(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-89427(P2021-89427A)
(43)【公開日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20210514BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20210514BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20210514BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20210514BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20210514BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 349A
G09F9/30 360
H01L33/62
H01L33/50
H01L33/58
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2020-196676(P2020-196676)
(22)【出願日】2020年11月27日
(31)【優先権主張番号】108144232
(32)【優先日】2019年12月4日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520467017
【氏名又は名称】▲ナイ▼創▲顕▼示科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】羅 玉雲
(72)【発明者】
【氏名】孫 聖淵
(72)【発明者】
【氏名】呉 志凌
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲彦▼▲イェ▼
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA10
5C094AA16
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA09
5C094FB14
5C094GB01
5C094JA08
5F142AA03
5F142BA32
5F142CB12
5F142CB23
5F142CD02
5F142DA14
5F142DA23
5F142DA36
5F142DA72
5F142DB17
5F142DB30
5F142GA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マイクロ発光ダイオードディスプレイの光出力率を向上させ光漏れを低減する。
【解決手段】マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、基板110と、複数のピクセル構造120と、複数の波長変換構造130,131とを含む。ピクセル構造は、基板上に配置されている。各ピクセル構造は、複数のマイクロ発光ダイオード121,122,123を含む。マイクロ発光ダイオードは、接続されたエピタキシャル構造の複数の異なる部分によって形成されている。波長変換構造は、エピタキシャル構造内に配置され、マイクロ発光ダイオードの少なくとも一部とそれぞれ位置合わせされている。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された複数のピクセル構造であって、各ピクセル構造が、複数のマイクロ発光ダイオードを含み、前記マイクロ発光ダイオードが、接続されたエピタキシャル構造の複数の異なる部分によって形成されている、複数のピクセル構造と、
前記エピタキシャル構造内に配置され、前記マイクロ発光ダイオードの少なくとも一部とそれぞれ位置合わせされている複数の波長変換構造と
を備える、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項2】
前記エピタキシャル構造が、少なくとも部分的に接続された第1の型の半導体層と、互いに分離された複数の発光層と、互いに分離された複数の第2の型の半導体層とを含み、前記発光層が、前記第1の型の半導体層と前記第2の型の半導体層との間に配置されている、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項3】
各波長変換構造の厚さが、前記第1の型の半導体層の接続部分の厚さよりも大きい、請求項2に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項4】
前記マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルが、1≦A/B≦50、1.5≦A/C≦70、及び1.5≦B/C≦15の条件を満たし、ここで、Aは前記波長変換構造のそれぞれの厚さであり、Bは前記第1の型の半導体層の接続部分の厚さであり、Cは、前記第1の型の半導体層の前記接続部分から、前記基板に垂直な方向に前記波長変換構造から離れた各第2の型の半導体層の一端部までの距離である、請求項2に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項5】
前記エピタキシャル構造の第1の型の半導体層の非接続部分の厚さが、接続部分の厚さよりも大きい、請求項2に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項6】
前記波長変換構造の厚さに対する前記非接続部分の厚さの比が、0.9〜1.1である、請求項5に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項7】
前記ピクセル構造上に配置され、前記第1の型の半導体層に電気的に接続されている共通電極層をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項8】
前記基板から離れた前記エピタキシャル構造の一部の一端部が、前記基板から離れた各波長変換構造の一端部と同一平面上にある、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項9】
前記エピタキシャル構造と前記波長変換構造との間に配置されている遮光層をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項10】
前記遮光層が導電性を有する、請求項9に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項11】
前記マイクロ発光ダイオード間の間隔が、各マイクロ発光ダイオードの幅よりも小さい、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項12】
前記マイクロ発光ダイオード間の間隔と各マイクロ発光ダイオードの前記幅との比が、0.1〜0.9の範囲である、請求項11に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項13】
前記マイクロ発光ダイオード間の間隔が、10マイクロメートル以下である、請求項11に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項14】
前記マイクロ発光ダイオードの側壁上、及び前記マイクロ発光ダイオード間の前記エピタキシャル構造の前記接続部分上に配置されている分離層をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項15】
前記分離層の材料が、光吸収材料、反射材料、散乱材料、又はそれらの組み合わせを含む、請求項14に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【請求項16】
前記エピタキシャル構造の一部が、隣接する波長変換構造間に位置する、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイパネルに関し、詳細には、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオードディスプレイでは、複数の縦型マイクロ発光ダイオードがアレイに配列されて、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル上に配置されることがある。現在、透明導電層(酸化インジウムスズなど)が共通電極として一般的に使用されている。このようにして、複数の縦型マイクロ発光ダイオードが互いに電気的に接続され得、マイクロ発光ダイオードディスプレイが動作することができる。しかしながら、ディプレイのサイズが大きくなるにつれ、横方向の導電率及び低消費電力を維持するために、共通電極としての酸化インジウムスズの厚さも増やす必要がある。しかしながら、共通電極の厚さが増すと、ディスプレイの光出力率が低下し、それによって光漏れの問題が生じる。さらに、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル上に配置され、色変換を行うように構成された色変換構造は、表面に凹凸を生じさせるため、後続の共通電極の製造歩留まりが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、光出力率を向上させ、光漏れを低減することができるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、基板と、複数のピクセル構造と、複数の波長変換構造とを備える。ピクセル構造は、基板上に配置されている。各ピクセル構造は、複数のマイクロ発光ダイオードを含む。マイクロ発光ダイオードは、接続されたエピタキシャル構造の複数の異なる部分によって形成されている。波長変換構造は、エピタキシャル構造内に配置され、マイクロ発光ダイオードの少なくとも一部とそれぞれ位置合わせされている。
【0005】
本発明の一実施形態では、上述のエピタキシャル構造は、少なくとも部分的に接続された第1の型の半導体層と、互いに分離された複数の発光層と、互いに分離された複数の第2の型の半導体層とを含む。発光層は、第1の型の半導体層と第2の型の半導体層との間に配置されている。
【0006】
本発明の一実施形態では、波長変換構造のそれぞれの厚さは、第1の型の半導体層の接続部分の厚さよりも大きい。
【0007】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、1≦A/B≦50、1.5≦A/C≦70、及び1.5≦B/C≦15の条件を満たす。Aは波長変換構造の厚さであり、Bは第1の型の半導体層の接続部分の厚さであり、Cは第1の型の半導体層の接続部分から、基板に垂直な方向に波長変換構造から離れた各第2の型の半導体層の一端部までの距離である。
【0008】
本発明の一実施形態では、エピタキシャル構造の第1の型の半導体層の非接続部分の厚さは、接続部分の厚さよりも大きい。
【0009】
本発明の一実施形態では、波長変換構造の厚さに対する非接続部分の厚さの比は、0.9〜1.1である。
【0010】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、共通電極層をさらに備える。共通電極層は、ピクセル構造上に配置され、第1の型の半導体層に電気的に接続されている。
【0011】
本発明の一実施形態では、基板から離れたエピタキシャル構造の一部の一端部は、基板から離れた各波長変換構造の一端部と同一平面上にある。
【0012】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、遮光層をさらに含む。遮光層は、エピタキシャル構造と波長変換構造との間に配置されている。
【0013】
本発明の一実施形態では、遮光層は、導電性を有する。
【0014】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオード間の間隔は、各マイクロ発光ダイオードの幅よりも小さい。
【0015】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオード間の間隔と各マイクロ発光ダイオードの幅との比は、0.1〜0.9の範囲である。
【0016】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオード間の間隔は、10マイクロメートル以下である。
【0017】
本発明の一実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、分離層をさらに備える。分離層は、マイクロ発光ダイオードの側壁上、及びマイクロ発光ダイオード間のエピタキシャル構造の接続部分上に配置されている。
【0018】
本発明の一実施形態では、分離層の材料は、光吸収材料、反射材料、散乱材料、又はそれらの組み合わせを含む。
【0019】
本発明の一実施形態では、エピタキシャル構造の一部は、隣接する波長変換構造間に位置する。
【発明の効果】
【0020】
上記に基づき、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルにおいて、接続されたエピタキシャル構造が、複数のマイクロ発光ダイオードを電気的に接続するための共通電極として使用され得る。続いて、波長変換構造をエピタキシャル構造内に配置することにより、発光領域内及び波長変換構造の下のエピタキシャル構造の厚さを低減することができ、波長変換構造をエピタキシャル構造の表面に配置することによって生じる不均一性も低減することができる。したがって、従来のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルと比較して、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、エピタキシャル構造の接続部分が電流を伝達するための共通電極として使用され、エピタキシャル構造の厚い非接続部分が消費電力を削減するために保持されるという利点を有する。さらに、エピタキシャル構造を薄くすることにより、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルが、光出力率を向上させ、光漏れを低減する効果を発揮することが可能にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の一実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略上面図である。
【0022】
【
図1B】断面線I−I’に沿って取られた
図1Aのマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
【0023】
【
図2】本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
【0024】
【
図3】本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
【0025】
【
図4】本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1Aは、本発明の一実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略上面図である。
図1Bは、断面線I−I’に沿って取られた
図1Aのマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
【0027】
図1A及び
図1Bを一緒に参照すると、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、基板110と、複数のピクセル構造120と、複数の波長変換構造130及び131とを含む。基板110は、ベース111と、ベース111上に配置された回路層112とを含む。回路層112は、第1の駆動回路112a、第2の駆動回路112b、及び複数のスイッチ要素(図示せず)を含む。第1の駆動回路112a及び第2の駆動回路112bは、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10の非表示領域100aに位置する。ベース111は、例えば、プラスチック基板、ガラス基板、又はサファイア基板であってもよいが、これらに限定されない。
【0028】
本実施形態では、ピクセル構造120は、アレイに配列され、基板110上に配置されている。ピクセル構造120は、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10の表示領域100bに位置する。各ピクセル構造120は、発光領域120a及び非発光領域120bを含む。各ピクセル構造120は、発光領域120aに配置された複数のマイクロ発光ダイオード121、122、及び123を含む。本実施形態では、隣接するマイクロ発光ダイオード121、122、及び123間の間隔W1は、例えば、10マイクロメートル以下であり、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123のそれぞれの幅W2は、例えば、10マイクロメートル以下であるが、本実施形態は、これに限定されない。一部の実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10が高解像度を有するように、隣接するマイクロ発光ダイオード121、122、及び123間の間隔W1は、例えば、5マイクロメートル以下であり、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123のそれぞれの幅W2は、例えば、5マイクロメートル以下である。
【0029】
さらに、本実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10が高解像度を有するように、隣接するマイクロ発光ダイオード121、122、及び123間の間隔W1は、例えば、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123のそれぞれの幅W2よりも小さいが、本実施形態は、これに限定されない。一部の実施形態では、隣接するマイクロ発光ダイオード121、122、及び123間の間隔W1と、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123のそれぞれの幅W2との比は、例えば、0.1〜0.9の範囲であるが、これに限定されない。
【0030】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123は、縦型マイクロ発光ダイオードであってもよいが、これに限定されない。具体的には、本実施形態のマイクロ発光ダイオード121、122、及び123は、それぞれ、基板110上のコンタクトパッド113上に配置されている。マイクロ発光ダイオード121、122、及び123と基板110とは、それぞれ、コンタクトパッド113の2つの対向する側に位置する。マイクロ発光ダイオード121、122、及び123は、接続されたエピタキシャル構造124の複数の異なる部分によって形成されている。エピタキシャル構造124は、少なくとも部分的に接続された第1の型の半導体層1241と、互いに分離された複数の発光層1242と、互いに分離された複数の第2の型の半導体層1243とを含む。発光層1242は、第1の型の半導体層1241と第2の型の半導体層1243との間に配置されている。
【0031】
より具体的には、本実施形態では、第1の型の半導体層1241は、接続部分1241a、非接続部分1241b、及びメサ部分1241cを含む。非接続部分1241bは、接続部分1241a上に配置されている。非接続部分1241bとメサ部分1241cとは、それぞれ、接続部分1241aの2つの対向する側に位置する。接続部分1241aと発光層1242とは、それぞれ、メサ部分1241cの2つの対向する側に位置する。非接続部分1241bは、マイクロ発光ダイオード123に対応するが、マイクロ発光ダイオード121及び122には対応しない。すなわち、基板110上への非接続部分1241bの正投影は、基板110上へのマイクロ発光ダイオード123の正投影と重なるが、基板110上へのマイクロ発光ダイオード121及び122の正投影と重ならない。一部の実施形態では、非接続部分1241bは、ピクセル構造120の発光領域120aの一部に配置されている。本実施形態では、第1の型の半導体層1241の材料は、例えば、より良好な電気的接続を達成することができるN型ドープGaNであるが、これに限定されない。
【0032】
本実施形態では、第2の型の半導体層1243と基板110とは、それぞれ、コンタクトパッド113の2つの対向する側に位置する。第2の型の半導体層1243は、基板110上のコンタクトパッド113と接触していてもよい。第2の型の半導体層1243は、基板110上に配置されたコンタクトパッド113を介して、基板110の回路層112に電気的に接続されていてもよい。すなわち、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123は、対応するコンタクトパッド113を介して、それぞれ基板110の回路層112に電気的に接続されていてもよい。
【0033】
本実施形態では、波長変換構造130及び131は、エピタキシャル構造124内に配置され、マイクロ発光ダイオード121及び122上に位置する。波長変換構造130及び131は、ピクセル構造120の発光領域120aの一部に配置されている。具体的には、波長変換構造130は、マイクロ発光ダイオード121と位置合わせされ、波長変換構造131は、マイクロ発光ダイオード122と位置合わせされている。波長変換構造130と基板110とは、それぞれ、マイクロ発光ダイオード121の2つの対向する側に位置し、波長変換構造131と基板110とは、それぞれ、マイクロ発光ダイオード122の2つの対向する側に位置する。すなわち、基板110上への波長変換構造130の正投影は、基板110上へのマイクロ発光ダイオード121の正投影と重なり、基板110上への波長変換構造131の正投影は、基板110上へのマイクロ発光ダイオード122の正投影と重なる。一部の実施形態では、波長変換構造130及び131は、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aと接触している。
【0034】
さらに、本実施形態では、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bは、1つのピクセル構造120の波長変換構造131と別の隣接するピクセル構造120の波長変換構造130との間に位置する。すなわち、エピタキシャル構造124の一部(すなわち、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241b)は、隣接する波長変換構造130と波長変換構造131との間に位置してもよい。一部の実施形態では、基板110から離れたエピタキシャル構造124の一部(すなわち、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241b)の一端部1241b1は、基板110から離れた波長変換構造130及び131の一端部130a及び一端部131aと同一平面上にある。
【0035】
さらに、本実施形態では、波長変換構造130及び131のそれぞれの厚さAは、例えば、1マイクロメートル〜14マイクロメートルであり、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aの厚さBは、例えば、0.3マイクロメートル〜3マイクロメートルである。第1の型の半導体層1241の接続部分1241aから、波長変換構造130及び131から離れた各第2の型の半導体層1243の一端部1243aまでの距離Cは、基板110に垂直な方向に、例えば、0.2マイクロメートル〜2マイクロメートルである。第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの厚さDは、例えば、3.0マイクロメートル〜14マイクロメートルである。しかしながら、本実施形態は、これに限定されない。
【0036】
一部の実施形態では、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aの厚さBに対する波長変換構造130及び131のそれぞれの厚さAの比は、例えば、1≦A/B≦50である。ここで、比が1未満の場合は、波長変換効率が好ましくない可能性があり、比が50を超える場合は、厚さが大きいため、光出力効率に影響を与える。しかしながら、実施形態は、これに限定されない。一部の実施形態では、波長変換構造130及び131のそれぞれの厚さAと、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aから各第2の型の半導体層1243の一端部1243aまでの距離Cとの比は、例えば、1.5≦A/C≦70である。ここで、比が1.5未満の場合は、波長変換効率が好ましくない可能性があり、比が70を超える場合は、厚さが大きいため、光出力効率に影響を与える。しかしながら、実施形態は、これに限定されない。一部の実施形態では、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aの厚さBと、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aから各第2の型の半導体層1243の一端部1243aまでの距離Cとの比は、例えば、1.5≦B/C≦15である。ここで、比が1.5未満の場合は、接続部分1241aのプロセス歩留まりが低下し、比が15を超える場合は、厚さが大きいため、光出力効率に影響を与える。しかしながら、実施形態は、これに限定されない。
【0037】
さらに、本実施形態では、エピタキシャル構造124の第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの厚さDは、例えば、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aの厚さBよりも大きい。一部の実施形態では、エピタキシャル構造124の第1の型の半導体層1241の接続部分1241aの厚さBと、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの厚さDとの比は、例えば、1〜50である。ここで、比が1未満の場合は、波長変換効率が好ましくない可能性があり、比が50を超える場合は、厚さが大きいため、光出力効率に影響を与える。しかしながら、本実施形態は、これに限定されない。本実施形態では、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの厚さDと波長変換構造130及び131のそれぞれの厚さAとの比は、例えば、0.9〜1.1である。しかしながら、本実施形態は、これに限定されない。一部の実施形態では、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの厚さDが、波長変換構造130及び131のそれぞれの厚さAに等しい場合、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、好ましい光変換品質と安定した光出力効率を有することができる。
【0038】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123は、同じ光を放出することができるマイクロ発光ダイオード、例えば、青色光を放出することができるマイクロ発光ダイオード、又は紫外光を放出することができるマイクロ発光ダイオードであってもよいが、これらに限定されない。波長変換構造130及び131は、例えば、量子ドットを有していてもよいが、これに限定されない。波長変換構造130及び131は、例えば、複数の異なる変換された光色を有することができる。一部の実施形態では、波長変換構造130及び131は、例えば、赤色、緑色、又は青色変換された光色を有することができるが、これらに限定されない。例えば、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123が青色光を放出することができるマイクロ発光ダイオードである場合、マイクロ発光ダイオード121は、赤色変換された光色を有する対応する波長変換構造130を通して赤色光を提示することができ、マイクロ発光ダイオード122は、緑色変換された光色を有する対応する波長変換構造130を通して緑色光を提示することができ、マイクロ発光ダイオード123によって放出される青色光は、対応する第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bを通過して青色光を提示することができる。これによって、フルカラー表示のピクセル効果が実現される。
【0039】
本実施形態では、エピタキシャル構造124の第1の型の半導体層1241は、非接続部分1241bを含むが、本発明はこれに限定されない。すなわち、他の実施形態では、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bは、置換された散乱材料、波長変換構造、又は他の適切な材料がマイクロ発光ダイオード123の光出力に影響を与えない限り、散乱材料、波長変換構造、又は他の適切な材料で置換することもできる。
【0040】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、遮光層140をさらに含む。遮光層140は、エピタキシャル構造124と波長変換構造130との間に配置されている。遮光層140は、ピクセル構造120の非発光領域120bに配置されている。具体的には、遮光層140は、波長変換構造130及び131の左側と右側に位置し、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bの左側と右側に位置する。遮光層140は、第1の型の半導体層1241の接続部分1241a上に位置する。遮光層140は、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aと接触している。遮光層140は、隣接する波長変換構造130と131との間に配置され、遮光層140は、波長変換構造130及び131と第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bとの間に配置されている。一部の実施形態では、基板110上への遮光層140の正投影は、基板110上へのマイクロ発光ダイオード121、122、及び123の正投影と重ならない。さらに、本実施形態では、遮光層140は、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123によって放出された光が互いに干渉するのを防ぎ、光漏れを低減するように、反射、散乱、又は光吸収の特性を有することができる。一部の実施形態では、遮光層140は、遮光層140が横方向導電率を増加させ、消費電力を削減するように、第1の型の半導体層1241の接続部分1241aに電気的に接続され得るように、導電性を有してもよい。
【0041】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、光透過特性を有する共通電極層150をさらに含む。共通電極層150は、ピクセル構造120上に配置され、第1の型の半導体層1241に電気的に接続されている。具体的には、共通電極層150は、波長変換構造130及び131、遮光層140、並びにマイクロ発光ダイオード121、122、及び123を覆っている。共通電極層150は、波長変換構造130及び131、遮光層140、並びに第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bと接触していてもよい。したがって、共通電極層150は、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241b及び接続部分1241aを介して、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123に電気的に接続されていてもよい。一部の実施形態では、共通電極層150は、導電性を有する遮光層140及び第1の型の半導体層1241の接続部分1241aを介して、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123に電気的に接続することもできる。さらに、本実施形態では、共通電極層150は、基板110上のコンタクトパッド113aを介して、基板110の回路層112に電気的に接続することもできる。
【0042】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、分離層160をさらに含む。分離層160は、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123の側壁121a、122a、123a上、並びにマイクロ発光ダイオード121、122、及び123間のエピタキシャル構造124の接続部分1241a上に配置されている。本実施形態では、分離層160の材料は、例えば、光吸収材料、反射材料、散乱材料、又はそれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。分離層160は、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123によって放出された光が互いに干渉するのを防ぎ、光漏れを低減するように構成されてもよい。一部の実施形態では、分離層160は、分布ブラッグ反射器(DBR)であってもよいが、これに限定されない。
【0043】
本実施形態では、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、基板110上に配置された保護層170をさらに含む。保護層170は、共通電極層150とピクセル構造120との間に配置され、隣接するピクセル構造120間に配置され、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10を水分又は酸化の生成から保護するように構成されている。
【0044】
本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10において、接続された第1の型の半導体層1241を複数のマイクロ発光ダイオード121、122、及び123を電気的に接続するための共通電極として使用することができることは、言及するに値する。続いて、波長変換構造130及び131を第1の型の半導体層1241に配置することによって、発光領域120bにおける第1の型の半導体層1241の厚さを低減することができ、波長変換構造130及び131をエピタキシャル構造124の表面上に配置することによって生じる凹凸を低減することもできる。したがって、従来のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルと比較して、本発明のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10は、エピタキシャル構造124の薄くされた接続部分(すなわち、第1の型の半導体層1241の接続部分1241a)が電流を伝達するための共通電極として使用され、エピタキシャル構造124の厚い非接続部分(すなわち、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241b)が消費電力を削減するために保持されるという利点を有する。さらに、薄くされた第1の型の半導体層1241により、本発明のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10が、光出力率を向上させ、光漏れを低減する効果を有することが可能にもなる。
【0045】
他の実施形態を例示のために以下に列挙する。以下の実施形態は、上記の実施形態の構成要素の記号及び一部の内容に従っており、同じ又は類似の構成要素を表すために同じ記号が採用され、同じ技術的内容の説明は、省略されていることに留意されたい。省略された部分の説明は、上記の実施形態を参照することによって理解することができ、以下の実施形態では、説明は、省略される。
【0046】
図2は、本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。図及び説明を明確にするために、
図2は、共通電極層150及び保護層170を省略している。
図1B及び
図2を一緒に参照すると、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10aは、
図1Bのマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10と類似しており、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10aとマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10との主な違いは、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10aが、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241dをさらに含むことである。
【0047】
図2を参照すると、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241dは、遮光層140aと140dとが非接続部分1241dの2つの対向する側にそれぞれ位置するように、ピクセル構造120の非発光領域120bに位置する。具体的には、遮光層140aは、波長変換構造130と非接続部分1241dとの間に位置し、遮光層140dは、波長変換構造131と非接続部分1241dとの間に位置する。基板110上への遮光層140aの正投影は、基板110上へのマイクロ発光ダイオード121、122、及び123の正投影と重ならない。本実施形態では、非接続部分1241dは、共通電極層150(図示せず)と接触することができるため、共通電極層150は、第1の型の半導体層1241の非接続部分1241b、非接続部分1241d、及び接続部分1241aを介して、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123に電気的に接続することができる。したがって、消費電力を低減することができ、より高い輝度を提供するようにより高い電流を伝達することができる。
【0048】
図3は、本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。図及び説明を明確にするために、
図3では、共通電極層150及び保護層170は省略されている。
図1B及び
図3を一緒に参照すると、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10bは、
図1Bのマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10と類似しており、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10bとマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10との主な違いは、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10bでは、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10の第1の型の半導体層1241の非接続部分1241bが波長変換構造132に置き換えられていることである。
【0049】
図3を参照すると、波長変換構造132は、ピクセル構造120の発光領域120aに配置され、波長変換構造132は、マイクロ発光ダイオード123と位置合わせされている。したがって、マイクロ発光ダイオード121、122、及び123が紫外光を放出することができるマイクロ発光ダイオードである場合、マイクロ発光ダイオード121は、赤色変換された光色を有する対応する波長変換構造130を介して赤色光を提示することができ、マイクロ発光ダイオード122は、緑色変換された光色を有する対応する波長変換構造130を介して緑色光を提示することができ、マイクロ発光ダイオード123は、青色変換された光色を有する対応する波長変換構造132を介して青色光を提示することができる。これによって、フルカラー表示のピクセル効果が実現される。
【0050】
図4は、本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルの概略断面図である。
図1B及び
図4を一緒に参照すると、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10cは、
図1Bのマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10と類似しており、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10cとマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10との主な違いは、本実施形態のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10cでは、ピクセル構造120cが互いに接続されていることである。ピクセル構造120cは、エピタキシャル構造124内の第1の型の半導体層1241の接続部分1241aを介して接続されており、その結果、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル10cを製造するプロセスにおいて、マイクロ発光ダイオード121、122及び123は、転写中にずれがなく、転写回数も減らすことができ、製造歩留まりを向上させることができる。特に、マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル内のすべてのピクセル構造が接続されていてもよく、部分的なピクセル構造が転写設計に従って接続されていてもよい。しかしながら、本実施形態は、これに限定されない。
【0051】
結論として、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルでは、接続された第1の型の半導体層を、複数のマイクロ発光ダイオードを電気的に接続するための共通電極として使用することができる。続いて、第1の型の半導体層に波長変換構造を配置することによって、発光領域内及び波長変換構造の下の第1の型の半導体層の厚さを低減することができ、波長変換構造をエピタキシャル構造の表面に配置することによって生じる凹凸を低減することができる。したがって、従来のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルと比較して、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、エピタキシャル構造の接続部分が電流を伝達するための共通電極として使用され、エピタキシャル構造の非接続部分が消費電力を削減するために保持されるという利点を有する。さらに、薄くされた第1の型の半導体層は、本発明の実施形態によるマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルが光出力率を向上させ、光漏れを低減する効果を発揮することを可能にするように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のマイクロ発光ダイオードディスプレイパネルは、マイクロ発光ダイオードディスプレイに適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
10,10a,10b,10c:マイクロ発光ダイオードディスプレイパネル
100a:非表示領域
100b:表示領域
110:基板
111:ベース
112:回路層
113,113a:コンタクトパッド
112a:第1の駆動回路
112b:第2の駆動回路
120,120c:ピクセル構造
120a:発光領域
120b:非発光領域
121,122,123:マイクロ発光ダイオード
121a,122a,123a:側壁
124:エピタキシャル構造
1241:第1の型の半導体層
1241a:接続部分
1241b,1241d:非接続部分
1241b1:端部
1241c:メサ部分
1242:発光層
1243:第2の型の半導体層
1243a:端部
130,131,132:波長変換構造
130a,131a:端部
140:遮光層
150:共通電極層
160,160a:分離層
170:保護層
A,B,D:厚さ
C:距離
W1:間隔
W2:幅
【外国語明細書】