【解決手段】吸気部11と、吸気部11に連接され、吸気部11より膨出した膨出部12と、膨出部12に連接され、吸気部11よりも小径部の排気部13とを有する、全体内形状が玉葱形状のケース10と、ケース10内に設けられ、吸気部11から吸入した空気を排気部13へと圧縮して送出する回転翼20とを備えている。ケース10の内面には、吸気部11から排気部13に亘って螺旋形状のガイド14が設けられている。
吸気部11と、この吸気部11に連接され、吸気部11より膨出した膨出部12と、この膨出部12に連接され、前記吸気部11よりも小径部の排気部13とを有する、全体内形状が玉葱形状のケース10と、
このケース10内に設けられ、前記吸気部11から吸入した空気を前記排気部13へと圧縮して送出する回転翼20と、
を備えたことを特徴とする圧縮送風機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、空気を効率よく圧縮して送出することができる圧縮送風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の圧縮送風機は、
吸気部と、この吸気部に連接され、吸気部より膨出した膨出部と、この膨出部に連接され、前記吸気部よりも小径部の排気部とを有する、全体内形状が玉葱形状のケースと、
このケース内に設けられ、前記吸気部から吸入した空気を前記排気部へと圧縮して送出する回転翼と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
この圧縮送風機によれば、
回転翼を収納しているケースが、吸気部と、この吸気部に連接され、吸気部より膨出した膨出部と、この膨出部に連接され、前記吸気部よりも小径部の排気部とを有する、全体内形状が玉葱形状となっているので、吸気部から吸入された空気が、膨出部から排気部へと向かってなだらか、かつ、円滑に流れ、吸気部よりも小径部の排気部へと絞られて送出されるため、効率よく圧縮されて排気部から送出されることとなる。
すなわち、この圧縮送風機によれば、空気を効率よく圧縮して送出することができる。
【0008】
この圧縮送風機においては、
前記ケースの内面には、前記吸気部から排気部に亘って螺旋形状のガイドが設けられている構成とすることができる。
【0009】
このように構成すると、吸気部から排気部に向かう空気の流れを、いわばトルネード状に整流して、より一層効率よく圧縮して送出することができる。
【0010】
この圧縮送風機においては、
前記吸気部には、前記排気部から排気される圧縮空気の一部を導入する導入路が連接され、
前記回転翼には、前記導入路から導入された圧縮空気を受けて前記回転翼の回転をアシストするアシスト翼が設けられている構成とすることができる。
【0011】
このように構成すると、排気部から排気される圧縮空気の一部が導入路を経てアシスト翼に当たることで、回転翼にアシスト力が付与される。
このため、回転翼を回転可能に支持する軸受け部に作用する付加を軽減でき、結果として、この圧縮送風機の耐久性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る圧縮送風機の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0014】
図1に示すように、この実施の形態の圧縮送風機1は、
吸気部11と、この吸気部11に連接され、吸気部11より膨出した膨出部12と、この膨出部12に連接され、前記吸気部11よりも小径部の排気部13とを有する、全体内形状が玉葱形状のケース10と、
このケース10内に設けられ、前記吸気部11から吸入した空気を前記排気部13へと圧縮して送出する回転翼20と、
を備えている。
【0015】
この圧縮送風機1によれば、
回転翼20を収納しているケース10が、吸気部11と、この吸気部11に連接され、吸気部11より膨出した膨出部12と、この膨出部12に連接され、吸気部11よりも小径部の排気部13とを有する、全体内形状が玉葱形状となっているので、吸気部11から吸入された空気が、膨出部12から排気部13へと向かってなだらか、かつ、円滑に流れ、吸気部11よりも小径部の排気部13へと絞られて送出されるため、効率よく圧縮されて排気部13から送出されることとなる。
すなわち、この圧縮送風機1によれば、空気を効率よく圧縮して送出することができる。
【0016】
また、ケース10を上記のような玉葱形状とすることで、内部に空気を取り込みやすくし、中央の膨らみ(12)から吸気部11に向けて、空気が逆流しないようにできる。
【0017】
ケース10の内面には、吸気部11から排気部13に亘って螺旋形状のガイド14が設けられている。
【0018】
このように構成すると、吸気部11から排気部13に向かう空気の流れを、いわばトルネード状に整流して、より一層効率よく圧縮して送出することができる。
【0019】
図22に示すように、この圧縮送風機1は、吸気部11に、排気部13から排気される圧縮空気A2の一部A3を導入する導入路15が連接され、
前記回転翼20には、導入路15から導入された圧縮空気A3を受けて前記回転翼20の回転をアシストするアシスト翼25が設けられている。
【0020】
このように構成すると、排気部13から排気される圧縮空気A2の一部A3が導入路15を経てアシスト翼25に当たることで、回転翼20にアシスト力が付与される。
このため、回転翼20を回転可能に支持する軸受け部(図示せず)に作用する付加を軽減でき、結果として、この圧縮送風機の耐久性が向上する。
なお、
図1等において、21が回転翼20の軸である。
【0021】
ガイド14は、最下部から一本の溝で螺旋状に形成する。
溝の形状は、単なる山型でなく、片面を平坦にし、空気の流れを一定方向になるようにすることができる。
【0022】
アシスト翼25は、空気の当たる面に傾斜を付けて、当たった空気がなるべく排気部13の方に動くようにする。
【0023】
以下、この実施の形態の圧縮送風機1についてさらに詳しく説明する。
【0024】
この実施の形態の圧縮送風機1は、いわばトルネード式送風機ともいうべきもので、管内で渦巻きを起こし、空気を加速し管外に排出し、高速の空気を作り出す装置である。
【0025】
現状の空気圧縮方法として、レシプロ式、オービタル式等の圧縮方法があるが、どの圧縮方法も抵抗が大きくエネルギーを多く消費する割に、大きな効果を得ることができない。家庭や車のエアコンなどはコンプレッサーが使用されているが、電力消費が大きく非効率となっている。
【0026】
ベルヌーイの定理では、定常流・摩擦のない非粘性流体を前提として、「流体内のエネルギーの和が流線上で常に一定である」との定理がされていますが、直線上に空気を動かすと摩擦や、粘性で直線的に空気が進むことを阻みます。これを解消するためには、空気を直線的ではなくトルネード(竜巻)のように動かす事で、空気が管内を通る時に管の側面に沿って長い距離を進むため、管との摩擦が押さえられ、トルネードの中心付近での流速が早くなるのではないかと推測が可能です。実際に竜巻が通過したときの各地の映像が流れますが、トルネードの通過で、家は破壊され、車も吹き飛ばされるものすごい力を発揮しています。
【0027】
図1は渦巻きを起こす回転翼(プロペラともいう)20と、ケース10とを合体し、ケース10を半分にして示した図である。
図2は
図1を下方から見た状態を示す図である。
【0028】
図2の下方部の軸受けから空気を取り込む。
図3はケース10と回転翼(プロペラともいう)20を分解し正面から見た図である。
ケース10の内部には、空気の流れをらせん状に動かすための溝(14)を作る。この溝を作る事で、ケース10内の空気の流れを整える。この形状により、溝(14)に沿って空気の層ができる。この空気の層と、内部に発生する高速に動く空気を阻害しないために溝を形成する。このらせん状の溝については、形状・深さ・ピッチ等は最適な形状を設定する。
【0029】
図4は
図3の斜め上方より見た図である。
図5は
図3の右側面より見た図である。
図6は
図3の底面より見た図である。
【0030】
図7〜
図21は、個々の部分をより詳細に示した線図である。
図7はすべてを合体した場合の線図である。
図8は
図3を線図化した図で、正面図、上面図、右側面図を示した図である。
【0031】
図9・
図10はプロペラ20を示す図で、
図9は中心の軸と翼を合体させた図である。
22は吸気翼であり、図において下部から空気を取り込むための翼である。
25は回転翼であり、空気を回転させる翼である。またこの回転翼25は、前述したアシスト翼でもある。
23は上方翼であり(
図1参照)、上方の排気部13に向け空気を押し出す役割を果たす。
24は渦巻き翼であり(
図1参照)、空気を出口中心に集め渦巻きを発生させる翼である。
【0032】
図10は、回転翼20の軸21と軸受け部(ケース10と軸21をつなげる部分)とを示す図である。
【0033】
26が下軸受け、27が上軸受けである。これら下軸受と上軸受27とで、回転翼20の軸21がケース1に対して回転可能に支持される。
【0034】
軸21には、側面視菱形の上大径部21cと、側面視逆三角形形の下大径部21dが設けられおり、上大径部21に、上方翼23と渦巻き翼24が設けられ、下大径部21dに吸気翼22が設けられる。
【0035】
上軸受け27と下軸受け26の間に吸気翼22が入るので、軸21は上軸受27の下部で、上下に分割可能な構成とする。
【0036】
図11〜
図18は、各翼の詳細形状について示した図である。
図11,
図12は吸気翼22を、
図13、
図14はアシスト翼25を、
図15、
図16は上方翼23を、
図17、
図18は渦巻き翼24を、それぞれ示している。また、これらの図は、それぞれの翼の全体形状と、翼1枚1枚の形状とを一緒に示している。
【0037】
これらの図に示すように、各翼の翼面と翼端には突起28,29が設けられている。
これらの突起28,29は、現状の飛行機のプロペラや、ジェットエンジンの羽根には付けられていない形状である。突起28,29を付けることにより、次のような利点が得られると考えられる。
【0038】
翼面の突起28は、翼面の表面積を広げ、空気を押し出す量を増やすことができると考えられる。
翼端の突起29についても、現状のプロペラは高速で回すと風を切る音が発生するが、この音を軽減する役割を持つと考えられる。
フクロウの羽根に「音消し羽根」が有ることから、この仕組みを取り入れたものである。
【0039】
図19は軸21を示す図、
図20は上軸受27を示す図、
図21は下軸受け26を示す図である。
【0040】
図22は、この圧縮送風機1をより効率良く動かすための装置を示す図である。
図において、21は翼軸、10はケース、30は送風管、40は圧力タンク、42は制御装置である。
【0041】
翼軸21(したがって回転翼20)をモーター(図示せず)で回転させ、空気をケース10に取り込み、トルネードを起こし、ケース10の排気口13より排出する。送風管30を経由して、圧力タンク40に空気を送り込む。送風管30の内面も、ケース10内でで発生させたトルネードを維持できるように、ナットの内面の様なネジ状の形状とすることが望ましい。
【0042】
ケース10内で発生させたトルネードによって空気の速度を上げる。100m/S以上の速度で送風ができるのではないかと考えられる。この風のこの空気圧を吐出口41より放出して、推進力やエアコンのコンプレッサーとしての役割を果たさせる。
【0043】
一方、圧力タンク40より、アシスト翼25への圧縮空気A3の流量および圧力を制御する制御装置42を介して前記導入路15が設けられている。
【0044】
この装置を利用して、ヒートポンプや、ドローンの推進力、エアコンのコンプレッサーとしての活用が期待できる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0046】
ケース10の形状については、車のインテイクポート(キャブレーターから吸気バルブまでの管)に適用すると、ターボチャージャーを使わなくとも最適な空気量を確保できる。
【0047】
ケース10の凹凸形状、翼の凹凸形状とも表面の処理については、通常の鏡面仕上げとしても良いし、逆に、ざらざらの状態にする事で空気の流れがスムーズにすることも考えられる。