【解決手段】本発明による多孔質フィルタ要素は、第1の端部および第2の端部を有する中空円筒形多孔質金属メディアを備えるものであって、中空円筒形多孔質金属メディアは、第1の端部から第2の端部まで軸線に沿って長手方向に配置された複数のプリーツを含み、各プリーツは、約1:≧1の高さ対幅のアスペクト比をそれぞれが有する複数の部分を備える。本発明は、この多孔質フィルタ要素を用いた濾過方法にも関する。
第1の端部および第2の端部を有する中空円筒形多孔質金属メディアを備える多孔質フィルタ要素であって、前記中空円筒形多孔質金属メディアが、前記第1の端部から前記第2の端部まで軸線に沿って長手方向に配置された複数のプリーツを備え、前記プリーツの各々が、約1:≧1の高さ対幅のアスペクト比をそれぞれが有する複数の部分を備える、多孔質フィルタ要素。
前記中空円筒形多孔質金属メディアが内面を有し、前記複数の部分それぞれが中空内部と、その内面に形成された開放端と、1:≧1の高さ対幅のアスペクト比を有する閉鎖上端とを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質フィルタ要素。
前記プリーツ内の連続する部分間の中心間距離が、約0.02インチから約2インチ(約0.05cmから約5.1cm)の範囲にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質フィルタ要素。
前記第1の端部および前記第2の端部を有する前記中空円筒形多孔質金属メディアを備える少なくとも1つの追加の多孔質要素をさらに備え、前記中空円筒形多孔質金属メディアが、前記第1の端部から前記第2の端部まで軸線に沿って長手方向に配置された複数のプリーツを備え、前記プリーツの各々が、約1:≧1の高さ対幅のアスペクト比をそれぞれが有する前記複数の部分を備える、請求項9に記載の多孔質フィルタ。
流体を濾過する方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質フィルタ要素、または請求項9または10に記載の多孔質フィルタに前記流体を通すステップを含む、方法。
前記流体を前記多孔質フィルタ要素または前記多孔質フィルタの外側から前記多孔質フィルタ要素または前記多孔質フィルタの中空内部に通すステップを含む、請求項11に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態によるフィルタ要素の斜視図であり、フィルタ要素の第1の端部から第2の端部まで軸線に沿って長手方向に配置された複数のプリーツも示す。
【
図2A】先細にされた端部も示す、
図1に示すフィルタ要素の部分的に切断された斜視図である。
【
図2D】
図2Bに示すF部の詳細拡大図であり、本発明の実施形態による、z方向(長手方向)におけるプリーツの部分間の間隔および中心間距離を示す。
【
図3A】プリーツの上部を見たときの、高さ(H)対幅(W)のアスペクト比を有する、本発明の実施形態によるプリーツの部分の一構成を示す図であり、この部分は尖った楕円形の外観を有し、高さ対幅のアスペクト比は1:>1である(この図では2:>1として示す)。
【
図3B】プリーツの上部を見たときの、異なる高さ(H)対幅(W)のアスペクト比を有する、本発明の実施形態によるプリーツの部分の異なる構成を示す図であり、この部分は略円形外観を有し、高さ対幅のアスペクト比は1:1である。
【
図3C】プリーツの上部を見たときの、異なる高さ(H)対幅(W)のアスペクト比を有する、本発明の実施形態によるプリーツの部分のさらに異なる構成を示す図であり、この部分は丸みを帯びた楕円形を有し、高さ対幅のアスペクト比は1:>1である(この部では2.7:>1として示す)。
【
図4】
図1に示すプリーツの一部の構成の側面図であり、その部分の深さおよび高さを示す。
【
図5】閉鎖端を有するフィルタ要素の端面図であり、円周方向のプリーツの間隔を示し、隣接するプリーツ上の部分間の間隔は、フィルタ要素の中心に対して約0.9°から約180°の範囲の角度xで離間することができる。
【
図6A】上(開放)端を示す、一緒に接続されたフィルタ要素の一実施形態を含む本発明の実施形態によるフィルタの斜視図である。
【
図6B】底部(閉鎖端)を示す、一緒に接続されたフィルタ要素の別の実施形態を含む本発明の実施形態によるフィルタの斜視図である。
【
図7A】要素の一端にねじ込み式端部継手を有し、他端は閉じられているフィルタ要素の実施形態を含む、本発明の別の実施形態によるフィルタの斜視図である。
【
図8A】本発明の別の実施形態によるフィルタの斜視図であり、要素の一方の一端においてねじ込み式端部継手で一緒に接続された(要素の他端は開いている)フィルタ要素の2つの実施形態を含み、他方の要素は、(第1の要素の開放端に接続された)開放端と、閉鎖端とを有する。
【
図8C】
図8BのB部の詳細拡大図であり、フィルタ要素に統合するか、または第1のフィルタ要素の開放端に溶接することができるねじ込み式継手を示す。
【
図9A】本発明の別の実施形態によるフィルタの断面図であり、要素の1つの一端においてベンチュリ端部継手で一緒に接続された(要素の他端は開いている)フィルタ要素の3つの実施形態を含み、中間要素は開いており、両端は第1および第3の要素の開放端に接続されており、第3の要素は、(中間要素の開放端に接続された)開放端と、閉鎖端とを有する。
【
図9B】開放端が互いに溶接されていることを示す、
図9AのB部の詳細拡大図である。
【
図10A】複数のフィルタを備える、本発明の実施形態による例示的なフィルタシステムの断面側面図である。
【
図10B】複数のフィルタを備える、本発明の実施形態による例示的なフィルタシステムの断面上面図である。
【
図10C】複数のフィルタを備える、本発明の実施形態による例示的なフィルタシステムの断面底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0016]本発明の一実施形態によれば、第1の端部および第2の端部を有する中空円筒形多孔質金属メディアを備える多孔質フィルタ要素が提供され、中空円筒形多孔質金属メディアは、第1の端部から第2の端部まで軸線に沿って長手方向に配置された複数のプリーツを備え、各プリーツは、約1:≧1の高さ対幅のアスペクト比をそれぞれが有する複数の部分を備える。通常の実施形態では、高さ対幅のアスペクト比は、約1:>1であり、好ましくは、少なくとも1.5:>1であり、いくつかの実施形態では、2:>1以上である。
【0008】
[0017]別の実施形態では、多孔質フィルタは、多孔質フィルタ要素の一実施形態を含む。多孔質フィルタは、1つのフィルタ要素、または複数のフィルタ要素、例えば、少なくとも2つのフィルタ要素、少なくとも5つの要素、少なくとも10の要素、またはそれ以上を含むことができる。あるいは、またはさらに、多孔質フィルタの一実施形態は、多孔質フィルタ要素が一端または両端に継手を含む、少なくとも1つの多孔質フィルタ要素の実施形態を含むことができる。
【0009】
[0018]フィルタの実施形態は、例えば、フィルタシステム内の複数の別個の管として配置された、1つまたは複数の別個のフィルタを含むことができる。
【0010】
[0019]本発明の実施形態はまた、フィルタを含むフィルタシステム、および多孔質フィルタ要素の実施形態に流体を通すステップを含む濾過方法を含む。濾過方法の好ましい実施形態では、濾過される流体は、フィルタ要素の外側から内側に通される。より好ましくは、流体がフィルタ要素を通過することによって濾過された後、洗浄流体が、例えば、逆パルスを伴って、濾過の反対方向にフィルタに通される。
【0011】
[0020]一実施形態では、フィルタシステムは、垂直に配置された複数のフィルタを備える。システムの好ましい実施形態では、システムは、2つ以上のフィルタモジュールを備え、各フィルタモジュールは、複数のフィルタを備える。あるいは、またはさらに、フィルタシステムの一実施形態は、逆パルスシステムを含む。
【0012】
[0021]多孔質フィルタ要素の部分の構成は、異なる用途に合わせて変えることができる。例えば、ガス流中の固体粒子を濾過し、続いて逆パルスを行うことを伴ういくつかの用途では、その部分の水平面を最小化する(例えば、高さ:幅のアスペクト比を1より大きくする)ことが望ましくなり得る。
【0013】
[0022]フィルタ要素のいずれかの端または両端は、開いていても閉じていてもよく、例えば、一端を開いて、多端を閉じることができる。いずれかの端または両端は、エンドキャップを含むことができ、エンドキャップは、開いていても閉じていてもよい。閉鎖端は、フィルタ要素と統合することができ、または別のエンドキャップで実現することもできる。フィルタ要素のいずれかの端部または両端は継手を含むことができ、継手は、各端で異なることができる。
【0014】
[0023]いくつかの実施形態では、フィルタ要素の少なくとも一端、場合によっては両端は、端部の部分における深さがフィルタ要素の外径に合うようにフレア状に広がるように先細になっている(例えば、
図2Aを参照)。これにより、一部の用途に合わせて所望の場合に曲げ強度を高めることができる。
【0015】
[0024]好適には、本発明の実施形態によるフィルタおよびフィルタ要素は、従来のシリンダと同じ容積内に少なくとも約1.2倍(好ましい実施形態では、少なくとも約1.5倍)多くの面積を有することができる。さらに、フィルタおよびフィルタ要素は、容器(例えば、ハウジング)の直径を減少させることができ、これにより、コストおよび設置面積が低減される。
【0016】
[0025]別の利点では、フィルタ要素は、モジュラ設計を有することができ、例えば、ナショナルパイプテーパ(NPT)、盲端(閉鎖エンドキャップ)、ガイドピン、Oリングなど、異なる継手を備えた異なる長さのフィルタを可能にする。継手は、焼結前または焼結後にフィルタ要素に取り付けることができる。2つ以上のフィルタ要素を含むフィルタのこれらの実施形態では、要素は、例えば、継手および/または溶接を介して、さまざまな方法で接続することができる。
【0017】
[0026]特に工業用途では、フィルタおよびフィルタ要素は、優れた機械的強度を有しており、実験室での試験において20,000回を超えるブローバックサイクルおよび200,000回を超える疲労サイクルに関して試験されている。
【0018】
[0027]次に、本発明の各構成要素について以下でより詳細に説明する。ここで、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0019】
[0028]
図1および2Aに示す図示する実施形態では、フィルタ1000は、中空円筒形多孔質金属メディア50を備える多孔質フィルタ要素500を備え、中空円筒形多孔質金属メディア50は、中空内部を画定する内面55Aを含む中空内部55と、第1の端部51と、第2の端部52とを有する。フィルタ要素は、第1の端部から第2の端部まで軸線Aに沿って長手方向に配置された複数のプリーツ100を含み、各プリーツは、高さ対幅のアスペクト比が1:≧1である複数の部分150を備える。典型的には、側面から見たとき(例えば、
図2Bおよび2Cに示すように)、部分の上面150Aは、凹面ではなく、わずかに凸面またはわずかに平面である。
【0020】
[0029]連続する部分間にギャップがあり得るが、図示する実施形態では、連続する部分は、ブリッジ175によって接続される。ブリッジの存在は、要素の表面積の増加および機械的強度の増加を可能にする上で望ましくなり得る。通常、側面から見たとき(例えば、
図2Bおよび2Cに示すように)、ブリッジの上面175Aは、部分の上面150Aよりも低い。
【0021】
[0030]
図1、2Bおよび2Cに示すように、内面55Aは、各部分の中空内部80と連通する凹状開口部75を含み、この部分は、上部において閉じられている(上面150Aによって覆われている)。
【0022】
[0031]いくつかの実施形態では、フィルタ要素の少なくとも一端は、端部における部分の深さがフィルタ要素の外径を満たすようにフレア状に広がるように先細になっている。
図2Aに示す実施形態では、フィルタ要素の端部51は、先細部51Aを有し、それにより、端部の部分150’の深さは、フィルタ要素の外径51’に合うようにフレア状に広がる。所望の場合、フィルタ要素の両端を同様にまたは同じように先細にすることができる。
【0023】
[0032]上記で留意したように、フィルタまたはフィルタ要素のいずれかの端部または両端は、エンドキャップを含むことができ、エンドキャップは、開いていても閉じていてもよい。
図2B、6B、7A、8A、8B、および9Aは、エンドキャップ200を示す。
図6A、6B、7A、8A、8B、および9Aに示す実施形態では、多孔質フィルタ要素500は、一端がエンドキャップで閉じられ、
図6A、6B、および9Aに示すような多孔質フィルタ要素500Aは、両端が開いている。あるいは、またはさらに、フィルタまたはフィルタ要素のいずれかの端部または両端は、継手を含むことができ、例えば、
図7A、8A、8B、および9Aに示す実施形態は、継手700、例えば、NPT701、およびベンチャ継手702を示す(
図9A)。
【0024】
[0033]通常、一般的な参照用に
図2Dを使用すると、連続する部分の中心間(X)距離は、約0.02インチから約2インチ(約0.05cmから約5.1cm)の範囲になる。
【0025】
[0034]通常、一般的な参照用に
図4を使用すると、部分の深さ(D)は約0.01インチから約2.40インチ(約0.03cmから約6.1cm)の範囲にあることができ、部分の通常の高さ(H)は、約0.03インチから約55インチ(約0.08cmから約140cm)の範囲にあることができる。本発明の一実施形態による高さ対深さの比は、通常約1:1から約10:1の範囲にあり、好ましくは、約1:1から約2:1、いくつかの実施形態では約1.3:1の範囲にある。
【0026】
[0035]通常、一般的な参照用に
図5を使用すると、隣接するプリーツ上の部分間の間隔は、フィルタ要素の中心に対して約0.9°から約180°の範囲の角度(X)で離間され得る。
【0027】
[0036]通常、部分の幅は、約0.03インチから約5インチ(約0.08cmから約12.7cm)の範囲にあることができる。
【0028】
[0037]通常、各要素内のプリーツの行数は、2行から約3700行の範囲にある。
【0029】
[0038]通常、フィルタ要素の外径は、約0.2インチから約5インチ(約0.05cmから約12.7cm)の範囲にある。通常、フィルタ要素の内径は、約0.2インチから約5インチ(約0.51cmから約12.7cm)の範囲にある。
【0030】
[0039]通常、要素の壁の厚さは、約0.01インチから約0.12インチ(約0.03cmから約0.30cm)の範囲にある。
【0031】
[0040]通常、フィルタ要素は、約2インチから約120インチ(約5.1cmから約305cm)の範囲内の長さおよび/または約0.2インチから約5インチ(約0.51cmから約12.7cm)の範囲の外径を有する。
【0032】
[0041]フィルタ要素、プリーツ、部分、およびエンドキャップ(存在し、多孔性の場合)は、任意の適切な細孔構造、例えば、(例えば、バブルポイントによって証明されるような、または、例えば、米国特許第 4,340,479号明細書に説明されるようなK
Lによる、または毛細管凝縮フローポロメトリによって証明される)細孔サイズ、平均フロー細孔(MFP)サイズ(例えば、ポロメータ、例えば Porvair Porometer(Porvair plc,Norfolk,UK)または商標POROLUX(Porometer.com;ベルギー)で入手可能なポロメータを使用して特徴付けられるとき)、細孔精度、細孔直径(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に説明されているような修正OSU F2試験を使用して特徴付けられるとき)、または除去評価メディアを有することができる。使用される細孔構造は、利用される粒子のサイズ、処理される流体の組成、および処理される流体の所望の流出物レベルに依存する。
【0033】
[0042]通常、本発明のいくつかの実施形態によれば、多孔質要素、プリーツ、および部分はそれぞれ、約2マイクロメートル(μm)から約70マイクロメートルの範囲の細孔サイズを有する。
【0034】
[0043]フィルタおよびフィルタ要素を製造するために使用される粒子は、さまざまな金属粉末を含むことができ、フィルタおよびフィルタ要素は、例えば、316低炭素ステンレス鋼および310ステンレス鋼などのステンレス鋼粉末から焼結を含むプロセスによって形成され得る。他の適切な金属粉末は、例えば、合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)X、およびHAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)(Haynes International)、およびInconel 600)、ニッケル、クロム、タングステン、銅、青銅、アルミニウム、プラチナ、鉄、マグネシウム、コバルト、またはそれらの組み合わせ(金属と金属合金の組み合わせを含む)を含む。
【0035】
[0044]粒子は任意の適切なサイズであることができ、フィルタおよびフィルタ要素は、粒子サイズの分布を含むことができる。特定の用途の粒子のサイズは、完成したフィルタおよびフィルタ要素の所望の細孔サイズに関連している。
【0036】
[0045]中空フィルタ要素は、任意の適切な内径および外径と、長さとを有することができる。
【0037】
[0046]好ましくは、フィルタおよびフィルタ要素は、例示的に滅菌可能であり、例えば、蒸気滅菌または化学滅菌を介して定置洗浄(CIP)することができる。
【0038】
[0047]本発明の実施形態によるフィルタ要素は、好ましくはモノリシックであり、好ましくは積層造形(「積層造形」または「3D印刷」と呼ばれることもある)によって製造される。これらは、通常、活性化可能なバインダ(例えば、「ドロップオンパウダー」と呼ばれることもあるバインダ噴射)と一緒に結合された金属粉末を繰り返し堆積させ、その後、通常は、例えば焼結によって粉末を凝集させることによって形成される。エンドキャップ(存在する場合)およびフィルタ要素は、積層造形によって連続動作で実質的に同時に一緒に製造することができる。
【0039】
[0048]任意の適切な積層造形装置を使用することができ、さまざまな製造3Dプリンターが適切であり、市販されている。
【0040】
[0049]
図10A〜10Cは、本発明の一実施形態による例示的なフィルタシステムを示す。(チューブシート/フィルタバンドルと呼ばれることもある)フィルタシステム2000の図示する実施形態は、垂直に配置された複数のフィルタ1000を備え(
図10Bおよび10Cの1700は、チューブシートの外径を反映する)、システムは、通常、濾過される流体(例えば、液体またはガス)のための送り装置、および濾過された液体またはガスのための排出チャネルを備える。図示する実施形態では、フィルタシステムは、下部グリッドプレート1701と、複数のモジュール1500A、1500B、1500Cと、バックパルスガスチャネル用のそれぞれの入口配管1510A、1510B、1510Cとを備え、各モジュールは、複数のフィルタ1000を備える。生液体(例えば、生ガス)のための送りチャネル(図示せず)は、ハウジングシェル内に配置される。
【0041】
[0050]通常、ハウジングは、濾過されるガスを受け入れる生ガスチャンバと、濾過されたガスのための清浄ガスチャンバとに分けることができる。
【0042】
[0051]好ましくは、システムの実施形態は、ハウジングからフィルタまたはモジュールを取り外すことなく、逆フラッシング(バックパルス)し、続いて濾過することを可能にするように構成される。
図10Aおよび
図10Bは、バックパルスチャネル1900A、1900B、および1900Cを備える逆フラッシングシステム1950を示す。所望の場合、逆フラッシングシステムは、圧力源を含むことができる。
【0043】
[0052]逆フラッシング中に排出される粒子状物質は、好ましくは、ハウジングの外側のハウジングの底部に配置された集塵機内に重力によって収集される。フィルタまたはモジュールは、逆フラッシング中、粒子状物質がフィルタ要素から分離されたときに、隣接するフィルタまたはフィルタモジュール間の相互汚染が発生しないように(例えば、逆フラッシング中にずらして)配置される。
【実施例】
【0044】
[0053]以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然ながら、決してその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0045】
[0054]この例は、市販の円筒形フィルタと比較した、本発明の実施形態によるフィルタ要素の単位長さあたりの面積の改善を実証する。
【0046】
[0055]フィルタ要素は、1つの先細端と、1つの盲端とを備えて製造される。1インチ(2.54cm)のNPT継手を3つのフィルタ要素に溶接してこれらを同時に試験し、製造されたフィルタ要素に対応する面積を有する3つの市販の中空円筒形フィルタ要素と比較する。3セットの面積は、0.8操業(actual)リットル/分/平方インチ(alpm/in
2)、1.04alpm/in
2、および1.46alpm/in
2である。
【0047】
[0056]フィルタ要素の両方のセットは同じ面積および内径および外径を有するが、市販のフィルタは、本発明の実施形態によるフィルタ要素の2倍の長さである。
【0048】
[0057]市販のフィルタの差圧(デルタP)は、それぞれ0.243psi、0.335psi、および0.491psiであり、本発明の実施形態のデルタPは、0.226psi、0.307psi、および0.516psiである。
【0049】
[0058]この例は、本発明の実施形態が、同等のデルタPを示しながら、市販のフィルタよりも単位長さあたりの面積が大きいことを示している。
【実施例2】
【0050】
[0059]この実施例は、市販の円筒形フィルタと比較した、本発明の実施形態によるフィルタ要素の単位長さ当たりの面積の改良における追加の利点を実証する。
【0051】
[0060]実施例1に説明するフィルタ要素のシミュレートされたブローバック試験を、0.8alpm/in
2の低い入口面速度のフィルタ要素、1.04alpm/in
2の中程度の入口面速度のフィルタ要素、および1.46alpm/in
2の高い入口面速度のフィルタで実施する。
【0052】
[0061]市販のフィルタの安定デルタPは、0.243psi、0.335psi、および0.491psiであり、本発明の実施形態の安定デルタPは、0.226psi、0.307psi、および0.516psiである。
【実施例3】
【0053】
[0062]この実施例は、市販の円筒形フィルタと比較した、本発明の実施形態によるフィルタ要素の単位長さ当たりの面積の改良における追加の利点を実証する。
【0054】
[0063]この試験は、長さが半分であるが、市販のフィルタと同じ面積である本発明の実施形態を比較することによって実行する。
【0055】
[0064]実施例1に説明するようなフィルタ要素のシミュレートされたブローバック試験を、同じ3セットのフィルタ要素を使用して同じシステム入口流で実施する。市販のフィルタの安定したデルタPは、0.491psiであり、本発明の実施形態では0.226psiである。これは、市販のフィルタ要素と同じ長さを有する本発明によるフィルタ要素の実施形態について、本発明の実施形態の安定したデルタPは、市販のフィルタ要素の約半分であることを示している。
【実施例4】
【0056】
[0065]この例は、市販の円筒形フィルタと比較した、本発明の実施形態によるフィルタ要素の汚れ容量の改善を実証する。
【0057】
[0066]本発明の一実施形態によるフィルタ要素を実施例1のように製造し、長さ10インチの市販の円筒形フィルタ要素を得る。フィルタ要素の面積は、本質的に同じである。
【0058】
[0067]市販のフィルタ要素の汚れ容量は2.7gであり、汚れ保持容量(DHC)は6.1g/ft
2であるのに対し、本発明の実施形態によるフィルタ要素の汚れ容量は4.5gであり、DHCは5.0g/ft
2である。DHCは単位面積ごとに正規化されているため、重要な比較は、汚れ容量である。
【0059】
[0068]本明細書で引用する刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
[0069]発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)用語「1つ(a)」および「1つ(an)」および「その(the)」および「少なくとも1つ(at least one)」および同様の指示対象の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を対象とすると解釈されるものである。「少なくとも1つ」という用語の後に1つまたは複数の項目のリスト(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)を使用することは、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、リストされた項目(AまたはB)から選択された1つの項目、またはリストされた項目(AおよびB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味すると解釈されるものである。「備える」、「有する」、「含む」、および「含む」という用語は、特に明記しない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈されるものである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを意図するにすぎず、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に説明するすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを意図するにすぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中の言語は、請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【0061】
[0070]本発明を実施するために発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に説明される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことで、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に説明する以外の方法で本発明を実施することを意図する。したがって、本発明は、適用される法律によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および同等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形における上記で説明する要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。