【解決手段】駐車スペースに駐車さるための駐車経路Tに沿って自車両2を自動で走行させる自動駐車制御を実行する駐車支援装置であって、移動体の位置P、及び移動方向Fを検知する移動体検知部26と、前記移動体と前記自車両2の衝突を、前記駐車経路Tに沿って設定した衝突判定領域Ra内に前記移動体が位置するか否かに基づいて推定する衝突推定部28と、を備え、前記衝突推定部28は、前記駐車経路T、及び前記自車両の進行方向Eに基づいて分けられた複数の領域を有する接近離脱判定領域Rbを、前記自車両2の進行方向Eにおける前方に設定し、前記移動体が位置する前記接近離脱判定領域Rbの中の領域と、当該移動体の移動方向Fとに基づいて、前記衝突判定領域Raの大きさを変える構成とした。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る自動駐車支援システム1の構成を示す図である。
自動駐車支援システム1は、例えば運転者などの乗員によって開始指示が与えられた場合に、自車両2(
図2)を目標の駐車スペースに運転者が運転操作せずとも自動的に駐車させることで運転者を支援する車載システムである。自動駐車支援システム1は、自動駐車支援装置4と、車両制御部6と、車両状態検知部8と、車外撮影部10と、を備え、これらがCANなどの車載ネットワークを介して、或いは、直接的に接続される。
【0010】
自動駐車支援装置4は、自動駐車制御を実行する装置である。自動駐車制御は、運転者による操舵などの運転操作を伴うことなく自車両2を自動で走行させ、駐車スペースへの駐車を完了する制御である。
自動駐車支援装置4は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイス(主記憶装置とも呼ばれる)と、HDDやSSDなどのストレージ装置(補助記憶装置とも呼ばれる)と、センサ類や周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、車載ネットワークを介して他の車載機器と通信する車載ネットワーク通信回路と、を備えたコンピュータ(本実施形態では、ECU(Electric Control Unit))を有する。自動駐車支援装置4では、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、自動駐車制御のための各種の機能的構成が実現されており、これらの機能的構成については後述する。
【0011】
車両制御部6は、自動駐車支援装置4の制御信号に応じて、自車両2を走行させるための制御を行うアクチュエータ7を有する。かかるアクチュエータ7は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。
スロットルアクチュエータは、自動駐車支援装置4からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自車両2の駆動力を制御する。なお、車両がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動駐車支援装置4からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自車両2が電気自動車である場合には、スロットルアクチュエータの代わりに動力源としてのモータに自動駐車支援装置4からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ7を構成する。
ブレーキアクチュエータは、自動駐車支援装置4からの制御信号に応じて、自車両2に設けられたブレーキシステムを制御し、自車両2の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば液圧ブレーキシステムを用いることができる。
操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、自動駐車支援装置4からの制御信号に応じて制御する。
【0012】
車両状態検知部8は、自車両2の走行に係る状態を検知し、自動駐車支援装置4に出力する検知器を備える。かかる検知器は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。
車速センサは、自車両2の速度を検知する検知器である。車速センサとしては、例えば、自車両2の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフトなどに対して設けられ、車輪の回転速度を検知する車輪速センサが用いられる。加速度センサは、自車両2の加速度を検知する検知器である。加速度センサは、例えば、自車両2の前後方向の加速度を検知する前後加速度センサと、自車両2の横加速度を検知する横加速度センサとを含んでいる。ヨーレートセンサは、自車両2の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検知する検知器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。
【0013】
車外撮影部10は、自車両2の周囲を撮影し、撮影データを自動駐車支援装置4に出力するカメラを備える。かかるカメラは、自車両2の前方を撮影するフロントカメラ、後方を撮影するリアカメラ、左側方を撮影する左サイドカメラ、及び、右側方を撮影する右サイドカメラを含む。車外撮影部10は、これらのカメラによって、自車両2の全周囲(360°の範囲)を撮像する。
【0014】
自動駐車支援装置4は、機能的構成として、駐車スペース設定部20と、経路生成部22と、自動運転制御部24と、移動体検知部26と、衝突推定部28と、を備える。
【0015】
駐車スペース設定部20は、自車両2の駐車先となる目標の駐車スペースを設定する。駐車スペース設定部20は、乗員による操作に基づいて駐車スペースを設定する。具体的には、駐車スペース設定部20は、自車両2の周囲の映像を車外撮影部10の撮影データに基づいてディスプレイ(図示せず)に表示し、当該映像に映っている駐車スペースのいずれかを、乗員がタッチパネルなどの操作子(図示せず)を操作して指定した場合に、乗員によって指定された駐車スペースを目標に設定する。
なお、駐車スペース設定部20は、映像に映っている駐車スペースを画像認識し、当該駐車スペースの境界線を映像に重ねてディスプレイに表示してもよい。また、かかる画像認識の結果に基づいて、駐車スペース設定部20が目標の駐車スペースを乗員の操作によらずに自動で設定してもよい。
【0016】
経路生成部22は、現在位置から移動して駐車スペースに駐車するまでの間に自車両2が走行する経路(以下、「駐車経路T」と言う)を生成する。なお、駐車経路Tの生成手法には、公知、及び周知の適宜の手法を用いることができる。
【0017】
自動運転制御部24は、自車両2を運転者の運転操作を伴わずに自動で走行させるための自動運転制御を駐車経路Tに基づいて実行する。すなわち、自動運転制御部24は、車両制御部6を制御する制御信号を駐車経路Tに基づいて生成し、当該制御信号を車両制御部6に送信する。車両制御部6が制御信号にしたがって自車両2の走行のための制御を行うことで、自車両2が自動で駐車経路Tに沿って走行し、駐車スペースに自動で駐車される。
【0018】
移動体検知部26は、自動運転制御部24による自動運転制御によって自車両2が自動で走行している間、自車両2の周囲における移動体を検知する。移動体は、例えば歩行者や自転車といった移動を伴う物体である。移動体検知部26は、車外撮影部10の撮影データに対して画像認識処理を行うことで移動体を検知する。移動体検知部26は、移動体を検知した場合、移動体の位置と、移動ベクトル(いわゆる、オプティカルフロー)とを求める。移動ベクトルは、撮影画像における当該移動体の移動方向、及び移動の速さを含み、公知、又は周知の画像処理によって求める。移動体の位置は、自車両2を基準にした相対位置(後述のローカル座標系A(
図3)における位置)として求められる。
【0019】
衝突推定部28は、移動体検知部26によって移動体が検知された場合に、当該移動体と自車両2との衝突を予測する。また衝突推定部28は、移動体と自車両2が衝突すると予測した場合、運転者の運転を伴わずに自動で衝突を回避するための自動運転制御(以下、「衝突回避自動運転制御」という)に対応する制御信号を自動運転制御部24に生成させる。衝突回避自動運転制御としては、例えば自車両2の走行速度を自動で落とす減速制御(速度ゼロまでの減速(すなわち停車)を含む)が挙げられる。かかる制御信号が自動運転制御部24から車両制御部6に出力され、当該制御信号にしたがって車両制御部6が制御を行うことで、衝突を回避するように自車両2が自動で走行する。
【0020】
衝突予測について具体的には、衝突推定部28は、駐車経路Tに沿って衝突判定領域Ra(
図6)を設定し、当該衝突判定領域Raの中に移動体が位置する場合には、移動体が自車両2に衝突すると判断する。衝突推定部28は、衝突判定領域Raを設定する際、移動体の接近離脱判定を行い、当該接近離脱判定結果に基づいて、衝突判定領域Raの大きさを増減する。この接近離脱判定については後に詳述する。
【0021】
図2は、自動駐車支援システム1の動作の流れを概略的に示す図である。
自動駐車支援装置4では、目標の駐車スペースが駐車スペース設定部20によって設定されると、経路生成部22が駐車経路Tを生成する(ステップSa1)。次に自動運転制御部24が当該駐車経路Tに基づいて制御信号を生成し車両制御部6に送信する。そして車両制御部6が制御信号に基づいて、自車両2を走行させるための制御を開始することで、自車両2が駐車経路Tに沿って自動で走行を開始する(ステップSa2)。車両制御部6による制御は駐車スペースへの駐車が完了するまで継続的に行われる。
【0022】
一方、車両制御部6の制御によって自車両2が自動で走行している間、自動駐車支援装置4では、移動体検知部26が当該自車両2の周囲における移動体の検知動作を継続的に行い(ステップSa3)、移動体検知部26は、移動体を検知した場合(ステップSa4:Yes)、当該移動体の位置と移動ベクトルとを求める(ステップSa5)。
【0023】
次いで、衝突推定部28が移動体と自車両2との衝突を予測する。
すなわち、衝突推定部28は、先ず、上述の接近離脱判定を行う(ステップSa6)。接近離脱判定は、移動体が自車両2に近づく方向(以下、「接近方向」と言う)に移動しているか、又は、当該移動体が自車両2から離れる方向(以下、「離脱方向」と言う)に移動しているかを判定する処理である。
この接近離脱判定では、衝突推定部28は、先ず、接近離脱判定領域Rbを設定する。次いで、衝突推定部28は、接近離脱判定領域Rbにおける検知時の移動体の位置と、その位置での移動体の検知時の移動方向と、に基づいて、移動体が「接近方向」と「離脱方向」のどちらに移動しているかを判定する。
【0024】
図3は、かかる接近離脱判定領域Rbを模式的に示す図である。
同図に示すように、接近離脱判定領域Rbは、自車両2からみて当該自車両2の進行方向Eにおける前方に設定される領域(図示例では略矩形の領域)である。進行方向Eは、当該接近離脱判定領域Rbの設定時の自車両2が前進走行、又は後退走行によって自車両2が進行している方向であって、自車両2の姿勢角θがゼロ度の方向である。また、接近離脱判定領域Rbは、移動体の検知時点での自車両2の進行方向先端2Ftと、駐車経路Tに基づく調整駐車経路Taと、移動体の位置Pと、を含む大きさに設定される。
また、接近離脱判定領域Rbにおける位置は、当該接近離脱判定領域Rbの設定時の自車両2の位置を原点Oとし、進行方向EをX軸、進行方向Eと直交する方向をY軸とした2次元のローカル座標系Aを用いて表される。
【0025】
なお、以下では、接近離脱判定領域Rbにおいて、駐車経路Tが自車両2の進行方向Eの軸線(すなわちX軸)から外れた地点を通るものとする。
【0026】
調整駐車経路Taは、自車両2の駐車経路Tに沿った走行時に、自車両2の左側面2L、又は右側面2Rのうち、自車両2の現在の姿勢角θからの変位方向(回転方向)と反対側の側面が通過する経路を示すものである。姿勢角θは、上述の通り、自車両2の水平面内での回転角である。
かかる調整駐車経路Taは、駐車経路T上の各位置Qを、当該位置Qでの自車両2の姿勢角θの変位方向Kと逆方向に、所定マージンMa分だけずらすことで求められる。姿勢角θの変位方向Kは、現在の姿勢角θ=ゼロ度の方向を基準にして、位置Qでの自車両2の姿勢角θ=ゼロ度が位置する方向を示したものである。また所定マージンMaは、自車両2の車幅Wに応じて設定された値(例えば車幅Wの半分の値)である。
例えば
図4に示すように、位置Qでの自車両2の姿勢角θの変位方向Kがプラス方向である場合、反対側のマイナス方向に、位置Qを所定マージンMa分だけずらすことで、当該位置Qに対応する調整駐車経路Taの位置Rが求められる。
【0027】
接近離脱判定領域Rbは、上述の通り、自車両2の進行方向Eと、調整駐車経路Taとを含むため、前掲
図4に示すように、これら進行方向Eと調整駐車経路Taとによって、第1判定領域Rb1と、第2判定領域Rb2と、第3判定領域Rb3と、の3つの領域に分けられる。これら第1判定領域Rb1、第2判定領域Rb2、及び第3判定領域Rb3は、互いに重複することがない排他的な領域である。
第1判定領域Rb1は、進行方向Eと調整駐車経路Taとの間の領域である。
第2判定領域Rb2は、進行方向Eからみて調整駐車経路Taとは反対側の領域から第1判定領域Rb1、及び第3判定領域Rb3を除いた領域である。
第3判定領域Rb3は、調整駐車経路Taからみて進行方向Eと反対側の領域から第1判定領域Rb1、及び第2判定領域Rb2を除いた領域である。
【0028】
なお、接近離脱判定領域Rbにおいて、駐車経路Tが自車両2の進行方向Eの軸線と一致する場合、調整駐車経路Taには駐車経路Tがそのまま用いられ、また、上記第1判定領域Rb1が無くなり、第2判定領域Rb2、及び第3判定領域Rb3のみとなる。
【0029】
衝突推定部28は、かかる接近離脱判定領域Rbを設定すると、第1判定領域Rb1、第2判定領域Rb2、及び第3判定領域Rb3のどの領域に移動体の位置Pが属するかを判定する。また衝突推定部28は、移動体の検知時の移動方向Fが自車両2の進行方向Eの軸線(すなわちX軸)に近付く方向か否か(すなわち、移動体が進行方向Eの軸線に向かって移動しているか否か)を判定する。
図3の図示例では、移動体の移動方向Fは自車両2の進行方向Eの軸線に近付く方向を向いている。
そして衝突推定部28は、移動体の位置P、及び移動方向Fの判定結果に基づいて、移動体が上述した「接近方向」に移動しているか、又は「離脱方向」に移動しているかを最終的に判定する。
なお、接近離脱判定領域Rbのどの領域に移動体の位置Pが属するかを判定するための手法には適宜の手法を用いることができる。例えば、衝突推定部28が接近離脱判定領域Rbの角領域ごとに、当該領域の輪郭形状と、移動体の位置Pの座標とから偏角を求め、移動体の位置Pが当該領域の中にあるか否かを判定してもよい。
【0030】
図5は、接近離脱判定領域Rbにおける移動体が位置する領域、及び当該移動体の移動状況と、接近離脱判定結果と、の対応を示す図である。なお、移動状況は、自車両2の進行方向Eの軸線への移動体の移動状況を示す。移動体が自車両2の進行方向Eの軸線に近づく方向に移動している場合、移動状況が「接近」と表される。これとは逆に、移動体が自車両2の進行方向Eの軸線が離れる方向に移動している場合、移動状況が「離脱」と表される。
同図に示すように、第1判定領域Rb1に移動体が位置する場合を除き、衝突推定部28は、各移動状況が示す方向を、移動体の移動方向と判定する。すなわち、衝突推定部28は、移動状況が「接近」であれば、移動体の移動方向を「接近方向」と判定し、移動状況が「離脱」であれば、移動体の移動方向を「離脱方向」と判定する。
【0031】
一方、第1判定領域Rb1に移動体が位置する場合、衝突推定部28は、移動状況にかかわらず、移動体の移動方向を「離脱方向」と判定する。すなわち、衝突推定部28は、移動状況が「接近」であっても、移動体の移動方向を「離脱方向」と判定する。
これにより、自車両2の進行方向Eの軸線へ移動体が近づいている場合であっても、当該移動体が位置する領域によって、移動方向が「離脱方向」と正確に判定されることとなる。
【0032】
前掲
図2に戻り、衝突推定部28は、次に、接近離脱判定結果に応じた大きさの衝突判定領域Raを駐車経路Tに沿って設定する。具体的には、衝突推定部28は、移動体の接近離脱判定結果が「接近方向」である場合(ステップSa7:接近方向)、衝突判定領域Raを拡張し(ステップSa8)、接近離脱判定結果が「離脱方向」である場合(ステップSa7:離脱方向)、衝突判定領域Raを縮小する(ステップSa9)。
【0033】
図6は、衝突判定領域Raの拡大、及び縮小の説明図である。
衝突判定領域Raは、
図6に示すように、自車両2の左側面2L、及び右側面2Rの各々から所定幅Uを駐車経路Tに沿って設定して成る領域である。そして、接近離脱判定結果が「接近方向」である場合、衝突推定部28は、初期値U0よりも大きな所定幅Uで衝突判定領域Raを設定する。一方、接近離脱判定結果が「離脱方向」である場合、衝突推定部28は、初期値U0よりも小さな所定幅Uで衝突判定領域Raを設定する。
移動体の移動方向が「離脱方向」である場合には、衝突判定領域Raが縮小されるため、衝突する虞がない移動体について、「衝突する」と判定されてしまう回数を減らすことができる。
一方、移動体の移動方向が「接近方向」である場合には、衝突判定領域Raが拡大されることで、衝突回避の確実性が高められる。
【0034】
図2に戻り、衝突推定部28は、衝突判定領域Raの中に移動体が位置するか否かに基づいて、移動体と自車両2とが衝突するか否かを判定する(ステップSa10)。衝突推定部28は、衝突判定領域Raの中に移動体が位置する場合、移動体が自車両2に衝突すると判定し(ステップSa11:衝突する)、この場合には、衝突回避運転制御に対応する制御信号を自動運転制御部24に生成させ、当該制御信号を車両制御部6に出力させる。これにより、衝突回避運転制御が実行される(ステップSa12)。
【0035】
本実施形態によれば、次の効果を奏する。
【0036】
本実施形態の自動駐車支援装置4では、衝突推定部28は、駐車経路T、及び自車両2の進行方向Eに基づいて分けられた第1判定領域Rb1、第2判定領域Rb2、第3判定領域Rb3を含む接近離脱判定領域Rbを自車両2の進行方向Eにおける前方に設定し、移動体が位置する接近離脱判定領域Rbの領域と、当該移動体の移動方向Fとに基づいて、衝突判定領域Raの大きさを変える。
これにより、自動走行時における移動体と自車両2との衝突が、より精度良く判定される。したがって、衝突が発生しないような状況下で、衝突が発生すると衝突推定部28によって判定されてしまう回数を減らすことができるため、無駄な衝突回避運転制御の実行を減らし、駐車の完了に要する所要時間が無駄に延びることを抑えることができる。
【0037】
本実施形態の自動駐車支援装置4では、衝突推定部28は、移動体が「離脱方向」に移動していると判定した場合、衝突判定領域Raを小さくする。
これにより、衝突する虞がない移動体について、「衝突する」と判定されてしまう回数を確実に減らすことができる。
【0038】
本実施形態の自動駐車支援装置4では、衝突推定部28は、移動体が「接近方向」に移動していると判定した場合、衝突判定領域Raを大きくする。
これにより、衝突回避の確実性が高められる。
【0039】
本実施形態では、接近離脱判定領域Rbの中の1つの領域は、駐車経路Tに基づく調整駐車経路Taと自車両2の進行方向Eの軸線との間の第1判定領域Rb1であり、移動体が第1判定領域Rb1に位置する場合には、衝突推定部28は、移動体の移動方向Fによらず、移動体が「離脱方向」に移動していると判定する。
第1判定領域Rb1の設定により、移動体と自車両2との衝突が発生する蓋然性が低い状況を、より正確に判定することができ、この判定結果を、衝突判定領域Raの大きさの変更に用いることができる。
【0040】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
【0041】
上述した実施形態において、
図1に示す機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために、自動駐車支援システム1、及び自動駐車支援装置4の構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、当該構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0042】
上述した実施形態において、水平、及び垂直等の方向、各種の数値、及び形状に係る記載は、特段の断りがない限り、その方向の周辺、その数値の周辺、及び近似の形状を除外するものではない。すなわち、これらの方向、数値、及び形状と同じ作用効果を奏する限りにおいて、実施形態における方向、数値、及び形状は、その方向の周辺、その数値の周辺、及び近似の形状(いわゆる、均等の範囲)を含む。