者を同じ厳密な位置に維持する必要性を排除し、外科手術の幾何学的正確性を確保する。
【0004】
従来の位置合わせ方法は主に、基準の位置合わせおよび表面マッチングの位置合わせを含む。基準の位置合わせは、解剖学的ランドマークに取り付けられた複数の基準マーカーを検出し、解剖学的領域を画定することによって、特定の解剖学的領域をコンピュータ支援ナビゲーションシステムに登録する。表面マッチングの位置合わせは、機械または超音波プローブを利用し、術野の解剖学的表面構造上の一組の点の座標を特定することによって実行する。したがって、空間認識においてより高い正確性を提供し、基準の位置合わせにわたる外科的侵襲性を低減する。
【0005】
従来の表面マッチングの位置合わせにおいては、プローブをセンサに連結して、プローブと解剖学的表面との機械的接触を検出する。例えば、Shenらは米国特許第8615286号において、患者の骨表面の位置を見つける装置および方法を開示する。この装置および方法は、薄いプローブの基部に設置された力センサを利用して、プローブが遭遇する材料の抵抗を検出し、プローブと骨または軟組織との係合、またはプローブと異なる硬度を有する異なるタイプの組織との係合を識別する。
【0006】
しかし、実際の外科手術では、従来の薄いプローブの正確な接触角に対する制御の欠如、または組織の異なる層間の硬度の変化のために、プローブが意図された接触面から滑り落ちる傾向がある。したがって、位置合わせの正確性の著しい低下をもたらす。既存の技術のいずれも、解剖学的表面上のプローブの接触角を制御することができ、またはプローブと表面との間の機械的接触の有効性を判断することができる手段を提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、解剖学的表面上の位置合わせプローブの接触角を制御および検出する手術用器具を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、位置合わせプローブと解剖学的表面との間の機械的接点を確認する、手術用器具用の位置合わせ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、手術支援システムを提供する。本システムは、ツールおよびツールに連結されているマニピュレータを有する器具と、ツールの空間情報を検出する空間センサシステムと、器具、空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、空間センサシステムによって検出されるツールの空間情報に従ってマニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステムと、を含む。
【0010】
好ましい実施形態において、手術支援システムの器具は、ツールによって維持される力および/またはトルクを検出する力センサをさらに含む。
【0011】
好ましい実施形態において、力センサは、ツールとマニピュレータとの間、および/または、ツール内に配置されている。
【0012】
好ましい実施形態において、接触に関連するパラメータは、ツールによって維持される力、ツールによって維持されるトルク、マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力、およびツールと1つのサンプリングポイントとの間の安定した接触の持続時間を含む。
【0013】
本発明の別の実施形態は、手術支援システムによる、位置合わせ用の表面情報を取得する方法を提供する。本方法は、(S1)コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域およびターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;(S2)ユーザインターフェースを介して、器具を使用して基準ポイントに対応する、対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程であって、各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、空間センサシステムによって検出される、1つのサンプリングポイントにおけるツールの接触角と、接触に関連するパラメータと、を含む工程;(S3)コンピュータシステムによって、サンプリング情報をサンプリングポイントの表面情報として指定する工程;を含む。
【0014】
好ましい実施形態において、コンピュータシステムがマニピュレータの運動状態を操作して、サンプリングポイントを1回に1つずつプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、サンプリングポイントがサンプリングされる。
【0015】
好ましい実施形態において、工程S1の前に、以下の工程をさらに含む:コンピュータシステムによって、仮想解剖学的モデル上のターゲット領域の複数の概略基準ポイントを画定する工程;ユーザインターフェースを介して、器具を使用して基準ポイントに対応する対象の複数の概略サンプリングポイントをサンプリングすることによって概略空間データを生成するようにユーザを促す工程;コンピュータシステムによって、概略空間データを仮想解剖学的モデルに割り当てる工程。
【0016】
好ましい実施形態において、コンピュータシステムがマニピュレータの運動状態を操作して、概略サンプリングポイントを1回に1つずつにプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、概略サンプリングポイントがサンプリングされる。
【0017】
好ましい実施形態において、工程S2の後に、以下の工程をさらに含む:(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;(S22)サンプリング状態をチェックする工程;(S23)サンプリング情報をフィルタリングする工程。
【0018】
好ましい実施形態において、工程(S21)は、以下の工程をさらに含む:(S211)現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;(S212)パラメータがサンプリング基準を満たす場合は現在のサンプリング情報を第1の印で示し、パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は現在のサンプリング情報を第2の印で示す工程;(S213)現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は工程S22に進み、現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は工程S2に進む工程。
【0019】
好ましい実施形態において、サンプリング基準は、ツールによって維持される力が力の閾値以上であること、ツールによって維持される横方向の力が横方向の力の閾値以下であること、ツールによって維持されるトルクがトルク閾値以下であること、マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力が電力閾値以上であること、および/または、ツールと1つのサンプリングポイントとの安定した接触の持続時間が時間閾値以上であることを含む。
【0020】
好ましい実施形態において、工程(S22)は、以下の工程を含む:(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が第1の印で示されているかを判断する工程;(S222)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは工程S23に進み、すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは工程S2に進む工程。
【0021】
好ましい実施形態において、工程S23は、第1の印で示されるサンプリング情報から第2の印で示されるサンプリング情報をスクリーニングすることによって実行される。
【0022】
好ましい実施形態において、工程S3の後に、以下の工程をさらに含む:(S4)表面情報を仮想解剖学的モデルに割り当てて、仮想解剖学的モデルを座標系の位置と合わせる工程;(S5)表面情報に従って仮想解剖学的モデルを精密にする工程;および、(S6)表面情報および精密にした仮想解剖学的モデルに従って手術計画を更新する工程。
【0023】
本発明の様々な実施形態によれば、手術支援システムは、位置合わせ用の正確および効率的な方法を提供する。本方法は、対象の表面上のターゲット領域と、表面の複数の表面特徴をカバーするターゲット領域内に分布する1組の基準ポイントとを画定し、手術用器具のプローブと表面との間の機械的接触を検証し、コンピュータ支援手術の正確性および精度を効果的に改善する。
【0024】
添付の図面は1つ以上の本発明の実施形態を示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明する。できる限り、実施形態の同じまたは同様の要素を示すために、図面全体にわたって同じ符号が使用される。
【0025】
一般的な慣行に従い、様々な説明した特徴は、一定の縮尺で描かれておらず、本開示に関連する特徴を強調するために描いている。同様の参照符号は、図面および本文全体を通して同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態である手術支援システムのブロック図である。
図2】本発明の実施形態である手術支援システムの概略図である。
図3】本発明の実施形態である手術支援システムのハンドヘルド器具の斜視図である。
図4】本発明の実施形態である手術支援システムのハンドヘルド器具の側面図である。
図5】本発明の実施形態である手術支援システムのハンドヘルド器具のマニピュレータの側面図である。
図6】本発明の実施形態である手術支援システムのハンドヘルド器具の別のマニピュレータの側面図である。
図7】本発明の実施形態である手術支援システムの動作状態の概略図である。
図8】本発明の実施形態である手術支援システムの空間センサシステムの動作状態の概略図である。
図9】本発明の実施形態である手術支援システムの手術方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせプロセスのスナップの概略図である。
図11】本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせ用である表面情報を取得する工程のフローチャートである。
図12】本発明の実施形態である手術支援システムによって生成されたターゲット領域および基準ポイントの概略図である。
図13】本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせプロセスのスナップの概略図である。
図14】本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせ用である表面情報を取得する工程のフローチャートである。
図15】本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせ用であるサンプリング情報を検証する工程のフローチャートである。
図16】サンプリング情報をフィルタリングし、本発明の実施形態である手術支援システムの位置合わせ用である表面情報を取得する一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の様々な例示的な実施形態を示す添付の図面を参照しながら、本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は多くの様々な形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0028】
本明細書で使用する用語は特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は文脈が明確にそわないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む(comprises)」および/もしくは「含む(comprising)」、または「含む(includes)」および/もしくは「含む(including)」、または「有する(has)」および/もしくは「有する(having)」を本明細書で使用する場合、説明した特徴、領域、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、工程、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるのであろう。
【0029】
用語「および/または」および「少なくとも1つ」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の組合せおよびすべての組合せを含むことが理解されるのであろう。第1、第2、第3などの用語は様々な要素、構成要素、領域、部品および/または部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、部品および/または部分はこれらの用語によって限定されるべきではないことも理解されるのであろう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、部品または部分を、別の要素、構成要素、領域、層または部分と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、部品または部分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ぶことができる。
【0030】
他に定義されない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書で定義される用語などの用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的な意味または過度に正式的な意味で解釈されないことが理解されるのであろう。
【0031】
図1および図2を参照する。本発明の実施形態において、外科手術前および外科手術における手術支援システム1000は、電子モジュールおよびプロセッサ実行可能命令に連結した手術ハードウェアを含む。手術支援システム1000は、器具システム1100と、空間センサシステム1500と、ユーザインターフェース1800と、器具システム1100、空間センサシステム1500およびユーザインターフェース1800に電気的に接続したコンピュータシステム1700と、を含む。一実施形態において、手術支援システム1000によって、ユーザ(例えば、外科医)は、ユーザインターフェース1800を参照して、器具システム1100によって対象(例えば、患者)に対して手術を行うことが可能になる。少なくとも1つの医療用イメージャ1910は、手術支援システム1000と通信する。医療用イメージャは、対象の医用画像を取得し、その画像を手術支援システム1000に送信するように構成される。空間センサシステム1500は、対象および環境の空間情報を生成するように構成される。コンピュータシステム1700は、医用画像に従って仮想解剖学的モデルを生成し、仮想解剖学的モデルに従って手術計画を生成し、空間センサシステム1500から受信した空間情報に従って手術環境を追跡し、マニピュレータ1210の運動を制御またはマニピュレータの運動状態を変更するように構成される。ユーザインターフェース1800は、解剖学的モデルを視覚化し、ユーザが手術計画に従って術野をナビゲートすることを可能にする。
【0032】
図2に示すように、手術支援システム1000の器具システム1100は、対象に手術を施すハンドヘルド器具1200を含む。一実施形態において、器具システム1100が器具1200に連結した支持アーム1450をさらに含み、ユーザの手にかかる重量負荷を低減し、手術中により多くの動作安定性を任意で提供してもよい。別の実施形態において、器具1200に連結した支持アーム1450は、少なくとも1つのアクチュエータを含む。コンピュータシステム1700によって生成される制御信号に従って、アクチュエータは支持アーム1450の運動状態を変更し、器具1200を指定された位置に移動させてもよい。
【0033】
図3および図4を参照する。一実施形態によると、ハンドヘルド器具1200は、ツール1250と、ツール設置台1260と、マニピュレータ1210と、器具ハウジング1280と、を含む。ツール1250は、対象の身体部分の解剖学的表面に接触または改変するように構成される。ツール設置台1260にツール1250の一端およびマニピュレータ1210が連結し、ツール1250がマニピュレータ1210に安定して連結される。マニピュレータ1210は、ツール1250の位置および方向を操作するコンピュータシステム1700によって制御される機構である。器具ハウジング1280はマニピュレータ1210に連結し、マニピュレータ1210の少なくとも一部を収容し、手術支援システムの動作中にユーザが器具1200を保持および操作することを可能にする1つ以上のハンドル1284を提供する。
【0034】
一実施形態において、ツール1250は、対象の解剖学的部位に接触するかまたは評価し、解剖学的部位の構造または状態を検出するプローブまたはインジケータであってもよい。ツール1250はドリルビット、バー、キュレット、のこぎり、スクリュードライバ、または、ドリル、ミル加工、切削、またはスクラップによって解剖学的部位の組織の一部を改変または除去する外科医学において一般に使用される他のツールであってもよい。いくつかの実施形態において、ツール1250が表面マッチングの位置合わせを実行する機械的、光学的、または超音波プローブである。ツールは、剛性プローブ、圧力センサ、圧電センサ、エラストマーセンサ、光学カメラ、レーザスキャナ、または超音波スキャナであってもよいが、これらに限定されない。
【0035】
一実施形態において、ツール設置台1260は、ツール1250と、マニピュレータ1210のロボット制御プラットフォーム1230の第1の側面とに連結される。ツール設置台1260は、ツールアダプタ1265と、ツールアダプタ1265に連結したモータ1270と、を含む。ツールアダプタ1265は、クランプ、または、ツール1250の一端を保持し、操作中のツールの転位を回避する他の固定構造であってもよい。モータ1270は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換して直線力(linear force)または回転力を生成し、ツール1250を駆動させる、直流(DC)モータまたは交流(AC)モータであってもよい。代替の実施形態において、モータを器具の後端に配置し、器具の操作中のマニピュレータ1210にかかる負荷を低減し、ユーザのアーゴノミクスを改善するために器具1200の重量を再分配してもよい。さらに、図5および図6に示すように、ツール設置台1260は、プラットフォーム1230の第1の側面に連結され、手術中にツール1250によって維持される力および/またはトルクを検出する、力センサ1235をさらに含んでいてもよい。他の実施形態において、力センサ1235が器具のプローブまたはツールに配置されていてもよい。代替的に、器具1200は、プローブまたはツールに配置されている別の力センサ(図示せず)をさらに含んでいてもよい。力センサは、歪みゲージ、力感応抵抗器、圧力変換器、圧電センサ、電気活性ポリマー、または光ファイバ曲げセンサであってもよいが、これらに限定されない。
【0036】
一実施形態において、マニピュレータ1210が台1220と、ツール設置台1260に連結されているプラットフォーム1230と、ツール1250から離れたプラットフォーム1230の第2の側面およびプラットフォーム1230に面する台1220の第1の側面に取り付けられた複数のジョイント1245a、1245bと、プラットフォーム1230から離れた台1220の第2の側面上の台1220に連結されている複数のアクチュエータ1240と、を含む。図4に示すように、台1220は、器具ハウジング1280上に固定してもよく、または器具ハウジング内に収容されてもよい。マニピュレータ1210は高空間効率および高操縦性のために、6自由度(DOF)を有するスチュワートマニピュレータなどの平行マニピュレータであってもよい。加えて、好ましくは、マニピュレータがステンレス鋼または炭素繊維で作られ、マニピュレータ1210が手術中に対象に接触するツール1250から生成される力および/またはトルクに対して十分な持続性を有することを可能にする特定の機械的構造にマニピュレータが配置されている。
【0037】
一実施形態において、マニピュレータ1210のジョイントは、回転ジョイント、プリズムジョイント、球形ジョイント、自在ジョイント、シリンダジョイント、または所望のDOFを可能にするこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。図5および図6に例示するように、6つのDOFを有する一般的なスチュワートプラットフォームを有するマニピュレータ1210は、マニピュレータ1210の広範囲の運動および様々な運動状態を可能にするために、自在ジョイント1246および球形ジョイント1247を含んでいてもよい。マニピュレータ1210は複数のコネクタをさらに含んでいてもよい。各コネクタは1つのジョイント1245aおよび1つのジョイント1245bと連結し、ツール1250のより広い範囲の運動を可能にする。
【0038】
一実施形態において、ジョイントの反対側の台1220に連結されているマニピュレータ1210のアクチュエータ1240がジョイントを駆動し、コネクタがあれば、コンピュータシステム1700から送信された制御信号に従って移動するように構成される。代替実施形態において、アクチュエータ1240およびジョイントが台1220と同じ側に配置されていてもよい。図6に例示するように、アクチュエータ1240は台1220とプラットフォーム1230との間に配置され、アクチュエータ1240の各々は、自在ジョイント1246および球形ジョイント1247によって接合されている。高精度および強持続性のために、複数のアクチュエータ1240はリニアアクチュエータであってもよい。
【0039】
再び図3および図4を参照する。一実施形態において、マニピュレータ1210を収容し、ハンドルを提供することに加えて、器具ハウジング1280は、ユーザがツール1250の動作を誘導、停止もしくは調整し、または器具1200の他の機能を実行することを可能にするための制御モジュール1282をさらに含んでいてもよい。
【0040】
一実施形態において、ハンドヘルド器具1200は、器具ハウジング1280に関するマニピュレータ1210の運動状態を校正するように構成された校正装置1300と共に使用して、器具1200の幾何学的正確性を確保してもよい。
【0041】
一実施形態において、器具1200は、器具1200の加速度、速度、変位、角速度および/または角加速度を検出する、少なくとも1つの慣性測定ユニットを含んでいてもよい。
【0042】
図7を参照する。器具1200は、特に最小侵襲手術において、トロカール1400と共に使用して、関心のある解剖学的部位に到達するための、器具1200のツール1250用の身体への入口を提供してもよい。代替の実施形態において、トロカール1400をマニピュレータ1210のプラットフォーム1230に取り外し可能に連結し、トロカール1400およびツール1250を解剖学的部位に同時進入させることを可能にしてもよい。
【0043】
ここで、図8を参照する。本発明の実施形態によれば、手術支援システム1000の空間センサシステム1500は、少なくとも1つのターゲット物体の空間情報(例えば、位置および方向)を検出して追跡することを可能にするように構成される。空間センサシステムは、ターゲット物体に取り外し可能に取り付けられた少なくとも1つの空間マーカーフレーム1550と、空間マーカーフレーム1550から送信された信号を受信する少なくとも1つのカメラを有する空間センサ1510と、を含む。
【0044】
図7および図8に例示するように、ターゲット物体は、器具1200、トロカール1400、または選択した解剖学的部位であり得る。一実施形態において、空間マーカーフレーム1550は、電磁信号、音波、熱または他の知覚可能な信号を発する複数のマーカー1555と、マーカー1555を保持するターゲット物体に取り外し可能に取り付けられたアダプタ1560と、を含む。アダプタにより、ターゲット物体を空間センサ1510によって追跡可能になる。別の実施形態において、空間センサシステム1500は、空間センサ1510上または所定の位置に配置されている信号生成器(図示せず)をさらに含んでいてもよい。その結果、マーカー1555による信号伝送は能動的または受動的であってもよい。言い換えれば、マーカー1555によって発せられる信号はマーカー球によって生成されてもよく、または、マーカー1555を反射材料で覆い、信号生成器によって生成される信号をマーカー1555によって空間センサ1510に反射させてもよい。
【0045】
一実施形態において、空間センサ1510によって受信された信号はコンピュータシステム1700に送信され、三角測量または他の変換アルゴリズムによって、検出された空間の座標系およびターゲット物体の空間情報に変換される。さらに、図8に例示するように、空間マーカーフレーム1550のマーカー1555は特定のパターンでアダプタ1560上に配置されていてもよい。したがって、コンピュータシステム1770は、それに応じたターゲット物体の方向情報を生成することが可能になる。コンピュータシステム1700は、空間情報および方向情報に従って制御信号を生成し、器具1200のマニピュレータ1210の移動を制御またはマニピュレータの運動状態を変更してもよい。または、コンピュータシステムは、ユーザインターフェース1800上に示される命令を生成し、器具1200を指定された位置または方向に移動させるようにユーザを促してもよい。
【0046】
本発明の実施形態によれば、手術支援システム1000のコンピュータシステム1700は、プロセッサおよび記憶ユニットを含む。プロセッサは、汎用プロセッサ、特定用途向け命令セットプロセッサ、またはストレージユニットもしくは他のデータストリームなどのデータソース上で操作を実行する特定用途向け集積回路であってもよい。例えば、プロセッサは、ARMベースプロセッサまたは8086xプロセッサである。いくつかの実施形態において、プロセッサが複数のデジタルまたはアナログ入力/出力をさらに含み、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)プロセッサであってもよい。記憶ユニットは、コンピュータシステムにおいて即座に使用するために、プロセッサによって割り当てられたデジタルデータを記憶してもよい。記憶ユニットは、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、および消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)などの揮発性、またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの不揮発性であってもよい。
【0047】
一実施形態によれば、ユーザインターフェース1800は、ユーザに情報を提示する少なくとも1つの出力装置と、少なくとも1つの入力装置と、を含む。ユーザインターフェース1800によって提示される情報は、手術計画、2次元(2D)または3Dの再構成画像、2Dまたは3Dのドリリング状態(例えば、ツールの位置、角度、深さ、または曲げ)、ツールの補償範囲、ユーザガイダンス、警告領域、手術計画からのツール偏向の通知、およびツールの力持続可能限界の通知を含んでいてもよいが、これらに限定されない。出力装置はディスプレイ、光インジケータ、または他の視覚的手段であってもよい。代替的に、出力装置はスピーチシンセサイザもしくは他のオーディオ手段であってもよく、またはスピーチシンセサイザもしくは他のオーディオ手段をさらに含んでもよい。入力装置はユーザによって入力されたコマンドを電気信号に変換することができる。入力装置は、ペダル、キーボード、マウス、タッチパネル、音声認識インターフェース、またはジェスチャ認識インターフェースであってもよい。
【0048】
図9を参照する。本発明の実施形態によれば、手術支援システム1000によってコンピュータ支援手術を実行する方法は、(S110)医療用イメージャ1910から複数の医用画像を受信する工程と、(S120)医用画像に従って3次元仮想解剖学的モデルを生成する工程と、(S130)仮想解剖学的モデル上の関心のある位置を示すようにユーザを促す工程と、(S141)医用画像から得られた仮想解剖学的モデル、指示位置、ならびに生理学的および/または病理学的情報に従って手術計画を生成する工程と、(S160)手術計画に従って手術を開始するようにユーザを促す工程と、(S170)手術中にユーザを支援する工程と、を含む。
【0049】
工程S110において、医療用イメージャ1910は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナ、またはスキャンされた対象の連続した断面画像を取得することができる他の一般的に使用される医療用イメージング機器であってもよい。好ましい実施形態において、図10に示すように、マーカーパッチ1600は医用画像が撮影されるときに、意図された外科的部位の近くで対象に取り付けられ、外科的環境の位置決めを容易にする。具体的には、マーカーパッチ1600は、空間センサシステムの空間センサ1510によって検出可能な少なくとも1つのマーカー1555と、医療用イメージャ1910によって撮影された画像上にマーキングを生じさせる複数の基準マーカー1610と、を含んでいてもよい。基準マーカー1610は、鉛、鉄、カルシウム、または他の放射線不透過性金属で作製されていてもよい。したがって、図10に例示するように、医用画像を撮影するときにマーカーパッチ1600が対象に取り付けられる場合、得られる仮想解剖学的モデル2110は、基準マーカー1610に対応する複数の放射線不透過性スポットを含むことになる。
【0050】
別の実施形態において、対象の表面輪郭の変化によって引き起こされる信号の不一致を回避するために、マーカーパッチ1600上のマーカー1555を基準マーカー1610と同心円状に配置させてもよい。または、マーカーパッチ1600を、空間センサシステム1510によって光学的に読み取り可能であり、医療用イメージャ装置1910に対して放射線不透過性である材料と共に配置させて、取得した信号間の高一貫性を確保してもよい。
【0051】
再び図9を参照する。工程S130において、ユーザインターフェース1800を介して仮想解剖学的モデル2110上の1つ以上の関心部位を示すように、ユーザは促される。関心部位は、意図された手術部位または特定の解剖学的ランドマークまたは表面特徴を含んでもよい。ユーザはまた、仮想解剖学的モデル上の特定のランドマークまたは表面特徴をラベルまたは画定することができる。工程S141において、本方法によって生成された外科手術計画は、ツール1250の進入位置と角度、計画ドリリングの深さと経路、ツールの提案種類、およびスクリューの提案種類などの手術詳細を含んでいてもよい。
【0052】
工程160において、手術計画が生成された後、コンピュータシステム1700は、手術計画に従って手術を開始するようにユーザを促す。ユーザは、手術が始まる前に手術計画を調整または編集することができる。工程S170において、手術支援システム1000は、空間センサシステム1500によって検出されたツールの空間情報に従ってマニピュレータ1210の運動状態を調整することによって、計画された手術中にユーザを支援し、ユーザインターフェース1800を介してユーザに通知する。さらに、いくつかの実施形態において、外科手術中に医療画像を撮影して、穿孔された経路の位置、角度、および深さを監視して、外科手術計画の遵守を確実にし、新しい外科手術計画を再画定する必要性または器具を再校正する必要性を判断するのを支援する。
【0053】
工程S130において、ユーザが仮想解剖学的モデルにおける関心位置を選択した後、一実施形態の方法は、(S151)対象の解剖学的部位上の複数のサンプリングポイントの表面情報を取得する工程と、(S152)仮想解剖学的モデルに表面情報を割り当てて、仮想解剖学的モデルを、空間センサシステム1500によって取得された空間情報を参照することによって確立された座標系の位置と合わせる工程と、をさらに含んでいてもよい。
【0054】
具体的には図11に示すように、一実施形態に係るサンプリングポイントの表面情報を取得する工程S151は、(S251)サンプリングパターンを生成する工程と、(S252)サンプリングポイントのサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程と、(S2521)サンプリングポイントの表面情報としてサンプリング情報を指定する工程と、を含む。
【0055】
一実施形態において、サンプリングパターンを生成する工程S251は、仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および複数の基準ポイントを画定する工程(S2510)を含む。図12に示すように、ユーザがユーザインターフェース1800を介して仮想解剖学的モデル2110上の関心部位を示した後、コンピュータシステム1700は、ターゲット領域2120と、ターゲット領域内の複数の基準ポイント2130と、を画定してもよい。好ましくは、ターゲット領域2120は、特徴的または代表的な表面特徴を有する領域(例えば、脊椎の椎間面または棘突起)、またはトロカールアクセス可能領域である。少なくとも1つの実施形態において、基準ポイント2130がターゲット領域2120内に分布していることによって、複数の表面特徴が基準ポイント2130によってカバーされている。好ましくは、基準ポイント2130の量が50以上であってもよい。基準ポイント2130は直交状、同心円状、螺旋状、または好ましくはかなりの数の表面特徴をカバーする他のパターンで配置されていてもよい。いくつかの実施形態において、基準ポイント2130の目標精度(すなわち、2つの隣接する基準ポイント2130間の距離)は、空間センサ1510の解像度の3〜4倍に設定されてもよい。例えば、空間センサ1510が0.25mmの解像度を有する場合、2つの隣接する基準ポイント間の距離を1mmにデフォルト設定してもよい。好ましい実施形態において、目標精度を約0.3mmに設定する。さらに、基準ポイント2130を、医用画像から計算された骨密度などの局所的な生理学的特徴に従って優先順位付けし、サンプリング経路を画定してもよい。また、ユーザは、ユーザインターフェース1800を介して、ターゲット領域2120と、基準ポイントの量および位置と、を手動で画定または調整してもよい。
【0056】
好ましくは、工程S2510の前に概略マッチングプロセスを実行して、後続の工程における表面情報の取得を容易にしてもよい。本発明の実施形態によれば、サンプリングパターンを生成する工程S251は、(S2511)仮想解剖学的モデル上のターゲット領域内の複数の概略基準ポイントを画定する工程と、(S2512)基準ポイントに対応する対象上の複数の概略サンプリングポイントをサンプリングすることによって概略空間データを生成するようにユーザを促す工程と、(S2513)概略空間データを仮想解剖学的モデルに割り当てる工程と、をさらに含む。
【0057】
一実施形態の工程S2511において、概略基準ポイントを例えば、画像処理アルゴリズムに従ってコンピュータシステム1700によって画定してもよい。または、概略基準ポイントを、ユーザインターフェース1800を介してユーザによって手動で画定してもよい。図10に例示するように、概略基準ポイント2215a〜fは、基準マーカー1610に対応する放射線不透過性スポットの近くに配置することが好ましい。概略基準ポイントの量は変化してもよく、好ましくは1〜10、またはより好ましくは4〜6である。概略基準ポイントを画定した後、ユーザは、器具1200上に設置されているプローブを使用して、概略基準ポイント2215a〜fに対応する対象に取り付けられたマーカーパッチ1600上またはその周りの複数の概略サンプリングポイントをサンプリングするように促される。コンピュータシステム1700がマニピュレータ1210の運動状態を操作して、プローブの先端が概略サンプリングポイントに接触するようにすることによって、または、概略サンプリングポイントによって形成される所定の概略サンプリング経路に沿ってプローブの先端が摺動することを可能にすることによって連続的に、概略サンプリングポイントを1回に1つずつサンプリングしてもよい。一実施形態において、空間マーカーフレーム1550が器具1200に取り付けられて、サンプリング中に空間センサシステム1500によるプローブの座標の追跡を可能にし、概略基準ポイント2215a〜fに対応する概略空間データ2255を取得する。その後、工程S2512において、概略空間データを仮想解剖学的モデルに割り当て、仮想解剖学的モデルをコンピュータシステム1700に記録された座標系に事前にマッチングさせる。
【0058】
または、概略マッチング処理が手術支援システム1000によって自動的に実行されてもよい。例えば、空間センサシステム1510によって読み取り可能であり、医療用イメージャ1910に対して放射線不透過性である基準マーカー1610が対象のマーカーパッチ1600上に配置されている本発明の実施形態において、サンプリングパターンを生成する工程S251は、対象上の基準マーカー1610の概略空間データを仮想解剖学的モデル2110に割り当てる工程をさらに含む。
【0059】
図13図11と共に参照する。工程S251においてサンプリングパターンが生成された後、工程S252と同様に、器具1200に設置されている位置合わせプローブを使用して、基準ポイント2130に対応する対象上の複数のサンプリングポイント2140をサンプリングすることによって、サンプリング情報2310を生成するようにユーザは促される。コンピュータシステム1700がマニピュレータ1210の運動状態を操作して、プローブの先端が概略サンプリングポイントに接触するようにすることによって、または、概略サンプリングポイントによって形成される所定の概略サンプリング経路に沿ってプローブの先端が摺動することを可能にすることによって連続的に、概略サンプリングポイントを1回に1つずつサンプリングしてもよい。一実施形態において、サンプリング情報は、サンプリングポイントの座標、空間センサ1510によって検出されるサンプリングポイントにおけるプローブの接触角α、ならびにプローブによって維持される力、アクチュエータの出力電力、および安定した接触の持続時間などの、接触に関連するパラメータを含んでいてもよい。
【0060】
一実施形態において、垂直方向の力(すなわち、プローブの方向に平行な力)および横方向の力(すなわち、プローブの方向に垂直な力)を含むプローブによって維持される力は、器具1200上の力センサ1235によって検出可能である。接触角αは、水平面に対するプローブの角度として画定してもよい。安定した接触の持続時を、器具1200のプラットフォーム1230上の空間マーカーフレーム1550の位置が実質的に不変のままであるか、または器具1200の慣性測定ユニットによって検出される加速度、速度、変位、角速度、および/もしくは角加速度が実質的にゼロのままである時間の持続時間として画定してもよい。さらに、トロカール1400を利用して、表面サンプリング中にプローブをガイドしてもよい。
【0061】
工程S2521において、基準ポイント2130に対応する対象上のすべてのサンプリングポイント2140がサンプリングされた後、コンピュータシステム1700は工程S2521と同様に、サンプリング情報をサンプリングポイントの表面情報として指定または画定する。再び図9を参照する。工程S151において表面情報を取得した後、工程S152で生成した仮想解剖学的モデルに表面情報を割り当て、仮想解剖学的モデルを空間センサシステム1500によって確立された座標系の位置と合わせる。一実施形態において、アルゴリズムを使用して、得られた表面情報に最も適合する仮想解剖学的モデル内の表面領域を特定する。アルゴリズムは反復クローゼットポイント(ICP)、コヒーレントポイントドリフト(CPD)、または2つの点群間の差を最小化し、2つのデータセットをマッチングさせる任意のアルゴリズムとしてもよい。
【0062】
より効率的な実施形態では、工程S252において、所定量のサンプリングポイント2140がユーザによってサンプリングされた後、ユーザが次のサンプリングポイントをサンプルし続けている間に、コンピュータシステム1700はサンプリングされたサンプリングポイント2140を仮想解剖学的モデルに割り当ててもよい。割当て結果はユーザインターフェース1800上に表示され、ユーザは仮想解剖学的モデルを座標系の位置に合わせ、それに応じて残りのサンプリングポイントのサンプリングを停止するために、サンプリングされたサンプリングポイントが既に十分であるか否かを判断してもよい。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態において、取得した表面情報を利用し、例えば、仮想解剖学的モデル内の既存の表面特徴を更新することによって、または仮想解剖学的モデルに新しい表面特徴を追加することによって、工程S110において医用画像から生成された仮想解剖学的モデルの解像度を精密または改善してもよい。表面情報はまた、工程S141において生成された手術計画を更新するために使用してもよい。代替的に、表面情報および精密にした仮想解剖学的モデルを一緒に利用して、手術計画の高正確性を確保してもよい。
【0064】
図14を参照する。本発明の別の実施形態によれば、サンプリングポイントの表面情報を取得する工程S151は、(S251)サンプリングパターンを生成する工程と、(S252)サンプリングポイントのサンプリング情報を生成するようにユーザを促す工程と、(S253)現在のサンプリング情報を検証する工程と、(S254)サンプリング状態をチェックする工程と、(S255)サンプリング情報をフィルタリングする工程と、(S2521)サンプリングポイントの表面情報としてサンプリング情報を指定する工程と、を含む。
【0065】
具体的には、図15に示すように、工程S252においてサンプリング情報が生成された後、工程S253と同様に、コンピュータシステム1700は少なくとも1つの所定のサンプリング基準に従ってパラメータを検査することによって、サンプリング情報を検証する。所定のサンプリング基準は、垂直方向の力の閾値以上であるプローブによって維持される垂直力、横方向の力の閾値以下であるプローブによって維持される横方向の力、トルク閾値以下であるプローブによって維持されるトルク、電力閾値以上であるアクチュエータの出力、時間閾値以上であるプローブと接触表面との間の安定した接触の持続時間を含んでいてもよく、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、垂直方向の力の閾値は5ニュートン(N)であってもよく、横方向の力の閾値は0.5Nであってもよく、またはトルク閾値は0.05(ミリニュートン×メートル)mNmであってもよい。電力閾値は0.3アンペアであってもよく、時間閾値は1秒であってもよい。
【0066】
図15を参照する。本発明の実施形態によれば、現在のサンプリング情報を検証する工程S253は、(S2531)現在のサンプリング情報に含まれる接触に関連するパラメータが、事前画定されたサンプリング基準のうちの少なくとも1つを満たすかどうかを判断する工程と、(S2532)パラメータがサンプリング基準を満たす場合、現在のサンプリング情報を第1の印で示す工程と、(S2533)パラメータがサンプリング基準を満たさない場合、現在のサンプリング情報を第2の印で示す工程と、(S252)現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合、サンプリング情報を再び生成する工程または(S254)現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合、サンプリング状態をチェックする工程と、を含む。
【0067】
図15に示す例示的な実施形態では、工程S252において、仮想解剖学的モデル2110内の基準ポイント2130に対応する対象上のサンプリングポイント2140に一定の角度からユーザが接触させることによって1つのサンプリング情報が生成された後、コンピュータシステム1700は工程S2531において、1つのサンプリング情報に含まれるパラメータがサンプリング基準のうちの少なくとも1つを満たすかどうかを判断する。パラメータがサンプリング基準を満たさない場合、コンピュータシステム1700は、サンプリング情報を「無効」と示し(S2532)、ユーザインターフェース1800を介して、同じサンプリングポイント2140に異なる角度から再び接触させるようにユーザを促す(S252)。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム1700がサンプリングポイントをスキップし、そのサンプリングポイントのサンプリングが失敗した(例えば、パラメータがサンプリング基準を満たさない)ときに、所定の時間にわたって連続して次のサンプリングポイントに接触させるようにユーザを促してもよい。
【0068】
また、パラメータがサンプリング基準を満たす場合、コンピュータシステム1700はサンプリング情報に第1の印(例えば、「有効」または「正しい」)を示し(S2533)、現在のサンプリング状態のチェックに進む(S254)。工程S2513において画定された基準ポイント2130に対応するすべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされていない場合、コンピュータシステム1700はユーザインターフェース1800を介して、事前画定されたサンプリングルートに従って対象上の次のサンプリングポイントに接触させるようにユーザを促す。コンピュータシステム1700は、すべてのサンプリングポイントが正しくサンプリングされるまで、検証プロセスを繰り返す。すべてのサンプリング情報がサンプリングされた後、コンピュータシステム1700は工程S255に進み、取得したサンプリング情報を、有効なものから無効なものをスクリーニングすることによってフィルタリングする。その後、図16に例示するように、工程S2521を実行して、フィルタリングしたサンプリング情報を表面情報として指定し、サンプリングポイントの表面情報のリストを取得する。
【0069】
より効率的な実施形態では、工程S254は、サンプリングしたサンプリングポイントに関連付けられた重要な表面特徴に従って、所定のサンプリング経路上の次のサンプリングポイントをサンプリングするようにユーザを促すかどうかをさらに判断することを含む。重要な表面特徴は、サンプリング中にプローブによって維持される力の検出方向および強度に従って判断される、表面上のピークおよび谷を含み得るが、これらに限定されない。コンピュータシステム1700が最初に計画された通りに進行しないと判断した場合、コンピュータシステム1700は例えば、最新のサンプリング情報内のパラメータに従って1つ以上の重要な表面特徴を潜在的に含む方向を決定し、その方向のサンプリングポイントを次のサンプリングポイントとして画定することによって、新しいサンプリングポイントを特定してもよい。または、コンピュータシステム1700が基準ポイントまたはサンプリングルートを再画定し、新たに画定したサンプリングルートに従ってサンプリングを開始してもよい。
【0070】
要約すると、本発明の様々な実施形態によれば、手術支援システムは、位置合わせのための正確かつ効率的な方法を提供する。本方法は対象の表面上のターゲット領域と、表面の複数の表面特徴をカバーするターゲット領域内に分布する1組の基準ポイントと、を画定し、手術用器具のプローブと表面との間の機械的接点を検証し、コンピュータ支援手術の正確性および精度を効果的に改善する。
【0071】
以上の説明は、本発明の実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の特許請求の範囲および明細書による多くの変形および改変は、依然として本発明の範囲内である。さらに、実施形態および特許請求の範囲のそれぞれは、開示された利点または特性のすべてを達成する必要はない。さらに、要約および本発明の名称は特許文献の検索を容易にするためにのみ役立ち、特許請求の範囲を限定することは決して意図されていない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術支援システムによって表面情報を取得する方法であって、
前記手術支援システムは、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み、
当該方法は、
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する、前記対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおける前記ツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程;を含み、
前記工程S2の後に、以下の工程をさらに含み、
(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;
(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示されているかを判断する工程;および
(S222)前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは工程S23に進み、前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは前記工程S2に進む工程;および
(S23)前記サンプリング情報をフィルタリングする工程、
前記工程S21が以下の工程をさらに含む、方法:
(S211)前記現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;
(S212)前記パラメータがサンプリング基準を満たす場合は前記現在のサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示し、前記パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は前記現在のサンプリング情報が無効であることを示す第2の印で示す工程;および
(S213)前記現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は前記工程S221に進み、前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は前記工程S2に進み、前記サンプリングポイントに異なる角度から再び接触させるように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程。
【請求項2】
前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作して、前記サンプリングポイントを1回に1つずつプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、前記サンプリングポイントがサンプリングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程S1の前に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
前記コンピュータシステムによって、前記対象上の複数の基準マーカーの概略空間データを、仮想解剖学的モデルに割り当てる工程であって、
前記基準マーカーは前記空間センサシステムによって読み取り可能であり、前記手術支援システムに関連する医療用イメージャに対して放射線不透過性である、工程。
【請求項4】
前記工程S1の前に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
前記コンピュータシステムによって、前記仮想解剖学的モデル上の前記ターゲット領域の複数の概略基準ポイントを画定する工程;
前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記概略基準ポイントに対応する、前記対象の複数の概略サンプリングポイントをサンプリングすることによって概略空間データを生成するように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程;および
前記コンピュータシステムによって、前記概略空間データを前記仮想解剖学的モデルに割り当てる工程。
【請求項5】
前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作して前記概略サンプリングポイントを1回に1つずつプローブの先端が接触するように制御することを可能にすることによって、前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促し、前記概略サンプリングポイントがサンプリングされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基準ポイントが前記ターゲット領域に分布していることによって、複数の表面特徴が前記基準ポイントによってカバーされている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持される垂直方向の力が垂直方向の力の閾値以上であることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持される横方向の力が横方向の力の閾値以下であることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプリング基準は、前記ツールによって維持されるトルクがトルク閾値以下であることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプリング基準は、前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力が電力閾値以上であることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプリング基準は、前記ツールと1つのサンプリングポイントとの安定した接触の持続時間が時間閾値以上であることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記工程S23が、第1の印で示されるサンプリング情報から第2の印で示されるサンプリング情報をスクリーニングすることによって実行される、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記工程S3の後に、以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法:
(S4)前記表面情報を前記仮想解剖学的モデルに割り当てて、前記仮想解剖学的モデルを前記空間センサシステムによって確立された座標系の位置と合わせる工程。
【請求項14】
前記工程S4の後に、以下の工程をさらに含む、請求項13に記載の方法:
(S5)前記表面情報に従って前記仮想解剖学的モデルを精密にする工程。
【請求項15】
前記工程S4の後に、以下の工程をさらに含む、請求項13に記載の方法:
(S6)前記表面情報に従って手術計画を更新する工程。
【請求項16】
手術支援システムであって、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み、
前記コンピュータシステムは、表面情報を取得するプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含み、
前記プログラムは前記コンピュータシステムの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であり、
前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されるとき、手術支援システムに以下の工程を含む動作を実行させる命令を含み、
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおけるツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程を含み、
前記工程S2の後に、以下の工程をさらに含み、
(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;
(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示されているかを判断する工程;および
(S222)前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは工程S23に進み、前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは前記工程S2に進む工程;および
(S23)前記サンプリング情報をフィルタリングする工程、
前記工程S21が以下の工程をさらに含む、方法:
(S211)前記現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;
(S212)前記パラメータがサンプリング基準を満たす場合は前記現在のサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示し、前記パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は前記現在のサンプリング情報が無効であることを示す第2の印で示す工程;および
(S213)前記現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は前記工程S221に進み、前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は前記工程S2に進み、前記サンプリングポイントに異なる角度から再び接触させるように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程。
【請求項17】
前記器具が、ユーザが前記器具を保持し操作することを可能にする、少なくとも1つのハンドルを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記器具が、前記ツールによって維持される力およびトルクのうちの少なくとも1つを検出する力センサをさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記力センサが、前記ツールと前記マニピュレータとの間で連結されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記力センサが前記ツール内に配置されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールによって維持される力を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールによって維持されるトルクを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記接触に関連する前記パラメータが、前記ツールと1つのサンプリングポイントとの間の安定した接触の持続時間を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
手術支援システムによって表面情報を取得する方法であって、
前記手術支援システムは、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み、
当該方法は、
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する、前記対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおける前記ツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程;を含み、
前記工程S2の後に、以下の工程をさらに含み、
(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;
(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示されているかを判断する工程;および
(S222)前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは工程S23に進み、前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは前記工程S2に進む工程;および
(S23)前記サンプリング情報をフィルタリングする工程、
前記工程S21が以下の工程をさらに含み、
(S211)前記現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;
(S212)前記パラメータがサンプリング基準を満たす場合は前記現在のサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示し、前記パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は前記現在のサンプリング情報が無効であることを示す第2の印で示す工程;および
(S213)前記現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は前記工程S221に進み、前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は前記工程S2に進む工程、
前記サンプリング基準は、以下の(1)〜(5)のいずれか1つを含む、方法:
(1)前記ツールによって維持される垂直方向の力が垂直方向の力の閾値以上であること;
(2)前記ツールによって維持される横方向の力が横方向の力の閾値以下であること;
(3)前記ツールによって維持されるトルクがトルク閾値以下であること;
(4)前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力が電力閾値以上であること;
(5)前記ツールと1つのサンプリングポイントとの安定した接触の持続時間が時間閾値以上であること。
【請求項26】
手術支援システムであって、
ツールおよび前記ツールに連結されているマニピュレータを備える器具;
前記ツールの空間情報を検出する空間センサシステム;
前記器具、前記空間センサシステムおよびユーザインターフェースに電気的に連結され、前記空間センサシステムによって検出される前記ツールの空間情報に従って前記マニピュレータの運動状態を操作するコンピュータシステム;を含み
前記コンピュータシステムは、表面情報を取得するプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を含み、
前記プログラムは前記コンピュータシステムの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であり、
前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されるとき、手術支援システムに以下の工程を含む動作を実行させる命令を含み、
(S1)前記コンピュータシステムによって、対象の仮想解剖学的モデル上のターゲット領域および前記ターゲット領域の複数の基準ポイントを画定する工程;
(S2)前記ユーザインターフェースを介して、前記器具を使用して前記基準ポイントに対応する対象の複数のサンプリングポイントをサンプリングすることによってサンプリング情報を生成するように前記コンピュータシステムが前記マニピュレータの運動状態を操作するようユーザを促す工程であって、
前記各サンプリング情報は、1つのサンプリングポイントの座標と、前記空間センサシステムによって検出される、前記1つのサンプリングポイントにおけるツールの接触角と、前記接触に関連するパラメータと、を含む、工程;および
(S3)前記コンピュータシステムによって、前記サンプリング情報を前記サンプリングポイントの表面情報として指定する工程を含み、
前記工程S2の後に、以下の工程をさらに含み、
(S21)現在のサンプリング情報を検証する工程;
(S221)すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示されているかを判断する工程;および
(S222)前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報がサンプリングされているときは工程S23に進み、前記すべてのサンプリングポイントのサンプリング情報が少なくとも1つサンプリングされていないときは前記工程S2に進む工程;および
(S23)前記サンプリング情報をフィルタリングする工程、
前記工程S21が以下の工程をさらに含み、
(S211)前記現在のサンプリング情報に含まれるパラメータが少なくとも1つのサンプリング基準を満たすかを判断する工程;
(S212)前記パラメータがサンプリング基準を満たす場合は前記現在のサンプリング情報が有効であることを示す第1の印で示し、前記パラメータがサンプリング基準を満たさない場合は前記現在のサンプリング情報が無効であることを示す第2の印で示す工程;および
(S213)前記現在のサンプリング情報を第1の印で示す場合は前記工程S221に進み、前記現在のサンプリング情報を第2の印で示す場合は前記工程S2に進む工程、
前記サンプリング基準は、以下の(1)〜(5)のいずれか1つを含む、システム:
(1)前記ツールによって維持される垂直方向の力が垂直方向の力の閾値以上であること;
(2)前記ツールによって維持される横方向の力が横方向の力の閾値以下であること;
(3)前記ツールによって維持されるトルクがトルク閾値以下であること;
(4)前記マニピュレータの複数のアクチュエータの出力電力が電力閾値以上であること;
(5)前記ツールと1つのサンプリングポイントとの安定した接触の持続時間が時間閾値以上であること。