【実施例】
【0066】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに例示される。
【0067】
〔実施例1a〕
石炭微粉の鉱物除去および脱水は、超微粉およびミクロ微粉粒子用に特に設計されたフロス浮選分離と、機械的および熱的脱水技術との組合せによって達成してもよい。
【0068】
石炭スラリーを篩にかけ、タンクに収集し、投入速度を制御しながらフロス浮選剤を加える。プロセス用水を満たしたミクロ粒子分離器、および密閉空気圧縮機からのフィルター通過空気を使用して、疎水性炭素材料を親水性鉱物材料から分ける。炭素粒子を含有するフロスはタンクからあふれ出るので、このフロスを頂部開放溝に収集する。鉱物パルプは廃棄するまで分離タンクに保持し、一方、鉱物除去した石炭スラリーは脱気し、その後造粒工程へとポンプで送る。必要であれば、公知の様々な粉砕技術、たとえば炭化水素油を粉砕助剤として使用するものなどによって、さらに石炭の粒径を低減してもよい。
【0069】
鉱物除去したミクロ微粉石炭スラリーの機械的脱水は、フィルタープレスまたはチューブプレスによって行う。好適な装置は、Metso Corporation(Fabianinkatu 9 A, PO Box 1220, FI-00130 Helsinki, FIN-00101, フィンランド)により製造されるものである。結果として得られるミクロ微粉石炭の湿性ケークは、熱乾燥して粉末形態にするか(好適な装置は、GEA Group Aktiengesellschaft(Peter-Mueller-Str. 12, 40468 Duesseldorf, ドイツ)により製造されるものである)、または乾燥前に造粒する。造粒には、ある特定の改質剤をミキサー中でフィルターケークに加えて造粒を効果的にしてもよく、改質したケークを押出機へ運んで、そこで圧縮してペレットにする。鉱物除去した石炭ペレットを次に、ペレット乾燥器へと運搬し、そこで、酸素を除いた高温プロセス空気をミクロ微粉石炭ペレット上に直接吹き付けることによって、熱乾燥する。好適な装置は、STELA Laxhuber GmbH(Oettingerstr. 2, D-84323 Massing, ドイツ)により製造されるものである。
【0070】
〔実施例1b〕
湿性媒体中で石炭のより大きな塊および粒子を粉砕することによる、石炭ミクロ微粉の入手
【0071】
石炭の種類は、石炭の好都合な特質、たとえば低灰分もしくは低含水率、または粉砕の容易さ(たとえば、高いハードグローブ粉砕能指数)または反応性に基づいて選択してもよい。石炭ミクロ微粉は、湿性媒体中での種々の標準的な砕くことによるサイズ減少技術および粉砕することによるサイズ減少技術によって得て、その後、脱水した。
【0072】
1.洗浄した湿性石炭生成物(たとえば、表3の石炭Dまたは石炭F)を約50mmから約6mmに、たとえば高圧粉砕ローラーミルまたはジョークラッシャーにより粉砕して減少させる。好適な装置は、Metso Corporationにより製造されるもの、または、FLSmidth(Vigerslev Alle 77, DK-2500 Valby, Copenhagen, デンマーク)により製造されるものである。
2.湿性の6mm未満スラリーを生成し、好適なボールミル、ロッドミル、または撹拌媒体デトライター(detritor)を用いて40μmに減少させる。好適な装置は、Metso Corporationにより製造されるものである。
3.ナノミルを使用して、好適にはペグミル、水平ディスクミル、または垂直撹拌媒体デトライターのいずれかを使用することにより、40μm未満のスラリーを約1μm未満に減少させる。好適な装置は、NETZSCH-Feinmahltechnik GmbH(Sedanstrasse 70, 95100 Selb, ドイツ)により製造されるもの、またはMetso Corporationにより製造されるものである。Glencore Technology(Level 10, 160 Ann St, Brisbane QLD 4000, オーストラリア)により製造されるIsaMill(登録商標)も、磨砕および摩耗によって粒径を5μm以下に減少させるのに使用することができる。
4.高圧で作動するチューブプレスを用いて、メンブレンまたは垂直プレート加圧フィルターを通し、約50質量%から約20質量%未満まで脱水する。好適な装置は、Metso Corporation製のものである。代替の脱水方法としては、フィルタープレス、たとえば、Andritz AG(Stattegger Strasse 18, 8045 Graz, オーストリア)が挙げられる。
5.以下によって2質量%未満まで脱水する。
a.熱乾燥、たとえば流動床、ロータリー、フラッシュ、またはベルト乾燥器。好適な装置は、GEA Group Aktiengesellschaft(Peter-Mueller-Str. 12, 40468 Duesseldorf, ドイツ)、およびStela Laxhuber GmbH(Laxhuberplatz 1, 84323 Massing, ドイツ)などの会社によって製造されるものである。
b.たとえば米国特許出願公開第3327402号明細書(特許文献15)、米国特許出願公開第4459762号明細書(特許文献16)および米国特許第7537700号明細書(特許文献17)に記載されている、アルコール、エーテル、またはケトンを用いた溶媒脱水技術。
【0073】
〔実施例1c〕
乾燥状態で石炭のより大きな塊および粒子を粉砕することによる、石炭ミクロ微粉の入手
【0074】
石炭ミクロ微粉は、乾燥状態における、標準的な砕くこと、粉砕すること、および微粉化することによるサイズ低減技術によって得た。
【0075】
1.乾燥した未加工の層石炭を、ジョークラッシャーを用いて30mm未満のサイズまで砕く。
2.乾燥した石炭を、分級機を備えたボールミルを使用して、または遠心磨砕ミルを使用することによって、30mm未満から約45μm未満のサイズまで微粉化する。好適な装置は、Loesche GmbH(Hansaallee 243, 40549 Duesseldorf, ドイツ)により製造されるもの、およびAtritor Limited(12 The Stampings, Blue Ribbon Park, Coventry, West Midlands, CV6 5RE, 英国)により製造されるものである。
3.エアーミクロナイザー(またはジェットミル)を用いて約1μm未満の粒径まで低減させる。好適な装置は、British Rema Process Equipment Ltd(Foxwood Close, Chesterfield, S41 9RN, 英国)により製造されるものである。
【0076】
〔実施例1d〕
燃料油または同様の油製品とともに乾燥石炭を粉砕することによる、ミクロ微粉石炭−燃料油ケークの入手
【0077】
原油中のミクロ微粉石炭のケークは、Netzsch Laboratory Agitator Bead Mill装置またはMetso Stirred Media Detritorにおいて、流体媒体としての原油または関連する石油製品とともに乾燥石炭を粉砕することによって入手する(上記の実施例1bを参照のこと)。
【0078】
粒径分布は、典型的には、一連の漸増サイズ範囲の間の粒子の粒子体積を測定するレーザー散乱法によって決定する。
図2は、石炭7(以下の表3に記載されている)の粒径分布を示している。粒径63μm超では、石炭を篩分けによって異なるサイズの部分へと実際的に分離することが可能であり、したがって表3の石炭試料6は、63μmと125μmの2つの篩サイズの間で調製した。
【0079】
典型的に粒子分布幅は、
図2に示すように、x軸上の粒子直径値、d50、d90、d95、d98、およびd99によって定量化される。d50は、母集団の半分がこの値未満にある直径として規定される。同様に、d90未満には分布の90パーセントがあり、d95未満には母集団の95パーセントがあり、d98未満には母集団の98パーセントがあり、d99値未満には母集団の99パーセントがある。
【0080】
〔実施例2a〕
ミクロ微粉石炭の原油中での懸濁は、様々な形態のミクロ微粉石炭の高せん断混合によって達成してもよい。
【0081】
乾燥ミクロ微粉石炭粉末、ミクロ微粉石炭の乾燥ペレット、または炭化水素油と混合したケーク形態のミクロ微粉石炭は、容器内で高せん断ミキサーを使用して、原油中で脱凝集および分散させる。必要であれば、分散剤添加剤を混合物に含ませて、充分な貯蔵安定性を確保する。任意選択により、容器に超音波機能を取り付けてキャビテーションを誘発し、脱凝集を増強してもよい。せん断混合は、周囲温度で、またはより粘性の原油では典型的には最大50℃の高温で行う。好適なせん断ミキサーは、Charles Ross & Son Co.(710 Old Willets Path, Hauppauge, NY 11788, 米国)により製造されるもの、およびSilverson Machines Inc.(355 Chestnut St., East Longmeadow, MA 01028, 米国)により製造されるものである。このプロセスは典型的には蒸留プラントで行われることになり、結果として生じる原油/ミクロ微粉石炭分散体は、タンク内で短期間保管するか、または蒸留プラント、典型的には製油所で見られる蒸留プラントにすぐに送達してもよい。
【0082】
〔実施例2b〕
ミクロ微粉石炭の原油中での懸濁は、石炭微粉粉末の原油流への直接投入、または石炭微粉粉末の蒸留チャンバーへの直接投入によって達成してもよい。
【0083】
乾燥ミクロ微粉石炭粉末は、調製したミクロ微粉石炭粒子の湿性ケークを乾燥することによって、フロス浮選した石炭微粉を機械乾燥することによって、ミクロ微粉石炭の乾燥ペレットを砕いて粉砕することによって、または低灰分層石炭を砕いて粉砕することによって、得ることができる。このような乾燥ミクロ微粉石炭粉末は、キャリアガス(典型的には、窒素、空気、もしくは酸素除去空気、またはこれらの混合物)流中で、原油予熱プロセスユニット(典型的には、120〜150℃)、静電気脱塩装置、または最終加熱プロセスもしくは炉ユニット(280〜400℃、典型的には340〜370℃)に投入した後、原油流を典型的には大気圧またはおよそ大気圧で精留塔に導入する。あるいは、このように調製した乾燥ミクロ微粉石炭粉末を、精留塔の基部に直接投入してもよい。
【0084】
〔実施例3〕
標準的なスモールスケール(200mL)蒸留ユニットプロセスおよび手順を用いた、北海原油Aとウェストバージニアミクロ微粉石炭1の混合物の精留。
【0085】
原油/ミクロ微粉石炭分散体は、周囲温度または高温のいずれかにおいて、脱塩および予熱プロセスユニットにポンプで送って通し、そこから典型的には大気圧で精留塔に入れる。常圧蒸留段階から結果として生じる残油は次に、減圧蒸留プラントに移動させてさらに精留する。
【0086】
典型的な軽質スイート北海原油A(特性は表1に示す)を米国ウェストバージニア低揮発性瀝青炭1(特性は表3に示す)と混合し、一式の分析試験結果を臨界パラメーターの範囲で得た。表2を参照のこと。5質量%の石炭1を原油Aに添加しても、意外なことに、密度(15℃において0.833〜0.837g/ml)、粘度(50℃において5.1〜5.5cSt)、および硫黄含有率(0.241〜0.255質量%)において、小さな増加のみしかもたらされない。
【0087】
表1 試験した原油の分析および蒸留特性
【表1】
【0088】
意外なことに、残留炭素分の増加は、予想よりもずっと小さく、表2の5%混合物では、原油A中の1.19質量%から1.74質量%への0.55質量%のみの増加であった。石炭1は、合計の不揮発性物質含有率(固定炭素および灰分)が80.2質量%である(100%−揮発物含有率として計算した)。不揮発性物質含有率は、蒸留後に残留すると予想される炭素の量および灰分の尺度をもたらす。この値に基づくと、5質量%の石炭1を含有する原油Aの残留炭素分については、残留炭素分は、5%の石炭1の添加の結果として約4質量%増加すると予想されるであろう。しかしながら、観測された残留炭素分の増加は予想より遥かに小さく(0.55質量%)、このことは、ミクロ微粉石炭が、原油と混合された場合に、類似の分析において単独で加熱された場合に生成するよりもはるかに多い揮発物(ガス生成物および液体生成物)を生成していることを示している。
【0089】
表2 石炭−原油混合物の分析
【表2】
【0090】
原油A、および原油Aのミクロ微粉石炭1との混合物からの最も低い沸点のもの50体積%についての蒸留特性を、大気圧下での石油製品および液体燃料の蒸留の標準試験法(ASTM D86)に準拠して決定した。実験室バッチ式手動蒸留ユニット中の試料200mLを使用して、約1個の理論段の精留をもたらすように設計された条件下で、油生成物の沸点範囲特性を定量的に決定した。温度読取値および凝縮物体積を、液体留出留分の累積体積が50体積%に達するまで定期的に規則正しく読み取った。累積体積が50体積%に達するのは、これらの測定において、蒸留温度270〜280℃に相当した。
【0091】
原油A、および原油Aのミクロ微粉石炭1との混合物の手動常圧蒸留からの50体積%残油についての蒸留特性を、減圧下での石油製品および液体燃料の蒸留の標準試験法(ASTM D1160)に準拠して決定した。この試験は、最大液体温度400℃で部分的にまたは完全に蒸発しうる石油製品の沸点範囲の減圧下における決定を網羅する。約1個の理論段の精留をもたらすように設計された条件下で、0.13〜6.7kPa(1〜50mmHg)に精密制御された圧力で試料を蒸留する。データを取得し、このデータから、終点、および蒸留された体積パーセントに関する蒸留曲線、および大気圧相当沸点温度を作成する。
【0092】
表3 試験した範囲の石炭の分析
【表3】
【0093】
表4 不活性成分を含有する同等の混合物について計算した結果と比較した、石炭1−原油A混合物のスモールスケール蒸留結果
【表4】
備考:不活性として計算した体積%=留出留分中の体積%×(100−原油中の体積%)/100
* 観測値と5%不活性についての計算値との間での体積増加は黒色で、体積減少は赤色で示す。
** 全ての石炭鉱物質が減圧残油中で灰分として収集されると仮定し、減圧残油の密度を1.0g/mLと仮定して計算した。
*** 有機石炭からの減圧残油の収率=100×(混合物の減圧残油%−原油の減圧残油%)/有機石炭%
【0094】
原油「A」、ならびに原油「A」中に石炭1を5質量%、7.5質量%、および10質量%の比率で混合した混合物、について、このようにして得られた留出留分の体積(X)を表4に示す。低沸点成分であるナフサ、灯油、ディーゼル、軽質減圧軽油(LVGO)、および重質減圧軽油(HVGO)の沸点範囲は、米国エネルギー情報局の規定に基づき、華氏温度から摂氏温度に変換した。
【0095】
これらの留出留分の体積は、観測した体積(X)に基づいて、原油95質量%と不活性材料5質量%の混合物(および原油92.5質量%と不活性材料7.5質量%、原油90質量%と不活性材料10質量%、のそれぞれ)について計算した(Y)。表4を参照のこと。加えて、観測された体積(X)と不活性固体材料について計算した体積(Y)との間の体積差(X−Y)を示している。したがって、(X−Y)の値は、原油の蒸留特性に及ぼすミクロ微粉石炭の影響の尺度である。正の値(太字)は、その留分の収量の増加がミクロ微粉石炭の存在の結果生じていることを示しており、一方、負の値(イタリック)は、その留分の収量の減少が生じていることを示している。
【0096】
意外なことに、より低い沸点の留出物(ナフサ、灯油、およびディーゼル)の収量は、予想された収量よりも常に高い。同じく意外なことに、生じた石炭熱分解液体があれば含むと予想されるであろう重質軽油留出留分は、予想よりも低い収量を示した。軽質減圧軽油の収量は、ミクロ微粉石炭を5質量%含む混合物においてより高かったが、同等の7.5質量%混合物および10質量%混合物では収量減少まで減少した。これら5種の留分の各々の収量の変化は、ミクロ微粉石炭比率が0%から5質量%、7.5質量%、10質量%まで増加したときに上昇方向または下降方向で漸進的に変化した。このケースでは、追加の留出物の合計体積は、5質量%混合物、7.5質量%混合物、および10質量%混合物で、それぞれ4.7%、5.8%、および5.8%増加した。主として、増加した留出物は、ナフサ、灯油、およびディーゼル留分で見出された。
【0097】
灰分について補正することによって、全ての留出物、427℃未満留出物(すなわち、重質減圧軽油を含まない)、および343℃未満留出物(軽質軽油留分と重質軽油留分の両方を含まない)に変換された有機石炭の質量%を計算した。意外なことに、高い変換率が達成され(石炭単位質量当たり49〜104体積%の留出物、%v/m)、明らかに大きな比率のミクロ微粉石炭1が原油Aの存在下で留出生成物に変換された。
【0098】
減圧残油の収量の差は、予想されたように、ミクロ微粉石炭1の比率が増加すると増加した。
【0099】
実施例4−異なる原油と、異なるミクロ微粉粒径のウェストバージニアミクロ微粉石炭との混合物の精留は、標準的な蒸留ユニットプロセスおよび手順を使用して行うことができる。
【0100】
原油A、C、およびD、ならびにこれらの原油とミクロ微粉石炭1、2、および3との混合物の蒸留特性は、大気圧または減圧下で実施例3に記載した手順に従って決定した。
【0101】
原油Aは、高収量のより軽質の留出物、ナフサおよびディーゼルを生成する、低硫黄含有率の典型的な軽質スイート北海原油である。原油Cは、こちらも北海原産の中密度スイート原油であるが、高収量のより重質の留分、すなわちディーゼルおよび減圧軽油を生成するものである。原油Dは、多くの硫黄分を含有する中密度サワーロシア原油であり、これも主により重質の留出物を生じる。表1には、これらの原油の分析および蒸留特性を示す。
【0102】
これらの原油を、最大20質量%の様々な濃度の米国ウェストバージニア低揮発性瀝青石炭1、2、および3と混合した。石炭1、2、および3は、異なる粒径特性を有し(表3)、石炭3は最も細かく粉砕されていて、98%の粒子が直径10μm未満であり、1.8μmのd50(すなわち、粒子の50%が1.8μmよりも小さい)を有する。石炭1および2は、サイズが比較的に類似であり、それぞれ4.5μmおよび5.8μmのd50値を有するが、石炭1は、石炭2の2.7%と比較して有意により高い灰分8.5%を有する。石炭1、2、および3の間で、石炭変換での系統的な差は観測されず、ミクロ微粉レベルの制約内での石炭粒径の区別は、重要な決定要因ではないことを示唆している。
【0103】
実施例3と同様に、ミクロ微粉石炭に起因するかなりの体積の留出物が、表5に示す全ての混合物において得られ、2.3〜7.6体積%の範囲で増加した。ここでも、増加した留出物は、ナフサ、灯油、およびディーゼル留分で主に見出された。原油A中20質量%の石炭2のより高い濃度の混合物においてさえも、427℃未満留出物(すなわち、重質減圧軽油を含まない)への石炭の変換収率34%v/mが得られた。
【0104】
原油CおよびDと石炭2との混合物でもかなり大きい石炭変換が観測された。たとえば、15%の石炭2を含有する原油Cでは、全留出物への変換収率39%v/mが得られ、ロシア原油D中5%の石炭2の混合物では、343℃未満留出物への石炭の変換収率71%v/mが得られた。
【0105】
石炭濃度が増加すると、より低い終点(FBT)となる傾向があることは注目すべきである(表5)。このことは、減圧蒸留装置で収集しうる重質軽油の量を減少させる。このように、原油A中の石炭2の比率が0%から10質量%、15質量%、および20質量%へと増加すると、FBPはそれぞれ607℃から550℃、516℃、479℃へと連続的に減少する。FBPは、より重質の原油成分のクラッキング開始点の尺度であり、ガスの生成により真空度が低下するので、さらなる蒸留が制限される。本格的規模の蒸留プラントでは、減圧軽油の収量はより多いと予想されるであろう。その理由は、より小さい規模の実験室装置では、加熱した容器の上で蒸留が起こる温度と加熱した容器自体内の温度との間の大きな差異(典型的には50〜100℃)という問題があるからである。したがって実験室装置では、クラッキングは、本格的規模のプラントの蒸留器で予想されるであろうよりも早くに、続いて起こる。
【0106】
表5 不活性成分を含有する同等の混合物について計算した結果と比較した、米国ウェストバージニア石炭1〜3と原油A、C、およびDとの混合物のスモールスケール蒸留結果の比較
【表5】
備考:蒸留された初めの50%に対する大気圧法(ASTM D86)
常圧蒸留からの残油に対する減圧法(ASTM D1160)
*観測値と5%不活性についての計算値との間での体積増加は太字で、体積減少はイタリックで示す
【0107】
〔実施例5〕
異なる原油と、ランク、原産地、粒径、および鉱物含有率が大きく異なる石炭との混合物の精留は、標準的な蒸留ユニットプロセスおよび手順を使用して行うことができる。
【0108】
北海原油AおよびB、ならびにこれらの原油と10種の石炭試料4〜13との混合物の蒸留特性は、大気圧または減圧下で実施例3に記載した手順に従って決定した。表6を参照のこと。
【0109】
原油Bは原油Aと同様に低硫黄分の軽質スイート北海原油であるが、さらにより高い収量の軽質留出物、ナフサを生成する。表1を参照のこと。
【0110】
これらの原油は、石炭紀、暁新世、および二畳紀時代の堆積を代表する、それぞれ米国、コロンビア、およびオーストラリア産の高揮発性瀝青石炭4〜9とともに蒸留した。加えて、原油Aは、チェコ共和国およびモンゴル産の中揮発性瀝青石炭、ならびにモンゴル産の亜瀝青石炭および褐炭(亜炭)を10%添加して試験した。後者の2つの石炭は、ジュラ紀および白亜紀に含まれる地質時代に及ぶ。
【0111】
石炭10〜13は、試験する石炭鉱物質含有率(灰分として見積もる)の範囲を増加させる。石炭3〜9は全て、乾燥基準で2質量%未満の灰分を有する。石炭2は乾燥基準で2〜3質量%の灰分を有し、石炭1、10、12、および13は乾燥基準で4〜9質量%の範囲の灰分を有し、石炭11の灰分は乾燥基準で15質量%超である。
【0112】
石炭10〜14によって網羅されている石炭のランクおよび灰分の広い範囲にもかかわらず、かなり大きな石炭単位質量当たりの留出物体積率(%v/m)の有機石炭の変換が、以下の範囲で観測された。
・全留出物について 15〜52%v/m
・427℃未満留出物について 33〜58%v/m
・343℃未満留出物について 〜75%v/m(高い固有水分および高い酸素含有量を含む褐炭は、普通よりも大きい体積の低沸点成分を生成し、これはかなり多い量の水を含有していた可能性があることに留意されたい。)
【0113】
石炭5および7は、実施例3および実施例4で使用した石炭1〜3と類似の粒径(それぞれ4.0μmおよび3.2μmのd50)を有するミクロ微粉石炭である。石炭11、9、および10は、サイズがより粗く、それぞれ8.2μm、9.4μm、および10μmのd50を有し、一方、石炭4、7、12、および13はさらにより粗く、13〜18μmの範囲のd50を有する。石炭6は、63μmと125μmの間で篩分けすることによって調製し、試験した最も大きい粒径を含んだ。石炭の粒径が増加すると、原油との共蒸留はより問題となってくるが、解決できないわけではない。より粗い石炭試料4および7を含む原油の減圧蒸留は、より不安定で、制御することがより難しい。さらに、原油B中の63〜125μmの石炭6の分散体は、30分後に分解し始め、常圧蒸留を円滑に作動させることに影響を及ぼした。これらの作動差異にもかかわらず、有機石炭のかなり大きな変換率が、以下の範囲で、依然として観測された。
【0114】
表6 不活性成分を含有する同等の混合物について計算した結果と比較した、異なるランク、原産地、および粒径のある範囲の石炭と原油AおよびBとの混合物のスモールスケール蒸留結果の比較
【表6】
備考:蒸留された初めの50%に対する大気圧法(ASTM D86)
常圧蒸留からの残油に対する減圧法(ASTM D1160)
*観測値と5%不活性についての計算値との間での体積増加は太字で、体積減少はイタリックで示す。
【0115】
・全留出物について 3〜55%v/m(30%未満の変換値は、低い終点(FBP)と同時に生じ、クラッキングが早く開始し、それにより入手可能な重質軽油が減少したことに起因する可能性があることに留意されたい)
・427℃未満留出物について 21〜66%v/m
・343℃未満留出物について 22〜83%v/m
【0116】
前述の実施例と同様に、ミクロ微粉石炭に起因するかなりの体積の留出物が、表6に示す全ての混合物において得られ、1.9〜5.3体積%の範囲で増加した(早期のクラッキングによって影響を受けた混合物を除く)。ここでも、増加した留出物は、ナフサ、灯油、およびディーゼル留分で主に見出された。試験15および20は、他の試験よりも低い石炭変換率レベル(それぞれ、3%v/mおよび5%v/m)を示した。これは、両方のケースでのより低いFBP(クラッキングのより早い開始)によって生じたと思われ、より低いFBPは、HVGOのより低い収量を生じさせ、またより低いFBPは、この実験装置において加熱容器と蒸留温度の間の温度差が通常より大きいことに起因する可能性がある。
【0117】
〔実施例6〕
北海原油Aとウェストバージニアミクロ微粉石炭2の混合物のラージスケール(15L)精留は、標準的なラージスケール蒸留ユニットプロセスおよび手順を使用して行うことができる。
【0118】
原油A、および原油Aのミクロ微粉石炭2(5質量%、10質量%、および15質量%)との混合物からの最も低い沸点の留分についての蒸留特性を、粗製石油の蒸留の標準試験法(15理論段塔)(ASTM D2892−16)に準拠して、15Lの試料を使用して決定した。この試験法は、原油においてその値を決定するために行ったいくつかの試験のうちの1つである。これは、様々な沸点範囲の留分の収量の見積もりをもたらし、したがって商業的性質の技術的考察において価値がある。収集した留分の関連する分析(実施例7を参照のこと)とともに、この蒸留アプローチは原油アッセイと一般に呼ばれ、原油の適性および精油業者にとってのその価値を評価する産業アプローチとして使用されている。
【0119】
常圧蒸留からの残油を別の蒸留フラスコに移し、低真空下で重質炭化水素混合物の蒸留の標準試験法(真空ポットスチル法)(ASTM D5236−13)に準拠して再蒸留した。達成可能な最大の大気圧相当温度(AET)は、565℃もの高さになりうるが、装入物の耐熱性に依存する。原油A、および石炭2−原油A混合物では、540〜555℃のAETが達成された。試料は、0.1〜0.2mmHgの範囲内の精密に制御された圧力において蒸留する。
【0120】
常圧蒸留と減圧蒸留を組み合わせた手順から、約30種の別個の蒸留カット試料を、連続する温度範囲で収集し、各カットの収量を測定した。各留出留分の温度範囲(たとえば、灯油)に一致するように蒸留カットを合わせて、さらなる分析用の試料を生成し、原油A、5%石炭2−原油A、および10%石炭−原油A混合物について、各留出物の収量を計算した(表7)。
【0121】
原油Aとの石炭2の5%、10%、および15%混合物では、以下の範囲の、有機石炭のかなり高い変換率(%v/m)が観測された。
・427℃未満留出物について 31〜52%v/m
・343℃未満留出物について 28〜35%v/m
【0122】
増加した留出物は、低沸点成分である、ディーゼルおよび軽質減圧軽油留分において主に見出された。この実験室装置でのより長い滞留時間は200mLスモールスケール試験と同様に、クラッキングのより早い開始をもたらし、したがって重質減圧軽油の収量データは信頼性が低い。
【0123】
〔実施例7〕
北海原油Aとウェストバージニアミクロ微粉石炭2の混合物の大規模(15L)精留によって調製された留出留分は、原油A単独から得られる同等の留分と非常に類似の特質を有する。
【0124】
石炭2−原油A混合物のラージスケール蒸留からの留出留分について測定した特質の多くは、石炭濃度が0%から、5%、10%へと増加した場合に、規則正しい小さな傾向を示す。表8を参照のこと。これらの特質変化は全て、原油Aおよび石炭2の特質の知見(たとえば、石炭構造は原油よりも多くの芳香族およびより大きい分子量のユニットを典型的に含む)に基づき予想されるように指向的なものであり、石炭2は各留分の一部分の源であることが確認される。さらに、これらの変化は小さく、結果として得られる留出留分の品質をどんな有意な程度にも害さないと思われる。したがって、石炭2の濃度が増加すると、以下のようになる。
・軽質ナフサ、軽質減圧軽油、および重質減圧軽油留分の密度が増加する。
・LVGOおよびHVGO留分の粘度が増加する。
・軽質ナフサ、重質ナフサ、LVGO、およびHVGOの硫黄含有率が増加する。
・軽質ナフサおよび重質ナフサの銅腐食が改善する。
・軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油、およびディーゼルの芳香族含有率が増加する。
【0125】
本発明の特定の実施形態が本明細書において詳細に開示されているが、これは例としてなされたものであり、単に説明する目的でなされたものである。前述の実施形態は、本発明の範囲に関して限定することを意図するものではない。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明に様々な置換、変更、および改変がなされてもよいことを本発明者らは企図する。
【0126】
表7 不活性成分を含有する同等の混合物について計算した結果と比較した、石炭2−原油A混合物のラージスケール蒸留結果
【表7】
*観測値と5%不活性についての計算値との間での体積増加は太字で、体積減少はイタリックで示す。
【0127】
表8 石炭2−原油A混合物のラージスケール蒸留からの留出留分の特質(値は、100%原油A→原油A:95%、石炭2:5%→原油A90%、石炭2:10%、の順で示す)
【表8】
【0128】
〔その他の実施形態〕
以下では、本発明のその他の実施形態について説明する。
【0129】
[1]本発明は、精留生成物を生成する方法であって、(i)粒子状であり、粒子の少なくとも約90体積%が直径約500μm以下である固体炭化水素材料を用意する工程と、(ii)前記固体炭化水素材料と未精製液体炭化水素材料とを組み合わせて、固体−液体組合せ混合物を生成する工程と、(iii)前記固体−液体組合せ混合物を精留して1種以上の精留生成物を生じさせる工程と、を含む方法でありうる。
【0130】
[2]本発明は、前記固体炭化水素材料が石炭を含む[1]に記載の方法でありうる。
【0131】
[3]本発明は、前記石炭が超微粉石炭である[2]に記載の方法でありうる。
【0132】
[4]本発明は、前記粒子の少なくとも95体積%、典型的には少なくとも98体積%、任意選択により少なくとも99体積%が、直径約500μm以下である[3]に記載の方法でありうる。
【0133】
[5]本発明は、前記粒子の少なくとも95体積%、典型的には少なくとも98体積%、任意選択により少なくとも99体積%が、直径約250μm以下である[3]に記載の方法でありうる。
【0134】
[6]本発明は、前記石炭がミクロ微粉石炭で構成されている[2]に記載の方法でありうる。
【0135】
[7]本発明は、前記粒子の少なくとも95体積%、典型的には少なくとも98体積%、任意選択により少なくとも99体積%が、直径約20μm以下である[6]に記載の方法でありうる。
【0136】
[8]本発明は、工程(i)の前に前記固体炭化水素材料の脱水を行う[1]〜[7]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0137】
[9]本発明は、工程(i)の前に前記固体炭化水素材料の灰除去を行う[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0138】
[10]本発明は、前記固体炭化水素材料が、20質量%未満、好適には10質量%未満、任意選択により5質量%未満の固有灰分を有する石炭を含む[1]〜[9]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0139】
[11]本発明は、前記未精製液体炭化水素材料が原油を含む[1]〜[10]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0140】
[12]本発明は、前記原油が、スイート原油およびサワー原油から選択される[11]に記載の方法でありうる。
【0141】
[13]本発明は、前記固体−液体組合せ混合物が、前記固体−液体組合せ混合物の総質量に対して、多くとも約60質量%、好適には多くとも約40質量%、任意選択により多くとも30質量%の前記固体炭化水素材料を含む[1]〜[12]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0142】
[14]本発明は、前記固体−液体組合せ混合物が、前記固体−液体組合せ混合物の総質量に対して、少なくとも約0.01質量%、好適には少なくとも約1質量%、任意選択により少なくとも10質量%の前記固体炭化水素材料を含む[1]〜[13]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0143】
[15]本発明は、前記精留が、大気圧またはおよそ大気圧における蒸留を含む[1]〜[14]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0144】
[16]本発明は、蒸留を減圧下でさらに行う[15]に記載の方法でありうる。
【0145】
[17]本発明は、蒸留による精留を大気圧下で行い、その後減圧下で行う[15]に記載の方法でありうる。
【0146】
[18]本発明は、前記1種以上の精留生成物が、前記固体炭化水素材料と前記未精製液体炭化水素材料の両方に由来するより低沸点の留出生成物を含む[1]〜[17]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0147】
[19]本発明は、前記より低沸点の留出生成物が、ガソリン、ナフサ、灯油、およびディーゼルから選択される群の少なくとも1つを含む[18]に記載の方法でありうる。
【0148】
[20]本発明は、前記1種以上の精留生成物が、前記固体炭化水素材料と前記未精製液体炭化水素材料の両方に由来する中間留出生成物を含む[1]〜[19]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0149】
[21]本発明は、前記中間留出生成物が、船舶用ディーゼル、軽質減圧軽油、および重質減圧軽油から選択される群の少なくとも1つを含む[20]に記載の方法でありうる。
【0150】
[22]本発明は、前記1種以上の精留生成物が、瀝青留分を含む請求項16または17に記載の方法でありうる。
【0151】
[23]本発明は、前記固体−液体組合せ混合生成物が、分散剤添加剤をさらに含む[1]〜[22]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0152】
[24]本発明は、同等の固体−液体混合物であって固体粒子材料が不活性である固体−液体混合物と比較することによって決定した場合に、少なくとも1体積%、好適には少なくとも2体積%、任意選択により少なくとも3体積%の総留出留分の増加をもたらす[1]〜[23]のいずれか一項に記載の方法でありうる。
【0153】
[25]本発明は、[1]〜[24]のいずれか一項に記載の方法に従って得ることのできる精留生成物でありうる。
【0154】
[26]本発明は、分留器を作動させる方法であって、粒子状であり、粒子の少なくとも約95体積%が直径約500μm以下である石炭微粉材料と、原油と、を組み合わせて、固体−液体組合せ混合物を生成し、前記固体−液体組合せ混合物は、前記固体−液体組合せ混合物の総質量に対して、少なくとも約0.01質量%かつ多くとも約60質量%の前記石炭微粉材料を含み、大気圧またはおよそ大気圧において、前記固体−液体組合せ混合物を精留塔に導入し、または、前記石炭微粉材料を前記原油と精留塔内にてin situで組み合わせ、前記精留塔の温度を上昇させて、前記固体−液体組合せ混合物の精留を実行して、1種以上の精留生成物を生じさせる方法でありうる。
【0155】
[27]本発明は、前記精留生成物のうちの1種以上を減圧下でさらに精留して、1種以上の減圧精留生成物を生じさせる[26]に記載の方法でありうる。
【0156】
[28]本発明は、脱水石炭微粉調製物と原油とを含む、固体−液体組合せ混合生成物であって、粒子状の前記脱水石炭微粉調製物は、粒子の少なくとも95%が直径約500μm以下であることを特徴とし、前記固体−液体混合物が、前記固体−液体組合せ混合生成物の総重量に対して、多くとも約60質量%の脱水石炭微粉を含む、固体−液体組合せ混合生成物でありうる。
【0157】
[29]本発明は、a.典型的には粒子の少なくとも95体積%が直径約250μm以下である粒子を含む超微粉石炭、b.典型的には粒子の少なくとも98体積%が直径約250μm以下である粒子を含む超微粉石炭、c.典型的には粒子の少なくとも99体積%が直径約250μm以下である粒子を含む超微粉石炭、d.典型的には粒子の少なくとも95体積%が直径約20μm以下である粒子を含むミクロ微粉石炭、e.典型的には粒子の少なくとも98体積%が直径約20μm以下である粒子を含むミクロ微粉石炭、およびf.典型的には粒子の少なくとも99体積%が直径約20μm以下である粒子を含むミクロ微粉石炭からなる群の1つから選択される脱水石炭微粉を含む[28]に記載の固体−液体組合せ混合生成物でありうる。
【0158】
[30]本発明は、前記脱水石炭微粉調製物が、20質量%未満、好適には10質量%未満、任意選択により5質量%未満の固有灰分を有する石炭を含む[28]または[29]に記載の固体−液体組合せ混合生成物でありうる。
【0159】
[31]本発明は、前記脱水石炭微粉調製物は、前記調製物が5質量%未満の灰を含むように、前記固体−液体混合生成物の組合せ工程の前に脱灰工程を経る[28]または[29]に記載の固体−液体組合せ混合生成物でありうる。
【0160】
[32]本発明は、分散剤添加剤をさらに含む[28]〜[31]のいずれか一項に記載の固体−液体組合せ混合生成物でありうる。
【0161】
[33]本発明は、1種以上の精留生成物を生じさせるための精留方法における[28]〜[32]のいずれか一項に記載の固体−液体組合せ混合生成物の使用でありうる。