【解決手段】蹴出し補助装置3は、使用者の膝を挟んで装着される上部分71及び下部分72を有する膝装着具7と、使用者の足に装着され、足裏に配置される足底部85を有する足装着具8と、膝装着具から足装着具に伸びるステー35と、上部分に固定され、下部分へと延びる上レバーと、上レバーと回動自在に接続されるとともに、ステーと回動自在に接続されるステー接続部材と、ステーを足装着具の方向に摺動させる摺動部材と、ステーの下端と接続されると共に、足底部の少なくとも一部に接続させるステー下端接続部37と、を備える。
前記ステー下端接続部は、前記足装着具に対する位置を前後に移動させて配置させるステー下端レールを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蹴出し補助装置。
前記ステー下端接続部は、前記使用者の足の側面視において、踵からつま先までの長さのうち、中央よりつま先側に配置される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蹴出し補助装置。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】歩行補助システムを人に装着した際の様子を概略的に示す正面図である。
【
図4】歩行補助システムを人に装着した際の様子を概略的に示す、右脚の外側からの側面を示す左側面図である。
【
図5】歩行補助システムを人に装着した際の様子を概略的に示す、右脚の内側からの側面を示す右側面図である。
【
図6】歩行補助装置が取り付けられた腰ベルトの展開された様子を示す正面図である。
【
図7】歩行補助装置が取り付けられた腰ベルトを閉じた際の様子を示す平面図である。
【
図8】腰ベルトを装着した使用者の右側(正面視左側)の装置装着部に取り付けられる足ワイヤ上端接続部の正面図である。
【
図9】腰ベルトを装着した使用者の右側(正面視左側)の装置装着部に取り付けられる足ワイヤ上端接続部の左側面図である。
【
図10】
図8のX−X線における断面を概略的に示す図である。
【
図13】膝装着具の上部分及び下部分の接続についての説明図である。
【
図14】足ワイヤが通る足ワイヤ中継部が取り付けられた膝装着具の正面図である。
【
図15】足ワイヤが通る足ワイヤ中継部が取り付けられた膝装着具の左側面図である。
【
図18】足ワイヤ中継部に足ワイヤが通された際の様子について示す図である。
【
図23】足装着具の接続部の動作について説明するための図である。
【
図24】右足の足装着具の使用の状態について示す正面図である。
【
図25】右足の足装着具の使用の状態について示す左側面図である。
【
図26】使用者に取り付けられた歩行補助装置の動作について説明するための図である。
【
図27】腰ベルトの装置装着部を拡大して示す説明図である。
【
図30】
図28のXXX−XXX線における概略断面図である。
【
図33】
図32のXXXIII−XXXIII線における概略断面図である。
【
図34】膝ワイヤ下端接続部の逆回転防止機構について説明するための図である。
【
図35】使用者に取り付けられた膝上補助装置の動作について説明するための図である。
【
図36】蹴出し補助装置のステー上端接続部が取り付けられた右膝用の膝装着具の内側の側面図である。
【
図37】
図36において膝が曲げられた際の膝装着具の様子について示す図である。
【
図38】ステー下端接続部及びステーが取り付けられた右足の足装着具の使用の状態について示す左側面図である。
【
図39】ステー下端接続部を取り付けた足装着具の底面図である。
【
図40】使用者に取り付けられた蹴出し補助装置の動作について説明するための図である。
【
図41】使用者に取り付けられた歩行補助システムの動作の様子について示す図である。
【
図42】右足用のランニングシューズの正面図である。
【
図43】右足用のランニングシューズの右側面図である。
【
図44】右足用のランニングシューズの左側面図である。
【
図45】右足用のランニングシューズの背面図である。
【
図46】ラチェット機構について説明するための図である。
【
図47】ランニングシューズの車輪の他の構成例について示す図である。
【
図48】ランニングシューズの車輪の他の構成例について示す図である。
【
図49】ランニングシューズの足を覆う部分の構成の一例について説明するための平面図である。
【
図50】ランニングシューズの甲被部孔綴じ紐について説明するための側面図である。
【
図51】ランニングシューズの甲被部孔綴じ紐について説明するための図である。
【
図52】
図51のLXII−LXII線における断面図である。
【
図53】ランニングシューズのつま先側紐及び踵側紐について説明するための平面図である。
【
図54】つま先側紐及び踵側紐が配置された領域での断面の変化の様子について模式的に示す図である。
【
図55】ランニングシューズの足首周囲紐について説明するための平面図である。
【
図56】足首周囲紐の締め付けハンドルについて、説明するための図である。
【
図57】足首周囲紐の締め付けハンドルについて、説明するための図である。
【
図58】甲被部孔綴じ紐、つま先側紐及び踵側紐、並びに足首周囲紐を使用したランニングシューズ4の一例について示す側面図である。
【
図59】シューズカバー材を取り付けたランニングシューズの一例について示す側面図である。
【
図60】シューズカバー材を取り付けたランニングシューズの一例について示す側面図である。
【
図61】使用者に取り付けられたランニングシューズの動作について説明するための図である。
【
図62】足ワイヤとステーとがそれぞれ足ワイヤ下端接続部及びステー下端接続部に取り付けられたランニングシューズを示す正面図である。
【
図63】ステー下端接続部が取り付けられたランニングシューズの底面の前側について示す図である。
【
図64】ステー下端接続部の取り付け機構の例を説明するための図である。
【
図65】歩行補助装置、膝上補助装置、蹴出し補助装置及びランニングシューズを組み合わせたランニング補助システムについて示す正面図である。
【
図66】歩行補助装置、膝上補助装置、蹴出し補助装置及びランニングシューズを組み合わせたランニング補助システムについて示す背面図である。
【
図67】使用者に取り付けられたランニング補助システムの動作の様子について示す図である。
【
図68】使用者に取り付けられたランニング補助システムの動作の様子について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3、及びこれらをいずれか複数を組み合わせた歩行補助システム100、並びにそれらのいずれかと本開示のランニングシューズを組み合わせたランニング補助システム200の構成及び機能について、図面を参照して説明する。説明において同様の要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0024】
[歩行補助システム]
図1及び2は、それぞれ本開示の歩行補助システム100の正面図及び背面図である。
図3乃至5は、それぞれ歩行補助システム100を人に装着した際の様子を概略的に示す、正面図、右脚の外側からの側面を示す左側面図、及び右脚の内側からの側面を示す右側面図である。
【0025】
図1乃至5に示されるように、歩行補助システム100は、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3を有している。また、歩行補助システム100は、歩行補助装置1及び膝上補助装置2に共通して用いられる腰ベルト6、歩行補助装置1、膝上補助装置2及び蹴出し補助装置3に共通して用いられる膝装着具7、並びに膝上補助装置2及び蹴出し補助装置3に共通して用いられる足装着具8を有している。
図1乃至5においては、歩行補助システム100は、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3をすべて備えるものとして示しているが、これらはそれぞれ単独でも用いることができ、またこれらのいずれか複数を組み合わせて用いることとしてもよい。
【0026】
[歩行補助装置]
歩行補助装置1について詳細に説明する。
図1乃至4に示されるように、歩行補助装置1は、使用者の腰に巻き付けて装着される腰ベルト6と、使用者の膝に装着される膝装着具7と、使用者の足に装着される足装着具8と、腰ベルト6から膝装着具7を介して足装着具8に伸びるワイヤである足ワイヤ12と、腰ベルト6に取り付けられ、足ワイヤ12の一端を足ワイヤバネ112(
図10参照)を介して保持する足ワイヤ上端接続部11と、膝装着具7に取り付けられ、足ワイヤ12を足ワイヤ12の伸びる方向に移動可能に保持する足ワイヤ中継部13と、踵からつま先までの長さにおいて中央よりつま先側に足ワイヤ12の他端を接続する足ワイヤ下端接続部16と、を有している。ここで、足ワイヤ12は、使用者の脚の両外側に配置されるように構成されていてもよい。足ワイヤ12には、例えば金属やナイロンを材料に用いたものを用いることができる。
【0027】
図6及び7は、歩行補助装置1が取り付けられた腰ベルト6の展開された様子を示す正面図、及び腰ベルト6を閉じた際の様子を示す平面図である。
図6及び7に示されるように、腰ベルト6は、バックル61、背当て62、装置装着部64、これらを結合するバンド部63により構成されている。
【0028】
バンド部63は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンその他の樹脂材料等を用いることができる。バックル61、背当て62及び装置装着部64は、樹脂材料を用いることができる。バックル61は一対の結合自在な部品であり、腰ベルト6の両端にそれぞれ取り付けられ、使用者に装着される際に結合される。装置装着部64は、使用者に装着された際に使用者の両側部に配置されるよう2か所に配置されている。装置装着部64は、歩行補助装置1の足ワイヤ上端接続部11を接続する。また、必要な場合には、装置装着部64は、後述する膝上補助装置2の膝ワイヤ上端接続部21を接続させることとしてもよい。なお、このように構成された腰ベルト6は、後述する膝上補助装置2及びランニング補助システム200においても用いることができる。
【0029】
図8及び9は、使用者に取り付けられた際、腰ベルト6の右側(正面視左側)に配置される装置装着部64に取り付けられる足ワイヤ上端接続部11の、それぞれ正面図及び左側面図である。
図10は、
図8のX−X線における断面を概略的に示す図である。
【0030】
図8乃至10に示されるように、足ワイヤ上端接続部11は、足ワイヤバネ112を収納し固定する筐体113を有している。本実施形態においては、足ワイヤバネ112は、ぜんまいバネであるが、ぜんまいバネだけでなく、その他のばね部材を使用することができる。足ワイヤバネ112であるぜんまいバネの最外側端と足ワイヤ12の一端(上端)は互いに接続されており、足ワイヤ12が足ワイヤ上端接続部11の筐体113に収納される方向に付勢されている。また、本実施形態においては、足ワイヤ上端接続部11は、ぜんまいバネの内側端部付近と接続されて筐体113内でぜんまいバネの内側端(中心部)を回動させるハンドル111を有し、使用者がハンドル111を動作させることにより、足ワイヤバネ112の配置角度を変更し、足ワイヤバネ112への付勢力を調整できるようになっている。調整されたぜんまいバネの角度は、不図示のラチェット機構等により調整後の角度に固定されるようにすることができる。
【0031】
図11及び12は、それぞれ右膝用の膝装着具7の正面図及び左側面図である。
図13は、膝装着具7の上部分71及び下部分72の接続についての説明図である。左膝用の膝装着具7については図示していないが、左右対称である他は同様の構成とすることができる。
【0032】
図11乃至13に示されるように、膝装着具7は、上部分71及び下部分72と、それらを接続する上下接続部材73とを有している。上下接続部材73は、上部分71と下部分72とにそれぞれ回動自在に接続している。例えば、上下接続部材73は、2か所に穴の空けられた長方形の板状部材とすることができ、上部分接続部713及び下部分接続部723にそれぞれ開けられた穴と接続ピン731で回動自在に接続することとしてもよい。上部分71は、両側面で後ろ方向に延びる上部分ベルト711を有し、上部分ベルト711の端部の面ファスナー712で、使用者の太腿の下側に巻き付けて固定することができる。
【0033】
下部分72は、両側面で後ろ方向に延びる下部分ベルト721を有し、下部分ベルト721の端部の面ファスナー722で、使用者のふくらはぎの上側に巻き付けて固定することができる。このように膝装着具7は、使用者の膝の曲げ伸ばしの負荷になることなく、膝を挟んで装着することができる。また、
図11及び12に示されるように、濃いハッチングMで示される部分をアルミやスチール等の金属とし、薄いハッチングCで示されるベルト部分をナイロンや合成ゴム等の伸縮性のある材料で形成し、他の部分をポリカーボネート等の樹脂により形成することにより、強度を確保しつつ軽量化を確保することができる。膝装着具7は、使用者の膝の曲げ伸ばしの負荷にならない態様であれば、
図11乃至13の態様に限られない。
【0034】
図14及び15は、足ワイヤ12が通る足ワイヤ中継部13が取り付けられた膝装着具7の正面図及び左側面図である。
図16及び17は、足ワイヤ中継部13の正面図及び左側面図である。
図18は、足ワイヤ中継部13に足ワイヤ12が通された際の様子について示す図である。
【0035】
図14乃至18に示されるように、足ワイヤ中継部13は、足ワイヤ中継部本体131と、一対の滑車132及び133を有し、一方の滑車132は、使用者が装着した際に、他方の滑車133に対し上方向後側に配置されることができる。これにより、使用者の足に固定された後述する足ワイヤ下端接続部16が膝より前方に移動した際に、上後方に足ワイヤ下端接続部16を引くことができる。足ワイヤ中継部13は、膝装着具7の上部分71に装着される。足ワイヤ中継部13は、足ワイヤ12が、足ワイヤ下端接続部16に対して効率的に作用するように、側面視で膝関節の中央より少し後ろ側を通るように配置されることが望ましい。足ワイヤ中継部13と膝装着具7との接続は、中継部ピン134を介して、膝装着具7の対応する穴に差し込むことにより取り付けることとしてもよい。取り付け方法はこれに限らず、ねじ等その他の既知の方法により取り付けることとしてもよい。なお、
図14乃至15に示されるように、膝装着具7には、後述する膝ワイヤ下端接続部23及び/又はステー上端接続部31が接続されることとしてもよい。
【0036】
図19乃至22は、それぞれ右足の足装着具8の正面図、左側面図、右側面図及び平面図である。
図23は、足装着具8の接続部82の動作について説明するための図である。
図24及び25は、右足の足装着具8の使用の状態について示す正面図及び左側面図である。
【0037】
図19乃至25に示されるように、足装着具8は、足裏に配置される足底部85と、足首の周囲を覆う足首部81と、足底部85から足の甲を覆う甲被部83と、足首部81と足底部85とを接続する接続部82と、を有し、足ワイヤ12は、甲被部83のうち、足の外側を覆う部分の一部に配置された足ワイヤ下端接続部16に固定される。
【0038】
図24及び25に示されるように、足装着具8は、市販のスポーツシューズ等に取り付ける構造で、足首部81が足首を覆い、甲被部83が靴の甲の部分を覆うようになっている。足装着具8は、全体としてポリカーボネート等の樹脂やスチール等の金属材料を用いることができる。また、足首部81及び甲被部83は、樹脂や金属と共にナイロンや合成ゴム等の伸縮性のある材料で形成することができ、それぞれ面ファスナーにより足首及び足の甲に固定する構成とすることができる。
【0039】
図23に示されるように、接続部82は、回動部811により、足首部81に対して、足底部85及び甲被部83を、装着時の位置から、後方に移動させるように、回動自在に接続される。これにより、靴を履いたまま、まず足首周囲を締め付け、回動により足底部85を足の裏部分に配置し、その後足の甲の部分を締め付けて足装着具8を使用者の足に固定することができる。足首を取り囲む足首部81は、足首のサポーターの役目も併せ持ち、足首を保護することができる。
【0040】
足ワイヤ12を接続する足ワイヤ下端接続部16は、使用者の足の側面視において、踵からつま先までの長さのうち、中央よりつま先側に配置することができる。これにより、足ワイヤ12が上方向に付勢された際に、つま先を上げて足首を曲げる動きを補助することができる。
【0041】
足底部85は、正面視において外側よりも内側が厚く形成されている。これにより、使用者のつま先がわずかに外側を向く歩行を支援し、足裏に生じる重心移動を直線にすることで、使用者は効率的に歩行することができる。足関節は外反より内反方向に可動性が高い関節であるため、内反捻挫により前距腓靭帯などの外側の靭帯が損傷する頻度が高い。足底部85が外側よりも内側が厚く形成されることにより、足の内側ではなく外側に重心がかかるようにし、このような故障を防止することができる。足底部85の断面の傾斜(靴底面と接地面との傾斜角度)は例えば0〜10°、又は3〜7°とすることができる。
【0042】
図26は、使用者に取り付けられた歩行補助装置1の動作について説明するための図である。
図26には、歩行する使用者の脚が直立した状態S11、脚を後ろに蹴り上げた後、脚が戻ってきた際の状態S12、更に前に脚を前に出している状態S13、が示されている。直立した状態S21から、脚を後ろに蹴り上げた際には、使用者の膝が曲がるため、膝とつま先との距離が短くなって足ワイヤ12が縮みことから、張力が弱まる。したがって、足ワイヤ下端接続部16が、つま先付近の足底部85を引き上げる力は弱く、蹴り出しの負担とはならない。脚を前方に戻す際には、状態S12及びS13に示されるように、脚が前方に移動するほど足ワイヤ12は伸び、張力が強まることから、足ワイヤ下端接続部16が、つま先付近の足底部85を引き上げる力が強くなり、つま先が引き上げられる。これにより、脚を前方に移動する際のつま先の引き上げを補助し、つまずき等による転倒リスクを抑えることができる。また脚が前方に移動した後の着地の際に、足底部85を引き上げる力が強いため、着地の衝撃を緩和することができる。
【0043】
上述の歩行補助装置1によれば、人の日常歩行を補助・支援しつつそれを直接に訓練の場とすることができる。また、歩行及びランニングの効率化により、負担を軽減し故障を減らすことにより、より多くの人々をジョギング・ランニングに誘導することで運動習慣者を増やし、人の健康状態を向上させることができる。
【0044】
上述の歩行補助装置1は、単独で使用することもできるし、後述する膝上補助装置2及び/又は蹴出し補助装置3と組み合わせて歩行補助システム100として用いることもできる。また、後述するランニングシューズ4と組み合わせてランニング補助システム200として用いることもできる。
【0045】
[膝上補助装置]
膝上補助装置2について詳細に説明する。
図1乃至4に示されるように、膝上補助装置2は、腰ベルト6から膝装着具7に伸びるワイヤである膝ワイヤ22と、腰ベルト6にそれぞれ取り付けられ、膝ワイヤ22の一端を膝ワイヤバネ214を介して保持する膝ワイヤ上端接続部21と、膝装着具7の上部分71に取り付けられ、膝ワイヤ22の他端を接続する膝ワイヤ下端接続部23と、を有している。膝ワイヤ22には、例えば金属やナイロンを材料としたものを用いることができる。
【0046】
膝上補助装置2に使用される腰ベルト6及び膝装着具7は、
図6乃至7、及び
図11乃至15、並びにそれらに対応する説明と同様のものを使用できるため、それらを引用して重複する説明を省略する。
図6及び7に示されるように、膝上補助装置2の膝ワイヤ上端接続部21は、歩行補助装置1の足ワイヤ上端接続部11と同様に、使用者に巻き付けられた腰ベルト6の側部の装置装着部64に取り付けられるが、真横(側面視で中央)よりも前方に取り付けることができる。
【0047】
図27は、腰ベルト6の装置装着部64を拡大して示す説明図である。
図28及び29は、それぞれ膝ワイヤ上端接続部21の正面図及び左側面図である。
図30は、
図28のXXX−XXX線における概略断面図である。
【0048】
図27乃至30に示されるように、膝ワイヤ上端接続部21は、自在に装置装着部64に対して回動部材211を介して回動自在に取り付けられ、膝ワイヤ上端接続部21は膝ワイヤ22が伸びる方向に合わせて向きを変えることができる。また、膝ワイヤ22は、膝ワイヤ上端接続部21の筐体213内部に取り付けられた膝ワイヤバネ214に取り付けられ、膝ワイヤ22を膝ワイヤ上端接続部21内部に引く方向(上方向)に付勢している。本実施形態においては、膝ワイヤバネ214は、コイルバネを用いることとしているが、その他のバネ部材を用いることができる。付勢力は、調節ねじ212を用いて、予め膝ワイヤバネ214に張力がかからない状態での膝ワイヤバネ214の長さを変更することにより、調整することができる。
【0049】
図14及び15に示されるように、膝上補助装置2の膝ワイヤ下端接続部23は、膝装着具7の下部分72に取り付けられる。
図31及び32は、それぞれ膝ワイヤ下端接続部23の正面図及び側面図である。
図33は、
図32のXXXIII−XXXIII線における概略断面図である。
図34は、膝ワイヤ下端接続部23の逆回転防止機構234について説明するための図である。
【0050】
図31乃至34に示されるように、膝ワイヤ下端接続部23は、筐体231と、逆回転防止機構234と、膝ワイヤ下端接続部ピン232と、筐体231内に配置された巻取り滑車233と、ダイヤル部235を有している。膝ワイヤ22の下端は、巻取り滑車233に取り付けられ、使用者が巻取り滑車233と一体的に動作するダイヤル部235を回転操作することにより、膝ワイヤ22は巻取り滑車233に巻き取られ、膝ワイヤ22の長さを調節することができる。
【0051】
膝ワイヤ下端接続部23と膝装着具7との接続は、膝ワイヤ下端接続部ピン232を介して、膝装着具7の対応する穴に差し込むことにより取り付けることとしてもよい。取り付け方法はこれに限らず、ねじ等その他の既知の方法により取り付けることとしてもよい。逆回転防止機構234は、
図34に示されるように、回動可能状態と回動不可状態とを有し、回動可能状態においてはクリック板2342によりカチカチと音を鳴らしながら回動させることが可能であり、ダイヤル部235が押し込まれるとクリック板停止部材2343が下りてきて、クリック板2342の動きを制限し、巻取り滑車233が回動しないよう、すなわち膝ワイヤ22をその巻取り位置に固定することができる。
【0052】
図35は、使用者に取り付けられた膝上補助装置2の動作について説明するための図である。
図35には、歩行する使用者の脚が直立した状態S21、脚を後ろに蹴り上げた後、脚が戻ってきた際の状態S22、更に前に脚を前に出している状態S23、が示されている。直立した状態S21から、脚を後ろに蹴り上げて戻る際には、膝が身体の後方に移動するため、膝ワイヤ22に接続された膝ワイヤバネ214は伸び、膝ワイヤ22に大きな張力が発生する。脚を前方に戻す際には、状態S22及びS23に示されるように、膝ワイヤ22に発生した張力によりにより膝が前方上方に引かれ、使用者が歩行の際に膝を振り上げる動作を補助することができる。
【0053】
上述の膝上補助装置2によれば、人の日常歩行を補助・支援しつつそれを直接に訓練の場とすることができる。また、歩行及びランニングの負担を軽減し故障を減らすことにより、より多くの人々をジョギング・ランニングに誘導することで運動習慣者を増やし、人の健康状態を向上させることができる。
【0054】
上述の膝上補助装置2は、単独で使用することもできるし、歩行補助装置1及び/又は蹴出し補助装置3と組み合わせて歩行補助システム100として用いることもできる。また、後述するランニングシューズ4と組み合わせてランニング補助システム200として用いることもできる。
【0055】
[蹴出し補助装置]
蹴出し補助装置3について詳細に説明する。
図1乃至3及び5に示されるように、蹴出し補助装置3は、上部分71及び下部分72を有し、使用者の膝を挟んで装着される膝装着具7と、使用者の足に装着され、足裏に配置される足底部85を有する足装着具8と、膝装着具7から足装着具8に伸びるステー35と、上部分71に固定され、下部分72へと延びる上レバー313(
図36及び37参照)と、上レバー313と回動自在に接続されるとともに、ステー35と回動自在に接続されるステー接続部材314(
図36及び37参照)と、ステー35を足装着具8(より詳しくはステー下端接続部37)の方向に摺動させる摺動部材318(
図36及び37参照)と、ステー35の下端と接続されると共に、足底部85の少なくとも一部に接続させるステー下端接続部37と、を有する。ここで、上レバー313、ステー接続部材314、及び摺動部材318は、ステー上端接続部31を構成する。ステー35は、使用者の脚の内側に配置されるものとすることができる。
【0056】
蹴出し補助装置3に使用される膝装着具7及び足装着具8は、
図11乃至15、及び
図19乃至25並びにそれらに対応する説明と同様のものを使用できるため、それらを引用して重複する説明を省略する。
【0057】
図36は、蹴出し補助装置3のステー上端接続部31が取り付けられた右膝用の膝装着具7の内側からの側面図であり、
図37は、
図36において膝が曲げられた際の膝装着具7の様子について示す図である。
【0058】
図14、
図36及び
図37に示されるように、ステー上端接続部31は、上レバー313、ステー接続部材314、及び摺動部材318を有している。上レバー313は上部分71と一体となるように取り付けられ、ステー接続部材314はステー35の上端においてステー35に対して回動部3141を介して回動自在に取り付けられている。また上レバー313の先端(下端)は、ステー接続部材314の先端(上端)と回動自在に取り付けられる。摺動部材318は、下部分72とステー35との間でステー35を所定の方向に移動させる。例えば、摺動部材318は、ステー35に形成された溝部3181と、下部分72に配置され、溝部(凹部)3181内で摺動する突起部(凸部)3182とを有する構成とすることができる。この場合に、突起部3182の位置は、上レバー313の伸びる方向及びステー接続部材314が伸びる方向が同じ方向となった際に、ステー35が後述するステー下端接続部37に延びるような位置に調整できる。摺動部材318はこれに限られず、レール等その他の摺動可能な構成を適宜選択することができる。
【0059】
図37に示されるように、膝が曲げられると、上レバー313は、ステー接続部材314を介して、ステー35を溝部3181に沿って持ち上げるような動作となる。また、膝が伸びると
図36に示されるように、上レバー313は、ステー接続部材314を介して、ステー35を溝部3181に沿って押し下げる動作を行う。ここでステー接続部材314は、回動部3141を介してステー35に取り付けられているため、ステー上端接続部31の上レバー313は、膝の動きを制限することなく、ステー35の上げ下げを行うことができる。なお、左右の膝に取り付けられる一対のステー上端接続部31は、互いに近づいた際に互いに離れ合う(反発する)方向の力が働くように磁石を内蔵させることができる。これにより、歩行時(又はランニング時)に一対のステー上端接続部31が互いに接触することを防ぐことができる。
【0060】
図38は、ステー下端接続部37及びステー35が取り付けられた右足の足装着具8の使用の状態について示す左側面図である。
図39は、ステー下端接続部37を取り付けた足装着具8の底面図である。
図38及び39、並びに
図19乃至24に示されるように、足装着具8は、足首の周囲を覆う足首部81と、足底部85から足の甲を覆う甲被部83と、足首部81と足底部85とを接続する接続部82と、を備え、ステー下端接続部37は、甲被部83のうち、足の内側を覆う部分に配置される。また、ステー下端接続部37は、足装着具8に対する位置を前後に移動させて配置させるステー下端レール3711を有していてもよい。ステー下端接続部37は、使用者の足の側面視において、踵からつま先までの長さのうち、中央よりつま先側に接続されてもよい。また、
図39に示されるように、ステー下端接続部37は、足装着具8の足底部85の一部と一体となっており、ステー35は、使用者の足裏を介さずに地面を押圧することができ、また地面との接触による衝撃を受けることができる。
【0061】
図40は、使用者に取り付けられた蹴出し補助装置3の動作について説明するための図である。
図40には、歩行する使用者が足をついて蹴り出す際の様子が示されている。この図に示されるように、足をついてから蹴り出す際には膝が伸び、
図36に示されるように、上レバー313は、ステー接続部材314を介して、ステー35を摺動部材318に沿って押し下げる動作を行うため、ステー35はステー下端接続部37を介して地面を押すこととなる。これにより、使用者の歩行において、地面を蹴り出す力の補助を行うとともに、蹴り出す力は膝より上に取り付けられた膝装着具7の上部分71に伝わるため、蹴り出しの際の膝への負荷をも軽減させることができる。
【0062】
上述の蹴出し補助装置3によれば、人の日常歩行を補助・支援しつつそれを直接に訓練の場とすることができる。また、歩行及びランニングの負担を軽減し故障を減らすことにより、より多くの人々をジョギング・ランニングに誘導することで運動習慣者を増やし、人の健康状態を向上させることができる。
【0063】
上述の蹴出し補助装置3は、単独で使用することもできるし、歩行補助装置1及び/又は膝上補助装置2と組み合わせて歩行補助システム100として用いることもできる。また、後述するランニングシューズ4と組み合わせてランニング補助システム200として用いることもできる。
【0064】
図41は、使用者に取り付けられた歩行補助システム100の動作の様子について示す図である。この図に示されるように、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3を組み合わせて歩行補助システム100として使用した場合であっても、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3は、それぞれ独立に上述の効果を発揮することができ、使用者の負担を軽減することができる。
図41に示した歩行補助システム100では、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3のすべてを用いることとしたが、歩行補助装置1、膝上補助装置2、及び蹴出し補助装置3のいずれか複数を用いた歩行補助システム100であってもよい。また、歩行補助システム100及びそれらを構成する装置は、それぞれランニングにおいても用いることができる。
【0065】
[ランニングシューズ]
次に、ランニングシューズ4について説明する。
図42乃至45には、それぞれ右足用のランニングシューズ4の正面図、右側面図、左側面図及び背面図が示されている。ランニングシューズ4は、踵部分に配置された車輪41と、車輪41の軸414の回転と共に動作し、車輪41の接地面を前方にのみ回転させるラチェット機構412と、を有している。ラチェット機構412は、
図46に示されるように、車輪41の軸414に接続された歯車413と爪415を用いた構成とすることができる。
【0066】
図45の示される構成では、ラチェット機構412の両側に2つ車輪414を設ける構成としているが、
図47に示されるように、1つの車輪411を用い、車輪の一方の側又は両側にラチェット機構412を設ける構成としてもよい。また、
図48に示されるように、車輪411の回転軸414と使用者の足裏面との距離は、内側の方が外側よりも大きくすることができる(d1<d2)。このように形成されることにより、使用者の母趾球がわずかに浮くこととなり、足裏に生じる重心移動を直線に近づけることで、使用者は効率的に歩行することができる。足関節は外反より内反方向に可動性が高い関節であるため、内反捻挫により前距腓靭帯などの外側の靭帯が損傷する頻度が高い。回転軸414と足裏面との距離を、内側の方が外側よりも大きくすることにより、足の内側ではなく外側に重心がかかるようにし、このような故障を防止することができる。傾斜(足裏面と軸414との傾斜角度)は例えば0〜10°、又は3〜7°とすることができる。なお、
図42乃至44のランニングシューズ4には、後述するランニング補助システム200のための足ワイヤ下端接続部16及びステー下端接続部37が示されているが、これらはなくてもよい。
【0067】
図49は、ランニングシューズ4の足を覆う部分の構成の一例について説明するための平面図である。
図49に示されるように、ランニングシューズ4は、使用時に使用者の足首が配置される足首部孔422と、使用者の足の甲を覆う甲被部分48を幅方向に横切って開けられ、内側及び外側の側部で閉じられた甲被部孔421と、甲被部分48の幅方向における中央を含み、足首部孔422と甲被部孔421とを接続する接続孔423と、を有していてもよい。また更に、甲被部孔421のつま先側の甲被部分48で、幅方向に並んで配置された複数のつま先側プーリ―491と、甲被部孔421の踵側の甲被部分48で、幅方向に並んで配置された複数の踵側プーリ―492と、を有していてもよい。
【0068】
図50及び51は、ランニングシューズ4の甲被部孔綴じ紐46について説明するための図である。
図52は、
図51のLXII−LXII線における断面図である。
図50に示されるように、甲被部孔綴じ紐46は、つま先側プーリ―491及び踵側プーリ―492に架けられることにより、使用者が履いた際に、甲被部孔421を閉じる方向に付勢することができる。更に
図51及び52に示されるように、甲被部孔綴じ紐46は、紐部分461の先端に配置された紐側固定具462及びランニングシューズ4の本体に配置されたシューズ側固定具463を有していてもよい。紐側固定具462は、例えば紐が伸びる方向に凹凸が形成されており、同様の凹凸が形成されたシューズ側固定具463に組み合わされることにより固定されることができる。紐側固定具462及びシューズ側固定具463における組み合わされる凹凸の位置を異ならせることにより、甲被部孔綴じ紐46の長さを調節することができる。更にシューズ側固定具463の蓋部材4631を閉じることにより、紐側固定具462の位置を固定することとしてもよい。
【0069】
図53及び54は、ランニングシューズ4のつま先側紐431及び踵側紐432について説明するための図である。つま先側紐431は、左右一方の側のつま先側プーリ―491から更につま先側を経由して他方の側のつま先側プーリ―491に接続される。踵側紐432は、左右一方の側の踵側プーリ―492から足首部孔422の踵側を経由して他方の側の踵側プーリ―492に接続される。つま先側紐431及び踵側紐432は、甲被部分48等を形成する網目状の素材に編み込まれるようにして這い回すこととしてもよい。これにより、使用者がランニングシューズ4を履いて、甲被部孔綴じ紐46を締めた際に、つま先側プーリ―491及び踵側プーリ―492を介して、つま先側紐431及び踵側紐432が引かれ、使用者の足全体にフィットさせることができる。
【0070】
図54は、つま先側紐431及び踵側紐432が配置された領域での断面の変化の様子について模式的に示す図である。つま先側紐431及び踵側紐432と、それらの外側配置されるシューズカバー材45との間には、ウレタン材等の低反発材435を配置することとしてもよい。低反発材435を配置することにより、例えば、甲被部孔綴じ紐46の締め付けにより、つま先側紐431及び踵側紐432が内側に移動した際においても(
図54(b))、低反発材435の膨張により、ランニングシューズ4を使用者の足にフィットさせることができる。上述の足ワイヤ下端接続部16やステー下端接続部37等の影響によりシューズカバー材45の移動量が限られている場合に、低反発材435は特に有効に作用する。
【0071】
図55は、ランニングシューズ4の足首周囲紐47について説明するための平面図である。
図56及び57は、足首周囲紐47の締め付けハンドル472について、説明するための図である。
図55に示されるように、足首周囲紐47は、接続孔423の左右一方の側の甲被部分48から足首部孔422を周回し、他方の側の甲被部分48を通り、甲被部孔421のつま先側の甲被部分48を経由し、甲被部孔421の踵側にある一方の側の甲被部分48で接続される。足首周囲紐47を締めることにより、足首部孔422、並びに甲被部孔421及び接続孔423を閉じる方向に付勢することができる。
図56及び57に示されるように、締め付けハンドル472は、例えば、接続孔423に隣接する甲被部分48において、足首周囲紐47の紐部分471の両端を接続する構成とすることができる。締め付けハンドル472は、使用者により回転させられることにより、紐部分471を巻き付けて、足首部孔422、並びに甲被部孔421及び接続孔423を閉じる方向に付勢させることができる。回転された締め付けハンドル472は、例えば、締め付けハンドル472側に設けられた凸部4721と、ランニングシューズ4の本体側に設けられた凹部4722とを合わせて嵌め込まれることにより固定されることとしてもよい。
【0072】
図58は、甲被部孔綴じ紐46、つま先側紐431及び踵側紐432、並びに足首周囲紐47を使用したランニングシューズ4の一例について示す側面図である。
図59及び60は、例えば
図58のランニングシューズ4に、シューズカバー材45を取り付けたランニングシューズ4の一例について示す側面図である。
図59及び60に示されるように、シューズカバー材45は、甲被部孔綴じ紐46及び足首周囲紐47を締め付けのために露出させ、締め付け後に覆うためのフラップ451を有していてもよい。
【0073】
図61は、使用者に取り付けられたランニングシューズ4の動作について説明するための図である。
図61には、使用者が走る際の様子が示されている。この図に示されるように、ランニングシューズ4は、車輪を利用して前進させる力に変換するところに一つの特徴がある。ただし、車輪の回転がローラスケートとは逆にしか動かないので、滑って移動する場合には、後退しかできない。機序としては、走行時の踵接地によって生じる振動や衝撃が、車輪を介して足首の底屈の動きに変換され、それが慣性力をもって踏み出す力に移行し、結果として体を前進させることができる。
【0074】
上述のランニングシューズ4によれば、人の日常歩行を補助・支援しつつそれを直接に訓練の場とすることができる。また、歩行及びランニングの負担を軽減し故障を減らすことにより、より多くの人々をジョギング・ランニングに誘導することで運動習慣者を増やし、人の健康状態を向上させることができる。
【0075】
[ランニング補助システム]
ランニングシューズ4は、
図42乃至44に示されるように、足ワイヤ下端接続部16及び/又はステー下端接続部37を取り付ける等により、上述の歩行補助装置1、膝上補助装置2及び/又は蹴出し補助装置3と組み合わせてランニング補助システム200として使用することができる。
図62は、足ワイヤ12とステー35とがそれぞれ足ワイヤ下端接続部16及びステー下端接続部37に取り付けられたランニングシューズ4を示す正面図である。
図63は、ステー下端接続部37が取り付けられたランニングシューズ4の底面の前側について示す図である。
図64は、ステー下端接続部37の取り付け機構の例を説明するための図である。
【0076】
図42乃至44、及び
図62乃至64に示されるように、ランニング補助システム200の蹴出し補助装置3においても、ステー下端接続部37の地面接触部372は、ステー35と一体化して接続され、
図38等で示された足装着具8を用いた蹴出し補助装置3と同様の効果を生じさせることができる。また、ステー35とランニングシューズ4の内側側面との接続では、ステー下端レール3711とステー35が取り付けられたレール接続部3712と用いて、取り付け位置を前後に変更することができる構成としてもよい。
【0077】
図65及び66は、それぞれ歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4を組み合わせたランニング補助システム200について示す正面図及び背面図である。
図67及び68は、使用者に取り付けられたランニング補助システム200の動作の様子について示す図である。これらの図に示されるように、歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4を組み合わせてランニング補助システム200として使用した場合であっても、歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4は、それぞれ独立に効果を発揮することができ、使用者の負担を軽減することができる。
【0078】
図65乃至68に示したランニング補助システム200では、歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4のすべてを用いることとしたが、歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4のいずれか複数を用いたランニング補助システム200であってもよい。この場合であっても、歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4は、それぞれ独立に上述の効果を発揮することができ、使用者の負担を軽減することができる。また、ランニング補助システム200及びそれらを構成する各装置は、それぞれウォーキングにおいても用いることができる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る歩行補助装置1、膝上補助装置2、蹴出し補助装置3及びランニングシューズ4、並びにこれらのいずれかを組み合わせた歩行補助システム100及びランニング補助システム200によれば、使用者の歩く動作又は/及び走る動作を補助することができる。
【0080】
なお上述の実施形態の記載は一例であり、本発明の思想の範疇において、当業者が想到し得る変更及び修正が含まれる場合についても本発明の範囲に属する。例えば実施形態の構成要素に対して代替可能な構成への変更、構成要素の削除を行ったものについても、本発明の思想の範疇である限り、本発明の範囲に属するものである。