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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-88745(P2021-88745A)
(43)【公開日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】積層造形装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/16 20060101AFI20210514BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210514BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20210514BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210514BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20210514BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20210514BHJP
【FI】
   B22F3/16
   B29C64/153
   B29C64/393
   B33Y30/00
   B33Y50/02
   B22F3/105
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-219664(P2019-219664)
(22)【出願日】2019年12月4日
(11)【特許番号】特許第6793806号(P6793806)
(45)【特許公報発行日】2020年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】河村 篤
(72)【発明者】
【氏名】柏村 健介
(72)【発明者】
【氏名】梶 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】市川 純文
(72)【発明者】
【氏名】宮下 泰行
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213AR12
4F213AR20
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL43
4F213WL76
4K018CA44
4K018DA31
4K018DA33
4K018EA51
4K018EA60
4K018FA06
(57)【要約】
【課題】造形速度の向上と造形品質の安定化を両立した積層造形装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、造形領域を覆うチャンバと、照射装置と、を備え、照射装置は、レーザ光源と、第1及び第2のガルバノスキャナと、照射制御装置と、を含み、第1のガルバノスキャナは、第1のX軸ガルバノミラーと、第1のX軸アクチュエータと、第1のY軸ガルバノミラーと、第1のY軸アクチュエータと、を有し、第2のガルバノスキャナは、第2のX軸ガルバノミラーと、第2のX軸アクチュエータと、第2のY軸ガルバノミラーと、第2のY軸アクチュエータと、を有し、第1及び第2のガルバノスキャナによる照射可能範囲は、それぞれ造形領域を全て含有し、第1のX軸ガルバノミラー及び第1のY軸ガルバノミラーと、第2のX軸ガルバノミラー及び第2のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される、積層造形装置が提供される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形領域を覆うチャンバと、
所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる分割層毎に、前記造形領域に形成された材料層にレーザ光を照射して固化層を形成する照射装置と、を備え、
前記照射装置は、
前記レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、
前記レーザ光を走査する第1のガルバノスキャナと、
前記レーザ光を走査する第2のガルバノスキャナと、
前記レーザ光源、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する照射制御装置と、を含み、
前記第1のガルバノスキャナは、
前記レーザ光をX軸方向に走査する第1のX軸ガルバノミラーと、
前記第1のX軸ガルバノミラーを回転させる第1のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記X軸方向に垂直なY軸方向に走査する第1のY軸ガルバノミラーと、
前記第1のY軸ガルバノミラーを回転させる第1のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第2のガルバノスキャナは、
前記レーザ光を前記X軸方向に走査する第2のX軸ガルバノミラーと、
前記第2のX軸ガルバノミラーを回転させる第2のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記Y軸方向に走査する第2のY軸ガルバノミラーと、
前記第2のY軸ガルバノミラーを回転させる第2のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の照射可能範囲は、それぞれ前記造形領域を全て含有し、
前記第1のX軸ガルバノミラー及び前記第1のY軸ガルバノミラーと、前記第2のX軸ガルバノミラー及び前記第2のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される、積層造形装置。
【請求項2】
前記第1のX軸ガルバノミラーと前記第1のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第1の反射位置と、前記第2のX軸ガルバノミラーと前記第2のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第2の反射位置との距離が、150mm以下となるように構成される、請求項1に記載の積層造形装置。
【請求項3】
前記第1の反射位置と、前記第2の反射位置との距離が、100mm以下となるように構成される、請求項2に記載の積層造形装置。
【請求項4】
前記第1のガルバノスキャナにより前記造形領域内の所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第1の入射角度と、前記第2のガルバノスキャナにより前記造形領域内の前記所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第2の入射角度との差の絶対値は、7°以下となるように構成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項5】
前記第1の入射角度と、前記第2の入射角度との差の絶対値は、3°以下となるように構成される、請求項4に記載の積層造形装置。
【請求項6】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第1の照射面積及び前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第2の照射面積の全体の照射面積に対する割合が、それぞれ40%以上60%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項7】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1の照射面積及び前記第2の照射面積の前記全体の照射面積に対する割合が、それぞれ45%以上55%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する、請求項6に記載の積層造形装置。
【請求項8】
前記照射装置は、
前記レーザ光を走査する第3のガルバノスキャナと、
前記レーザ光を走査する第4のガルバノスキャナと、をさらに含み、
前記照射制御装置は、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナをさらに制御し、
前記第3のガルバノスキャナは、
前記レーザ光をX軸方向に走査する第3のX軸ガルバノミラーと、
前記第3のX軸ガルバノミラーを回転させる第3のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記X軸方向に垂直なY軸方向に走査する第3のY軸ガルバノミラーと、
前記第3のY軸ガルバノミラーを回転させる第3のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第4のガルバノスキャナは、
前記レーザ光を前記X軸方向に走査する第4のX軸ガルバノミラーと、
前記第4のX軸ガルバノミラーを回転させる第4のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記Y軸方向に走査する第4のY軸ガルバノミラーと、
前記第4のY軸ガルバノミラーを回転させる第4のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナによる前記レーザ光の照射可能範囲は、それぞれ前記造形領域を全て含有し、
前記第3のX軸ガルバノミラー及び前記第3のY軸ガルバノミラーと、前記第4のX軸ガルバノミラー及び前記第4のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項9】
前記第3のX軸ガルバノミラーと前記第3のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第3の反射位置と、前記第4のX軸ガルバノミラーと前記第4のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第4の反射位置との距離が、150mm以下となるように構成される、請求項8に記載の積層造形装置。
【請求項10】
前記第3の反射位置と、前記第4の反射位置との距離が、100mm以下となるように構成される、請求項9に記載の積層造形装置。
【請求項11】
前記第3のガルバノスキャナにより前記造形領域内の所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第3の入射角度と、前記第4のガルバノスキャナにより前記造形領域内の前記所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第4の入射角度との差の絶対値は、7°以下となるように構成される、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項12】
前記第3の入射角度と、前記第4の入射角度との差の絶対値は、3°以下となるように構成される、請求項11に記載の積層造形装置。
【請求項13】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第1の照射面積、前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第2の照射面積、前記第3のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第3の照射面積及び前記第4のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第4の照射面積の全体の照射面積に対する割合が、それぞれ20%以上30%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ、前記第2のガルバノスキャナ、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナを制御する、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項14】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1の照射面積、前記第2の照射面積、前記第3の照射面積及び前記第4の照射面積の前記全体の照射面積に対する割合が、それぞれ22.5%以上27.5%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ、前記第2のガルバノスキャナ、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナを制御する、請求項13に記載の積層造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元造形物の積層造形法としては種々の方式が知られている。例えば、粉末焼結積層造形法又は粉末溶融積層造形法を実施する積層造形装置は、所望の三次元造形物が形成される領域である造形領域上に材料層を形成し、材料層の所定位置にレーザ光を走査することで材料層を焼結又は溶融させ固化層を形成する。そして、積層造形装置は、材料層の形成と固化層の形成を繰り返すことによって、複数の固化層を積層して三次元造形物を生成する。
【0003】
レーザ光を所定の位置に照射するための走査手段としては、ガルバノスキャナを用いることができる。ガルバノスキャナは、レーザ光を反射させる2つのガルバノミラーと、各ガルバノミラーを所定角度に回転させるアクチュエータと、を含む。
【0004】
ここで、特許文献1に記載のように、造形領域上の複数の箇所に同時にレーザ光を照射するため、複数のガルバノスキャナが積層造形装置に搭載される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6405028号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
造形速度の高速化という観点からは、造形物の形状や位置を問わず、複数のガルバノスキャナが同時に利用できることが好ましい。換言すれば、各ガルバノスキャナのレーザ光の照射可能範囲は、造形領域全体を覆っていることが望ましい。また、造形品質を安定化させるという観点からは、所定位置に照射されたレーザ光の照射スポットの形状やエネルギー密度は、走査に使用されたガルバノスキャナによらず略一定であることが望ましい。換言すれば、各ガルバノスキャナによって走査されたレーザ光の入射角度の差は、極力小さいことが望ましい。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数のガルバノスキャナを備えた積層造形装置であって、造形速度の向上と造形品質の安定化を両立した積層造形装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、造形領域を覆うチャンバと、所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる分割層毎に、前記造形領域に形成された材料層にレーザ光を照射して固化層を形成する照射装置と、を備え、前記照射装置は、前記レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、前記レーザ光を走査する第1のガルバノスキャナと、前記レーザ光を走査する第2のガルバノスキャナと、前記レーザ光源、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する照射制御装置と、を含み、前記第1のガルバノスキャナは、前記レーザ光をX軸方向に走査する第1のX軸ガルバノミラーと、前記第1のX軸ガルバノミラーを回転させる第1のX軸アクチュエータと、前記レーザ光を前記X軸方向に垂直なY軸方向に走査する第1のY軸ガルバノミラーと、前記第1のY軸ガルバノミラーを回転させる第1のY軸アクチュエータと、を有し、前記第2のガルバノスキャナは、前記レーザ光を前記X軸方向に走査する第2のX軸ガルバノミラーと、前記第2のX軸ガルバノミラーを回転させる第2のX軸アクチュエータと、前記レーザ光を前記Y軸方向に走査する第2のY軸ガルバノミラーと、前記第2のY軸ガルバノミラーを回転させる第2のY軸アクチュエータと、を有し、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の照射可能範囲は、それぞれ前記造形領域を全て含有し、前記第1のX軸ガルバノミラー及び前記第1のY軸ガルバノミラーと、前記第2のX軸ガルバノミラー及び前記第2のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される、積層造形装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層造形装置においては、第1のガルバノスキャナ及び第2のガルバノスキャナによるレーザ光の照射可能範囲が造形領域を全て含有している一方、第1のガルバノスキャナの第1のX軸ガルバノミラー及び第1のY軸ガルバノミラーと、第2のガルバノスキャナの第2のX軸ガルバノミラー及び第2のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される。これにより、造形物の形状や位置を問わずより効率よく造形が行えるとともに、第1のガルバノスキャナ及び第2のガルバノスキャナを近接させて設けることで各ガルバノスキャナによる入射角度の差を小さくでき、造形品質を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。
図2図1の積層造形装置の材料層形成装置3の斜視図である。
図3】リコータヘッド11の斜視図である。
図4】リコータヘッド11の別の角度からの斜視図である。
図5】第1実施形態に係る照射装置13の上面図である。
図6図5の照射装置13の構成部品の一部の配置を示す図である。
図7】照射装置13によるレーザ光照射の態様を示す図である。
図8】第1実施形態に係る積層造形装置を用いた積層造形方法を示す図である。
図9】第1実施形態に係る照射装置13及び造形領域Rの、上面から見た位置関係を示す概略図である。
図10】第1実施形態に係る照射装置13による照射領域を例示する図である。
図11図10の照射領域内の点Qを照射した際の、レーザ光L1,L2の進路を示す図である。
図12】本発明の第1実施形態に係る積層造形装置を用いた積層造形方法を示す図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る積層造形装置の照射装置113の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
1.積層造形装置
本実施形態の積層造形装置は、所望の三次元造形物を所定の厚みで分割してなる分割層毎に、材料層8の形成と固化層の形成とを繰り返して、三次元造形物を形成する。図1に示すように、本発明の第1実施形態の積層造形装置は、チャンバ1と、材料層形成装置3と、照射装置13とを備える。
【0013】
1.1.チャンバ1
チャンバ1は、所望の三次元造形物が形成される領域である所要の造形領域Rを覆い、不活性ガス供給装置から所定濃度の不活性ガスが供給されるとともに、固化層の形成に発生するヒュームを含んだ不活性ガスを排出している。不活性ガス供給装置は、例えば、周囲の空気から所定濃度の不活性ガスを生成する不活性ガス発生装置、又は所定濃度の不活性ガスが貯留されたガスボンベである。好ましくは、チャンバ1から排出された不活性ガスは、ヒュームコレクタによってヒュームが除去されチャンバ1に返送される。ヒュームコレクタは、例えば、電気集塵機又はフィルタである。本明細書において不活性ガスとは、材料層8や固化層と実質的に反応しないガスであり、成形材料の種類に応じて窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等から適当なものが選択される。
【0014】
チャンバ1の上面には、レーザ光L1,L2の透過窓となるチャンバウィンドウ1aが設けられる。チャンバウィンドウ1aは、レーザ光L1,L2を透過可能な材料で形成される。具体的に、チャンバウィンドウ1aの材料は、レーザ光L1,L2の種類に応じて、石英ガラスもしくはホウケイ酸ガラス又はゲルマニウム、シリコン、ジンクセレンもしくは臭化カリウムの結晶等から選択される。例えば、レーザ光L1,L2がファイバレーザ又はYAGレーザの場合、チャンバウィンドウ1aは石英ガラスで構成可能である。
【0015】
また、チャンバ1の上面には、チャンバウィンドウ1aを覆うようにヒューム拡散部17が設けられる。ヒューム拡散部17は、円筒状の筐体17aと、筐体17a内に配置された円筒状の拡散部材17cとを備える。筐体17aと拡散部材17cの間に不活性ガス供給空間17dが設けられる。また、筐体17aの底面には、拡散部材17cの内側に開口部17bが設けられる。拡散部材17cには多数の細孔17eが設けられており、不活性ガス供給空間17dに供給された清浄な不活性ガスは細孔17eを通じて清浄室17fに充満される。そして、清浄室17fに充満された清浄な不活性ガスは、開口部17bを通じてヒューム拡散部17の下方に向かって噴出される。このような構成により、ヒュームのチャンバウィンドウ1aへの付着を防止し、レーザ光L1,L2の照射経路からヒュームを排除することができる。
【0016】
1.2.材料層形成装置3
材料層形成装置3は、チャンバ1の内部に設けられる。図2に示すように、材料層形成装置3は、造形領域Rを有するベース4と、ベース4上に配置されるリコータヘッド11とを備える。リコータヘッド11は、リコータヘッド駆動機構12によって水平1軸方向(矢印B方向)に往復移動可能に構成される。
【0017】
図3及び図4に示すように、リコータヘッド11は、材料収容部11aと、材料供給口11bと、材料排出口11cとを備える。本実施形態においては、材料層8を形成する成形材料として、金属の材料粉体が使用される。
【0018】
材料供給口11bは、材料収容部11aの上面に設けられ、材料供給ユニット(不図示)から材料収容部11aに供給される材料粉体の受け口となる。材料排出口11cは、材料収容部11aの底面に設けられ、材料収容部11a内の材料粉体を排出する。材料排出口11cは、材料収容部11aの長手方向に延びるスリット形状を有する。リコータヘッド11の両側面には、ブレード11fb,11rbが設けられる。ブレード11fb,11rbは、材料排出口11cから排出される材料粉体を平坦化して、材料層8を形成する。
【0019】
図1及び図2に示すように、造形領域Rは、造形テーブル5の上に位置する。造形テーブル5は、造形テーブル駆動機構(不図示)によって駆動され上下方向(矢印U方向)に移動可能である。造形時には、造形テーブル5上にベースプレート6が配置され、その上に材料層8が形成される。
【0020】
1.3.照射装置13
図1に示すように、照射装置13は、チャンバ1の上方に設けられる。図8に示すように、照射装置13は、造形領域R上に形成される材料粉体層の所定箇所にレーザ光L1,L2を照射して、照射位置の材料層8を溶融又は焼結させ、固化させる。図1及び図5に示すように、照射装置13は、第1及び第2のレーザ光源31,41と、第1及び第2のアパーチャ33,43と、第1及び第2のフォーカス制御ユニット34,44と、第1及び第2の調整レンズ35,45と、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42と、照射制御装置30とを備える。以下において、造形領域Rにおける水平1軸方向をX軸、X軸に垂直な水平1軸方向をY軸とする。また、レーザ光L1,L2の進路に沿って、相対的に第1及び第2のレーザ光源31,41に近い側を上流側、材料層8に近い側を下流側とする。
【0021】
第1及び第2のレーザ光源31,41は、レーザ光L1,L2を生成する。レーザ光L1,L2は、材料粉体を焼結又は溶融可能であればよく、例えば、ファイバレーザ、COレーザ、YAGレーザ等であり、本実施形態においてはファイバレーザが用いられる。後述するように、本実施形態においては、2つのレーザ光源31,41により生成されるレーザ光L1,L2を、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42により各々走査するが、1つのレーザ光源により生成されるレーザ光を分割し、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42により各々走査してもよい。
【0022】
図5及び図6に示すように、本実施形態に係る第1及び第2のアパーチャ33,43と、第1及び第2のフォーカス制御ユニット34,44と、第1及び第2の調整レンズ35,45と、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42は、底面に開口部14aを有する筐体14内に一体的に配置される。開口部14aには、レーザ光L1,L2の透過窓となる照射装置ウィンドウ14bが設けられる。照射装置ウィンドウ14bは、レーザ光L1,L2を透過可能な材料で形成される。具体的に、照射装置ウィンドウ14bの材料は、レーザ光L1,L2の種類に応じて、石英ガラスもしくはホウケイ酸ガラス又はゲルマニウム、シリコン、ジンクセレンもしくは臭化カリウムの結晶等から選択される。例えば、レーザ光L1,L2がファイバレーザ又はYAGレーザの場合、照射装置ウィンドウ14bは石英ガラスで構成可能である。また、筐体14には、各ガルバノスキャナ32,42及びフォーカス制御ユニット34,44と電気的に接続される制御基板38,48が配置される。第1及び第2のガルバノスキャナ32,42は、第1及び第2のX軸ガルバノミラー32a,42a、第1及び第2のX軸アクチュエータ32c,42c、第1及び第2のY軸ガルバノミラー32b,42b、及び第1及び第2のY軸アクチュエータ32d,42dを各々備える。
【0023】
第1及び第2のレーザ光源31,41は、筐体14の背面に配置されるコネクタ37,47を介して、第1及び第2のアパーチャ33,43に各々接続される。第1及び第2のアパーチャ33,43は、第1及び第2のレーザ光源31,41からのレーザ光L1,L2の中心部のみを通過させる絞りとしての役割を果たし、これにより、照射するレーザ光L1,L2のエネルギー分布を安定させることができる。
【0024】
第1及び第2のフォーカス制御ユニット34,44は、内部に焦点制御レンズ34a,44aを各々備える。本実施形態における焦点制御レンズ34a,44aは、第1及び第2のレーザ光源31,41からのレーザ光L1,L2の各進路に沿って上流側が平面で、下流側が凸面である平凸レンズである。焦点制御レンズ34a,44aは、フォーカス制御ユニット34,44に内蔵されるモータによりレーザ光L1,L2の進路に沿って前後に移動可能であり、これにより、各焦点制御レンズ34a,44aを透過するレーザ光L1,L2のスポット径を調整することができる。レーザ光L1,L2のスポット径は、照射制御装置30から制御基板38,48を介して受信する指令信号に基づいてフォーカス制御ユニット34,44のモータに入力される駆動電流により、制御される。
【0025】
焦点制御レンズ34a,44aを各々透過したレーザ光L1,L2は、第1及び第2の調整レンズ35,45により各々集光される。本実施形態における第1及び第2の調整レンズ35,45は、レーザ光L1,L2の各進路に沿って上流側が平面で、下流側が凸面である平凸レンズである。第1及び第2の調整レンズ35,45は、手動で位置の調整が可能であり、装置の取り付け時等に誤差が生じ得るスポット径を微調整する役割を果たす。
【0026】
図6及び図7に示すように、第1のガルバノスキャナ32は、第1の調整レンズ35を透過したレーザ光L1を制御可能に2次元走査する。具体的には、レーザ光L1は、第1のX軸アクチュエータ32cにより回転される第1のX軸ガルバノミラー32aにより反射されて造形領域RのX軸方向に走査され、第1のY軸アクチュエータ32dにより回転される第1のY軸ガルバノミラー32bにより反射されて造形領域RのY軸方向に走査される。第1のX軸ガルバノミラー32a及び第1のY軸ガルバノミラー32bの回転角度は、照射制御装置30から制御基板38を介して受信する指令信号に基づいて第1のX軸アクチュエータ32c及び第1のY軸アクチュエータ32dに入力される駆動電流により、制御される。ここで、第1のガルバノスキャナ32は、造形領域R上の任意の点位置を照射可能に構成される。換言すれば、第1のガルバノスキャナ32の照射可能範囲は、造形領域Rの全てを含有する。
【0027】
第2のガルバノスキャナ42は、第2の調整レンズ45を透過したレーザ光L2を制御可能に2次元走査する。具体的には、レーザ光L2は、第2のX軸アクチュエータ42cにより回転される第2のX軸ガルバノミラー42aにより反射されて造形領域RのX軸方向に走査され、第2のY軸アクチュエータ42dにより回転される第2のY軸ガルバノミラー42bにより反射されて造形領域RのY軸方向に走査される。第2のX軸ガルバノミラー42a及び第2のY軸ガルバノミラー42bの回転角度は、照射制御装置30から制御基板48を介して受信する指令信号に基づいて第2のX軸アクチュエータ42c及び第2のY軸アクチュエータ42dに入力される駆動電流により、制御される。ここで、第2のガルバノスキャナ42は、造形領域R上の任意の位置を照射可能に構成される。換言すれば、第2のガルバノスキャナ42の照射可能範囲は、造形領域Rの全てを含有する。
【0028】
図6及び図7において、対称面Pは、調整レンズ35,45を通過したレーザ光L1,L2の光軸から等距離にあり、造形領域Rに対して垂直な面である。第1のガルバノスキャナ32の第1のX軸ガルバノミラー32a及び第1のY軸ガルバノミラー32bと、第2のガルバノスキャナ42の第2のX軸ガルバノミラー42a及び第2のY軸ガルバノミラー42bとは、対称面Pについて互いに面対称となるように配置される。
【0029】
第1のガルバノスキャナ32と第2のガルバノスキャナ42とは、それぞれが物理的に干渉しない範囲で、より近接して設けられることが望ましい。換言すれば、各ガルバノスキャナ32,42におけるレーザ光L1,L2の下流側の反射位置間の距離がより近いことが好ましい。具体的には、各ガルバノスキャナ32,42は、第1のガルバノスキャナ32の第1のX軸ガルバノミラー32a及び第1のY軸ガルバノミラー32bのうち、下流側のガルバノミラーのレーザ光L1の第1の反射位置(本実施形態においては、第1のX軸ガルバノミラー32aにおける反射位置)と、第2のガルバノスキャナ42第2のX軸ガルバノミラー42a及び第2のY軸ガルバノミラー42bのうち、下流側のガルバノミラーのレーザ光L2の第2の反射位置(本実施形態においては、第2のX軸ガルバノミラー42aにおける反射位置)との距離がレーザ光L1,L2の照射時において常に150mm以下、特に好ましくは100mm以下となるように、配置されることが好ましい。第1のガルバノスキャナ32と第2のガルバノスキャナ42とは互いに面対称になるように配置されているので、物理的な干渉を生じることなく、第1の反射位置及び第2の反射位置間の距離を150mm以下として第1のガルバノスキャナ32及び第2のガルバノスキャナ42を配置することができる。
【0030】
図7において、第1のガルバノスキャナ32により造形領域R内の所定の箇所にレーザ光L1を照射した際の入射面における鉛直方向に対するレーザ光L1の第1の入射角度をθ1[°]、第2のガルバノスキャナ42により造形領域R内の当該所定の箇所にレーザ光L2を照射した際の入射面における鉛直方向に対するレーザ光L2の第2の入射角度をθ2[°]とする。また、レーザ光L1,L2は、造形領域R内の材料層8上において照射スポットR1,R2を各々形成する。ここで、照射スポットとは、照射位置におけるレーザ光の形状を意味する。後述するように、照射スポットR1,R2の形状やエネルギー密度の差をより小さくし造形品質のばらつきを低減するためには、第1の入射角度θ1と第2の入射角度θ2の差はより小さいことが望ましい。本実施形態において、照射装置13は、造形領域Rの任意の箇所において、レーザ光L1,L2を照射した際の第1の入射角度θ1と第2の入射角度θ2の差の絶対値が常に7°以下、特に好ましくは3°以下となるように構成される。
【0031】
照射装置13の水平方向の位置は、好ましくは、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42の下流側のガルバノミラーのレーザ光L1,L2の反射位置が造形領域Rの略中央位置の上方に位置するように構成される。
【0032】
図8に示すように、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42を通過したレーザ光L1,L2は、照射装置ウィンドウ14b、チャンバウィンドウ1aを透過して、造形領域R上に形成される材料層8の所定箇所に照射される。下流側のガルバノミラーのレーザ光L1,L2の反射位置が造形領域Rの略中央位置の上方に位置するように構成されているので、チャンバ1におけるレーザ光L1,L2の透過窓を、比較的小型の1つのチャンバウィンドウ1aで構成できる。そのため、チャンバウィンドウ1aの清掃や交換を、比較的容易に行うことができる。
【0033】
照射制御装置30は、不図示の数値制御装置から送られたレーザ光L1,L2の走査経路に係る具体的な指令を含む造形プログラムファイルを解析してレーザ光照射データの生成を行う。さらに、照射制御装置30は、レーザ光照射データに基づき所望の指令信号を送信し、指令信号に対応する大きさの駆動電流が、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42の各アクチュエータ32c,32d,42c,42dに入力される。駆動電流により各ガルバノミラー32a,32b,42a,42bは所望の回転角を成し、これにより、造形領域R上でのレーザ光L1,L2の照射位置が決定される。また、照射制御装置30は、レーザ光源31,41を制御し、レーザ光L1,L2のオン/オフ及び強度等の制御も行う。
【0034】
なお、照射装置13は、上述の形態に限定されない。例えば、第1及び第2のフォーカス制御ユニット34,44に代えて、fθレンズが設けられてもよい。また、本実施形態では第1及び第2のフォーカス制御ユニット34,44における焦点制御レンズ34a,44aは集光レンズであったが、焦点制御レンズ34a,44aとして拡散レンズが使用されてもよい。また、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42において、第1のX軸ガルバノミラー32a及び第2のX軸ガルバノミラー42aが下流側に設けられたが、第1のY軸ガルバノミラー32b及び第2のY軸ガルバノミラー42bが下流側に設けられてもよい。但し、各レーザ光L1,L2の強度や種類、各レーザ光L1,L2が透過する光学部材の種類、各ガルバノミラー32a,32b,42a,42bの反射率は、同一であることが望ましい。
【0035】
2.積層造形方法
次に、上述の積層造形装置を用いた積層造形物の製造方法について説明する。
【0036】
まず、図1に示すように、造形テーブル5上にベースプレート6を載置した状態で造形テーブル5の高さを適切な位置に調整する。この状態で、リコータヘッド11を図1の矢印B方向に造形領域Rの左側から右側に移動させることにより、図8に示すように、造形テーブル5上に1層目の材料層8が形成される。
【0037】
図9は、本実施形態に係る照射装置13及び造形領域Rの、上面から見た位置関係を示す概略図である。各ガルバノミラー32a,32b,42a,42bは、造形領域Rの略中央位置の上方に位置する。この状態で、材料層8の所定の照射領域Aにレーザ光L1,L2を照射することによって、材料層8を固化させ、図10に示すような1層目の固化層80aを得る。なお、照射領域Aは、造形領域R内に存在する各分割層におけるレーザ光L1,L2の照射範囲をいい、各分割層における固化層の輪郭形状で規定される領域とおおよそ一致する。
【0038】
図11は、レーザ光L1,L2により図10の照射領域A内の点Qを照射した際の、レーザ光L1,L2の進路を示す図である。第2のガルバノスキャナ42により点Qに照射されるレーザ光L2の入射面T2における第2の入射角度θ2(Q)は、点Qにより近い位置から第1のガルバノスキャナ32により点Qに照射されるレーザ光L1の入射面T1における第1の入射角度θ1(Q)よりも大きくなる。従って、レーザ光L2の点Qにおける照射スポットR2(Q)は、レーザ光L1の点Qにおける照射スポットR1(Q)と比較して大きく、照射スポットのエネルギー密度は小さくなる。
【0039】
造形領域R内の所定位置に照射した際のレーザ光L1及びレーザ光L2の照射スポットR1,R2の形状やエネルギー密度の差が大きいと、レーザ光の選択により造形品質にばらつきが生じる。本実施形態においては、第1のガルバノスキャナ32及び第2のガルバノスキャナ42を、第1のX軸ガルバノミラー32a及び第1のY軸ガルバノミラー32bと、第2のX軸ガルバノミラー42a及び第2のY軸ガルバノミラー42bとが互いに面対称となるように構成し、レーザ光L1,L2の下流側の反射位置間の距離をより小さくすることで、照射スポットR1,R2の形状を均一化させ、所定位置に照射した際のエネルギー密度の差の低減を図っている。
【0040】
さらに、本実施形態においては、造形領域Rの照射位置において、レーザ光L1,L2の第1及び第2の入射角度θ1,θ2の差の絶対値が常に7°以下、より好ましくは3°以下となるように構成されている。このような構成により、所定位置に照射した際の照射スポットR1,R2の形状が略均一となり、レーザ光L1,L2のエネルギー密度の差がさらに低減され、造形品質を安定化させることができる。
【0041】
また、上述のように、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42の照射可能範囲は、造形領域Rの全てを含有する。従って、造形物の形状や造形領域R内における造形物の位置を問わず、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42からのレーザ光L1,L2を所定の照射領域A内の異なる位置に同時に照射し、造形速度の高速化を図ることができる。
【0042】
図10の例示的な照射領域Aにおいて、照射領域Aは、2つの照射領域A1,A2に分割され、照射領域A1にはレーザ光L1が、照射領域A2にはレーザ光L2が照射される。照射領域Aにおける照射面積を、全体の照射面積Sとし、照射領域A1,A2における照射面積を、それぞれ第1の照射面積S1、第2の照射面積S2とする。照射制御装置30により、第1及び第2の照射面積S1,S2が概ね同じになるように第1及び第2のガルバノスキャナ32,42を制御することにより、効率的にレーザ光L1,L2を照射し、造形速度の高速化を図ることができる。好ましくは、照射制御装置30は、所定の分割層における第1の照射面積S1及び第2の照射面積S2の、全体の照射面積Sに対する割合が、それぞれ40%以上60%以下、特に好ましくは、それぞれ45%以上55%以下であるように、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42を制御する。また、第1の照射面積S1及び第2の照射面積S2が概ね同じ面積となる分割層は、所望の三次元造形物における略全ての分割層であることが好ましい。具体的に、8割以上の分割層、特に好ましくは9割以上の分割層、さらに好ましくは全ての分割層において、第1及び第2の照射面積S1,S2が概ね同じになるように第1及び第2のガルバノスキャナ32,42が制御されることが望ましい。
【0043】
続いて、1層目の固化層80aを形成後、造形テーブル5の高さを材料粉体層の1層分下げる。この状態で、リコータヘッド11を造形領域Rの右側から左側に移動させることにより、1層目の固化層80aを覆うように造形テーブル5上に2層目の材料層8が形成される。続いて、上述と同様の方法で、材料層8中の所定部位にレーザ光L1、L2を照射して固化させることにより、図12に示すように、2層目の固化層80bを得る。
【0044】
以上の工程を繰り返すことによって、3層目以降の固化層が形成される。隣接する固化層は、互いに強く固着される。
【0045】
なお、三次元造形物の造形後又は造形途中に、チャンバ1内に設けられた切削装置(不図示)により、固化層が積層されて得られた固化体の表面や不要部分に対して機械加工を施してもよい。積層造形の完了後は、未固化の材料粉体及び切削屑を排出することによって、造形物を得ることができる。
【0046】
3.他の実施形態
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、以下の態様によっても実施することができる。
【0047】
上述の第1実施形態に係る照射装置13は、第1及び第2のガルバノスキャナ32,42からなる2台のガルバノスキャナを備える。照射装置が備えるガルバノスキャナの数は2台に限定されず、例えば、4台のガルバノスキャナを備える構成としてもよい。
【0048】
図13は、本発明の第2実施形態に係る照射装置113の概略構成図であり、照射装置113を上面から見た際の構成部品の一部の構成を示している。当該構成において、照射装置113は、第1実施形態と同様の構成である第1及び第2のガルバノスキャナ32,42に加え、第3及び第4のガルバノスキャナ52,62を備える。
【0049】
第3及び第4のガルバノスキャナ52,62は、照射制御装置30に制御され、レーザ光L3,L4を各々走査する。不図示の第3及び第4のレーザ光源は、筐体114の背面に配置されるコネクタ57,67を介して、第3及び第4のアパーチャ53,63に各々接続される。第3及び第4の光源により生成されるレーザ光L3,L4は、第3及び第4のアパーチャ53,63を各々通過し、第3及び第4のフォーカス制御ユニットの各焦点制御レンズ54a,64a、及び第3及び第4の調整レンズ55,65を各々通過して集光され、第3及び第4のガルバノスキャナ52,62へと入射する。筐体114には、第3のガルバノスキャナ52及び第3のフォーカス制御ユニットと電気的に接続される制御基板と、第4のガルバノスキャナ62及び第4のフォーカス制御ユニットと電気的に接続される制御基板とがそれぞれ配置される。これらの照射装置113に係る構成部品の機能及び構成は、第1実施形態における照射装置13に係る構成部品の機能及び構成と同様であるため、その詳細な記載は省略する。また、これらの構成部品は、筐体114内に一体的に配置される。
【0050】
第3のガルバノスキャナ52はレーザ光L3をX軸方向に走査する第3のX軸ガルバノミラー52aと、第3のX軸ガルバノミラー52aを回転させる第3のX軸アクチュエータ52cと、レーザ光L3をY軸方向に走査する第3のY軸ガルバノミラー52bと、第3のY軸ガルバノミラー52bを回転させる第3のY軸アクチュエータ52dと、を備える。
【0051】
第4のガルバノスキャナ62は、レーザ光L4をX軸方向に走査する第4のX軸ガルバノミラー62aと、第4のX軸ガルバノミラー62aを回転させる第4のX軸アクチュエータ62cと、レーザ光L4をY軸方向に走査する第4のY軸ガルバノミラー62bと、第4のY軸ガルバノミラー62bを回転させる第4のY軸アクチュエータ62dと、を備える。
【0052】
第3及び第4のガルバノスキャナ52,62は、造形領域R上の任意の位置を照射可能に構成される。換言すれば、第3及び第4のガルバノスキャナ52,62の照射可能範囲は、造形領域Rの全てを含有する。
【0053】
また、第3のガルバノスキャナ52の第3のX軸ガルバノミラー52a及び第3のY軸ガルバノミラー52bと、第4のガルバノスキャナ62の第4のX軸ガルバノミラー62a及び第4のY軸ガルバノミラー62bとは、互いに面対称となるように配置される。さらに、好ましくは、第1、第2、第3、第4のガルバノスキャナ32,42,52,62の下流側のガルバノミラーのレーザ光L1,L2,L3,L4の反射位置が造形領域Rの略中央位置の上方に位置するように構成される。
【0054】
第3のガルバノスキャナ52及び第4のガルバノスキャナ62は、これらの構造的関係が、第1のガルバノスキャナ32と第2のガルバノスキャナ42との構造的関係と同様となるように構成される。つまり、第3のガルバノスキャナ52と第4のガルバノスキャナ62とは、各ガルバノスキャナ52,62におけるレーザ光L3,L4の下流側の反射位置間の距離がより近いことが好ましい。具体的には、各ガルバノスキャナ52,62は、第3のガルバノスキャナ52の第3のX軸ガルバノミラー52a及び第3のY軸ガルバノミラー52bのうち、下流側のガルバノミラーのレーザ光L3の第3の反射位置(本実施形態においては、第3のX軸ガルバノミラー52aにおける反射位置)と、第4のガルバノスキャナ62の第4のX軸ガルバノミラー62a及び第4のY軸ガルバノミラー62bのうち、下流側のガルバノミラーのレーザ光L4の第4の反射位置(本実施形態においては、第4のX軸ガルバノミラー62aにおける反射位置)との距離がレーザ光L3,L4の照射時において常に150mm以下、特に好ましくは100mm以下となるように、配置されることが好ましい。
【0055】
また、第3のガルバノスキャナ52により造形領域R内の所定の箇所にレーザ光L3を照射した際の入射面における鉛直方向に対するレーザ光L3の第3の入射角度をθ3[°]、第4のガルバノスキャナ62により造形領域R内の当該所定の箇所にレーザ光L4を照射した際の入射面における鉛直方向に対するレーザ光L4の第4の入射角度をθ4[°]とすると、照射スポットの形状やエネルギー密度の差を小さくするために、第3の入射角度θ3と第4の入射角度θ4の差はより小さいことが望ましい。本実施形態において、照射装置113は、造形領域Rの任意の箇所において、レーザ光L3,L4を照射した際の第3の入射角度θ3と第4の入射角度θ4の差の絶対値が常に7°以下、特に好ましくは3°以下となるように構成される。
【0056】
第2実施形態に係る積層造形装置を用いて積層造形物を製造する場合、例えば、材料層8の所定の照射領域Aにレーザ光L1,L2,L3,L4を照射することによって、材料層8を固化させ、固化層を得る。照射領域Aは4つの照射領域A1,A2,A3,A4に分割され、照射領域A1,A2,A3,A4にはレーザ光L1,L2,L3,L4が各々照射される。照射領域Aにおける照射面積を、全体の照射面積Sとし、照射領域A1,A2,A3,A4における照射面積を、それぞれ第1の照射面積S1、第2の照射面積S2、第3の照射面積S3、第4の照射面積S4とする。照射制御装置30により、第1から第4の照射面積S1,S2,S3,S4が概ね同じになるように第1から第4のガルバノスキャナ32,42,52,62を制御することにより、効率的にレーザ光L1,L2,L3,L4を照射し、造形速度のさらなる高速化を図ることができる。好ましくは、照射制御装置30は、所定の分割層における第1から第4の照射面積S1,S2,S3,S4の、全体の照射面積Sに対する割合が、それぞれ20%以上30%以下、特に好ましくは、それぞれ22.5%以上27.5%以下であるように、第1から第4のガルバノスキャナ32,42,52,62を制御する。また、第1から第4の照射面積S1,S2,S3,S4が概ね同じ面積となる分割層は、所望の三次元造形物における略全ての分割層であることが好ましい。具体的に、8割以上の分割層、特に好ましくは9割以上の分割層、さらに好ましくは全ての分割層において、第1から第4の照射面積S1,S2,S3,S4が概ね同じになるように第1から第4のガルバノスキャナ32,42,52,62が制御されることが望ましい。
【0057】
第2実施形態においても、上述の構成によりレーザ光L1,L2,L3,L4の照射スポットの形状差とエネルギー密度の差を低減することができ、造形品質を安定化させることができる。また、4台のガルバノスキャナからのレーザ光L1,L2,L3,L4を照射領域の異なる位置に同時に照射することが可能であるため、造形速度の高速化をさらに図ることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 :チャンバ
1a :チャンバウィンドウ
3 :材料層形成装置
4 :ベース
5 :造形テーブル
6 :ベースプレート
8 :材料層
11 :リコータヘッド
11a :材料収容部
11b :材料供給口
11c :材料排出口
11fb,11rb :ブレード
12 :リコータヘッド駆動機構
13,113 :照射装置
14,114 :筐体
14a :開口部
14b :照射装置ウィンドウ
17 :ヒューム拡散部
17a :筐体
17b :開口部
17c :拡散部材
17d :不活性ガス供給空間
17e :細孔
17f :清浄室
30 :照射制御装置
31 :第1のレーザ光源
32 :第1のガルバノスキャナ
32a :第1のX軸ガルバノミラー
32b :第1のY軸ガルバノミラー
32c :第1のX軸アクチュエータ
32d :第1のY軸アクチュエータ
33 :第1のアパーチャ
34 :第1のフォーカス制御ユニット
34a :焦点制御レンズ
35 :第1の調整レンズ
37 :コネクタ
38 :制御基板
41 :第2のレーザ光源
42 :第2のガルバノスキャナ
42a :第2のX軸ガルバノミラー
42b :第2のY軸ガルバノミラー
42c :第2のX軸アクチュエータ
42d :第2のY軸アクチュエータ
43 :第2のアパーチャ
44 :第2のフォーカス制御ユニット
44a :焦点制御レンズ
45 :第2の調整レンズ
47 :コネクタ
48 :制御基板
52 :第3のガルバノスキャナ
52a :第3のX軸ガルバノミラー
52b :第3のY軸ガルバノミラー
52c :第3のX軸アクチュエータ
52d :第3のY軸アクチュエータ
53 :第3のアパーチャ
54a :焦点制御レンズ
55 :第3の調整レンズ
57 :コネクタ
62 :第4のガルバノスキャナ
62a :第4のX軸ガルバノミラー
62b :第4のY軸ガルバノミラー
62c :第4のX軸アクチュエータ
62d :第4のY軸アクチュエータ
63 :第4のアパーチャ
64a :焦点制御レンズ
65 :第4の調整レンズ
67 :コネクタ
80a,80b :固化層
L1,L2,L3,L4 :レーザ光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2020年9月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造形領域を覆うチャンバと、
所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる分割層毎に、前記造形領域に形成された材料層にレーザ光を照射して固化層を形成する照射装置と、を備え、
前記照射装置は、
前記レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、
前記レーザ光を走査する第1のガルバノスキャナと、
前記レーザ光を走査する第2のガルバノスキャナと、
前記レーザ光源、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する照射制御装置と、を含み、
前記第1のガルバノスキャナは、
前記レーザ光をX軸方向に走査する第1のX軸ガルバノミラーと、
前記第1のX軸ガルバノミラーを回転させる第1のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記X軸方向に垂直なY軸方向に走査する第1のY軸ガルバノミラーと、
前記第1のY軸ガルバノミラーを回転させる第1のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第2のガルバノスキャナは、
前記レーザ光を前記X軸方向に走査する第2のX軸ガルバノミラーと、
前記第2のX軸ガルバノミラーを回転させる第2のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記Y軸方向に走査する第2のY軸ガルバノミラーと、
前記第2のY軸ガルバノミラーを回転させる第2のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の照射可能範囲は、それぞれ前記造形領域を全て含有し、
前記レーザ光の進路に沿って、相対的に前記レーザ光源に近い側を上流側、前記材料層に近い側を下流側としたときに、前記第1のX軸ガルバノミラー及び前記第1のY軸ガルバノミラーと、前記第2のX軸ガルバノミラー及び前記第2のY軸ガルバノミラーとは、前記第1のX軸ガルバノミラーと前記第1のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方と前記第2のX軸ガルバノミラーと前記第2のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方との間の距離が、前記第1のX軸ガルバノミラーと前記第1のY軸ガルバノミラーのうち上流側の一方と前記第2のX軸ガルバノミラーと前記第2のY軸ガルバノミラーのうち上流側の一方との間の距離よりも小さくなるように、前記造形領域に対して垂直な面である対称面 について互いに面対称になるように配置され、
前記第1のX軸ガルバノミラーと前記第1のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第1の反射位置と、前記第2のX軸ガルバノミラーと前記第2のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第2の反射位置との距離が、150mm以下となるように構成される、積層造形装置。
【請求項2】
前記第1の反射位置と、前記第2の反射位置との距離が、100mm以下となるように構成される、請求項に記載の積層造形装置。
【請求項3】
前記第1のガルバノスキャナにより前記造形領域内の所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第1の入射角度と、前記第2のガルバノスキャナにより前記造形領域内の前記所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第2の入射角度との差の絶対値は、7°以下となるように構成される、請求項1または請求項のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項4】
前記第1の入射角度と、前記第2の入射角度との差の絶対値は、3°以下となるように構成される、請求項に記載の積層造形装置。
【請求項5】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第1の照射面積及び前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第2の照射面積の全体の照射面積に対する割合が、それぞれ40%以上60%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項6】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1の照射面積及び前記第2の照射面積の前記全体の照射面積に対する割合が、それぞれ45%以上55%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ及び前記第2のガルバノスキャナを制御する、請求項に記載の積層造形装置。
【請求項7】
前記照射装置は、
前記レーザ光を走査する第3のガルバノスキャナと、
前記レーザ光を走査する第4のガルバノスキャナと、をさらに含み、
前記照射制御装置は、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナをさらに制御し、
前記第3のガルバノスキャナは、
前記レーザ光をX軸方向に走査する第3のX軸ガルバノミラーと、
前記第3のX軸ガルバノミラーを回転させる第3のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記X軸方向に垂直なY軸方向に走査する第3のY軸ガルバノミラーと、
前記第3のY軸ガルバノミラーを回転させる第3のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第4のガルバノスキャナは、
前記レーザ光を前記X軸方向に走査する第4のX軸ガルバノミラーと、
前記第4のX軸ガルバノミラーを回転させる第4のX軸アクチュエータと、
前記レーザ光を前記Y軸方向に走査する第4のY軸ガルバノミラーと、
前記第4のY軸ガルバノミラーを回転させる第4のY軸アクチュエータと、を有し、
前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナによる前記レーザ光の照射可能範囲は、それぞれ前記造形領域を全て含有し、
前記第3のX軸ガルバノミラー及び前記第3のY軸ガルバノミラーと、前記第4のX軸ガルバノミラー及び前記第4のY軸ガルバノミラーとは、互いに面対称になるように配置される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項8】
前記第3のX軸ガルバノミラーと前記第3のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第3の反射位置と、前記第4のX軸ガルバノミラーと前記第4のY軸ガルバノミラーのうち下流側の一方における前記レーザ光の第4の反射位置との距離が、150mm以下となるように構成される、請求項に記載の積層造形装置。
【請求項9】
前記第3の反射位置と、前記第4の反射位置との距離が、100mm以下となるように構成される、請求項に記載の積層造形装置。
【請求項10】
前記第3のガルバノスキャナにより前記造形領域内の所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第3の入射角度と、前記第4のガルバノスキャナにより前記造形領域内の前記所定の箇所に前記レーザ光を照射した際の入射面における鉛直方向に対する前記レーザ光の第4の入射角度との差の絶対値は、7°以下となるように構成される、請求項から請求項のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項11】
前記第3の入射角度と、前記第4の入射角度との差の絶対値は、3°以下となるように構成される、請求項10に記載の積層造形装置。
【請求項12】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第1の照射面積、前記第2のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第2の照射面積、前記第3のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第3の照射面積及び前記第4のガルバノスキャナによる前記レーザ光の第4の照射面積の全体の照射面積に対する割合が、それぞれ20%以上30%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ、前記第2のガルバノスキャナ、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナを制御する、請求項から請求項11のいずれか1項に記載の積層造形装置。
【請求項13】
前記照射制御装置は、所定の前記分割層における前記第1の照射面積、前記第2の照射面積、前記第3の照射面積及び前記第4の照射面積の前記全体の照射面積に対する割合が、それぞれ22.5%以上27.5%以下であるように、前記第1のガルバノスキャナ、前記第2のガルバノスキャナ、前記第3のガルバノスキャナ及び前記第4のガルバノスキャナを制御する、請求項12に記載の積層造形装置。