(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-90673(P2021-90673A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】手すり付き家具
(51)【国際特許分類】
A47B 13/08 20060101AFI20210521BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20210521BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2019-224132(P2019-224132)
(22)【出願日】2019年12月12日
(71)【出願人】
【識別番号】519277690
【氏名又は名称】PTラクーン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】岡本 亮爾
(72)【発明者】
【氏名】高橋 豊子
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP08
3B053NQ01
3B053NQ10
3B053PA03
3B053PC01
3B053PC07
(57)【要約】
【課題】必要に応じて手すりを容易に着脱できる手すり付き家具を提供する。
【解決手段】手すり付き家具1は、天板110と、前記天板110に略鉛直に埋設された筒状の受け部122と、前記受け部122に嵌合する棒状の直線部を有する把持部121と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
前記天板に略鉛直に埋設された筒状の受け部と、
前記受け部に嵌合する棒状の直線部を有する把持部と、を有する
手すり付き家具。
【請求項2】
前記把持部は、略C字型であって両端に前記直線部を有し、
前記天板には2つの前記受け部が埋設されている
請求項1記載の手すり付き家具。
【請求項3】
前記把持部は、略T字型であって一端に前記直線部を有し、
前記天板には1つの前記受け部が埋設されている
請求項1記載の手すり付き家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要に応じて手すりを容易に着脱できる手すり付き家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手すり付きの家具が提案されている。例えば特許文献1には、高齢者やハンディキャップのある人でもしっかり握り、自分の身体を支持することができる手すりを備えた机が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−269231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の手すり付き家具では、手すりが机の天板の端部にビスで固定される。そのため、手すりを必要としない人が机を利用する際は、手すりを邪魔に感じることがある。そして、手すりを取り外すことが容易ではないため、その不便さを耐え忍ぶしかない。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、必要に応じて手すりを容易に着脱できる手すり付き家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、手すり付き家具は、天板と、前記天板に略鉛直に埋設された筒状の受け部と、前記受け部に嵌合する棒状の直線部を有する把持部と、を有する。
一実施の形態によれば、前記把持部は、略C字型であって両端に前記直線部を有し、前記天板には2つの前記受け部が埋設されている。
一実施の形態によれば、前記把持部は、略T字型であって一端に前記直線部を有し、前記天板には1つの前記受け部が埋設されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、必要に応じて手すりを容易に着脱できる手すり付き家具を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、図を参照しながら以下に説明する。
図1は、手すり付き家具1の全体斜視図である。手すり付き家具1は、天板110、手すり120を含む。ここでは、手すり付き家具1の一例として机を図示しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、キャビネットや棚など天板110を有する家具であればいかなるものであっても良い。
【0010】
図1に示すように、手すり120は、天板110に取り付けられたとき把持部121が天板110の上方に突出するように取り付けられる。このような形状であれば、天板110上の任意の位置に手すり120を取り付けることができる。なお、従来の手すり付き家具では、天板の端部にのみ手すりを取り付け可能であった(特許文献1参照)。
【0011】
例えば病院の診察室においては、医師が使用する机の脇に患者用の椅子が置かれることがある。また、処置用のカートの脇に患者様の椅子が置かれることもある。このような状況においては、足腰の弱い患者が、着席又は離席する際に机やカート等に手をつくことが少なくない。机やカート等の天板110に予め手すり120が備えられていれば、患者は手すり120を握ることで安心して座ったり立ち上がったりすることができる。手すり120があれば、患者が机やカート上の備品等に不作為に触れる可能性が減少するので、予期せぬ事故を防ぐ効果もある。
【0012】
図2は、手すり付き家具1の分解斜視図である。また
図3は、この手すり付き家具1の側面図である。
【0013】
天板110には、穴1101が施工されている。穴1101は、天板110を貫通していても良く、貫通していなくても良い。
【0014】
穴1101には、手すり120の受け部122が嵌合する。受け部122は内部が空洞になった筒状の部材である。受け部122の上端にはフランジ1221が設けられる。これにより、受け部122が穴1101より抜け落ちたり、穴1101に落ち込んだりしないようになっている。このようにして、受け部122は天板110に略鉛直に埋設される。
【0015】
受け部122の内部空洞には、把持部121が嵌合する。把持部121は少なくとも一方の端部が直線状に加工された棒状の部材であり、その直線状の端部が受け部122の内部空洞に嵌合する。例えば
図2に示すように、把持部121は略C字型に加工された、2つの直線状の端部を持つ棒状の部材でありうる。この場合、天板110には2つの穴1101及び受け部122が設けられ、それぞれに把持部121の端部が嵌合する。
【0016】
図4は、
図3のA−Aにおける断面図である。
図4に示すように、受け部122の内径は、把持部121の端部の外径よりもわずかに大きい。これにより両者は嵌合することができる。そして、受け部122の内径と、把持部121の端部の外径との差が小さいほど、把持部121は受け部122から抜けにくくなる。その理由としては、受け部122と把持部121との間に働く摩擦力、受け部122内外に生じる圧力差(受け部122の下端が閉じられている場合)が挙げられる。また、通常、天板110の上面に設けられた把持部121を把持する人は、把持部121に対し鉛直方向の引き抜き力(
図4にBとして示す)を掛けることは稀であり、いくらか左右方向に偏った力を掛けることが殆どである。この場合、受け部122と把持部121との間に働く摩擦力は飛躍的に大きくなる。したがって、受け部122と把持部121とを互いにビス等の固定具により固定しなくても、通常の使用の範囲内では把持部121が抜けることがない。
【0017】
そして、受け部122と把持部121とが互いにビス等の固定具により固定されていないので、両者は必要なときに分離させることが可能である。具体的には、鉛直方向(
図4にBとして示す)に一定以上の力を継続的に加えながら把持部121を引き抜くことにより、把持部121を天板110から取り外すことができる。この後、受け部122の空洞部をキャップ等で覆うことで、手すり付き家具1を通常の家具として使用することが可能である。
【0018】
本実施の形態によれば、ビスなどの固定具を用いることなく手すりを設置でき、必要なときには手すりを容易に取り外すことが可能な手すり付き家具を提供できる。
【0019】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものでなく、様々な変形が可能である。例えば、把持部121は略C字型のものに限らず、種々の形態のものを採用できる。具体的には、一端(受け部122と嵌合する側)が直線状であり、他端(利用者が把持する側)が把持しやすい略T字型などに加工された、ゴルフのパタークラブのようなスティック状のものであっても良い。この場合、天板110には1つの天板110及び受け部122を設ければ足りる。
【0020】
また、上述の実施の形態では、受け部122と把持部121とを固定しないこととしたが、簡易な固定具により固定しても良い。この場合、固定具は道具を使わず手動で操作可能なものであることが望ましい。これにより、安全性を向上させることが可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 手すり付き家具
110 天板
1101 穴
120 手すり
121 把持部
122 受け部
1222 フランジ