(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-90714(P2021-90714A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/423 20170101AFI20210521BHJP
【FI】
A47B88/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-95653(P2020-95653)
(22)【出願日】2020年6月1日
(31)【優先権主張番号】108145013
(32)【優先日】2019年12月6日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】張 維成
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB32
3B160AB41
3B160CA06
3B160EA32
3B160EA44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善されたブラケット駆動機構を有するスライドレールアセンブリを提供する。
【解決手段】スライドレールアセンブリ20は、ブラケット装置22、駆動装置24及びレール部材26を含む。ブラケット装置は、支持フレーム50、ブラケット52及び締結部材54を含む。ブラケットは支持フレームに配置されている。駆動装置及びブラケット装置は互いに対して可動である。レール部材及びブラケット装置は互いに対して可動である。レール部材がブラケット装置に対して第1の所定位置から所定の方向に沿って動かされると、レール部材は、締結部材を駆動して第1の状態から第2の状態に切り換えるために、駆動装置を駆動して第1の位置から第2の位置に動かすことができるよう設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレーム、ブラケット及び締結部材を含む第1のブラケット装置であって、該ブラケットは該支持フレームに配置される、第1のブラケット装置と、
駆動装置であって、該駆動装置及び前記第1のブラケット装置は、お互いに対して長手方向に可動である、駆動装置と、
レール部材であって、該レール部材及び前記第1のブラケット装置は、お互いに対して長手方向に可動である、レール部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記レール部材が、前記第1のブラケット装置に対して第1の方向に沿って第1の所定の位置から所定の移動距離動かされると、前記レール部材は、前記第1のブラケット装置の締結部材を駆動して第1の状態から第2の状態に切り替えるために、前記駆動装置を駆動して第1の位置から第2の位置に動かすことができる、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記支持フレームは前記ブラケットに接続され、前記締結部材は、シャフト部材によって前記ブラケットに枢結され、
前記スライドレールアセンブリは、補強部材及び第2のブラケット装置をさらに含み、該補強部材は前記レール部材に配置され、該補強部材は補強通路を含み、該第2のブラケット装置は、長手区画を介して該補強通路内に可動に取り付けられる、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記ブラケットは、長手部と、該長手部に隣接して配置される少なくとも1つの取り付け部材とを含み、
前記ブラケットは前記長手部に実質的に垂直に接続される端部をさらに含み、前記少なくとも1つの取り付け部材は該端部に配置され、
前記第1のブラケット装置の締結部材が前記第1の状態にある場合、前記締結部材の締結部は前記少なくとも1つの取り付け部材から離れており、前記第1のブラケット装置の締結部材が前記第2の状態にある場合、前記締結部材の締結部は、前記少なくとも1つの取り付け部材に隣接している、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記駆動装置は第1の駆動部分を含み、前記レール部材は第1の構造を含み、前記レール部材は該第1の構造を介して前記第1の駆動部分に当接して、前記駆動装置を駆動し前記第1の方向に沿って前記第1の位置から前記第2の位置に動かすことができる、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記駆動装置は第2の駆動部分をさらに含み、前記レール部材は第2の構造をさらに含み、
前記レール部材は、前記第1のブラケット装置の締結部材を駆動して前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるために、前記第2の構造を介して前記第2の駆動部分に当接して前記駆動装置を駆動し、前記第1の方向とは反対の第2の方向に沿って前記第2の位置から前記第1の位置に動かすことができる、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記駆動装置は延在部材及び弾性部材をさらに含み、該延在部材は該弾性部材に接続され、
前記弾性部材は第1の弾性アームを含み、前記第1の駆動部分は該第1の弾性アームに配置され、
前記弾性部材は第2の弾性アームをさらに含み、前記第2の駆動部分は該第2の弾性アームに配置される、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記締結部材は第1の延在区画及び第2の延在区画を含み、前記駆動装置は第1の駆動部及び第2の駆動部をさらに含み、第1の駆動部及び第2の駆動部の双方は前記延在部材に配置され、該第1の駆動部及び該第2の駆動部は、前記第1の延在区画及び前記第2の延在区画にそれぞれ対応し、前記駆動装置及び前記第1のブラケット装置のうちの一方に長手部分が配置され、前記駆動装置及び前記第1のブラケット装置のうちの他方に接続部材が配置され、該接続部材は、前記駆動装置及び前記第1のブラケット装置が互いに対して所定の範囲で長手方向に動かすことができるように前記長手部分の一部を貫通でき、
前記支持フレームは、上側支持壁、下側支持壁及び該上側支持壁と該下側支持壁との間に接続される長手壁を含み、該上側支持壁、該下側支持壁及び該長手壁によって支持通路が定義され、該支持通路は前記レール部材を収容するように構成され、
前記支持フレームの上側支持壁及び下側支持壁は、前記レール部材の上側側壁の一部及び下側側壁の一部をそれぞれ覆うように構成されている、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
支持フレーム、ブラケット及び締結部材を含むブラケット装置であって、該ブラケットは該支持フレームに配置され、該締結部材は前記ブラケットに可動に取り付けられる、ブラケット装置と、
駆動装置であって、該駆動装置及び該ブラケット装置は互いに対して可動である、駆動装置と、
を含むブラケット駆動機構であって、
前記駆動装置及び前記ブラケット装置のうちの一方が、前記駆動装置及び前記ブラケット装置のうちの他方に対して第1の位置から第2の位置に動かされた場合、前記駆動装置は前記ブラケット装置の締結部材を駆動して、第1の状態から第2の状態に切り替えることができる、ブラケット駆動機構。
【請求項9】
前記支持フレームは前記ブラケットに接続され、前記ブラケットは長手部と、該長手部に隣接する少なくとも1つの取り付け部材とを含み、
前記締結部材はシャフト部材によって前記ブラケットに枢結され、
前記ブラケット装置の締結部材が前記第1の状態にある場合、前記締結部材の締結部は、前記少なくとも1つの取り付け部材から離れており、
前記ブラケット装置の締結部材が前記第2の状態にある場合、前記締結部材の締結部は、前記少なくとも1つの取り付け部材に隣接している、請求項8に記載のブラケット駆動機構。
【請求項10】
前記締結部材は第1の延在区画及び第2の延在区画を含み、前記駆動装置は第1の駆動部及び第2の駆動部を含み、該第1の駆動部及び該第2の駆動部は、前記第1の延在区画及び前記第2の延在区画にそれぞれ対応し、
前記駆動装置及び前記ブラケット装置のうちの一方には長手部分が配置され、前記駆動装置及び前記ブラケット装置のうちの他方には接続部材が配置され、該接続部材は、前記駆動装置及び前記ブラケット装置が互いに対して長手方向に移動できるように該長手部分の一部を貫通できる、請求項8に記載のブラケット駆動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレール機構に関し、より具体的には、ブラケット装置を有するスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スライドレール機構のブラケット装置が開示されている。ブラケット装置は、3区画ブラケット機構を構成する第1の支持フレーム、第2の支持フレーム及び第1のブラケットを含む。第1のブラケットと第2の支持フレームとは、お互いに対して可動であり、第1の支持フレームはレール部材の裏側で支持レールの支持通路内に可動に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10194556号明細書
【特許文献2】米国特許第10357105号明細書
【特許文献3】米国特許第10349741号明細書
【特許文献4】米国特許第10306983号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、市場の要求は様々であるため、ユーザーは上記の3区画ブラケット装置を選ぶことを望まない場合がある。関連する異なった製品をどのように開発して市場でより多くの選択肢を作り出すかが課題となっている。
【0005】
本発明は、ブラケット装置を有するスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリは第1のブラケット装置、駆動装置及びレール部材を含む。第1のブラケット装置は支持フレーム、ブラケット及び締結部材を含む。ブラケットは支持フレームに配置される。駆動装置及び第1のブラケット装置は、お互いに対して長手方向に可動である。レール部材及び第1のブラケット装置は、お互いに対して長手方向に可動である。レール部材が、第1のブラケット装置に対して第1の方向に沿って第1の所定の位置から所定の移動距離動かされると、レール部材は、第1のブラケット装置の締結部材を駆動して第1の状態から第2の状態に切り替えるために、駆動装置を駆動して第1の位置から第2の位置に動かすことができる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、ブラケット駆動機構はブラケット装置及び駆動装置を含む。ブラケット装置は支持フレーム、ブラケット及び締結部材を含む。ブラケットは支持フレームに配置される。締結部材はブラケットに可動に取り付けられる。駆動装置及び該ブラケット装置は互いに対して可動である。駆動装置及びブラケット装置のうちの一方が、駆動装置及びブラケット装置のうちの他方に対して第1の位置から第2の位置に動かされた場合、駆動装置はブラケット装置の締結部材を駆動して、第1の状態から第2の状態に切り替えることができる。
【0008】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのブラケット駆動機構を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのブラケット駆動機構を示す分解図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態に係る締結部材を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る、ブラケット駆動機構の第1のブラケット装置に対して第1の所定の位置に位置するスライドレールアセンブリのレール部材を第1の観察角度で示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る、第1のブラケット装置に対して第1の所定の位置に位置するスライドレールアセンブリのレール部材を第2の観察角度で示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る、第1のブラケット装置に対して第2の所定の位置に位置するスライドレールアセンブリのレール部材を第1の観察角度で示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る、第1のブラケット装置に対して第2の所定の位置に位置するスライドレールアセンブリのレール部材を第2の観察角度で示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る、ラックの第1のポストに取り付けられたスライドレールアセンブリの第1のブラケット装置と、第1のブラケット装置に対して第1の所定の位置に位置するレール部材とを第2の観察角度で示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る、ラックの第1のポストに取り付けられたスライドレールアセンブリの第1のブラケット装置と、第1のブラケット装置に対して第2の所定の位置に位置するレール部材とを第2の観察角度で示す図である。
【
図11】
図11は、ラックの第1のポストに取り付けられたスライドレールアセンブリの第1のブラケット装置と、ラックの第2のポストに取り付けられたスライドレールアセンブリの第2のブラケット装置とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、「長手方向A1」は、スライドレールアセンブリの2つのスライドレールがお互いに取り付けられた場合に、お互いに対して移動可能な方向であることが分かる。本発明の図中の「A1」と表記される実線矢印は、スライドレールアセンブリの2つのスライドレールがお互いに対して伸長する方向を表し、本発明の図中の「A1‘」と表記される点線矢印は、スライドレールアセンブリの2つのスライドレールがお互いに対して引っ込められる方向を表すことが分かる。「横方向A2」(又は横側方向T)は、スライドレールアセンブリの長手方向A1と、2つのスライドレールがそれぞれ取り付けられる物体の左側及び右側とに垂直な方向であることも分かる。「高さ方向A3」は、長手方向及び横方向に垂直な方向であることが分かる。ある構成要素が他の構成要素「上」にあるか又は他の構成要素に「接続」されていると言及される場合、直接他の構成要素上にあるか又は接続されている場合もあれば、介在する構成要素が存在し得る場合もある。これとは対照的に、構成要素が他の構成要素「上に直接ある」か又は「直接接続されている」と言及される場合には、介在する構成要素又は層は存在しない。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態のスライドレールアセンブリ20は第1のブラケット装置22、駆動装置24及びレール部材26を含む。スライドレールアセンブリ20は、補強部材28及び第2のブラケット装置30をさらに含むことが好ましい。
【0012】
レール部材26は、上側側壁32a、下側側壁32b及び上側側壁32aと下側側壁32bとの間に接続される長手体34を含む。レール部材26は第1の構造36を含む。レール部材26は、第2の構造38をさらに含むことが好ましい。例えば、第1の構造36及び第2の構造38は壁である。第1の空間H1(例えは孔又はスロット)及び第2の空間H2が、レール部材26の長手体34に設けられることが好ましく、第1の構造36は第1の空間H1の内壁であり、第2の構造38は第2の空間H2の内壁であるが、本発明はこのような構成に特に限定されない。
【0013】
補強部材28はレール部材26に配置される。例えば、補強部材28は、レール部材26の構造強度を改善するために、レール部材26の長手体34に接続(例えば固定接続)される。補強部材28は、複数の壁によって定義される補強通路41を含み、第2のブラケット装置30は、長手区画42を介して補強通路41に可動に取り付けられる。第2のブラケット装置30及び補強部材28は、それぞれ第1の制限部44及び第2の制限部46を有することが好ましい。第2のブラケット装置30が補強部材28に対して所定の位置に動かされると、第1の制限部44及び第2の制限部46は互いをブロックする。本実施形態では、第1の制限部44及び第2の制限部46は2つの突起である。第2のブラケット装置30の長手区画42は弾性アーム48を含み、弾性アーム48は第1の制限部44を有するが、本発明はこのような構成に特に限定されない。第2のブラケット装置30は、レール部材26の端部(例えば、前端部f)に隣接する位置に動かすことができる。
【0014】
第1のブラケット装置22は、レール部材26の他端(例えば後端部r)に隣接する位置に動かすことができる。第1のブラケット装置22は、支持フレーム50、ブラケット52及び締結部材54を含む。ブラケット52は支持フレーム50に配置されている。支持フレーム50は、上側支持壁56a、下側支持壁56b及び上側支持壁56aと下側支持壁56bとの間に接続される長手壁58を含むことが好ましい。上側支持壁56a、下側支持壁56b及び長手壁58によって支持通路60が定義される。支持通路60はレール部材26を収容するとともに、レール部材26に貫通されるように構成されている。支持フレーム50の上側支持壁56a及び下側支持壁56bは、レール部材26の上側側壁32aの一部及び下側側壁32bの一部をそれぞれ覆うように構成されている。上記の構成によれば、レール部材26の構造強度を第1のブラケット装置22の支持フレーム50を介して改善することができ、レール部材26に沿った第1のブラケット装置22の移動距離も改善される。他方で、ブラケット駆動機構は駆動装置24及び第1のブラケット装置22で構成でき、駆動装置24及び第1のブラケット装置22は、互いに対して長手方向に動かすることができる。
【0015】
図3及び
図4に示すように、第1のブラケット装置22の支持フレーム50及びブラケット52は互いに接続される。本実施の形態では、支持フレーム50は、少なくとも1つの接続部62を介してブラケット52に固定接続され、支持フレーム50及びブラケット52は一体とみなすことができる。ブラケット52は、長手部64と、長手部64に隣接する少なくとも1つの取り付け部材66とを含む。
【0016】
ブラケット52は、長手部64に実質的に垂直に接続される端部68をさらに含むことが好ましい。少なくとも1つの取り付け部材66は端部68に配置される。
【0017】
締結部材54はブラケット52に可動に取り付けられることが好ましい。例えば、締結部材54は、シャフト部材70によってブラケット52に枢結される。本実施形態では、締結部材54は、シャフト部材70によってブラケット52の長手部64の取り付け部72に枢結され、取り付け部72は、長手部64に対して実質的に横方向に接続される。
【0018】
ブラケット52は補助構造73をさらに含むことが好ましい。補助構造73は、第1の補助区画E1及び第2の補助区画E2を含む。(ブラケット52の長手部64に接続されている)第1の補助区画E1は、ブラケット52の長手部64から所定の角度偏向されている。第2の補助区画E2は、第2の補助区画E2が長手部64に対して横方向に高さ(laterally height)を有するように第1の補助区画E1に接続されている。
【0019】
駆動装置24は、延在部材74及び弾性部材76を含むことが好ましい。延在部材74は弾性部材76に接続されている。本実施形態では、延在部材74は、少なくとも1つの接続区画77を介して弾性部材76に固定接続されているが、本発明はこのような構成に特に限定されない。例えば、少なくとも1つの接続区画77は、(
図5に示すように)弾性部材76の孔に固定締結される突出ポストであってもよいし、少なくとも1つの接続区画77は、リベット留めにより弾性部材76に固定接続されてもよい。延在部材74は、長手方向に長さを有する。
【0020】
駆動装置24は、延在部材74に配置される第1の駆動部78及び第2の駆動部80をさらに含むことが好ましい。第1の駆動部78及び第2の駆動部80は、それぞれ傾斜面又は円弧面を含む。本実施の形態では、第1の駆動部78及び第2の駆動部80は部品82に配置され、部品82は少なくとも1つの接続部84を介して延在部材74に固定接続されるが、本発明はこのような構成に特に限定されない。
【0021】
部品82は延在部材74の一端に隣接して位置し、弾性部材76は延在部材74の他端に隣接して位置することが好ましい。延在部材74の一端及び他端は、互いに反対側にある。
【0022】
締結部材54は、本体部85、第1の延在区画86及び第2の延在区画88を含むことが好ましい。第1の延在区画86及び第2の延在区画88は本体部85に配置されている。シャフト部材70は本体部85を貫通する。シャフト部材70は、第1の延在区画86と第2の延在区画88との間に実質的に位置する。
図4aに示すように、第1の延在区画86は、接続区画86a及びガイド区画86bを含む。接続区画86aは、本体部85から高さ方向A3に沿って延び、ガイド区画86bは、接続区画86aから屈曲されて接続区画86aと重なっている。第2の延在区画88は、接続区画88a及びガイド区画88bを含む。接続区画88aは、本体部85から高さ方向A3に沿って延びている。ガイド区画88bは、接続区画88aから横方向に屈曲されている。高さ方向A3は、長手方向A1及び横方向A2に対して垂直である。第1の延在区画86のガイド区画86bは傾斜面又は弧面であり、第2の延在区画88のガイド区画88bは傾斜面又は弧面であることが好ましい。締結部材54は、本体部85から長手方向に延びる締結部90を有する。
【0023】
駆動装置24の第1の駆動部78及び第2の駆動部80は、締結部材54の第1の延在区画86及び第2の延在区画88にそれぞれ対応することが好ましい。
【0024】
弾性部材76は、固定部92、第1の弾性アーム94及び第2の弾性アーム96を含むことが好ましい。固定部92は延在部材74に固定接続されている。第1の弾性アーム94及び第2の弾性アーム96は固定部92にそれぞれ接続されるとともに、固定部92に対して所定の角度偏向されている。第1の弾性アーム94及び第2の弾性アーム96は、延在部材74の第1の側部98a及び第2の側部98bにそれぞれ隣接して位置する。
【0025】
駆動装置24及び第1のブラケット装置22のうち(例えば、支持フレーム50又は第1のブラケット装置22のブラケット52)の一方に第1の長手部分91(例えば長孔)が設けられ、駆動装置24及び第1のブラケット装置22のうち(例えば、支持フレーム50又は第1のブラケット装置22のブラケット52)の他方に第1の接続部材93が設けられることが好ましい。第1の長手部分91の一部を第1の接続部材93が貫通することを介して、駆動装置24及び第1のブラケット装置22は、限られた範囲内で長手方向に動くことができる。
【0026】
2つの第2の長手部分95(例えば2つの長孔)が駆動装置24(例えば、駆動装置24の弾性部材76又は延在部材74)及び第1のブラケット装置22(例えば、第1のブラケット装置22の支持フレーム50)のうちの一方に設けられ、駆動装置24(例えば、駆動装置24の弾性部材76又は延在部材74)及び第1のブラケット装置22(例えば、第1のブラケット装置22の支持フレーム50)のうちの他方に第2の接続部材97が設けられることが好ましい。第2の接続部材97は、2つの第2の長手部分95を貫通する。
【0027】
図5に示すように、レール部材26は、第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して第1の所定の位置X1に位置している。
【0028】
駆動装置24は、第1の駆動部分100及び第2の駆動部分102を含むことが好ましい。本実施形態では、第1の駆動部分100及び第2の駆動部分102は、弾性部材76の第1の弾性アーム94及び第2の弾性アーム96にそれぞれ配置されているが、本発明はこのような構成に特に限定されない。
【0029】
第1の駆動部分100及び第2の駆動部分102は2つの突起であることが好ましい。第2の駆動部分102は、ガイド区画104と、ガイド区画104に隣接する支持区画106とを有する。ガイド区画104は傾斜面又は弧面を含む。
【0030】
弾性部材76の第1の弾性アーム94は、第1の駆動部分100に隣接するガイド部108を含むことが好ましい。ガイド部108は傾斜面又は弧面を含む。
【0031】
さらに、レール部材26が、第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して第1の所定の位置X1に位置している場合、弾性部材76の第1の弾性アーム94の第1の駆動部分100は、レール部材26の第1の空間H1内に位置し、第1の駆動部分100は第1の構造36に対応する。他方、弾性部材76の第2の弾性アーム96の第2の駆動部分102は、レール部材26の第2の空間H2内に位置し、第2の駆動部分102は第2の構造38に対応する。加えて、締結部材54は第1の状態S1(例えば、限定されないがロック解除状態)にある場合、締結部材54の締結部90は少なくとも1つの取り付け部材66から離れている。
【0032】
図6に示すように、レール部材26が第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して第1の所定の位置X1に位置する場合、締結部材54は第1の状態S1にある。駆動装置24の第1の駆動部78の位置は、締結部材54の第1の延在区画86に対応する。
【0033】
図5及び
図7に示すように、レール部材26及び第1のブラケット装置22は互いに対して長手方向に移動可能である。以下では、レール部材26が第1のブラケット装置22に対して第1の方向D1に沿って移動可能な場合を一例として説明する。例えば、レール部材26が、第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して、第1の方向D1に沿って第1の所定の位置X1から第2の所定の位置X2に所定の移動距離動かされると、レール部材26の第1の構造36は、延在部材74及び弾性部材76が動かされるように第1の駆動部分100を駆動し、第2の補助区画E2は、レール部材26が第1の方向D1に沿ってブラケット52に対してさらに移動することができるようにガイド部108を駆動する。第1の方向D1はスライドレールアセンブリ20の伸長方向であり、長手方向A1と平行である。即ち、駆動装置24は、第1のブラケット装置22の締結部材54が第1の状態S1から(
図7に示すように)第2の状態S2(例えば、限定されないがロック状態)に切り替わるよう駆動するように構成されるように、駆動装置24は、(
図5に示す)第1の位置P1から(
図7に示す)第2の位置P2に移動するように駆動される。締結部材54が第2の状態S2にある場合、締結部材54の締結部90は、少なくとも1つの取り付け部材66に隣接して位置する。
【0034】
図8に示すように、レール部材26が、第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して、第1の所定の方向D1に沿って第1の所定の位置X1から第2の所定の位置X2に動かされると、締結部材54は、駆動装置24の第1の駆動部78が締結部材54の第1の延在区画86に当接することを介して第1の状態S1から第2の状態S2に切り替わるように駆動される。部品82は、第1の駆動部78と第2の駆動部80との間に配置される中間区画110をさらに含むことが好ましい。締結部材54が第2の状態S2にある場合、締結部材54は、第1の延在区画86を介して中間区画110によって支持されて、締結部材54を第2の状態S2で維持することができる。加えて、締結部材54が第2の状態S2である場合、締結部材54の第2の延在区画88の位置は、駆動装置24の第2の駆動部80に対応する。
【0035】
図5及び
図7に示すように、レール部材26が第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して第1の所定の方向D1に沿って第1の所定の位置X1から第2の所定の位置X2に動かされた場合、レール部材26は、(
図5に示すように)第1の構造36を介して第1の駆動部分100と当接して駆動装置24を駆動し、第1の方向D1に沿って(
図5に示す)第1の位置P1から(
図7に示す)第2の位置P2に動かすことができる。
【0036】
駆動装置24がレール部材26によって駆動されて、第1の方向D1に沿って第2の位置P2に動かされると、第1の弾性アーム94が補助構造73の第2の補助区画E2によってガイドされ且つ押圧されるように、弾性部材76の第1の弾性アーム94のガイド部108がブラケット52の補助構造73の第2の補助区画E2に当接する。一方、第1の弾性アーム94は、(
図7に示すように)第1の弾性力を蓄積するために横方向Tに沿って偏向される。横方向Tは横側方向A2と平行である。他方、第2の弾性アーム96は、レール部材26の長手体34の壁面によって押圧されて横方向Tに沿って偏向され、第2の駆動部分102の支持区画106を介して(
図7に示すように)第2の弾性力を蓄積できる。第1の弾性アーム94が補助構造73の第2の補助区画E2によって押圧された場合、弾性部材76の第1の弾性アーム94の第1の駆動部分100の位置は、レール部材26の第1の構造36に対応しない。第2の弾性アーム96がレール部材26の長手体34の壁面によって押圧された場合、弾性部材76の第2の弾性アーム96の第2の駆動部分102の位置は、レール部材26の第2の構造38に対応しない。
【0037】
図7に示すように、レール部材26が第1のブラケット装置22の支持フレーム50(又はブラケット52)に対して、第1の方向D1(及び長手方向A1)と反対の第2の方向D2に沿って第2の所定の位置X2から第1の所定の位置X1に動かされた場合、弾性部材76の第2の弾性アーム96の第2の駆動部分102の位置が再びレール部材26の第2の空間H2に位置する限り、第2の弾性アーム96は第2の弾性力を放つことができる。そのため、第2の駆動部分102が第2の構造38に対応し、レール部材26は第2の構造38を介して第2の駆動部分102の支持区画106の一部107と当接して、駆動装置24を駆動して第2の方向D2に沿って第2の位置P2から第1の位置P1に移動させるて、第1のブラケット装置22の締結部材54を第2の状態S2から第1の状態S1に切り替えることができる。
図8に示すように、駆動装置24が第2の方向D2に沿って第2の位置P2から第1の位置P1に動かされると、駆動装置24は、締結部材54が第2の状態S2から第1の状態S1に切り替わるように、第2の駆動部80を介して締結部材54の第2の延在区画88に当接できる。
【0038】
図9及び
図10に示すように、スライドレールアセンブリ20はラックに適用可能である。ラックは第1のポスト111を有する。第1のポスト111は複数の取り付け孔112を有する。具体的には、スライドレールアセンブリ20は、第1のブラケット装置22のブラケット52の少なくとも1つの取り付け部材66を介して、第1のポスト111の複数の取り付け孔112のうちの1つに取り付けることができる。加えて、レール部材26が第1のブラケット装置22の支持フレーム50に対して第1の方向D1に沿って(
図9に示す)第1の所定の位置X1から(
図10に示す)第2の所定の位置X2に動かされた場合、レール部材26は、駆動装置24を第1の位置P1(
図6を参照)から第2の位置P2(
図8を参照)に移動するように駆動することができ、駆動装置24は、第1のブラケット装置22の締結部材54を駆動して、(
図9に示す)第1の状態S1から(
図10に示す)第2の状態S2に切り替えるように構成されている。締結部材54が第2の状態S2にある場合、締結部材54の締結部90は少なくとも1つの取り付け部材66に隣接して位置し、締結部材54の締結部90は、第1のブラケット装置22の第1のポスト111への取り付け手順が完了するように締結部材54の締結部90を第1のポスト111を固定することができる。
【0039】
図11に示すように、スライドレールアセンブリ20が第1のブラケット装置22を介して第1のポスト111に取り付けられると、第2のブラケット装置30は移動可能に調節され、ラックの第2のポスト114に取り付けられる。
【0040】
従来技術と比較して、本実施形態のスライドレールアセンブリ20は、以下の点で従来技術に対する利点を有する。
【0041】
1)第1のブラケット装置22のブラケット52は支持フレーム50に配置され(例えば固定接続され)、駆動装置24は、締結部材54をさらに駆動して第1の状態S1から第2の状態S2に切り替えるために、第1の位置P1から第2の位置P2に動かすことができる。上記の構成は先行技術のものとは異なる。
【0042】
2)支持フレーム50の上側支持壁56a及び下側支持壁56bは、レール部材26の上側側壁32aの一部及び下側側壁32bの一部をそれぞれ覆うように構成されている。上記の構成によれば、レール部材26の構造強度は第1のブラケット装置22の支持フレーム50を介して改善できる。レール部材26に沿った第1のブラケット装置22の長手移動距離も改善される。
【0043】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。