特開2021-92137(P2021-92137A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-92137立体駐車場の利用支援装置及び支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-92137(P2021-92137A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】立体駐車場の利用支援装置及び支援方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/12 20060101AFI20210521BHJP
   E04H 6/14 20060101ALI20210521BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20210521BHJP
【FI】
   E04H6/12 A
   E04H6/14 604D
   E04H1/12 307
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-199584(P2020-199584)
(22)【出願日】2020年12月1日
(31)【優先権主張番号】特願2019-220847(P2019-220847)
(32)【優先日】2019年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】315009482
【氏名又は名称】株式会社リンク・ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 滋
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025CA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】立体駐車場の駐車スペースに貸倉庫を設置して利用するにあたり、駐車場及び貸倉庫の利用に関する情報を円滑に処理する支援装置を提供する。
【解決手段】立体駐車場の利用支援装置1を、その記憶部に契約駐車場データファイルとコンテナデータファイルと顧客データファイルとを登録し、顧客の情報処理端末2の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力する手段と、顧客の情報処理端末2からの貸倉庫の貸し出し依頼を受け付ける手段と、貸し出し依頼を受けた貸倉庫が設置された立体駐車場を作動させるための操作情報を顧客の情報処理端末2に通知する手段と、貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの操作情報を顧客の情報処理端末2に通知する手段とを備えた構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体駐車場の駐車スペースを貸倉庫として提供するための情報を処理する装置であって、通信ネットワークに接続した顧客の情報処理端末とサービスの提供に係る情報を送受信して処理する立体駐車場の利用支援装置において、
少なくとも、貸倉庫として利用される立体駐車場の所在地、駐車スペースの位置などの情報を含む契約駐車場データファイルと、
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナ又は自動車の荷室の容積、コンテナ又は自動車の識別子などの情報を含むコンテナデータファイルと、
顧客の氏名や住所、顧客の識別子などの情報を含む顧客データファイルと、を記憶部に備えるとともに、
顧客の情報処理端末の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力する手段と、
顧客の情報処理端末からの前記貸倉庫の貸し出し依頼を受け付ける手段と、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫が設置された立体駐車場を作動させるための操作情報を顧客の情報処理端末又はICカードに通知する手段と、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する車輪付きコンテナ又は自動車の操作情報を顧客の情報処理端末に通知する手段と、
を備えることを特徴とする立体駐車場の利用支援装置。
【請求項2】
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作のロック及び解除を遠隔制御するため情報を顧客の情報処理端末に通知する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の立体駐車場の利用支援装置。
【請求項3】
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの開閉扉の施錠及び開錠を遠隔制御するため情報を顧客の情報処理端末に通知する手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体駐車場の利用支援装置。
【請求項4】
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作のロック及び解除を制御するため情報をICカードに記憶させる手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の立体駐車場の利用支援装置。
【請求項5】
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの開閉扉の施錠及び開錠を制御するため情報をICカードに記憶させる手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体駐車場の利用支援装置。
【請求項6】
少なくとも、貸倉庫として利用される立体駐車場の所在地、駐車スペースの位置などの情報を含む契約駐車場データファイルと、貸倉庫を構成する車輪付きコンテナ又は自動車の荷室の容積、コンテナ又は自動車の識別子などの情報を含むコンテナデータファイルと、顧客の氏名や住所、顧客の識別子などの情報を含む顧客データファイルと、を記憶部に備えていて通信ネットワークに接続した立体駐車場の利用支援装置が、
通信ネットワークに接続した顧客の情報処理端末の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力するステップと、
顧客の情報処理端末からの貸倉庫の貸し出し依頼を受け付けるステップと、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫が配置された立体駐車場を作動させるための操作情報を顧客の情報処理端末又はICカードに通知するステップと、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの操作情報を顧客の情報処理端末に通知するステップと、
を備えることを特徴とする立体駐車場の利用支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場の空きスペースを貸倉庫として提供するための情報を処理する装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かつて都市部では、増加する自動車を駐車するための土地不足が深刻であった。その不足を補うために立体駐車場が開発され、増加する自動車への対応を、駐車スペースを立体的に構築することで解決してきた。
しかしながら、昨今シェアリングビジネスの広がりから、自動車についてもカーシェアリングの利用率が高まり、自動車を所有して使用するのではなく、シェアして使用するスタイルが定着しつつある。
【0003】
そのため、都市部の自動車所有台数は減る傾向にあり、立体駐車場の空きが目立ってきており、かつては満車だった立体駐車場が虫食い状態になってきているといっても過言ではない。
立体駐車場のうち、特に機械式立体駐車場では、機械部分のメンテナンス費用が固定的にかかるため、機械式立体駐車場の事業は採算割れする可能性が高まり、維持の危機に瀕している機械式立体駐車場も少なくないのが現状である。また、自走式立体駐車場についても虫食い状態ではコスト割れの可能性がある。
【0004】
駐車場を多目的に利用するため、平面や立体の駐車場内の自動車の駐車スペースに、物を収納するトランクボックスを設置して、前記駐車スペースを自動車以外の格納空間とした駐車装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−32556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のとおり、駐車場の駐車スペースにトランクボックスを設置して、駐車場を荷物の保管場所に利用することは従来から提案されているものの、実際の立体駐車場において、そのような利用の仕方はされていないのが実状である。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑み、立体駐車場の利用されていない駐車スペースを貸倉庫の設置スペースとして利用するにあたり、前記貸倉庫の利用を希望する利用者との間で、駐車場及び貸倉庫の利用に関する情報を円滑に処理して前記駐車スペースの利用に供することで、立体駐車場の利用率の向上が図れるようにすることを課題とする。本発明は、かかる課題解決のための立体駐車場の利用支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明は、立体駐車場の駐車スペースを貸倉庫として提供するための情報を処理する装置であって、通信ネットワークに接続した顧客の情報処理端末とサービスの提供に係る情報を送受信して処理する立体駐車場の利用支援装置において、
少なくとも、貸倉庫として利用される立体駐車場の所在地、駐車スペースの位置などの情報を含む契約駐車場データファイルと、
貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの容積、コンテナの識別子などの情報を含むコンテナデータファイルと、
顧客の氏名や住所、顧客の識別子などの情報を含む顧客データファイルと、を記憶部に備えるとともに、
顧客の情報処理端末の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力する手段と、
顧客の情報処理端末からの前記貸倉庫の貸し出し依頼を受け付ける手段と、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫が設置された立体駐車場を作動させるための操作情報を顧客の情報処理端末又はICカードに通知する手段と、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの操作情報を顧客の情報処理端末に通知する手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は前記構成の立体駐車場の利用支援装置において、貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作のロック及び解除を遠隔制御するため情報を顧客の情報処理端末に通知する手段を備えることを特徴とする。
さらに、貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの開閉扉の施錠及び開錠を遠隔制御するため情報を顧客の情報処理端末に通知する手段を備えることを特徴とする。
例えば、顧客の情報処理端末としてスマートフォンを用い、スマートフォンが装備する情報を2次元コードなどにコード変換し、情報表示画面に変換したコードを表示する機能を利用し、前記立体駐車場の利用支援装置から通知された情報を、情報表示画面に二次元コードに表示出力するように設ける。一方、車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作部や、コンテナの開閉扉に操作部に、2次元コードを読み取るスキャナーを装備させておく。顧客が前記通知された情報を2次元コードに表示出力させたスマートフォンを前記スキャナーにかざして、2次元コードを読み取らせることで、手動式ブレーキの操作が可能となるようにし、或いはコンテナの開閉扉が開錠されて、開閉扉を開けることが可能となるように構成することができる。
【0010】
立体駐車場の利用支援装置が、前記顧客の情報処理端末に車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作のロック及び解除を制御するため情報やコンテナの開閉扉の施錠及び開錠を制御するため情報を通知する手段を備えることに代えて、或いは前記手段に加えて、これらの情報を顧客に貸し出す、或いは顧客が所有するICカードに記憶させる手段を備えていてもよい。
この場合、車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作部や、コンテナの開閉扉に操作部に、ICカードに記憶させた情報を読み取る、接触又は非接触方式のカードリーダを装備させておく。そして、運営者から貸し出された、或いは顧客が所有するICカードの登録情報を、顧客が前記カードリーダに読み込ませることで、手動式ブレーキの操作を可能となるようにし、或いはコンテナの開閉扉が開錠されて、開閉扉を開けることが可能となるように構成することができる。
【0011】
また、本発明の立体駐車場の利用支援方法は、少なくとも、貸倉庫として利用される立体駐車場の所在地、駐車スペースの位置などの情報を含む契約駐車場データファイルと、貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの容積、コンテナの識別子などの情報を含むコンテナデータファイルと、顧客の氏名や住所、顧客の識別子などの情報を含む顧客データファイルと、を記憶部に備えていて通信ネットワークに接続した利用支援装置が、
通信ネットワークに接続した顧客の情報処理端末の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力するステップと、
顧客の情報処理端末からの貸倉庫の貸し出し依頼を受け付けるステップと、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫が配置された立体駐車場を作動させるための操作情報を顧客の情報処理端末に通知するステップと、
前記貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの操作情報を顧客の情報処理端末に通知するステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
前記車両付きコンテナに代えて自動車の荷室を貸倉庫として利用することも可能である。
ここでいう自動車は、物品を収納する荷室を有する自動車であり、バンやライトバンを含む貨物を運搬する貨物自動車が好適である。利用者は、保管する荷物を自動車の荷室に入れ、荷物を積んだ自動車を立体駐車場に駐車することで、駐車スペースを貸倉庫として利用する。
この場合、前記立体駐車場の利用支援装置のコンテナデータファイルは、自動車の荷室の容積、自動車の識別子などの情報を含んで構成され、前記利用支援装置には、貸し出し依頼を受けた貸倉庫を構成する自動車の操作情報を利用者の情報処理端末に通知する手段が装備される。また、貸倉庫サービスの提供にあたり、貸倉庫のサービスを営む運営者から利用者に、自動車の荷室を開閉するための鍵が貸し出される。
なお、貸倉庫として使用される自動車は、立体駐車場の駐車スペースに出し入れ可能な荷物保管空間として機能し、当該自動車が車両登録されているか否かは問わない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の立体駐車場の利用支援装置と利用者の情報処理端末を、通信ネットワークを介して接続した状態を示した図である。
図2】駐車スペースが貸倉庫として利用される立体駐車場の構成の一例を示した図である。
図3】立体駐車場の駐車スペースに設置される車輪付きコンテナの構成の一例を示した図である。
図4】立体駐車場の駐車スペースに設置される車輪付きコンテナの構成の他の例を示した図である。
図5】運営者から利用者に車輪付きコンテナの操作をするための鍵を貸し出す形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明は、立体駐車場の駐車スペースを貸倉庫の設置スペースとして利用するにあたり、利用を希望する利用者との間で利用に関する情報を処理して、貸倉庫の利用サービスを利用者に提供するためのものである。
【0015】
この利用サービスは、図1に示されるように、立体駐車場の駐車スペースに貸倉庫を設置するとともに、これを利用者に貸し出すサービスを営む運営者に支援装置1を設置し、この支援装置1にインターネットなどの通信ネットワーク3を介して利用者の情報処理端末2を接続し、支援装置1と情報処理端末2の間で駐車場及び貸倉庫の利用に関する情報を送受して、前記駐車スペースに設置された貸倉庫の利用に供するものである。
【0016】
なお、予め立体駐車場のオーナーと運営者との間で、立体駐車場内の所定の駐車スペースに車輪付きコンテナを設置して貸倉庫として利用者に貸し出す契約が交わされる。契約により立体駐車場の所在地や立体駐車場を作動操作するための情報、駐車スペースの位置やその識別子などの情報が、駐車場オーナーから運営者に通知され、通知された情報は支援装置1の記憶部に登録される。
【0017】
支援装置1は、通信ネットワーク3を介して接続した情報処理端末2にファイルやデータなどを提供する機能を有するコンピュータであり、キーボードなどのデータ入力手段と、データを表示するモニタなどの表示部と、通信回線を介してデータを送受信する通信部と、前記新たなアイテム提供サービスを実行するための各種のデータやファイル及び処理プログラムを記憶して格納する記憶部と、外部記憶媒体に格納された前記データやファイル、プログラムを読み取って前記記憶部入力する外部記憶媒体読み取り部、記憶部に格納された処理プログラムに従って前記処理部を制御する制御部などの各処理部を備えている。
支援装置1は、通信ネットワーク3にWeb情報を発信するWebサーバーとしての機能を備えており、通信ネットワーク3上に開設したウェブサイトを通じてWeb閲覧機能を備えた前記端末との間で、又は電子メールの送受信を通じて、或いは情報処理端末にダウンロードされた通話アプリによる情報の送受信を通じて、ファイルやデータなどを送受信することができるように構成してある。
【0018】
支援装置1は、運営者に設置されるスタンドアロンのコンピュータに限らず、通常、例えばサービス運営に関わる関連部署に各々設置されたコンピュータやサーバー、或いはクラウド上に設置された複数のサーバーの集合体により構成することができ、各コンピュータやサーバーが連携してサービス運営の処理がなされるように設けることができる。
【0019】
前記支援装置1は、少なくとも、契約駐車場データファイルと、コンテナデータファイルと、顧客データファイルとを記憶部に備える。
契約駐車場データファイルは、駐車スペースに貸倉庫が設置された立体駐車場の所在地、立体駐車場を作動操作するための情報、貸倉庫が設置された駐車スペースの位置やその識別子などの情報、駐車スペースの賃貸料や賃貸期間などの情報を含むデータにより構成されている。駐車場データファイルに登録される情報は、運営者が駐車オーナーとの間で賃貸契約を交わすことで入力される。
コンテナデータファイルは、貸倉庫を構成する車輪付きコンテナの容積やその識別子、各コンテナの容積別の賃貸料などの情報を含むデータにより構成されている。後述のとおり、車輪付きコンテナは、手動式ブレーキと開閉扉を備えた構成のものであり、前記手動式ブレーキの操作のロック及び解除を遠隔制御又は近接制御可能に構成されている場合はその制御するための電子情報、前記開閉扉の施錠及び開錠を遠隔制御又は近接制御可能に構成されている場合はその制御するための電子情報も、コンテナ毎でコンテナデータファイルに登録される。手動式ブレーキと開閉扉が鍵穴に鍵を差し込むことで動作するように構成されている場合には、それぞれの鍵の識別子と保管情報がコンテナ毎でコンテナデータファイルに登録される。
顧客データファイルは、顧客である利用者の氏名、メールアドレス、住所、電話番号、顧客特定コード、認証キー、パスワード、決済に関する情報などの顧客を特定するデータにより構成されている。利用者の貸倉庫の貸し出し状況(利用状況)や利用履歴に関する情報も、顧客特定コートに紐づけされてデータファイルに登録される。
その他、コンテナのメンテナンスの情報、顧客との決済や与信確認、請求管理、売上計上などの取り引きに関わる各種情報のデータファイルが記憶部に登録されている。
【0020】
情報処理端末2は、Web閲覧機能を備えた端末であり、顧客である利用者が有するスマートフォンなどの携帯可能なコンピュータ端末や、ノート型やスタンドアロン型のコンピュータを利用することができる。情報処理端末2は、前記サービス運営者の支援装置1が通信ネットワーク3上に開設するサイトに接続して、貸倉庫の利用に関する情報を送受信の送受信することができるようになっている。
【0021】
図2は、立体駐車場の駐車スペースに貸倉庫を設置した一例の態様を示している。図示した立体駐車場MPは、内部で駐車スペースが立体循環して自動車4を駐車する機械式立体駐車場であり、駐車スペースの一部に貸倉庫を構成する車輪付きコンテナ5が設置されている。
【0022】
図3は、車輪付きコンテナ5の一例の態様を示している。
図示した車輪付きコンテナ5は、車両一台分の駐車スペースに入庫して駐車可能な大きさを有する箱型の格納庫であり、その下部に車輪51,51が取り付けられ、一側の側面に設けた牽引部53を牽引操作して移動させることができるように構成してある。また、側面に開閉扉52が設けられ、開閉扉52を開けて内部に荷物を収納するとともに、開閉扉52を閉めることで内部が密閉され、収納した荷物を保管することができるようになっている。
【0023】
車輪付きコンテナ5は、図示されない手動式ブレーキを備えており、手動式ブレーキの動作を解除することで牽引移動し、ブレーキをロックすることで移動不能に停止するように設けてある。さらに、この手動式ブレーキの操作のロック及び解除が遠隔制御可能に形成されており、前記支援装置1から利用者の情報処理端末2に通知された遠隔制御するための電子情報が、当該情報処理端末2から入力させると、手動式ブレーキの操作ができるように構成してある。
また、車輪付きコンテナ5の前記開閉扉52も、その施錠及び開錠が遠隔制御可能に形成されており、前記支援装置1から利用者の情報処理端末2に通知された遠隔制御するための電子情報が、当該情報処理端末2から入力させると、開閉扉52が開錠して開閉可能となるとともに、前記電子情報の入力により開閉扉52が施錠されるように構成してある。
【0024】
図4は、車輪付きコンテナ5の他の態様を示しており、これは、車輪付きコンテナ5の内部空間を二つに仕切り、両空間に対応する開閉扉52,52を設置して、一台の車輪付きコンテナ5を二人の利用者が貸倉庫として利用することができるように構成したものである。
【0025】
同図中、符番6は開閉扉52の下側に設置可能な昇降台である。昇降台6は、立体駐車場MPのエントランスに保管しておいたり、車輪付きコンテナ5とともに前記駐車スペース内に入庫しておいたりしてもよい。
また、車輪付きコンテナ5の牽引部53に接続可能な連結部を備えた三輪車(図示せず)を利用して、車輪付きコンテナ5を牽引移動してもよい。三輪車は、前記昇降台6と同様に、立体駐車場MPのエントランスに保管したり車輪付きコンテナ5とともに駐車スペースに入庫したりすることができる。
【0026】
利用者への貸倉庫のサービスの提供は以下の、顧客登録、貸倉庫の検索、貸し出し依頼の受け付け、利用者への操作情報の通知の各手続きを経て行われる。
【0027】
〈顧客登録〉
先ず、利用者は、情報処理端末2を、運営者の支援装置1が通信ネットワーク3上に開設したウェブサイトに接続し、同サイト内の顧客登録メニューから利用者の情報を登録し、併せてサービスを受けるための会費や貸倉庫使用料の決済処理の登録を行う。顧客登録することで情報処理端末2は支援装置1との間でファイルやデータなどの取引のための各種情報の送受信が可能となる。
顧客登録は、利用者の情報を前記支援装置1の顧客データファイルに登録する処理であり、前記サイトに接続した情報処理端末2から、顧客の氏名、メールアドレス、住所などの顧客を特定するデータが支援装置1へと送信され、支援装置1は受信したデータを顧客データファイルに顧客特定コードに紐づけして登録するとともに、登録された顧客に対して認証キーとパスワードを付与し、これらを電子メールなどで利用者の情報処理端末2に通知する。使用料などの支払いに用いる利用者の決済処理の方法についても顧客データファイルに登録される。
【0028】
〈貸倉庫の検索〉
利用者が立体駐車場に設置された貸倉庫の利用を希望するときは、情報処理端末2を前記支援装置1が開設するウェブサイトに接続し、同サイト内の貸倉庫の検索メニューを選択して同メニューに移行する。
情報処理端末2が前記検索メニューを選択したことに応じて、支援装置1は、情報処理端末2の表示画面に駐車スペースを貸倉庫として提供可能な立体駐車場に関する情報を表示出力させる。
情報処理端末2に表示される立体駐車場に関する情報は、前記支援装置1の契約駐車場データファイルとコンテナデータファイルに登録された情報であり、例えば「立体駐車場1〔場所:〇〇市△△町1番地 収納容積:8m 年間使用料××円〕 立体駐車場2〔場所:〇〇市△△町5番地 収納容積 5m 年間使用料××円〕 立体駐車場3〔場所:・・・・」というように、立体駐車場の所在地、駐車スペースに設置された車輪付きコンテナ5の荷物を収納可能な容積、使用料などの情報が表示される。
同検索メニューは、情報の検索機能を備えており、利用者は情報処理端末2に表示された情報の中から、任意の情報を入力し検索して、例えば利用者が居住場所近辺の立体駐車場を検索するべく所在に関する情報を入力したり、使用料の安価な貸倉庫を見つけるべく使用料の上限額を入力したりして検索することで、利用者が希望する使用条件に合致した立体駐車場の貸倉庫を見出すことができるようになっている。
【0029】
〈貸し出し依頼の受け付け〉
情報処理端末2の表示画面に表示された貸倉庫の情報、又は検索して表示された貸倉庫の情報の中で、利用者が借りたい条件に合致したものがあるときは、その貸倉庫の表示欄をタップするなどして選択操作すると、貸し出し依頼を確認する表示画面が表示出力される。
同画面には、選択操作した貸倉庫の情報、すなわち利用する立体駐車場を特定する情報、車輪付きコンテナの収納容積の情報、使用料についての情報などとともに、利用開始日を選択入力する欄が表示出力される。利用者は同画面の表示を確認後、利用開始日を入力して、同画面中の「貸し出し依頼を確定する」欄をタップして選択操作することで運営者への貸倉庫の利用の依頼が確定し、前記確認画面に表示された情報が情報処理端末2から支援装置1へと送信される。
支援装置1は、貸し出し依頼を受け付け、貸し出しの依頼を受けた立体駐車場の特定コードと車輪付きコンテナの識別子と顧客特定コードとを、依頼確定により生成した依頼番号に紐づけてデータファイルに登録する。
支援装置1が貸し出し依頼を受け付けたならば、情報処置端末2の表示画面には、依頼を受け付けた旨の画面が表示出力される。
【0030】
〈利用者への操作情報の通知〉
利用者の情報処理端末2からの貸し出し依頼の情報が支援装置1のデータファイルに登録されたならば、支援装置1は通信ネットワーク3を介して、情報処理端末2に、前記貸し出し依頼を受けた車輪付きコンテナが設置された立体駐車場を作動させるための操作情報と、コンテナを操作するための情報を電子メールなどで通知する。
支援装置1から情報処理端末2に通知される情報には、コンテナがその手動ブレーキの操作と開閉扉の施錠及び開錠動作が遠隔制御する態様のものでは、それぞれを遠隔制御する電子情報が含まれる。
【0031】
前記操作情報が利用者の情報処理端末2に通知されることで、利用者は立体駐車場に行き、そこに設置された車輪付きコンテナを貸倉庫として利用することが可能となる。
なお、コンテナがその手動ブレーキの操作と開閉扉の施錠及び開錠動作が遠隔制御する態様のものではなく、鍵穴に鍵を差し込むことで動作するように構成されている場合には、図5に示されるように、運営者から利用者に鍵7を貸し出すことで、前記車輪付きコンテナを貸倉庫として利用することが可能となる。
また、支援装置1が、顧客の情報処理端末2に車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作のロック及び解除を制御するため情報やコンテナの開閉扉の施錠及び開錠を制御するため情報を通知する手段を備えることに代えて、或いはこの手段に加えて、これらの情報を顧客に貸し出すICカードに記憶させる手段を備えていてもよい。前記情報の記憶・登録がされたICカードが顧客に貸し出されるようにしてもよい。顧客が所有するICカードに、前記情報を登録し記憶されるようにしてもよい。
この場合、車輪付きコンテナの手動式ブレーキの操作部や、コンテナの開閉扉に操作部に、ICカードに記憶させた情報を読み取る、接触又は非接触方式のカードリーダを装備させておき、運営者から貸し出された、又は顧客が所有するICカードの登録情報を、顧客が前記カードリーダに読み込ませることで、手動式ブレーキの操作を可能となるようにし、或いはコンテナの開閉扉が開錠されて、開閉扉を開けることが可能となるように構成することができる。
【0032】
実施の形態では、貸倉庫として車輪付きコンテナを用いたが、これに代えて貨物自動車などの自動車を用いてもよい。前記図示した立体駐車場や車輪付きコンテナの形態は一例であり、本発明は他の形態の立体駐車場や車輪付きコンテナに適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 支援装置、2 情報処理端末、3 通信ネットワーク、4 自動車、5 車輪付きコンテナ、6 昇降台、7 鍵、MP 立体駐車場
図1
図2
図3
図4
図5