の固体の形態(塩または共結晶を含む)を提供するところのものである。本明細書に記載されるプロセスまたはステップに有用な化合物Iおよび中間体の調製のためのプロセスまたはステップもまた本明細書で提供されるものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
定義および一般的なパラメータ
以下の説明では、例示的な方法、パラメータなどが記載されている。しかしながら、このような説明は本開示の範囲を制限するものではなく、それよりむしろ例示的な実施形態の説明として提供されると認識されるべきである。
【0026】
本明細書で使用される場合、以下の単語、語句および記号は、一般に、それらが使用される文脈でそうでないと指示される場合を除いて、以下に記載されている意味を有することを意図する。
【0027】
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば、−CONH
2は、炭素原子を介して結合される。化学基の前または後にあるダッシュ記号は、便宜上のものである;化学基は、それらの通常の意味を失わずに、1つまたはそれを超えるダッシュと共にまたはダッシュなしで示され得る。構造中の線によって描写される波線は、基の結合点を示す。化学的または構造的な必要がない限り、方向性は、化学基の記載順序または命名順序によって指示または暗示されない。
【0028】
「C
u−v」という接頭辞は、以下の基がu〜v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C
1−6アルキル」は、アルキル基が1〜6個の炭素原子を有することを示す。
【0029】
本明細書における「約」が付された値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(および記載する)。特定の実施形態では、「約」という用語は、示されている量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は、示されている量±5%を含む。特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示されている量±1%を含む。例えば、定量的測定の文脈で使用される場合、「約」という用語は、指示量±10%、±5%または±1%を指す。また、「約X」という用語は、「X」の記載を含む。また、「a」および「the」という単数形は、文脈上そうでないと明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物(the compound)」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「アッセイ(the assay)」へ
の言及は、1つまたはそれを超えるアッセイおよび当業者に公知のその均等物への言及を含む。
【0030】
「アルキル」は、非分枝状または分枝状飽和炭化水素鎖を指す。本明細書で使用される場合、アルキルは、1〜20個の炭素原子(すなわち、C
1−20アルキル)、1〜8個の炭素原子(すなわち、C
1−8アルキル)、1〜6個の炭素原子(すなわち、C
1−6アルキル)または1〜4個の炭素原子(すなわち、C
1−4アルキル)を有する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシルおよび3−メチルペンチルが挙げられる。具体的な数の炭素を有するアルキル残基が化学名によって命名されるか、または分子式によって特定される場合、その数の炭素を有するすべての位置異性体が包含され得る;したがって、例えば、「ブチル」は、n−ブチル(すなわち、−(CH
2)
3CH
3)、sec−ブチル(すなわち、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、イソブチル(すなわち、−CH
2CH(CH
3)
2)およびtert−ブチル(すなわち、−C(CH
3)
3)を含み;「プロピル」は、n−プロピル(すなわち、−(CH
2)
2CH
3)およびイソプロピル(すなわち、−CH(CH
3)
2)を含む。
【0031】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する脂肪族基であって、2〜20個の炭素原子(すなわち、C
2−20アルケニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C
2−8アルケニル)、2〜6個の炭素原子(すなわち、C
2−6アルケニル)または2〜4個の炭素原子(すなわち、C
2−4アルケニル)を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2−ブタジエニルおよび1,3−ブタジエニルを含む)が挙げられる。
【0032】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する脂肪族基であって、2〜20個の炭素原子(すなわち、C
2−20アルキニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C
2−8アルキニル)、2〜6個の炭素原子(すなわち、C
2−6アルキニル)または2〜4個の炭素原子(すなわち、C
2−4アルキニル)を有するアルキル基を指す。「アルキニル」という用語はまた、1つの三重結合および1つの二重結合を有する基を含む。
【0033】
「アルコキシ」は、基「アルキル−O−」を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシおよび1,2−ジメチルブトキシが挙げられる。
「ハロアルコキシ」は、1個またはそれを超える水素原子がハロゲンで置き換えられている上記で定義されるアルコキシ基を指す。
【0034】
「アシル」は、基−C(O)Rを指し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、本明細書で定義されるように必要に応じて置換されていてもよい。アシルの例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル(cylcohexylcarbonyl)、シクロヘキシルメチル−カルボニルおよびベンゾイルが挙げられる。
【0035】
「アミド」は、「C−アミド」基(これは、基−C(O)NR
yR
zを指す)および「N−アミド」基(これは、基−NR
yC(O)R
zを指す)の両方を指し、R
yおよびR
zは、水素、アルキル、アリール、ハロアルキルまたはヘテロアリールからなる群より独立して選択され;これらはそれぞれ、必要に応じて置換されていてもよい。
【0036】
「アミノ」は、基−NR
yR
zを指し、R
yおよびR
zは、水素、アルキル、ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群より独立して選択され;これらはそれぞれ、必要に応じて置換されていてもよい。
【0037】
「アリール」は、単環(例えば、単環式)または多環(例えば、二環式または三環式)(縮合系を含む)を有する芳香族炭素環式基を指す。本明細書で使用される場合、アリールは、6〜20個の環炭素原子(すなわち、C
6−20アリール)、6〜12個の炭素環原子(すなわち、C
6−12アリール)または6〜10個の炭素環原子(すなわち、C
6−10アリール)を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニ
ルおよびアントリルが挙げられる。しかしながら、アリールは、以下で定義されるヘテロアリールを決して包含せず、またはそれと重複しない。1つまたはそれを超えるアリール基がヘテロアリールと縮合される場合、得られる環系は、ヘテロアリールである。
【0038】
「カルバモイル」は、「O−カルバモイル」基(これは、基O−C(O)NR
yR
zを指す)および「N−カルバモイル」基(これは、基−NR
yC(O)OR
zを指す)の両方を指し、R
yおよびR
zは、水素、アルキル、アリール、ハロアルキルまたはヘテロアリールからなる群より独立して選択され;これらはそれぞれ、必要に応じて置換されていてもよい。
【0039】
「カルボキシル」は、−C(O)OHを指す。
【0040】
「カルボキシルエステル」は、−OC(O)Rおよび−C(O)ORの両方を指し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり;これらはそれぞれ、本明細書で定義されるように必要に応じて置換されていてもよい。
【0041】
「シクロアルキル」は、単環または多環(縮合環系、架橋環系およびスピロ環系を含む)を有する飽和または部分飽和環式アルキル基を指す。「シクロアルキル」という用語は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有する環式基)を含む。本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、3〜20個の環炭素原子(すなわち、C
3−20シクロアルキル)、3〜12個の環炭素原子(すなわち、C
3−12シクロアルキル)、3〜10個の環炭素原子(すなわち、C
3−10シクロアルキル)、3〜8個の環炭素原子(すなわち、C
3−8シクロアルキル)または3〜6個の環炭素原子(すなわち、C
3−6シクロアルキル)を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0042】
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。「ハロアルキル」は、1個またはそれを超える水素原子がハロゲンで置き換えられている上記で定義される非分枝状または分枝状アルキル基を指す。例えば、残基が1個を超えるハロゲンで置換されている場合、それは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することによって言及され得る。ジハロアルキルおよびトリハロアルキルは、2つ(「ジ」)または3つ(「トリ」)のハロ基(これは、同じハロゲンであり得るが、必ずしも同じハロゲンではない)で置換されているアルキルを指す。ハロアルキルの例としては、ジフルオロメチル(−CHF
2)およびトリフルオロメチル(−CF
3)が挙げられる。
【0043】
「ヘテロアルキル」は、炭素原子(および任意の結合水素原子)の1個またはそれよりも多くがそれぞれ独立して、同じまたは異なるヘテロ原子基で置き換えられているアルキル基を指す。「ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子およびヘテロ原子を有する非分枝状または分枝状飽和鎖を含む。例として、1、2または3個の炭素原子は独立して、同じまたは異なるヘテロ原子基で置き換えられていてもよい。ヘテロ原子基としては、限定されないが、−NR−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−などが挙げられ、Rは、H、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ、必要に応じて置換されていてもよい。ヘテロアルキル基の例としては、−OCH
3、−CH
2OCH
3、−SCH
3、−CH
2SCH
3、−NRCH
3および−CH
2NRCH
3が挙げられ、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキルまたはヘテロアリールであり、これらはそれぞれ、必要に応じて置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、ヘテロアルキルは、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子または1〜4個の炭素原子と;1〜3個
のヘテロ原子、1〜2個のヘテロ原子または1個のヘテロ原子とを含む。
【0044】
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個またはそれを超える環ヘテロ原子を有する単環、多環または縮合多環を有する芳香族基を指す。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールは、1〜20個の環炭素原子(すなわち、C
1−20ヘテロアリール)、3〜12個の環炭素原子(すなわち、C
3−12ヘテロアリール)または3〜8個の炭素環原子(すなわち、C
3−8ヘテロアリール)と、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子、1〜4個のヘテロ原子、1〜3個の環ヘテロ原子、1〜2個の環ヘテロ原子または1個の環ヘテロ原子とを含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリミジニル、プリニル、ピリジル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリルおよびピラゾリルが挙げられる。ヘテロアリールは、上記で定義されるアリールを包含しないしそれと重複もしない。
【0045】
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個またはそれを超える環ヘテロ原子を有する不飽和非芳香族環状アルキル基を指す。本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、特に指示がない限り、飽和または部分飽和の環を指し、例えば、いくつかの実施形態では、「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、特定の場合には、部分飽和の環を指す。「ヘテロシクリル」または「複素環式環」という用語は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1つの二重結合を有するヘテロシクリル基)を含む。ヘテロシクリルは、単一の環または複数の環であり得、複数の環は、縮合、架橋またはスピロであり得る。本明細書で使用される場合、ヘテロシクリルは、2〜20個の環炭素原子(すなわち、C
2−20ヘテロシクリル)、2〜12個の環炭素原子(すなわち、C
2−12ヘテロシクリル)、2〜10個の環炭素原子(すなわち、C
2−10ヘテロシクリル)、2〜8個の環炭素原子(すなわち、C
2−8ヘテロシクリル)、3〜12個の環炭素原子(すなわち、C
3−12ヘテロシクリル)、3〜8個の環炭素原子(すなわち、C
3−8ヘテロシクリル)または3〜6個の環炭素原子(すなわち、C
3−6ヘテロシクリル)を有し;窒素、硫黄または酸素から独立して選択される1〜5個の環ヘテロ原子、1〜4個の環ヘテロ原子、1〜3個の環ヘテロ原子、1〜2個の環ヘテロ原子または1個の環ヘテロ原子とを有する。ヘテロシクリル基の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキセタニル、ジオキソラニル、アゼチジニルおよびモルホリニルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「架橋ヘテロシクリル」という用語は、ヘテロシクリルの2個の非隣接原子において、少なくとも1個のヘテロ原子を有する1個またはそれを超える(例えば、1個または2個の)4〜10員環式部分と接続された4〜10員環式部分を指し、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される。本明細書で使用される場合、架橋ヘテロシクリルは、二環式環系および三環式環系を含む。また本明細書で使用される場合、「スピロヘテロシクリル」という用語は、3〜10員ヘテロシクリルが1個またはそれを超えるさらなる環を有する環系を指し、1個またはそれを超えるさらなる環は、3〜10員シクロアルキルまたは3〜10員ヘテロシクリルであり、1個またはそれを超えるさらなる環の単一原子もまた、3〜10員ヘテロシクリルの原子である。スピロヘテロシクリルの例としては、二環式環系および三環式環系、例えば2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.4]オクタニルおよび6−オキサ−1−アザスピロ[3.3]ヘプタニルが挙げられる。
【0046】
「スルホニル」は、基−S(O)
2Rを指し、Rは、アルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはアリールである。スルホニルの例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニルおよびトルエンスルホニルである。
【0047】
特定の一般的に使用される代替化学名が使用され得る。例えば、二価基、例えば二価「
アルキル」基、二価「アリール」基などはまた、「アルキレン」基または「アルキレニル」基、「アリーレン」基または「アリーレニル」基とそれぞれ称され得る。また、そうでないと明示的な指示がない限り、本明細書で1つの部分として基の組み合わせが言及される場合(例えば、アリールアルキル)、記述されている最後の基は、それによって部分が分子の残部に結合している原子を含有する。
【0048】
「必要に応じた」または「必要に応じて」という用語は、続いて記載されている事象または状況が起こってもよいしまたは起こらなくてもよいこと、およびこの記載は、前記事象または状況が起こる場合と、それが起こらない場合とを含むことを意味する。また、「必要に応じて置換されている」という用語は、指定の原子または基上のいずれか1個またはそれを超える水素原子が、水素以外の部分で置き換えられていてもよいしまたは置き換えられていなくてもよいことを指す。
【0049】
「置換されている」という用語は、指定原子の通常の原子価を超えない限り、指定原子または基上の任意の1個またはそれを超える水素原子が、水素以外の1個またはそれを超える置換基で置き換えられることを意味する。1個またはそれを超える置換基としては、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、アミノ、アミド、アミジノ、アリール、アジド、カルバモイル、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、グアニジノ、ハロ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ヒドラジノ、イミノ、オキソ、ニトロ、アルキルスルフィニル、スルホン酸、アルキルスルホニル、チオシアネート、チオール、チオン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。さらなる置換基が無限に付加された置換基を定義することによって到達するポリマーまたは類似の不定構造(indefinite structure)(例えば、置
換ヘテロアルキル基等でさらに置換されている置換アリール基でそれ自体が置換されている置換アルキルを有する置換アリール)は、本明細書に包含されることを意図しない。特に注記がない限り、本明細書に記載される化合物の連続的な置換の最大数は3である。例えば、2つの他の置換アリール基を有する置換アリール基の連続的な置換は、((置換アリール)置換アリール)置換アリールに限定される。同様に、上記定義は、容認できない置換パターン(例えば、5個のフッ素で置換されているメチルまたは2個の隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を含むことを企図しない。このような容認不可能な置換パターンは、当業者に周知である。化学基を修飾するために使用される場合、「置換されている」という用語は、本明細書で定義される他の化学基を記載してもよい。例えば、「置換アリール」という用語は、限定されないが、「アルキルアリール」を含む。特に明記がない限り、基が必要に応じて置換されていると記載されている場合、基の任意の置換基それ自体は非置換である。
【0050】
いくつかの実施形態では、「置換アルキル」という用語は、1個またはそれを超える置換基(ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールが挙げられる)を有するアルキル基を指す。さらなる実施形態では、「置換シクロアルキル」は、1個またはそれを超える置換基(アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロ、オキソ、およびヒドロキシルが挙げられる)を有するシクロアルキル基を指す。「置換ヘテロシクリル」は、1個またはそれを超える置換基(アルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、ハロ、オキソ、およびヒドロキシルが挙げられる)を有するヘテロシクリル基を指す。「置換アリール」は、1個またはそれを超える置換基(ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルコキシ、およびシアノが挙げられる)を有するアリール基を指す。「置換ヘテロアリール」は、1個またはそれを超える置換基(ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルコキシ、およびシアノが挙げられる)を有するヘテロアリール基を指し、「置換スルホニル」は、基−S(O)
2Rを指
し、ここでRは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールが挙げられる1個またはそれを超える置換基で置換されている。他の実施形態では、これらの1個またはそれを超える置換基は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールでさらに置換されていてもよく、これらのそれぞれは、置換されている。他の実施形態では、これらの置換基は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールでさらに置換されていてもよく、これらのそれぞれは、置換されていない。
【0051】
「異性体」は、同じ分子式を有する異なる化合物である。異性体としては、立体異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーが挙げられる。
【0052】
「立体異性体」は、原子が空間で配置される方法のみが異なる異性体である。
【0053】
「エナンチオマー」は、重ね合わせることができない互いの鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。「(±)」という用語は、適切な場合にはラセミ混合物を指定するために使用される。
【0054】
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有する立体異性体であって、しかし互いの鏡像ではない立体異性体である。
【0055】
絶対立体化学は、Cahn Ingold Prelog R Sシステムにしたがって指定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素の立体化学は、RまたはSのいずれかにより指定され得る。絶対配置が不明である分割化合物は、ナトリウムD線の波長で偏光面を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて、(+)または(−)と指定される。
【0056】
化合物のいくつかは、互変異性体として存在する。互変異性体は、互いに平衡状態にある。例えば、アミド含有化合物は、イミド酸互変異性体と平衡状態で存在し得る。当業者であれば、どの互変異性体が示されているかにかかわらず、および互変異性体間の平衡の性質にかかわらず、化合物は、アミド互変異性体およびイミド酸互変異性体の両方を含むと理解する。したがって、アミド含有化合物は、それらのイミド酸互変異性体を含むと理解される。同様に、イミド酸含有化合物は、それらのアミド互変異性体を含むと理解される。
【0057】
本明細書で示される任意の式または構造はまた、化合物の非標識形態および同位体標識形態を表すことを意図する。同位体標識化合物は、1個またはそれを超える原子が、選択原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて、本明細書で示される式によって示される構造を有する。本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば限定されないが、
2H(重水素、D)、
3H(三重水素)、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F、
31P、
32P、
35S、
36Clおよび
125Iが挙げられる。本開示の様々な同位体標識化合物、例えば、
3H、
13Cおよび
14Cなどの放射性同位体が組み込まれたもの。このような同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度論研究、検出もしくはイメージング技術、例えば陽電子放射断層撮影法(PET)もしくは単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)(薬物または基質組織分布アッセイを含む)において、または患者の放射性処置において有用であり得る。
【0058】
本開示はまた、炭素原子に結合した1〜n個の水素が重水素で置き換えられている本明細書に記載される化合物(nは、分子中の水素の数である)を含む。このような化合物は
、増加した代謝耐性を示すので、哺乳動物、特にヒトに投与される場合、任意の本明細書に記載される化合物の半減期を増加させるために有用である。例えば、Foster,“Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism,”Trends Pharmacol.Sci.5(12):524−527(1984)を参照のこと。このような化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば、1個またはそれを超える水素が重水素で置き換えられている出発物質を使用することによって合成される。
【0059】
本開示の重水素標識または置換治療用化合物は、分布、代謝および排泄(ADME)に関して、改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を有し得る。重水素などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性から生じる特定の治療的利点、例えば、インビボ半減期の増加、投与量要求の減少および/または治療指数の改善を与え得る。
18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究に有用であり得る。本開示の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に代えて、以下に記載のスキームまたは実施例および調製に開示されている手順を行うことによって調製され得る。これとの関連では、重水素は、本明細書に記載の化合物における置換基とみなされると理解される。
【0060】
このようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物では、特定の同位体として具体的に指定されていない任意の原子は、その原子の任意の安定な同位体を表すことを意味する。そうでないと記載されない限り、位置が「H」または「水素」として具体的に指定される場合、該位置は、その天然存在度の同位体組成で水素を有すると理解される。したがって、本開示の化合物では、重水素(D)として具体的に指定されている任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
【0061】
多くの場合、本開示の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれらと類似の基の存在によって、酸性塩および/または塩基性塩を形成することができる。
【0062】
塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基由来の塩としては、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が挙げられる。有機塩基由来の塩としては、限定されないが、第1級、第2級および第3級アミン、例えばアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、二複素環式アミン、三複素環式アミン、混合ジアミンおよびトリアミンであって、アミン上の置換基の少なくとも2個が異なるものであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式(heterocyclic)などからなる群より選択される混合ジアミンおよびトリアミンの塩が挙げられる。2個または3個の置換基がアミノ窒素と一緒に複素環式基またはヘテロアリール基を形成するアミンも含まれる。アミンは、一般構造N(R
30)(R
31)(R
32)(式中、一置換アミンは、水素として窒素上の3個の置換基(R
30、R
31およびR
32)の2個を有し、二置換アミンは、水素として窒素上の3個の置換基(R
30、R
31およびR
32)の1個を有するのに対して、三置換アミン
は、水素として窒素上の3個の置換基(R
30、R
31およびR
32)のいずれも有しない)のものである。R
30、R
31およびR
32は、様々な置換基、例えば水素、必要に応じて置換されているアルキル、アリール、ヘテロアリール(heteroayl)、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルなどから選択される。上記アミンは、窒素上の1個、2個または3個の置換基のいずれかが名前に列挙されている化合物を指す。例えば、「シクロアルケニルアミン」という用語は、シクロアルケニル−NH
2を指し、「シクロアルケニル」は、本明細書で定義されるとおりである。「ジヘテロアリールアミン」という用語は、NH(ヘテロアリール)
2を指し、「ヘテロアリール」は、本明細書で定義されているとおりなどである。適切なアミンの具体例としては、ほんの一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(iso−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。
【0063】
酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。無機酸から誘導される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸から誘導される塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0064】
いくつかの場合では、所定の化合物の「塩」は、薬学的に許容され得る塩である。所定の化合物の「薬学的に許容され得る塩」という用語は、所定の化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩であって、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を指す。薬学的に許容され得る塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基由来の塩としては、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が挙げられる。有機塩基由来の塩としては、限定されないが、第1級、第2級および第3級アミン、例えばアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、モノ、ジもしくはトリシクロアルキルアミン、モノ、ジもしくはトリアリールアミンまたは混合アミンの塩などが挙げられる。適切なアミンの具体例としては、ほんの一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(iso−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。
【0065】
薬学的に許容され得る酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。無機酸由来の塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸由来の塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0066】
「共結晶」という用語は、イオン化または非イオン化化合物I(あるいは本明細書に開示される他の任意の化合物)と、1つまたはそれを超える非イオン化共結晶形成物質(例えば、薬学的に許容され得る塩)との非共有結合相互作用により連結された分子複合体を
指す。
【0067】
「溶媒和物」という用語は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの溶媒が結晶構造に組み込まれた結晶形態を指す。同様に、「水和物」という用語は、化学量論量または非化学量論量のいずれかの水が結晶構造に組み込まれた結晶形態を具体的に指す。
【0068】
「反応条件」という用語は、化学反応が進行する物理的および/または環境的条件を指すことが意図される。「〜ために十分な条件下」または「〜ために十分な反応条件下」という用語は、所望の化学反応が進行し得る反応条件を指すことを意図される。反応条件の例としては、限定されないが、以下のものの1つまたはそれよりも多くが挙げられる:反応温度、溶媒、pH、圧力、反応時間、反応物質のモル比、塩基または酸、あるいは触媒の存在、放射線、濃度など。反応条件は、それらの条件が用いられる特定の化学反応に因んで、例えば、カップリング条件、水素化条件、アシル化条件、還元条件などと命名され得る。大部分の反応のための反応条件は、当業者に一般に公知であるか、または文献から容易に得られ得る。本明細書で提供される化学変換を行うために十分な例示的な反応条件は、全体にわたって、特に下記の実施例において見出され得る。反応条件は、特定の反応中に列挙されるものに加えて、試薬を含み得ることもまた企図される。
【0069】
「試薬」という用語は、化学反応を引き起こすために添加され得る物質または化合物を指す。
【0070】
「触媒」という用語は、他の可能なものよりも通常より速い速度で、または異なる条件下(例えば、より低い温度)で化学反応が進行するのを可能にする化学物質を指す。
【0071】
「還元体(reductant)」または「還元剤(reducing agent)」という用語は、分子への水素の付加に使用される試薬を指す。例示的な還元剤としては、水素ガス(H
2)および水素化物試薬、例えば水素化ホウ素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)および超水素化物が挙げられる。他の例示的な還元剤は、本明細書に開示されるとおりである。
【0072】
「脱離基」という用語は、化学反応において、結合電子を伴って安定種として置き換えられる原子または原子団を指す。脱離基の非限定的な例としては、ハロ、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ、(4−ブロモ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−ニトロ−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2−ニトロ−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(4−イソプロピル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(2,4,6−トリ−イソプロピル−ベンゼン)−スルホニルオキシ、(2,4,6−トリメチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、(4−tertブチル−ベンゼン)スルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、(4−メトキシ−ベンゼン)スルホニルオキシなどが挙げられる。
【0073】
「ヒドロキシニトリラーゼ」または「オキシニトリラーゼ」または「ヒドロキシニトリルリアーゼ」または「アセトンシアノヒドリンリアーゼ」という用語は、化学反応:アセトンシアノヒドリン⇔シアニド+アセトンを触媒する酵素を指す。
【0074】
「ニトリラーゼ」という用語は、カルボン酸およびアンモニアへのニトリルの加水分解を触媒する酵素を指す。
【0075】
「ケトレダクターゼ」(「カルボニルレダクターゼ」または「アルコールデヒドロゲナーゼ」としても公知)という用語は、ケトンの還元を触媒する酵素を指す。
【0076】
「酵素分類番号」または「酵素委員会番号」という用語は、それらが触媒する化学反応に基づく酵素の数値分類スキームを指す。
【0077】
加えて、本明細書で使用される場合、略語は、以下のように各意味を有する:
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
化合物およびプロセス
【0078】
化合物Iは、式(I):
【化2】
またはその化学名(R)−2−(1−(2−(2−メトキシフェニル)−2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)エチル)−5−メチル−6−(オキサゾール−2−イル)−2,4−ジオキソ−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メチルプロパン酸により参照され得る。米国特許第8,969,557号には、化合物IがACC阻害活性を示すことが開示されている。本開示では、
化合物は、化学構造または化学名の形態で提示され得る。例として、化合物Iは、ChemBioDraw Ultra 10.0を使用して命名され得、他の名称を使用して同じ構造の化合物を特定し得ることを理解すべきである。他の化合物またはラジカルは、一般名または系統名または非系統名で命名され得る。化合物はまた、例えば、Chemical Abstract Service(CAS)およびInternational
Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)を含む化学分野で一般的に認識されている他の命名法および記号を使用して命名され得る。
【0079】
本プロセスは、本明細書に開示される方法、ならびに本明細書の開示および当技術分野で周知である方法を考慮すれば明らかであるその慣用的な改変物を使用して行われ得る。従来の周知の合成方法が、本明細書の教示に加えて使用され得る。本明細書に記載される典型的な化合物(例えば、式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(P)、(R)、(S)、(T)、(U)、(V)もしくは他の式の1つまたはそれよりも多くにより記載される構造を有する化合物または本明細書に開示される化合物(例えば、番号付き化合物A−1、A−2、B−1、B−2、C−1、D−1、E−1、E−2、G−1、H−1、J−1、K−1、L−1、N−1、O−1、P−1、R−1、S−1、T−1、U−1、V−1など))の合成は、以下の実施例に記載されるように達成され得る。利用可能である場合、試薬は、例えばSigma Aldrichまたは他の化学物質供給業者から、商業的に購入され得る。
【0080】
本開示による化合物の典型的な実施形態は、以下に記載される一般反応スキームを使用して合成され得る。これらの一般スキームは、出発物質を、類似の構造を有する他の物質で置き換えることにより変更されて、対応して異なる生成物をもたらし得ることが、本明細書の記載を考慮すれば明らかである。合成の説明にしたがって、出発物質がどのように変わって対応する生成物を提供し得るかの多数の例が提供される。置換基が規定されている所望の生成物を考慮して、必要とされる出発物質は一般に、調査によって決定され得る。出発物質は典型的に、商業的供給源から得られるか、または公開された方法を使用して合成される。本開示の実施形態である化合物を合成するために、合成されるべき化合物の構造の調査は、各置換基の実体 を提供する。最終生成物の実体 は一般に、本明細書の実施例を考慮しての単純なプロセスの調査によって、必要とされる出発物質の実体 を明らかにする。
【0081】
本開示の化合物は、例えば、以下の一般方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発物質から調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が示されている場合、そうでないと記載がない限り、他のプロセス条件もまた使用され得ることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒によって変動し得るが、当業者であれば、ルーチンな最適化手順によって、このような条件を決定し得る。
【0082】
加えて、当業者に明らかであるように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けることを防止するために必要であり得る。様々な官能基のための適切な保護基、ならびに特定の官能基を保護および脱保護するための適切な条件は、当技術分野で周知である。例えば、多数の保護基が、T.W.Greene and P.G.M.Wuts(1999)Protecting Groups in Organic Synthesis,3rd Edition,Wiley,New Yorkおよびそこで引用されている参考文献に記載されている。
【0083】
さらに、本開示の化合物は、1つまたはそれを超えるキラル中心を含有し得る。したが
って、所望により、このような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち、個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、または立体異性体富化混合物として調製または単離され得る。他に指示がない限り、このような立体異性体(および富化混合物)はすべて、本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または富化混合物)は、例えば、当技術分野で周知の光学活性な出発物質または立体選択的試薬を使用して調製され得る。あるいは、このような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィーおよびキラル分割剤などを使用して分離され得る。
【0084】
以下の反応のための出発物質は、一般に公知の化合物であるか、または公知の手順もしくはその明らかな改変によって調製され得る。例えば、出発物質の多くは、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wisconsin,USA)、Bachem(Torrance,California,USA)、Emka−ChemceまたはSigma(St.Louis,Missouri,USA)などの商業的供給業者から入手可能である。他のものは、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−15(John Wiley,and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5,and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989)、organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley,and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley,and Sons,5th Edition,2001)およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの標準的な参考書に記載されている手順またはその明らかな改変によって調製され得る。
【0085】
「溶媒」、「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」という用語は、それに関連して記載される反応の条件下で不活性である溶媒を指す(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(またはジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノールおよびピリジンなどが挙げられる)。特に逆の明記がない限り、本開示の反応において使用される溶媒は、不活性有機溶媒であり、これらの反応は、不活性ガス(好ましくは窒素)下で実施される。
【0086】
例示的スキームのそれぞれにおいて、反応生成物を互いから、および/または出発物質から、分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当技術分野で一般的である技術によって、所望の程度の均一性まで分離および/または精製(以下、分離)される。典型的に、このような分離には、多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーが関与する。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高圧、中圧および低圧の液体クロマトグラフィーの方法および装置;小規模分析用;擬似移動床(SMB)および分取用の薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模の薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含む任意の数の方法を伴い得る。
【0087】
別のクラスの分離方法は、混合物を、所望の生成物、未反応出発物質、または反応副生成物などを結合するように、または他の方法で分離可能にするように、選択された試薬で処理することを伴う。このような試薬としては、吸着剤または吸収剤、例えば、活性炭、モレキュラーシーブ、またはイオン交換媒体などが挙げられる。あるいは、これらの試薬は、塩基性物質の場合には酸、酸性物質の場合には塩基、結合試薬(例えば、抗体、結合タンパク質、選択的キレート剤(例えば、クラウンエーテル))、または液/液イオン交
換試薬(LIX)などであり得る。
【0088】
適切な分離方法の選択は、関与する物質の性質に依存する。例えば、蒸留および昇華においては沸点および分子量、クロマトグラフィーにおいては極性官能基の存在または非存在、ならびに多相抽出においては酸性媒体および塩基性媒体中での物質の安定性などである。当業者は、所望の分離を最も達成しやすい技術を適用する。
【0089】
単一の立体異性体(例えば、エナンチオマー)(その立体異性体を実質的に含まない)は、ラセミ混合物を、光学的に活性な分割剤を使用してジアステレオマーを形成するなどの方法を使用して、分割することにより得られ得る(Stereochemistry of Carbon Compounds,(1962)by E. L. Eliel,McGraw Hill;Lochmuller,C. H.,(1975)J. Chromatogr.,113,3)283−302)。本開示のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別晶出または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬とのジアステレオマー化合物の形成、これらのジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)実質的に純粋または富化された立体異性体の、キラル条件下での直接の分離が挙げられる、任意の適切な方法によって、分離および単離され得る。
【0090】
方法(1)では、ジアステレオマー塩または共結晶は、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基(例えば、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニン、およびα−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)など)と、酸性官能基を有する非対称化合物(例えば、カルボン酸およびスルホン酸)との反応によって、形成され得る。ジアステレオマー塩または共結晶は、分別晶出またはイオンクロマトグラフィーによる分離に誘導され得る。アミノ化合物の光学異性体の分離のために、キラルカルボン酸またはスルホン酸(例えば、ショウノウスルホン酸、酒石酸、マンデル酸、または乳酸)の添加が、ジアステレオマー塩の形成をもたらし得る。
【0091】
あるいは、方法(2)によって、分割されるべき基質は、キラル化合物の一方のエナンチオマーと反応させられて、ジアステレオマー対を形成する(Eliel,E. and
Wilen,S.(1994)Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley&Sons,Inc.,p.322)。ジアステレオマー化合物は、非対称化合物を、エナンチオマー的に純粋なキラル誘導体化試薬(例えば、メンチル誘導体)と反応させることにより形成され得、その後、これらのジアステレオマーの分離および加水分解を行って、遊離のエナンチオマー富化された基質が得られる。光学純度を決定する方法は、ラセミ混合物のキラルエステル(例えば、メンチルエステル(例えば、塩基の存在下で(−)クロロギ酸メンチル)、またはMosherエステル、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセテート(Jacob III.(1982)J.Org.Chem.47:4165))を作製すること、およびそのNMRスペクトルを、2つのアトロプ異性ジアステレオマーの存在について分析することを伴う。アトロプ異性化合物の適切なジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチル−イソキノリンの分離のための方法(Hoye,T.,国際公開第96/15111号)にしたがって、順相または逆相クロマトグラフィーによって分離および単離され得る。方法(3)によって、2つのエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を使用するクロマトグラフィーによって分離され得る(Chiral Liquid Chromatography(1989)W.J.Lough,Ed. Chapman and
Hall,New York;Okamoto,(1990)J.of Chromatogr.513:375−378)。富化または精製されたエナンチオマーは、不斉炭素原子を有する他のキラル分子を区別するために使用される方法(例えば、旋光および円偏光二色性)によって区別され得る。
【0092】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態は、式(I)の化合物、その形態または類似体を作製するためのプロセスを提供する。いかなる仮説にも縛られるものではないが、化合物Iの形態または類似体は、限定されないが、ACC媒介性状態を処置するために、強力かつ改善された薬物動態および/または薬力学的プロファイルを含む適切な特性を示し得る。
【0093】
例として、化合物Iの形態は、化合物Iの塩、共結晶、溶媒和物または水和物を指し得る。さらなる例により、化合物Iの類似体は、式(F)の化合物または化合物Fを指し得る。
【0094】
式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(P)、(R)、(S)、(T)、(U)、(V)もしくは他の式の1つまたはそれよりも多くにより記載される構造を有する化合物または本明細書に開示される化合物(例えば、番号付き化合物A−1、A−2、B−1、B−2、C−1、D−1、E−1、E−2、G−1、H−1、J−1、K−1、L−1、N−1、O−1、P−1、R−1、S−1、T−1、U−1、V−1など)は、その塩、共結晶、溶媒和物または水和物を指し得る。いくつかの実施形態では、式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)、(P)、(R)、(S)、(T)、(U)、(V)もしくは他の式の1つまたはそれよりも多くにより記載される構造を有する化合物または本明細書に開示される化合物(例えば、番号付き化合物A−1、A−2、B−1、B−2、C−1、D−1、E−1、E−2、G−1、H−1、J−1、K−1、L−1、N−1、O−1、P−1、R−1、S−1、T−1、U−1、V−1など)の結晶形または非晶形が本明細書で提供される。
【0095】
スキーム1は、式(F)の化合物の例示的な合成を表し、本明細書に記載される実施形態にしたがって行われ得る。
スキーム1
【化3】
【0096】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキルまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;R
3はシクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ、必要に応じて置換されており;
【化4】
が単結合である場合、Wは脱離基であるか、または
【化5】
が二重結合である場合、WはOである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;R
3はシクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ、必要に応じて置換されており;
【化6】
が単結合である場合、Wは脱離基であるか、または
【化7】
が二重結合である場合、WはOである。
【0097】
一実施形態では、本開示は、式(F)の化合物:
【化8】
またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物を調製するための方法を提供する。
【0098】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、式(A)の化合物:
【化9】
を式(G)の化合物:
【化10】
と、式(B)の化合物:
【化11】
を形成するために十分な条件下で、接触させることを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、ステップ(b)は、式(C)の化合物:
【化12】
を形成するために十分な条件下、キラル触媒の存在下で、式(B)の化合物を水素化することを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、式(C)の化合物またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物が提供される。
【0101】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、式(D)の化合物:
【化13】
を形成するために十分な条件下で、式(C)の化合物を式(H)の化合物:
【化14】
と接触させることを含み、
式中、
【化15】
が単結合である場合、Wはハロ、メシレート、トシレートまたはトリクロロアセトイミデートであるか、または
【化16】
が二重結合である場合、WはOであり;および
R
3はシクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ、必要に応じて置換されている。
【0102】
いくつかの実施形態では、ステップ(d)は、式(E)の化合物:
【化17】
を形成するために十分な条件下で、式(D)の化合物をオキサゾールと接触させることを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、ステップ(e)は、式(F)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(E)の化合物を加水分解することを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;
Yは脱離基であり;
R
1はC
1−6アルキルまたはアリールであり;および
R
2はC
1−3アルキルである。
【0105】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;
Yは脱離基であり;
R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;および
R
2はC
1−3アルキルである。
【0106】
いくつかの実施形態では、XはCl、BrまたはIである。いくつかの実施形態では、XはClである。いくつかの実施形態では、XはBrである。いくつかの実施形態では、XはIである。
【0107】
いくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1はメチルである。いくつかの実施形態では、R
1はエチルである。いくつかの実施形態では、R
1はプロピルである。いくつかの実施形態では、R
1はtert−ブチルである。
【0108】
いくつかの実施形態では、R
1はC
6−10アリールである。いくつかの実施形態では、R
1はC
1−2−アルキレン−アリールである。いくつかの実施形態では、R
1はベンジルである。
【0109】
いくつかの実施形態では、R
1はベンジルまたはtert−ブチルである。
【0110】
いくつかの実施形態では、R
2はメチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、R
2はメチルである。いくつかの実施形態では、R
2はエチルである。いくつかの実施形態では、R
2はプロピルである。
【0111】
いくつかの実施形態では、Yはハロである。いくつかの実施形態では、YはClである。いくつかの実施形態では、YはBrである。いくつかの実施形態では、YはIである。
【0112】
いくつかの実施形態では、(H)における
【化18】
が単結合である場合、Wは脱離基である。いくつかの実施形態では、
【化19】
が単結合である場合、Wはハロである。いくつかの実施形態では、
【化20】
が単結合である場合、WはClである。いくつかの実施形態では、
【化21】
が単結合である場合、WはBrである。いくつかの実施形態では、
【化22】
が単結合である場合、WはIである。いくつかの実施形態では、
【化23】
が単結合である場合、Wはメシレートまたはトシレートである。いくつかの実施形態では、
【化24】
が単結合である場合、Wはトリクロロアセトイミデートである。いくつかの実施形態では、
【化25】
が二重結合である場合、WはOである。
【0113】
いくつかの実施形態では、R
3はシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
3は置換シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
3は、ヒドロキシルで置換されているシクロアルキルルである。いくつかの実施形態では、R
3は置換C
6−10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
3は、ヒドロキシルで置換されているC
6−10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
3は置換シクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
3は、ヒドロキシルで置換されているシクロヘキシルである。
【0114】
いくつかの実施形態では、R
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
3は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、R
3はテトラヒドロピラニルである。
【0115】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキルまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキルまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3は、ヒドロキシルで置換されているC
6−10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3は、ヒドロキシルで置換されているC
6−10シクロアルキルである。
【0116】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
1−6アルキルであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
6−10アリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
1−2−アルキレン−アリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
1−6アルキルであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
6−10アリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yはハロであり;R
1はC
1−2−アルキレン−アリールであり;R
2はC
1−3アルキルであり;およびR
3はテトラヒドロピラニルである。
【0117】
いくつかの実施形態では、前記方法は、式(F)の化合物またはその塩もしくは共結晶を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、式(F)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、式(F)の化合物またはその薬学的に許容され得る共結晶を提供する。
【0118】
いくつかの実施形態では、式(C)の化合物、式(D)の化合物、式(E)の化合物または式(F)の化合物は、約90〜約99.9パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。いくつかの実施形態では、式(C)の化合物、式(D)の化合物、式(E)の化合物または式(F)の化合物は、少なくとも約90、91、92、93、94、95、96、97、97.5、98.0、98.5、99.0、99.5、99.7、99.8、99.9または99.95パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。いくつかの実施形態では、式(F)の化合物は、少なくとも約95、96、97、97.5、98.0、98.5、99.0、99.5、99.7、99.8、99.9または99.95パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。
【0119】
本明細書で使用される場合、式(A)の化合物、式(A−1)の化合物、式(A−2)の化合物、式(B)の化合物、式(B−1)の化合物、式(B−2)の化合物、式(C)の化合物、式(C−1)の化合物、式(D)の化合物、式(D−1)の化合物、式(E)の化合物、式(E−1)の化合物、式(E−2)の化合物、式(F)の化合物、式(G)の化合物または式(G−1)の化合物は、それぞれ化合物A、化合物A−1、化合物A−2、化合物B、化合物B−1、化合物B−2、化合物C、化合物C−1、化合物D、化合物D−1、化合物E、化合物E−1、化合物E−2、化合物F、化合物Gまたは化合物G−1とも称され得る。式(A)の化合物、式(B)の化合物および式(G)の化合物は、例えば、米国特許第8,969,557号に記載されるように、または当技術分野で公知の方法にしたがって調製され得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸塩基である。いくつかの実施形態では、炭酸塩基は、アルカリ金属炭酸塩である。いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸セシウム、重炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、重炭酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、重炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、塩基は、三塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の反応条件は、極性溶媒中で進行する。いくつかの実施形態では、極性溶媒は、極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)である。
【0121】
いくつかの実施形態では、ステップ(b)の反応条件は、水素源を含む。適切な水素源/条件は、例えば、Wangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているように、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の反応条件は、H
2と、限定されないが、Xieら、Synthesis 2015,47,460−471に記載されているものを含む触媒とを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の反応条件は、ギ酸を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の反応条件は、有機アミンおよびギ酸を含む。いくつかの実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミンである。
【0122】
いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒である。いくつかの実
施形態では、キラル触媒は、イリジウム系触媒である。当技術分野で公知の任意のルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒、例えばWangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているものが使用され得る。ルテニウム系触媒としては、限定されないが、RuCl(p−シメン)[Ts−DPEN]([N−[2−(アミノ−κN)−1,2−ジフェニルエチル]−4−メチルベンゼンスルホンアミダト(methylbenzenesulfonamidato)−κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6−η)−1−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼン]−ルテニウム)、Teth−TsDpen
RuCl(クロロ[1,2−ジフェニル−N1−(3−フェニルプロピル)−N2−(p−トルエンスルホニル)−1,2−エタンジアミン]ルテニウム(II))、RuCl[FsDPEN](p−シメン)([N−[(2−(アミノ−κN)−1,2−ジフェニルエチル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンスルホンアミダト−κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6−η)−1−メチル−4−(1−メチルエチル)ベンゼン]−ルテニウム)、RuCl[TsDPEN](メシチレン)([N−[(2−(アミノ−κN)−1,2−ジフェニルエチル]−4−メチルベンゼンスルホンアミダト−κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6−η)−1,3,5−トリメチルベンゼン]−ルテニウム)、RuCl[(p−シメン(BINAP)Cl(クロロ[2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(Tol−BINAP)Cl(クロロ[2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(DM−BINAP)Cl(クロロ[2,2’−ビス(ジ−(3,5−キシリル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(H8−BINAP)Cl(クロロ[2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(DM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)およびRuCl[(p−シメン(DTBM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(R)−(−)5,5’−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)が挙げられ得る。限定されないが、コーリー・バクシ・柴田触媒を含む当技術分野で公知の他のキラル触媒が使用され得る。使用され得るキラル触媒の別の非限定的な例は、B−クロロジイソピノカンフェイルボランなどのキラル試薬である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、スキーム3のステップ(c)について以下に記載されている触媒である。
【0123】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、有機塩基である。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ルイス塩基である。いくつかの実施形態では、有機塩基は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはバートン塩基である。
【0124】
いくつかの実施形態では、WがトリクロロアセトイミデートまたはOである場合、ステップ(c)の反応条件は、ルイス酸またはブレンステッド酸を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、ステップ(d)の反応条件は、式(D)の化合物をオキサゾールシントン(オキサゾールまたはオキサゾールメタレート)とカップリングし、それにより、式(E)の化合物を形成することを含む。いくつかの実施形態では、カップリングは、金属触媒カップリングである。いくつかの実施形態では、金属触媒カップリングは根
岸カップリングである。当業者は、根岸カップリングが、有機ハライド化合物と、有機亜鉛化合物との、遷移金属触媒クロスカップリングであることを理解する。いくつかの実施形態では、オキサゾールシントンは亜鉛酸オキサゾールである。いくつかの実施形態では、亜鉛酸オキサゾールは、2−リチオ−オキサゾールと亜鉛塩との間での金属交換によって形成される。いくつかの実施形態では、亜鉛塩はZnCl
2である。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、オキサゾールをn−ブチルリチウムで処理することによって形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、−40℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、約−40℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、−60℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、約−60℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、金属触媒はパラジウム触媒である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒はPd(PPh
3)
4である。いくつかの実施形態では、式(E)の化合物は、結晶化によって精製される。
【0126】
いくつかの実施形態では、ステップ(d)の反応条件は、金属化剤を含む。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、イソプロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムブロミド、TMPZnCl−LiCl、TMPMgCl−LiCl、およびイソプロピルマグネシウムクロリド/塩化リチウム(ここでTMPとは2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンを指す)から選択される金属化剤で処理される。いくつかの実施形態では、金属化剤はイソプロピルマグネシウムクロリドである。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M)で処理される。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、金属化剤で、約−20℃〜約−10℃で処理される。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、金属化剤で、約−15℃で処理される。いくつかの実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランおよび2−メチルテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態では、反応は、ZnCl
2を添加して亜鉛酸オキサゾールを形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、反応は、ZnCl
2を2−メチルテトラヒドロフラン中の溶液として添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、根岸カップリングで使用される触媒はパラジウム触媒である。いくつかの実施形態では、根岸カップリングにおいて使用される触媒は、Pd(PPh
3)
4、tBuXPhos Pdプレ触媒、XPhos Pdプレ触媒、RuPhos Pdプレ触媒、およびPd−PEPPSI−IPent(ジクロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−3−ペンチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)パラジウム(II))から選択されるパラジウム触媒である。このようなプレ触媒は、例えば、Bruneauら、ACS Catal.,2015,5(2),pp.1386−1396に記載されている。いくつかの実施形態では、触媒は、当技術分野で公知の方法にしたがって、適切なパラジウム源および適切なキラル配位子を介してインサイチューで形成される。いくつかの実施形態では、触媒はPd(PPh
3)
4である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、ZnCl
2の添加後に、約50℃超に加熱される。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約65℃に加熱される。
【0127】
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の反応条件は、酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は、硫酸、テトラフルオロホウ酸、メタンスルホン酸、硝酸または塩酸である。いくつかの実施形態では、酸は、硫酸である。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸である。
【0128】
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の反応条件は、共溶媒を含む。いくつかの実施形態では、共溶媒は、アルコールである。いくつかの実施形態では、共溶媒は、2−プロパノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、エタノールまたはアセトニトリルである。
【0129】
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の反応条件は、約5および10℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(e)の反応条件は、約0〜約20℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(e)の反応条件は、約2〜約8℃を含む。
【0130】
ステップ(a)、(d)または(e)などの代替反応条件は、例えば、米国特許第8,969,557号に記載されているように実施され得る。
【0131】
式(C)の化合物:
【化26】
を調製するための方法であって、
式(C)の化合物を形成するために十分な反応条件下、キラル触媒の存在下で、式(B)の化合物:
【化27】
を水素化すること
(式中、
Xは、ハロまたはヘテロアリールであり;
R
1は、C
1−6アルキルまたはアリールであり;および
R
2は、C
1−3アルキルである)
を含む方法も本明細書で提供される。
【0132】
いくつかの実施形態では、Xはハロまたはヘテロアリールであり;R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;およびR
2はC
1−3アルキルである。
【0133】
いくつかの実施形態では、前記方法は、約90〜約99.9パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)の式(C)の化合物を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、少なくとも約90、91、92、93、94、95、96、97、97.5、98.0、98.5、99.0、99.5、99.7、99.8、99.9または99.95パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)の式(C)の化合物を提供する。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(C)の化合物またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物が提供される。
【0135】
いくつかの実施形態では、Xはハロである。いくつかの実施形態では、XはClである
。いくつかの実施形態では、XはBrである。いくつかの実施形態では、XはIである。
【0136】
いくつかの実施形態では、Xは、N、OまたはSから選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Xは、N、OまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Xはオキサゾールである。
【0137】
いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、水素源を含む。適切な水素源/条件は、例えば、Wangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているように、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、H
2と、限定されないが、Xieら、Synthesis 2015,47,460−471に記載されているものを含む触媒とを含む。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、ギ酸を含む。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、ギ酸と共に有機アミンを含む。いくつかの実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミンである。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、ギ酸およびトリエチルアミン、ギ酸アンモニウムまたはギ酸およびギ酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、ギ酸およびトリメチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、ギ酸およびトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、水素化の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、t−ブトキシドである。いくつかの実施形態では、塩基は、ナトリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−ブトキシドである。いくつかの実施形態では、塩基が存在する場合、溶媒は極性溶媒である。溶媒としては、限定されないが、イソプロパノールが挙げられ得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、イリジウム系触媒である。当技術分野で公知のルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒、例えばWangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているものが使用され得る。ルテニウム系触媒としては、限定されないが、RuCl(p−シメン)[Ts−DPEN]、Teth−TsDpen RuCl、RuCl[FsDPEN](p−シメン)、 RuCl[TsDPEN](メシチレン)、RuCl[(p−シメン(BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(Tol−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(DM−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(H8−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(DM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(DTBM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(R)−(−)5,5’−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)が挙げられ得る。限定されないが、コーリー・バクシ・柴田触媒を含む当技術分野で公知の他のキラル触媒が使用され得る。使用され得るキラル触媒の別の非限定的な例は、B−クロロジイソピノカンフェイルボランなどのキラル試薬である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、スキーム3のステップ(c)について以下に記載されているような触媒である。
【0139】
式(C)の化合物:
【化28】
を調製するための方法であって、
(a)式(A)の化合物:
【化29】
を式(G)の化合物:
【化30】
と、式(B)の化合物:
【化31】
を形成するために十分な条件下で、接触させるステップ;
(b)式(C)の化合物を形成するために十分な条件下、キラル触媒の存在下で、式(B)の化合物を水素化するステップ
(式中、
Xは、ハロであり;
Yは、脱離基であり;
R
1は、C
1−6アルキルまたはアリールであり;および
R
2は、C
1−3アルキルである)
を含む方法も本明細書で提供される。
【0140】
いくつかの実施形態では、Xはハロであり;Yは脱離基であり;R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり;およびR
2はC
1−3アルキルである。
【0141】
一実施形態では、本開示は、式(I)の化合物:
【化32】
またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物を調製するための方法であって、
(a−1)式(A−1)の化合物:
【化33】
を式(G−1)の化合物:
【化34】
と、式(B−1)の化合物:
【化35】
を形成するために十分な条件下で、接触させるステップ;
(b−1)式(C−1)の化合物
【化36】
を形成するために十分な条件下、キラル触媒の存在下で、式(B−1)の化合物を水素化するステップ;
(c−1)式(C−1)の化合物を式(H−1)の化合物:
【化37】
と、式(D−1)の化合物:
【化38】
を形成するために十分な条件下で接触させるステップ;
(d−1)式(E−1)の化合物:
【化39】
を形成するために十分な条件下で、式(D−1)の化合物をオキサゾールと接触させるステップ;
(e−1)式(I)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(E−1)の化合物を加水分解するステップ
(式中、
【化40】
が単結合である場合、Wはハロ、メシレート、トシレートまたはトリクロロアセトイミデートであるか、または
【化41】
が二重結合である場合、WはOであり;および
R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールである)
を含む方法を提供する。
【0142】
スキーム2は、式(I)の化合物またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物の例示的な合成を表し、本明細書に記載される実施形態にしたがって行われ得る。
スキーム2
【化42】
【0143】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキルまたはアリールであり、
【化43】
が単結合である場合、Wは脱離基であるか、または
【化44】
が二重結合である場合、WはOである。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールであり、
【化45】
が単結合である場合、Wは脱離基であるか、または
【化46】
が二重結合である場合、WはOである。
【0144】
いくつかの実施形態では、ステップ(a−1)は、式(B−1)の化合物:
【化47】
を形成するために十分な条件下で、式(A−1)の化合物:
【化48】
を式(G−1)の化合物:
【化49】
と接触させることを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)は、式(C−1)の化合物:
【化50】
を形成するために十分な条件下、キラル触媒の存在下で、式(B−1)の化合物を水素化することを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、ステップ(c−1)は、式(D−1)の化合物:
【化51】
を形成するために十分な条件下で、式(C−1)の化合物を式(H−1)の化合物:
【化52】
と接触させること
(式中、
【化53】
が単結合である場合、Wはハロ、メシレート、トシレートまたはトリクロロアセトイミデートであるか、または
【化54】
が二重結合である場合、WはOである)
を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、ステップ(d−1)は、式(E−1)の化合物:
【化55】
を形成するために十分な条件下で、式(D−1)の化合物をオキサゾールと接触させることを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)は、式(I)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(E−1)の化合物を加水分解することを含む。
【0149】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキルまたはアリールである。本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキル、C
1−2−アルキレン−アリールまたはアリールである。いくつかの実施形態では、R
1はベンジルまたはtert−ブチルである。
【0150】
いくつかの実施形態では、R
1はC
1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1はメチルである。いくつかの実施形態では、R
1はエチルである。いくつかの実施形態では、R
1はプロピルである。いくつかの実施形態では、R
1はtert−ブチルである。
【0151】
いくつかの実施形態では、R
1はC
6−10アリールである。いくつかの実施形態では、R
1はC
1−2−アルキレン−アリールである。いくつかの実施形態では、R
1はベンジルである。
【0152】
いくつかの実施形態では、
【化56】
が単結合である場合、Wは脱離基である。いくつかの実施形態では、
【化57】
が単結合である場合、Wはハロである。いくつかの実施形態では、
【化58】
が単結合である場合、WはClである。いくつかの実施形態では、
【化59】
が単結合である場合、WはBrである。いくつかの実施形態では、
【化60】
が単結合である場合、WはIである。いくつかの実施形態では、
【化61】
が単結合である場合、Wはメシレートまたはトシレートである。いくつかの実施形態では、Wはトリクロロアセトイミデートである。いくつかの実施形態では、
【化62】
が二重結合である場合、WはOである。
【0153】
いくつかの実施形態では、前記方法は、式(I)の化合物またはその塩もしくは共結晶を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る共結晶を提供する。
【0154】
いくつかの実施形態では、式(C−1)の化合物、式(D−1)の化合物、式(E−1)の化合物または式(I)の化合物は、約90〜約99.9パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。いくつかの実施形態では、式(C−1)の化合物、式(D−1)の化合物、式(E−1)の化合物または式(I)の化合物は、少なくとも約90、91、92、93、94、95、96、97、97.5、98.0、98.5、99.0、99.5、99.7、99.8、99.9または99.95パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも約95、96、97、97.5、98.0、98.5、99.0、99.5、99.7、99.8、99.9または99.95パーセントのエナンチオマー過剰率(e.e.)で存在する。
【0155】
式(A−1)の化合物、式(B−1)の化合物および式(G−1)の化合物は、例えば、米国特許第8,969,557号に記載されているように、または当技術分野で公知の方法にしたがって調製され得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、ステップ(a−1)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸塩基である。いくつかの実施形態では、炭酸塩基は、アルカリ金属炭酸塩である。いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸セシウム、重炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、重炭酸カリウムである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸セシウム
である。いくつかの実施形態では、アルカリ金属炭酸塩は、重炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、塩基は、三塩基性リン酸カリウムまたは二塩基性リン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、ステップ(a−1)の反応条件は、極性溶媒中で進行する。いくつかの実施形態では、極性溶媒は、極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。いくつかの実施形態では、極性非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)である。
【0157】
いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、水素源を含む。適切な水素源/条件は、例えば、Wangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているように、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、H
2と、限定されないが、Xieら、Synthesis 2015,47,460−471に記載されているものを含む触媒とを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、ギ酸を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、有機アミンを含む。いくつかの実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、ギ酸およびトリエチルアミン、ギ酸アンモニウムまたはギ酸およびギ酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、ギ酸およびトリメチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、ギ酸およびトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b−1)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、t−ブトキシドである。いくつかの実施形態では、塩基は、ナトリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−ブトキシドである。いくつかの実施形態では、塩基が存在する場合、溶媒は極性溶媒である。溶媒としては、限定されないが、イソプロパノールが挙げられ得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、ルテニウム系触媒である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、イリジウム系触媒である。当技術分野で公知の任意のルテニウム系触媒またはイリジウム系触媒、例えばWangら、Chem.Rev.2015,115,6621−6686に記載されているものが使用され得る。ルテニウム系触媒としては、限定されないが、RuCl(p−シメン)[Ts−DPEN]、Teth−TsDpen RuCl、RuCl[FsDPEN](p−シメン)、RuCl[TsDPEN](メシチレン)、RuCl[(p−シメン(BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(Tol−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(DM−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(H8−BINAP)Cl、RuCl[(p−シメン(SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)、RuCl[(p−シメン(DM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(5,5’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)およびRuCl[(p−シメン(DTBM−SEGPHOS(登録商標))Cl(クロロ[(R)−(−)5,5’−ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィノ]−4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド)が挙げられ得る。限定されないが、コーリー・バクシ・柴田触媒を含む当技術分野で公知の他のキラル触媒が使用され得る。使用され得るキラル触媒の別の非限定的な例は、B−クロロジイソピノカンフェイルボランなどのキラル試薬である。いくつかの実施形態では、キラル触媒は、スキーム3のステップ(c)について以下に記載されているような触媒である。
【0159】
いくつかの実施形態では、ステップ(c−1)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、有機塩基である。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ルイス塩基である。いくつかの実施形態では、有機塩基は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンまたはバートン塩基である。
【0160】
いくつかの実施形態では、WがトリクロロアセトイミデートまたはOである場合、ステップ(c)の反応条件は、ルイス酸またはブレンステッド酸を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、ステップ(d−1)の反応条件は、式(D−1)の化合物をオキサゾールシントン(オキサゾールまたはオキサゾールメタレート)とカップリングし、それにより、式(E−1)の化合物を形成することを含む。いくつかの実施形態では、カップリングは、金属触媒カップリングである。いくつかの実施形態では、金属触媒カップリングは根岸カップリングである。当業者は、根岸カップリングが、有機ハライド化合物またはスルホネート化合物と、有機亜鉛化合物との、遷移金属触媒クロスカップリングであることを理解する。いくつかの実施形態では、オキサゾールシントンは亜鉛酸オキサゾールである。いくつかの実施形態では、亜鉛酸オキサゾールは、2−リチオ−オキサゾールと亜鉛塩との間での金属交換によって形成される。いくつかの実施形態では、亜鉛塩はZnCl
2である。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、オキサゾールをn−ブチルリチウムで処理することによって形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、−40℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、約−40℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、−60℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、2−リチオ−オキサゾールは、約−60℃未満の温度で形成される。いくつかの実施形態では、金属触媒はパラジウム触媒である。いくつかの実施形態では、パラジウム触媒はPd(PPh
3)
4である。いくつかの実施形態では、式(E−1)の化合物は、結晶化によって精製される。
【0162】
いくつかの実施形態では、ステップ(d−1)の反応条件は、金属化剤を含む。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、イソプロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムブロミド、TMPZnCl−LiCl、TMPMgCl−LiCl、およびイソプロピルマグネシウムクロリド/塩化リチウム(ここでTMPとは2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンを指す)から選択される金属化剤で処理される。いくつかの実施形態では、金属化剤はイソプロピルマグネシウムクロリドである。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M)で処理される。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、金属化剤で、約−20℃〜約−10℃で処理される。いくつかの実施形態では、オキサゾールは、金属化剤で、約−15℃で処理される。いくつかの実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランおよび2−メチルテトラヒドロフランである。いくつかの実施形態では、反応は、ZnCl
2を添加して亜鉛酸オキサゾールを形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、反応は、ZnCl
2を2−メチルテトラヒドロフラン中の溶液として添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、根岸カップリングで使用される触媒はパラジウム触媒である。いくつかの実施形態では、根岸カップリングにおいて使用される触媒は、Pd(PPh
3)
4、tBuXPhos Pdプレ触媒、XPhos Pdプレ触媒、RuPhos Pdプレ触媒、およびPd−PEPPSI−IPent(ジクロロ[1,3−ビス(2,6−ジ−3−ペンチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)パラジウム(II))から選択されるパラジウム触媒である。このようなプレ触媒は、例えば、Bruneauら、ACS Catal.,2015,5(2),pp.1386−1396に記載されている。いくつかの実施形態では、触媒は、当技術分野で公知の方法にしたがって、適切なパラジウム源および適切なキラル配位子を介
してインサイチューで形成される。いくつかの実施形態では、触媒はPd(PPh
3)
4である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、ZnCl
2の添加後に、約50℃超に加熱される。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約65℃に加熱される。
【0163】
いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)の反応条件は、酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は、硫酸、テトラフルオロホウ酸、メタンスルホン酸、硝酸または塩酸である。いくつかの実施形態では、酸は、硫酸である。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸である。
【0164】
いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)の反応条件は、共溶媒を含む。いくつかの実施形態では、共溶媒は、アルコールである。いくつかの実施形態では、共溶媒は、2−プロパノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、エタノールまたはアセトニトリルである。
【0165】
いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)の反応条件は、約5および10℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)の反応条件は、約0〜約20℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(e−1)の反応条件は、約2〜約8℃を含む。
【0166】
ステップ(a−1)、(d−1)または(e−1)などの代替反応条件は、例えば、米国特許第8,969,557号に記載されているように実施され得る。
【0167】
例えば、米国特許第8,969,557号および米国特許出願公開第2017/0267690号に記載されているように式(I)の化合物を作製する方法に有用な中間体を調製する方法も本明細書で提供される。
【0168】
一実施形態では、本開示は、式(J)の化合物:
【化63】
(式中、R
4は、C
1−3アルキルである)を調製するための方法を提供する。
【0169】
スキーム3は、式(J)の化合物の例示的な合成を表し、本明細書に記載される実施形態にしたがって行われ得る。
スキーム3
【化64】
【0170】
いくつかの実施形態では、R
4はメチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はメチルである。いくつかの実施形態では、R
4はエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はプロピルである。
【0171】
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、R
4は、必要に応じて置換されているC
1−3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
4は、ハロゲンで必要に応じて置換されているC
1−3アルキルである。本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、式(M)の化合物は、式R
20C(O)R
21の化合物(式中、R
20およびR
21はそれぞれ独立して、必要に応じて置換されているアルキルであるか、またはR
20およびR
21は、それらが結合している炭素と一緒に、C
3−6シクロアルキルまたは5〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成する)と交換され得る。このような実施形態では、式(L)、(K)および(J)の化合物の対応する類似体が得られ得る。
【0172】
いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、必要に応じて置換されているC
1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC
1−6アリールである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、必要に応じて置換されているC
1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、必要に応じて置換されているC
1−6アリールである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、C
1−3アルキルである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、メチルである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、エチルである。いくつかの実施形態では、各R
5は独立して、プロピルである。
【0173】
いくつかの実施形態では、式(J)の化合物を調製するための方法は、
(a)式(P)の化合物:
【化65】
またはその溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(R)の化合物:
【化66】
を式(S)の化合物:
【化67】
と接触させるステップ、
(b)式(O)の化合物:
【化68】
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(P)の化合物またはその溶媒和物もしくは水和物を塩基と接触させるステップ、
(c)式(N)の化合物:
【化69】
を形成するために十分な条件下で、式(O)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を還元体および触媒と接触させるステップ、
(d)式(L)の化合物:
【化70】
を形成するために十分な条件下で、式(N)の化合物を式(M)の化合物:
【化71】
と接触させるステップ
を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、式(J)の化合物を調製するための方法は、
(e)式(K)の化合物:
【化72】
を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物を還元体と接触させるステップことならびに(f)式(J)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(K)の化合物を還元体と接触させるステップこと
をさらに含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、式(J)の化合物を調製するための方法は、
(g)式(J)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物を還元体と接触させるステップこと
をさらに含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、式(R)の化合物は、当技術分野で公知のグリニャール条件にしたがって、例えばAloratiら、Organic Process Research and Development,2012,16(12),pp.1947−1952に記載されているように調製される。
【0177】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(a)の反応条件は溶媒を含み、溶媒は、THF、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、THF/トルエン、メチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルまたはジメチルエーテルである。いくつかの実施形態では、溶媒は、THFである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(a)の反応条件は、
約−40および約0℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(a)の反応条件は、約−20℃の温度を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(b)は、式(O)の化合物の塩を形成することをさらに含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(b)は、式(O)の化合物を形成する加水分解ステップと、必要に応じて続いて、式(O)の化合物の塩を形成する塩変換とを含む。いくつかの実施形態では、加水分解および塩変換は、同時に行われ得る(例えば、ワンポット合成として)。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の加水分解ステップの反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、KOH、NaOH、LiOH、CsOH、K
3PO
4、K
2CO
3、Na
2CO
3、Li
2CO
3またはCs
2CO
3である。いくつかの実施形態では、塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、塩基は、KOHである。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の加水分解ステップの反応条件は溶媒を含み、溶媒は、THF、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、水またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、THFである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エタノールおよびTHFの混合物である。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の加水分解ステップの反応条件は、約−15および約40℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の加水分解ステップの反応条件は、約0℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の加水分解ステップの反応条件は、塩基の添加後に酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は、HCl、H
2SO
4またはクエン酸である。いくつかの実施形態では、酸は、HClである。
【0180】
いくつかの実施形態では、ステップ(b)の塩変換の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、カリウムtert−ブトキシド、KOH、K
3PO
4、K
2CO
3、KHMDS、KOEt、KOMe、KHまたはKHCO
3である。いくつかの実施形態では、塩基は、カリウムtert−ブトキシドである。いくつかの実施形態では、ステップ(b)の塩変換の反応条件は溶媒を含み、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、THF、アセトニトリル、イソプロピルアルコール、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アセトン、ジクロロメタン(dichlormethane)、2−ブタノール、水またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。
【0181】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は、還元体を含む。いくつかの実施形態では、還元体は、ギ酸およびトリエチルアミンまたはイソプロピルアルコールおよび水酸化カリウムである。いくつかの実施形態では、還元体は、ギ酸およびトリエチルアミンである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は、触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、(R,R)−Ts−DENEB(クロロ{N−[(1R,2R)−1,2−ジフェニル−2−(2−(4−メチルベンジルオキシ)エチルアミノ)−エチル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド(クロロ)ルテニウム(II));TsDPEN(N−(4−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン)、DPEN(1,2−ジフェニルエチレンジアミン)、もしくはTosNapEN(N−(4−トルエンスルホニル)−1,2−ジ(1−ナフチル)エチレンジアミン)と[RuCl
2(p−CYM)]
2;DPEN(1,2−ジフェニルエチレンジアミン)、DNEN−HCl(1,2−ジナフタレン−1−イルエタン−1,2−ジアミン,ジヒドロクロリド)、DPEN(Me)(N,N’−ジメチル−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン)、DMeODPEN−HCl(1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エタン−1,2−ジアミンジヒドロクロリド)、もしくはDOHDP
EN(2,2’−(1,2−ジアミノエタン−1,2−ジイル)ジフェノール)と[RhCl
2(Cp)]
2;またはTsDPEN、DPEN、DNEN−HCl、DMesEN−HCl(1,2−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−1,2−エタンジアミン、ジヒドロクロリド)、TosNapEN、TsDMesEN(N−[2−アミノ−1,2−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル]−4−メチルベンゼンスルホンアミド)、もしくはDOHDPENと[IrCl
2(Cp)]
2である。本明細書に記載されるリガンドは、当技術分野で公知の他の名称により称され得、適切なキラル生成物を得るように、リガンドの適切なキラリティが選択され得る。いくつかの実施形態では、触媒は、(R,R)−Ts−DENEBである。
【0182】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は、H
2と、限定されないが、Xieら、Synthesis 2015,47,460−471に記載されているものを含む触媒とを含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は溶媒を含み、溶媒は、ジメチルホルムアミドまたはイソプロピルアルコールである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は、約20℃約80℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(c)の反応条件は、約50℃の温度を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(d)の反応条件は、ルイス酸を含む。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THF、BF
3−Et
2Oおよび他の類似の安定化BF
3試薬、スカンジウム(III)トリフレートおよび他のランタニド金属トリフレート、トリフル酸(triflic acid)、カンファースルホン酸、p−トルエン
スルホン酸またはp−トルエンスルホン酸ピリジニウムである。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THFである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(d)の反応条件は、メチルtert−ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(「MTBE」)、シクロペンチルメチルエーテル、THF、トルエンまたはジクロロメタンから選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、MTBEである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(d)の反応条件は、約−20℃約45℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(d)の反応条件は、約0℃の温度を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(e)の反応条件は、還元体を含む。いくつかの実施形態では、還元体は、tert−ブチルマグネシウムクロリド(t−BuMgCl)、トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、トリプロピルシラン、トリフェニルシラン、トリイソブチルシラン、TMDS(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)または水素化ホウ素ナトリウムである。いくつかの実施形態では、還元体は、tert−ブチルマグネシウムクロリドである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(e)の反応条件は、ルイス酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THF、BF
3−Et
2O、ZrCl
4、TiCl
4、t−BuMgClとLiClまたはt−BuMgClとTiCl
4である。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(e)の反応条件は、THF、2−メチルテトラヒドロフラン(「MeTHF」)、ジグリム、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、DCM、MTBE、トルエン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルおよびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、DCMおよびMeTHF;DCM、MTBEおよびMeTHF;またはジブチルエーテル、DCMおよびMeTHFの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、DCMおよびMeTHFの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、MeTHFである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(e)の反応条件は、約−70℃約30℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(e)の反応条件
は、約10℃の温度を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(f)の反応条件は、還元体を含む。いくつかの実施形態では、還元体は、BF
3−THF/NaBH
4、BF
3−Et
2O/NaBH
4、水素化アルミニウムリチウム、ボランジメチルスルフィド錯体、BH
3−THFまたは他の類似の安定化BH
3試薬である。いくつかの実施形態では、還元体は、BF
3−THF/NaBH
4である。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(f)の反応条件は、THF、MeTHF、シクロペンチルメチルエーテル、MTBE、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、トルエンおよびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、THFである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(f)の反応条件は、約−20℃約30℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(f)の反応条件は、約0℃〜約20℃の温度を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(g)の反応条件は、還元体を含む。いくつかの実施形態では、還元体は、BF
3−THF/NaBH
4またはBF
3−Et
2O/NaBH
4である。いくつかの実施形態では、還元体は、BF
3−THF/NaBH
4である。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(f)の反応条件は、ルイス酸を含む。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−Et
2Oである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(g)の反応条件は、ジグリム、THF、MeTHF、ジメチルエーテル、ジオキサンまたは他のグリム溶媒から選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジグリムである。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(g)の反応条件は、約−10℃約40℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム3のステップ(g)の反応条件は、約15℃〜約30℃の温度を含む。
【0187】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(L)の化合物:
【化73】
を調製する方法であって、
式(L)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(N)の化合物:
【化74】
を式(M)の化合物:
【化75】
と接触させること
を含む方法を対象とし、R
4は、本明細書で定義されるとおりである。
【0188】
いくつかの実施形態では、式(L)の化合物を調製するための反応条件は、ルイス酸を含む。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THF、BF
3−Et
2Oおよび他の類似の安定化BF
3試薬、スカンジウム(III)トリフレートおよび他のランタニド金属トリフレート、トリフル酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸ピリジニウムである。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THFである。いくつかの実施形態では、反応条件は、メチルtert−ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルエーテル、MTBE、シクロペンチルメチルエーテル、THF、トルエンまたはジクロロメタンから選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、MTBEである。いくつかの実施形態では、反応条件は、約−20℃約45℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、反応条件は、約0℃の温度を含む。
【0189】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式(K)の化合物:
【化76】
を調製する方法であって、
式(K)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物:
【化77】
を還元体と接触させること
を含む方法を対象とし、R
4は、本明細書で定義されるとおりである。
【0190】
いくつかの実施形態では、式(K)の化合物を調製するための反応条件は、還元体を含む。いくつかの実施形態では、還元体は、tert−ブチルマグネシウムクロリド(t−BuMgCl)、トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、トリプロピルシラン、トリフェニルシラン、トリイソブチルシラン、TMDS(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)または水素化ホウ素ナトリウムである。いくつかの実施形態では、還元体は
、tert−ブチルマグネシウムクロリドである。いくつかの実施形態では、反応条件は、ルイス酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BF
3−THF、BF
3−Et
2O、ZrCl
4、TiCl
4、t−BuMgClとLiClまたはt−BuMgClとTiCl
4である。いくつかの実施形態では、反応条件は、THF、MeTHF、ジグリム、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、DCM、MTBE、トルエン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルおよびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、DCMおよびMeTHF;DCM、MTBEおよびMeTHF;またはジブチルエーテル、DCMおよびMeTHFの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、DCMおよびMeTHFの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、MeTHFである。いくつかの実施形態では、反応条件は、約−70℃約30℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、反応条件は、約10℃の温度を含む。
【0191】
一実施形態では、本開示は、式(N)の化合物:
【化78】
(式中、R
4は、C
1−3アルキルである)を調製するための方法を提供する。
【0192】
いくつかの実施形態では、R
4はメチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はメチルである。いくつかの実施形態では、R
4はエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はプロピルである。
【0193】
スキーム4は、式(N)の化合物の例示的な代替合成を表し、本明細書に記載される実施形態にしたがって行われ得る。
スキーム4
【化79】
【0194】
いくつかの実施形態は、式(N)の化合物を調製するための方法であって、
(a)式(T)の化合物:
【化80】
を形成するために十分な条件下で、式(U)の化合物:
【化81】
をヒドロキシニトリラーゼおよびシアン化水素源と接触させること、
ならびに(b)式(N)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(T)の化合物をニトリラーゼと接触させること
(式中、R
4は、C
1−3アルキルである)
を含む方法を提供する。
【0195】
いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(a)の反応条件は、ヒドロキシニトリラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロキシニトリラーゼ(オキシニトリラーゼ、ヒドロキシニトリルリアーゼ、アセトンシアノヒドリンリアーゼとしても公知である)は4.1.2.Xの酵素分類番号を有し、Xは、限定されないが、10、11、37、39、46および47を含む。限定されないが、精製酵素、粗細胞溶解物、清澄化細胞溶解物、全細胞、架橋酵素凝集体(「CLEA」)、架橋酵素結晶(「CLEC」)または固体支持体上に固定化されたもの(immobilsed)を含む種々の酵素調製物が使用され得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシニトリラーゼは、Prunus amygdlus(CLEAとして使用される)に由来する。いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(a)の反応条件は、シアン化水素源を含む。いくつかの実施形態では、シアン化水素源は、アセトンシアノヒドリン、シアン化水素またはシアン化カリウムである。いくつかの実施形態では、シアン化水素源は、アセトンシアノヒドリンである。
【0196】
いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(a)の反応条件は、溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、出発物質を可溶化する溶媒である。溶媒の非限定的な例としては、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、メチルtert−ブチルエーテルである。いくつかの実施形態では、溶媒は、バッファーと組み合わせて使用される。バッファーは、使用される酵素に依存し得、pH1〜12であり得る。いくつかの実施形態では、バッファーは、マレエート、ホスフェート、シトレート、ホルメート、スクシネート、アセテート、プロピオネート、ピペラジン、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(「MES」)、エタノールアミン、カーボネート、β−ヒドロキシ−4−モルホリンプロパンスルホン酸、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(「MOPSO」)、イミダゾール、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(「HEPES」)、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(「BES」)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(「TES」)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(「MOPS」)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(「MOBS」)、2−ヒドロキシ−3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸(「TAPSO」)、トリエタノールアミン、ピロホスフェート、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(「HEPPSO」)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(「POPSO」)、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(TRIS,Trizma(商標))、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(「HEPPS」)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(「HEPBS」)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸
(「TAPS」)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(「AMPD」)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(「TABS」)、3−([1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(「AMPSO」)、タウリン、ボレート、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(「CHES」)、水酸化アンモニウム、メチルアミン、ピペリジン、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(「CAPS」)または4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(「CABS」)である。いくつかの実施形態では、バッファーは、酢酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、バッファーは、0.4M酢酸ナトリウム(pH5)である。いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(a)の反応条件は、約80℃までの温度を含み、使用される酵素および溶媒の熱安定性に依存し得る。いくつかの実施形態では、反応条件は、周囲温度を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(b)の反応条件は、ニトリラーゼを含む。いくつかの実施形態では、ニトリラーゼは酵素分類番号:3.5.5.Xを有し、Xは、限定されないが、1、4、5および7を含む。限定されないが、精製酵素、粗細胞溶解物、清澄化細胞溶解物、全細胞、CLEA、CLECまたは固体支持体上に固定化されたものを含む種々の酵素調製物が使用され得る。いくつかの実施形態では、ニトリラーゼは、Codexis Nitrilase kitのニトリラーゼである。いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(b)の反応条件は、溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、出発物質を可溶化する溶媒である。溶媒の非限定的な例としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、イソプロパノール、エタノール、メタノール、メチルtert−ブチルエーテルおよびテトラヒドロフランが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。いくつかの実施形態では、溶媒は、バッファーと組み合わせて使用される。バッファーは、使用される酵素に依存し得、pH1〜12であり得る。いくつかの実施形態では、バッファーは、マレエート、ホスフェート、シトレート、ホルメート、スクシネート、アセテート、プロピオネート、ピペラジン、MES、エタノールアミン、カーボネート、MOPSO、イミダゾール、HEPES、BES、TES、MOPS、MOBS、TAPSO、トリエタノールアミン、ピロホスフェート、HEPPSO、POPSO、Trizma、HEPPS、HEPBS、TAPS、AMPD、TABS、AMPSO、タウリン、ボレート、CHES、水酸化アンモニウム、メチルアミン、ピペリジン、CAPSおよびCABSである。いくつかの実施形態では、バッファーは、リン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、バッファーは、0.1Mリン酸カリウム(pH7)である。いくつかの実施形態では、スキーム4のステップ(b)の反応条件は、約80℃までの温度を含み、使用される酵素および溶媒の熱安定性に依存し得る。いくつかの実施形態では、反応条件は、周囲温度を含む。
【0198】
スキーム5は、式(N)の化合物の例示的な代替合成を表し、本明細書に記載される実施形態にしたがって行われ得る。
スキーム5
【化82】
【0199】
いくつかの実施形態は、式(N)の化合物を調製するための方法であって、
(a)式(V)の化合物:
【化83】
を形成するために十分な条件下で、式(P)の化合物:
【化84】
またはその溶媒和物もしくは水和物をケトレダクターゼと接触させること、
ならびに(b)式(N)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(V)の化合物を塩基と接触させること
(式中、R
4は、C
1−3アルキルであり、R
5は、必要に応じて置換されているC
1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC
1−6アリールである)
を含む方法を提供する。
【0200】
いくつかの実施形態では、R
4はメチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はメチルである。いくつかの実施形態では、R
4はエチルである。いくつかの実施形態では、R
4はプロピルである。
【0201】
いくつかの実施形態では、R
5は、必要に応じて置換されているC
1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC
1−6アリールである。いくつかの実施形態では、R
5は、必要に応じて置換されているC
1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
5は、必要に応じて置換されているC
1−6アリールである。いくつかの実施形態では、R
5はC
1−3アルキルである。いくつかの実施形態では、R
5はメチルである。いくつかの実施形態では、R
5はエチルである。いくつかの実施形態では、R
5はプロピルである。
【0202】
いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(a)の反応条件は、ケトレダクターゼ(カルボニルレダクターゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼとしても公知である)を含む。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、還元体としてニコチンアミド補因子(NAD
+、NADH、NADP
+、NADPH)を利用する。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、任意の代替酸化還元酵素であり得る。限定されないが、精製酵素、粗細胞溶解物、清澄化細胞溶解物、全細胞、CLEA、CLECまたは固体支持体上に固定化されたものを含む種々の酵素調製物が使用され得る。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、Almac Cred Kitのケトレダクターゼ(NADHまたはNADPH依存性)である。いくつかの実施形態では、ケトレダクターゼは、Codexis Kred Kitのケトレダクターゼ(NADHまたはNADPH依存性)である。いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(a)の反応条件は、補因子リサイクル系を含む。様々なニコチンアミド補因子リサイクル系が使用され得る。細胞全体は、存在する内因性酵素と共に補因子リサイクル系として使用され得る;基質ベースのリサイクル系は、例えば、イソプロピルアルコールと共に使用され得る;または、ホルメートおよびギ酸デヒドロゲナーゼ、ホスファイトおよび亜リン酸デヒドロゲナーゼ、NADHオ
キシダーゼまたはNADPHオキシダーゼなどの酵素ベースの基質リサイクル系が使用され得る。補因子リサイクル酵素は、ケトレダクターゼと共発現され得るか、または別々に発現され反応混合物に添加され得る。いくつかの実施形態では、補因子リサイクル系は、グルコースデヒドロゲナーゼ酵素およびグルコースである。
【0203】
いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(a)の反応条件は、溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、出発物質を可溶化する溶媒である。溶媒の非限定的な例としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、イソプロパノール、エタノール、メタノール、メチルtert−ブチルエーテルまたはテトラヒドロフランが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。いくつかの実施形態では、溶媒は、バッファーと組み合わせて使用される。バッファーは、使用される酵素に依存し得、pH1〜12であり得る。いくつかの実施形態では、バッファーは、マレエート、ホスフェート、シトレート、ホルメート、スクシネート、アセテート、プロピオネート、ピペラジン、MES、エタノールアミン、カーボネート、MOPSO、イミダゾール、HEPES、BES、TES、MOPS、MOBS、TAPSO、トリエタノールアミン、ピロホスフェート、HEPPSO、POPSO、Trizma、HEPPS、HEPBS、TAPS、AMPD、TABS、AMPSO、タウリン、ボレート、CHES、水酸化アンモニウム、メチルアミン、ピペリジン、CAPSおよびCABSである。いくつかの実施形態では、バッファーは、リン酸カリウム(pH7)である。いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(a)の反応条件は、約80℃までの温度を含み、使用される酵素の熱安定性に依存し得る。いくつかの実施形態では、反応条件は、周囲温度を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(b)の反応条件は、塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、KOH、NaOH、LiOH、CsOH、K
3PO
4、K
2CO
3、Na
2CO
3、Li
2CO
3、Cs
2CO
3または他の無機塩基である。いくつかの実施形態では、塩基は、NaOHである。いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(b)の反応条件は溶媒を含み、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジオキサン、MeTHF、MTBE、水およびそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒は、エタノールおよび水である。いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(b)の反応条件は、約−15℃約40℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、スキーム5のステップ(b)の反応条件は、約0℃の温度を含む。
化合物Iの形態
【0205】
一般に上記のように、本開示は、化合物Iの結晶形もしくは非晶形またはその塩、共結晶、溶媒和物もしくは水和物を提供する。いくつかの実施形態では、化合物Iの塩または共結晶の結晶形は、化合物Iのコリン形態I、化合物Iのジエチルアミン形態I、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I、化合物Iのエタノールアミン形態Iまたは化合物Iの形態IXである。いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの塩または共結晶の非晶形を提供する。
化合物Iのコリン形態I
【0206】
本開示は、一実施形態では、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.0、7.8および9.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物Iのコリン塩または共結晶(「化合物Iのコリン形態I」)を提供する。一実施形態では、回折図は、17.6、21.3および23.9°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、11.0、16.4および20.5°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、実質的に
図1に示されているとおりである。
【0207】
一実施形態では、結晶形を有する化合物Iのコリン塩または共結晶(「化合物Iのコリン形態I」)は、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.0、7.8および9.4°2θ±0.1°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、17.6、21.3および23.9°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、11.0、16.4および20.5°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。
【0208】
一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、以下のピーク:5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.2°2θのそれぞれを含む。
【0209】
一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θから少なくとも8
つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iの回折図は、以下のピーク:5.0、7.8、9.4、11.0、16.4、17.6、20.5、21.3および23.9°2θ±0.1°2θのそれぞれを含む。
【0210】
一実施形態では、化合物Iのコリン形態Iは、約73℃の吸熱および約195℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一実施形態では、DSC曲線は、実質的に
図2に示されているとおりである。
化合物Iのジエチルアミン形態I
【0211】
本開示は、一実施形態では、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、6.5、8.5および21.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶(「化合物Iのジエチルアミン形態I」)を提供する。一実施形態では、回折図は、9.7、11.5および12.0°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、21.1、22.8および27.7°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、実質的に
図4に示されているとおりである。
【0212】
一実施形態では、結晶形を有する化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶(「化合物Iのジエチルアミン形態I」)は、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、6.5、8.5および21.6°2θ±0.1°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、9.7、11.5および12.0°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、21.1、22.8および27.7°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。
【0213】
一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.2°2θのそれぞれを含む。
【0214】
一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:6.5、8.5、9.7、11.5、12.0、21.1、21.6、22.8および27.7°2θ±0.1°2θのそれぞれを含む。
【0215】
一実施形態では、化合物Iのジエチルアミン形態Iは、約135℃の吸熱および約171℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一実施形態では、DSC曲線は、実質的に
図6に示されているとおりである。
化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I
【0216】
本開示は、一実施形態では、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、4.7、5.6および14.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶(「化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I」)を提供する。一実施形態では、回折図は、7.0、16.9および19.6°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、8.7、10.7および17.8°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、実質的に
図8に示されているとおりである。
【0217】
一実施形態では、結晶形を有する化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶(「化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I」)は、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、4.7、5.6および14.0°2θ±0.1°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、7.0、16.9および19.6°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、8.7、10.7および17.8°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。
【0218】
一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、
5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.2°2θのそれぞれを含む。
【0219】
一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:4.7、5.6、7.0、8.7、10.7、14.0、16.9、17.8および19.6°2θ±0.1°2θのそれぞれを含む。
【0220】
一実施形態では、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iは、約81℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一実施形態では、DSC曲
線は、実質的に
図9に示されるとおりである。
化合物Iのエタノールアミン形態I
【0221】
本開示は、一実施形態では、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.4、7.2および10.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶(「化合物Iのエタノールアミン形態I」)を提供する。一実施形態では、回折図は、15.4、19.1および20.7°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、実質的に
図11に示されているとおりである。
【0222】
一実施形態では、結晶形を有する化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶(「化合物Iのエタノールアミン形態I」)は、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.4、7.2および10.0°2θ±0.1°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、15.4、19.1および20.7°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。
【0223】
一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θのそれぞれを含む。
【0224】
一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は
、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iの回折図は、以下のピーク:5.4、7.2、10.0、15.4、19.1、20.7、21.6、23.4および28.3°2θ±0.1°2θのそれぞれを含む。
【0225】
一実施形態では、化合物Iのエタノールアミン形態Iは、約22℃の吸熱および約133℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一実施形態では、DSC曲線は、実質的に
図12に示されているとおりである。
化合物Iの形態IX
【0226】
本開示は、一実施形態では、「化合物Iの形態IX」と称される化合物Iの結晶形を提供する。いくつかの実施形態では、化合物Iの形態IXの結晶形は、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、7.2、7.8および14.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、19.8、23.1および25.5°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、16.8、20.8および22.6°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、実質的に
図14に示されているとおりである。
【0227】
一実施形態では、結晶形を有する化合物Iの形態IXは、1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、7.2、7.8および14.8°2θ±0.1°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする。一実施形態では、回折図は、19.8、23.1および25.5°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。一実施形態では、回折図は、16.8、20.8および22.6°2θ±0.1°2θにおいてピークをさらに含む。
【0228】
一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6
、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、以下のピーク:7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.2°2θのそれぞれを含む。
【0229】
一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも1つまたはそれを超えるピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも2つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも3つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも4つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも5つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも6つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも7つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、7.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θから少なくとも8つのピークを含む。一実施形態では、化合物Iの形態IXの回折図は、以下のピーク:.2、7.8、14.8、16.8、19.8、20.8、22.6、23.1および25.5°2θ±0.1°2θのそれぞれを含む。
【0230】
一実施形態では、化合物Iの形態IXは、約85℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする。一実施形態では、DSC曲線は、実質的に
図15に示されているとおりである。
使用、製剤、投与および薬学的に許容され得る組成物
【0231】
別の実施形態によれば、本開示は、本開示の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはエステルの塩と、薬学的に許容され得る担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは共結晶と、薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む組成物を提供する。
【0232】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの結晶形または非晶形を含む組成物を提供する。本開示の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプル中または患者において、ACCを測定可能に阻害するために有効な量である。特定の実施形態では、本開示の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプル中または患者において、ACCを測定可能
に阻害するために有効な量である。特定の実施形態では、本開示の組成物は、このような組成物を必要とする患者への本開示のために製剤化される。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、患者への経口投与のために製剤化される。
【0233】
「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載されるACC阻害剤(限定されないが、化合物Iが挙げられる)またはその固体形態を意味する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、本明細書に記載されるACC阻害剤(限定されないが、化合物Iが挙げられる)またはその塩もしくは固体形態を意味する。
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、本明細書に記載されるACC阻害剤またはその塩もしくは固体形態の合成に有用な中間体を意味する。
【0235】
いくつかの実施形態では、化合物は、化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩である。いくつかの実施形態では、化合物は、化合物Iまたはその薬学的に許容され得る塩もしくは薬学的に許容され得る共結晶である。
【0236】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、化合物Iの塩または共結晶の結晶形と、薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、化合物Iの塩または共結晶の結晶形は、化合物Iのコリン形態I、化合物Iのジエチルアミン形態I、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I、化合物Iのエタノールアミン形態Iまたは化合物Iの形態IXである。
【0237】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの結晶形を含む医薬組成物を対象とする。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、本明細書に記載される結晶形である。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物Iのコリン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物Iのジエチルアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物Iのエタノールアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも95%は、化合物Iの形態IXである。
【0238】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの結晶形を含む医薬組成物を対象とする。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、本明細書に記載される結晶形である。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物Iのコリン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物Iのジエチルアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物Iのエタノールアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも97%は、化合物Iの形態IXである。
【0239】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載される化合物Iの結晶形を含む医薬組成物を対象とする。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、本明細書に記載される結晶形である。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物Iのコリン形態Iである。一実施形態では、医
薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物Iのジエチルアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物Iのエタノールアミン形態Iである。一実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、化合物Iの少なくとも99%は、化合物Iの形態IXである。
【0240】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、動物、哺乳動物またはヒトを意味する。
【0241】
「薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたは希釈剤」という用語は、それが一緒に製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本開示の組成物において使用され得る薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたは希釈剤としては、限定されないが、接着防止剤、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、矯味矯臭剤、滑剤、滑沢剤、保存剤、吸着剤、およびビヒクルが挙げられる。担体、アジュバント、および希釈剤の例としては、限定されないが、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、ホスフェート)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
【0242】
本開示の組成物は、経口で、非経口で、吸入スプレーにより、局所に、直腸に、経鼻的に、頬側に、膣に、または移植されたレザバを介して投与され得る。「非経口」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、滑液包内、胸骨内、髄腔内(intrathecal)、肝臓内、病変内、および頭蓋内の、注射技術または注入技術を
含む。好ましくは、これらの組成物は、経口投与、腹腔内投与、または静脈内投与される。本開示の組成物の滅菌注射可能形態は、水性または油性の懸濁物であり得る。これらの懸濁物は、当技術分野で公知である技術にしたがって、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、製剤化され得る。滅菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口で許容され得る希釈剤または溶媒中の、滅菌注射可能な溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液)であり得る。用いられ得る許容され得るビヒクルおよび溶媒のうちでもとりわけ、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌固定油が、溶媒または懸濁媒として従来用いられている。
【0243】
この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが挙げられる、任意の無刺激の固定油が使用され得る。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、天然の薬学的に許容され得る油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油の、特にそれらのポリオキシエチレン化バージョン)と同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または油懸濁物はまた、長鎖アルコールの希釈剤または分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、または薬学的に許容され得る剤形(エマルジョンおよび懸濁剤が挙げられる)の製剤化において一般に使用される類似の分散剤)を含有し得る。他の一般に使用される界面活性剤(例えば、Tweens、Spansおよび薬学的に許容され得る固体、液体または他の剤形の製造において一般に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤)もまた、製剤化の目的で使用され得る。
【0244】
本開示の薬学的に許容され得る組成物としては、限定されないが、任意の経口で許容さ
れ得る剤形(カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤が挙げられる)で経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた、典型的に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁剤が経口使用のために必要とされる場合、その活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わせられる。所望であれば、特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤もまた、添加され得る。
【0245】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物Iの塩または共結晶の結晶形を含む薬学的に許容され得る組成物は、カプセル剤として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物Iの結晶形を含む薬学的に許容され得る組成物は、錠剤として投与される。
【0246】
あるいは、本開示の薬学的に許容され得る組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらは、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体であることにより、直腸内で融解して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製され得る。このような物質としては、カカオ脂、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0247】
本開示の薬学的に許容され得る組成物はまた、処置の標的が局所適用により容易にアクセス可能な領域または器官を含む場合(眼、皮膚、または下方腸管の疾患が挙げられる)に特に、局所投与され得る。適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれについて、容易に調製される。
【0248】
下方腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(上記を参照のこと)または適切な浣腸製剤で行われ得る。局所経皮パッチもまた使用され得る。
【0249】
局所適用のために、提供される薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超える担体に懸濁または分散した活性成分を含有する適切な軟膏剤に製剤化され得る。本開示の化合物の局所投与のための担体としては、限定されないが、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられる。あるいは、提供される薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超える薬学的に許容され得る担体に懸濁または溶解した活性成分を含む、適切なローション剤またはクリーム剤に製剤化され得る。適切な担体としては、限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられる。
【0250】
眼用途のために、提供される薬学的に許容され得る組成物は、等張性のpHを調整された滅菌食塩水中の微細化懸濁物として、または好ましくは、等張性のpHを調整された滅菌食塩水中の溶液として、ベンジルアルコニウムクロリドなどの保存剤ありまたはなしのいずれかで、製剤化され得る。あるいは、眼用途のために、薬学的に許容され得る組成物は、ワセリンなどの軟膏中に製剤化され得る。
【0251】
本開示の薬学的に許容され得る組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。このような組成物は、医薬製剤の分野で周知である技術にしたがって調製され、食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、ならびに/あるいは他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、調製され得る。
【0252】
最も好ましくは、本開示の薬学的に許容され得る組成物は、経口投与のために製剤化される。このような製剤は、食物と共にまたは食物なしで投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示の薬学的に許容され得る組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態では、本開示の薬学的に許容され得る組成物は、食物と共に投与される。
【0253】
単回剤形で組成物を製造するために担体物質と組み合わせられ得る本開示の化合物の量は、処置される宿主、具体的な投与様式に応じて様々である。好ましくは、提供される組成物は、0.01mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日の投与量の阻害剤が、これらの組成物を受ける患者に投与され得るように製剤化されるべきである。
【0254】
任意の特定の患者についての具体的な投与量および処置計画は、様々な要因(使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の時間、排出の速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重症度が挙げられる)に依存することもまた理解すべきである。組成物中の本開示の化合物の量はまた、その組成物中の特定の化合物に依存する。
【0255】
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、約2ミリグラム〜約500ミリグラム/日、約2ミリグラム〜約400ミリグラム/日、約2ミリグラム〜約300ミリグラム/日、約2ミリグラム〜約200ミリグラム/日または約2ミリグラム〜約100ミリグラム/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、約5ミリグラム/日、約6ミリグラム/日、約7ミリグラム/日、約8ミリグラム/日、約9ミリグラム/日、約10ミリグラム/日、約11ミリグラム/日、約12ミリグラム/日、約13ミリグラム/日、約14ミリグラム/日、約15ミリグラム/日、16ミリグラム/日、17ミリグラム/日、18ミリグラム/日、19ミリグラム/日、20ミリグラム/日、21ミリグラム/日、22ミリグラム/日、23ミリグラム/日、24ミリグラム/日または25ミリグラム/日の用量で投与される。
【0256】
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、約5ミリグラム超/日、約10ミリグラム超/日、約15ミリグラム超/日、約20ミリグラム超/日、約25ミリグラム超/日、約30ミリグラム超/日、約35ミリグラム超/日、約40ミリグラム超/日、約45ミリグラム超/日または約50ミリグラム超/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、約300ミリグラム未満/日、約275ミリグラム未満/日、約250ミリグラム未満/日、約225ミリグラム未満/日、約200ミリグラム未満/日、約175ミリグラム未満/日、約150ミリグラム未満/日、約125ミリグラム未満/日、約100ミリグラム未満/日の用量で投与される。
【0257】
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、毎日1回約5ミリグラム、毎日1回約20ミリグラム、毎日1回約30ミリグラム、毎日1回約50ミリグラム、毎日1回約80ミリグラム、毎日1回約100ミリグラム、毎日1回約150ミリグラム、毎日1回約200ミリグラム、毎日1回約500ミリグラム、毎日1回約800ミリグラムまたは毎日1回約1000ミリグラムの用量で投与される。
【0258】
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、毎日2回約10ミリグラム、毎日2回約25ミリグラム、毎日2回約50ミリグラムまたは毎日2回約100ミリグラムの用量で投与される。
薬学的使用
【0259】
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置する」、および「処置すること」という用語は、本明細書に記載される、疾患または障害、あるいはその1つまたはそれを超える症候の、逆転、軽減、発症の遅延、または進行の阻害を指す。いくつかの実施形態では、
処置は、1つまたはそれを超える症候が発症した後に施され得る。他の実施形態では、処置は、症候の非存在下で施され得る。例えば、処置は、症候の発症前に、感受性の個体に施され得る(例えば、症候の病歴を考慮して、および/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)。処置はまた、症候が消散した後に、例えば、その症候の再発を予防するかまたは遅延させるために、続けられ得る。
【0260】
「治療有効量」という用語は、上記で定義される処置を必要とする患者(特にヒト)に、1つまたはそれを超える用量で投与される場合に、このような処置を行うために十分な、本明細書に記載される化合物の量を指す。治療有効量は、患者、処置される疾患、患者の体重および/または年齢、疾患の重症度、あるいは投与様式に応じて、資格のある処方者または介護者によって決定されるように様々である。
【0261】
アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)は、アセチル−CoAのATP依存性カルボキシル化を触媒してマロニル−CoAを形成する。この反応は、2つの半反応、すなわち、ビオチンカルボキシラーゼ(BC)反応およびカルボキシルトランスフェラーゼ(CT)反応で進行し、脂肪酸(FA)生合成において最初に行われるステップであり、この経路の律速反応である。FA生合成における基質としての役割に加えて、ACC−により触媒される反応の産物であるマロニル−CoAはまた、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT−I)(ミトコンドリアFA酸化において最初に行われるステップを触媒する酵素)のアロステリック阻害によるミトコンドリアFA取り込みを制御する際に、重要な調節の役割を果たす。したがって、マロニル−CoAは、動物における食事の変化および変化した栄養要求(例えば、運動中)に応答しての、FAの産生および利用の制御のために重要な代謝シグナルであり、したがって、肝臓および骨格筋における炭水化物の利用と脂肪の利用との間の切り替えを制御する際に、重要な役割を果たす(Harwood,2005)。
【0262】
哺乳動物では、ACCは、2つの組織特異的アイソザイム(脂質生成組織(肝臓、脂肪)に存在するACC1、および酸化的組織(肝臓、心臓、骨格筋)に存在するACC2)として存在する。ACC1およびACC2は、別々の遺伝子によりコードされ、異なる細胞分布を示し、ACC2をミトコンドリア膜に誘導するACC2のN末端における伸長を除いて、全体で75%のアミノ酸配列同一性を共有する。この標的化配列を欠くACC1は、細胞質に局在する。脂肪酸を合成する能力が制限されている心臓および骨格筋では、ACC2により形成されるマロニル−CoAは、FA酸化を調節するように機能する。肝臓では、ACC1の作用を介して細胞質中で形成されるマロニル−CoAは、FAの合成および伸長のために利用され、トリグリセリド形成およびVLDL産生をもたらすのに対して、ACC2によりミトコンドリア表面で形成されるマロニル−CoAは、FA酸化を調節するように働く(Tong and Harwood,J.Cellular Biochem.99:1476,2006)。マロニル−CoAのこの分類は、合成の近接(Abu−Elheigaら、PNAS(USA)102:12011,2005)と、マロニル−CoAデカルボキシラーゼの迅速な作用(Chengら、J.Med.Chem.49:1517,2006)との組み合わせから生じる。
【0263】
ACC1およびACC2の酵素活性の同時阻害は、脂質生成組織(例えば、肝臓および脂肪)におけるデノボFA産生を阻害する能力を与え、一方で同時に、酸化的組織(例えば、肝臓および骨格筋)におけるFA酸化を刺激し、したがって、肥満症、糖尿病、インスリン抵抗性、および代謝症候群に関連する多数の心臓血管危険因子に協調的に好影響を与えるための魅力的な様式を提供する。
【0264】
数個の証拠が、ACC活性の直接阻害の、肥満症、糖尿病、インスリン抵抗性、および代謝症候群を処置するための重要な治療標的としての概念を強く支持する。
【0265】
Abu−Elheigaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:10207−10212,2003)は、ACC2ノックアウトマウスが、減少した骨格筋および心筋のマロニル−CoA、増加した筋肉FA酸化、減少した肝臓脂肪、減少した全体の体脂肪、上昇した骨格筋脱共役タンパク質−3(UCP3)(これは、増加したエネルギー消費を示す)、減少した体重、減少した血漿中遊離FA、減少した血漿中グルコース、および減少した組織グリコゲンを示し、食事により誘導される糖尿病および肥満症から保護されることを実証した。
【0266】
Savageら(J.Clin.Invest.116:817,2006)は、ACC1およびACC2アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、単離されたラット肝実質細胞および高脂肪食事を与えられたラットにおけるFA酸化の刺激、ならびに肝臓トリグリセリドの低下、インスリン感受性の改善、肝臓グルコース産生の減少、および高脂肪食事を与えられたラットにおけるUCP1 mRNAの増加を実証した。これらの効果は、ACC1とACC2との両方の発現が抑制された場合のほうが、ACC1またはACC2のいずれかの発現が単独で抑制された場合よりも大きかった。
【0267】
Harwoodら(J.Biol.Chem.278:37099,2003)は、アイソザイム非選択的ACC阻害剤であるCP−640186(これは、ピルビン酸カルボキシラーゼおよびプロピオニル−CoAカルボキシラーゼのいずれも阻害することなく、ラット、マウス、サルおよびヒトから単離されたACC1とACC2とを等しく阻害する(IC
50=約60nM))が、Hep−G2細胞において、コレステロール合成に影響を与えることなく、FA合成、トリグリセリド合成および分泌を減少させ、apoA1分泌に影響を与えることなくapoB分泌を減少させることを実証した。CP−640186はまた、C2C12細胞およびラット筋肉スライスにおいて、FA酸化を刺激し、Hep−G2細胞において、CPT−I活性を増加させた。実験動物では、CP−640186は、脂質生成組織と酸化的組織との両方において、給餌状態と絶食状態との両方で、マロニル−CoA濃度を急激に低下させ、肝臓および脂肪組織のFA合成を減少させ、全身のFA酸化を増加させた。3週間にわたりCP−640186で処置されたスクロース給餌ラットでは、CP−640186は、肝臓、筋肉および脂肪のトリグリセリドを時間および用量依存的に減少させ、除脂肪体重を減少させることなく選択的脂肪減少に起因して体重を減少させ、レプチンレベルを低下させ、血漿グルコースレベルを変化させずに高スクロース食事により生じる高インスリン血症を減少させ、インスリン感受性を改善した。
【0268】
Sahaら(Diabetes 55:A288,2006)は、インスリン抵抗性ラット筋肉組織における、CP−640186による、化合物投与の30分以内のインスリン感受性の刺激を実証し、Furlerらによる研究(Diabetes 55:A333,2006)は、二重トレーサー分析を使用して、ラットのCP−640186での急性(46分)処置が、グルコースクリアランスを減少させることなく、FAクリアランスを刺激したことを示した。
【0269】
ACCは、脂肪酸合成における律速酵素であり、その産物であるマロニルCoAは、脂肪酸酸化の重要なレギュレーターとして働く。したがって、ACC阻害剤は、デノボ脂質合成を減少させ、かつ存在する脂肪の酸化を促進する。脂質代謝に対するこの二重の効果は、ACC阻害剤が、過剰な脂肪の低減において、他の機構よりも実質的により効果的である可能性を生じさせる。さらに、ACC阻害剤は、多剤併用療法の必要なく、全身および組織特異的な脂肪量減少の結果として、インスリン感受性、血漿および組織のトリグリセリド、ならびに絶食時の血漿グルコースに影響を与える。
【0270】
肥満症および他の代謝障害の処置のために、ACC阻害剤は、末梢区画において、肝臓
および筋肉に接近する必要があるのみである。腫瘍学的適応症については、腫瘍への貫入もまた必要とされる。しかしながら、CNSの回避は、CNS受容体を標的とする後期肥満症プログラムに関連する副作用の多くに取り組む。ACC阻害剤はまた、既存の代謝疾患剤より優れた安全プロファイルを有すると期待される。例えば、ACC阻害剤は、インスリン模倣物、インスリン分泌促進薬、およびインスリン分解阻害剤において頻繁に見られるように、生命を脅かす低血糖の発生を早めることは、ありそうにない。また、ACC阻害剤は、全身の脂肪量を減少させるので、ACC阻害剤は、作用機構の一部として全身の脂肪量を増加させるグリタゾン類より優れている。
【0271】
有意な体重損失を引き起こし、他の代謝終点を改善する、末梢に作用する薬剤は、新規肥満症剤の承認のためのU.S.FDAの要件に充分に適合する。しかしながら、肥満症に対する承認が5〜7年間困難であり続ける場合、ACC阻害剤は、家族性混合型高脂血症および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対して承認され得る。現在、市販のACC阻害剤は存在しないので、アイソザイム非選択的ACC阻害剤は、ACC酵素によって媒介される他の障害に加えて、肥満症および代謝症候群を処置するためのファーストインクラス治療を提示する。
【0272】
ACCの阻害剤として、または肥満症もしくは代謝症候群の処置としての、提供される化合物の活性は、インビトロまたはインビボでアッセイされ得る。本開示の化合物の効力のインビボ評価は、肥満症または代謝症候群の動物モデル(例えば、齧歯類モデルまたは霊長類モデル)を使用して行われ得る。細胞ベースのアッセイは、例えば、ACCを発現する組織から単離された細胞系を使用して、実施され得る。加えて、生化学アッセイまたは機序ベースのアッセイ(例えば、精製タンパク質を使用する転写アッセイ)、ノーザンブロット、RT−PCRなどが実施され得る。インビトロアッセイとしては、細胞形態、タンパク質発現、および/または細胞傷害性、酵素阻害活性、ならびに/あるいは本開示の化合物での細胞の処理のその後の機能的結果を決定するアッセイが挙げられる。代替的なインビトロアッセイは、阻害剤が、細胞内のタンパク質分子または核酸分子に結合する能力を定量する。阻害剤の結合は、阻害剤を、結合前に放射標識し、阻害剤/標的分子複合体を単離し、結合した放射標識の量を決定することによって、測定され得る。あるいは、阻害剤の結合は、新規阻害剤が、既知の放射性リガンドと結合した精製タンパク質または核酸と一緒にインキュベートされる、競合実験を行うことによって決定され得る。本開示においてACCの阻害剤として利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に記載されている。上記アッセイは例示であり、本開示の範囲を限定することは意図されない。熟練した実施者は、同じ結果を与える等価なアッセイを開発するために、従来のアッセイに対して改変がなされ得ることを理解し得る。
【0273】
提供される化合物またはその組成物は、代謝障害もしくは代謝状態、がん、細菌感染、真菌感染、寄生生物感染(例えば、マラリア)、自己免疫障害、神経変性障害もしくは神経学的障害、統合失調症、骨関連障害、肝疾患、または心臓障害を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、ACCに関連する疾患を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Tongら、“Acetyl−coenzyme A carboxylase:crucial metabolic enzyme and attractive target for drug discovery”Cell and Molecular Life Sciences(2005)62,1784−1803)。
【0275】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、代謝障害、代謝疾患
、または代謝状態を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、代謝障害は、肥満症、代謝症候群、糖尿病または糖尿病関連障害(1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病、IDDM)および2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病、NIDDM)が挙げられる)、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高血糖症、糖尿病合併症(限定されないが、アテローム性動脈硬化症、冠状心臓疾患、脳卒中、末梢脈管疾患、腎症、高血圧症、ニューロパシーおよび腎症が挙げられる);肥満症共存症(限定されないが、代謝症候群、脂質異常症、高血圧症、インスリン抵抗性、糖尿病(1型糖尿病および2型糖尿病が挙げられる)、冠状動脈疾患、および心不全が挙げられる)である。いくつかの実施形態では、代謝障害、代謝疾患または代謝状態は、非アルコール性脂肪肝疾患または肝インスリン抵抗性である。いくつかの実施形態では、代謝障害は非アルコール性脂肪性肝炎である。
併用療法
【0276】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される代謝障害、代謝疾患、または代謝状態を処置する方法であって、1つまたはそれを超える医薬品と組み合わせて本開示の化合物を投与することを含む方法を提供する。本開示の化合物と併せて使用され得る適切な医薬品としては、抗肥満症剤(食欲抑制剤が挙げられる)、抗糖尿病剤、抗高血糖症剤、脂質低下剤、および抗高血圧症剤が挙げられる。
【0277】
提供される化合物またはその組成物と併せて使用され得る適切な脂質低下剤としては、限定されないが、胆汁酸封鎖剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HMG−CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、アシル補酵素A−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、CETP阻害剤、スクワレンシンテターゼ阻害剤、PPAR−αアゴニスト、FXR受容体モジュレーター、LXR受容体モジュレーター、リポタンパク質合成阻害剤、レニン−アンギオテンシン系阻害剤、PPAR−δ部分アゴニスト、胆汁酸再吸収阻害剤、PPAR−γアゴニスト、トリグリセリド合成阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、転写モジュレーター、スクワレンエポキシダーゼ阻害剤、低密度リポタンパク質受容体誘発因子、血小板凝集阻害剤、5−LOまたはFLAP阻害剤、ナイアシン、およびナイアシン結合クロムが挙げられる。
【0278】
提供される化合物またはその組成物と併せて使用され得る適切な抗高血圧剤としては、限定されないが、利尿薬、β−アドレナリン作用遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、血管拡張薬、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、α/βアドレナリン作用遮断薬、α1遮断薬、α2アゴニスト、アルドステロン阻害剤、鉱質コルチコイド受容体阻害剤、レニン阻害剤、およびアンギオポエチン2結合剤が挙げられる。
【0279】
提供される化合物またはその組成物と併せて使用され得る適切な抗糖尿病剤としては、限定されないが、他のアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、DGAT−1阻害剤、AZD7687、LCQ908、DGAT−2阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、PDE−10阻害剤、AMPKアクチベーター、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイヤビニーズ、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、ブリミピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、トルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレアスタチン、AL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリタート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q、サルボスタチン)、PPAR−γアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン)、PPAR−α/γアゴニスト(例えば、CLX−09
40、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767、SB−219994)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン)、GLP−1モジュレーター(エキセンジン−3、エキセンジン−4)、リラグルチド、アルビグルチド、エキセナチド(Byetta)、タスポグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、N,N−9924、TTP−054、PTP−1B阻害剤(トロデュスケミン、ヒルチオサール抽出物)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、GSK184072)、DPP−IV阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、サキサグリプチン)、インスリン分泌促進薬、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、JNK阻害剤、グルコキナーゼアクチベーター(例えば、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、GKM−001)、インスリン、インスリン模倣物、グリコゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、VPAC2受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤(ダパグリフロジン、カナグリフロジン、BI−10733、トホグリフロジン、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、LX4211)、グルカゴン受容体モジュレーター、GPR119モジュレーター(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597、PSN821)、FGF21誘導体、TGR5(GPBAR1)受容体アゴニスト(例えば、INT777)、GPR40アゴニスト(例えば、TAK−875)、GPR120アゴニスト、ニコチン酸受容体(HM74A)アクチベーター、SGLT1阻害剤(例えば、GSK1614235)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素阻害剤、フルクトース1,6−ジホスファターゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、鉱質コルチコイド受容体阻害剤、TORC2阻害剤、CCR2阻害剤、CCR5阻害剤、PKC(例えば、PKC−α、PKC−β、PKC−γ)阻害剤、脂肪酸シンテターゼ阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、GPR81モジュレーター、GPR39モジュレーター、GPR43モジュレーター、GPR41モジュレーター、GPR105モジュレーター、Kv1.3阻害剤、レチノール結合タンパク質4阻害剤、糖質コルチコイド受容体モジュレーター、ソマトスタチン受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、SSTR5)阻害剤、PDHK2阻害剤、PDHK4阻害剤、MAP4K4阻害剤、IL1−βモジュレーター、およびRXR−αモジュレーターが挙げられる。
【0280】
適切な抗肥満症剤としては、限定されないが、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1阻害剤、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD−1)阻害剤、MCR−4アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作用剤、β−3−アドレナリン作用受容体アゴニスト、ドパミン受容体アゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラノサイト刺激ホルモンおよびその類似体、5−HT
2Cアゴニスト(例えば、ロルカセリン/Belviq)、メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、レプチン、レプチン類似体、レプチンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン/オルリスタット)、食欲抑制剤(例えば、ボンベシンアゴニスト)、NPYアンタゴニスト(例えば、ベルネぺリット)、PYY
3−36(およびその類似体)、BRS3モジュレーター、オピオイド受容体混合アンタゴニスト、サイロミメティック剤(thyromimetic agent)、デ
ヒドロエピアンドロステロン、糖質コルチコイドのアゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、GLP−1アゴニスト、網様体神経栄養因子(例えば、アキソキン)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、H3のアンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメジンUアゴニスト、MTP/ApoB阻害剤(例えば、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド、JTT130、ウシスタピド、SLX4090))、MetAp2阻害剤(例えば、ZGN−433)、グルカゴン受容体、GIP受容体、およびGLP1受容体の2つまたはそれよりも多くにおいて混合調節活性を有する薬
剤(例えば、MAR−701、ZP2929)、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、CB1受容体のアンタゴニストまたは逆アゴニスト、グレリンのアゴニストまたはアンタゴニスト、オキシントモジュリンおよびその類似体、モノアミン取り込阻害剤(例えば、テソフェンシン)、ならびに複合剤(例えば、ブプロプリオン+ゾニサミド(Empatic)、プラムリンチド+メトレレプチン、ブプロプリオン+ナルトレキソン(Contrave)、フェンテルミン+トピラマート(Qsymia))が挙げられる。
【0281】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物と併せて使用される抗肥満症剤は、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド、ミトラタピド、イムプリタピド、R56918)、CCK−Aアゴニスト、5−HT
2Cアゴニスト(例えば、ロルカセリン/Belviq)、MCR4アゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、セチリスタット)、PYY
3−36(その類似体およびPEG化類似体が挙げられる)、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレオイルエストロン、オビネピチド、プラムリンチド、テソフェンシン、レプチン、ブロモクリプチン、オルリスタット、AOD−9604、およびシブトラミンから選択される。
【0282】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、LKB1またはKras関連疾患を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、LKB1またはKras関連疾患は、肝細胞癌、LKB1変異体がん、LKB1ヘテロ接合性喪失(LOH)によるがん、Kras変異体がん、ポイツ−ジェガーズ症候群(PJS)、カウデン病(CD)、および結節性硬化症(tubeous sclerosis(TS))から選択される(Makowskiら、“Role of LKB1 in Lung
Cancer Development”British Journal of Cancer(2008)99,683−688)。いくつかの実施形態では、LKB1またはKras関連疾患は、Kras陽性/LKB1欠損肺腫瘍である。
【0283】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、がんを処置しもしくはその重症度を軽減するために、またはがん細胞の成長を阻害するため、またはがん細胞のアポトーシスを誘導するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Wangら、“Acetyl−CoA Carboxylase−alpha Inhibitor TOFA Induces Human Cancer Cell Apoptosis”Biochem Biophys Res Commun.(2009)385(3),302−306;Chajesら、“Acetyl−CoA Carboxylase alpha Is Essential to Breast Cancer Cell Survival”Cancer Res.(2006)66,5287−5294;Beckersら、“Chemical Inhibition of Acetyl−CoA Carboxylase Induces Growth Arrest and Cytotoxicity Selectivity in Cancer Cells”Cancer Res.(2007)8180−8187;Brusselmansら、“RNA Interference−Mediated Silencing of the Acetyl−CoA−Carboxylase−alpha Gene Induces Growth Inhibition and Apoptosis of Prostate Cancer Cells”Cancer Res.(2005)65,6719−6725;Brunetら、“BRCA1 and Acetyl−CoA Carboxylase:The Metabolic Syndrom of Breast Cancer”Molecular Carcinogenesis(2008)47,157−163;Cairnsら、“Regulation of Cancer Cell Metabol
ism”(2011)11,85−95;Chiaradonnaら、“From Cancer Metabolism to New Biomarkers and Drug Targets”Biotechnology Advances(2012)30,30−51)。
【0284】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、黒色腫を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、黒色腫は、活性化MAPK経路を有するものである(Pettiら、“AMPK activators inhibit the proliferation of human melanomas bearing the activated MAPK pathway”Melanoma
Research(2012)22,341−350)。
【0285】
腫瘍サプレッサタンパク質であるBRCA1は、ACCの不活性形態に結合して安定化し、デノボ脂質合成を調節するので、提供される化合物は、トリプルネガティブ乳がんにおいて、特定の有用性を見出す。この腫瘍サプレッサタンパク質の欠失または変異は、ACCの不活性形態の結合および安定化の損失をもたらし、ACCにより駆動されるデノボ脂質生成のための能力の増加をもたらし、がん細胞増殖をもたらす。Brunetら、“BRCA1 and acetyl−CoA carboxylase:the metabolic syndrome of breast cancer”Mol.Carcinog.(2008)47(2),157−163を参照のこと。
【0286】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、脂肪肉腫を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。脂肪肉腫は、成長のためにデノボ長鎖脂肪酸合成に依存することが示されており、ソラフェンAによるACCの阻害は、脂質生成および腫瘍細胞成長を阻害した(Olsenら、“Fatty acid synthesis is a therapeutic target in human liposarcoma”International J.of Oncology(2010)36,1309−1314)。
【0287】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、肝疾患を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、肝疾患は、アルコール性脂肪肝疾患(AFLD)、家族性混合型高脂血症、肝炎(A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎が挙げられる)、肝細胞癌、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝臓がん、肝臓線維症、肝臓の炎症、胆管癌、血管肉腫(angiosarcoma)、血管肉腫(hemangiosarcoma)、ならびに進行性家族性肝内胆汁うっ滞から選択
される。いくつかの実施形態では、肝疾患は非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic
steatoheptatitis)である。いくつかの実施形態では、肝疾患は肝細胞癌である。
【0288】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を処置する方法であって、治療有効量の本明細書に記載される化合物Iの結晶形または本明細書に記載される組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0289】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の処置の処置における、本明細書に記載される化合物Iの結晶形または本明細書に記載される組成物の使用を提供する。
【0290】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、肝細胞癌(HCC)を処置する方法であ
って、治療有効量の本明細書に記載される化合物Iの結晶形または本明細書に記載される組成物を投与することを含む方法を提供する。本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、HCCの処置における、本明細書に記載される化合物Iの結晶形または本明細書に記載される組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形は、アジュバント療法として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物Iの結晶形または組成物は、治癒切除、局所アブレーション、または肝臓移植の後に投与される。
【0291】
いくつかの実施形態では、肝細胞癌(HCC)を処置する方法は、外科的切除術、肝臓移植、高周波アブレーション、経皮的エタノール注射、経動脈塞栓形成、放射線、または化学療法と組み合わせて、治療有効量の本明細書に記載される化合物Iの結晶形または本明細書に記載される組成物を投与することを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、肝細胞癌の処置のために、ソラフェニブと組み合わせて投与され得る。
【0293】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、細菌感染を処置しもしくはその重症度を軽減する、または細菌の成長を阻害する、開示の有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、細菌感染は尋常性ざ瘡である。
【0294】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、真菌感染を処置しもしくはその重症度を軽減するために、または真菌細胞の成長を阻害するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Shenら、“A Mechanism for the Potent Inhibition of
Eukaryotic Acetyl−Coenzyme A Carboxylase by Soraphen A,a Macrocyclic Polyketide
Natural Product”Molecular Cell(2004)16,881−891)。
【0295】
いくつかの実施形態では、提供される化合物は、1つまたはそれを超える真菌の種を、2μg/mLまたはそれ未満のMICで阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisの少なくとも1つを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisの少なくとも1つを、1μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisの少なくとも2つを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisの少なくとも2つを、1μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisのそれぞれを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、C.albicans、C.krusei、およびC.parapsilosisのそれぞれを、1μg/mLの濃度で阻害する。
【0296】
いくつかの実施形態では、提供される化合物は、Botrtyis cinerea、Collectotrichum graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia
solani、およびSeptoriaの少なくとも1つを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、提供される化合物は、Botrtyis
cinerea、Collectotrichum graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia solani、およびSeptoriaの少なくとも1つを、1μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、Botrtyis cinerea、Collectotrichum graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia solani、およびSeptoriaの少なくとも2つを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、Botrtyis cinerea、Collectotrichum
graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia solani、およびSeptoriaの少なくとも2つを、1μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、Botrtyis cinerea、Collectotrichum graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia solani、およびSeptoriaの少なくとも3つを、2μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、Botrtyis cinerea、Collectotrichum graminicola、Diplodia maydis、Fusarium moniliforme、Fusarium virguliforme、Phytophthora capsici、Rhizoctonia
solani、およびSeptoriaの少なくとも3つを、1μg/mLまたはそれ未満の濃度で阻害する。
【0297】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、細菌感染を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Tong,L.ら、J.Cell.Biochem.(2006)99,1476−1488)。
【0298】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、ウイルス感染を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Mungerら、Nat.Biotechnol.(2008)26,1179−1186)。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、C型肝炎である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、B型肝炎である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、A型肝炎である。
【0299】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、神経学的疾患を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(Hendersonら、Neurotherapeutics(2008)5,470−480;Costantiniら、Neurosci.(2008)9 Suppl.2:S16;Barananoら、Curr.Treat.Opin.Neurol.(2008)10,410−419)。
【0300】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、寄生生物感染を処置しもしくはその重症度を軽減するために、または寄生生物の成長を阻
害するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る(例えば、マラリアおよびトキソプラスマ:Gornickiら、“Apicoplast fatty acid biosynthesis as a target for medical intervention in apicomplexan parasites”International Journal of Parasitology(2003)33,885−896;Zutherら、“Growth of Toxoplasma gondii is inhibited by aryloxyphenoxypropionate herbicides targeting acetyl−CoA carboxylase”PNAS(1999)96(23)13387−13392)。
【0301】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、本開示の方法によれば、心障害を処置しまたはその重症度を軽減するために有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。いくつかの実施形態では、心障害は、心肥大である。いくつかの実施形態では、心障害は、ACC阻害を介して増加した脂肪酸酸化からもたらされる心臓保護機構によって処置されまたはその重症度が軽減される(Kolwiczら、“Cardiac−specific deletion of acetyl CoA carboxylase 2(ACC2)prevents metabolic remodeling during pressure−overload hypertrophy”Circ.Res.(2012);DOI:10.1161/CIRCRESAHA.112.268128)。
【0302】
必要とされる正確な量は、被験体ごとに、その被験体の種、年齢および全身状態、感染の重症度、特定の剤、その投与方法などに応じて様々である。本開示の提供される化合物または組成物は、好ましくは、投与を容易にしかつ投与量を均一にするために、単位剤形に製剤化される。本明細書で使用される場合、「単位剤形」という表現は、処置がなされる患者に適切な薬剤の、物理的に別個の単位を指す。しかしながら、本開示の提供される化合物または組成物の毎日の総使用量は、正しい医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解される。任意の特定の患者または生物に特異的な有効用量レベルは、処置される障害および障害の重症度;用いられる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食事;用いられる特定の化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;処置の持続期間;用いられる特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および医療分野で周知の同様の要因を含めた様々な要因に依存する。
【0303】
本開示の薬学的に許容され得る組成物は、ヒトおよび他の動物に、処置がなされる感染の重症度に応じて経口的に、直腸に、非経口的に、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤、またはドロップ剤による)、頬側に(bucally)、または経口スプレ
ー剤もしくは経鼻スプレー剤などとして投与され得る。特定の実施形態では、本開示の提供される化合物は、所望の治療効果を得るために、1日当たりの被験体体重に対して約0.01mg/kgから約50mg/kg、好ましくは約1mg/kgから約25mg/kgの投与レベルで経口的にまたは非経口的に1日1回またはそれを超えて投与され得る。
【0304】
経口投与用の液体剤形としては、限定されないが、薬学的に許容され得る乳剤、マイクロエマルション剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば水または他の溶媒などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、可溶化剤、および乳化剤であって、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリ
セロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などを含有し得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤などのアジュバントと、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤も含むことができる。
【0305】
注射調製物、例えば滅菌注射用の水性または油性の懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用する公知の技術により製剤化され得る。滅菌注射調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射液剤、懸濁剤、または乳剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤であり得る。用いることができる、許容され得るビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液,U.S.P.、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来どおり用いられる。この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含めた任意の無刺激不揮発性油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
【0306】
注射製剤は、使用前に、例えば細菌保持フィルタを通した濾過によって、または滅菌水もしくは他の滅菌注射媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
【0307】
提供される化合物の効果を長続きさせるために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶質または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって実現され得る。したがって、化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、油ビヒクルへの化合物の溶解または懸濁によって実現される。注射デポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなど、生分解性ポリマー内で化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御し得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポ注射製剤は、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルション内に化合物を捕捉することによっても調製される。
【0308】
直腸投与または膣投与のための組成物は、好ましくは本開示の化合物と、周囲温度で固体であるが体温で液体であり、したがって直腸または膣腔内で融解し活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐剤蝋などの、適切な非刺激性賦形剤または担体とを混合することによって調製され得る坐薬である。
【0309】
経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体剤形では、活性化合物を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤または担体、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、およびi)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの滑沢剤と混合する。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含み得る。
【0310】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースや乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用した軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内の充填剤として用いられ得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬品製剤化の技術分野で周知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製され得る。それらは、不透明化剤を必要に応じて含有し得、必要に応じて遅延する様式で、腸管のある部分でのみまたは優先的にその部分に活性成分(複数可)を放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質および蝋が挙げられる。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として用いられ得る。
【0311】
提供される化合物はまた、上記1つまたはそれを超える賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬品製剤化の分野で周知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製され得る。このような固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得る。このような剤形はまた、通常の実施の場合と同様に、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば錠剤成形滑沢剤およびステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースなど他の錠剤成形助剤を含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含み得る。それらは、不透明化剤を必要に応じて含有し得、必要に応じて遅延する様式で、腸管のある部分でのみまたは優先的にその部分に活性成分(複数可)を放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質および蝋が挙げられる。
【0312】
本開示の化合物の局所投与用剤形または経皮投与用剤形としては、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、またはパッチ剤が挙げられる。活性成分は、必要に応じて、滅菌条件下で、薬学的に許容され得る担体および任意の必要とされる保存剤またはバッファと混合される。眼科用製剤、点耳薬、および点眼薬もまた、本開示の範囲内にあると企図される。加えて、本開示は、身体に対して制御された化合物送達を提供するというさらなる利点を有する、経皮パッチの使用を企図するものである。このような剤形は、適切な媒体に化合物を溶解しまたは分散させることによって作製され得る。吸収増強剤もまた、皮膚を横断する化合物の流れを増加させるために使用され得る。速度は、速度制御膜を設けることによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散させることによって制御され得る。
【0313】
一実施形態によれば、本開示は、生物学的サンプル中のACCを阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを、提供される化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0314】
特定の実施形態では、本開示は、生物学的サンプル中の脂肪酸レベルをモジュレートする方法であって、前記生物学的サンプルを、提供される化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0315】
「生物学的サンプル」という用語は、本明細書で使用される場合、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液、もしくは他の体液またはその抽出物を含む。
【0316】
生物学的サンプルにおける酵素の阻害は、当業者に公知である様々な目的で有用である。このような目的の例としては、限定されないが、生物学的アッセイ、遺伝子発現研究、
および生物学的標的同定が挙げられる。
【0317】
本開示の別の実施形態は、患者におけるACCを阻害する方法であって、前記患者に、提供される化合物または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。
【0318】
本開示の別の実施形態は、ACC媒介性障害を処置する方法であって、ACC媒介性障害の処置を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載される化合物Iの塩もしくは共結晶または本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、ACC媒介性障害を処置する方法は、ACC媒介性障害の処置を必要とする患者に、治療有効量の本明細書に記載される化合物Iの塩もしくは共結晶もしくは結晶形または本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0319】
別の実施形態によれば、本開示は、患者における脂肪酸産生を阻害するか、脂肪酸酸化を刺激するか、またはその両方を行う方法であって、前記患者に、提供される化合物または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。特定の実施形態によれば、本開示は、患者における脂肪酸産生を阻害するか、脂肪酸酸化を刺激するか、またはその両方を行って、肥満症の減少または代謝症候群の症候の緩和をもたらす方法であって、前記患者に、提供される化合物または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。他の実施形態では、本開示は、ACCにより媒介される障害の処置を必要とする患者におけるACCにより媒介される障害を処置するための方法であって、前記患者に、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物を投与するステップを含む方法を提供する。このような障害は、本明細書に詳細に記載される。
【0320】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、肥満症または別の代謝障害を処置する方法において使用され得る。特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、哺乳動物における肥満症または他の代謝障害を処置するために使用され得る。特定の実施形態では、哺乳動物は、ヒト患者である。特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、ヒト患者における肥満症または他の代謝障害を処置するために使用され得る。
【0321】
いくつかの実施形態では、本開示は、肥満症または別の代謝障害を処置する方法であって、肥満症または別の代謝障害を有する患者に、提供される化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、肥満症または別の代謝障害を処置する方法は、提供される化合物またはその組成物を哺乳動物に投与することを含む。特定の実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、代謝障害は、脂質異常症または高脂血症である。いくつかの実施形態では、肥満症は、プラーダー−ヴィリ症候群、バルデー−ビードル症候群、コーエン症候群またはMOMO症候群の症候である。いくつかの実施形態では、肥満症は、限定されないが、インスリン、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン、抗精神病薬、抗うつ薬、ステロイド、抗痙攣薬(フェニトインおよびバルプロエートが挙げられる)、ピゾチフェン、またはホルモン性避妊薬を含む別の医薬の投与の副作用である。
【0322】
特定の実施形態では、本開示は、がんまたは別の増殖性障害を処置する方法であって、がんまたは別の増殖性障害を有する患者に、提供される化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、がんまたは別の増殖性障害を処置する方法は、提供される化合物またはその組成物を哺乳動物に投与することを含む。特定の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0323】
本明細書で使用される場合、「がんの阻害」および「がん細胞増殖の阻害」という用語
は、がん細胞の成長、分裂、変異または生存性の阻害または速度の減少、および/あるいはがん細胞の死を、個別にかまたは他のがん細胞との凝集物において、細胞傷害性、栄養枯渇、またはアポトーシスの誘導によって引き起こすことを指す。
【0324】
本明細書に記載される提供される化合物またはその組成物により増殖が阻害され、本明細書に記載される方法が有用であるがん性細胞含有組織の例としては、限定されないが、乳房、前立腺、脳、血液、骨髄、肝臓、膵臓、皮膚、腎臓、結腸、卵巣、肺、精巣、陰茎、甲状腺、副甲状腺、下垂体、胸腺、網膜、ブドウ膜、結膜、脾臓、頭部、頚部、気管、胆嚢、直腸、唾液腺、副腎、咽喉、食道、リンパ節、汗腺、皮脂腺、筋肉、心臓、および胃が挙げられる。
【0325】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置されるがんは、黒色腫、脂肪肉腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、白血病、腎臓がん、食道がん、脳がん、リンパ腫または結腸がんである。特定の実施形態では、がんは、原発性滲出性リンパ腫(PEL)である。特定の好ましい実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置されるべきがんは、活性化されたMAPK経路を有するがんである。いくつかの実施形態では、活性化されたMAPK経路を有するがんは、黒色腫である。特定の好ましい実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置されるがんは、BRCA1変異に関連するがんである。特に好ましい実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置されるがんは、トリプルネガティブ乳がんである。
【0326】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置され得る疾患は、神経学的障害である。いくつかの実施形態では、神経学的障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、癲癇、虚血、加齢性記憶障害、軽度認知障害、フリートライヒ運動失調、GLUT1欠損癲癇、妖精症、ラブソン−メンデンホール症候群、冠状動脈バイパス移植片痴呆、麻酔により誘導される記憶喪失、筋萎縮性側索硬化症、神経膠腫またはハンチントン病である。
【0327】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物によって処置され得る疾患は、感染性疾患である。いくつかの実施形態では、感染性疾患は、ウイルス感染である。いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、サイトメガロウイルス感染またはインフルエンザ感染である。いくつかの実施形態では、感染性疾患は、真菌感染である。いくつかの実施形態では、感染性疾患は、細菌感染である。
【0328】
処置されるべき特定の状態または疾患に応じて、さらなる治療剤(これらは通常、その状態を処置するために投与される)は、提供される化合物またはその組成物と併せて投与され得る。本明細書で使用される場合、特定の疾患または状態を処置するために通常投与されるさらなる治療剤は、「処置される疾患または状態のために適切である」ことが公知である。
【0329】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、真菌感染の処置のための1つまたはそれを超えるさらなる抗真菌(抗真菌症)剤と併せて投与される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる抗真菌(抗真菌症)剤は、ポリエン抗真菌薬(限定されないが、アンホテリシンB(デオキシコール酸アンホテリシンB、アンホテリシンB脂質複合体、またはリポソームアンホテリシンBとして)、カンジシジン、フィリピン、ハマイシン、ナタマイシン、ナイスタチン、およびリモシジンが挙げられる)、アゾール抗真菌薬(限定されないが、アバファンギン、アルバコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イソコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール
、オキシコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、チオコナゾール、およびボリコナゾールが挙げられる)、アリルアミン(限定されないが、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、およびテルビナフィンが挙げられる)、エキノカンジン(限定されないが、アニデュラファンギン、カスポファンギン、およびミカファンギンが挙げられる)、安息香酸、シクロピロクス、フルシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸、ならびにクリスタルバイオレットから選択される。
【0330】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、別のACCの阻害剤または抗肥満症剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、1つまたはそれを超える他の治療剤と組み合わせて投与される。このような治療剤としては、限定されないが、オルリスタット(Xenical)、CNS刺激剤、Qsymia、またはBelviqなどの薬剤が挙げられる。
【0331】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、別の抗がん剤、細胞毒性剤、または化学療法剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与される。
【0332】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物と組み合わせて使用される抗がん剤または化学療法剤としては、限定されないが、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、イマチニブ、ニロチニブ、ゲフィチニブ、スニチニブ、カルフィルゾミブ、サリノスポラミドA、レチノイン酸、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メトトレキサート、チオグアニン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、エトポシド、テニポシド、タフルポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、アクチノマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、バルルビシン、イダルビシン、エピルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、メルファラン、ブスルファン、カペシタビン、ペメトレキセド、エポチロン、13−シス−レチノイン酸、2−CdA、2−クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン、5−フルオロウラシル、5−FU、6−メルカプトプリン、6−MP、6−TG、6−チオグアニン、アブラキサン、Accutane(登録商標)、アクチノマイシン−D、Adriamycin(登録商標)、Adrucil(登録商標)、Afinitor(登録商標)、Agrylin(登録商標)、Ala−Cort(登録商標)、アルデスロイキン、アレムツズマブ、ALIMTA、アリトレチノイン、Alkaban−AQ(登録商標)、Alkeran(登録商標)、オールトランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン、アメトプテリン、アミホスチン、アミノグルテチミド(Aminoglutethimide)、アナグレリド、Anandron(登録商標
)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、Ara−C、Aranesp(登録商標)、Aredia(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Aromasin(登録商標)、Arranon(登録商標)、三酸化ヒ素、Arzerra(商標)、アスパラギナーゼ、ATRA、Avastin(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベンダムスチン、ベバシツマブ、ベキサロテン、BEXXAR(登録商標)、ビカルタミド、BiCNU、Blenoxane(登録商標)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、Busulfex(登録商標)、C225、ロイコボリンカルシウム、Campath(登録商標)、Camptosar(登録商標)、カンプトテシン−11、カペシタビン、Carac(商標)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチンウエハ、Casodex(登録商標)、CC−5013、CCI−779、CCNU、CDDP、CeeNU、Cerubidine(登録商標)、セツキシマブ、クロラムブシル、シトロボラム因子、クラドリビン、コルチゾン、Cosmegen(登録商標)、CPT−11、Cytadren(登録商標)、Cytosar−U(登録商標)、Cytoxan(登
録商標)、ダカルバジン、ダコゲン、ダクチノマイシン、ダルベポイエチンα、ダサチニブ、ダウノマイシン、塩酸ダウノルビシン、ダウノルビシンリポソーム、DaunoXome(登録商標)、デカドロン、デシタビン、Delta−Cortef(登録商標)、Deltasone(登録商標)、デニロイキン、ジフチトクス、DepoCyt(商標)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸ナトリウムデキサメタゾン、デキサゾン、デクスラゾキサン、DHAD、DIC、ジオデクス、ドセタキセル、Doxil(登録商標)、ドキソルビシン、ドキソルビシンリポソーム、Droxia(商標)、DTIC、DTIC−Dome(登録商標)、Duralone(登録商標)、Efudex(登録商標)、Eligard(商標)、Ellence(商標)、Eloxatin(商標)、Elspar(登録商標)、Emcyt(登録商標)、エピルビシン、エポエチンアルファ、エルビタックス、エルロチニブ、Erwinia菌由来のL−アスパラギナーゼ、エストラムチン、エチオール、Etopophos(登録商標)、エトポシド、リン酸エトポシド、Eulexin(登録商標)、エベロリムス、Evista(登録商標)、エキセメスタン、Fareston(登録商標)、Faslodex(登録商標)、Femara(登録商標)、フィルグラスチム、フロクスウリジン、Fludara(登録商標)、フルダラビン、Fluoroplex(登録商標)、フルオロウラシル、フルオロウラシル(クリーム)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、G−CSF、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、Gemzar Gleevec(商標)、Gliadel(登録商標)ウエハ、GM−CSF、ゴセレリン、顆粒球−コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Halotestin(登録商標)、Herceptin(登録商標)、ヘキサドロール、Hexalen(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、HMM、Hycamtin(登録商標)、Hydrea(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルチゾン、リン酸ナトリウムヒドロコルチゾン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルトン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、Idamycin(登録商標)、Idarubicin Ifex(登録商標)、IFN−α、イホスファミド、IL−11、IL−2、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンα、インターフェロンα−2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、Intron A(登録商標)(インターフェロンα−2b)、Iressa(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、イキサベピロン、Ixempra(商標)、Kidrolase(登録商標)、Lanacort(登録商標)、ラパチニブ、L−アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、リューケラン、Leukine(商標)、ロイプロリド、リューロクリスチン、Leustatin(商標)、リポソームAra−C、Liquid Pred(登録商標)、ロムスチン、L−PAM、L−サルコリシン、Lupron(登録商標)、Lupron Depot(登録商標)、Matulane(登録商標)、マキシデクス、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、Megace(登録商標)、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、Mesnex(商標)、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、Meticorten(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン−C、ミトキサントロン、M−Prednisol(登録商標)、MTC、MTX、Mustargen(登録商標)、ムスチン、Mutamycin(登録商標)、Myleran(登録商標)、Mylocel(商標)、Mylotarg(登録商標)、Navelbine(登録商標)、ネララビン、Neosar(登録商標)、Neulasta(商標)、Neumega(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nexavar(登録商標)、Nilandron(登録商標)、ニロチニブ、ニルタミド、Nipent(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、Novaldex(登録商標)、Novantrone(登録商標)、Nplate、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、オファツムマブ、Oncospar(登録商標)、Oncovin(登録商標)、On
tak(登録商標)、Onxal(商標)、オプレルベキン、Orapred(登録商標)、Orasone(登録商標)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合、パミドロネート、パニツムマブ、Panretin(登録商標)、Paraplatin(登録商標)、パゾパニブ、Pediapred(登録商標)、PEGインターフェロン、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG−INTRON(商標)、PEG−L−アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、Platinol(登録商標)、Platinol−AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、Prelone(登録商標)、プロカルバジン、PROCRIT(登録商標)、Proleukin(登録商標)、カルムスチンインプラントを伴うプロリフェプロスパン20、Purinethol(登録商標)、ラロキシフェン、Revlimid(登録商標)、Rheumatrex(登録商標)、Rituxan(登録商標)、リタキシマブ、Roferon−A(登録商標)(インターフェロンα−2a)、ロミプロスチム、Rubex(登録商標)、塩酸ルビドマイシン、Sandostatin(登録商標)、Sandostatin LAR(登録商標)、サルグラモスチム、Solu−Cortef(登録商標)、Solu−Medrol(登録商標)、ソラフェニブ、SPRYCEL(商標)、STI−571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、Sutent(登録商標)、タモキシフェン、Tarceva(登録商標)、Targretin(登録商標)、Tasigna(登録商標)、Taxol(登録商標)、Taxotere(登録商標)、Temodar(登録商標)、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、TESPA、サリドマイド、Thalomid(登録商標)、TheraCys(登録商標)、チオグアニン、Thioguanine Tabloid(登録商標)、チオホスホアミド、Thioplex(登録商標)、チオテパ、TICE(登録商標)、Toposar(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、Torisel(登録商標)、トシツモマブ、トラスツズマブ、Treanda(登録商標)、トレチノイン、Trexall(商標)、Trisenox(登録商標)、TSPA、TYKERB(登録商標)、VCR、Vectibix(商標)、Velban(登録商標)、Velcade(登録商標)、VePesid(登録商標)、Vesanoid(登録商標)、Viadur(商標)、Vidaza(登録商標)、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、Vincasar Pfs(登録商標)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM−26、ボリノスタット、ボトリエント、VP−16、Vumon(登録商標)、Xeloda(登録商標)、Zanosar(登録商標)、Zevalin(商標)、Zinecard(登録商標)、Zoladex(登録商標)、ゾレドロン酸、ゾリンザ、Zometa(登録商標)または上記のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0333】
特定の実施形態では、提供される化合物または組成物は、メトホルミン、フェンホルミン、またはブホルミンから選択されるビグアナイドと一緒に、それを必要とする患者に投与され得る。特定の実施形態では、提供される化合物とビグアナイドとの組み合わせを投与される患者は、がん、肥満症、肝疾患、糖尿病または上記の2つもしくはそれよりも多くを罹患している。
【0334】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は単独で、または尋常性ざ瘡の処置のための1つもしくはそれを超えるさらなる治療剤と一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、尋常性ざ瘡の処置のための1つまたはそれを超えるさらなる治療剤は、局所抗ざ瘡剤(例えば、レチノイド、局所抗生物質、過酸化ベンゾイル)、または全身性抗ざ瘡剤(例えば、ホルモン療法、経口抗生物質、イソトレチノイン)から選択される。いくつかの実施形態では、ホルモン療法は、経口避妊薬またはアンドロゲン遮断薬である。いくつかの実施形態では、経口抗生物質は、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、またはエリスロマイシンである。
【0335】
いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は単独で、または脂漏症の処置のための1つもしくはそれを超えるさらなる治療剤と一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は単独で、または脂漏性皮膚炎の処置のための1つもしくはそれを超えるさらなる治療剤と一緒に投与され得る。いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は単独で、または脂漏性角化症の処置のための1つもしくはそれを超えるさらなる治療剤と一緒に投与され得る。
【0336】
特定の実施形態では、2つまたはそれを超える治療剤の組み合わせが、提供される化合物と一緒に投与され得る。特定の実施形態では、3つまたはそれを超える治療剤の組み合わせが、提供される化合物と一緒に投与され得る。
【0337】
本開示の化合物がまた組み合わせられ得る薬剤の他の例としては、限定されないが、ビタミンおよび栄養補助食品、がんワクチン、好中球減少症のための処置(例えば、G−CSF、フィルグラスチム、レノグラスチム)、血小板減少症のための処置(例えば、輸血、エリスロポイエチン)、PI3キナーゼ(PI3K)阻害剤、MEK阻害剤、AMPKアクチベーター、PCSK9阻害剤、SREBP部位1プロテアーゼ阻害剤、HMG CoA−レダクターゼ阻害剤、制吐薬(例えば、5−HT
3受容体アンタゴニスト、ドパミンアンタゴニスト、NK1受容体アンタゴニスト、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、または抗コリン作用剤)、アルツハイマー病の処置(例えば、Aricept(登録商標)およびExcelon(登録商標));パーキンソン病の処置(例えば、L−DOPA/カルビドパ、エンタカポン、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキセフェンジル、およびアマンタジン);多発性硬化症(MS)を処置するための薬剤(例えば、βインターフェロン(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、Copaxone(登録商標)、ならびにミトキサントロン);喘息の処置(例えば、アルブテロールおよびSingulair(登録商標));統合失調症を処置するための薬剤(例えば、ジプレキサ、リスペルダル、セロケル、およびハロペリドール);抗炎症剤(例えば、コルチコステロイド、TNF遮断薬、IL−1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン);免疫調節剤および免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびスルファサラジン);神経栄養因子(例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール、および抗パーキンソン症候群剤);心臓血管疾患のための薬剤(例えば、β−遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、ニトレート、カルシウムチャネル遮断薬、およびスタチン、フィブレート、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸封鎖剤、およびナイアシン);肝疾患を処置するための薬剤(例えば、コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、および抗ウイルス剤);血液障害を処置するための薬剤(例えば、コルチコステロイド、抗白血病剤および、成長因子);免疫欠損障害を処置するための薬剤(例えば、γグロブリン);ならびに抗糖尿病剤(例えば、ビグアナイド(メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン)、チアゾリジンジオン(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)、スルホニル尿素(トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド)、メグリチニド(レパグリニド、ナテグリニド)、α−グルコシダーゼ阻害剤(ミグリトール、アカルボース)、インクレチン模倣物(エキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド)、胃抑制ペプチド類似体、DPP−4阻害剤(ビルダグリプチン、シタグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アログリプチン)、アミリン類似体(プラムリンチド)、ならびにインスリンおよびインスリン類似体)が挙げられる。
【0338】
特定の実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、アンチセンス剤、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、またはsiRNA治療剤と組
み合わせて投与される。
【0339】
いくつかの実施形態では、本開示は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置し、安定化し、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物を投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤は独立して、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カスパーゼ阻害剤、カテプシンB阻害剤、CCR2ケモカインアンタゴニスト、CCR5ケモカインアンタゴニスト、クロリドチャネル刺激剤、コレステロール可溶化剤、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、FXR/TGR5二重アゴニスト、ガレクチン−3阻害剤、グルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニスト、グルタチオン前駆体、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD1)阻害剤、IL−1βアンタゴニスト、IL−6アンタゴニスト、IL−10アゴニスト、IL−17アンタゴニスト、回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤、レプチン類似体、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、LPL遺伝子刺激剤、リシルオキシダーゼホモログ2(LOXL2)阻害剤、PDE3阻害剤、PDE4阻害剤、ホスホリパーゼC(PLC)阻害剤、PPARαアゴニスト、PPARγアゴニスト、PPARδアゴニスト、Rho関連プロテインキナーゼ2(ROCK2)阻害剤、ナトリウムグルコース輸送体−2(SGLT2)阻害剤、ステアロイルCoAデサチュラーゼ−1阻害剤、甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト、腫瘍壊死因子α(TNFα)リガンド阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体、PTP1b阻害剤、およびASK1阻害剤からなる群より選択される。
【0340】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、アンギオテンシンII受容体アンタゴニストである。
【0341】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤である。いくつかの実施形態では、ACE阻害剤はエナラプリルである。
【0342】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、カスパーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、カスパーゼ阻害剤はエムリカサンである。
【0343】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、カテプシンB阻害剤である。いくつかの実施形態では、カテプシンB阻害剤は、混合カテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合カテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤は、VBY−376である。
【0344】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、CCR2ケモカインアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、
さらなる治療剤は、混合CCR2/CCR5ケモカインアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、混合CCR2/CCR5ケモカインアンタゴニストはセニクリビロクである。
【0345】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、CCR5ケモカインアンタゴニストである。
【0346】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、クロリドチャネル刺激剤である。いくつかの実施形態では、クロリドチャネル刺激剤はコビプロストンである。
【0347】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、コレステロール可溶化剤である。
【0348】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤である。いくつかの実施形態では、DGAT1阻害剤はLCQ908である。
【0349】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤である。いくつかの実施形態では、DPPIV阻害剤はリナグリプチンである。
【0350】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストである。いくつかの実施形態では、FXRアゴニストは、INT−747(オベチコール酸)である。いくつかの実施形態では、FXRアゴニストはPX−102である。
【0351】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、FXR/TGR5二重アゴニストである。いくつかの実施形態では、FXR/TGR5二重アゴニストはINT−767である。
【0352】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ガレクチン−3阻害剤である。いくつかの実施形態では、ガレクチン−3阻害剤はGR−MD−02である。
【0353】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、グルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニストである。いくつかの実施形態では、GLP1アゴニストはリラグルチドである。いくつかの実施形態では、GLP1アゴニストはエキセナチドである。
【0354】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は
、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、グルタチオン前駆体である。
【0355】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤は、混合カテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合カテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤は、VBY−376である。
【0356】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、HMG CoAレダクターゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はスタチンである。いくつかの実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はアトルバスタチンである。
【0357】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD1)阻害剤である。いくつかの実施形態では、11β−HSD1阻害剤はRO5093151である。
【0358】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、IL−1βアンタゴニストである。
【0359】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、IL−6アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IL−6アンタゴニストは、混合IL−6/IL−1β/TNFαリガンド阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合IL−6/IL−1β/TNFαリガンド阻害剤は、BLX−1002である。
【0360】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、IL−10アゴニストである。いくつかの実施形態では、IL−10アゴニストはペグ−イロデカキン(peg-ilodecakin)である。
【0361】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、IL−17アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IL−17アンタゴニストはKD−025である。
【0362】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤である。いくつかの実施形態では、回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤は、SHP−626である。
【0363】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少
なくとも1つは、レプチン類似体である。いくつかの実施形態では、レプチン類似体はメトレレプチンである。
【0364】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、5−リポキシゲナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、5−リポキシゲナーゼ阻害剤は、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0365】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、LPL遺伝子刺激剤である。いくつかの実施形態では、LPL遺伝子刺激剤はアリポジーンチパルボベック(alipogene tiparvovec)である。
【0366】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、リシルオキシダーゼホモログ2(LOXL2)阻害剤である。いくつかの実施形態では、LOXL2阻害剤は、抗LOXL2抗体である。いくつかの実施形態では、抗LOXL2抗体はGS−6624である。
【0367】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、PDE3阻害剤である。いくつかの実施形態では、PDE3阻害剤は、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0368】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、PDE4阻害剤である。いくつかの実施形態では、PDE4阻害剤はASP−9831である。いくつかの実施形態では、PDE4阻害剤は、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0369】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ホスホリパーゼC(PLC)阻害剤である。いくつかの実施形態では、PLC阻害剤は、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。いくつかの実施形態では、混合5−リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0370】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、PPARαアゴニストである。いくつかの実施形態では、PPARαアゴニストは、混合PPARα/δアゴニストである。いくつかの実施形態では、混合PPARα/δアゴニストは、GFT505である。
【0371】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少
なくとも1つは、PPARγアゴニストである。いくつかの実施形態では、PPARγアゴニストはピオグリタゾンである。
【0372】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、PPARδアゴニストである。
【0373】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、Rho関連プロテインキナーゼ2(ROCK2)阻害剤である。いくつかの実施形態では、ROCK2阻害剤はKD−025である。
【0374】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ナトリウムグルコース輸送体−2(SGLT2)阻害剤である。いくつかの実施形態では、SGLT2阻害剤はエタボン酸レモグリフロジンである。
【0375】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ステアロイルCoAデサチュラーゼ−1阻害剤である。いくつかの実施形態では、ステアロイルCoAデサチュラーゼ−1阻害剤はアラムコールである。いくつかの実施形態では、ステアロイルCoAデサチュラーゼ−1阻害剤はCVT−12805である。
【0376】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、甲状腺ホルモン受容体βアゴニストである。いくつかの実施形態では、甲状腺ホルモン受容体βアゴニストはMGL−3196である。
【0377】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、腫瘍壊死因子α(TNFα)リガンド阻害剤である。
【0378】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、トランスグルタミナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、トランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体はメルカプタミンである。
【0379】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、トランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体である。
【0380】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、PTP1b阻害剤である。いくつかの実施形態では、PTP1b阻害剤は、A119505、A220435、A321842、CPT633、ISIS−404173、JTT−551、MX−7014、MX−7091、MX−7102、NNC−521246、OTX−001、OTX−002、またはTTP814である。
【0381】
いくつかの実施形態では、提供される化合物またはその薬学的に許容され得る組成物は
、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせて投与され、さらなる治療剤の少なくとも1つは、ASK1阻害剤である。いくつかの実施形態では、ASK1阻害剤はGS−4977(セロンセルチブとしても公知)である。
【0382】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤は独立して、アセチルサリチル酸、アリポジーンチパルボベック、アラムコール、アトルバスタチン、BLX−1002、セニクリビロク、コビプロストン、コレセベラム、エムリカサン、エナラプリル、GFT−505、GR−MD−02、ヒドロクロロチアジド、イコサペンタエチルエステル(エイコサペンタエン酸エチル)、IMM−124E、KD−025、リナグリプチン、リラグルチド、メルカプタミン、MGL−3196、オベチコール酸、オレソキシム、peg−イロデカキン、ピオグリタゾン、PX−102、エタボン酸レモグリフロジン、SHP−626、ソリスロマイシン、タイペルカスト、TRX−318、ウルソデオキシコール酸、およびVBY−376から選択される。
【0383】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、アセチルサリチル酸である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、アリポジーンチパルボベックである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、アラムコールである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、アトルバスタチンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、BLX−1002である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、セニクリビロクである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、コビプロストンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、コレセベラムである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、エムリカサンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、エナラプリルである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、GFT−505である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、GR−MD−02である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、ヒドロクロロチアジドである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、イコサペンタエチルエステル(エイコサペンタエン酸エチル)である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、IMM−124Eである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、KD−025である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、リナグリプチンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、リラグルチドである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、メルカプタミンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、MGL−3196である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、オベチコール酸である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、オレソキシムである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、peg−イロデカキンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、ピオグリタゾンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、PX−102である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、エタボン酸レモグリフロジンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、SHP−626である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、ソリスロマイシンである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、タイペルカストである。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、TRX−318である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを
超えるさらなる治療剤の1つは、ウルソデオキシコール酸である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の1つは、およびVBY−376である。
【0384】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、抗糖尿病剤である。いくつかの実施形態では、抗糖尿病剤は、アデノシンA
1受容体アゴニスト(例えば、アデノシン、CCPA、CVT−3619、GR−190718)、アデノシンA
2受容体アンタゴニスト(イストラデフィリン、SCH−58261)、アルドースレダクターゼ阻害剤、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレアスタチン、AL−3688)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、カミグリボース、ジポシン、エミグリタート、ミグリトール、プラジミシン−Q、サルボスタチン、ボグリボース)、アミリン類似体(例えば、AC164209およびプラムリンチド)、AMPKアクチベーター、β3−アドレナリン作用アゴニスト(例えば、アミベグロン、AZ−40140、CL−316,243、KRP−204、L−742,791、L−796,568、LY−368,842、LY−377,604、ミラベグロン、Ro 40−2148、ソラベグロン、SWR−0342SA)、β−ケトアシル−アシル担体タンパク質シンターゼ阻害剤、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、DGAT−2阻害剤、DPP−4阻害剤(例えば、アログリプチン、アナグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、リナグリプチン、オマリグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、テネリグリプチン、トレラグリプチン、およびビルダグリプチン)、ERN1阻害剤、脂肪酸酸化阻害剤、脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤、FGF21誘導体、フルクトース1,6−ジホスファターゼ阻害剤、GLP1アゴニスト(例えば、アルビグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、タスポグルチド)、グルカゴン受容体モジュレーター、混合グルカゴン受容体/GLP−1アゴニスト(例えば、MAR−701、ZP2929)、グルコキナーゼ阻害剤(例えば、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、およびGKM−001)、グリコゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、GSK−3阻害剤、GPR119アゴニスト(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597、PSN821)、GPBAR1(TGR5)アゴニスト(例えば、INT−777、XL−475)、GPR39モジュレーター、GPR40アゴニスト(例えば、TAK−875)、GPR41モジュレーター、GPR43モジュレーター、GPR81モジュレーター、GPR120アゴニスト、HSL阻害剤、IκB阻害剤、ILI−βモジュレーター、インスリンまたはインスリン類似体(限定されないが、これらの経口、吸入または注射可能な製剤が挙げられる)、インスリン様成長因子(IGF−1)またはその類似体、インスリン分泌促進薬、JNK阻害剤(例えば、CC−359)、κオピオイド受容体モジュレーター、LY3084077、Kvl.3阻害剤(例えば、ChTX、クロファジミン、WIN−173173)、MAP4K4阻害剤、MC
1またはMC
4アゴニスト(例えば、アファメラノチド、BMS−470539、ブレメラノチド、メラノタンII、PF−00446687、PL−6983、セトメラノチド、およびTHIQ)、メグリチニド(例えば、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド)、鉱質コルチコイド受容体阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、NF−κB阻害剤、ニコチン酸受容体(HM74A)アクチベーター、PDE−10阻害剤、PDHK2阻害剤、PDHK4阻害剤、PKC(PKC−α、PKC−β、およびPKC−γが挙げられる)阻害剤、PPARα/γ二重アゴニスト、PTP1b阻害剤(例えば、トロデュスケミン)、レチノール結合タンパク質4阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、SGLT1阻害剤(例えば、GSK1614235)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、GSK184072)、ソマトスタチン受容体阻害剤、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイヤビニーズ、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、ブリミピリド、グリクラジド、グリペ
ンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、トルブタミド)、チアゾリジンジオン(例えば、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ロベグリタゾン、MSDC−0602、ネトグリタゾン、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、およびトログリタゾン)、TORC2阻害剤、ウロテンシンII受容体アゴニスト、バソプレッシンアゴニスト(例えば、DDAVP、WAY−141608)またはVPAC2受容体アゴニストである。
【0385】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、抗抗肥満症剤である。いくつかの実施形態では、抗肥満症剤は、apoB−MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド、JTT130、SLX4090、ウシスタピド)、β3−アドレナリン作用アゴニスト(例えば、アミベグロン、AZ−40140、CL−316,243、KRP−204、L−742,791、L−796,568、LY−368,842、LY−377,604、ミラベグロン、Ro 40−2148、ソラベグロン、SWR−0342SA)、ボンベシン受容体アゴニスト、BRS3モジュレーター、CB1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、CCK
Aアゴニスト、毛状体神経栄養因子(CNTF)またはその類似体(例えば、アキソキン、NT−501)、Contrave(商標)(ブプロプリオン/ナルトレキソン)、ドパミン受容体アゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD1)阻害剤、Empatic(商標)(プラムリンチド/メトレレプチン)、5−HT
2Cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、ガラニンアンタゴニスト、グレリンアゴニストまたはアンタゴニスト、GLP1アゴニスト(例えば、アルビグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、タスポグルチド)、混合グルカゴン受容体/GLP−1アゴニスト(例えば、MAR−701、ZP2929)、H3アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、レプチンまたはその類似体(例えば、メトレレプチン)、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン)、MC
1またはMC
4アゴニスト(例えば、アファメラノチド、BMS−470539、ブレメラノチド、メラノタンII、PF−00446687、PL−6983、セトメラノチド、およびTHIQ)、メラノサイト刺激ホルモンまたはその類似体、MetAp2阻害剤(例えば、ZGN−433)、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、ブプロプリオン、シブトラミン、フェンテルミン、テソフェンシン)、ニューロメジンU受容体アゴニスト、NPYアンタゴニスト(例えば、ベルネぺリット)、オピオイド受容体アンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレキシン受容体アンタゴニスト(例えば、アルモレキサント、レンボレキサント、SB−334,867、SB−408,124、SB−649,868、スボレキサント)、オキシントモジュリンまたはその類似体、PYYまたはその類似体(例えば、PYY
1−36、PYY
3−36)、Qsymia(商標)(フェンテルミン/トピラマート)、RXR−αモジュレーター、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD−1)阻害剤、あるいは交感神経様作用剤である。
【0386】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、脂質低下剤である。いくつかの実施形態では、脂質低下剤は、アシル補酵素Aコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、胆汁酸再吸収阻害剤、コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤、5−LOX阻害剤(例えば、BAY X 1005)、FLAP阻害剤(例えば、AM−679)、HMG CoAシンターゼ阻害剤、リポタンパク質合成阻害剤、低密度リポタンパク質受容体誘発剤、LXR受容体モジュレーター、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、ナイアシン、血小板凝集阻害剤、レニン−アンギオテンシン系阻害剤、スクワレンエポキシダーゼ阻害剤、スクワレンシンテターゼ阻害剤、またはトリグリセリド合成阻害剤である。
【0387】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、代謝障害を処置するための薬剤である。いくつかの実施形態では、代謝障害を処置する
ための薬剤は、ABC輸送体アクチベーター、ACT−434964(Actelion)、ANG−5阻害剤、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、MC4262)、CCX−872、DUR−928(Durect)、ESP41091、F−652(Generon)、FGF21アゴニスト(例えば、BMS−986036)、ホメピゾール(Raptor)、FXRアゴニスト、FXR/TGR5二重アゴニスト(例えば、INT−767)、グレリンアンタゴニスト(例えば、TZP−301)、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤、GPR17モジュレーター、GPR119アゴニスト、IG−MD−014(Indigene)、IMM−124E(Immuron)、リソソーム経路モジュレーター(例えば、CAT5000)、メラニン濃縮ホルモン受容体1アンタゴニスト(例えば、KI−1361−17)、MCL1阻害剤(例えば、CMPX−1023)、mTORC1阻害剤、NaCT(例えば、SLC13A5)阻害剤、NHE3阻害剤(例えば、RDX−011、テナパノール)、NP003(Neuraltus)、PBI−4050(ProMetic)、プロテオスタシスレギュレーター(例えば、PTI−130、PTI−428、PTI−C1811)、PS248288(Pharmacopeia/Merck)、PX−102(Phenex)、RG7410.RG7652、ROCK阻害剤、SBC−104(Synageva BioPharma)、SPX−100(Spherix)、ステアロイルCoAデサチュラーゼ阻害剤(例えば、CVT−12805)、TRC150094(Torrent)、またはZYH7(Zydus Cadila)である。
【0388】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、脂肪症を処置するための薬剤である。いくつかの実施形態では、脂肪症を処置するための薬剤は、アディポネクチン類似体(例えば、PX 811013)、アラムコール(Galmed)、ASK1阻害剤(例えば、GS−4977、GS−4997)、AZD4076(AstraZeneca)、胆汁酸封鎖剤(例えば、オベチコール酸)、BL−1060(Galmed)、BMS986171(Bristol−Myers Squibb)、CCR5/CCR2アンタゴニスト(例えば、セニクリビロク)、カンナビジオール、CER−209(Cerenis)、システアミン類似体(例えば、RP−103、RP−104)、DS102(DS Biopharma)、EGS21(Enzo)、エラフィブラノール(Genfit)、エムリカサン(Idun)、エイコサペンタエン酸エチル(Mochida)、FXRアゴニスト、GPBAR1アゴニスト(例えば、RDX009)、GR−MD−02(Galectin Therapeutics)、ロイシン/シルデナフィル/メトホルミン(NuSirt)、LCQ908(Novartis)、LJN452(Novartis)、LOXL2阻害剤(例えば、シムツズマブ)、MAT−8800(Matinas)、MB−10866(Metabasis)、miR−103/107阻害剤(例えば、RG−125)、MK−4074(Merck&Co.)、ナルメフェン(TaiwanJ)、ニボカサン(Gilead)、NGM−282(NGM Biopharmaceuticals)、ω−3カルボン酸またはその混合物(例えば、Epanova(商標))、PX−102(Phenex)、PX−104(Phenex)、エタボン酸レモグリフロジン(Kissei)、サログリタザル(saroglitazar)(Zydus−Cadila)、SAR−548304(sanofi−aventis)、タイペルカスト(Kyorin)、ウルソデオキシコール酸、VK2809(Viking)、またはXL335(Exelixis)である。
【0389】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、炎症を処置するための薬剤である。いくつかの実施形態では、炎症を処置するための薬剤は、T
h17細胞の分化または活性化を減少させる。いくつかの実施形態では、炎症を処置するための薬剤は、カスパーゼ阻害剤(例えば、エムリカサン)、TGF−β阻害剤、IL−1β阻害剤、IL−6阻害剤、IL−17阻害剤、IL−17a阻害剤、IL−
17F阻害剤、IL−21阻害剤、IL−23阻害剤(例えば、グセルクマブ)、IMM−124E、RORγt阻害剤(例えば、JTE−151)、RORα阻害剤、ソリスロマイシン(Cempra)、または血管接着タンパク質−1阻害剤(例えば、PXS−4728A)である。
【0390】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超えるさらなる治療剤の少なくとも1つは、線維症を処置するための薬剤である。いくつかの実施形態では、線維症を処置するための薬剤は、セニクリビロク(Tobira/Takeda)、CNX−014/023/024/025(Connexios)、エンドセリンアンタゴニスト(例えば、A192621、アンブリセンタン、アトラセンタン、ボセンタン、BQ−123、BQ−788、マシテンタン、シタキセンタン、テゾセンタン、ジボテンタン)、エタネルセプト、エビタール(AdeTherapeutics)、線維芽細胞成長因子阻害剤、ガレクチン−3阻害剤、イマチニブ、IVA337(Inventiva)、N−アセチルシステイン、ニンテダニブ、ピルフェニドン、RG6069(Roche)、SP20102(Sarfez)、タイペルカスト(Kyorin)、またはXOMA 089(Xoma)である。
【0391】
いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患は脂肪症である。いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患は、NASHによって引き起こされる肝臓線維症である。いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患は、NASHによって引き起こされる肝硬変である。いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患は、NASHによって引き起こされる肝細胞癌(HCC)である。
【0392】
これらのさらなる薬剤は、提供される化合物またはその組成物とは別に、複数投与計画の一部として投与され得る。あるいは、これらの薬剤は、提供される化合物と単一の組成物に混合された、単一剤形の一部であり得る。複数回投与計画の一部として投与される場合、2つの活性剤は、同時に、逐次にまたは互いに一定期間内(通常、互いに5時間以内)に与えられ得る。
【0393】
本明細書で使用される場合、「組み合わせ」、「組み合わせられた」、「併せて」という用語および関連用語は、本開示による治療剤の同時投与または逐次投与を指す。例えば、提供される化合物は、別の単位剤形でまたは単一単位剤形で一緒に、別の治療剤と同時にまたは逐次に投与され得る。したがって、本開示は、提供される化合物と、さらなる治療剤と、薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む単一の単位剤形を提供する。
【0394】
単一剤形を生産するために担体材料と組み合わせられ得る、提供される化合物およびさらなる治療剤の両方の(上記さらなる治療剤を含む組成物中の)量は、処置される宿主、および特定の投与形態に応じて様々である。好ましくは、本開示の組成物は、0.01mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日の投与量の提供される化合物が投与され得るように、製剤化されるべきである。
【0395】
さらなる治療剤を含む組成物では、そのさらなる治療剤および提供される化合物は、相乗作用し得る。したがって、このような組成物中のさらなる治療剤の量は、その治療剤のみを利用する単剤療法において必要とされる量より少ない。このような組成物では、0.01μg/kg体重/日〜100μg/kg体重/日の投与量のさらなる治療剤が投与され得る。
【0396】
提供される化合物を含む組成物に存在するさらなる治療剤の量は、唯一の活性剤として
その治療剤を含む組成物で通常投与される量以下である。好ましくは、提供される組成物中のさらなる治療剤の量は、唯一の治療活性剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲である。
【実施例】
【0397】
本開示の化合物は、本明細書に開示される方法およびそのルーチンな改変(これは、本明細書の開示を考慮して明らかである)ならびに当技術分野で周知の方法を使用して調製され得る。本明細書の教示に加えて、従来のおよび周知の合成方法が使用され得る。本明細書に記載される化合物の合成は、以下の実施例に記載されるように達成され得る。利用可能な場合、試薬は、例えば、Sigma Aldrichまたは他の化学物質供給業者から商業的に購入され得る。特に注記がない限り、以下の反応のための出発物質は、商業的供給源から入手され得るか、または本明細書に記載されるようにもしくは当技術分野で公知のように調製され得る。
【0398】
Optix long,fine−focus sourceを使用して生成されたCu放射線の入射ビームを使用して、PANalytical X’Pert PRO MPD回折計を用いて、XRPDパターンを収集した。楕円傾斜型多層膜ミラーを使用して、CuKα(CuKα、λ=1.5406Å)X線を検体に通して検出器に集束させた。分析前に、シリコン検体(NIST SRM 640e)を分析して、Si111ピークの観察位置がNIST認定位置と一致することを検証した。サンプルの検体を厚さ3μmのフィルムで挟み、透過の幾何的配置(transmission geometry)で分析した。ビームストップ、短い散乱防止エクステンション、散乱防止ナイフエッジを使用して、空気により生成されるバックグラウンドを最小化した。入射ビームおよび回折ビームのためのソーラースリットを使用して、軸発散によるブロードニングを最小化した。検体から240mmに位置する走査型位置高感度検出器(X’Celerator)およびData Collectorソフトウェアv.2.2bを使用して、回折パターンを収集した。
【0399】
TA Instruments 2920示差走査熱量計を使用して、DSCを実施した。NISTトレーサブルインジウム金属を使用して、温度較正を実施した。サンプルをアルミニウムDSC皿に入れ、蓋で覆い、重量を正確に記録した。サンプル皿として構成された計量済みのアルミニウム皿をセルの参照側に配置した。サンプルを10℃/分で−30℃から250℃に加熱した。
【0400】
TA Instruments Q5000熱重量分析器またはTA Instruments Discovery熱重量分析器のいずれかを使用して、TGA分析を実施した。TA Instruments Q5000熱重量分析器を使用して行ったTGA分析では、ニッケルおよびAlumel(商標)を使用して、温度較正を実施した。各サンプルをアルミニウム皿に入れた。サンプルを密閉し、蓋に穴を開け、TGA炉に挿入した。炉を窒素下で加熱した。サンプルを10℃/分で25℃から350℃に加熱した。
実施例1:化合物B−2の合成
【化85】
【0401】
K
2CO
3(約2.3当量)を含むジメチルアセトアミドを用いて、化合物A−2を化合物G−1(約1当量(「当量」))と化合させた。混合物を室温で撹拌した。次いで、得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、濃縮乾固させ、得られた生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:0〜約28%酢酸エチル:ヘプタン)により精製した。得られた生成物は化合物B−2であった。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 7.92 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.06 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 1.77 (s, 6H), 1.44 (s, 9H).
実施例2:式(C)の化合物の合成
【化86】
【0402】
式(B)の化合物または化合物B(これは、実施例1に記載されているように調製され得る)および(S,S)−ルテニウム触媒、例えば本明細書に記載されるルテニウム触媒またはルテニウム触媒の適切な対掌体を、カリウムtert−ブトキシド(「KOt−Bu」)およびイソプロパノールの存在下で合わせ、還流して、式(C)の化合物または化合物Cを得る。本明細書に記載される方法により、化合物Cを単離および精製する。
実施例3:化合物D−1の合成
【化87】
【0403】
化合物C−1を含むジクロロメタンに、4−ブロモテトラヒドロ−2H−ピランを添加する。有機塩基を添加し、反応混合物を一晩撹拌して、式D−1の化合物または化合物D−1を得る。本明細書に記載される方法により、化合物D−1を単離および精製する。
実施例4:化合物E−2の合成
【化88】
【0404】
オキサゾールを含むTHFを約−80℃〜約−60℃に冷却する。次いで、反応物の温度を約−60℃未満に維持しながら、n−ブチルリチウムを含むヘキサンを添加する。混合物をこの温度で90分間撹拌する。混合物の温度を約−60℃未満に維持しながら、塩化亜鉛(II)を添加し、混合物をその温度で約1時間撹拌してから、約10〜20℃に温める。化合物D−1を反応器に添加し、続いて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(「Pd(PPh
3)
4」)を添加し、温度を約55〜65℃に調整する。混合物をその温度で約12時間撹拌して、化合物E−2を得る。本明細書に記載される方法により、化合物E−2を単離および精製する。
実施例5:化合物Iの合成
【化89】
【0405】
濃硫酸(47g、4.7w/w化合物E−2)を水(12g、1.2v/w化合物E−2)に添加し、続いて、水(15g、1.5v/w化合物E−2)でリンスすることにより、硫酸溶液を調製した。反応内容物を約40℃以下に維持しながら、2−プロパノール(37g、4.7v/w化合物E−2)を、約9℃の硫酸溶液を含有する反応器にゆっくりと投入し、溶液を約5℃に冷却した。化合物E−2(10g、1.0当量)を溶液に投入し、続いて、2−プロパノールでリンスした(2g、0.25v/wE−2)。内容物を約7℃に冷却し、最低約21時間撹拌した。内容物を水にゆっくりと添加し、スラリーを約30分間撹拌した。スラリーを濾過し、フィルタケーキを洗浄し、真空下で約4時間乾燥させた。粗ウェットケーキを反応器に再投入し、続いて、酢酸エチル(40g、4.4v/w化合物E−2)および水(100g、10v/w化合物E−2)を添加した。スラリーを約20wt%水酸化ナトリウム溶液で約8〜9のpHに約22℃で調整し、次いで、約22℃で約30分間撹拌した。溶液を放置した。上部の有機層を収集し、下部の水層を酢酸エチル(40g、4.4v/w化合物E−2)で約22℃で約30分間洗浄した。溶液を放置し、上部の有機層を除去した。次いで、2−メチルテトラヒドロフラン(86g、10v/w化合物E−2)を添加し、約4N HCl溶液で約4〜5のpHに約22℃で調整した。溶液を約22℃で約30分間撹拌し、次いで、放置した。下部の水層を2−メチルテトラヒドロフラン(52g、6v/w化合物E−2)で約22℃で約30分間抽出した。溶液を放置した後、下部の水層を除去した。有機層を合わせ、真空下(約≦45℃のジャケット)で約4Vのポット容量まで蒸留した。エタノール(55.4g、7
v/w化合物E−2)を添加し、反応物を蒸留した(the reaction as distilled)(2回繰り返した)。エタノール(23.7g、3v/w化合物E−2)を再度添加し、続いて、水(30g、3v/w化合物E−2)を添加した。反応物を約75℃に加熱し、次いで、約4時間かけて約50℃に冷却し、次いで、約5時間かけて約0℃に冷却した。次いで、反応物を熟成させ、濾過し、エタノール(9.5g、1.2v/w化合物E−2)および水(6g、0.6v/w化合物E−2)の予冷混合物で固体を洗浄した。得られた生成物を洗浄して、式(I)の化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.70 (s, 1H), 7.57 (dd, J = 1.6 Hz, J
= 7.6 Hz, 1H), 7.29 (td, J = 1.6 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23 (d,
J = 0.4 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 5.6 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 4.17-4.14 (m, 1H),
4.04 (br, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.78-3.67 (m, 2H), 3.46-3.40 (m, 1H),
3.37-3.32 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 1.87 (s, 3H), 1.83 (s, 3H), 1.75-1.72 (m, 2H), 1.59-1.51 (m, 1H), 1.48-1.39 (m, 1H).
実施例6:化合物J−1の合成
【化90】
ステップ(a):化合物P−1の形成:
【化91】
【0406】
2−メトキシフェニルマグネシウムブロミド(THF中1M、1.0当量)を、シュウ酸ジエチル(1.1当量)を含むTHF(250mL)の溶液に約20分間かけて約−20℃で添加した。約−20℃で約45分間熟成させた後、得られたスラリーを飽和NH
4Cl(250mL)でクエンチし、水(200mL)で希釈した。この混合物をEtOAc(400mL)で抽出し、有機相をブライン(200mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、溶媒をTHFに交換した。得られたTHF溶液をそのままで次のステップに使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.90 (m, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.10 (t, J
= 7.6 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz 1H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
代替調製化合物P−1:
【0407】
アニソール(1.0当量)を含むTHF(15mL)を約−20℃に冷却し、2.5M
n−BuLi/ヘキサン(1.1当量)を添加した。混合物を約0℃に温め、約2時間熟成させ、次いで、一晩かけて室温に温めた。次いで、溶液を、シュウ酸ジエチル(4.0当量)を含むTHF(10mL)の溶液に約−20℃で添加した。混合物を約室温に温め、約2時間熟成させ、次いで、約0℃に冷却し、飽和NH
4Cl(30mL)の添加によりクエンチした。この混合物をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。濃縮により、化合物P−1を得た。
代替調製化合物P−1:
【0408】
2−ブロモアニソール(1.0当量)を含むTHF(63mL)を約−65℃に冷却し、2.5M n−BuLi/ヘキサン(1.0当量)を添加した。約1時間熟成させた後、シュウ酸ジエチル(4.0当量)を投入し、反応混合物を約室温に温めた。約室温で約1時間後、反応混合物を約0℃に冷却し、飽和NH
4Cl(50mL)の添加によりクエンチし、EtOAcで希釈した。水相を分離し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。高真空下における濃縮により生成物を得、これをシリカゲルのプラグに通して化合物P−1を得た。
ステップ(b):化合物P−1の加水分解および化合物O−1への塩変換:
【化92】
【0409】
ケトエステルである化合物P−1を含むTHF(約1.0当量)の得られた溶液を氷浴で冷却し、2N NaOH(1.36当量)を添加した。反応物を約0℃で撹拌し、反応完了後、反応物を、次に6N HCl(57mL)の添加により約pH<1に酸性化し、EtOAc(500mL)で抽出した。有機相をブライン(200mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、次いで、溶媒をEtOAcに交換した。得られた溶液を約0℃に冷却し、固体KO
tBu(1.0当量)を添加した。スラリーを約4時間撹拌し、固体を濾過し、EtOAcでリンスし、真空下、約60℃で一晩乾燥させて、化合物O−1を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.61 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 - 7.41 (m, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz 1H), 6.96 (t, J = 7.4 Hz, 1H),
3.73 (s, 3H).
ステップ(c):化合物N−1への化合物O−1の還元:
【化93】
【0410】
約0℃に予冷したトリエチルアミン(3.6当量)に、温度を約30℃未満に維持しながら、約30分間かけてギ酸(9.0当量)を添加した。次いで、固体RuCl(R,R)−Ts−DENEB触媒(0.07mol%)、続いてケト酸カリウム塩(1.0当量
)をトリエチルアミン/ギ酸の混合物に投入した。得られたスラリーを約50℃に温め、反応が完了するまで窒素下で撹拌した。反応物を氷浴で冷却し、水(76mL)、続いて10N NaOH(128mL)の添加によりpH>13にしてクエンチした。水(30mL)およびiPrAc(130mL)を添加し、有機層を分離し、水相をiPrAc(2×130mL)で抽出した。水相を冷却し、濃HClで酸性化した。これをiPrAcで数回抽出し、合わせた有機抽出物を濃縮し、溶媒をトルエンに交換し、熱濾過し、次いで、約2時間かけて約30℃に冷却し、約1時間熟成させ、次いで、濾過して固体を得、次いで、これをトルエン(50mL)で室温でスラリー洗浄し、濾過した。ウェットケーキを乾燥させて、化合物N−1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.40 - 7.36
(m, 1H), 7.06 (t, J = 7.6 Hz 1H), 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.41 (s, 1H), 3.94 (s, 3H).
ステップ(d):スピロケタール化による化合物L−1の取得:
【化94】
【0411】
化合物N−1(1.0当量)、テトラヒドロピラン−4−オン(化合物M、1.1当量)およびMTBE(30mL)を順次投入し、約0℃に冷却した。三フッ化ホウ素THF錯体(1.4当量)を約10分間かけて添加した。反応完了後、重炭酸ナトリウム(3.66g)および水(40mL)の予混合溶液で反応をゆっくりとクエンチした。溶液を約20℃に温め、トルエン(40mL)で希釈し、溶解するまで撹拌した。撹拌を停止し、水層を除去した。有機層を水(20mL)で洗浄し、除去した。有機層を収集し、反応器をトルエン(4mL)でリンスして、化合物L−1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.42 - 7.38 (m, 1H), 7.32 (dd, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.03 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 3.97 - 3.79 (m, 7H), 2.18 - 1.97 (m, 4H).
ステップ(e):化合物K−1への化合物L−1の還元:
【化95】
【0412】
スピロケタールである化合物L−1を含むMeTHF/MTBE(1.0当量)のストック溶液を反応器に投入した。次いで、溶液を約4容量まで蒸留した。MeTHF(187mL)を投入し、約5容量まで蒸留した。溶液を約20℃に冷却した。DCM(90mL)を投入し、溶液を約10℃に冷却し、tert−ブチルマグネシウムクロリド(ジエチルエーテル中2M)(5.0当量)を約45分間かけて添加した。添加後、内容物を約7℃に冷却し、約10℃で一晩熟成させ、次いで、約0℃にした。次いで、HCl(45mL)および水(126mL)の予混合溶液をゆっくりと添加した。水性下層を排出し、水層をMeTHF(93mL)で抽出した。合わせた有機層を水(37mL)で洗浄し、
残りの有機層を約4容量まで蒸留した。酢酸イソプロピル(181mL)を投入し、溶液を約5容量まで減少させた。反応物を約72℃に冷却し、ヘプタン(58mL)を投入し、溶液を約1時間保持してから、約5時間かけて約0℃に冷却した。スラリーを約0℃で12時間超撹拌し、次いで、濾過し、酢酸イソプロピル(9mL)およびヘプタン(18mL)の混合物、続いて水(54mL)でリンスした。固体を乾燥させて、化合物K−1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.49 (br. s, 1 H), 7.42 - 7.29 (m, 2H), 6.98 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.92 (d, 8.3 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H),
3.96 (dt, J = 11.5, 4.3 Hz, 1H), 3.89 (dt, J = 11.5, 4.3 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.67 - 3.58 (m, 1H), 3.47 - 3.30 (m, 2H), 2.03 -
1.93 (m, 1H), 1.84 - 1.75 (m, 1H), 1.75 - 1.56 (m, 2H).
ステップ(f):化合物J−1への化合物K−1の還元:
【化96】
【0413】
酸である化合物K−1(1.0当量)を含むTHF(90mL)の溶液を約0℃に冷却し、NaBH
4(1.2当量)、続いてBF
3+THF錯体(1.5当量)を添加した。溶液を約20℃に温め、反応が完了したとみなされるまで撹拌した。完了したら、温度を約5℃に調整した後、MeOH(24mL)を反応混合物に添加し、ガス発生が止まるまで撹拌した。EtOAc(102mL)、続いて飽和NH
4Cl水溶液(87mL)を投入した。撹拌を停止し、水層を除去した。有機層を真空下で約3容量まで蒸留し、次いで、ヘプタン(46mL)を投入した。得られた混合物を約0℃に冷却し、この温度で約4時間撹拌してから、濾過し、ヘプタン(3mL)でリンスした。得られた固体を乾燥させて、化合物J−1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.42 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.27 (m, 1H), 6.98 (m, 1H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.06 (dd, J = 8.4, 2.8 Hz, 1H), 3.93 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.67 (m, 1H), 3.55 - 3.46 (m, 2H), 3.41 - 3.32 (m, 2H), 2.27 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.01 (m,
1H), 1.80 - 1.70 (m, 1H), 1.65 (m, 2H).
ステップ(g):化合物J−1への化合物L−1の代替直接還元:
【化97】
【0414】
ケタールである化合物L−1(1当量)を含むジグリム(0.7mL)の溶液に、NaBH
4(3.6当量)、続いてBF
3・THF錯体(4.5当量)を添加した。反応混合物を約18時間撹拌し、MeOH(1mL)、続いて飽和NH
4Cl水溶液(1mL)を滴下により添加してクエンチした。EtOAc(2mL)を添加し、十分に振盪し、水層を除去した。有機溶媒を減圧下で除去して、粗化合物J−1を得た。
実施例7:化合物N−1の代替合成
【化98】
ステップ(a):オルト−アニスアルデヒドである化合物U−1へのシアン化水素の添加による化合物T−1の形成
【化99】
【0415】
Eppendorfチューブに、オルト−アニスアルデヒドである、化合物U−1(1.0当量)、続いて0.4M酢酸ナトリウムバッファーpH5(0.25mL)およびtert−ブチルメチルエーテル(0.75mL)を添加した。約30℃および約1200rpmでサーモミキサーを使用して混合物を振盪して、アルデヒドを確実に完全に溶解させた。これが完了した後、アセトンシアノヒドリン(1.15当量)、続いてヒドロキシニトリラーゼ酵素(2mg)を反応混合物に添加した。Eppendorfチューブをサーモミキサー中、約30℃および約1200rpmで一晩振盪した。次いで、約30℃に冷却する前に酵素を変性させるために、Eppendorfチューブを約15分間かけて約1400rpmで約60℃に加熱した。次いで、有機層から変性酵素をペレット化するために、Eppendorfチューブを約13,400rpmで約15分間遠心分離した。有機層を除去し、濃縮乾固させて、粗化合物T−1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.45 - 7.39 (m, 2H), 7.04 - 6.96 (m, 2H), 5.63 (s 1H), 3.94 (s, 3H), 3.75 (br, 1H).
ステップ(b):化合物T−1の加水分解による化合物N−1の形成:
【化100】
【0416】
反応開始前に、以下のストック溶液を調製した:粗シアノヒドリン(化合物T−1)を含むDMSO(約100mg/mL)の溶液;2mMジチオトレイトール(DTT)を含有する50mMリン酸カリウム(pH7)の溶液;および1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)。Eppendorfチューブにニトリラーゼ酵素(4mg)を添加し、続いて、1.1mLの反応バッファー溶液と、粗シアノヒドリン(約10mg)を含有する0.05mLの溶液とを添加した。Eppendorfチューブをサーモミキサー中、約30℃および約1200rpmで一晩振盪した。次いで、酵素を変性させるために、Eppendorfチューブを約15分間かけて約1400rpmで約60℃に加熱してから、約30℃にもう一度冷却した。変性酵素をペレット化するために、Eppendorfチューブを約13,400rpmで約15分間遠心分離し、次いで、ペレットを上清から分離した。上清を、逆相UPLCの場合には直接サンプリングし、または順相HPLCの場合にはDCMで抽出した。DCM抽出の場合、層を分離した後、有機層を濃縮乾固させてから、順相HPLCのために適切な希釈剤を添加した。UPLC分析により、化合物N
−1の参照標準と同一の保持時間を有するピークが示された。
実施例8:化合物N−1の代替合成
【化101】
ステップ(a):化合物P−1の還元による2’−メトキシ−エチルマンデレートである化合物V−1の形成:
【化102】
【0417】
反応開始前に、以下のストック溶液を作製した:出発物質を含むDMSO(約100mg/mL)の溶液、NADP
+またはNAD
+を含む0.1Mリン酸バッファー(必要に応じて)(2mg/mL)、グルコースデヒドロゲナーゼを含む0.1Mリン酸バッファー(4mg/mL)、およびグルコースを含む0.1Mリン酸バッファー(20mg/mL)。Eppendorfチューブにケトレダクターゼ酵素(2mg)を投入し、続いてNAD(P)
+を含有する0.25mLのバッファー溶液、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を含有する0.25mLのバッファー溶液、およびグルコースを含有する0.5mLのバッファー溶液を投入する。最後に、出発物質である化合物P−1を含むDMSOを含有する0.05mLのストック溶液を添加する。次いで、Eppendorfチューブをサーモミキサー中、約30℃および約1200rpmで一晩振盪した。次いで、酵素を変性させるために、Eppendorfチューブを約15分間かけて約1400rpmで約60℃に加熱してから、約30℃に冷却した。次いで、変性酵素をペレット化するために、Eppendorfチューブを約13,400rpmで約15分間遠心分離し、上清を除去した。これを、逆相UPLCの場合には直接サンプリングし、または順相HPLCの場合にはDCMで抽出した。DCM抽出の場合、層を分離した後、有機層を濃縮乾固させてから、順相HPLCのために適切な希釈剤を添加した。UPLC分析により、生成物材料の参照標準と同一の保持時間を有するピークが示された。
ステップ(b)2’−メトキシ−エチルマンデレートである化合物V−1の加水分解による化合物N−1の提供:
【化103】
【0418】
2’−メトキシ−エチルマンデレート(1.0当量)を含むEtOH(30mL)の溶液を約0℃に冷却し、1.25M NaOH(30mL)をゆっくりと添加した。反応完了後、反応物を1M HCl(40mL)で約pH1に調整した。混合物を酢酸エチル(30mL)で3回抽出し、合わせた有機物をブライン溶液(25mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去して、生成物を得た。NMRデータは上記のとおり報告した。
実施例9:化合物Iのコリン形態I
【0419】
100μLの酢酸エチル(「EtOAc」)を51.2mgの化合物I(2017年3月1日に提出された「Solid Forms of a Thienopyrimidinedione ACC Inhibitor and Methods for Production Thereof,」という表題の米国特許出願公開第2017/0267690号(これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように調製したもの)に添加して沈殿させ、続いて、49μLの水酸化コリン(メタノール中)を添加することにより、化合物Iのコリン塩/共結晶(溶媒和物)(「化合物Iのコリン形態I」)を得た。さらに100μLのEtOAcを懸濁液に添加し、それを室温で約1.5時間撹拌した。
【0420】
得られた生成物である化合物Iのコリン形態IのXRPDパターンは、
図1に示されている。DSC曲線は
図2に示されており、約73℃および約195℃で開始する複数の吸熱転移を示している。TGA曲線は
図3に示されており、揮発性物質の喪失に起因する重量減少(約7.9%、室温から150℃)を示している。
1H NMRデータは、化合物Iのコリン形態Iが1:1の比の化合物I:コリン相であることを示唆している。
実施例10:化合物Iのジエチルアミン形態I
【0421】
1mLのアセトニトリルを75.8mgの化合物I(2017年3月1日に提出された「Solid Forms of a Thienopyrimidinedione ACC Inhibitor and Methods for Production
Thereof,」という表題の米国特許出願公開第2017/0267690号(これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように調製したもの)に添加し、続いて、1mLのEtOAcを添加し、混合物を約70°に加熱して溶液を得て、化合物Iのジエチルアミン塩/共結晶(ヘミアセトニトリル溶媒和物)(「化合物Iのジエチルアミン形態I」)を得た。次いで、41μLのジエチルアミンを添加し、溶液を室温に冷却し、続いて、室温で母液を蒸発させた。得られた生成物である化合物Iのジエチルアミン形態IのXRPDパターンは、
図4に示されている。
【0422】
単結晶データを収集し、表1および
図5に要約したが、これは、非対称ユニットが、2つの化合物Iアニオン、2つのエチレンジアミンカチオンおよび1つのアセトニトリル分子を含有することを裏付けている。
表1:化合物Iのジエチルアミン形態Iの結晶データおよびデータ収集パラメータ
【表1-1】
【表1-2】
【0423】
DSC曲線は
図6に示されており、約135℃および約171℃で開始する複数の吸熱転移を示している。TGA曲線は
図7に示されており、アセトニトリルの喪失に起因する重量減少(約6.6%、室温から175℃)を示している。
実施例11:化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I
【0424】
2mLのアニソールを48.4mgの化合物I(2017年3月1日に提出された「Solid Forms of a Thienopyrimidinedione ACC Inhibitor and Methods for Production Thereof,」という表題の米国特許出願公開第2017/0267690号(これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように調製したもの)に約60℃で添加し、続いて、21μLのN,N−ジベンジルエチレンジアミンを添加して、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩/共結晶(アニソール溶媒和物)(「化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態I」)を得た。混合物を約40℃で約6日間スラリー化し、続いて、室温に冷却し、混合物を撹拌せずに約22日間熟成させた。得られた生成物である化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態IのXRPDパターンは、
図8に示されている。
【0425】
DSC曲線は
図9に示されており、約81℃で開始する吸熱転移を示している。TGA曲線は
図10に示されており、揮発性物質の喪失に起因する重量減少(約8.2%、室温から125℃)を示している。
1H NMRデータは、化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン形態Iが2:1の比の化合物I:N,N−ジベンジルエチレンジアミン相
であることを示唆している。
実施例12:化合物Iのエタノールアミン形態I
【0426】
53.8mgの化合物I(2017年3月1日に提出された「Solid Forms
of a Thienopyrimidinedione ACC Inhibitor and Methods for Production Thereof,」という表題の米国特許出願公開第2017/0267690号(これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように調製したもの)を2mLのEtOAcに約55℃で溶解させ、続いて、5.50μLのエタノールアミンを添加し、溶液を室温で冷却して、化合物Iのエタノールアミン塩/共結晶(溶媒和物)(「化合物Iのエタノールアミン形態I」)を得た。得られた生成物である化合物Iのエタノールアミン形態IのXRPDパターンは、
図11に示されている。
【0427】
DSC曲線は
図12に示されており、約22℃および約133℃で開始する複数の吸熱転移を示している。TGA曲線は
図13に示されており、揮発性物質の喪失に起因する重量減少(約2.9%、室温から150℃)を示している。
1H NMRデータは、化合物Iのエタノールアミン形態Iが1:1の比の化合物I:エタノールアミン相であることを示唆している。
実施例13:化合物Iの形態IX
【0428】
化合物Iの形態I(米国特許出願公開第2017/0267690号に記載されているように調製したもの)をジメチルアセトアミド中、室温で約3日間スラリー化することにより、化合物Iの形態IXを単離した。
【0429】
図15に示されている化合物Iの形態IXのDSC曲線は、脱溶媒和および融解に起因する85℃(開始)の吸熱転移を示している。
図16に示されているTGA曲線は、重量減少(23%、室温から235℃)を示しているが、これは、TGA−MSに基づいてジメチルアセトアミドとして同定された溶媒和物を示している。水分収着曲線は
図17に示されており、この形態が95%の相対湿度までゆっくりと脱溶媒和されたことを示している(約23重量%の減少)。DVS実験後のサンプルのXRPD分析は、米国特許出願公開第2017/0267690号に記載されているように、この物質が化合物Iの形態Iに変換されたことを示している。
【0430】
本開示は、実施例(これは、本開示のいくつかの実施形態の例示であることを意図する)に開示されている特定の実施形態によって範囲が限定されず、本開示は、本開示の範囲内で機能的に均等であるいかなる実施形態によっても限定されない。実際、本明細書に示されており記載されているものに加えて、本開示の様々な改変は当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図する。この目的のために、このような有機化合物の認められている略記法にしたがって描かれた構造から1個またはそれを超える水素原子またはメチル基を省略し得ること、および有機化学の当業者はそれらの存在を容易に認識することに留意すべきである。
【0431】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.0、7.8および9.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物I:
【化104】
のコリン塩または共結晶。
(項目2)
前記回折図が、17.6、21.3および23.9°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目1に記載の化合物Iのコリン塩または共結晶。
(項目3)
前記回折図が、11.0、16.4および20.5°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目1または項目2に記載の化合物Iのコリン塩または共結晶。
(項目4)
前記回折図が実質的に図1に示されているとおりである、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物Iのコリン塩または共結晶。
(項目5)
約73℃の吸熱および約195℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、項目1〜4のいずれか一項に記載の化合物Iのコリン塩または共結晶。
(項目6)
前記DSC曲線が実質的に図2に示されているとおりである、項目1〜5のいずれか一項に記載の化合物Iのコリン塩または共結晶。
(項目7)
1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、6.5、8.5および21.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物I:
【化105】
のジエチルアミン塩または共結晶。
(項目8)
前記回折図が、9.7、11.5および12.0°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目7に記載の化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶。
(項目9)
前記回折図が、21.1および22.8、27.7°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目7または項目8に記載の化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶。
(項目10)
前記回折図が実質的に図4に示されているとおりである、項目7〜9のいずれか一項に記載の化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶。
(項目11)
約135℃の吸熱および約171℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、項目7〜10のいずれか一項に記載の化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶。
(項目12)
前記DSC曲線が実質的に図6に示されているとおりである、項目7〜11のいずれか一項に記載の化合物Iのジエチルアミン塩または共結晶。
(項目13)
1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、4.7、5.6および14.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物I:
【化106】
のN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目14)
前記回折図が、7.0、16.9および19.6°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目13に記載の化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目15)
前記回折図が、8.7、10.7および17.8°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目13または項目14に記載の化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目16)
前記回折図が実質的に図8に示されているとおりである、項目13〜15のいずれか一項に記載の化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目17)
約81℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、項目13〜16のいずれか一項に記載の化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目18)
前記DSC曲線が実質的に図9に示されているとおりである、項目13〜17のいずれか一項に記載の化合物IのN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩または共結晶。
(項目19)
1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、5.4、7.2および10.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする結晶形を有する化合物I:
【化107】
のエタノールアミン塩または共結晶。
(項目20)
前記回折図が、15.4、19.1および20.7°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目19に記載の化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶。
(項目21)
前記回折図が、21.6、23.4および28.3°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目19または項目20に記載の化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶。
(項目22)
前記回折図が実質的に図11に示されているとおりである、項目19〜21のいずれか一項に記載の化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶。
(項目23)
約22℃の吸熱および約133℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、項目19〜22のいずれか一項に記載の化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶。
(項目24)
前記DSC曲線が実質的に図12に示されているとおりである、項目19〜23のいずれか一項に記載の化合物Iのエタノールアミン塩または共結晶。
(項目25)
1.5406Åの波長でCu−Kα線を使用して回折計で決定した場合に、7.2、7.8および14.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含む粉末X線回折図を特徴とする化合物I:
【化108】
の結晶形(化合物Iの形態IX)。
(項目26)
前記回折図が、19.8、23.1および25.5°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目25に記載の結晶形。
(項目27)
前記回折図が、16.8、20.8および22.6°2θ±0.2°2θにおいてピークをさらに含む、項目25または項目26に記載の結晶形。
(項目28)
前記回折図が実質的に図14に示されているとおりである、項目25〜27のいずれか一項に記載の結晶形。
(項目29)
約85℃の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を特徴とする、項目25〜28のいずれか一項に記載の結晶形。
(項目30)
前記DSC曲線が実質的に図15に示されているとおりである、項目25〜29のいずれか一項に記載の結晶形。
(項目31)
項目1〜30のいずれか一項に記載の化合物Iの塩または共結晶または結晶形(crytalline form)と、薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたは希釈剤とを含む、医薬組成物。
(項目32)
ACC媒介性障害を処置する方法であって、ACC媒介性障害の処置を必要とする患者に、治療有効量の項目1〜30のいずれか一項に記載の化合物Iの塩もしくは共結晶もしくは結晶形または項目31に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目33)
式(J)の化合物:
【化109】
を調製するための方法であって、
(a)式(P)の化合物:
【化110】
またはその溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(R)の化合物:
【化111】
を式(S)の化合物:
【化112】
と接触させるステップ、
(b)式(O)の化合物:
【化113】
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(P)の化合物またはその溶媒和物もしくは水和物を塩基と接触させるステップ、
(c)式(N)の化合物:
【化114】
を形成するために十分な条件下で、式(O)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を還元体および触媒と接触させるステップ、
(d)式(L)の化合物:
【化115】
を形成するために十分な条件下で、式(N)の化合物を式(M)の化合物:
【化116】
と接触させるステップ、
(e)式(K)の化合物:
【化117】
を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物を還元体と接触させるステップ、
ならびに(f)式(J)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(K)の化合物を還元体と接触させるステップ
(式中、R4は、C1−3アルキルであり、各R5は独立して、必要に応じて置換されているC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC1−6アリールである)
を含む、方法。
(項目34)
式(J)の化合物:
【化118】
を調製するための方法であって、
(a)式(P)の化合物:
【化119】
またはその溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(R)の化合物:
【化120】
を式(S)の化合物:
【化121】
と接触させるステップ、
(b)式(O)の化合物:
【化122】
またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を形成するために十分な条件下で、式(P)の化合物またはその溶媒和物もしくは水和物を塩基と接触させるステップ、
(c)式(N)の化合物:
【化123】
を形成するために十分な条件下で、式(O)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を還元体および触媒と接触させるステップ、
(d)式(L)の化合物:
【化124】
を形成するために十分な条件下で、式(N)の化合物を式(M)の化合物:
【化125】
と接触させるステップ、
ならびに(g)式(J)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物を還元体と接触させるステップ
(式中、R4は、C1−3アルキルであり、各R5は独立して、必要に応じて置換されているC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC1−6アリールである)
を含む、方法。
(項目35)
式(N)の化合物:
【化126】
(式中、R4は、C1−3アルキルである)を調製するための方法であって、
(a)式(T)の化合物:
【化127】
を形成するために十分な条件下で、式(U)の化合物:
【化128】
をヒドロキシニトリラーゼおよびシアン化水素源と接触させること、
ならびに(b)式(N)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(T)の化合物をニトリラーゼと接触させること
を含む、方法。
(項目36)
式(N)の化合物:
【化129】
を調製するための方法であって、
(a)式(V)の化合物:
【化130】
を形成するために十分な条件下で、式(P)の化合物:
【化131】
またはその溶媒和物もしくは水和物をケトレダクターゼと接触させること、
ならびに(b)式(N)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(V)の化合物を塩基と接触させること
(式中、R4は、C1−3アルキルであり、R5は、必要に応じて置換されているC1−6アルキルまたは必要に応じて置換されているC1−6アリールである)
を含む、方法。
(項目37)
式(L)の化合物:
【化132】
(式中、R4は、C1−3アルキルである)を調製する方法であって、
式(L)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(N)の化合物:
【化133】
を式(M)の化合物:
【化134】
と接触させることを含む、方法。
(項目38)
式(K)の化合物:
【化135】
(式中、R4は、C1−3アルキルである)を調製する方法であって、
式(K)の化合物を形成するために十分な条件下で、式(L)の化合物:
【化136】
を還元体と接触させることを含む、方法。
(項目39)
R4がメチルである、項目33〜38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
R5がエチルである、項目33〜34および36のいずれか一項に記載の方法。