(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-967(P2021-967A)
(43)【公開日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】フロートボール式の密封水上救命設備
(51)【国際特許分類】
B63C 9/06 20060101AFI20201204BHJP
B63C 9/08 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
B63C9/06
B63C9/08 H
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-143194(P2019-143194)
(22)【出願日】2019年8月2日
(11)【特許番号】特許第6764061号(P6764061)
(45)【特許公報発行日】2020年9月30日
(31)【優先権主張番号】201910544461.8
(32)【優先日】2019年6月21日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519249413
【氏名又は名称】青島欧科玩具有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】718003500
【氏名又は名称】鄒 静文
(72)【発明者】
【氏名】梁海明
(57)【要約】
【課題】本発明はフロートボール式の密封水上救命設備を開示した。
【解決手段】
救命器リングと制御器とを含み、前記救命器リングの中には前記救命器リングの上下端面を貫通した楕円形溝が形成され、前記制御器が前記楕円形溝の上下端壁を貫通し、本装置は普段折り畳まれる状態にあるため、スペースを節約でき、海上で事故に遭う時、自動的に膨らんでボールの形になることができ、装置の内部に食物を貯蔵でき、また救命ボートのスペースが足りない時に子供が一時に装置の内部にいられ、装置が安全バックルで救命ボートあるいは救命艇に引っ掛かられ、また水上に漂うことができ、より多くの脱出チャンスを与えられ、使用者の生存率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面視で、救命器リングと制御器とを含み、前記救命器リングの中には前記救命器リングの上下端面を貫通した楕円形溝が形成され、前記制御器が前記楕円形溝の上下端壁を貫通し、
前記救命器リングの中には鉛直チャンバが二つ左右対称的に設置され、前記鉛直チャンバの中には気体生成機構が設置され、前記気体生成機構は上下にスライドできる鉛直ロッドを含み、前記鉛直ロッドの上端面には摩擦ロッドが固定的に設置され、前記摩擦ロッドの左端面には摩擦車が摩擦によって伝動できるように設置され、前記摩擦車が回転でき、前記摩擦車の中には輸液パイプが設置され、前記救命器リングの中には上方に開口した第一傾斜パイプと下方に開口した第二傾斜パイプとが設置され、前記救命器リングの上端面には第一プラスチック膜と第二プラスチック膜とが固定的に設置され、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜とが折り畳まれる状態にあり、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜との間には炭酸ナトリウム溶液があり、前記救命器リングの下端面には第三プラスチック膜と第四プラスチック膜とが固定的に設置され、前記第四プラスチック膜と前記第三プラスチック膜とが折り畳まれる状態にあり、前記第三プラスチック膜と前記第四プラスチック膜との間には硫酸アルミニウム塊が置かれ、前記鉛直ロッドが下方へ運動する時に前記輸液パイプを連動させて前記第一傾斜パイプと前記第二傾斜パイプとを連通するまで回転させ、これにより前記炭酸ナトリウム溶液は下方へ流れ、前記硫酸アルミニウム塊と反応して大量の二酸化炭素を生み出し、装置を膨らまし、
前記制御器の中には方形チャンバが設置され、前記方形チャンバの左右端壁には第一伝動チャンバが対称的に設置され、前記第一伝動チャンバの中には第一折畳機構が設置され、前記第一折畳機構は前記第二プラスチック膜と前記第一プラスチック膜とを折り畳む又は緩めることができ、
前記第一折畳機構の下側には第二折畳機構が設置され、前記第二折畳機構は前記第三プラスチック膜と前記第四プラスチック膜とを折り畳む又は緩めることができることを特徴とするフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項2】
前記気体生成機構は左右対称の昇降チャンバも含み、前記昇降チャンバのうち前記鉛直ロッドに近接した端壁が前記鉛直チャンバに連通し、前記昇降チャンバの下端壁には昇降ばねが固定的に設置され、前記昇降ばねの上端には前記昇降チャンバとスライドできるように連結された昇降ロッドが固定的に設置され、前記昇降ロッドと前記鉛直ロッドとが固定的に連結され、前記鉛直チャンバのうち前記鉛直ロッドから離れた端壁の中には旋転軸が回転できるように設置され、前記旋転軸には前記摩擦車が固定的に設置され、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜との間には密封ファスナーが設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項3】
前記第一折畳機構は短軸を含み、前記短軸が前記第一伝動チャンバの後端壁と回転できるように連結され、前記短軸には第一リールが固定的に設置され、前記第一伝動チャンバの下端壁には上端壁が前記第一伝動チャンバに連通した第一移動チャンバが設置され、前記第一移動チャンバの中には第一移動ブロックがスライドできるように設置され、前記第一移動ブロックのうち前記方形チャンバに近接した一端が前記方形チャンバの中に位置しており、前記第一伝動チャンバのうち前記方形チャンバから離れた端壁が第一弾性チャンバによって外部空間に連通し、前記第一弾性チャンバの下端壁には第一弾性ばねが固定的に設置され、前記第一弾性ばねの上端には前記第一弾性チャンバとスライドできるように連結された第一弾性ブロックが固定的に設置され、前記第一リールには前記第一弾性ブロックと前記第一移動ブロックとを連通する第一細糸が巻きついており、前記第一弾性ブロックのうち前記第一伝動チャンバから離れた端面には第一圧力板が固定的に設置され、前記制御器の左右端面には第一底部板が対称的に、且つ固定的に設置され、前記第一底部板と前記第一圧力板との間には前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜とが挟まれていることを特徴とする請求項1に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項4】
前記方形チャンバの上端壁が長チャンバによって外部空間に連通し、前記長チャンバの左右端壁には弾力溝が対称的に形成され、前記弾力溝の下端壁には弾力ばねが固定的に設置され、前記弾力ばねの上端には前記弾力溝とスライドできるように連結された弾力ロッドが固定的に設置され、二つの前記弾力ロッドの間には中心ロッドが固定的に設置され、前記中心ロッドと前記長チャンバとがスライドできるように連結され、前記中心ロッドが前記長チャンバを貫通し、前記中心ロッドの下端には中間板が固定的に設置され、前記中間板の前端面には前記第一移動ブロックと回転できるように連結された傾斜ロッドが左右対称的に、且つ回転できるように設置されていることを特徴とする請求項3に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項5】
前記第二折畳機構は上方に開口した第二伝動チャンバを含み、前記第二伝動チャンバの上端壁には前記方形チャンバの方向に開口した第二移動チャンバが設置され、前記第二移動チャンバの中には第二移動ロッドがスライドできるように設置され、前記第二移動ロッドのうち前記中間板に近接した一端が前記方形チャンバの中に位置しており、前記第二移動ロッドと前記移動ブロックとが支持ロッドによって固定的に連結され、前記第二伝動チャンバの後端壁には出力軸が回転できるように設置され、前記出力軸には第二リールが固定的に設置され、前記第二伝動チャンバのうち前記方形チャンバから離れた端壁が第二弾性溝によって外部空間に連通し、前記第二弾性溝の上端壁には第二弾性ばねが固定的に設置され、前記第二弾性ばねの下端には前記第二弾性溝とスライドできるように連結された第二弾性ブロックが固定的に設置され、前記第二リールには前記第二弾性ブロックと前記第二移動ロッドとを連結する第二細糸が巻きついており、前記第二弾性ブロックのうち前記第二伝動チャンバから離れた端面には第二圧力板が固定的に設置され、前記制御器の左右端面には第二底部板が対称的に設置され、前記第二底部板と前記第二圧力板とは前記第四プラスチック膜と前記第三プラスチック膜とを挟むことを特徴とする請求項1に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項6】
二つの前記鉛直ロッドの下端には楕円形板が一つ設置され、前記楕円形板の中には前記楕円形板の上下端面を貫通した引き出し溝が前後対称的に形成され、前記制御器が前記楕円形板を貫通し、前記楕円形板の下側に位置している前記制御器には支持板が左右対称的に、且つ固定的に設置され、前記楕円形溝の端壁の中には弧状溝が左右対称的に形成され、前記弧状溝の上端壁が短溝によって外部空間に連通し、前記弧状溝の中には伸縮ロッドがスライドできるように設置され、前記伸縮ロッドの中には前記制御器の方向に開口した伸縮チャンバが設置され、前記伸縮チャンバのうち前記制御器から離れた端壁には伸縮ばねが固定的に設置され、前記伸縮ばねのうち前記制御器に近接した一端には前記伸縮チャンバとスライドできるように連結されたガイドロッドが固定的に設置され、前記ガイドロッドと前記制御器とが固定的に連結されていることを特徴とする請求項2に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項7】
前記第二弾性ばねと前記第一弾性ばねとは引っ張られる状態にあることを特徴とする請求項5に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【請求項8】
前記救命器リングの右端面にはロープが装着され、前記ロープの右端には安全バックルが固定的に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は救命機械分野を取り上げて、具体的にはフロートボール式の密封水上救命設備である。
【背景技術】
【0002】
水上で船が事故に遭う時、一般的には船に配置された救命ボート又は救命艇で一時脱出し、救援を待ち、しかし、船の人数が多すぎる場合では、救命ボート又は救命艇のスペースが足りないため、全部の人を収容するあるいは充分な食物と薬物を持つことができなく、人の生存率を下げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第100532191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はフロートボール式の密封水上救命設備を提供し、水上事故における救命具のスペースが足りないなどの技術問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の技術プランによって実現される。
【0006】
本発明のフロートボール式の密封水上救命設備は、救命器リングと制御器とを含み、前記救命器リングの中には前記救命器リングの上下端面を貫通した楕円形溝が形成され、前記制御器が前記楕円形溝の上下端壁を貫通し、
前記救命器リングの中には鉛直チャンバが二つ左右対称的に設置され、前記鉛直チャンバの中には気体生成機構が設置され、前記気体生成機構は上下にスライドできる鉛直ロッドを含み、前記鉛直ロッドの上端面には摩擦ロッドが固定的に設置され、前記摩擦ロッドの左端面には摩擦車が摩擦によって伝動できるように設置され、前記摩擦車が回転でき、前記摩擦車の中には輸液パイプが設置され、前記救命器リングの中には上方に開口した第一傾斜パイプと下方に開口した第二傾斜パイプとが設置され、前記救命器リングの上端面には第一プラスチック膜と第二プラスチック膜とが固定的に設置され、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜とが折り畳まれる状態にあり、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜との間には炭酸ナトリウム溶液があり、前記救命器リングの下端面には第三プラスチック膜と第四プラスチック膜とが固定的に設置され、前記第四プラスチック膜と前記第三プラスチック膜とが折り畳まれる状態にあり、前記第三プラスチック膜と前記第四プラスチック膜との間には硫酸アルミニウム塊が置かれ、前記鉛直ロッドが下方へ運動する時に前記輸液パイプを連動させて前記第一傾斜パイプと前記第二傾斜パイプとを連通するまで回転させ、これにより前記炭酸ナトリウム溶液は下方へ流れ、前記硫酸アルミニウム塊と反応して大量の二酸化炭素を生み出し、装置を膨らまし、
前記制御器の中には方形チャンバが設置され、前記方形チャンバの左右端壁には第一伝動チャンバが対称的に設置され、前記第一伝動チャンバの中には第一折畳機構が設置され、前記第一折畳機構は前記第二プラスチック膜と前記第一プラスチック膜とを折り畳む又は緩めることができ、
前記第一折畳機構の下側には第二折畳機構が設置され、前記第二折畳機構は前記第三プラスチック膜と前記第四プラスチック膜とを折り畳む又は緩めることができる。
【0007】
好ましくは、前記気体生成機構について詳しく説明し、前記気体生成機構は左右対称の昇降チャンバも含み、前記昇降チャンバのうち前記鉛直ロッドに近接した端壁が前記鉛直チャンバに連通し、前記昇降チャンバの下端壁には昇降ばねが固定的に設置され、前記昇降ばねの上端には前記昇降チャンバとスライドできるように連結された昇降ロッドが固定的に設置され、前記昇降ロッドと前記鉛直ロッドとが固定的に連結され、前記鉛直チャンバのうち前記鉛直ロッドから離れた端壁の中には旋転軸が回転できるように設置され、前記旋転軸には前記摩擦車が固定的に設置され、前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜との間には密封ファスナーが設置されている。
【0008】
好ましくは、前記第一折畳機構は短軸を含み、前記短軸が前記第一伝動チャンバの後端壁と回転できるように連結され、前記短軸には第一リールが固定的に設置され、前記第一伝動チャンバの下端壁には上端壁が前記第一伝動チャンバに連通した第一移動チャンバが設置され、前記第一移動チャンバの中には第一移動ブロックがスライドできるように設置され、前記第一移動ブロックのうち前記方形チャンバに近接した一端が前記方形チャンバの中に位置しており、前記第一伝動チャンバのうち前記方形チャンバから離れた端壁が第一弾性チャンバによって外部空間に連通し、前記第一弾性チャンバの下端壁には第一弾性ばねが固定的に設置され、前記第一弾性ばねの上端には前記第一弾性チャンバとスライドできるように連結された第一弾性ブロックが固定的に設置され、前記第一リールには前記第一弾性ブロックと前記第一移動ブロックとを連通する第一細糸が巻きついており、前記第一弾性ブロックのうち前記第一伝動チャンバから離れた端面には第一圧力板が固定的に設置され、前記制御器の左右端面には第一底部板が対称的に、且つ固定的に設置され、前記第一底部板と前記第一圧力板との間には前記第一プラスチック膜と前記第二プラスチック膜とが挟まれている。
【0009】
好ましくは、前記方形チャンバの上端壁が長チャンバによって外部空間に連通し、前記長チャンバの左右端壁には弾力溝が対称的に形成され、前記弾力溝の下端壁には弾力ばねが固定的に設置され、前記弾力ばねの上端には前記弾力溝とスライドできるように連結された弾力ロッドが固定的に設置され、二つの前記弾力ロッドの間には中心ロッドが固定的に設置され、前記中心ロッドと前記長チャンバとがスライドできるように連結され、前記中心ロッドが前記長チャンバを貫通し、前記中心ロッドの下端には中間板が固定的に設置され、前記中間板の前端面には前記第一移動ブロックと回転できるように連結された傾斜ロッドが左右対称的に、且つ回転できるように設置されている。
【0010】
好ましくは、前記第二折畳機構は上方に開口した第二伝動チャンバを含み、前記第二伝動チャンバの上端壁には前記方形チャンバの方向に開口した第二移動チャンバが設置され、前記第二移動チャンバの中には第二移動ロッドがスライドできるように設置され、前記第二移動ロッドのうち前記中間板に近接した一端が前記方形チャンバの中に位置しており、前記第二移動ロッドと前記移動ブロックとが支持ロッドによって固定的に連結され、前記第二伝動チャンバの後端壁には出力軸が回転できるように設置され、前記出力軸には第二リールが固定的に設置され、前記第二伝動チャンバのうち前記方形チャンバから離れた端壁が第二弾性溝によって外部空間に連通し、前記第二弾性溝の上端壁には第二弾性ばねが固定的に設置され、前記第二弾性ばねの下端には前記第二弾性溝とスライドできるように連結された第二弾性ブロックが固定的に設置され、前記第二リールには前記第二弾性ブロックと前記第二移動ロッドとを連結する第二細糸が巻きついており、前記第二弾性ブロックのうち前記第二伝動チャンバから離れた端面には第二圧力板が固定的に設置され、前記制御器の左右端面には第二底部板が対称的に設置され、前記第二底部板と前記第二圧力板とは前記第四プラスチック膜と前記第三プラスチック膜とを挟む。
【0011】
好ましくは、二つの前記鉛直ロッドの下端には楕円形板が一つ設置され、前記楕円形板の中には前記楕円形板の上下端面を貫通した引き出し溝が前後対称的に形成され、前記制御器が前記楕円形板を貫通し、前記楕円形板の下側に位置している前記制御器には支持板が左右対称的に、且つ固定的に設置され、前記楕円形溝の端壁の中には弧状溝が左右対称的に形成され、前記弧状溝の上端壁が短溝によって外部空間に連通し、前記弧状溝の中には伸縮ロッドがスライドできるように設置され、前記伸縮ロッドの中には前記制御器の方向に開口した伸縮チャンバが設置され、前記伸縮チャンバのうち前記制御器から離れた端壁には伸縮ばねが固定的に設置され、前記伸縮ばねのうち前記制御器に近接した一端には前記伸縮チャンバとスライドできるように連結されたガイドロッドが固定的に設置され、前記ガイドロッドと前記制御器とが固定的に連結されている。
【0012】
好ましくは、前記第二弾性ばねと前記第一弾性ばねとは引っ張られる状態にある。
【0013】
好ましくは、前記救命器リングの右端面にはロープが装着され、前記ロープの右端には安全バックルが固定的に設置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益効果は:本装置は普段折り畳まれる状態にあるため、スペースを節約でき、海上で事故に遭う時、自動的に膨らんでボールの形になることができ、装置の内部に食物を貯蔵でき、また救命ボートのスペースが足りない時に子供が一時に装置の内部にいられ、装置が安全バックルで救命ボートあるいは救命艇に引っ掛かられ、また水上に漂うことができ、より多くの脱出チャンスを与えられ、使用者の生存率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
下記に
図1〜5をあわせて本発明について詳しく説明し、便利に説明するために、下記の方向を以下のように規定する:
図1は本発明装置の正面図であり、以下に述べる上下左右前後の方向と
図1の自身投影関係の上下左右前後の方向とが一致である。
【0016】
【
図1】
図1は本発明のフロートボール式の密封水上救命設備の全体全断面の正面構成模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜5を参照し、本発明のフロートボール式の密封水上救命設備は、救命器リング10と制御器35とを含み、前記救命器リング10の中には前記救命器リング10の上下端面を貫通した楕円形溝73が形成され、前記制御器35が前記楕円形溝73の上下端壁を貫通し、
前記救命器リング10の中には鉛直チャンバ50が二つ左右対称的に設置され、前記鉛直チャンバ50の中には気体生成機構90が設置され、前記気体生成機構90は上下にスライドできる鉛直ロッド44を含み、前記鉛直ロッド44の上端面には摩擦ロッド51が固定的に設置され、前記摩擦ロッド51の左端面には摩擦車48が摩擦によって伝動できるように設置され、前記摩擦車48が回転でき、前記摩擦車48の中には輸液パイプ49が設置され、前記救命器リング10の中には上方に開口した第一傾斜パイプ11と下方に開口した第二傾斜パイプ45とが設置され、前記救命器リング10の上端面には第一プラスチック膜13と第二プラスチック膜14とが固定的に設置され、前記第一プラスチック膜13と前記第二プラスチック膜14とが折り畳まれる状態にあり、前記第一プラスチック膜13と前記第二プラスチック膜14との間には炭酸ナトリウム溶液12があり、前記救命器リング10の下端面には第三プラスチック膜40と第四プラスチック膜42とが固定的に設置され、前記第四プラスチック膜42と前記第三プラスチック膜40とが折り畳まれる状態にあり、前記第三プラスチック膜40と前記第四プラスチック膜42との間には硫酸アルミニウム塊37が置かれ、前記鉛直ロッド44が下方へ運動する時に前記輸液パイプ49を連動させて前記第一傾斜パイプ11と前記第二傾斜パイプ45とを連通するまで回転させ、これにより前記炭酸ナトリウム溶液12は下方へ流れ、前記硫酸アルミニウム塊37と反応して大量の二酸化炭素を生み出し、装置を膨らまし、
前記制御器35の中には方形チャンバ39が設置され、前記方形チャンバ39の左右端壁には第一伝動チャンバ70が対称的に設置され、前記第一伝動チャンバ70の中には第一折畳機構91が設置され、前記第一折畳機構91は前記第二プラスチック膜14と前記第一プラスチック膜13とを折り畳む又は緩めることができ、
前記第一折畳機構91の下側には第二折畳機構92が設置され、前記第二折畳機構92は前記第三プラスチック膜40と前記第四プラスチック膜42とを折り畳む又は緩めることができる。
【0018】
更に、前記気体生成機構90について詳しく説明し、前記気体生成機構90は左右対称の昇降チャンバ53も含み、前記昇降チャンバ53のうち前記鉛直ロッド44に近接した端壁が前記鉛直チャンバ50に連通し、前記昇降チャンバ53の下端壁には昇降ばね54が固定的に設置され、前記昇降ばね54の上端には前記昇降チャンバ53とスライドできるように連結された昇降ロッド46が固定的に設置され、前記昇降ロッド46と前記鉛直ロッド44とが固定的に連結され、前記鉛直チャンバ50のうち前記鉛直ロッド44から離れた端壁の中には旋転軸47が回転できるように設置され、前記旋転軸47には前記摩擦車48が固定的に設置され、前記第一プラスチック膜13と前記第二プラスチック膜14との間には密封ファスナー22が設置されている。
【0019】
有益的には、前記第一折畳機構91は短軸68を含み、前記短軸68が前記第一伝動チャンバ70の後端壁と回転できるように連結され、前記短軸68には第一リール69が固定的に設置され、前記第一伝動チャンバ70の下端壁には上端壁が前記第一伝動チャンバ70に連通した第一移動チャンバ30が設置され、前記第一移動チャンバ30の中には第一移動ブロック72がスライドできるように設置され、前記第一移動ブロック72のうち前記方形チャンバ39に近接した一端が前記方形チャンバ39の中に位置しており、前記第一伝動チャンバ70のうち前記方形チャンバ39から離れた端壁が第一弾性チャンバ67によって外部空間に連通し、前記第一弾性チャンバ67の下端壁には第一弾性ばね63が固定的に設置され、前記第一弾性ばね63の上端には前記第一弾性チャンバ67とスライドできるように連結された第一弾性ブロック64が固定的に設置され、前記第一リール69には前記第一弾性ブロック64と前記第一移動ブロック72とを連通する第一細糸27が巻きついており、前記第一弾性ブロック64のうち前記第一伝動チャンバ70から離れた端面には第一圧力板66が固定的に設置され、前記制御器35の左右端面には第一底部板65が対称的に、且つ固定的に設置され、前記第一底部板65と前記第一圧力板66との間には前記第一プラスチック膜13と前記第二プラスチック膜14とが挟まれ、
前記方形チャンバ39の上端壁が長チャンバ21によって外部空間に連通し、前記長チャンバ21の左右端壁には弾力溝26が対称的に形成され、前記弾力溝26の下端壁には弾力ばね25が固定的に設置され、前記弾力ばね25の上端には前記弾力溝26とスライドできるように連結された弾力ロッド24が固定的に設置され、二つの前記弾力ロッド24の間には中心ロッド23が固定的に設置され、前記中心ロッド23と前記長チャンバ21とがスライドできるように連結され、前記中心ロッド23が前記長チャンバ21を貫通し、前記中心ロッド23の下端には中間板20が固定的に設置され、前記中間板20の前端面には前記第一移動ブロック72と回転できるように連結された傾斜ロッド36が左右対称的に、且つ回転できるように設置されている。
【0020】
有益的には、前記第二折畳機構92は上方に開口した第二伝動チャンバ60を含み、前記第二伝動チャンバ60の上端壁には前記方形チャンバ39の方向に開口した第二移動チャンバ31が設置され、前記第二移動チャンバ31の中には第二移動ロッド32がスライドできるように設置され、前記第二移動ロッド32のうち前記中間板20に近接した一端が前記方形チャンバ39の中に位置しており、前記第二移動ロッド32と前記移動ブロック72とが支持ロッド34によって固定的に連結され、前記第二伝動チャンバ60の後端壁には出力軸62が回転できるように設置され、前記出力軸62には第二リール61が固定的に設置され、前記第二伝動チャンバ60のうち前記方形チャンバ39から離れた端壁が第二弾性溝55によって外部空間に連通し、前記第二弾性溝55の上端壁には第二弾性ばね59が固定的に設置され、前記第二弾性ばね59の下端には前記第二弾性溝55とスライドできるように連結された第二弾性ブロック56が固定的に設置され、前記第二リール61には前記第二弾性ブロック56と前記第二移動ロッド32とを連結する第二細糸33が巻きついており、前記第二弾性ブロック56のうち前記第二伝動チャンバ60から離れた端面には第二圧力板57が固定的に設置され、前記制御器35の左右端面には第二底部板58が対称的に設置され、前記第二底部板58と前記第二圧力板57とは前記第四プラスチック膜42と前記第三プラスチック膜40とを挟む。
【0021】
有益的には、二つの前記鉛直ロッド44の下端には楕円形板43が一つ設置され、前記楕円形板43の中には前記楕円形板43の上下端面を貫通した引き出し溝71が前後対称的に形成され、前記制御器35が前記楕円形板43を貫通し、前記楕円形板43の下側に位置している前記制御器35には支持板38が左右対称的に、且つ固定的に設置され、前記楕円形溝73の端壁の中には弧状溝17が左右対称的に形成され、前記弧状溝17の上端壁が短溝18によって外部空間に連通し、前記弧状溝17の中には伸縮ロッド41がスライドできるように設置され、前記伸縮ロッド41の中には前記制御器35の方向に開口した伸縮チャンバ15が設置され、前記伸縮チャンバ15のうち前記制御器35から離れた端壁には伸縮ばね16が固定的に設置され、前記伸縮ばね16のうち前記制御器35に近接した一端には前記伸縮チャンバ15とスライドできるように連結されたガイドロッド19が固定的に設置され、前記ガイドロッド19と前記制御器35とが固定的に連結されている。
【0022】
有益的には、前記第二弾性ばね59と前記第一弾性ばね63とは引っ張られる状態にある。
【0023】
有益的には、前記救命器リング10の右端面にはロープ28が装着され、前記ロープ28の右端には安全バックル29が固定的に設置されている。
【0025】
1、水上事故にあった時、密封ファスナー22を開け、中心ロッド23を下方へ押し、傾斜ロッド36を運動連動させ、これにより第一移動ブロック72と第二移動ロッド32とを連動させて前記方形チャンバ39から離れさせる。
【0026】
2、第一移動ブロック72が第一細糸27を引き動かし、これにより第一弾性ブロック64を上昇連動させ、第一圧力板66が第一弾性ブロック64につれ上昇し、挟まれた第一プラスチック膜13と第二プラスチック膜14とが緩み、第一プラスチック膜13と第二プラスチック膜14とを引き出して復元させる。
【0027】
3、第二移動ロッド32が第二細糸33を引き動かし、第二弾性ブロック56を下降連動させ、第二圧力板57が第二弾性ブロック56につれ下降し、これにより挟まれた第三プラスチック膜40と第四プラスチック膜42とが緩み、第三プラスチック膜40と第四プラスチック膜42とを引き出して復元させる。
【0028】
4、制御器35を回転させ、支持板38とガイドロッド19とを回転連動させ、ガイドロッド19が伸縮ロッド41を連動させて弧状溝17の中で回転させ、伸縮ばね16が圧縮され、伸縮ロッド41が短溝18の位置まで回転する時、支持板38が引き出し溝71の位置まで回転し、制御器35を上方へ引いて外部空間に出す。
【0029】
5、装置の中に水上脱出用の食物と薬物とを入れ、又は背の低い子供を入れ、楕円形板43を押し動かして下降させる。
【0030】
6、摩擦ロッド51が楕円形板43につれ下降し、摩擦ロッド51と摩擦車48との摩擦による伝動で摩擦車48を回転連動させ、これにより輸液パイプ49は第一傾斜パイプ11と第二傾斜パイプ45とを連通する。
【0031】
7、炭酸ナトリウム溶液12が第一傾斜パイプ11と、輸液パイプ49と、第二傾斜パイプ45とを通過して硫酸アルミニウム塊37に流れ込み、炭酸ナトリウム溶液12と硫酸アルミニウム塊37とが反応して大量の二酸化炭素を生み出し、第三プラスチック膜40と第四プラスチック膜42との間を膨らまし、第二プラスチック膜14と第一プラスチック膜13との間も膨らみ、装置が膨らんでボールの形になり、安全バックル29によって救命ボートと救命艇のロープのところに引っ掛かられ、且つ水上に漂える。
【0032】
以上に述べたのはただ本発明の具体的な実施方式で、しかし本発明の保護範囲はここに限らないである。全部の創造的な労働を通じなく思いついた変化と取替は本発明の保護範囲にカバーされる。だから本発明の保護範囲は権利要求書が限定される保護範囲を標準とする。
【手続補正書】
【提出日】2020年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記第二折畳機構は上方に開口した第二伝動チャンバを含み、前記第二伝動チャンバの上端壁には前記方形チャンバの方向に開口した第二移動チャンバが設置され、前記第二移動チャンバの中には第二移動ロッドがスライドできるように設置され、前記第二移動ロッドのうち前記中間板に近接した一端が前記方形チャンバの中に位置しており、前記第二移動ロッドと前記移動ブロックとが支持ロッドによって固定的に連結され、前記第二伝動チャンバの後端壁には出力軸が回転できるように設置され、前記出力軸には第二リールが固定的に設置され、前記第二伝動チャンバのうち前記方形チャンバから離れた端壁が第二弾性溝によって外部空間に連通し、前記第二弾性溝の上端壁には第二弾性ばねが固定的に設置され、前記第二弾性ばねの下端には前記第二弾性溝とスライドできるように連結された第二弾性ブロックが固定的に設置され、前記第二リールには前記第二弾性ブロックと前記第二移動ロッドとを連結する第二細糸が巻きついており、前記第二弾性ブロックのうち前記第二伝動チャンバから離れた端面には第二圧力板が固定的に設置され、前記制御器の左右端面には第二底部板が対称的に設置され、前記第二底部板と前記第二圧力板とは前記第四プラスチック膜と前記第三プラスチック膜とを挟むことを特徴とする請求項4に記載のフロートボール式の密封水上救命設備。