(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-95782(P2021-95782A)
(43)【公開日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】水嚢シート
(51)【国際特許分類】
E04G 21/28 20060101AFI20210528BHJP
【FI】
E04G21/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-228514(P2019-228514)
(22)【出願日】2019年12月18日
(71)【出願人】
【識別番号】519452275
【氏名又は名称】池田 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 文雄
(57)【要約】
【課題】確実かつ継続的な被覆状態の維持を可能にすると共に、風雨を凌いだり増水の侵入を防いだりといった多目的に使用可能な非常災害用の防水シートを提供する。
【解決手段】被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シート10であって、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせて周縁部が接合されることで内部に中空部11を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓12が備えられて成り、該中空部11は、複数のユニット13に区割りされると共に、必要に応じて隣接するユニット13同士を連通する連通孔14が備えられて成る手段を採る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シートであって、
該水嚢シートは、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせて周縁部が接合されることで内部に中空部を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓が備えられて成り、
該中空部は、複数のユニットに区割りされると共に、必要に応じて隣接するユニット同士を連通する連通孔が備えられて成ることを特徴とする水嚢シート。
【請求項2】
前記水嚢シートの中空部が、複数のユニットを有する所定のエリア毎に分断されると共に、各エリアに夫々給排水栓が備えられて成ることを特徴とする請求項1に記載の水嚢シート。
【請求項3】
前記水嚢シートの周縁部に、複数のハトメ穴が設けられて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水嚢シート。
【請求項4】
前記水嚢シートの周縁部に、装脱自在となる連結手段が設けられて成ることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水嚢シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常災害時において、いわゆるブルーシートが多く使用されている。具体的には、台風や地震等の自然災害時において、建物の破損した屋根部分からの雨水の浸入を防止したり、屋根瓦の落下や強風で吹き飛ばされることのないよう、屋根全体若しくは破損部分をブルーシートで被覆した後、土嚢などの重りやロープ等による固定手段を講じるといった、災害対策が行われている。しかしながら、風の力は想像以上に強く、敷設されたブルーシートと屋根の隙間に風が入ることによって、ブルーシートが捲れ上がったり、あるいは、吹き飛ばされることもあり、災害対策として必ずしも効果的といえない場合があった。また、吹き飛ばされたブルーシートが宙を舞うことによって、二次災害を誘発する危険性も指摘されるところであった。
【0003】
確かに、屋根の破損個所に雨水が浸入してしまうと、雨漏りの発生だけでなく、部屋内の家具や畳等にまで被害が及ぶこととなり、さらには、建物全体が軟弱化してしまうという問題がある。また、屋根瓦が落下することで、下に居た人や車両等に危害を与えてしまうおそれもある。したがって、災害時に屋根の破損箇所等へブルーシートを被覆することで、これらの諸問題を未然に防止する対策を採ること自体は決して間違いではない。そこで、従来ブルーシートに代わり、上記問題点を解決することができると共に、簡易的な構造であって、軽量且つ安価で設置作業並び撤収作業が容易な非常災害用品の提供が待たれるところであった。
【0004】
上記問題点を解決すべく、従来より、風に煽られても落下することがなく、安全な「ブルーシートを活用した簡易雨漏り防止具」(特許文献1)が提案され、公知技術となっている。具体的には、ブルーシートに接着した外袋と中にポリエチレン製の内袋を備え、該内袋に水を入れて、その重量で風の煽りを抑えると共に、棟瓦の前垂れを防止する構成となっている。
【0005】
しかしながら、かかる「ブルーシートを活用した簡易雨漏り防止具」の提案は、内袋毎に、水の充填作業と、内袋の締結作業と、内袋を外袋に差し込む作業といった、多くの作業を不安定な屋根上で行う必要があるもので、作業者が不安定な作業を強いられて危険であると共に、ポリエチレン製の内袋に給排水栓が備えられておらず、撤収する際には内袋を千枚通し等で刺して排水する手段を採用するもので、内袋の再利用ができずゴミが発生すると共に不経済である、といった問題があった。
【0006】
本出願人は、非常災害時における建物の保全と家屋の浸水対策等に使われる従来のブルーシートの防水機能に着目し、確実かつ継続的な被覆状態の維持を可能にすると共に、風雨を凌いだり増水の侵入を防いだりといった多目的に使用できる防水シートを提供し得ないものかという着想の下、被災物に覆い被せることによって自重により確実かつ継続的な被覆状態が維持されると共に、風雨を凌ぐことができ、また、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことも可能な非常災害用の水嚢シートを開発し、本発明にかかる「水嚢シート」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3116572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、確実かつ継続的な被覆状態の維持を可能にすると共に、風雨を凌いだり増水の侵入を防いだりといった多目的に使用可能な非常災害用の防水シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シートであって、該水嚢シートは、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせて周縁部が接合されることで内部に中空部を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓が備えられて成り、該中空部は、複数のユニットに区割りされると共に、必要に応じて隣接するユニット同士を連通する連通孔が備えられて成る手段を採る。
【0010】
また、本発明は、前記水嚢シートの中空部が、複数のユニットを有する所定のエリア毎に分断されると共に、各エリアに夫々給排水栓が備えられて成る手段を採る。
【0011】
さらに、本発明は、前記水嚢シートの周縁部に、複数のハトメ穴が設けられて成る手段を採る。
【0012】
またさらに、本発明は、前記水嚢シートの周縁部に、装脱自在となる連結手段が設けられて成る手段を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる水嚢シートによれば、被災物に覆い被せた状態で中空部に給水することで、充填された水が重りとなってシートが捲れ上がったり吹き飛ばされることなく、自重により確実かつ継続的な被覆状態が維持され得る、といった従来にない優れた効果を奏する。
【0014】
また、本発明にかかる水嚢シートによれば、防水シートを重ね合わせて中空部を有して形成されているため、軽量且つ簡易構造であると共に、シート状であるため折り畳んだりロール状に巻いて収納することができ、未使用時の格納スペースを多く要しない、といった優れた効果を奏する。
【0015】
さらに、本発明にかかる水嚢シートによれば、設置作業として家屋の屋根上で拡げて水道水などで給水することで達成できると共に、撤収作業も充填された水を抜いて軽い状態で撤収できるため、作業労力の軽減に資する、といった優れた効果を奏する。
【0016】
またさらに、本発明にかかる水嚢シートによれば、水嚢シートが複数のユニットに区割りされていることによって、充填される水の偏りをなくし、家屋の屋根に平均的且つ広範囲に亘って重量を分散配置することが可能であり、家屋への重量負担の均一化・分散化に資すると共に、確実な被覆状態の維持に資する、といった優れた効果を奏する。
【0017】
さらにまた、本発明にかかる水嚢シートによれば、複数のユニットを有する所定のエリア毎に分断される態様を採用することで、充填される水の偏りをより確実になくすことが可能であり、また、給水するエリアとそうでないエリアとを分けることで、家屋への不必要な荷重を避けることができると共に、被災物の屋根の形状や箇所に合わせて無理なく配置することができる、といった優れた効果を奏する。
【0018】
そしてまた、本発明にかかる水嚢シートによれば、周縁部に複数のハトメ穴を設けることによって、被災物とシートをロープなどでより強固に連結することができると共に、被災箇所の大きさに合わせてシート同士を連結することも可能である、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる水嚢シートによれば、周縁部に装脱自在となる防水ファスナー等の連結手段を設けることによって、シート同士が容易に連結可能であり、被災箇所の大きさや形状に合わせて、多様な形状とすることが可能である、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明にかかる水嚢シートの実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【
図2】本発明にかかる水嚢シートの他の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
【
図3】本発明における水嚢シートの他の実施形態を示す説明図である。(実施例3)
【
図4】本発明における水嚢シートの他の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明にかかる水嚢シート10は、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせることによって、周縁部が接合されることで内部に中空部11を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓12が備えられ、該中空部11は、複数のユニット13に区割りされると共に、必要に応じて隣接するユニット13同士を連通する連通孔14が備えられて成り、該中空部11に給水することで、充填された水が重りとなって確実かつ継続的な被覆状態を維持し得る手段を採用したことを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる水嚢シート10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0021】
尚、本発明にかかる水嚢シート10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、構造等の範囲内で、適宜変更することができる。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明にかかる水嚢シートの実施形態を示す説明図であり、(a)は全体図、(b)は断面図、(c)及び(d)は使用状態図である。
本発明にかかる水嚢シート10は、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせ、その状態で周縁部が接合されることで、内部に中空部11を有して形成されている。周縁部の接合手段については、特に限定はなく、縫合や接着、熱融着など、あるいはこれらを複合した手段が考え得る。
尚、防水シートを上下に重ね合わせるに際し、一枚の防水シートを中間で折り重ねることで、上下に重ね合わさった状態とすることも可能である。その場合に、防水シートの折り曲げ箇所となる一辺については、既に接合状態となっているため、周縁部であっても改めて接合手段を施す必要はないが、補強的に接合手段を施すことも可能である。
【0023】
中空部11は、図示の様に、複数のユニット13に区割りされている。すなわち、重ね合わされた二枚の防水シートを、部分的に接合することで、中空部11が複数のユニット13に区割りされる。尚、接合手段については、特に限定はなく、縫合や接着、熱融着など、あるいはこれらを複合した手段を採用し得る。また、水の充填容積を増大させて確保するため、重ね合わされた二枚の防水シートを接合する態様ではなく、中空部11内にマチ状や壁状の区割り部材を立ち上げ配置・接合する区割り手段を採用してもよい。
【0024】
ユニット13を構成する接合箇所には、必要に応じて隣接するユニット13同士を連通する連通孔14が備えられている。該連通孔14は、ユニット13間を水が通過し得るようにするための孔であって、必要に応じて備えられる。該連通孔14は、ユニット13を形成する際に防水シート同士を接合する態様の場合、その接合箇所の一部に接合しない部分を設けることで形成される。また、区割り部材を立ち上げ配置・接合する手段によりユニット13を形成する態様の場合は、該区割り部材が穿孔されることで連通孔14が形成される。尚、該連通孔14は、ユニット13間の水の通過が不要の箇所へは備えられない。
【0025】
水嚢シート10には、所定箇所に給排水栓12が備えられている。該給排水栓12は、中空部11内に水道水などを給水すると共に、中空部11内に充填された水を排水するためのものであって、必要箇所に一乃至複数の給排水栓12が配設される。該給排水栓12は、その機能上、開栓・閉塞のための蓋体を有している。一の水嚢シート10における給排水栓12の数については、特に限定はなく、給水及び排水作業の効率等を考慮して適宜決定される。図面では、シートの四隅と中央の五箇所に配設した場合について示している。尚、給排水栓12の機能について、給水栓と排水栓を兼用する態様を想定しているが、必要であれば給水栓と排水栓とを別個に配設する態様であってもよい。
【0026】
以上の各構成要素から成る水嚢シート10の具体的な全体形状については、例えば縦5.4m、横3.6m、3000gの防水シート(ブルーシート等)が使用される。該防水シートは、例えば縦横各0.2〜0.4m程度のユニット13で複数に区割りされ、水が充填されることで概ね5〜10cm程度膨らむ中空部11を形成する。中空部11への給水及び排水を可能にすべく、所定箇所に一乃至複数の給排水栓12が備えられており、また、ユニット13間における水の移動を可能にすべく、必要に応じて隣接するユニット13同士を連通する連通孔14が備えられている。
【0027】
以上のとおり、水嚢シート10は、防水シートを重ね合わせて中空部を有して形成されているため、軽量且つ簡易構造であると共に、シート状であるため折り畳んだりロール状に巻いて収納することができ、未使用時の省スペース化に資するものである。また、被災物に覆い被せた状態で中空部に給水することで、充填された水が重りとなってシートが捲れ上がったり吹き飛ばされることなく、自重により確実かつ継続的な被覆状態を維持可能であり、さらに、設置作業として家屋の屋根上で拡げて水道水などで給水することで達成できると共に、撤収作業も充填された水を抜いて軽い状態で撤収できるため、作業労力の軽減に資するものである。さらに、水嚢シートが複数のユニットに区割りされていることによって、充填される水の偏りをなくし、家屋の屋根に平均的且つ広範囲に亘って重量を分散配置することが可能であり、家屋への重量負担の均一化・分散化に資すると共に、確実な被覆状態の維持に資するものである。
【0028】
次に、水嚢シート10の屋根への設置手順の一例について、順を追って説明する。
(1)水嚢シート10を屋根の上に持ち上げる。
(2)水嚢シート10を屋根の上で拡げ、形状に合わせて敷設する。
(3)給排水栓12から中空部11に必要量の水を充填させる。
以上で終了する。
上記手順に沿って作業することで、
図1(c)に示す様に、屋根上での設置作業は完了する。すなわち、水嚢シート10は、単に家屋の屋根上で拡げて水道水などで給水するといった、簡便な設置作業によって達成できるものである。
【0029】
次に、水嚢シート10の家屋周辺への設置手順の一例について、順を追って説明する。
(1)水嚢シート10を家屋周辺の設置箇所に移動する。
(2)水嚢シート10を設置箇所で縦方向若しくは横方向へ複数回折り畳む。
(3)給排水栓12から中空部11に必要量の水を充填させる。
以上で終了する。
上記手順に沿って作業することで、
図1(d)に示す様に、家屋周辺での設置作業は完了する。すなわち、水嚢シート10は、単に家屋周辺で折り畳み水道水などで給水するといった、簡便な設置作業によって達成できるものである。
【0030】
上記した設置手順例以外にも、水嚢シート10には、多種多様な使用態様が存する。
例えば、家屋の壁面や、切土・盛土により作られる法面などに吊り下げ状に被覆して使用することも可能である。このとき、中空部11内に充填された水は、吊り下げた際の下方域に集合することとなるが、それが返って重りの役目を果たして、シートが捲れ上がったり吹き飛ばされることなく、自重により確実かつ継続的な被覆状態が維持され得ることとなる。
【0031】
次に、水嚢シート10の撤収手順について説明する。
(1)給排水栓12を開栓し、中空部11内の水を排水する。このとき、給排水栓12が複数ある場合、全ての給排水栓12を開栓することで、排水スピードが向上する。
(2)中空部11内の排水が完了したら、水嚢シート10を折り畳むなどして纏める。
(3)纏められた水嚢シート10を設置箇所から移動する。
以上で終了する。
上記手順に沿って作業することで、撤収作業は完了する。すなわち、水嚢シート10は、単に排水して折り畳むなどして纏めるといった、簡便な撤収作業によって達成できるものである。
【実施例2】
【0032】
本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態について説明する。上記実施例1と同様の構成については省略する。
図2は、本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態を示す説明図であり、(a)は全体図、(b)は使用状態図である。
本実施形態では、水嚢シート10の中空部11が、複数のユニット13を有する所定のエリア15毎に分断されると共に、各エリア15に夫々給排水栓12が備えられて成る手段を採用する。
【0033】
エリア15は、複数のユニット13を有して構成されるもので、一の水嚢シート10が少なくとも二以上の複数エリア15で分断されて成る。各エリア15は分断されていることから、隣接するエリア15同士で水が通過可能な連通孔14は設けられておらず、各エリア15内にて隣接するユニット13同士を連通する連通孔14のみ存している。したがって、どのエリア15にも給水及び排水が可能なように、各エリア15に夫々給排水栓12が備えられている。
【0034】
一の水嚢シート10におけるエリア15の数については、特に限定はなく、また、一のエリア15におけるユニット13の数についても、特に限定はない。さらには、一の水嚢シート10に存する各エリア15におけるユニット13の数について均等であることを要せず、各エリア15によってユニット13の数が異なる態様も可能である。尚、図面では、35個のユニット13を一つの単位として縦半分及び横半分に区割りされることで、一の水嚢シート10に四つのエリア15が区割りされて存している場合について例示している。
【0035】
以上のとおり、本実施形態にかかる水嚢シート10によれば、
図2(b)に示す様に、例えば設置面積が水嚢シート10の面積よりも小範囲の場合など、被災物の形状や箇所に合わせて水嚢シート10をエリア15毎に折り畳むなどして、無理なく効率よく設置することが可能である。また、エリア毎に分断されることで、充填される水の偏りをより確実になくすことが可能であり、さらに、給水するエリアとそうでないエリアとを分けることで、家屋への不必要な荷重を避けることもできる。
【実施例3】
【0036】
本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態について説明する。上記実施例1及び2と同様の構成については省略する。
図3は、本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態を示す説明図であり、(a)は全体図、(b)は使用状態図である。
本実施形態では、水嚢シート10の周縁部の任意の位置に、複数のハトメ穴16が設けられて成る手段を採用する。
【0037】
ハトメ穴16は、ロープ19やハトメ具などの連結具を通す通し穴であって、水嚢シート10の周縁部の任意の位置に設けられ、水嚢シート10と被災物を固定する目的で使用される。一の水嚢シート10におけるハトメ穴16の数については、特に限定はないが、少なくとも四隅に設けることが望ましく、さらには各辺の略中央位置を含めて少なくとも八箇所に設けることが好ましい。
【0038】
以上のとおり、本実施形態にかかる水嚢シート10によれば、
図3(b)に示す様に、例えば台風などの非常災害時において、被災物と水嚢シート10をロープ19などで強固に連結して固定することが可能であり、雨水の浸入による雨漏りや強風による屋根瓦の飛散等を防ぐことができる。また、ハトメ穴16を利用して、被災箇所の大きさに合わせて、シート同士をロープ19やハトメ具などの連結具により連結することも可能である、
【実施例4】
【0039】
本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態について説明する。上記実施例1乃至3と同様の構成については省略する。
図4は、本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態を示す説明図であり、(a)乃至(d)は使用状態図である。
本実施形態では、水嚢シート10の周縁部に、装脱自在となる連結手段17が設けられて成る手段を採用する。
【0040】
連結手段17は、水嚢シート10の周縁部に設けられて、水嚢シート10同士を連結し得るものである。該連結手段17の具体的構造については、互いを連結し得るものであれば特に限定はないが、防水機能と連結機能とを兼ね備える防水ジッパー18が好適である。
【0041】
かかる態様を採用することで、
図4(a)乃至(d)に示す様に、水嚢シート10を適宜連結することによって、その防災形状を自在に変化させることが可能であり、被災箇所の大きさや形状に合わせて、多様な形状とすることが可能である。
【0042】
尚、図面では、一枚のシート状に連結された場合について示しているが、連結されていない周縁部同士を更に連結することで、水嚢シート10を筒状や箱状など立体的形状に形成することも可能であり、より防災形状・防災態様の幅を拡げることに資するものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明にかかる水嚢シートは、設置作業が単に設置して水道水などで給水することによって達成できると共に、撤収作業も充填された水道水を抜いて纏めるだけの簡単な作業でできるもので、別途土嚢などの重りを載置することなく、自重により確実かつ継続的な被覆状態を維持可能であり、しかも、屋根の被覆による雨水の浸入防止だけでなく、家屋周辺の浸水防止や、家屋壁面、法面その他多くの場面において利用可能な防災機能を有するものである。したがって、本発明にかかる「水嚢シート」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0044】
10 水嚢シート
11 中空部
12 給排水栓
13 ユニット
14 連通孔
15 エリア
16 ハトメ穴
17 連結手段
18 防水ジッパー
19 ロープ
【手続補正書】
【提出日】2021年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シートであって、
該水嚢シートは、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせて周縁部が接合されることで内部に中空部を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓が備えられて成り、
該中空部は、複数のユニットに区割りされると共に、隣接するユニット同士を連通する連通孔が備えられて成ることを特徴とする水嚢シート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
前記水嚢シートの周縁部に、該水嚢シート同士を連結し得る連結手段が設けられて成ることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水嚢シート。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、被災物に覆い被せることによって雨風を凌ぐことができると共に、折り畳んで重ね合わせることによって増水の侵入を防ぐことができる非常災害用の水嚢シートであって、該水嚢シートは、所定の面積を有する防水シートを上下に重ね合わせて周縁部が接合されることで内部に中空部を有して形成されると共に、所定箇所に給排水栓が備えられて成り、該中空部は、複数のユニットに区割りされると共に、隣接するユニット同士を連通する連通孔が備えられて成る手段を採る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
またさらに、本発明は、前記水嚢シートの周縁部に、
該水嚢シート同士を連結し得る連結手段が設けられて成る手段を採る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
そしてまた、本発明にかかる水嚢シートによれば、周縁部に複数のハトメ穴を設けることによって、被災物とシートをロープなどでより強固に連結することができると共に、被災箇所の大きさに合わせてシート同士を連結することも可能である、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる水嚢シートによれば、周縁部に
該水嚢シート同士を連結し得る防水ファスナー等の連結手段を設けることによって、シート同士が容易に連結可能であり、防災箇所の大きさや形状に合わせて、多様な形状とすることが可能である、といった優れた効果を奏する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態について説明する。上記実施例1乃至3と同様の構成については省略する。
図4は、本発明にかかる水嚢シート10の他の実施形態を示す説明図であり、(a)乃至(d)は使用状態図である。
本実施形態では、水嚢シート10の周縁部に、
水嚢シート10同士を装脱自在
にする連結手段17が設けられて成る手段を採用する。