特開2021-94606(P2021-94606A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-94606(P2021-94606A)
(43)【公開日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】挟み装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20210528BHJP
【FI】
   B25J15/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-225381(P2019-225381)
(22)【出願日】2019年12月13日
(71)【出願人】
【識別番号】508165571
【氏名又は名称】伊藤電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【弁理士】
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】古寺 恭朗
(72)【発明者】
【氏名】垣内 盛良
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707DS01
3C707ES03
3C707ET08
3C707EV18
3C707HS27
3C707KS03
3C707KS16
3C707KT01
3C707KT06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】品物/ものを、挟んでつかんで、向きを変えることができる挟み装置、を提供する。
【解決手段】基端アーム2、2とともに揺動ハンド3、3を閉じて品物Gを挟んで持ち上げると、付勢バネ5、5によって揺動ハンド3、3と基端アーム2、2は一直線状になる。第1アーム(変更部)を回転して、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3をほぼ180度反転させると、品物Gが表裏反転されて向きが変えられる。揺動ハンド3、3及び基端アーム2、2を下して、揺動ハンド3、3の先端の転動ローラー6、6が面に当たると、揺動ハンド3、3が基端アーム2、2から折れ曲がり、揺動ハンド3、3全体が面に接してから、基端アーム2、2とともに揺動ハンド3、3を開くと、品物Gが表裏反転されて向きが変えられた状態で面上に置かれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離れたり近づいたりする少なくとも2つの基端部と、
これら少なくとも2つの基端部のそれぞれの先に、当該基端部に対して揺動または回動可能に取り付けられ、上記基端部の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより品物を挟んだり放したりする少なくとも2つの揺動部と、
上記基端部とこの基端部に対して揺動または回動可能な揺動部との間に設けられ、当該基端部に対して上記揺動部が揺動または回動したとき元に戻すように付勢する付勢部と、
上記少なくとも2つの基端部の向きを、上記少なくとも2つの揺動部とともに変える変更部とを備えたことを特徴とする挟み装置。
【請求項2】
上記変更部は、上記少なくとも2つの基端部の向きを、上記少なくとも2つの揺動部とともにほぼ180度変えて、上記品物をほぼ反転させることを特徴とする請求項1記載の挟み装置。
【請求項3】
上記基端部の向きがほぼ180度変えられたときにも、互いに離れたり近づいたりすることが可能であり、上記揺動部は、当該基端部の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより上記品物を挟んだり放したりすることが可能なことを特徴とする請求項2記載の挟み装置。
【請求項4】
上記基端部の向きがほぼ180度変えられたときにも、上記付勢部は、当該基端部に対して上記揺動部が揺動または回動したとき元に戻すように付勢することを特徴とする請求項3記載の挟み装置。
【請求項5】
上記品物を挟んで上記揺動部及び上記基端部が持ち上げられるとき、上記付勢部によって当該基端部に対して当該揺動部が元に戻されることを特徴とする請求項4記載の挟み装置。
【請求項6】
上記付勢部によって上記揺動部が戻される位置と、上記基端部の向きがほぼ180度変えられたとき、上記付勢部によって上記揺動部が戻される位置とはほぼ同じ位置であることを特徴とする請求項5記載の挟み装置。
【請求項7】
上記揺動部の上縁または下縁は、品物をつかむとき、または品物を離すとき、品物が置かれているまたは品物を置く面に平行であることを特徴とする請求項6記載の挟み装置。
【請求項8】
上記品物の下面または上面は、揺動部の上縁または下縁と平行であることを特徴とする請求項7記載の挟み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば物を挟んで持ち上げ向きを変えたり反転したりして置く挟み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、品物/ものをつかんで持ち上げる装置が種々考えられている。しかし、従来の品物/ものでは、品物/ものをつかんで持ち上げたり、持ったまま下げたりするだけであった。
【0003】
【特許文献1】特開昭55−091537号公報
【特許文献2】特開昭56−099124号公報
【特許文献3】特開昭61−044552号公報
【特許文献4】特開平02−131533号公報
【特許文献5】特開平03−243527号公報
【特許文献6】特開2000−053290号公報
【特許文献7】特開2004−083258号公報
【特許文献8】実開昭62−083475号マイクロフィルム
【特許文献9】実開昭62−122592号マイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、品物/ものを挟むまたはつかむほか、挟んだまたはつかんだ品物/ものの向きを変えることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、 互いに離れたり近づいたりする少なくとも2つの基端部と、 これら少なくとも2つの基端部のそれぞれの先に、当該基端部に対して揺動または回動可能に取り付けられ、上記基端部の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより品物/ものを挟んだり放したりする少なくとも2つの揺動部と、 上記基端部とこの基端部に対して揺動または回動可能な揺動部との間に設けられ、当該基端部に対して上記揺動部が揺動または回動したとき元に戻すように付勢する付勢部と、 上記少なくとも2つの基端部の向きを、上記少なくとも2つの揺動部とともに変える変更部とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
これにより、挟んだまたはつかんだ品物/ものを、向きを変えることができ、品物/ものを動かすバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】挟み装置1全体の平面を示す。
図2】揺動ハンド3、3または基端アーム2、2の向きによる、付勢バネ5、5の伸縮の状態を示す。
図3】面Pのうえにある品物Gをつかむ揺動ハンド3、3、基端アーム2、2及び付勢バネ5、5の状態を示す。
図4】つかんだ品物Gを持ち上げて表裏反転する揺動ハンド3、3、基端アーム2、2及び付勢バネ5、5の状態を示す。
図5】表裏反転した品物Gを面P上に下して置く揺動ハンド3、3、基端アーム2、2及び付勢バネ5、5の状態を示す。
図6】挟み装置1の全体外観を示す。
【符号の説明】
【0008】
1…挟み装置 2…基端アーム(基端部)
3…揺動ハンド(揺動部) 4…回動軸
5…付勢バネ(付勢部) 6…転動ローラー
7…当接部 8…取付け具
9…ねじ 11…第1アーム(変更部)
12…第2アーム 13…第3アーム
14…第4アーム 20…カメラ
G…品物 P…面
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)挟み装置1の先端部
図1は、挟み装置1の平面を示す。基端アーム(基端部)2、2は、ともに金属の板状で、同形同大で、この板面は互いに平行で、互いに接近するとずれないようにぴったりと重なる状態に配置され、モーターによって互いに離れたり近づいたりすることが可能となっている。
【0010】
この基端アーム2、2のそれぞれの先には、回動軸4、4を介して揺動ハンド(揺動部)3、3が、基端アーム2、2に対して揺動または回動可能に取り付けられている。この揺動ハンド3、3は、ともに金属の板状で、同形同大で、この板面は互いに平行で、互いに接近するとずれないようにぴったりと重なる状態に配置される。この揺動ハンド3、3は、上記基端アーム2、2と同じ厚さ、同じ幅で、この基端アーム2、2よりやや短い。
【0011】
この揺動ハンド3、3は、上記基端アーム2、2の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより品物Gを挟んだり放したりする。上記基端アーム2、2の中央やや先端側は2本のスリットが入れられて互いに外側に折り曲げられて切欠され、この折り曲げられた先端には、基端方向にスリットが形成されて、フックが形成されている。
【0012】
図2に示すように、上記揺動ハンド3、3の先端と反対方向つまり基端であって、上記回動軸4、4のさらに反対方向へは、揺動ハンド3、3がさらに逆方向に延出されて、この延出の先は互いに外側に折り曲げられて、この折り曲げられた先端には、先端方向にスリットが形成されて、フックが形成されている。
【0013】
これら基端アーム2、2の上記フックと、揺動ハンド3、3の上記フックとの間には、コイル状の付勢バネ5、5(付勢部)が係止/掛け渡されて、上記基端アーム2、2と揺動ハンド3、3との間に付勢バネ5、5が設けられる。この付勢バネ5、5は当該基端アーム2、2に対して上記揺動ハンド3、3が揺動または回動したとき、引き伸ばされて縮む力が働いて付勢し、この結果、上記揺動ハンド3、3が上記揺動または回動した位置から元の位置に戻すように付勢する。
【0014】
上記揺動ハンド3、3の先端には、転動ローラー6、6が回転可能に回転軸で支持されており、この転動ローラー6、6の径は、揺動ハンド3、3の外縁の上記回転軸からの距離より大きく、揺動ハンド3、3の先端の先、上、下は転動ローラー6、6の方が当接可能となっていて、転動ローラー6、6は、品物Gが下して置かれている面Pに接触してこの面Pの上を円滑に転動可能となっていて、揺動ハンド3、3、基端アーム2、2/揺動ハンド3、3の先端が挟む品物Gまで円滑に移動できる。
【0015】
上記揺動ハンド3、3の内側、つまり2つの揺動ハンド3、3の互いに対向する側には、当接部7、7が設けられ、この当接部7、7は、弾力性、可撓性を有し、ゴム、樹脂などからなり、揺動ハンド3、3で品物Gを挟むとき、この品物Gに当接部7、7が当接して、品物Gを破損したり傷つけたりすることがなくなる。つまり当接部7、7は、挟んだり放したりする品物Gに当接可能で、当該品物Gに当接したり離れたりすることによって、弾力的に変形したり復帰したりする。
【0016】
上記基端アーム2、2の根本は、外側に折れ曲がり第1アーム11(変更部)の先端面の取付け具8、8にねじ9、9で固定され、この取付け具8、8は、第1アーム11内の開閉機構(図示せず)に連結され、取付け具8、8、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3が互いに離れたり近づいたり停止したりするように動かされる。上記第1アーム11の基端には第2アーム12の先端が回動可能に連結されている。
【0017】
これにより、第2アーム12または第1アーム11内にモーターなどの駆動源(図示せず)が内蔵され、第2アーム12に対して第1アーム11(変更部)が回動/右回転/左回転/停止されて、その向きが変えられ、したがって、基端アーム2、2の向きが、揺動ハンド3、3とともにその向きが変えられる。
【0018】
また、第1アーム11(変更部)は、第2アーム12に対して、ほぼ180度回動すると、基端アーム2、2の向きを、揺動ハンド3、3とともに、ほぼ180度変えて、揺動ハンド3、3の間に挟んだ品物Gをほぼ反転させることができる。
【0019】
図6に示すように、上記第2アーム12は、第3アーム13の先端に回動可能に取り付けられ、さらにこの第3アーム13は、第4アーム14の先端に回動可能に取り付けられ、…、…、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3などが自由自在にどのような向きにも動くことができるようになっている。
【0020】
上記第2アーム12の上にはカメラ20が固定され、上記品物G、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3などの動画像/静止画像を映して、揺動ハンド3、3で品物Gを挟むとき、揺動ハンド3、3の当接部7、7のほぼ中央に品物Gが来るように、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3、第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13、第4アーム14、…などの位置が調整される。
【0021】
上記品物Gとしては、例えば、オセロ(登録商標)ゲームの駒/石が考えられ、この駒/石は表裏で色が異なっており、駒/石の表裏が反転されるほか、新たな駒/石が盤上/面上に下して置かれる。新たな駒/石が盤上/面上に下して置かれるときにも、取り除かれるときにも、本挟み装置1が使用される。
【0022】
他に、品物Gとしては、碁の石、将棋/チェスの駒、麻雀の牌、トランプ、花札、カード、その他のゲームの札/駒/石/牌、コマ、消しゴム、筆記具、はさみ、のり、定規、テープ、クリップ、ホチキス、カッター、歯磨き、歯ブラシ、糸ようじ、くし、耳かき、目薬、爪切り、茶碗、指輪、箸、スプーン、ナイフ、フォーク、ストロー、キャップ、時計、履物、服のボタン、フック、ホック、ファスナー、トイレットペーパー、その他の紙、その他の玩具、遊戯用具、運動用具、台所用品、家庭用品、装飾品、楽器、雑貨、日用品、食品、飲料、障碍者または高齢者などの補助として使用される。
【0023】
(2)挟み装置1の基端部
上記基端アーム2、2は、開閉機構(図示せず)によって、互いに離れたり近づいたり停止したりすることが可能で、これにより、基端アーム2、2の先の揺動ハンド3、3も、基端アーム2、2の動きに追随して、互いに離れたり近づいたり停止したりすることが可能で、したがって、揺動ハンド3、3で品物Gを挟んだり放したりできる。
【0024】
また、上記基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3の向きが、上記ほぼ180度変えられて反転したときにも、その他90度、45度、135度、…、225度、270度、…でも、上記基端アーム2、2は、開閉機構(図示せず)によって、互いに離れたり近づいたり停止したりすることが可能で、これにより、基端アーム2、2の先の揺動ハンド3、3も、基端アーム2、2の動きに追随して、互いに離れたり近づいたり停止したりすることが可能で、したがって、揺動ハンド3、3で品物Gを挟んだり放したりできる。
【0025】
上記付勢バネ5、5は当該基端アーム2、2に対して上記揺動ハンド3、3が揺動または回動したとき、引き伸ばされて縮む力が働いて付勢し、この結果、上記揺動ハンド3、3が上記揺動または回動した位置から元の位置に戻すように付勢する。
【0026】
また、上記基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3の向きが、上記ほぼ180度変えられて反転したときにも、その他90度、45度、135度、…、225度、270度、…でも、上記付勢バネ5、5は当該基端アーム2、2に対して上記揺動ハンド3、3が揺動または回動したとき、引き伸ばされて縮む力が働いて付勢し、この結果、上記揺動ハンド3、3が上記揺動または回動した位置から元の位置に戻すように付勢する。
【0027】
上記開閉機構を駆動させて、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を互いに離して開き、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を面Pに対して斜めに傾斜した状態で下げて、揺動ハンド3、3の先の転動ローラー6、6が、品物Gが下して置かれている面P、その他の面Pに当接すると、転動ローラー6、6が回転するため、揺動ハンド3、3の先端が円滑に移動できる。
【0028】
さらに、揺動ハンド3、3をさらに下げると、図3に示すように、付勢バネ5、5に抗して、揺動ハンド3、3が基端アーム2、2に対して折れ曲がる。なおさらに下げると、揺動ハンド3、3の下辺全体が上記面Pに平行に当接する。ここで、上記開閉機構を駆動させて、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を互いに近づけて閉じ、揺動ハンド3、3内側の当接部7、7が品物Gに当接すると、この品物Gが揺動ハンド3、3に挟まれる。
【0029】
ここで、第2アーム12、第1アーム11とともに、上記品物Gを挟んだまま基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を持ち上げて、揺動ハンド3、3を上記面Pから離すと、図4に示すように、挟まれた品物Gが持ち上げられ、付勢バネ5、5の付勢によって、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3が一直線状に戻って、基端アーム2、2に対して揺動ハンド3、3が元に戻される。
【0030】
そして、第2アーム12に対して第1アーム11を回転させて、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3の向きが、上記ほぼ180度変えられて反転すると、挟まれた品物Gも表裏反転される。さらに、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を斜めに傾斜した状態で下げて、揺動ハンド3、3の先の転動ローラー6、6が、品物Gが下して置かれている面P、その他の面Pに当接すると、転動ローラー6、6が回転するため、揺動ハンド3、3の先端が円滑に移動できる。
【0031】
そして、揺動ハンド3、3をさらに下げると、図5に示すように、付勢バネ5、5に抗して、揺動ハンド3、3が基端アーム2、2に対して折れ曲がる。なおさらに下げると、揺動ハンド3、3の下辺全体が上記面Pに平行に当接する。ここで、上記開閉機構を駆動させて、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を互いに離して開き、揺動ハンド3、3内側の当接部7、7が品物Gから離れると、この挟まれていた品物Gが揺動ハンド3、3からはずれて解放され、この表裏反転された品物Gが面P上に下して置かれる。
【0032】
さらに、第2アーム12、第1アーム11とともに、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を持ち上げて、揺動ハンド3、3を上記面Pから離すと、付勢バネ5、5の付勢によって、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3が一直線状に戻って、基端アーム2、2に対して揺動ハンド3、3が元に戻される。そして、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3を移動させて、別の品物Gをつかんで反転させる動作に入っていくことができる。
【0033】
このとき、品物Gがおかれている上記面Pに対して、揺動ハンド3、3及び基端アーム2、2のなす傾斜角は、一定でもよいが、面P上の品物Gのある位置によって、任意に変更される。これにより、広い範囲にある多くの品物Gを持ち上げたり、表裏反転させたり、下して置いて離すことができる。
【0034】
上述の品物Gをつかんで持ち上げ、表裏反転させて、面P上に品物Gを下して置いて離す動作は、品物Gの上面が表向きであっても裏向きであっても、同じように行うことができる。また、揺動ハンド3、3及び基端アーム2、2が上述のように表向きから裏向きに反転する場合にも、上述と逆に、揺動ハンド3、3及び基端アーム2、2が裏向きから表向きに反転する場合にも、同じように行うことができる。
【0035】
ここで、上記付勢バネ5、5によって上記揺動ハンド3、3が戻される位置と、上記基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3の向きがほぼ180度変えられて反転されたときに、上記付勢バネ5、5によって上記揺動ハンド3、3が戻される位置とはほぼ同じ位置であり、上述のようにともにほぼ一直線状である。
【0036】
これにより、品物Gの向きをほぼ180度変えて反転させるとき/持ち上げるとき/位置と、品物Gの向きをほぼ180度変えないで反転させる/持ち上げるとき/位置とで、揺動ハンド3、3の位置/状態をほぼ同じにでき、品物Gを同じ位置/状態で持ち上げることができ、揺動ハンド3、3、基端アーム2、2、品物Gの表裏で差が生じず、制御が容易になる。
【0037】
上記品物Gの下面または上面は、揺動ハンド3、3の上縁または下縁と平行で平坦なので、品物Gを持ち上げ/反転させ/下げるとき、品物Gが揺動ハンド3、3に対して傾くことがなく、面Pに対して品物Gをそっと持ち上げ/反転させ/下げることができ、品物Gを破損/傷めることがない。
【0038】
上記揺動ハンド3、3の上縁または下縁は、品物Gをつかむとき、または品物Gを離すとき、品物Gが置かれているまたは品物Gを置く面Pに平行で平坦なので、品物Gをつかむとき、または品物Gを離すときに、傾いて斜めに品物Gをつかんでまたは離すことが無く、品物Gを破損/傷めることがない。
【0039】
(3)他の実施の形態
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3、回動軸4、4、付勢バネ5、5、転動ローラー6、6、当接部7、7は、2つだけでなく、1つでも、3つ以上設けられてもよい。
【0040】
付勢バネ5、5の付勢力を弱めてもよく、この場合、回動軸4、4と揺動ハンド3、3、基端アーム2、2との間にブレーキがかかるように、ゴム板などが介在されてもよい。これにより、揺動ハンド3、3は、基端アーム2、2に対して折れ曲がった状態を維持できる。
【0041】
付勢バネ5、5は、金属製のほか、ゴム、樹脂、木、竹、ガラス、綿、布、糸、繊維、カーボン、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよいし、コイル状のほか、ひも状、板状、棒状、ブロック状などでもよい。付勢バネ5、5が係止される揺動ハンド3、3のフック/基端アーム2、2のフックは、揺動ハンド3、3、基端アーム2、2の外面、内面、上面、下面、右面、左面、前面、後面に突出していてもよい。
【0042】
回動軸4、4は省略され、基端アーム2、2と揺動ハンド3、3とは弾力性または可撓性のある素材、例えば樹脂、ゴムなどで一体的に構成され、基端アーム2、2に対して揺動ハンド3、3が折れ曲がったり弾力的に復帰したりしてもよい。この場合、付勢バネ5、5の機能は揺動ハンド3、3、基端アーム2、2が果たすが、省略されてもよい。
【0043】
転動ローラー6、6は、円板状のほか、球体でもよく、複数または多数の回転体/ローラー/ボールが、環状に配列されたものでもよいし、面Pとの摩擦が小さい滑る固定素材でもよいし、省略されてもよい。
【0044】
品物Gの厚さは揺動ハンド3、3の幅/太さより大きくても小さくてもほぼ同じでもよい。上記実施形態では、品物Gの厚さは揺動ハンド3、3の幅/太さより小さい/ほぼ同じなので、品物Gをつかんで持ち上げるとき、品物Gの厚さが揺動ハンド3、3の幅/太さを越えることがなく、品物Gを面P上に置くとき、揺動ハンド3、3の長手方向を面Pにほぼ平行にしたままにすることができ、品物Gをそっと面P上に置くことができ、品物Gを破損/傷めることがない。
【0045】
基端アーム2、2、揺動ハンド3、3の向きは、上記ほぼ180度以外にも、90度、45度、135度、…、225度、270度、…に変更可能である。この場合、例えば、上記面Pは、水平以外に、垂直、縦、横、斜めでもよく、上記品物Gは磁石、面ファスナーなどで、この面P上に吸着/付着される。この場合、面Pはこの磁石/面ファスナーに吸着する素材で構成される。
【0046】
上記ほぼ180度以外にも、90度、45度、135度、…、225度、270度、…、0度(向きを変えない)に変更された場合でも、上記第1アーム11(変更部)は、上記基端アーム2、2の向きを、上記揺動ハンド3、3とともに変えて/変えないで、上記品物G/ものの向きを変え/変えないで、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3が互いに離れたり近づいたりすることが可能であり、これにより上記品物G/ものを挟んだり放したりすることが可能である。そして、上記付勢バネ5、5は、上記基端アーム2、2に対して上記揺動ハンド3、3が揺動または回動したとき元に戻すように付勢する。さらに、上記品物G/ものを挟んで上記揺動ハンド3、3及び上記基端アーム2、2が持ち上げられるとき、上記付勢バネ5、5によって当該基端アーム2、2に対して当該揺動ハンド3、3が元に戻される。そして、上記付勢バネ5、5によって上記揺動ハンド3、3が戻される位置と、上記基端アーム2、2の向きが変えられたとき、上記付勢バネ5、5によって上記揺動ハンド3、3が戻される位置とはほぼ同じ位置となる。
【0047】
基端アーム2、2、揺動ハンド3、3は、板状のほか、棒状、ブロック状、コイル状、波状、複数の連結棒状、複数の線状、円柱状、角柱状、その他、楕円柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、鋸歯状、方形、長方形、正方形、三角形、円板、楕円板、多角形板、台形板、半楕円形、平行四辺形、菱形、多角形、三角形、台形、環形、半環形、星形、扇形、曲線形状、十字形、L字形、H字形、I字形、U字形、T字形、C字形、O字形、N字形、M字形、X字形、J字形、Y字形、E字形、F字形、S字形、V字形、曲面、角張った形状、直方体状、多面体状、その他の立体形状、これらの組み合わせ立体形状でもよい。
【0048】
上記第1アーム11内の開閉機構は、モーターで駆動されるピニオンとこのピニオンに噛み合って互いに逆方向に移動する2つのラックなど、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3を開閉できればどのような機構でもよい。上記第2アーム12内のモーターなどの駆動源は、第1アーム11を正逆回転できればどのような駆動源でもよい。
【0049】
基端アーム2、2、揺動ハンド3、3、回動軸4、4、付勢バネ5、5、転動ローラー6、6、当接部7、7、取付け具8、8、ねじ9、9は、一対ずつで左右対称形状または同一形状であったが、各対で対称ではない形状、異なる形状であってもよい。第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13、第4アーム14は、挟み装置1を上述のように駆動できれば、どのような構造であってもよく、他のロボットであってもよく、上述の構造に限られるものではない。
【0050】
上記挟み装置1、基端アーム2、2、揺動ハンド3、3、回動軸4、4、付勢バネ5、5、転動ローラー6、6、当接部7、7、取付け具8、8、ねじ9、9、第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13、第4アーム14、カメラ20、第1アーム11内の開閉機構、第2アーム12内の駆動源、品物G、面Pは、単数でも複数でも3つ以上でもよいし、これらそれぞれの構成、動作、作用、工程または機能の一部または全体は省略されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、向きは図示のもののほか、90度、0度乃至180度、上下、左右、前後、表裏、手前、奥に傾斜/向きを変えて/反転されて使用されてもよく、それぞれの寸法の相対的大小は切り換えられてもよいし同じでもよく、一部または全部省略されてもよいし、形状は、平坦、カーブしていてもよいし、穴が開いていてもよいし、凹凸があってもよいし、方形、長方形、正方形、三角形、円板、楕円板、多角形板、台形板、半楕円形、平行四辺形、菱形、多角形、三角形、台形、環形、半環形、星形、扇形、曲線形状、十字形、L字形、H字形、I字形、U字形、T字形、C字形、O字形、N字形、M字形、X字形、J字形、Y字形、E字形、F字形、S字形、V字形、曲面、角張った形状、直方体状、多面体状、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、鋸歯状、コイル、ひも、板、棒、ブロック、その他の立体形状、これらの組み合わせ立体形状でもよく、角張った段差のある形状、丸みを帯びた段差のある形状、丸みを帯びた凹凸のある形状、これらの組み合わせ形状、段差状、網状、枠状、シート状、メッシュ状、ブラインド状、スリット状、多数の穴があいたもの、これらの中央等に穴があいたもの、これらの組み合わせ複合形などでもよいし、一部または全部省略されてもよいし、材質は、木、竹、樹脂、金属、ガラス、綿、布、糸、繊維、ゴム、セラミック、カーボン、コンクリート、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよいし、透明でも、半透明でもよい。
【0051】
(4)他の発明の効果
[1]互いに離れたり近づいたりする少なくとも2つの基端部と、 これら少なくとも2つの基端部のそれぞれの先に、当該基端部に対して揺動または回動可能に取り付けられ、上記基端部の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより品物を挟んだり放したりする少なくとも2つの揺動部と、 上記基端部とこの基端部に対して揺動または回動可能な揺動部との間に設けられ、当該基端部に対して上記揺動部が揺動または回動したとき元に戻すように付勢する付勢部と、 上記少なくとも2つの基端部の向きを、上記少なくとも2つの揺動部とともに変える変更部とを備えたことを特徴とする挟み装置。
【0052】
[2]上記変更部は、上記少なくとも2つの基端部の向きを、上記少なくとも2つの揺動部とともにほぼ180度変えて、上記品物をほぼ反転させることを特徴とする請求項1記載の挟み装置。 これにより、品物/ものを挟んでつかんで向きを変えるだけでなく、品物/ものを挟んでつかんで表裏反転することもできる。
【0053】
[3]上記基端部の向きがほぼ180度変えられたときにも、互いに離れたり近づいたりすることが可能であり、上記揺動部は、当該基端部の互いに離れたり近づいたりする動きに追随して互いに離れたり近づいたりし、これにより上記品物を挟んだり放したりすることが可能なことを特徴とする請求項2記載の挟み装置。 これにより、揺動部または基端部がそのままで反転されず表向きだけでなく、揺動部または基端部が反転されて裏向きでも、品物/ものを挟んでつかむことができ、この品物/ものの向きを変えることができる。
【0054】
[4]上記基端部の向きがほぼ180度変えられたときにも、上記付勢部は、当該基端部に対して上記揺動部が揺動または回動したとき元に戻すように付勢することを特徴とする請求項3記載の挟み装置。 これにより、品物/ものの向きをほぼ180度変えて反転させるとき/持ち上げるとき/位置と、品物/ものの向きをほぼ180度変えないで反転させる/持ち上げるとき/位置とで、揺動部の位置/状態を近似させることができ、品物/ものを表裏で近似した位置/状態で持ち上げることができ、揺動部、基端部、品物/ものの表裏での差が小さくなり、表裏での制御が近似させることができる。
【0055】
[5]上記品物を挟んで上記揺動部及び上記基端部が持ち上げられるとき、上記付勢部によって当該基端部に対して当該揺動部が元に戻されることを特徴とする請求項4記載の挟み装置。 これにより、例えば、品物/ものの向きをほぼ180度変えて反転させるときと、品物/ものの向きをほぼ180度変えないで反転させるときとで、揺動部の状態をほぼ同じにでき、品物/ものを表裏で同じ状態で持ち上げることができ、品物/ものの表裏で差が生じず、表裏での制御をほぼ同じにできる。
【0056】
[6]上記付勢部によって上記揺動部が戻される位置と、上記基端部の向きがほぼ180度変えられたとき、上記付勢部によって上記揺動部が戻される位置とはほぼ同じ位置であることを特徴とする請求項5記載の挟み装置。 これにより、例えば、品物/ものの向きをほぼ180度変えて持ち上げる位置と、品物/ものの向きをほぼ180度変えないで持ち上げる位置とで、揺動部が戻される位置をほぼ同じにでき、品物/ものを表裏で同じ位置で持ち上げることができ、品物/ものの表裏で差が生じず、表裏での制御をほぼ同じにできる。
【0057】
[7]上記揺動部の上縁または下縁は、品物をつかむとき、または品物を離すとき、品物が置かれているまたは品物を置く面に平行であることを特徴とする請求項6記載の挟み装置。 これにより、品物をつかむとき、または品物を離すときに、傾いて斜めに品物をつかんでまたは離すことが無く、品物を傷めることがない。
【0058】
[8]上記品物の下面または上面は、揺動部の上縁または下縁と平行であることを特徴とする請求項7記載の挟み装置。 これにより、品物を持ち上げ/反転させ/下げるとき、品物が揺動部に対して傾くことがなく、面に対して品物をそっと持ち上げ/反転させ/下げることができ、品物を傷めることがない。
【0059】
[9]上記揺動部の先端には、上記品物が置かれている面に接触してこの面の上を転動可能な転動部が設けられていることを特徴とする請求項8記載の挟み装置。 これにより、転動部は、品物/ものが置かれている面に接触してこの面の上を円滑に転動可能となって、揺動部、基端部が挟む品物/ものまで円滑に移動できる。
【0060】
[10]上記少なくとも2つの揺動部の互いに対向する側には、上記挟んだり放したりする上記品物に当接可能で、当該品物に当接したり離れたりすることによって、弾力的に変形したり復帰したりする当接部を備えたことを特徴とする請求項9記載の挟み装置。 これにより、挟んだり放したりする品物/ものを傷つけたり破損したりすることがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
品物/ものを、挟んでつかんで、向きを変えることができる。基端アーム2、2とともに揺動ハンド3、3を閉じて品物Gを挟んで持ち上げると、付勢バネ5、5によって揺動ハンド3、3と基端アーム2、2は一直線状になる。第1アーム11(変更部)を回転して、基端アーム2、2及び揺動ハンド3、3をほぼ180度反転させると、品物Gが表裏反転されて向きが変えられる。
【0062】
揺動ハンド3、3及び基端アーム2、2を下して、揺動ハンド3、3の先端の転動ローラー6、6が面Pに当たると、揺動ハンド3、3が基端アーム2、2から折れ曲がり、揺動ハンド3、3全体が面Pに接してから、基端アーム2、2とともに揺動ハンド3、3を開くと、品物Gが表裏反転されて向きが変えられた状態で面P上に置かれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6