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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-93295(P2021-93295A)
(43)【公開日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】電動工具用電池パック、及び電動工具
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20210521BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20210521BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/10 F
   H01M2/10 U
   H01M2/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-223238(P2019-223238)
(22)【出願日】2019年12月10日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】林 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀規
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆俊
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB08
5H012CC10
5H012DD01
5H012DD07
5H012GG01
5H012JJ03
5H040AA33
5H040AA34
5H040AS19
5H040AT01
5H040AY08
5H040CC12
5H040CC20
5H040DD08
5H040GG27
5H040JJ03
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】電池セルから噴出された噴出物によって他の電池セルが破損されることを抑制しつつ、噴出物が外に排出されることを抑制できる電動工具用電池パックを提供する。
【解決手段】電動工具用電池パック3は、複数の電池セル33と、電池ケース32と、を備えている。複数の電池セル33は、互いに同方向(軸方向P1に平行な方向)に向いた端面33aを有する。電池ケース32は、複数の電池セル33を収容する。電動工具用電池パック3は、電池ケース32の内部において、複数の電池セル33の各々の端面33aの正面側に、複数の電池セル33の少なくとも1つの端面33aから噴出される噴出物を収容する噴出物収容空間S2を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同方向に向いた端面を有する複数の電池セルと、
前記複数の電池セルを収容する電池ケースと、を備え、
前記電池ケースの内部において、前記複数の電池セルの各々の前記端面の正面側に、前記複数の電池セルの少なくとも1つの前記端面から噴出される噴出物を収容するための噴出物収容空間を有する、
電動工具用電池パック。
【請求項2】
前記電池ケースの内部に設けられ、前記複数の電池セルの少なくとも1つから噴出されたガスが流れるガス排出経路を有し、
前記ガス排出経路は、前記噴出物収容空間における前記複数の電池セルとは反対側において、前記噴出物収容空間と繋がるように設けられている、
請求項1に記載の電動工具用電池パック。
【請求項3】
前記ガス排出経路に設けられ、前記噴出物を遮断して前記ガスを通過させるフィルタを有する、
請求項2に記載の電動工具用電池パック。
【請求項4】
前記電池ケースは、返し構造を有し、
前記返し構造は、前記端面の向く方向から見て、前記噴出物収容空間を囲む枠部と、
前記枠部における前記ガス排出経路の側の開口縁から前記枠部の内側に突出した突出壁部と、を有する、
請求項2又は3に記載の電動工具用電池パック。
【請求項5】
前記枠部は、前記端面が向く方向から見て、前記複数の電池セルを囲んでいる、
請求項4に記載の電動工具用電池パック。
【請求項6】
前記枠部と前記突出壁部との間の隅部は、曲面である、
請求項4又は5に記載の電動工具用電池パック。
【請求項7】
前記噴出物収容空間は、前記複数の電池セルの各々の端面を覆っている、
請求項1〜6の何れか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項8】
前記電池ケースは、前記複数の電池セルを収容する電池セル収容空間と前記噴出物収容空間とを仕切る仕切壁部を有し、
前記仕切壁部は、貫通孔を有し、
前記貫通孔を塞ぐように配置され、前記電池ケースよりも破断し易いシート材を備える、
請求項1〜7の何れか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項9】
前記仕切壁部は、前記複数の電池セルの各々の前記端面の側の端部が引っ掛かる複数の引掛部を有する、
請求項8に記載の電動工具用電池パック。
【請求項10】
前記電池ケースは、前記複数の電池セルの各々の周囲に断熱空間を有する、
請求項1〜9の何れか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項11】
前記複数の電池セルの各々は、両側に前記端面を有し、
前記フィルタは、前記複数の電池セルの前記両側の端面の各々の正面の側に配置されている、
請求項1〜10の何れか1項に記載の電動工具用電池パック。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の電動工具用電池パックと、
前記電動工具用電池パックから供給される電力で動作する電動工具本体と、を備える、
電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具用電池パック、及び電動工具に関する。より詳細には、本開示は、電池セルを備えた電動工具用電池パック、及びこの電動工具用電池パックを用いた電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電動工具に用いられる電池パックを開示する。この電池パックは、二次電池セルと、二次電池セルを収容する電池ケースと、電池ケースに設けられた弁とを備えている。弁は、二次電池セルから噴出されたガスによって、電池ケースの内圧が所定内圧値を超えると、開弁する。これにより、二次電池セルから噴出されたガスが弁から外に排出される。この結果、二次電池セルから噴出されたガスによって、電池ケースの内圧が所定内圧を超えることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−143507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電池パックでは、二次電池セルから噴出物が噴出された場合、その噴出物は、弁から外に噴出される。二次電池セルから噴出されたガスは、電池パックの外に排出されることが望ましいが、二次電池セルから噴出された噴出物は、電池パックの外に排出されないことが望ましい。また、噴出物を電池パック内に溜めた場合、噴出物が他の二次電池セルと接触して他の二次電池セルを破損させる場合がある。
【0005】
本開示の目的は、電池セルから噴出された噴出物によって他の電池セルが破損されることを抑制しつつ、噴出物が外に排出されることを抑制できる、電動工具用電池パック、及び電動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の電動工具用電池パックは、複数の電池セルと、電池ケースと、を備えている。前記複数の電池セルは、互いに同方向に向いた端面を有する。前記電池ケースは、前記複数の電池セルを収容する。前記電動工具用電池パックは、噴出物収容空間を有する。前記噴出物収容空間は、前記電池ケースの内部において、前記複数の電池セルの各々の前記端面の正面側に、前記複数の電池セルの少なくとも1つの前記端面から噴出される噴出物を収容する。
【0007】
本開示の一態様の電動工具は、前記電動工具用電池パックと、電動工具本体と、を備える。前記電動工具本体は、前記電動工具用電池パックから供給される電力で動作する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電池セルから噴出された噴出物によって他の電池セルが破損されることを抑制しつつ、噴出物が外に排出されることを抑制できる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電池パックを備えた電動工具の模式的な構成を示す構成図である。
図2図2は、同上の電池パックを一部省略して示す外観斜視図である。
図3図3は、図2のX1−X1線断面図である。
図4図4は、図3の部分拡大図である。
図5図5は、同上の電池パックの分解斜視図である。
図6図6は、同上の電池パックの端面を示す正面図である。
図7図7は、同上の電池パックから噴出されたガスの流れを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について説明する。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
図1図7を参照して、本実施形態に係る電動工具用電パック(以下、電池パックと記載する。)を備えた電動工具10について説明する。
【0012】
図1を参照して、電動工具10の概要を説明する。図1に示すように、電動工具10は、先端工具7をモータ1の駆動力で駆動することで、電動で先端工具7を駆動する工具である。電動工具10は、電動工具本体2と、電池パック3とを備えている。電動工具本体2は、モータ1と、駆動伝達部4と、出力軸部5と、チャック6と、先端工具7と、トリガ8と、制御部9と、接続部12とを備えている。
【0013】
モータ1は、先端工具7を駆動する駆動源である。電池パック3は、モータ1を駆動するための電力を供給する直流電源であり、充放電可能な二次電池等で構成されている。電池パック3は、電動工具本体2に着脱可能に取り付けられる。電池パック3は、電動工具本体2に取り付けられた状態で、電動工具本体2に設けられた接続部12に電気的に接続される。電池パック3は、接続部12を介して電動工具本体2に電力を供給する。
【0014】
駆動伝達部4は、モータ1の出力(駆動力)を減速して出力軸部5に出力する。出力軸部5は、駆動伝達部4から出力された駆動力で駆動(例えば回転)される部分である。チャック6は、出力軸部5に固定されており、先端工具7が着脱自在に取り付けられる部分である。先端工具7(ビットとも言う)は、ドライバ、ソケット又はドリル等、用途に応じた形に形成されている。各種の先端工具7のうち用途に応じた先端工具7が、チャック6に取り付けられて用いられる。
【0015】
トリガ8は、モータ1の回転速度を操作するための操作部である。トリガ8でモータ1のオン又はオフが切替可能である。また、トリガ8の操作量で、出力軸部5の単位時間当たりの回転速度、つまりモータ1の回転速度が調整可能である。制御部9は、トリガ8に入力された操作に応じて、モータ1を駆動又は停止させ、また、モータ1の回転速度を制御する。
【0016】
(電池パック3)
図2及び図3を参照して、電池パック3の概要を説明する。電池パック3は、電動工具本体2(図1参照)に電力を供給するための蓄電装置である。電池パック3は、外郭ケース31(図1参照)と、電池ケース32と、複数の電池セル33(図3参照)と、接続回路34と、噴出物遮断フィルタ35(図3参照)とを備えている。
【0017】
なお、本実施形態では、電池ケース32及び複数の電池セル33の各々の軸方向は、互いに一致している。このため、それらの軸方向を、共通の符号を用いて軸方向P1と記載する。
【0018】
外郭ケース31は、電池パック3における外郭ケース31以外の構成要素(電池ケース32、複数の電池セル33、及び接続回路34)を収容する外郭である。
【0019】
複数の電池セル33はそれぞれ、充放電可能な二次電池である。電池セル33は、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、又はニッケル水素蓄電池などである。複数の電池セル33は、互いに電気的に直列又は並列に接続されている。電池セル33は、軸方向P1の両側に、例えば円形の両端面33a,33bを有する(図3参照)。複数の電池セル33の各々の一側の端面33aは、それぞれ同方向を向いている。また、複数の電池セル33の各々の他側の端面33bは、それぞれ同方向を向いている。すなわち、複数の電池セル33は、両側にそれぞれ、互いに同方向に向いた端面33a,33bを有する。各電池セル33の両端面33a,33bのうちの一方に正極が設けられ、他方に負極が設けられている。なお、複数の電池セル33は、それらの同じ側の端面33aの全てに正極が配置するか又は負極が配置するように並べられてもよいし、又は、それらの同じ側の端面33aにおいて、隣り合う端面33aの間で正極と負極とが交互に配置するように並べられてもよい。
【0020】
電池ケース32は、複数の電池セル33及び噴出物遮断フィルタ35を収容するケースである。電池ケース32は、例えば略四角柱形の筐体である。電池ケース32は、例えば合成樹脂で形成されている。電池ケース32は、内部に、電池セル収容空間S1と、噴出物収容空間S2と、ガス排出経路S3とを有する(図3参照)。
【0021】
電池セル収容空間S1は、複数の電池セル33が収容される空間である。電池セル収容空間S1は、電池ケース32における軸方向P1の中央に配置されている。
【0022】
噴出物収容空間S2は、複数の電池セル33から噴出された噴出物を収容する空間である。噴出物は、電池セル33の異常時に、電池セル33の内容物が溶融した状態で噴出された物質である。噴出物収容空間S2は、電池セル収容空間S1における軸方向P1の両側にそれぞれ配置されている。すなわち、噴出物収容空間S2は、複数の電池セル33の各々の端面33aの正面側及び端面33bの正面側の各々に配置されている。一方の噴出物収容空間S2は、軸方向P1から見て、複数の電池セル33の各々の端面33aを覆っている。他方の軸方向P1から見て、複数の電池セル33の各々の端面33bを覆っている。
【0023】
ガス排出経路S3は、電池セル33の異常時に電池セル33から噴出されたガスが通過する経路である。ガス排出経路S3は、各噴出物収容空間S2における電池セル収容空間S1とは反対側にそれぞれ配置されている。電池ケース32の軸方向P1の両側の底壁部70にはそれぞれ、複数のガス排出孔70aが設けられている。ガス排出経路S3の一端開口は、噴出物収容空間S2の内部に繋がっており、ガス排出経路S3の他端開口は、電池ケース32の底壁部70の裏面に接続されており、複数のガス排出孔70aと繋がっている。
【0024】
電池セル収容空間S1と各噴出物収容空間S2とは、仕切壁部50によって仕切られている。仕切壁部50には、電池セル33から噴出されたガス及び噴出物が通過する貫通孔50cが設けられている。
【0025】
噴出物遮断フィルタ35は、電池セル33から噴出されたガスを通過しつつ、電池セル33から噴出された噴出物を遮断する(すなわち通過させない)フィルタである。噴出物遮断フィルタ35は、各ガス排出経路S3に配置されている。
【0026】
接続回路34は、電動工具本体2の接続部12と電気的に着脱可能に接続する部分である。接続回路34は、基板341と、複数の接続端子342とを備えている。基板341は、複数の接続端子342を実装するための基板である。基板341は、電池ケース32の外周面(例えば4つの外側面のうちの1つの外側面)に取り付けられている。複数の接続端子342はそれぞれ、電動工具本体2の接続部12内の複数の接続端子と電気的に着脱可能に接続する部分である。複数の接続端子342は、電源端子342aを含む。電源端子342aは、複数の電池セル33と電気的に接続されており、複数の電池セル33に充電された電力を出力する端子である。
【0027】
この電池パック3では、複数の電池セル33の何れか1つに異常が発生し、その異常が発生した電池パック3から噴出物及びガスが噴出されると、噴出したガス(以下、噴出ガスとも記載する。)は、仕切壁部50の貫通孔50cを通過して噴出物収容空間S2及びガス排出経路S3を通過してガス排出孔70aから外に排出される。その祭、噴出ガスは、ガス排出経路S3に配置された噴出物遮断フィルタ35を通過して外に排出される。他方、噴出物は、仕切壁部50の貫通孔50cを通って噴出物収容空間S2に流出するが、噴出物遮断フィルタ35によってガス排出経路S3には流出できない。このため、噴出物は、電池ケース32の外に排出されずに、噴出物収容空間S2に溜まって収容される。このように、この電池パック3では、電池セル33からガス及び噴出物が噴出されたとき、ガスを外に排出しつつ、噴出物が外に排出されることを抑制できる。また、電池セル33から噴出された噴出物によって他の電池セル33が破損されることを抑制しつつ、噴出物が外に排出されることを抑制できる。
【0028】
図4及び図5を参照して、電池パック3の詳細を説明する。
【0029】
図4及び図5に示すように、電池パック3は、上述の外郭ケース31(図1)、電池ケース32、複数の電池セル33、接続回路34及び噴出物遮断フィルタ35の他に、シール材36、繊維シート材37(シート材)及びスペーサ38を備えている。また、電池ケース32は、ケース本体321と、内部ケース322と、嵩上げ部材323(返し構造)と、カバー324とを有する。
【0030】
ここで、図3に示すように、接続回路34を除いて、電池パック3の軸方向P1の両端部A1,A2の内部構成は、互いに同じである。従って、以下の説明では、電池パック3の一端部A1を中心に説明し、他端部A2の説明は省略する。また、本実施形態では、ケース本体321、内部ケース322、嵩上げ部材323、及びカバー324の各々の軸方向は、電池パックの軸方向P1と一致する。このため、以下の説明では、ケース本体321、内部ケース322、嵩上げ部材323、及びカバー324の各々の軸方向を、軸方向P1とも記載する。
【0031】
複数の電池セル33はそれぞれ、例えば円柱形である。複数の電池セル33の個数は、本実施形態では4つであるが(図5参照)、4つに限定されない。複数の電池セル33は、例えば、並列に縦横に並べられた状態で、電池ケース32内に収容される(図5参照)。上述の通り、複数の電池セル33は、両側にそれぞれ、互いに同方向(軸方向P1に平行な方向)に向いた端面33a,33bを有する(図4及び図5参照)。
【0032】
ケース本体321は、複数の電池セル33を収容する部材である。ケース本体321は、例えば略四角の柱形のブロック体である。ケース本体321は、例えば合成樹脂で形成されている。
【0033】
ケース本体321は、内部に、複数の電池セル33を収容する電池セル収容空間S1を有する。電池セル収容空間S1は、複数の電池セル33を個別に収容する複数(例えば4つ)の個別収容空間40で構成されている。個別収容空間40は、軸方向P1の両端に開口部40aを有する筒状である。個別収容空間40は、電池セル33の直径よりも一回り大きい直径の円筒状である。個別収容空間40は、ケース本体321の軸方向P1に延びている。個別収容空間40の両端の開口部40aはそれぞれ、ケース本体321の軸方向P1の両端面321aに形成されている。
【0034】
複数の個別収容空間40は、並列に縦横に並んで設けられている。従って、複数の個別収容空間40の各々の一側の開口部40aは、ケース本体321の一側の端面321aに縦横に並んで配置されている。同様に、複数の個別収容空間40の各々の他側の開口部40aも、ケース本体321の他側の端面321aに縦横に並んで配置されている。
【0035】
ケース本体321の軸方向P1の両端面にはそれぞれ、嵌合凹部41が設けられている。嵌合凹部41は、内部ケース322が嵌り合う部分である。嵌合凹部41は、ケース本体321の軸方向P1の端面のうち、周縁以外の中央部が周縁に対して窪むことで形成されている。嵌合凹部41の底面41aがそれぞれ、上記の端面321aを構成している。
【0036】
内部ケース322は、電池セル収容空間S1と、噴出物収容空間S2とを確保するための部材である。内部ケース322は、底浅の有底筒状である。より詳細には、内部ケース322は、底壁部である仕切壁部50と、周壁部51を有する。仕切壁部50は、略四角形の板状である。周壁部51は、仕切壁部50の外側の主面の周縁から立ち上がるように設けられている。内部ケース322の内部空間S4のうち、仕切壁部50側半分の空間が噴出物収容空間S2として機能し、内部ケース322の開口面側半分の空間がガス排出経路S3として機能する。また、仕切壁部50は、上述の通り、電池セル収容空間S1と噴出物収容空間S2とを仕切っている。
【0037】
以下、仕切壁部50の両側の主面のうち、電池セル収容空間S1に面する主面を内側主面50aとも記載し、噴出物収容空間S2に面する主面を外側主面50bとも記載する。
【0038】
仕切壁部50には、複数(例えば4つ)の貫通孔50cが設けられている。各貫通孔50cは、電池セル33から噴出されたガス及び噴出物が通過するための孔である。また、各貫通孔50cは、繊維シート材37が配置される孔である。各貫通孔50cは、仕切壁部50の厚さ方向に貫通している。複数の貫通孔50cは、仕切壁部50において、縦横に並んで設けられている。複数の貫通孔50cは、複数の電池セル33に一対一に対応しており、対応する電池セル33の端面33aに対向する位置に設けられている(図4参照)。各貫通孔50cは、例えば、電池セル33の直径よりも小さい円形の孔である。
【0039】
仕切壁部50の内側主面50aには、複数(4つ)の引掛凹部50d(引掛部、図4参照)が設けられている。複数の引掛凹部50dは、複数の電池セル33と一対一に対応しており、対応する電池セル33の端部33c(端面33a側の端部)が嵌り合う部分である。各引掛凹部50dの底面形状は、電池セル33の直径と略同じ大きさの円形である。複数の引掛凹部50dは、複数の貫通孔50cと一対一に対応しており、対応する貫通孔50cと同心状に重なるように配置されている。引掛凹部50dの底面形状は、貫通孔50cよりも大きい円形である。このため、引掛凹部50dと貫通孔50cとは、段付き状に連結している。
【0040】
内部ケース322には、ケース本体321の嵌合凹部41に嵌り合う嵌合段部51aが設けられている。嵌合段部51aは、内部ケース322の外周面において、ケース本体321側の縁部に設けられている。すなわち、内部ケース322の外周面において、嵌合段部51aは、嵌合段部51a以外の部分よりも一段低くなっている。嵌合段部51aは、内部ケース322の周方向の全体に亘って設けられている。
【0041】
内部ケース322は、嵌合段部51aがケース本体321の嵌合凹部41の内側に嵌り合うことで、ケース本体321の端面321aに配置される。この配置状態では、内部ケース322の各嵌合凹部41には、各個別収容空間40内の電池セル33の端部33cが嵌り合う。電池パック3の両端部A1,A2は、互いに同様の構造であるため、電池パック3の端部A2でも同様に、個別収容空間40内の電池セル33の端部33dは、ケース本体321の端部A2側の内部ケース322の嵌合凹部41に嵌り合う。このように、個別収容空間40内の電池セル33の両端部33c,33dは、ケース本体321の両端に配置される内部ケース322の嵌合凹部41に固定される。この固定状態では、電池セル33の外周面33eは、個別収容空間40の内周面40bと接触しない。すなわち、電池セル33の外周面33eと個別収容空間40の内周面40bとの間には、空間(断熱空間)S5(図4参照)が確保される。この断熱空間S5により、電池セル33から発生した熱がケース本体321に伝達することを抑制できる。このように、電池セル33は、両側の内部ケース322のみに接触して支持される。
【0042】
嵩上げ部材323は、噴出物遮断フィルタ35が噴出物収容空間S2内に入らないように噴出物遮断フィルタ35支持する部材である。嵩上げ部材323は、枠部60と、突出壁部61とを有する。
【0043】
枠部60は、内部ケース322材の周壁部51よりも一回り小さい略四角形の枠状である。枠部60は、内部ケース322の周壁部51の内側に嵌り合った状態で収容される。枠部60の長さ(すなわち軸方向P1の長さ)は、内部ケース322の周壁部51の高さの略半分である。すなわち、枠部60の長さは、噴出物収容空間S2の軸方向P1の長さと同じである。すなわち、枠部60の内部空間が実質的な噴出物収容空間S2になる。すなわち、枠部60は、ケース本体321の軸方向P1から見て(すなわち電池セル33の端面33aの向く方向から見て)、噴出物収容空間S2を囲むように配置されている。換言すれば、枠部60は、ケース本体321の軸方向P1から見て、複数の電池セル33を囲むように配置されている。
【0044】
突出壁部61は、枠部60の内周面において、外側(ガス排出経路S3側)の縁部から枠部60の内側に向かって突出している。換言すれば、突出壁部61は、枠部60の外側(ガス排出経路S3側)の開口縁から枠部60の内側に突出している。突出壁部61は、枠部60の周方向全体に亘って設けられている。突出壁部61は、噴出物収容空間S2とガス排出経路S3との境界に沿って突出している。嵩上げ部材323が内部ケース322内に配置された状態で、軸方向P1から見て、突出壁部61は、内部ケース322の貫通孔50cの少なくとも一部と重なることが望ましい(図4参照)。
【0045】
このように、嵩上げ部材323は、突出壁部61が、枠部60の外側(ガス排出経路S3側)の開口縁から枠部60の内側に折り返されたような構造(返し構造)を有している。以後、嵩上げ部材323を返し構造323とも記載する。この返し構造323の突出壁部61によって、内部ケース322の貫通孔50cから噴出物収容空間S2に流入した噴出物を跳ね返すことができる。これにより、噴出物収容空間S2に噴出物を均して収容できる。この結果、噴出物収容空間S2に噴出物が局所的に集まることで発生する温度上昇を抑制できる。
【0046】
枠部60と突出壁部61との間の隅部(凹角部)72は、円弧状に湾曲した曲面(R面)である。なお、隅部72は、平面状に面取りした面(C面)であってもよい。これにより、枠部60の内表面に沿って軸方向P1に流れるガスを、円滑に、突出壁部61の内表面に沿って流して噴出物収容空間S2の中央側に誘導できる。このガスの流れによって、噴出物収容空間S2に流入した噴出物を噴出物収容空間S2において、より均して収容できる。
【0047】
カバー324は、ケース本体321の軸方向P1の端部321bに取り付けられる部材である。カバー324は、例えば平面視略四角形の有底筒状である。カバー324の内部に、ケース本体321の端部321bが嵌り合う。より詳細には、カバー324は、底壁部70と、周壁部71とを有する。周壁部71は、底壁部70の一方の主面の周縁から立ち上がっている。
【0048】
底壁部70には、底壁部70の厚さ方向に貫通するように、複数のガス排出孔70aが設けられている。底壁部70は、電池ケース32において、噴出物遮断フィルタ35と対向する壁部である。すなわち、電池ケース32は、噴出物遮断フィルタ35に対向する壁部に、ガスを排出するガス排出孔70aを有する。
【0049】
複数のガス排出孔70aは、底壁部70の主面70bの中心P2(図6参照)に対して対称的に配置されている。また、複数のガス排出孔70aは、軸方向P1から見て、複数の貫通孔50cと重ならないように配置されている(図6参照)。具体的には、複数のガス排出孔70aは、主面70bの中心P2の位置と、主面70bの略四角形の4つの辺の各々の中心付近の位置とに配置されている。すなわち、複数のガス排出孔70aは、軸方向P1から見て、複数の電池セル33の各々から等距離に離れた2つ以上(本実施形態では3つ)のガス排出孔70aを含む。本実施形態では、軸方向P1から見て、各電池セル33の周囲に配置する3つのガス排出孔70aは、各電池セル33から等距離に離れたガス排出孔70aである。
【0050】
カバー324は、ケース本体321の端部321bに取り付けられる。この取付状態では、ケース本体321の端部321bがカバー324内に嵌め込まれている。そして、ねじがカバー324の側面の貫通孔71aを通じてケース本体321のねじ孔321cにねじ込まれる。これにより、カバー324がケース本体321に固定される。この固定状態では、内部ケース322の周壁部51の先端がカバー324の底壁部70の裏面に接触する。これにより、内部ケース322がケース本体321とカバー324とに挟まれて固定される。また、軸方向P1から見て、カバー324の底壁部70の各ガス排出孔70aが、内部ケース322の各貫通孔50cと重ならないように配置される(図6参照)。
【0051】
シール材36は、電池セル33と仕切壁部50の引掛凹部50dとの接触部分を密閉する部材である。また、シール材36は、他の電池セル33から噴出されたガスが噴出物収容空間S2を介して個別収容空間40に流入することを抑制する。シール材36は、ゴム弾性を有する材質で形成されている。シール材36は、円環状である。シール材36は、引掛凹部50dごとに、引掛凹部50dの底面の周縁上に配置され、電池セル33の端面33aと引掛凹部50dの底面との間に挟まれる。
【0052】
繊維シート材37は、仕切壁部50の貫通孔50cに配置されて、電池セル33からの噴出物が他の電池セル33上に直接堆積することを抑制することで他の電池セル33の温度上昇を抑制するための部材である。繊維シート材37は、電池ケース32よりも破断し易いシート材である。繊維シート材37は、セラミック繊維シート、又は、アルミナペーパーである。繊維シート材37は、例えば円形である。繊維シート材37は、仕切壁部50の貫通孔50cごとに、貫通孔50cを塞ぐように配置される。
【0053】
噴出物遮断フィルタ35は、複数(例えば3つ)の金属メッシュシート材351,352,353(金属フィルタ)と、複数(例えば2つ)の繊維シート材354,355とを含む。金属メッシュシート351,352,353は、例えばステンレス鋼材(SUS)で形成されている。繊維シート材354,355は、セラミック繊維シート、又は、アルミナペーパーである。繊維シート材354,355は、金属メッシュシート材351,352,353よりも破断し易いシート材である。噴出物遮断フィルタ35は、複数の電池セル33の各々の端面33aの正面側に配置される。電池パック3の両端部A1,A2は互いに同様に構成されているため、電池パック3の端部A2でも同様に、噴出物遮断フィルタ35は、複数の電池セル33の各々の端面33bの正面側に配置される。すなわち、噴出物遮断フィルタ35は、複数の電池セル33の両側の端面33a,33bの各々の正面の側に配置されている。
【0054】
複数の金属メッシュシート材351,352,353は、軸方向P1に重なって配置されており、複数の金属メッシュシート材351,352,353の間の各々に、繊維シート材354,355が挟まれている。噴出物遮断フィルタ35は、ガス排出経路S3(すなわち、嵩上げ部材323の突出壁部61とカバー324の底壁部70との間)に配置されている。
【0055】
金属メッシュシート材351の網目(目開き)の大きさが一番大きく(例えば32番)、金属メッシュシート材352の網目の大きさが中位(例えば50番)の大きさで、金属メッシュシート材353の網目の大きさが一番小さい(例えば60番)。すなわち、複数の金属メッシュシート材351,352,353の網目は、電池セル33の端面33aに近い金属メッシュシート材ほど大きい。これにより、複数の金属メッシュシート材351,352,353によって、電池セル33の端面33aから噴出された噴出物を段階的に遮断できる。これにより、金属メッシュシート材351,352,353の目詰まりを抑制できる。
【0056】
このように、噴出物遮断フィルタ35は、複数の金属メッシュシート材351,352,353及び複数の繊維シート材354,355によって層構造に構成されている。この層構造により、噴出物遮断フィルタ35の耐久性(噴出ガスのガス圧、噴出物の衝突、及び噴出時の発熱に対する耐久性)を向上できる。また、噴出物遮断フィルタ35によって噴出ガスを冷却して排出できる。
【0057】
スペーサ38は、噴出物遮断フィルタ35とカバー324の底壁部70の裏面との間に間隔(ガスの通り道)を確保するための部材である。スペーサ38は、例えば合成樹脂によって略矩形の環状に形成されている。スペーサ38は、噴出物遮断フィルタ35とカバー324の底壁部70の裏面の周縁との間に配置される。
【0058】
次に図7を参照して、電池セル33の端面33aから噴出したガス及び噴出物の流れを説明する。
【0059】
この電池パック3では、電池セル33の端面33aから噴出ガスT及び噴出物Uが噴出すると、それら噴出ガスT及び噴出物Uによって繊維シート材37が破断される。そして、噴出ガスT及び噴出物Uは、仕切壁部50の貫通孔50cを通って噴出物収容空間S2に流出する。繊維シート材37が破断されることで、電池ケース32が破断されることを抑制できる。なお、電池セル33と引掛凹部50dとの間のシール材36によって、噴出物収容空間S2に流出した噴出ガスT及び噴出物Uが、他の貫通孔50cを通って他の個別収容空間40内に流入することが抑制されている。そして、噴出物収容空間S2に流出した噴出ガスTは、噴出物収容空間S2及びガス排出経路S3内の噴出物遮断フィルタ35を通過してガス排出孔70aから外に排出される。また、噴出物収容空間S2に流出した噴出物Uは、噴出物遮断フィルタ35に遮断されて、ガス排出経路S3に流出できず、噴出物収容空間S2に溜まって収容される。
【0060】
より詳細には、噴出物収容空間S2に流出した噴出物Uの一部U1は、返し構造323の突出壁部61に衝突して跳ね返されて散乱する。これにより、噴出物Uは、噴出物収容空間S2に均されて収容される。また、噴出ガスTの一部T1は、噴出物収容空間S2を通過するとき、返し構造323の内面に沿って流れることで、噴出物収容空間S2の内部側に誘導されて流れる。この流れによって、噴出物収容空間S2に流出した噴出物Uの一部U2は、噴出物収容空間S2に分散される。これにより、噴出物Uは、噴出物収容空間S2において、より一層、均されて収容される。
【0061】
また、噴出ガスTは、噴出物遮断フィルタ35を通過するとき、噴出物遮断フィルタ35によって減速される。そして、噴出ガスTは、ガス排出孔70aを通過するとき、直接、ガス排出孔70aに流入せずに、一旦、カバー324の底壁部70に当たって減速されてからガス排出孔70aに流入して、外に排出される。これにより、ガス排出孔70aがガス圧で破損することを抑制でき、また、噴出ガスTが勢い良く外に排出されることを抑制できる。
【0062】
以上、この電池パック3によれば、電池セル33からガス及び噴出物が噴出されたとき、噴出物遮断フィルタ35によって、噴出物が遮断されてガスが通過される。これにより、電池セル33からの噴出ガスを電池ケース32の外に排出しつつ、電池セル33からの噴出物が電池ケース32の外に排出されることを抑制できる。また、電池セル33からの噴出物を電池ケース32内の噴出物収容空間S2に収容できる。これによっても、噴出物が電池ケース32の外に飛び出すことを抑制できる。更に、噴出物が噴出物収容空間S2に収容されることで、噴出物が電池セル33に接触することを抑制できる。この結果、噴出物によって電池セル33が破損することを抑制できる。
【0063】
(変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0064】
上記の実施形態では、嵩上げ部材323は、突出壁部61を有するが、突出壁部は無くてもよい。
【0065】
また、上記の実施形態では、突出壁部61は、枠部60の周方向全体に設けられるが、枠部60の周方向に部分的に設けられてもよい。
【0066】
また、上記の実施形態では、噴出物遮断フィルタ35は、3つの金属メッシュシート材351〜353と2つの繊維シート材354,355とで層構造に構成される。この層構造は、1つの繊維シート材が2つの金属メッシュシート材で挟まれる構造を基本構造とし、この基本構造が2回繰り返されている。ただし、この基本構造の繰り返しは、1回だけでもよいし、3回以上であってもよい。
【0067】
また、本実施形態では、電池セル収容空間S1は、複数の個別収容空間40で構成されるが、複数の電池セル33をまとめて収容する1つの空間であってもよい。
【0068】
また、上記の実施形態では、ケース本体321、中間ケース322、嵩上げ部材(返し構造)323、及びカバー324は、合成樹脂で構成されるが金属で形成されてもよい。
【0069】
(まとめ)
第1の態様の電動工具用電池パック(3)は、複数の電池セル(33)と、電池ケース(32)と、を備えている。複数の電池セル(33)は、互いに同方向(軸方向P1に平行な方向)に向いた端面(33a)を有する。電池ケース(32)は、複数の電池セル(33)を収容する。電動工具用電池パック(3)は、電池ケース(32)の内部において、複数の電池セル(33)の各々の端面(33a)の正面側に、複数の電池セル(33)の少なくとも1つの端面(33a)から噴出される噴出物を収容する噴出物収容空間(S2)を有する。
【0070】
この構成によれば、電池セル(33)から噴出された噴出物を電池ケース(32)内の噴出物収容空間(S2)に収容できる。これにより、噴出物が電池ケース(32)の外に飛び出すことを抑制できる。更に、噴出物が電池セル(33)に接触することを抑制でき、この結果、噴出物によって電池セル(33)が破損することを抑制できる。
【0071】
第2の態様の電動工具用電池パック(3)は、第1の態様において、ガス排出経路(S3)を有する。ガス排出経路(S3)は、電池ケース(32)の内部に設けられ、複数の電池セル(33)の少なくとも1つから噴出されたガスが流れる。ガス排出経路(S3)は、噴出物収容空間(S2)における複数の電池セル(33)とは反対側において、噴出物収容空間(S2)と繋がるように設けられている。
【0072】
この構成によれば、噴出物収容空間(S2)にガスが溜まることを抑制できる。
【0073】
第3の態様の電動工具用電池パック(3)は、第2の態様において、噴出物遮断フィルタ(35)を有する。噴出物遮断フィルタ(35)は、ガス排出経路(S3)に設けられ、噴出物を遮断してガスを通過させる。
【0074】
この構成によれば、噴出物遮断フィルタ(35)によって、噴出物収容空間(S2)に収容された噴出物がガス排出経路(S3)に流出することを抑制できる。
【0075】
第4の態様の電動工具用電池パック(3)では、第2又は第3の態様において、電池ケース(32)は、返し構造(323)を有する。返し構造(323)は、枠部(60)と、突出壁部(61)と、を有する。枠部(60)は、端面(33a)の向く方向(軸方向P1に平行な方向)から見て、噴出物収容空間(S2)を囲む。突出壁部(61)は、枠部(60)におけるガス排出経路(S3)の側の開口縁から枠部(60)の内側に突出している。
【0076】
この構成によれば、噴出物収容空間(S2)に流出した噴出物が突出壁部(61)に跳ね返されることで、噴出物収容空間(S2)に噴出物を均して収容できる。したがって、噴出物収容空間(S2)に噴出物が局所的に集まることを抑制できる。この結果、噴出物が局所的に集まることで発生する温度上昇を抑制できる。
【0077】
第5の態様の電動工具用電池パック(3)では、第4の態様において、枠部(60)は、端面(33a)が向く方向(軸方向P1に平行な方向)から見て、複数の電池セル(33)を囲んでいる。
【0078】
この構成によれば、複数の電池セル(33)の各々の端面(33a)から噴出する噴出物を全て返し構造(323)の内側に誘導できる。この結果、複数の電池セル(33)の各々の端面(33a)から噴出する噴出物を、効果的に、返し構造(323)で跳ね返すことができる。
【0079】
第6の態様の電動工具用電池パック(3)では、第4又は第5の態様において、枠部(60)と突出壁部(61)との間の隅部(72)は、曲面である。
【0080】
この構成によれば、枠部(60)の内表面に沿って流れるガスを、円滑に、突出壁部(61)の内表面に沿って流して噴出物収容空間(S2)の中央側に誘導できる。このガスの流れによって、噴出物収容空間(S2)に流出した噴出物を噴出物収容空間(S2)において、より一層均して収容できる。
【0081】
第7の態様の電動工具用電池パック(3)では、第1〜第6の態様の何れか1つの態様において、噴出物収容空間(S2)は、複数の電池セル(33)の各々の端面(33a)を覆っている。
【0082】
この構成によれば、噴出物収容空間(S2)を極力大きくできる。これにより、一つの電池セル(33)から噴出した噴出物を噴出物収容空間(S2)において、より一層均して収容できる。したがって、噴出物収容空間(S2)に噴出物が局所的に集まることをより一層抑制できる。この結果、噴出物が局所的に集まることで発生する温度上昇を、より一層抑制できる。
【0083】
第8の態様の電動工具用電池パック(3)では、第1〜第7の態様の何れか1つの態様において、電池ケース(32)は、仕切壁部(50)を有する。仕切壁部(50)は、複数の電池セル(33)を収容する電池セル収容空間(S1)と噴出物収容空間(S2)とを仕切る。仕切壁部(50)は、貫通孔(50c)を有する。電動工具用電池パック(3)は、シート材(37)を有する。シート材は、貫通孔を塞ぐように配置され、電池ケース(32)よりも破断し易い。
【0084】
この構成によれば、噴出物及び噴出ガスによって、電池ケース(32)よりもシート材(37)を優先的に破断させることができる。これにより、噴出物及び噴出ガスを、より確実に、貫通孔(50c)から噴出物収容空間(S2)に流出させることができる。また、噴出物及び噴出ガスによって電池ケース(32)が破断されることを抑制できる。
【0085】
第9の態様の電動工具用電池パック(3)では、第8の態様において、仕切壁部(50)は、複数の電池セル(33)の各々の端面(33a)の側の端部(33c)が引っ掛かる複数の引掛部(50d)を有する。
【0086】
この構成によれば、電池セル(33)の端部(33c)を仕切壁部(50)の引掛部(50d)に引っかけることで、電池セル(33)を固定できる。したがって、仕切壁部(50)との接触だけで電池セル(33)を支持できる。この結果、電池セル(33)の周囲に断熱空間(S5)を確保でき、この断熱空間(S5)によって電池セル(33)から発生した熱が他の電池セル(33)に伝達することを抑制できる。
【0087】
第10の態様の電動工具用電池パック(3)では、第1〜第9の態様の何れか1つの態様において、電池ケース(32)は、複数の電池セル(33)の各々の周囲に断熱空間(S5)を有する。
【0088】
この構成によれば、断熱空間(S5)によって、電池セル(33)で発生した熱が他の電池セル(33)に伝達することを抑制できる。
【0089】
第11の態様の電動工具用電池パック(3)では、第1〜第10の態様の何れか1つの態様において、複数の電池セル(33)の各々は、両側に端面(33a,33b)を有する。噴出物遮断フィルタ(35)は、複数の電池セル(33)の両側の端面(33a,33b)の各々の正面の側に配置されている。
【0090】
この構成によれば、複数の電池セル(33)の各々が両側に端面(33a,33b)を有する場合、それらの両側の端面(33a,33b)の正面側にそれぞれ噴出物遮断フィルタ(35)を配置できる。
【0091】
第12の態様の電動工具は、第1〜第11の態様の何れか1つの態様の電動工具用電池パック(3)と、電動工具本体(2)と、を備える。電動工具本体(2)は、電動工具用電池パック(3)から供給される電力で動作する。
【0092】
この構成によれば、電池パックの上記の効果を有する電動工具(10)を提供できる。
【符号の説明】
【0093】
2 電動工具本体
3 電動工具用電池パック
10 電動工具
33 電池セル
32 電池ケース
33a,33b 端面
35 噴出物遮断フィルタ
37 繊維シート材(シート材)
50 仕切壁部
50c 貫通孔
50d 引掛凹部(引掛部)
60 枠部
61 突出壁部
72 隅部
323 返し構造
S2 噴出物収容空間
S3 ガス排出経路
S5 断熱空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7