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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-94371(P2021-94371A)
(43)【公開日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/57 20170101AFI20210528BHJP
【FI】
   A47B88/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-111061(P2020-111061)
(22)【出願日】2020年6月29日
(31)【優先権主張番号】108146320
(32)【優先日】2019年12月16日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA12
3B160AB33
3B160AB43
3B160AB48
3B160AB61
3B160EA13
3B160EA14
3B160EA52
3B160EB76
3B160EB82
(57)【要約】
【課題】 フールプルーフ機能を有するスライドレールアセンブリを提供すること。
【解決手段】 スライドレールアセンブリは第1のレール及び第2のレールを含む。第1のレールは複数の壁を有し、ブロック部を備える。複数の壁は通路を共に定義する。第2レールはフールプルーフ部を備える。第2のレールが第1のレールに対して所定の角度回転された後で通路の外から通路内に取り付けられた場合、第2のレールが第1のレールに対して引っ込められるのを防止するために、フールプルーフ部とブロック部とが互いをブロックする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を含む第1のレールであって、該第1のレールの第1の壁、第2の壁及び長手壁は共に通路を定義する、第1のレールと、
前記第1のレールの第1の壁に隣接する位置で前記第1のレールに設けられるブロック部と、
第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を含む第2のレールと、
前記第2のレールの第2の壁に隣接する位置で前記第2のレールに設けられるフールプルーフ部と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールの通路に挿入される間に、前記第2のレールの第1の壁が前記第1のレールの第2の壁に隣接して、前記フールプルーフ部及び前記ブロック部は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込められるのを防止するために互いをブロックし、
前記第2のレールが前記第1のレールの通路の外から引っ込め方向に動かされて前記第1のレールの通路に挿入される間に、前記第2のレールの第1の壁は前記第1のレールの第1の壁に隣接して、前記フールプルーフ部及び前記ブロック部は互いをブロックしないため、前記第2のレールを前記第1のレールに対して引っ込めることができる、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のレールの前端に隣接する位置で前記第1のレールに固定されるブロック部材をさらに含み、該ブロック部材は前記ブロック部を有する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のレールに可動に取り付けられるフールプルーフ部材をさらに含み、該フールプルーフ部材は前記フールプルーフ部を有する、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記フールプルーフ部材は前記第2のレールに枢結され、
前記スライドレールアセンブリは前記フールプルーフ部材に弾性力を加えるための弾性部材をさらに含み、前記フールプルーフ部材は、前記弾性部材によって加えられる弾性力に対応して所定の状態で留まる、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のレールの第2の壁に隣接するガイド部をさらに含み、
前記第2のレールが前記第1のレールの通路に挿入される間に、前記第2のレールの第1の壁が前記第1のレールの第1の壁に隣接して、前記フールプルーフ部材が前記ガイド部によってガイドされて動かされ、前記ガイド部を通過することで、前記第2のレールを前記第1のレールに対して引っ込めることができる、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のレールに取り付けられる弾性アームをさらに含み、該弾性アームは、前記ガイド部及び係合部がそれぞれ設けられる両端を有し、前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込められた後で、前記第1のレールに対して前記引っ込め方向の反対方向である開方向に引き出され、それにより前記第1のレールにある摺動促進装置を変位させると、前記係合部は、該摺動促進装置と係合され、
前記第2のレールが引き出される間、前記フールプルーフ部材は、前記フールプルーフ部材のガイド面によって前記係合部を通過する、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
第1の作用部材及び第2の作用部材をさらに含み、該第1の作用部材及び該第2の作用部材の双方は前記第2のレールに可動に取り付けられ、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に変位された後で伸長位置に到達した場合、前記第1の作用部材及び前記第2の作用部材は、前記第2のレールを前記伸長位置で維持するために、前記ブロック部の第1の部分及び第2の部分にそれぞれ位置する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の作用部材は第1のシャフトによって前記第2のレールに枢結され、前記第2の作用部材は第2のシャフトによって前記第2のレールに枢結され、
前記スライドレールアセンブリは、前記第1の作用部材に弾性力を加えるための第1の弾性部、前記第2の作用部材に弾性力を加えるための第2の弾性部、前記第1の作用部材に操作可能に接続される第1の操作部材及び前記第2の作用部材に操作可能に接続される第2の操作部材をさらに含む、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
実質的に同一の構造構成を有する2つの第1のレールであって、該第1のレールのそれぞれは通路を定義し、ブロック部を備える、第1のレールと、
フールプルーフ部を備える第2のレールと、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールを前記2つの第1のレールのうちの一方の通路の外から引っ込め方向に動かして前記2つの第1のレールのうちの前記一方の通路に挿入する間に、前記2つの第1のレールのうちの前記一方のフールプルーフ部及びブロック部は互いをブロックしないため、前記第2のレールを前記2つの第1のレールのうちの前記一方に対して前記引っ込め方向に引っ込めることができ、
前記第2のレールを前記2つの第1のレールのうちの他方に対して所定の角度回転させた後で、前記2つの第1のレールのうちの前記他方の通路の外から前記引っ込め方向に動かして前記2つの第1のレールのうちの前記他方の通路に挿入する間に、前記2つの第1のレールのうちの前記他方のフールプルーフ部及びブロック部は、前記第2のレールが前記2つの第1のレールのうちの前記他方に対して前記引っ込め方向に引っ込められるのを防止するために互いをブロックする、スライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記所定の角度は実質的に180度である、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールに関し、より具体的には、フールプルーフ機能を備えたスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレールアセンブリは複数のスライドレールを、例えば、互いに対して変位可能な第1のレール及び第2のレールを含み、第1のレールは、第2のレールを受容するための通路を有する。第2のレールを第1のレールの通路に誤って取り付けることが許容されない特定の要件が時として存在し得る。例えば、取り付け精度の誤差又は他の問題を防ぐために、特定のサーバシャーシは、シャーシ本体の左側及び右側のそれぞれに取り付けることが意図されたスライドレールアセンブリを、意図された通りに正確に取り付けることを要求し得る。左側のスライドレールアセンブリの第2のレールを、右側のスライドレールアセンブリの第1のレールに取り付けてはならず、右側のスライドレールアセンブリの第2のレールを左側のスライドレールアセンブリの第1のレールに取り付けてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10555607号
【特許文献2】米国特許第10477965号
【特許文献3】米国特許第10413065号
【特許文献4】米国特許第10413066号
【特許文献5】米国特許第10213017号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、2つのスライドレールが誤って互いに取り付けられるのを防ぐことが可能なスライドレールアセンブリを開発することが重要である。
【0005】
本発明は、フールプルーフ機構を有するスライドレールアセンブリを提供する。
【0006】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、ブロック部、第2のレール及びフールプルーフ部を含む。第1のレールは第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を有する。第1のレールの第1の壁、該第2の壁及び長手壁は共に通路を定義する。ブロック部は第1のレールに設けられ、第1のレールの第1の壁に隣接する。第2のレールは第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を有する。フールプルーフ部は第2のレールに設けられ、第2のレールの第2の壁に隣接する。第2のレールが第1のレールの通路に挿入される間に、第2のレールの第1の壁が第1のレールの第2の壁に隣接して、フールプルーフ部及びブロック部は、第2のレールが第1のレールに対して引っ込められるのを防止するために互いをブロックする。
【0007】
第2のレールが第1のレールの通路の外から引っ込め方向に動かされて第1のレールの通路に挿入される間に、第2のレールの第1の壁は第1のレールの第1の壁に隣接して、フールプルーフ部及びブロック部は互いをブロックしないため、第2のレールを第1のレールに対して引っ込めることができることが好ましい。
【0008】
スライドレールアセンブリはブロック部材をさらに含むことが好ましい。ブロック部材は第1のレールに固定され、第1のレールの前端に隣接し、前記ブロック部を有する。
【0009】
スライドレールアセンブリはフールプルーフ部材をさらに含むことが好ましい。フールプルーフ部材は第2のレールに可動に取り付けられ、前記フールプルーフ部を有する。
【0010】
フールプルーフ部材は、第2のレールに枢結されることが好ましい。
【0011】
スライドレールアセンブリは、フールプルーフ部材に弾性力を加えるための弾性部材をさらに含むことが好ましい。
【0012】
フールプルーフ部材は、弾性部材により生成される弾性力に対応して所定の状態で留まることが好ましい。
【0013】
スライドレールアセンブリは、第1のレールの第2の壁に隣接するガイド部をさらに含むことが好ましい。第2のレールが第1のレールの通路内に挿入される間、第2のレールの第1の壁が第1のレールの第1の壁に隣接して、フールプルーフ部材はガイド部によってガイドされて動かされ、その結果ガイド部を通過し、第2のレールが第1のレールに対して引っ込めるようにできる。
【0014】
スライドレールアセンブリは第1の作用部材及び第2の作用部材をさらに含み、該第1の作用部材及び該第2の作用部材の双方は第2のレールに可動に取り付けられることが好ましい。第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に変位された後で伸長位置に到達した場合、第1の作用部材及び第2の作用部材は、第2のレールを伸長位置で維持するために、ブロック部の第1の部分及び第2の部分にそれぞれ位置する。
【0015】
第1の作用部材は第1のシャフトによって第2のレールに枢結され、第2の作用部材は第2のシャフトによって第2のレールに枢結されることが好ましい。
【0016】
スライドレールアセンブリは、第1の作用部材に弾性力を加えるための第1の弾性部及び第2の作用部材に弾性力を加えるための第2の弾性部をさらに含むことが好ましい。
【0017】
スライドレールアセンブリは第1の操作部材及び第2の操作部材をさらに含むことが好ましい。第1の操作部材及び第2の操作部材は、第1の操作部材及び第2の操作部材のそれぞれが操作されて第1の作用部材及び第2の作用部材のうちの対応するものを操作できるように、第1の作用部材及び第2の作用部材にそれぞれ操作可能に接続される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、スライドレールアセンブリは2つの第1のレールと、第2のレールとを含む。2つの第1のレールは、実質的に同じ構造構成を有する。各第1レールは通路を定義し、ブロック部を備える。第2のレールはフールプルーフ部を備える。第2のレールを2つの第1のレールのうちの一方の通路の外から引っ込め方向に動かして2つの第1のレールのうちの前記一方の通路に挿入する間、2つの第1のレールのうちの前記一方のフールプルーフ部及びブロック部は互いをブロックしないため、第2のレールを2つの第1のレールのうちの前記一方に対して引っ込め方向に引っ込めることができる。第2のレールを2つの第1のレールのうちの他方に対して所定の角度回転した後で、2つの第1のレールのうちの前記他方の通路の外から引っ込め方向に動かして2つの第1のレールのうちの前記他方の通路に挿入する間、2つの第1のレールのうちの前記他方のフールプルーフ部及びブロック部は、第2のレールが2つの第1のレールのうちの前記他方に対して前記引っ込め方向に引っ込められるのを防止するために互いをブロックする。
【0019】
所定の角度は実質的に180度であることが好ましい。
【0020】
各第1のレールは第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を有し、各第1のレールの第1の壁、該第2の壁及び長手壁は共に通路を定義し、各第1のレールのブロック部は第1のレールの第1の壁に隣接することが好ましい。
【0021】
第2のレールは第1の壁、第2の壁及び該第1の壁と該第2の壁との間に接続される長手壁を有し、フールプルーフ部は第2のレールの第2の壁に隣接することが好ましい。
【0022】
各第1のレールは、第1のレールの前端に隣接するブロック部材を備え、各第1のレールのブロック部材は第1のレールのブロック部を有し、スライドレールアセンブリは、第2のレールに可動に取り付けられるとともにフールプルーフ部を有するフールプルーフ部材を含み、スライドレールアセンブリは、フールプルーフ部材に弾性力を加えるための弾性部材をさらに含むことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの斜視図であり、伸長状態にあるスライドレールアセンブリを示す。
図2図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリのブロック部材及び弾性ベースを示す概略図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す。
図5図5は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリの第1のレール及び第2のレールが第3のレールに対して開方向に変位されていることを示す。
図6図6は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリの第1のレールが第3のレールに対して第1の伸長位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して開方向に変位されていることを示す。
図7図7は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリの第1のレールが第3のレールに対して第1の伸長位置にあり、第2のレールが第1のレールに対して開方向にさらに変位されていることを示す。
図8図8は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリが伸長状態にあることを示す。
図9図9は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリが伸長状態にあり、作用部材の1つが対応する操作部材を介して操作されていることを示す。
図10図10は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリが伸長状態にあり、前述の作用部材の動きを介して第2のレールが開方向に変位されていることを示す。
図11図11は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリの第2のレールが第1のレールから開方向に動かされて取り外されていることを示す。
図12図12は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、どのようにしてスライドレールアセンブリの第2のレールを引っ込め方向に動かして第1のレールに再度取り付けるかを示す。
図13図13は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリの第2のレールが第1のレールに取り付けられている間に引っ込め方向にさらに変位されることを示す。
図14図14は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリがフールプルーフ部を有し、スライドレールアセンブリの第2のレールが引っ込め方向に動かされて別の第1のレールに取り付けられていることを示す。
図15図15は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの概略図であり、スライドレールアセンブリのフールプルーフ部は、第2のレールが引っ込め方向にさらに変位するのを防止し、それにより、別の第1のレールに取り付けられるのを防止することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は第1のレール22及び第2のレール24を含み、好ましくは第3のレール26も含む。第1のレール22は、第3のレール26と第2のレール24との間に可動に取り付けられる。
【0025】
第3のレール26は、第1のレール22を受容するための通路27を共に定義する複数の壁を含む。
【0026】
第1のレール22は、第3のレール26に対して長手方向に変位できる。第1のレール22は前端22a及び後端22bを有する。第1のレール22は、第1の壁28a、第2の壁28b及び第1のレール22の第1の壁28aと第2の壁28bとの間に接続される長手壁30を含む。第1のレール22の第1の壁28a、第2の壁28b及び長手壁30は、第2のレール24を受容するための通路32を共に定義する。第1のレール22は、第1のレール22に対する第2のレール24の変位を促進するために、第1のレール22の通路32内に可動に設けられる摺動促進装置33をさらに含むことが好ましい。第1のレール22はブロック部34を備える。ブロック部34は第1のレール22の通路32内に位置し、第1のレール22の第1の壁28aに隣接している。第1のレール22は、前端22aに一対のガイドブロック35をさらに備える。ガイドブロック35は、第1のレール22の第1の壁28a及び第2の壁28bにそれぞれ当接し、摺動促進装置33をブロックするだけでなく、第2のレール24が第1のレール22に挿入されている間に第2のレール24を支持及びガイドするように構成されてもいる。
【0027】
第2のレール24は前端24a及び後端24bを有する。第2のレール24は、第1の壁36a、第2の壁36b及び第2のレール24の第1の壁36aと第2の壁36bとの間に接続される長手壁38を含む。第2のレール24の後端24bは、第2のレール24を第1のレール22に対して長手方向に変位させることができるように、第1のレール22の前端22aに挿入できる。第2のレール24はフールプルーフ部40を備える。フールプルーフ部40は、第2のレール24の第2の壁36bに隣接している。
【0028】
スライドレールアセンブリ20は、前端22aに隣接する位置で第1のレール22に固定されるブロック部材42を含むことが好ましく(図3も参照)、ブロック部材42はブロック部34を含む。より具体的には、ブロック部材42は、第1のレール22の長手壁30に接続される(例えば、固定的に接続される)本体部44を含み、ブロック部34は、本体部44に対して横方向(または横側)に突出する。
【0029】
スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22の第2の壁28bに隣接するガイド部46(図3も参照)を含むことが好ましい。ガイド部46は傾斜面又は湾曲面を含む。ガイド部46は第1のレール22と一体化されてもよいし、本実施形態のように、一例として弾性ベース48と一体化されてもよい。より具体的には、弾性ベース48は、第1のレール22の長手壁30に接続される(例えば、固定接続される)接続部50を有し、ガイド部46は、接続部50に隣接している。
【0030】
弾性ベース48は、接続部50に接続される弾性アーム47(図3も参照)を含むことが好ましく、弾性アーム47の両端には、それぞれガイド部46及び係合部49が設けられる。第2のレール24が第1のレール22に対して引き出され、それによって摺動促進装置33が第1のレール22の前端22aに隣接する位置に変位させると、係合部49は摺動促進装置33の所定の部分と係合させられて、摺動促進装置33を前端22aで一時的に停止させる。ブロック部材42は、弾性アーム47を支持するための支持部51をさらに含む。
【0031】
図4も参照して、スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24に可動に取り付けられるフールプルーフ部材52を含み、フールプルーフ部材52はフールプルーフ部40を有することが好ましい。ここでは、一例として、フールプルーフ部材52は、接続シャフト54によって第2のレール24の長手壁38に枢結されている。フールプルーフ部材52は、限定されるないが傾斜面又は湾曲面であり得るガイド面53も有する。
【0032】
スライドレールアセンブリ20は弾性部材56をさらに含むことが好ましく、フールプルーフ部材52は、弾性部材56により生成される弾性力に対応して所定の状態でとどまるように構成されている。ここでは、一例として、弾性部材56は、フールプルーフ部材52に弾性力を加えるための弾性区画58を有する。
【0033】
スライドレールアセンブリ20は第1の作用部材60及び第2の作用部材62を含むことが好ましく、第1の作用部材60及び第2の作用部材62の双方は第2のレール24に可動に取り付けられる。ここでは、一例として、第1の作用部材60は、第1のシャフト64によって第2のレール24の長手壁38に枢結され、第2の作用部材62は、第2のシャフト66によって第2のレール24の長手壁38に枢結される。
【0034】
スライドレールアセンブリ20は、第1の作用部材60に弾性力を加えるための第1の弾性部68と、第2の作用部材62に弾性力を加えるための第2の弾性部70をさらに含むことが好ましい。ここでは、一例として、第1の弾性部68及び第2の弾性部70は、弾性ベース72に一体化されて、第1の弾性部68及び第2の弾性部70のそれぞれは弾性アームである。なお、他の実施形態では、第1の弾性部68及び第2の弾性部70は、第2のレール24に配置される2つの独立した要素であってもよく、本発明はこのような構成に限定されない。
【0035】
スライドレールアセンブリ20は、第1の作用部材60及び第2の作用部材62のうちの一方を操作するための操作部材を含むことが好ましい。ここでは、一例として、スライドレールアセンブリ20は第1の操作部材74及び第2の操作部材76を含む。第1の操作部材74及び第2の操作部材76は、第1の作用部材60及び第2の作用部材62にそれぞれ操作可能なように接続されている。
【0036】
図4は、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリ20を示す。この状態では、第1のレール22は第3のレール26に対して引っ込められ、第2のレール24は第1のレール22に対して引っ込め位置Rにある。なお、第2のレール24の第1の壁36aは、第1のレール22の第1の壁28aに隣接し、第2のレール24の第2の壁36bは、第1のレール22の第2の壁28bに隣接している。第1の作用部材60及び第2の作用部材62は、第1の作用状態S1に留まることによって、それぞれ第1の弾性部68の弾性力及び第2の弾性部70の弾性力に対応し、第1の作用部材60及び第2の作用部材62の双方は、第1のレール22のブロック部34と位置が対応する。他方、フールプルーフ部材52は、第1のレール22のブロック部34と位置が対応しない。すなわち、フールプルーフ部40は、ブロック部34からずれている。ブロック部34は、それぞれ第1の部分34a及び第2の部分34bとして定義される2つの反対部分を有する。
【0037】
図5において、第1のレール22は、第3のレール26に対して開方向D1に変位された後で、第3のレール26に対して第1の伸長位置E1に到達する。
【0038】
図6を参照して、第1のレール22が第3のレール26に対して第1の伸長位置E1にある場合、第2のレール24を第1のレール22に対して開方向D1に変位させることができる。第2のレール24が第1のレール22に対して開方向D1に変位される間に、第1のレール22のブロック部34と位置が対応する第1の作用部材60は、第1の作用部材60に力が作用するようにブロック部34の第2の部分34bと接触する。
【0039】
図6及び図7を参照して、第2のレール24が第1のレール22に対して開方向D1にさらに変位されると、第1の作用部材60に作用する力は、第1の作用部材60を所定の角度回転させ、それにより第1の作用部材60を第1の作用状態S1(図6参照)から第2の作用状態S2(図7参照)にさせ、その結果、第1の作用部材60は、ブロック部34の第2の部分34bを通過する。この状態にある第1の弾性部68は、弾性力を蓄積する(図7参照)。
【0040】
図7及び図8を参照して、第2のレール24が、第1のレール22に対して開方向D1にさらに変位された後で、第1のレール22に対して第2の伸長位置E2に到達すると、第1の作用部材60は、蓄積した弾性力を第1の弾性部68が放つことに対応して第1の作用状態S1に戻り、ブロック部34の第1の部分34aに行き着く(図8参照)。他方、第1の作用状態S1に留まり、それにより第1のレール22のブロック部34と位置が対応する第2の作用部材62は、ブロック部34の第2の部分34bと接触する。その結果、第1の作用部材60及び第2の作用部材62の双方は第1の作用状態S1にあり、ブロック部34の第1の部分34a及び第2の部分34bにそれぞれ位置して、第2の伸長位置E2で第2のレール24を維持する(図8参照)。
【0041】
図8図11を参照して、第2のレール24が第1のレール22に対して第2の伸長位置E2にある場合(図8参照)、ユーザーは、第2の作用部材62に力Fを加え(図9参照)ることにより操作して、第2の作用部材62を第2の作用状態S1から第2の作動状態S2に駆動し(図9及び図10参照)、第2のレール24が第1のレール22に対して第2の伸長位置E2から開方向D1に外すことができる(図11参照)。すなわち、第1のレール22の通路32から外すことができる。この状態では、フールプルーフ部材52は、第1のレール22のブロック部34と位置が対応しないため(すなわち、フールプルーフ部40がブロック部34からずれている)、第2のレール24が開方向D1に変位されている間は、ブロック部34はフールプルーフ部材52をブロックしない。さらに、ガイド面53は、フールプルーフ部材52が弾性アーム47の係合部49を通過できるようにする。
【0042】
図11図12及び図13を参照して、ブロック部34は第1のレール22の第1の壁28aに隣接し、フールプルーフ部40は第2のレール24の第2の壁36bに隣接する。第2のレール24は、第1のレール22の通路32の外から引っ込め方向D2に動かして第1のレール22の通路32に再度取り付けることができる。例えば、適切な取り付けプロセスは、第1のレール22の第1の壁28aに隣接して第2のレール24の第1の壁36aを配置し、次いで、第2のレール24を引っ込め方向D1に動かして第1のレール22の通路32に挿入することを伴い、このプロセスの間、フールプルーフ部40及びブロック部34は互いをブロックしない。
【0043】
より具体的には、ガイド部46が第1のレール22の第2の壁28bに隣接するため、フールプルーフ部材52はガイド部46によってガイドされて移動し(例えば、図13に示すように所定の角度枢動される)、第1のレール22の第1の壁28aに隣接して第2のレール24の第1の壁36aが隣接した状態で第2のレール24が第1のレール22の通路32に挿入されている間、ガイド部46を最終的に通過する。フールプルーフ部材52がガイド部46を通過すると、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め方向D2に引っ込めることができる。図13を参照して、フールプルーフ部材52がガイド部46によってガイドされる間、弾性部材56の弾性区画58は、フールプルーフ部材52の動きに対応して弾性力を好ましくは蓄積し、それによりフールプルーフ部材52は前述の所定の状態を離れることができ、図4に示すように、引っ込め位置Rに到達するまで、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め方向D2に引っ込めることができる。
【0044】
図14及び図15は、図12及び図13に示すものとは異なる取り付けプロセスを示し、違いは次の通りである。本発明の一対のスライドレールアセンブリにより物体が保持され、その左側及び右側のそれぞれに1つのスライドレールアセンブリが取り付けられている。図12及び図13に示す取り付けプロセスは、物体の左側で行われる正しい取り付けプロセスであるのに対して、図14及び図15に示す取り付けプロセスは、左側のスライドレールアセンブリの第2のレール24を所定の角度回転させ、この第2のレール24を右側のスライドレールアセンブリに、すなわち、上述した第1のレール22と実質的に同じ構造構成を有する別の第1のレール200に挿入することによって、物体の右側で誤った形で行われている。
【0045】
より具体的には、図14及び図15に示す誤った取り付けプロセスでは、第2のレール24が第1のレール200に対して所定の角度回転されるため、第1のレール200の通路32の外から引っ込め方向D2に動かして第1のレール200の通路32内に取り付けることができない。例えば、第2のレール24を第1のレール200の通路32の外から引っ込め方向D2に動かして第1のレール200の通路32内に挿入される間、第2のレール24の第1の壁36aが第1のレール200の第2の壁28bに隣接して、第1のレール200のフールプルーフ部40及びブロック部34(又はより具体的にはその第1の部分34a)は互いをブロックするため(図15を参照)、第2のレール24が引っ込め位置Rに到達することはもちろんのこと、第1のレール200に対して引っ込め方向D2に引っ込められるのを防止する。前述の所定の角度は実質的に180度である。例えば、図14及び図15の第2のレール24の第1の壁36a及び第2の壁36bは、第2のレール24の長手壁38の下部及び上部にそれぞれ位置するのに対して、図12及び図13の第2のレール24の第1の壁36a及び第2の壁36bは、第2のレール24の長手壁38の上部及び下部にそれぞれ位置する。
【0046】
以上から、前述の実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は、好ましくは以下の特徴を有することが分かる。
【0047】
1)フールプルーフ部40及びブロック部34は協働して、第2のレール24が第1のレール22(200)の通路32に誤って取り付けられるのを防止することができる。
【0048】
2)ラックシステム(又は引き出しシステム)の左側及び右側のそれぞれに、前述の構造構成のスライドレールアセンブリ20が(例えば、左側に第1のスライドレールアセンブリが、右側に第2のスライドレールアセンブリが)設けられている場合、2つのスライドレールアセンブリのフールプルーフ部40及びブロック部34は協働して、左側の第1のスライドレールアセンブリの第2のレール24は、左側の第1のスライドレールアセンブリの第1のレール22の通路32にのみ取り付けることができ、右側の第2のスライドレールアセンブリの第1のレール200の通路32には取り付けることができないようにすることができる(右側の第2のスライドレールアセンブリの第2のレール24も同様である)。
上述の好ましい実施形態を通じて本発明を開示してきたが、本実施形態は本発明の範囲を限定することを意図していない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
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図15