(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-92294(P2021-92294A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】粘性剪断式回転ダンパ
(51)【国際特許分類】
F16F 9/14 20060101AFI20210521BHJP
F16F 9/44 20060101ALI20210521BHJP
【FI】
F16F9/14 A
F16F9/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-224204(P2019-224204)
(22)【出願日】2019年12月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 謙一
(72)【発明者】
【氏名】金子 亮平
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA41
3J069EE35
(57)【要約】
【課題】良好な減衰力を得ることができる粘性剪断式回転ダンパを提供する。
【解決手段】粘性剪断式回転ダンパ1は、第1テーパー面100を有する第1部材3と、第1テーパー面100と所定の間隔を存して対向する第2テーパー面200を有し、第1部材3に対して所定の間隔を変化させずに相対的に回転自在な第2部材4と、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間に充填される粘性体と、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の隙間を調整可能に第1部材3と第2部材4とを相対的に進退させる進退機構と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1テーパー面を有する第1部材と、
前記第1テーパー面と所定の間隔を存して対向する第2テーパー面を有し、前記第1部材に対して前記所定の間隔を変化させずに相対的に回転自在な第2部材と、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間に充填される粘性体と、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の隙間を調整可能に前記第1部材と前記第2部材とを相対的に進退させる進退機構と、
を備えることを特徴とする粘性剪断式回転ダンパ。
【請求項2】
請求項1に記載の粘性剪断式回転ダンパであって、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面とは、径方向に複数設けられていることを特徴とする粘性剪断式回転ダンパ。
【請求項3】
請求項2に記載の粘性剪断式回転ダンパであって、
複数の前記第1テーパー面及び複数の前記第2テーパー面は、山部及び谷部を形成することを特徴とする粘性剪断式回転ダンパ。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の粘性剪断式回転ダンパであって、
前記第1部材及び前記第2部材を収容するケースを備え、
前記進退機構は、
前記第1部材に設けられた雌ネジと、
前記雌ネジに螺合し、前記ケースに対して回転自在に且つ進退不能に設けられた雄ネジと、
で構成されており、
前記雄ネジを回転させることで前記雌ネジを介して前記第1部材を進退させ前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の所定の間隔を調整可能であることを特徴とする粘性剪断式回転ダンパ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の粘性剪断式回転ダンパであって、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の隙間を狭めたときに押し出される前記粘性体を貯め、前記隙間を広げたときに前記粘性体を供給する貯留部を備え、
前記貯留部はダイヤフラムを備えることを特徴とする粘性剪断式回転ダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性剪断式回転ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジングとハウジング内にハウジングの内面と隙間を存して回転自在に収容された隙間形成部材との間にシリコン系未加硫ゴムが配置され、ハウジングと隙間形成部材との間で発生するシリコン系未加硫ゴムの剪断力によりハウジングと隙間形成部材との相対的な滑り運動を減衰させる粘性ダンパが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4352629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粘性剪断式回転ダンパにおいて、回転力を減衰させる対象物の種類や、製造上の寸法のばらつき、それに伴う重量のばらつき等により、対象物に対して良好な減衰力が得られない場合がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、良好な減衰力を得ることができる粘性剪断式回転ダンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記目的を達成するため、本発明の粘性剪断式回転ダンパは、
第1テーパー面を有する第1部材と、
前記第1テーパー面と所定の間隔を存して対向する第2テーパー面を有し、前記第1部材に対して前記所定の間隔を変化させずに相対的に回転自在な第2部材と、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間に充填される粘性体と、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の隙間を調整可能に前記第1部材と前記第2部材とを相対的に進退させる進退機構と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、減衰対象物の製造上のばらつきなどによって求められる適切な減衰力に変化が生じる場合であっても、進退機構で第1テーパー面と第2テーパー面との間の隙間を調整して生じる剪断力を調整することができ、最適な減衰力が得られるように設定することができる。
【0008】
[2]また、本発明においては、前記第1テーパー面と前記第2テーパー面とは、径方向に複数設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、径方向に何層も隙間を調整自在で且つ剪断力を生じさせる箇所を広げることができ、第1部材と第2部材とが相対的に回転する回転軸線方向への寸法を抑えて、粘性剪断式回転ダンパの小型化を図ることができる。
【0009】
[3]また、本発明においては、複数の前記第1テーパー面及び複数の前記第2テーパー面は、山部及び谷部を形成することが好ましい。かかる構成によれば、山部及び谷部を形成する第1テーパー面及び第2テーパー面によって、径方向に何層も隙間を調整自在で且つ剪断力を生じさせる箇所を広げることができ、第1部材と第2部材とが相対的に回転する回転軸線方向への寸法を抑えて、粘性剪断式回転ダンパの小型化を図ることができる。
【0010】
[4]また、本発明のおいては、
前記第1部材及び前記第2部材を収容するケースを備え、
前記進退機構は、
前記第1部材に設けられた雌ネジと、
前記雌ネジに螺合し、前記ケースに対して回転自在に且つ進退不能に設けられた雄ネジ(例えば、実施形態の雄ネジ部51。以下同一。)と、
で構成されており、
前記雄ネジを回転させることで前記雌ネジを介して前記第1部材を進退させ前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の所定の間隔を調整可能であるように構成することができる。
【0011】
本発明によれば、減衰対象物の製造上のばらつきなどによって求められる適切な減衰力に変化が生じる場合であっても、進退機構で第1テーパー面と第2テーパー面との間の隙間を調整して生じる剪断力を調整することができ、最適な減衰力が得られるように設定することができる。
【0012】
[5]また、本発明においては、
前記第1テーパー面と前記第2テーパー面との間の隙間を狭めたときに押し出される前記粘性体を貯め、前記隙間を広げたときに前記粘性体を供給する貯留部を備え、前記貯留部はダイヤフラムを備えることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、第1テーパー面と第2テーパー面との間の隙間を調整しても第1テーパー面と第2テーパー面との間の粘性体を適正量に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態の粘性剪断式回転ダンパを示す斜視図。
【
図2】本実施形態に粘性剪断式回転ダンパを示す断面図。
【
図6】本実施形態の第1テーパー面と第2テーパー面との間の隙間を狭めた状態を示す断面図。
【
図7】本実施形態の第1テーパー面と第2テーパー面との間の隙間を広げた状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図を参照して、本発明の粘性剪断式回転ダンパを説明する。
図1を参照して、本実施形態の粘性剪断式回転ダンパ1は、窓(図示省略)の開閉補助装置や、自動車用シートダンパなどに使用可能なものであり、円筒形状のケース2を備える。
図2を参照して、ケース2の内部には、ケース2の軸方向に順に第1部材3と、第2部材4とが配置されている。
【0016】
図2及び
図3を参照して、第1部材3は、内周面に雌ネジ31aが形成された円筒部31と、円筒部31の第2部材4側を閉塞する円板部32と、円板部32から第2部材4に向かって先細に突出するように径方向に並んで設けられた環状の第1山部101,102と、を備えている。
【0017】
図2を参照して、雌ネジ31aには、雄ネジ部51(本発明の雄ネジに相当)を備える雄ネジ部材5が螺着されている。雄ネジ部材5の第1部材3から離隔した側の端部には、径方向外側に張り出すフランジ部53が設けられている。雄ネジ部材5には、第1部材3から離隔する方向に延びる摘み部52が設けられている。
【0018】
ケース2には、雄ネジ部材5が挿入される側の端部に拡径された拡径部22が設けられており、この拡径部22によって、段部24が形成されている。フランジ部53は、この段部24に当接することで、ケース2に対して雄ネジ部材5が位置決めされている。また、拡径部22には、フランジ部53よりもケース2の端縁側に位置させて環状溝26が設けられている。この環状溝26にはスナップリング28が嵌合されており、スナップリング28によって雄ネジ部材5がケース2から脱落することを防止している。
【0019】
雄ネジ部材5には、第1部材3側に向かって開口する穴部54が設けられている。穴部54は、開口側が拡径されて段部が形成されており、この段部にゴムで形成されたダイヤフラム55の周縁が係止されている。ダイヤフラム55はワッシャ56を介して穴部54の開口縁に螺着された六角孔付き止めネジ57で穴部54からの脱落を阻止されている。ダイヤフラム55と円板部32との間の空間にはシリコーンオイル(粘性体)が充填されている。本実施形態においては、ダイヤフラム55と円板部32との間のシリコーンオイル(粘性体)が貯められた空間が貯留部70となる。
【0020】
また、雄ネジ部材5には、雄ネジ部51(雄ネジ)とフランジ部53との間に環状溝58が設けられ、この環状溝58には、Oリング59が嵌め込まれている。Oリング59は、第1部材3の円筒部31の内周面に当接してシリコーンオイル(粘性体)の漏れを防止している。
【0021】
径方向内側の第1山部102の更に径方向内側には、第2部材4に向かって先細で円錐台形状の第1山部103が設けられている。第1山部101と第1山部102との間には第1谷部104が形成され、第1山部102と第1山部103との間には第1谷部105が形成される。
【0022】
図2及び
図4を参照して、第1谷部104及び第1谷部105の底部には、円板部32を貫通して円筒部31に連通する6つの貫通孔106,107が周方向に等間隔で設けられている。貫通孔106、107は、シリコーンオイル(粘性体)が通過できるように構成されている。第1部材3の外周面には、3つの案内凸部33が周方向に等間隔で設けられており、案内凸部33がケース2の内周面に設けられた中心軸線方向に沿って延びる案内溝部(図示省略)と嵌合することにより、雄ネジ部材5と一緒に回転することが阻止されている。
【0023】
図2及び
図5を参照して、第2部材4には、第1谷部104及び第1谷部105に夫々挿入される先細で環状の第2山部201、202が設けられている。本実施形態においては、第1山部101の内周面、第1山部102の外周面及び内周面、第1山部103の外周面がそれぞれテーパー形状であり、第1テーパー面100となる。また、第2山部201の外周面及び内周面、第2山部202の外周面及び内周面がそれぞれテーパー形状であり、第1テーパー面100に対向する第2テーパー面200となる。第1テーパー面100と第2テーパー面200との間には粘度の高いシリコーンオイル(例えば、粘度が10万cSt(Centi Stokes)〜100万cStの粘性体。)が充填されている。第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の間隔は、シリコーンオイル(粘性体)から剪断力を得られるように所定の間隔で設定されている。
【0024】
図5を参照して、第2山部201、202には、それぞれ3つのスリット201a,202aが等間隔で且つスリット201aとスリット202aとが径方向で位置が重ならないように設けられている。第2山部201、202にスリット201aとスリット202aを設けることにより、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間に隙間なくシリコーンオイル(粘性体)を充填することが容易となる。
【0025】
第2部材4の外周面には、環状溝41が形成されている。環状溝41には、Oリング42が嵌め込まれている。
図2に示すように、Oリング42は、第1山部5の内周面に当接してシリコーンオイル(粘性体)の漏れを防止している。
【0026】
ケース2の第2部材4側の端部には、内径が縮径された縮径部29が設けられている。縮径部29と第2部材4との間には、回転部分の荷重負荷位置に滑り易く且つ偏心し難くすべく筒状のブッシュ43が設けられている。第2部材4は、ケース2内で回転自在に配置されており、これにより、第2部材4は、ケース2に対して回り止めされた第1部材3に対して相対的に回転自在となっている。
【0027】
第2部材4には、第1部材3から離隔する方向に開口を有する穴部44が設けられている。この穴部44には、ワンウェイクラッチ45を介して断面正方形状の貫通孔を有する筒状の接続部材46が挿入されている。
【0028】
接続部材46の貫通孔には、窓(図示省略)に接続されたチェーン(図示省略)が巻き掛けられるスプロケットの回転軸が嵌合される。そして、排煙装置が作動して窓(図示省略)が自重で開こうとするときは、チェーン(図示省略)、スプロケット(図示省略)、接続部材46、ワンウェイクラッチ45を介して、第2部材4に回転する力が働き、第2部材4が回転しようとするが、第1部材3の第1テーパー面100と第2部材4の第2テーパー面200との間のシリコーンオイル(粘性体)の剪断力が作用することにより、窓(図示省略)がゆっくりと開く。逆に窓を閉じようとするときには、ワンウェイクラッチ45の働きで、接続部材46が回転しても第2部材4が回転しないため、剪断力が発生せず、窓(図示省略)を容易に閉めることができる。
【0029】
次に、
図6及び
図7を参照して、本実施形態の粘性剪断式回転ダンパ1の作動について説明する。本実施形態の粘性剪断式回転ダンパ1では、摘み部52を捻ることにより、第1部材3を第2部材4に対して進退させることができる。本実施形態においては、雄ネジ部材5と雌ネジ31aとが進退機構に該当する。これにより、
図6に示すように、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の距離が狭くなった場合には、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間のシリコーンオイル(粘性体)は、貫通孔106,107を通ってダイヤフラム55と円板部32との間の貯留部70へと押し出され、ダイヤフラム55が膨らむ。
【0030】
逆に、
図7に示すように第1部材3が第2部材4に対して後退して、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の距離が広くなった場合には、ダイヤフラム55の自己復元力によって、貯留部70内のシリコーンオイル(粘性体)が貫通孔106,107から押し出されて、シリコーンオイル(粘性体)が第1テーパー面100と第2テーパー面200との間に供給される。
【0031】
本実施形態の粘性剪断式回転ダンパ1によれば、窓(減衰対象物)の種類や、製造上のばらつきによる個体重量の微細な差などによって、窓に求められる適切な減衰力に変化が生じる場合であっても、摘み部52を捻って第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の隙間を調整して生じる剪断力を調整することができ、最適な減衰力が得られるように設定することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、第1テーパー面100と第2テーパー面200とが、第1山部101の内周面、第1山部102の外周面と内周面、第1山部103の外周面、第2山部201の外周面と内周面、第2山部202の外周面と内周面、と径方向に複数設けられている。この構成により、第1部材3と第2部材4との間で、径方向に何層も剪断力を生じさせる箇所を広げることができ、第1部材3と第2部材4とが相対的に回転する回転軸線方向への寸法を抑えて、粘性剪断式回転ダンパ1の小型化を図ることができる。
【0033】
また、ダイヤフラム55が弾性変形可能に構成されているため、シリコーンオイルを充填した時にダイヤフラム55が膨らむことができ、ダイヤフラム55が膨らんでいない状態で且つ隙間が最大のときのシリコーンオイルの充填率を100%として、ダイヤフラム55が膨らむ分だけシリコーンオイルを充填させることができ、シリコーンオイルの充填率を100%以上とすることができる。
【0034】
また、隙間にシリコーンオイルを多く充填しすぎても、ダイヤフラム55が膨らんで隙間からあふれた分を吸収するため、組み立て作業が容易となる。
【0035】
また、シリコーンオイル充填時、シリコーンオイルを圧縮しながら雄ネジ部材5を締めて組み付けるため、ダイヤフラムがない場合はシリコーンオイルを圧縮するための力が大きくなる。しかし、ダイヤフラム55を設けたことでダイヤフラム55が圧縮力を吸収するため組みつけが容易となっている。特に本実施形態のシリコーンオイルは粘度が高く圧縮力が非常に大きいため有用である。
【0036】
また、シリコーンオイルに多少気泡が含まれていると、一部、気泡がせん断されることになり、減衰力が不安定になることがある。ダイヤフラム55を設け100%以上のシリコーンオイルを充填した場合、膨らんだダイヤフラム55が元の形状に戻ろうとする圧力がシリコーンオイル充填空間に伝わり、シリコーンオイルに多少含まれた気泡の体積を減らすことができるため、減衰力を安定させることができる。
【0037】
雄ネジ部材5を素早く回転させてシリコーンオイルの圧力が急激に上昇してもダイヤフラム55が膨らんで他の部材の負荷を軽減することができるため、破損予防となる。
【0038】
なお、粘性剪断式回転ダンパ1の回転軸線方向への小型化を図れないものの、第1テーパー面100と第2テーパー面200とを、径方向に複数設けなくてもよく、これによっても「最適な減衰力が得られるように設定することができる」という本発明の作用効果を得ることができる。
【0039】
また、本実施形態においては、進退機構として雌ネジ31aと雄ネジ部材5とで構成されるものを説明したが、本発明の進退機構はこれに限らない。例えば、雄ネジ部材5に代えて第1部材と接触する傾斜したカム面を有するスライド部材を設け、スライド部材を回転軸線方向に直行する方向にスライドさせた分だけ、第1部材が第2部材に対して進退するように進退機構を構成してもよい。
【0040】
また、本実施形態ではダイヤフラム55を有する貯留部70が設けられているため、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間の隙間を調整しても第1テーパー面100と第2テーパー面200との間のシリコーンオイル(粘性体)を適正量に維持することができ、第1テーパー面100と第2テーパー面200との間に隙間なくシリコーンオイル(粘性体)を充満させておくことができる。
【0041】
なお、本実施形態においては、粘性体としてシリコーンオイルを用いて説明したが、本発明の粘性体は、シリコーンオイルに限らず、剪断力が得られる粘性体であれば、他のものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 粘性剪断式回転ダンパ
2 ケース
3 第1部材
4 第2部材
5 雄ネジ部材
22 拡径部
24 段部
26 環状溝
28 スナップリング
29 縮径部
31 円筒部
31a 雌ネジ
32 円板部
33 案内凸部
41 環状溝
42 Oリング
43 ブッシュ
44 穴部
45 ワンウェイクラッチ
46 接続部材
51 雄ネジ部(雄ネジ)
52 摘み部
53 フランジ部
54 穴部
55 ダイヤフラム
56 ワッシャ
57 六角孔付き止めネジ
58 環状溝
59 Oリング
70 貯留部
100 第1テーパー面
101 第1山部
102 第1山部
103 第1山部
104 第1谷部
105 第1谷部
106 貫通孔
107 貫通孔
200 第2テーパー面
201 第2山部
201a スリット
202 第2山部
202a スリット