特開2021-93022(P2021-93022A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-93022(P2021-93022A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】操作レバーシステム
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20210521BHJP
   F16F 9/46 20060101ALI20210521BHJP
   F16F 9/53 20060101ALI20210521BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20210521BHJP
   E02F 9/16 20060101ALI20210521BHJP
【FI】
   G05G5/03 A
   F16F9/46
   F16F9/53
   G06F3/0338
   E02F9/16 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-223848(P2019-223848)
(22)【出願日】2019年12月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】尾臺 泰平
【テーマコード(参考)】
2D015
3J069
3J070
5B087
【Fターム(参考)】
2D015EB01
3J069DD25
3J069DD47
3J069EE35
3J070AA04
3J070BA19
3J070BA51
3J070CB01
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA21
5B087AA09
5B087AB02
5B087BC02
5B087BC34
(57)【要約】
【課題】MRFデバイスの残留磁気による影響を抑制して操作レバーに精度良くトルクを与えると共に、操作レバーの操作感をリアルタイムに実現できる操作レバーシステムを提供する。
【解決手段】作業機械を操作するための操作レバー1と、電源からの印加電圧により電磁コイルを通電して発生する磁界の大きさによって粘度が変化する磁気粘性流体を用いて操作レバー1に操作抵抗となるトルクを付与するための磁気粘性流体デバイス部2と、操作レバー1に付与するトルクに対応するトルク指令を設定するトルク設定手段3と、トルク設定手段3からのトルク指令に基づいて操作レバー1に付与するトルクを制御する制御部4と、を備え、制御部4は、トルクを現状のトルクよりも小さくする場合に、現状のトルクより小さいトルクのトルク指令信号に対応する印加電圧を、現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械を操作するための操作レバーと、電源からの印加電圧により電磁コイルを通電して発生する磁界の大きさによって粘度が変化する磁気粘性流体を用いて前記操作レバーに操作抵抗となるトルクを付与するための磁気粘性流体デバイス部と、前記操作レバーに付与するトルクに対応するトルク指令を設定するトルク設定手段と、該トルク設定手段からのトルク指令に基づいて前記操作レバーに付与するトルクを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、トルクを現状のトルクよりも小さくする場合に、該現状のトルクより小さいトルクのトルク指令信号に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加することを特徴とする操作レバーシステム。
【請求項2】
前記制御部は、トルクを現状のトルクよりも小さいトルクにする場合に、該現状のトルクより小さいトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性と逆にした印加電圧の絶対値を、小さいトルクに対する電圧として扱うことを特徴とする請求項1に記載の操作レバーシステム。
【請求項3】
前記制御部は、トルクを現状のトルクよりも小さいトルクである第1トルクにする場合に、前記現状のトルクよりも小さく、かつ、前記第1トルクよりも大きなトルクである第2トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加してから、前記第1トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の操作レバーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーに操作抵抗となるトルクを付与するための操作レバーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子機器等への入力装置の一つである操作レバーに磁気粘性流体デバイス(MRFデバイス)を用いることによって、操作レバーに操作抵抗を付与するものが提案されている(特許文献1参照)。この磁気粘性流体は、例えば、強磁性粒子(カルボニル鉄)をオイル中に分散させたものであり、磁力を加えていない状態では粘度が非常に低い流体(ニュートン流体)であるが、外部から磁力が加わると、磁力の大きさにより粘度が変化する(粘度が高い)流体(ビンガム流体)としての性質を持つようになる。
【0003】
また、建設機械では、操作レバーにハプティクス技術(触覚技術)を適用してアームやバケット等の操作状態を作業者へ感覚的に訴えるために、前述したMRFデバイスを用いて操作レバーにトルクを与えて操作レバーの操作抵抗を制御することが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−111464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、各種センサ技術の進歩に伴って、建設機械をはじめ、操作対象である全体的なシステム及びその周辺の状態を様々な形で検出できるようになりつつある。よって、操作レバーの操作抵抗を段続的に変更させることにより、操作対象の状態を作業者にリアルに知覚させるなど、作業者への感覚的なフィードバック方法について多様化が要望されている。しかし、操作レバーの操作抵抗を変更する際、MRFデバイスの残留磁気の影響により、所望のトルクに設定するのが難しい。このため、MRFデバイスの残留磁気を一旦消磁してから所望のトルクに設定するなど、操作抵抗をリアルタイムに変更できず操作レバーの操作感を損なう可能性がある。
【0006】
また、建設機械は、複数の作業者によって操縦されることが多いため、操作対象の状態に対応する感覚的なフィードバックの強さを作業者に応じて変更したり、操作レバーに付与する操作抵抗(操作レバーの操作感)を各々の作業者の好みに応じて設定したりすることで、操作性や作業性を向上することが要望されている。
【0007】
そこで本発明は、MRFデバイスの残留磁気による影響を抑制して操作レバーに精度良くトルクを与えると共に、操作レバーの操作感をリアルタイムに実現できる操作レバーシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の操作レバーシステムは、作業機械を操作するための操作レバーと、電源からの印加電圧により電磁コイルを通電して発生する磁界の大きさによって粘度が変化する磁気粘性流体を用いて前記操作レバーに操作抵抗となるトルクを付与するための磁気粘性流体デバイス部と、前記操作レバーに付与するトルクに対応するトルク指令を設定するトルク設定手段と、該トルク設定手段からのトルク指令に基づいて前記操作レバーに付与するトルクを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、トルクを現状のトルクよりも小さくする場合に、該現状のトルクより小さいトルクのトルク指令信号に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、電磁コイルを通電すると、磁界が発生し、この磁界によって磁気粘性流体内の強磁性粒子が磁化される。これにより、磁気粘性流体の粘度が通電前よりも高く(大きく)なることで、操作レバーに操作抵抗が付与され、操作レバーに操作抵抗となるトルクを設定することができる。そして、トルクが設定された後に、操作レバーの操作感を設定されたトルクにおける操作感よりも重くしたい場合には、トルク設定手段で設定されたトルクよりも大きいトルクに対応するトルク指令を与える。制御部は、与えられたトルク指令に基づいて、このトルクに対応する電圧を印加することで通電により発生する磁場が強められ、設定されたトルクの時よりも大きい操作抵抗となるトルクを付与される。よって、作業者は設定されたトルクの時よりも操作レバーの操作感が重く感じられる。これとは反対に、操作レバーの操作感を設定されたトルクにおける操作感よりも軽くしたい場合には、トルク設定手段でトルクよりも小さいトルクに対応するトルク指令を与える。制御部は、与えられたトルク指令に基づいて、このトルクに対応する電圧を印加することで通電により発生する磁場が弱められ、設定されたトルクの時よりも小さい操作抵抗になるトルクを付与される。よって、作業者は設定されたトルクの時よりも操作レバーの操作感が軽く感じられる。しかし、この場合は、残留磁気の影響により所望のトルクまで小さくならず、操作レバーの操作感を損なう可能性がある。そこで、トルクを現状のトルクよりも小さくする場合には、現状のトルクより小さいトルクのトルク指令信号に対応する印加電圧を、現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加することで、残留磁気を抑制できる。よって、操作レバーに精度良くトルクを与えることができる。
【0010】
また、本発明の操作レバーシステムは、前記制御部が、トルクを現状のトルクよりも小さいトルクにする場合に、該現状のトルクより小さいトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性と逆にした印加電圧の絶対値を、小さいトルクに対する電圧として扱う構成であってもよい。
【0011】
トルクを現状のトルクよりも小さいトルクにする場合に、制御部は、現状のトルクより小さいトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性と逆にした印加電圧の絶対値を、小さいトルクに対する電圧として扱うことで、残留磁気の影響を抑制しつつ、操作レバーの操作感をリアルタイムに実現できる。
【0012】
また、本発明の操作レバーシステムは、前記制御部が、トルクを現状のトルクよりも小さいトルクである第1トルクにする場合に、前記現状のトルクよりも小さく、かつ、前記第1トルクよりも大きなトルクである第2トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加してから、前記第1トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加する構成であってもよい。
【0013】
トルクを現状のトルクよりも小さいトルクである第1トルクにする場合に、制御部は、第1トルクよりも大きなトルクである第2トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加してから、前記第1トルクのトルク指令に対応する印加電圧を、該現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性に対して極性を逆にした状態で印加する。このように複数段階で極性を逆にした印加電圧を加えることによって、残留磁気の影響を抑制しつつ、操作レバーの操作感をリアルタイムに実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トルク設定手段により設定されたトルク設定値を下げる場合に、変更後のトルク値に対応する逆電圧を磁気粘性流体部に付与するための制御部を設けることによって、MRFデバイスの残留磁気による影響を抑制して操作レバーに精度良くトルクを与えると共に、操作レバーの操作感をリアルタイムに実現できる操作レバーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の操作レバーシステムの構成を示すブロック図である。
図2】電圧を加えた時のトルクの関係を示すヒステリシス曲線を示すグラフである。
図3】操作状態1及び操作状態2におけるトルクと電圧の関係を示す2つのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る操作レバーシステムの一実施形態を、図面に基づいて説明を行う。ここでは、建設用機械用の操作レバーシステムについて説明する。
【0017】
操作レバーシステムは、図1に示すように、建設機械を操作するための操作レバー1と、操作レバー1に操作抵抗となるトルクを付与するためのMRFデバイス2(磁気粘性流体デバイス部)と、操作レバー1に付与するトルクに対応するトルク指令を設定するトルク設定手段3と、トルク指令に基づいて操作レバー1に付与するトルクを制御する制御部4と、制御部4に電力を供給するための電源となる電力供給部5と、を備えている。
【0018】
建設機械の一例である油圧ショベル(バックホーともいう)は、操縦を行うキャビンと、アタッチメントであるブーム、アーム、バケット等のアタッチメントと、アタッチメントを動かすためのバケットシリンダと、アームシリンダと、ブームシリンダと、を備えている。そして、バケットシリンダ、アームシリンダ、ブームシリンダが、操作レバーによって伸縮動作される。そして、ポテンショメータにより検出される操作レバーの操作量(角度)に基づいて、アーム、ブーム、バケットの動作速度を変更する。建設機械としては、油圧ショベルの他、ホイールローダー、ブルドーザ等が挙げられる。
【0019】
本実施形態で用いられるMRFデバイス2は、公知のものであり、強磁性粒子を作動油などの粘性流体中に分散させた磁気粘性流体であるMRF(Magneto Rheological Fluid)が封入されたケースと、ケースを囲むように配置された電磁コイルと、を備えている。そして、制御部4により電磁コイルを通電して発生する磁界(磁場)の大きさによって粘度が変化するように構成されている。そして、MRFデバイス2が操作レバー1の操作軸に装着されて、操作レバー1に操作抵抗となるトルクを付与する。
【0020】
トルク設定手段3は、建設機械内に設けられた上位システム(図示せず)や建設機械外に設けられた遠隔操作機器(例えばリモートコントローラ)などであり、CAN通信や無線通信などにより制御部4にトルク指令を入力する。
【0021】
制御部4は、所望のトルクに対応するトルク指令が入力されると、MRFデバイス2にそのトルクに対応する電圧を印加して電磁コイルを通電する。例えば、図2に示すように、制御部4にトルクT1に対応するトルク指令が入力されると、MRFデバイス2に電圧V1を印加して電磁コイルを通電する。この通電により発生する磁界の大きさによりMRFデバイス2のMRFの粘度を変化させ、操作レバー1に操作抵抗となるトルクT1が付与される。
【0022】
ところで、建設機械は、複数の作業者が操作することが多いため、操作対象の状態に対応する感覚的なフィードバックの強さを作業者に応じて変更したり、作業者毎に操作レバーに付与する操作抵抗(操作レバーの操作感)を好みに設定したい場合がある。例えば、第1番目に建設機械を操作する作業者が、操作レバー1の操作感を前記設定されたトルクT1における操作感よりも重くしたい場合には、トルク設定手段3でトルクT1よりも大きいトルクに対応するトルク指令を与える。制御部4は、与えられたトルク指令に基づいて、このトルクに対応する電圧(電圧V1より大きい電圧)を印加することで通電により発生する磁場が強められ、トルクT1の時よりも大きい操作抵抗となるトルクを付与される。よって、作業者はトルクT1の時よりも操作レバー1の操作感が重く感じられる。
【0023】
また、第2番目に建設機械を操作する作業者が、操作レバー1の操作感をトルクT1における操作感よりも軽くしたい場合には、トルク設定手段3でトルクT1よりも小さいトルクに対応するトルク指令を与える。制御部4は、与えられたトルク指令に基づいて、このトルクに対応する電圧(電圧V1より小さい電圧)を印加することで通電により発生する磁場が弱められ、トルクT1の時よりも小さい操作抵抗になるトルクを付与される。よって、作業者はトルクT1の時よりも操作レバー1の操作感が軽く感じられる。しかし、この場合は、残留磁気の影響により所望のトルクまで小さくならず、操作レバー1の操作感を損なう可能性がある。例えば、図2に示すように、印加電圧をトルクT1に対応する電圧V1からトルクT3に対応する電圧V3まで下げた場合、残留磁気の影響により下側の曲線L1を辿ってトルクが減少するのではなく、上側の曲線L2を辿ってトルクが減少するため、トルクT2までしか下がらない。
【0024】
そこで、トルクを現状より小さくする場合には、現状のトルクのトルク指令に対応する印加電圧と現状のトルクより小さいトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性が逆になるように印加することで、残留磁気を抑制できる。例えば、図3の操作状態1のように、トルクT1に対応する電圧V1からトルクT3に対応する電圧V3まで下げる際、電圧V1の極性に対して極性を逆にした電圧(ここでは電圧−V3)をMRFデバイス2に印加することにより残留磁気を瞬間的に消磁する。これにより、図2に示すように、残留磁気の影響を速やかに抑制でき、曲線L2でなく曲線L3のように曲線L1に近づくようにトルクが減少するため、所望のトルクT3に変更することができる。よって、操作レバー1に精度良くトルクを与えることができる。
【0025】
また、トルクを現状より連続的に小さくする場合には、制御部4において、電圧の絶対値変換回路など(図示せず)を実装して、現状のトルクより小さいトルクのトルク指令に対応する印加電圧の極性と逆にした印加電圧の絶対値を、小さいトルクに対する電圧として扱って制御対象とすることで、MRFデバイス2の残留磁気の影響を抑制しつつ、操作レバー1の操作感をリアルタイムに実現できる。例えば、図3の操作状態2のように、現状のトルクT1からトルク(第1トルク)T3まで連続的に小さくする際、まず、現状のトルクT1よりも小さく、かつ、トルク(第1トルク)T3よりも大きなトルクであるトルク(第2トルク)T2にする。この時、電圧V1に対して極性を逆にした電圧(ここでは電圧−V2)をMRFデバイス2に印加し、制御部4において電圧−V2の絶対値である電圧V2をトルクT2に対する電圧として扱って制御対象とする。次に、トルク(第2トルク)T2からトルク(第1トルク)T3にする。この時、電圧V1に対して極性を逆にした電圧(ここでは電圧−V3)をMRFデバイス2に印加し、制御部4において電圧−V3の絶対値である電圧V3をトルクT3に対する電圧として扱って制御対象とする。これにより、複数段階で極性を逆にした印加電圧を加えることによって、MRFデバイス2の残留磁気を抑制しつつ、操作レバー1の操作感をリアルタイムに実現できる。
【0026】
尚、本発明に係る操作レバーシステムは、上記実施形態に限定されるものではなく、建設機械以外の作業機械の操作レバーにも適用可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0027】
例えば、トルク設定手段3により設定されたトルクを表示できるトルク表示部を設けて実施してもよい。この場合、作業者毎に自分に適したトルク値を記憶させる記憶部を備え、作業者が操作する度に記憶部から記憶したトルク値を読みだして、そのトルク値を設定してもよい。
【0028】
前記実施形態では、現状のトルクよりも小さい第1トルクにする場合に、現状のトルクよりも小さく、かつ、第1トルクよりも大きなトルクである第2トルクにしてから、第1トルクにしたが、現状のトルクよりも小さい第1トルクにする場合に、現状のトルクよりも小さく、かつ、第1トルクよりも大きなトルクである第2トルクにし、第2トルクから第2トルクよりも小さく、かつ、第1トルクよりも大きなトルクである第3トルクにしてから、第1トルクにしてもよく、要するに、複数段階にトルクを変更して最終の第1トルクにする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0029】
1…操作レバー、2…MRFデバイス(磁気粘性流体デバイス部)、3…トルク設定手段、4…制御部、5…電力供給部、L1,L2,L3…曲線、T1〜T3…トルク、V1,V2,V3…電圧
図1
図2
図3