特開2021-95516(P2021-95516A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-95516リキッド印刷インキ、及び発泡性積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-95516(P2021-95516A)
(43)【公開日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】リキッド印刷インキ、及び発泡性積層体
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/102 20140101AFI20210528BHJP
   C09D 11/08 20060101ALI20210528BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20210528BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20210528BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20210528BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20210528BHJP
   B41M 1/30 20060101ALI20210528BHJP
   B41M 1/10 20060101ALI20210528BHJP
【FI】
   C09D11/102
   C09D11/08
   B65D65/40 D
   B32B5/18
   B32B27/00 E
   B32B27/10
   B41M1/30 D
   B41M1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-228230(P2019-228230)
(22)【出願日】2019年12月18日
(71)【出願人】
【識別番号】310000244
【氏名又は名称】DICグラフィックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(72)【発明者】
【氏名】畦地 敬
(72)【発明者】
【氏名】濃沼 賢
(72)【発明者】
【氏名】志知 祐次
【テーマコード(参考)】
2H113
3E086
4F100
4J039
【Fターム(参考)】
2H113AA03
2H113AA06
2H113BA01
2H113BA03
2H113BB22
2H113BB32
2H113BC10
2H113CA25
2H113DA43
2H113DA45
2H113DA47
2H113DA62
2H113EA03
2H113EA10
2H113FA54
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA16
3E086BB37
3E086BB62
3E086CA01
3E086CA11
4F100AA21D
4F100AJ04B
4F100AJ06D
4F100AJ11D
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK04A
4F100AK04C
4F100AK51D
4F100BA04
4F100DJ01C
4F100EJ02C
4F100EJ423
4F100GB16
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4F100HB31D
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4F100JJ02
4F100JK09
4F100JK14
4F100JL11D
4J039AB02
4J039AB12
4J039AE04
4J039BC08
4J039BC22
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4J039EA15
4J039EA16
4J039EA17
4J039EA19
4J039EA20
4J039EA48
4J039FA02
4J039GA03
(57)【要約】
【課題】発泡性、接着性、耐摩擦性、耐傷つき性、低温保存安定性を兼備したリキッド印刷インキ。
【解決手段】
原紙と、原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、原紙の他面を被覆し第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、第2の樹脂層表面に印刷層を形成するリキッド印刷インキ。
(1)セルロース系樹脂をウレタン樹脂に対し 40〜200質量%含有する。
(2)ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し1〜20質量%含有する。
(3)脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース樹脂とウレタン樹脂の総計に対し1〜7質量%含有する。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスを、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し5〜25質量%含有する。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し10〜300質量%含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成するためのリキッド印刷インキであって、 前記リキッド印刷インキは、(1)〜(4)を満たすことを特徴とするリキッド印刷インキ。
(1)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とを含有し、セルロース系樹脂をウレタン樹脂に対し 40〜200質量%含有する。
(2)ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜20質量%含有する。
(3)脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜7質量%含有する。
(4)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスとの質量比率関係が下記を満たす。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスを、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 5〜25質量%含有する。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し 10〜300質量%含有する。
【請求項2】
前記ウレタン樹脂のガラス転移温度が−80度〜−20度の範囲内である請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
【請求項3】
前記脂肪酸アマイド系ワックスが、飽和脂肪酸アマイド及び/又は不飽和脂肪酸アマイドである請求項1又は2に記載のリキッド印刷インキ。
【請求項4】
原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層とを含み、
前記印刷層が、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のリキッド印刷インキからなる少なくとも1つの印刷パターンを含む発泡性積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に食品向け断熱容器として利用可能な発泡性積層体向けリキッド印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱石油資源の視点から紙基材が注目されており、例えば、従来より「カップ麺」と称される食品用に使用されるカップや飲料用カップには低コスト、高断熱性であるポリスチレン製カップが使用されてきたのが通例であったが、こう言ったカップ類にも紙製容器が多く使われるようになってきた。
一般的な紙カップはカップ内面にポリエチレンでコーティングが施されており、水漏れしない構造となっているが、カップ外面はコーティングされていないため、長期間飲料を入れておくと結露によってカップの強度が弱くなる傾向にある。また、熱が伝わりやすいため、熱い内容物での使用には適していない。
そこでカップ外面に更に波状や二重・三重構成に紙型加工することでカップの強度や断熱性を付与する工夫もなされているが、構造が複雑化する為、生産効率が悪くコスト高である。
これに対して、最近では断熱性に加えて、手に持った時のフィット感や滑り止めを付与した独特な手触りを持つ発泡性断熱カップが注目を集めつつある。
前記発泡断熱カップはカップ内面と外面がポリエチレンでコーティングされており、カップ成型時に加熱して外面のポリエチレンを発泡させることで、空気の層が形成され手に伝わる熱を遮断する。この構造により、結露によるカップ強度低下の抑制および熱い内容物に適用することが出来る。
前記発泡性断熱カップに使用される発泡性積層体のメカニズムとしては、原紙の片面に低密度ポリエチレン、反対側の片面に高密度又は中密度ポリエチレンをラミネート加工した後、オーブンで加熱する事でラミネート層が過熱し、原紙がもつ水分により発泡させるものであり、発泡断熱カップ成型時に容器の外面となる前記低密度ポリエチレンの表面には、デザイン模様、商品名、メーカー名、商品バーコード等の為の印刷層を設ける事を必然とされる。
【0003】
前記印刷層が、リキッド印刷インキであるグラビア印刷インキを用いてグラビア印刷による表刷りによって実施される例を挙げれば、被印刷物に対する印刷適性に加えて、インキ皮膜が断熱層を構成する低密度ポリエチレンフィルムの発泡を妨げずに追従し、凹凸の少なく滑らかな印刷面を形成する事が必要となる。表面の凹凸により、特に小さい文字や画数の多い文字、バーコード等が不鮮明となり、読み取りに支障が生じる為である。
また、容器形成時要求される耐摩擦性、耐傷つき性及び密着性といった各種耐性が兼備している事が望まれる。
また、断熱性発泡紙製容器の印刷層を形成するためのグラビア印刷用インキとして、従来バインダー成分としてポリアミド樹脂とセルロース誘導体とを含むインキが知られているが、バインダー成分の主成分としてポリアミド樹脂を含むインキの場合、インキ皮膜が長時間にわたって熱や光に曝されると、ポリアミド樹脂中に含まれる油脂等の低分子量成分が、アセトアルデヒド類に酸化分解することによって脂系臭気が発生するという欠点がある。
そこで、ウレタン樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を特定比率で混合する事でバインダー樹脂の伸長率を400%〜3,000%とする事で前記印刷層表面の凹凸を改善するインキ組成物(例えば、引用文献1)や、ウレタン系樹脂、又はウレタン系樹脂及び硝化綿を含む発泡性紙製容器向け原材料シート(例えば、引用文献2)が開示されているが、いずれも発泡性に加えて基材への密着性、耐摩擦性、耐傷つき性、低温保存安定性が充分兼備されているとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2009/119800公報
【特許文献2】特開2018−167864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、発泡性、基材への接着性、耐摩擦性、耐傷つき性、及び低温保存安定性を兼備したリキッド印刷インキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成するためのリキッド印刷インキであって、 前記リキッド印刷インキが、
(1)〜(4)を満たす特定のリキッド印刷インキとする事が課題解決に有効であることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成するためのリキッド印刷インキであって、 前記リキッド印刷インキは、(1)〜(4)を満たすことを特徴とするリキッド印刷インキに関する。
(1)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とを含有し、セルロース系樹脂をウレタン樹脂に対し 40〜200質量%含有する。
(2)ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜20質量%含有する。
(3)脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜7質量%含有する。
(4)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスとの質量比率関係が下記を満たす。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスを、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 5〜25質量%含有する。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し 10〜300質量%含有する。
【0008】
また、本発明は、前記ウレタン樹脂のガラス転移温度が−80度〜−20度の範囲内であるリキッド印刷インキに関する。
【0009】
また、本発明は、脂肪酸アマイド系ワックスが、飽和脂肪酸アマイド及び/又は不飽和脂肪酸アマイドであるリキッド印刷インキに関する。
【0010】
また、本発明は、原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層とを含み、前記印刷層が、該リキッド印刷インキからなる少なくとも1つの印刷パターンを含む発泡性積層体に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、発泡性、基材への接着性、耐摩擦性、耐傷つき性、及び低温保存安定性を兼備したリキッド印刷インキが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(言葉の定義)
本発明においてリキッド印刷インキとは、グラビアインキまたはフレキソインキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビアインキまたはフレキソインキである。また本発明のリキッド印刷インキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示し、「インキ全量」とは、有機溶剤等の揮発性成分をすべて含んだインキの全量を示し、「インキ固形分全量」とは、揮発性成分を含まない、不揮発性成分のみの全量を示す。
【0013】
本発明のリキッド印刷インキは、原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成するためのリキッド印刷インキであって、(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。
(1)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とを含有し、セルロース系樹脂をウレタン樹脂に対し 40〜200質量%含有する。
(2)ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜20質量%含有する。
(3)脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜7質量%含有する。
(4)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスとの質量比率関係が下記を満たす。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスを、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 5〜25質量%含有する。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し 10〜300質量%含有する。
【0014】
本発明のリキッド印刷インキは、原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の樹脂層と、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の樹脂層よりも低い融点を有し加熱処理によって発泡する第2の樹脂層を有する発泡材料の、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成することが出来る。
【0015】
前記発泡材料に使用される原紙は特に限定されないが、断熱容器の容量や強度の観点から、坪量80g/m〜500g/mを有する事が好ましい。また、発泡性積層体をオーブンで加熱する事でラミネート層が過熱し、原紙がもつ水分が水蒸気となり発泡させるものであるから、原紙全量の約5〜10質量%の含水率を保持していることが好ましい。
【0016】
前記第1の樹脂層、第2の樹脂層共に熱可塑性合成樹脂フィルムを原紙にラミネートする事で得られる。前記熱可塑性合成樹脂フィルムは、従来から容器材料として周知の樹脂材料からなるフィルムであってよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸および無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ビニロンなどの熱可塑性合成樹脂からなるフィルムから適宜選択して使用することができる。
前記発泡材料を用いて断熱容器を作製する場合、第1の樹脂層を形成する高融点樹脂フィルムが断熱容器の胴部の内壁に、第2の樹脂層を形成する低融点樹脂フィルムが断熱容器の胴部の外壁となる様にして使用される。
例えばポリエチレンフィルムを使用する場合、第1の樹脂層を形成する高融点樹脂フィルムとして、約130℃〜135℃の融点を有する高融点ポリエチレンフィルムを、第2の樹脂層を形成する低融点樹脂フィルムとして、約105℃〜110℃の融点を有する低融点ポリエチレンフィルムを其々ラミネートして使用することができる。
【0017】
前記原紙の表裏にラミネートする各フィルムの厚さは、特に限定されないが、耐熱容器の胴部の外壁を構成する低融点樹脂フィルムの厚さは、発泡後のフィルム層が断熱層として十分機能する様に、厚みを適宜調整する事が好ましい。例えば、低密度ポリエチレンフィルムであれば、25〜80μmの厚みが好ましい。また、耐熱容器胴部の内壁に中密度又は高密度ポリエチレンフィルムを使用する場合、フィルムの厚さは特に限定されないが、内容物が浸透して漏洩する事がないように、フィルムの厚さを適宜設定することが好ましい。
【0018】
本発明のリキッド印刷インキは、グラビア印刷又はフレキソ印刷によって、前記第2の樹脂層表面に印刷層を形成する事ができる。そして、本発明のリキッド印刷インキは、(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。
(1)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とを含有し、セルロース系樹脂をウレタン樹脂に対し 40〜200質量%含有する。
(2)ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜20質量%含有する。
(3)脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 1〜7質量%含有する。
(4)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスとの質量比率関係が下記を満たす。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスを、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し 5〜25質量%含有する。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し 10〜300質量%含有する。
【0019】
(1)セルロース系樹脂とウレタン樹脂
(セルロース系樹脂)
本発明のリキッド印刷インキで使用するセルロース系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース(硝化綿ともいう)、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはニトロセルロースである。分子量としては重量平均分子量で5,000〜200,000のものが好ましく、10,000〜50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃〜180℃であるものが好ましい。本発明のリキッド印刷インキでは、ウレタン樹脂と併用する事で、発泡性が向上する傾向となる。
ニトロセルロース(硝化綿)は、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましい。
【0020】
ニトロセルロース(硝化綿)を使用する事で、耐摩耗性が向上すると共に、着色顔料への高い分散性が得られる事から、印刷層を形成するインキ塗膜強度を向上させることができ好適である。前記ニトロセルロース(硝化綿)としては、窒素含有量が10〜13質量%、平均重合度30〜500が好ましく、より好ましくは窒素含有量が10〜13質量%、平均重合度45〜290である。
ニトロセルロース(硝化綿)の添加量としては、併用するウレタン樹脂に対し40〜200質量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜150質量%である。
ニトロセルロース(硝化綿)の添加量がウレタン樹脂に対して40質量%以上であれば耐摩耗性を保持しつつ発泡性が得られる傾向にあり、200質量%以下であれば発泡性、耐傷付き性が保持できる。
【0021】
本発明のリキッド印刷インキでは、発泡性を向上させるべくウレタン系樹脂を含有する事が好ましい。
【0022】
(ウレタン系樹脂)
ウレタン系樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン樹脂であれば特に限定されない。ポリオールとしては例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2ブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(1)、これらの低分子ポリオール類(1)と、セバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);前記低分子ポリオール類(1)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);ポリブタジエングリコール類(5);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)などが挙げられる。
【0023】
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアネート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチル−ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−2,7−ジイソシアネート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3−3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
また鎖伸長剤を使用することもできる。鎖伸長剤としては例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
ウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは15,000〜80,000の範囲である。
また、ウレタン樹脂のガラス転移温度が、−80℃〜−20℃の範囲である事が好ましく、−20℃〜−50℃の範囲であれば、より好ましい。
ガラス転移温度が、−80℃以上であれば耐摩耗性、耐傷つき性が保持できる傾向にあり、−20℃以下であれば発泡性が保持できる傾向となる。
また、ウレタン樹脂の破断伸度(%)は300〜3000%の範囲である事が好ましい。
更に、ウレタン樹脂の添加量としては、インキ全量に対し1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%であり、更に好ましくは7〜15質量%ある。下限の数値が高い程、発泡性に優れる傾向にある。
【0026】
(2)ポリオレフィン系ワックス
本発明のリキッド印刷インキでは、発泡材料の印刷製造時の耐摩耗性、耐傷つき性、密着性を付与すべく、ポリオレフィン系ワックス、及び脂肪酸アマイド系ワックスを添加する事が好ましい。前記ポリオレフィン系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対して、1〜20質量%含有する事が好ましい。添加量がセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し1質量%以上であれば耐摩耗性、耐傷付き性が確保でき、20質量%以下であれば耐傷つき性が保持される傾向となる。
前記ポリオレフィン系ワックスの平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜15μmである。前記ポレオレフィン系ワックスとしては、具体的には、重合型の低密度ポリエチレンワックス、高密度ポリエチレンワックス、変性型の酸化型ポリエチレンワックス、共重合型ポリエチレンワックス、熱分解型のポリプロピレンワックス等が挙げられ、中でも酸化型ポリエチレンワックスがより好ましい。
【0027】
(3)脂肪酸アマイド系ワックス
本発明のリキッド印刷インキでは、発泡材料の印刷製造時の耐摩耗性、耐傷つき性、密着性を付与すべく、ポリオレフィン系ワックス、及び脂肪酸アマイド系ワックスを添加する事が好ましい。前記脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対して、1〜7質量%含有する事が好ましい。添加量がセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対して1質量%以上であれば密着性および耐傷つき性が確保でき、7質量%以下であれば耐摩耗性、低温保存安定性が保持される傾向となる。
前記脂肪酸アマイド系ワックスの平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜15μmである。前記脂肪酸アマイド系ワックスとしては具体的には、飽和脂肪酸アマイドであるステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、不飽和脂肪酸アマイドであるエルカ酸アミド、置換アマイド、芳香族アマイド等が挙げられる。中でも、飽和脂肪酸アマイドと不飽和脂肪酸アマイドを併用することにより更に密着性、耐傷付き性が向上する事からより好ましく、具体的にはパルチミン酸アミドとエルカ酸アミドの併用が挙げられる。
【0028】
(4)セルロース系樹脂とウレタン樹脂とポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスとの質量比率関係が下記を満たす事が好ましい。
(4−1)ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスをセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対し5〜25質量%含有する。
ポリオレフィン系ワックスと脂肪酸アマイド系ワックスの総量が、セルロース系樹脂とウレタン樹脂の総計に対して5質量%以上であれば耐摩耗性が確保でき、25質量%以下であれば耐傷付き性が保持される傾向となる。
且つ脂肪酸アマイド系ワックスとポリオレフィン系ワックスとの質量比率が下記を満たす事が好ましい。
(4−2)脂肪酸アマイド系ワックスをポリオレフィン系ワックスに対し10〜300質量%含有する。
質量比率にて脂肪酸アマイド系ワックスの含有量が、ポリオレフィン系ワックスに対し10質量%以上であれば耐傷付き性が確保でき、300質量%以下であれば耐摩耗性が保持される傾向となる。
【0029】
また本発明のリキッド印刷インキに用いるバインダー樹脂として、必要に応じてポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを添加してもよい。
【0030】
(有機溶剤)
本発明のリキッド印刷インキに用いる有機溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
【0031】
尚、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、メチルエチルケトンなどを使用し、トルエン等の芳香族溶剤を使用しない事がより好ましい。
中でもポリウレタン樹脂、ニトロセルロースへの溶解性の観点から、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピルの混合液がより好ましい。また、乾燥調整のためにインキ全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加する事も出来る。
【0032】
(着色剤)
本発明のリキッド印刷インキには、美粧性や文字情報を付与する目的でデザイン印刷等に用いる着色剤を添加する事ができる。
着色剤としては顔料が好ましく、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
【0033】
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
【0034】
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
【0035】
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
【0036】
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
【0037】
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
【0038】
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
【0039】
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
【0040】
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
【0041】
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
【0042】
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
【0043】
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
【0044】
前記顔料は、リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ総質量に対して1〜60質量%、インキ中の固形分重量比では10〜90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0045】
本発明のリキッド印刷インキでは更に必要に応じて、キレート剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
【0046】
本発明のリキッド印刷インキは、バインダー樹脂、顔料などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をバインダー樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
【0047】
前記顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
【0048】
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、バインダー樹脂、顔料、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
【0049】
本発明のリキッド印刷インキは、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である。本発明の発泡積層体で使用するリキッド印刷インキは、印刷インキを一旦印刷版又は印刷パターンに密着・転写した後、インキのみを再度基材に密着させ、必要に応じて乾燥させ印刷物とするものである。
本発明のリキッド印刷インキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
【実施例】
【0050】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:0.4質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
また、ガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(株式会社TAインスツルメント製「DSC Q100」)を用い、窒素雰囲気下、冷却装置を用い温度範囲−80〜450℃、昇温温度10℃/分の条件で走査を行う事で行った。
ワックスの平均粒子径測定法としては、マイクロトラック・ベル社製の粒度分析計マイクロトラックMT3300を用いて測定した度数分布の状況から算出した。
【0051】
(ポリウレタン樹脂溶液Pu1の調製)
撹拌機、還流管、及び窒素導入管を備えた反応四つ口フラスコに、ポリエステルポリオール−1(ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及びアジピン酸を反応させたポリエステルポリオール、数平均分子量;2,000)を20.0質量部、及びポリエステルポリオール−2(1,4−ブタンジオール及びアジピン酸を反応させたポリエステルポリオール、数平均分子量;2,000)を80.0質量部、及び酢酸ノルマルプロピルを435.3質量部仕込み、撹拌した後、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを8.82質量部、及びオクチル酸錫を100ppm加えて、80℃で3時間反応させることで、ポリウレタン樹脂Pu1の酢酸ノルマルプロピル溶液を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu1は、樹脂固形分濃度20.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量Mwは40000、ガラス転移温度(Tg)=−50℃であった。
【0052】
(ポリウレタン樹脂溶液Pu2の調製)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールアジペートジオール80部(水酸基価:56.6mgKOH/g)とポリプロピレングリコール20部(水酸基価:111mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート22.54部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.84重量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル66.0部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン7.25部、ジ−n−ブチルアミン0.27部、酢酸エチル131.3部およびイソプロピルアルコール106.2部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液Pu2を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液Pu2は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分の重量平均分子量Mwは69、000ガラス転移温度(Tg)=−27℃であった。
【0053】
(ニトロセルロース樹脂溶液Nの調整)
工業用硝化綿L1/8(ニトロセルロースN、固形分30%、JIS K−6703により溶液濃度25.0%における粘度1.6〜2.9%品 太平化学製品株式会社製)37.5部に、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル(重量比で40/30/30の比率)の混合液を62.5部加え、充分混合しニトロセルロース樹脂溶液Nを作製した。
【0054】
〔実施例1〕
得られたポリウレタン樹脂溶液Pu1の固形分6部、ニトロセルロースの固形分6部、酸化チタンR−830(石原産業株式会社製)を25部、ポリオレフィン系ワックスとして酸化型ポリエチレンワックス(平均粒子径9μm)1.2部、脂肪酸アマイド系ワックスとして不飽和脂肪酸アマイドであるエルカ酸アミド(平均粒子径7μm)0.5部、有機溶剤としてイソプロピアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル=40/30/30(質量比率)61.3部を加えた計100部をビーズミルにて練肉し、白色グラビア印刷インキを作製した。
【0055】
〔実施例2〜10〕
実施例2〜10についても、表1の組成に従い、実施例1と同様に白色グラビア印刷インキを作製した。
尚、脂肪酸アマイド系ワックスとして前記エルカ酸アミド(平均粒子径7μm)の他に、飽和脂肪酸アマイドであるパルミチン酸アミド(平均粒子径6μm)も表1、2の記載に従って、随時選択して使用した。
尚、各々の樹脂成分の数値は固形分質量を示す。
【0056】
〔比較例1〜20〕
比較例1〜20について、表2、3の組成に従い、実施例1と同様の手順にて白色グラビア印刷インキを作製した。
【0057】
〔発泡積層体印刷物の作製〕
予め紙原紙の片面に融点133℃のポリエチレンフィルムが、他面に融点106℃のポリエチレンフィルムがラミネートされた発泡ポリエチレン原紙に、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機を用いて、実施例1で作製した白色グラビア印刷インキを縦240mm×横80mmのベタ絵柄を前記融点106℃のポリエチレンフィルム上に印刷し印刷層Aを形成後、120℃の恒温槽で5分間加熱処理し融点106℃のポリエチレンフィルムの発泡させた後、発泡積層体印刷物を得た。
【0058】
〔評価項目1:密着性〕
前記印刷層Aを形成後、この印刷面にセロファンテープ(ニチバン社製)を貼り付けた後、素早くテープを引き剥がし、印刷面の状態を目視評価した。テープを貼り付けた面積と、インキ皮膜が原紙(ラミネート層上)から剥離した面積との比較から、原紙に対する接着性を評価した。
(評価基準)
5:印刷皮膜が原紙から全く剥離しない。
4:印刷皮膜の面積比率として、20%未満が原紙から剥離する。
3:印刷皮膜の面積比率として、20%以上、40%未満が原紙
から剥離するが実用範囲である。
2:印刷皮膜の面積比率として、40%以上、70%未満が原紙
から剥離する。
1:印刷面の面積比率として、70%以上が原紙から剥離する。
【0059】
〔評価項目2:耐摩耗性〕
前記印刷層Aを形成後、この印刷面に、摩擦紙に黒色上質紙を用い、学振型摩擦堅牢度試験機(東洋精機製作所社製)を用い、荷重500gで100往復の条件で評価した。評価基準を下記に示す。
(評価基準)
5:擦った黒色上質紙に全く色が着かない。
4:擦った黒色上質紙に評価「5」と「3」の中程度の極薄く色が着く。
3:擦った黒色上質紙に薄く色が着くが実用範囲である。
2:擦った黒色上質紙に評価「3」と「1」の中程度に着色する。
1:擦った黒色上質紙に濃く色が着く。
【0060】
〔評価項目3:耐傷つき性〕
前記印刷層Aを形成後、この印刷層Aの表面を軸の太さ1.0mmの墨ボールペンで1往復擦り、表面の傷つき具合を目視評価した。
(評価基準)
5:擦った印刷面に傷が全く見られない。
4:擦った黒色上質紙に評価「5」と「3」の中程度の傷が見られる。
3:擦った印刷面に傷が見られるが使用可能なレベルである。
2:擦った黒色上質紙に評価「3」と「1」の中程度の傷が見られる。
1:擦った印刷面のインキ被膜が完全になくなるレベルである。
【0061】
〔評価項目4:発泡性〕
得られた発泡積層体印刷物について、目視と指触にて発泡性を5段階評価した。
(評価基準)
5:発泡積層体印刷物は十分発泡している。
4:発泡積層体印刷物は「5」と「3」の中程度の発泡している。
3:発泡積層体印刷物は使用できる程度に発泡している。
2:発泡積層体印刷物は「3」と「1」の中程度の発泡している。
1:発泡積層体印刷物は発泡が不十分である。
【0062】
〔評価項目5:低温保存安定性〕
作製した白色グラビア印刷インキを容量125mlの密閉容器に100ml量り取った後に密封し、5℃の冷蔵庫内で3日間静置後に冷蔵庫から容器を取り出し、白色グラビア印刷インキをグラインドゲージを用いて凝集による固形物の発生状況を目視にて評価した。
(評価基準)
2:粒径50μm以上のツブは確認されない。
1:粒径50μm未満のツブが確認される。
【0063】
表1〜3に、各白色グラビア印刷インキの組成と評価結果を示す。表中の各々の樹脂成分の数値は固形分質量を示す。尚、表中のバインダー樹脂とはセルロース系樹脂とウレタン樹脂の総和を指す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
評価結果より本発明の断熱性発泡紙製容器向けリキッド印刷インキは、発泡性、基材への接着性、耐摩擦性、耐傷つき性、及び低温保存安定性を兼備する事が出来る。