【解決手段】ハンドヘルドデバイスは、以下のうちの少なくとも1つを実施することを含む骨インプラント固定手技中の種々の機能を実施するように構成される:ねじの受け取りのための孔または開口部を形成するための骨の貫通;ねじの経路内にある、またはねじが孔内に設置されるときに別様に影響を受け得る孔に隣接する任意の近傍の神経を感知するように、孔の形成中またはその後の孔の神経監視デバイスと協働しての神経監視;孔の形成中またはその後の孔に隣接する神経の神経監視デバイスと協働しての神経刺激;および、ねじの適切な長さを選択することにおいて外科医を補助するために、孔の深さを測定し、深さのデジタル測定値を提供すること。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、骨インプラント固定手技等の低侵襲性外科手術手技における使用のためのハンドヘルドデバイスを含むシステムを対象とする。ハンドヘルドデバイスは、骨インプラント固定手技中に種々の機能を実施するように構成される。特に、本開示と一貫するハンドヘルドデバイスは、ねじの受け取りのための孔または開口部を形成するための骨の貫通、ねじの経路内にある、またはねじが孔内に設置されるときに別様に影響を受け得る孔に隣接する任意の近傍の神経を感知するように、孔の形成中またはその後の孔の神経監視デバイスと協働しての神経監視、孔の形成中またはその後の孔に隣接する神経の神経監視デバイスと協働しての神経刺激、および、ねじの適切な長さを選択することにおいて外科医を補助するために、孔の深さを測定し、深さのデジタル測定値を提供することのうちの少なくとも1つを実施するように構成される。
【0013】
ハンドヘルドデバイスは、孔または開口部が、骨の中への貫通中に神経監視機能性を提供することによって骨内に形成され、それが、次に、ねじの経路内にある任意の近傍の神経、または、ねじが孔内に設置されるとき、別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供する改良された様式を提供する。このリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックは、視覚的に(すなわち、ディスプレイ画面等のデジタルディスプレイを介して、またはLEDアレイ等の光源を介して)および/または、可聴的に(すなわち、スピーカを介して)外科医に提供され得る。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス(特に、デバイスの貫通部材)の再位置付けを促進し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。ハンドヘルドデバイスは、形成された孔の深さの正確な測定をさらに可能にし、深さ測定値のデジタルディスプレイを提供し、それによって、外科医に、適切な長さのねじを選択するときに外科医が頼りにする迅速かつ正確な読み取りを提供する(外科医が短すぎるか、または長すぎるかのいずれかのねじを選択しないことを確実にする)。ハンドヘルドデバイスは、孔を形成するための骨の中への貫通中、または孔の形成後、神経刺激機能性をさらに提供する。例えば、ハンドヘルドデバイスは、孔の中へのねじの設置に先立って、孔に隣接する神経の存在を決定するための神経監視機能のために使用され得、存在し、孔に隣接する神経は、次いで、ハンドヘルドデバイスによって送達される電流によって刺激され得る。ハンドヘルドデバイスは、ハンドヘルドデバイス自体の中に組み込まれる源から電流を発生させ得るか、または、ハンドヘルドデバイスは、本明細書に説明される神経刺激および神経監視特徴のためにハンドヘルドデバイスに電流のパルスを提供する神経監視デバイスの入力コネクタに結合され、それと電気接続して設置され得る。
【0014】
ハンドヘルドデバイスは、概して、デバイスおよびそのコンポーネントを操作するための手段を外科医または他の医療専門家に提供するグリップ部分を含むハンドルを含む。ハンドヘルドデバイスは、ハンドルに解放可能に結合され、グリップ部分の操作に応じて骨を貫通するように構成された骨錐タップ部材と、ハンドルと動作可能に関連付けられ、それに対して移動するように構成された深部スリーブ部材であって、深部スリーブ部材は、その中に骨錐タップ部材の一部が受け取られるそれを通して延びている管腔を含む細長い本体を含む、深部スリーブ部材と、深部スリーブ部材と動作可能に関連付けられ、骨錐タップ部材に対する深部スリーブ部材の移動を検出し、検出された移動に基づいて、骨錐タップ部材によって作成された孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成されたセンサとをさらに含む。
【0015】
骨錐タップ部材は、骨を穿刺し、椎弓根内にパイロット孔を作成するように構成された貫通遠位先端を含む管状本体を備えている。骨錐タップ部材の本体は、導電性であり、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。骨錐タップ部材の遠位先端に隣接する部分は、骨錐タップ部材の遠位先端によって作成される孔の内面上にねじ山を切削または別様に形成するように構成されたタッピング特徴をさらに含む。特に、タッピング特徴は、概して、溝によって分離され得る外部切削ねじ山の組を含み得、骨錐タップ部材の回転時、切削ねじ山は、孔の内面を切削し、それによって、篏合対の雌型部分を形成するように構成される(すなわち、骨ねじの対応する外部ねじ切りとのねじ式係合のために椎弓根内に内部ねじ切りを作成する)。
【0016】
故に、ある実施形態において、ハンドヘルドデバイスは、ハンドルと骨錐タップ部材とを互いに回転可能に結合するラチェットアセンブリをさらに含む。ラチェットアセンブリは、骨錐タップ部材が、孔形成中に骨の中に前進するか、または、それから引き出されることをもたらすラチェッティング動作を提供する。例えば、ラチェットアセンブリは、ユーザが第1の回転設定と第2の回転設定との間でトグルすることを可能にするスイッチを含む。第1の回転設定において、第1の方向におけるハンドルの回転は、骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらす一方、反対の第2の方向におけるハンドルの回転は、骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立する(すなわち、骨錐タップ部材は、静止したままである)。第2の回転設定において、第1の方向におけるハンドルの回転は、骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立する(すなわち、骨錐タップ部材は、静止したままである)一方、反対の第2の方向におけるハンドルの回転は、骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらす。故に、ラチェットアセンブリを有するハンドヘルドデバイスを使用するとき、外科医は、(神経刺激および/または神経監視機能における使用のための)任意の関連するケーブルまたはワイヤがハンドルが回転させられるときにハンドヘルドデバイスの周囲で絡まった状態になることについての懸念を伴わずに、骨内に孔を形成し、種々の神経刺激および/または神経監視機能を実施し得る。本質的に、ラチェットアセンブリは、ハンドルを回転させることを伴う種々の機能が実施されるとき、ハンドルが比較的に静止したままであることを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態において、骨錐タップ部材は、カニューレ状(すなわち、中空)であり、それを通して、例えば、プローブ、スタイレット、ガイドワイヤ等の医療ツールまたは付属品を受け取るように構成され得る。例えば、スタイレットが、骨錐タップ部材の遠位先端が骨の中に前進させられるとき、骨の破片または他の組織が管腔に進入することを防止するために、骨錐タップ部材の管腔内に位置付けられ得る。スタイレットは、近位端においてアンビルに結合され得、それは、管腔への、およびそれからのスタイレットの挿入および除去を促進する。骨錐タップ部材の少なくとも近位端は、ボールロックアセンブリを介してハンドル内に保持される。いくつかの実施形態において、ボールロックアセンブリは、骨錐タップ部材を定位置に係止し、手技中にハンドルに結合されたままにし、骨錐タップ部材を係止解除し、それによって、骨錐タップ部材をハンドルから係合解除し、所望に応じて骨錐タップ部材の除去を可能にする能力をユーザに提供する。故に、ハンドルは、各々がハンドルに解放可能に結合可能であり、互いに交換可能である複数の異なる骨錐タップ部材のうちの1つを受け取るように構成され得る。特に、ハンドルは、外科医が適当であると見なす複数の交換可能な骨錐タップ部材のうちの任意のものを装備することが可能であり、それは、各骨錐タップ部材が、特定の長さ、直径、貫通部材構成、および任意の特定の手技のために有用であり得る他の品質を有し得るので、特に有益である。
【0018】
既に説明されたように、骨錐タップ部材の本体は、導電性であり、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。故に、ハンドヘルドデバイスは、骨錐タップ部材を介して骨の中への貫通中に神経監視機能性を提供することができ、それは、次に、ねじの経路内にある任意の近傍の神経、または、ねじが孔内に設置されるとき、別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供する。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス(特に、骨錐タップ部材の貫通遠位先端)の再位置付けを促進し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。神経監視フィードバックは、孔に隣接する神経の神経刺激のために使用される電気パラメータの決定を通知することもできる。
【0019】
少なくとも神経刺激および神経監視機能を実施するために、ハンドヘルドデバイスは、ケーブルを介して神経監視デバイスの入力コネクタに結合され、それと電気接続して設置され得る。神経監視デバイスは、入力コネクタおよびハンドヘルドデバイスに、および、それから電気信号を搬送するように構成された接続箱を含み得る。接続箱は、電気信号を発生させ、入力コネクタおよびハンドヘルドデバイスに、およびそれから伝送するように構成されるプロセッサを含む。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサは、孔内に位置付けられている間、電流のパルスを発生させ、骨錐タップ部材に伝送し、孔に隣接または近接近する神経の神経監視を実施するように構成され得る。加えて、患者の筋肉の中に挿入されるある電極が、骨錐タップ部材と電極との間の完成された回路を示す骨錐タップ部材から電極への電流フローを検出するために使用され得、そのような電流フローは、骨錐タップ部材によって刺激される神経によって弱められた筋肉における電気活性を検出することによって、孔に隣接する神経の存在を示す。接続箱のプロセッサは、入力コネクタ、電極入力、および1つ以上のPCBに動作可能に接続される。1つ以上のPCBは、電流を発生させ、それをハンドヘルドデバイスに伝送するように構成されたパルスまたは電流発生回路と、デバイスから神経に送達される電流を検出するように構成された電流発生確認回路と、神経刺激または神経監視機能に応答する筋運動を検出するように構成された筋運動検出回路と、接続箱または患者からの電極の部分的または全体的断絶、または患者の中への電極の不適切な挿入を検出するように構成された電極断絶検出回路とを含み得る。
【0020】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイスは、骨錐タップ部材を介して形成される孔の深さが、深部スリーブ部材および深部スリーブ部材と動作可能に関連付けられた深さ測定センサを介してリアルタイムで(すなわち、骨錐タップ部材が骨の中に前進するとき)測定される、深さ測定機能を提供する。
【0021】
深部スリーブ部材は、ハンドルと動作可能に関連付けられる近位端と、ハンドルから延びている反対の遠位端とを含む細長い中空本体を備えている。細長い中空本体は、骨錐タップ部材がハンドルに結合されると、骨錐タップ部材の少なくとも一部が受け取られるそれを通して完全に延びている管腔を含む。深部スリーブ部材と骨錐タップ部材とは、互いに独立して移動するように構成される。さらに、深部スリーブ部材は、ハンドルに対して移動するように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイスは、深部スリーブ部材がデフォルト位置にあるときにハンドルから離れる方向に付勢されるように、近位端またはその近傍において深部スリーブ部材の一部に対して付勢力を加えるスリーブばねをさらに含む。深部スリーブ部材の遠位端は、骨錐タップ部材を介して形成されるべき孔の開口部の周辺に沿って骨の外面に係合するように成形および/またはサイズを決定される。故に、深部スリーブ部材の遠位端と骨の外面との間の係合時、ユーザは、孔を形成し始めるために、(ラチェットアセンブリを用いてハンドルを捻じることを介して)ハンドヘルドデバイスの骨錐タップ部材の遠位先端を前進させることができる。骨錐タップ部材の遠位先端が骨の中に引き込まれ、孔を形成し始めるにつれて、ハンドルは、対応して、骨に向かう方向に引き込まれる。孔が形成されるとき、骨錐タップ部材およびハンドルの両方が骨に向かう方向に引き込まれる間、深部スリーブ部材の遠位端は、孔の開口部の周辺に沿って骨の外面と接触したままであり、近位端またはその近傍における深部スリーブ部材の部分がスリーブばねに対して押し付け、それによって、スリーブばねを圧縮するように、本質的に、ハンドルに向かう対向する方向に押し付けられる。センサは、骨錐タップ部材およびハンドルに対する深部スリーブ部材の移動を感知し、検出された移動に基づいて、骨錐タップ部材によって作成された孔の深さを示す信号を発生させる。言い換えると、センサは、骨錐タップ部材が孔の形成中に骨の中にさらに引き込まれ込まれ、深部スリーブ部材がそのデフォルトの延長位置から後退位置に移動するとき、骨錐タップ部材の少なくとも遠位先端に対する深部スリーブ部材の移動を感知する。センサは、ハンドル内に封入されるプリント回路基板(PCB)上に提供される深さゲージ電子機器および/または回路と通信する。
【0022】
いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイスはさらに、ハンドル上に提供され、センサからの電子信号に基づいて、孔の深さ測定値のデジタル読み出しを視覚的に提供するように構成されたデジタルディスプレイを含む。他の実施形態において、ハンドヘルドデバイスは、例えば、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または他の無線コンピューティングデバイス等の別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、データを交換するように構成され得る。
【0023】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイスは、カニューレ状骨錐タップ部材を含み得る。故に、ある実施形態において、骨錐タップ部材は、骨内に形成される孔に対する所望の位置に確実に定着するように構成された展開可能な遠位フック部材を有するガイドワイヤを受け取るように構成される。遠位フック部材は、遠位フック部材が穿孔された孔内に位置付けられ、それを通して所望の位置に移動し得る送達構成と、遠位フック部材が、孔内(例えば、単皮質の孔の基部において)か、または孔の外側(例えば、両皮質の穿孔された孔の反対側)かのいずれかにおける定位置に定着するように構成された展開構成との間で遷移するように構成される。ガイドワイヤは、ねじおよび/またはインプラントの設置を補助するように構成される。例えば、ガイドワイヤは、本開示と一貫するハンドヘルドデバイスと適合性があり得る。特に、ガイドワイヤは、フック部材が送達構成にあるとき、骨錐タップ部材の管腔の中に挿入され得、骨錐タップ部材の長さに沿って平行移動し得る。故に、孔が形成されると、フック部材は、骨錐タップ部材遠位先端から外に延長され、次いで、定位置に(すなわち、孔の基部において、または両皮質の穿孔された孔における骨の反対側のいずれかに)定着させられ得る。骨錐タップ部材は、次いで、ハンドルから除去され得、その時点において、カニューレ状ねじが、ガイドワイヤ上に装填され、ガイドワイヤを辿って、孔と整列するようにスライドさせられ得る。故に、ガイドワイヤは、本質的に、外科医がねじを設置しているときにねじがそれに沿ってスライドするためのガイドとしての機能を果たすので、ガイドワイヤは、ねじ設置手技中に改良された安定性を提供する。
【0024】
故に、本開示のハンドヘルドデバイスは、全て滅菌環境内で、単一のデバイスの使用を通して、外科医が、骨固定手技のための孔を形成し、孔形成中に神経刺激および神経監視機能を実施および、制御し、孔形成中の正確度および安全性を確実にし、孔の深さをさらに測定することを可能にする。外科医は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイ上でリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデジタルフィードバックを受け取りながら、骨固定手技の全てのそのような側面を実施し得る。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
骨インプラント固定手技のためのハンドヘルドデバイスであって、前記デバイスは、
ハンドルと、
前記ハンドルに解放可能に結合された骨錐タップ部材であって、前記骨錐タップ部材は、骨を貫通するためのその遠位端における遠位先端を含む導電性本体を備え、前記骨錐タップ部材は、前記骨に電流を送達するように構成され、前記電流は、前記骨錐タップ部材の1つ以上の部分に隣接または近接する神経の存在の決定のために使用される、骨錐タップ部材と、
前記ハンドルと動作可能に関連付けられ、それに対して移動するように構成された深部スリーブ部材であって、前記深部スリーブ部材は、それを通して延びている管腔を含む細長い本体を備え、前記骨錐タップ部材が前記ハンドルに結合されると、前記骨錐タップ部材の少なくとも一部は、前記管腔内に受け取られ、前記深部スリーブ部材と骨錐タップ部材とは、互いに独立して移動するように構成されている、深部スリーブ部材と、
前記深部スリーブ部材と動作可能に関連付けられたセンサと
を備え、
前記センサは、前記骨錐タップ部材に対する前記深部スリーブ部材の移動を検出し、前記検出された移動に基づいて、前記骨錐タップ部材によって作成された孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成されている、ハンドヘルドデバイス。
(項目2)
前記ハンドルは、それに解放可能に結合可能な複数の交換可能な骨錐タップ部材のうちの1つを受け取るように構成されている、項目1に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目3)
前記遠位先端に隣接した前記骨錐タップ部材の一部は、外部ねじ切りされており、それによって、第1の方向における前記骨錐タップ部材の回転は、外部ねじ切りが骨を貫通し、前記骨に向かう方向に前記遠位先端を引き込み、前記骨に孔を形成することを引き起こし、前記第1の方向と反対の第2の方向における前記骨錐タップ部材の回転は、外部ねじ切りが前記孔の中から前記骨錐タップ部材を引き出し、前記骨から離れる方向に前記骨錐タップ部材を移動させることを引き起こす、項目1に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目4)
前記ハンドルは、ラチェットアセンブリを介して前記骨錐タップ部材に回転可能に結合されている、項目3に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目5)
前記ラチェットアセンブリは、第1の回転設定と第2の回転設定との間でトグルするためのスイッチを備え、
前記第1の回転設定において、第1の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらし、反対の第2の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が静止したままであるように、前記骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立しており、
前記第2の回転設定において、前記第1の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が静止したままであるように、前記骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立しており、前記反対の第2の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらす、項目4に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目6)
前記ハンドル上に提供されたディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記電子信号に基づいて、前記孔の前記深さのデジタル読み出しを提供するように構成されている、項目1に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目7)
前記ハンドル上に提供されたディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記骨錐タップ部材の1つ以上の部分に隣接または近接する神経の存在の視覚指示を提供するように構成されている、項目1に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目8)
前記ハンドル上に提供されたディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記骨錐タップ部材から送達される電流のレベルの視覚指示を提供するように構成されている、項目1に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目9)
前記ハンドルは、前記骨錐タップ部材から送達される前記電流のレベルを調節するように動作可能な制御デバイスを備えている、項目8に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目10)
前記ディスプレイは、液晶ディスプレイまたはLEDディスプレイである、項目9に記載のハンドヘルドデバイス。
(項目11)
骨インプラント固定手技のためのシステムであって、前記システムは、
ハンドヘルドデバイスであって、前記ハンドヘルドデバイスは、
ハンドルと、
前記ハンドルに解放可能に結合された骨錐タップ部材であって、前記骨錐タップ部材は、骨を貫通するためのその遠位端における遠位先端を含む導電性本体を備え、前記骨錐タップ部材は、前記骨に電流を送達するように構成され、前記電流は、前記骨錐タップ部材の1つ以上の部分に隣接または近接する神経の存在の決定のために使用される、骨錐タップ部材と、
前記ハンドルと動作可能に関連付けられた深部スリーブ部材であって、前記深部スリーブ部材は、前記ハンドルに対して移動するように構成され、前記深部スリーブ部材は、それを通して延びている管腔を含む細長い本体を備え、前記骨錐タップ部材が前記ハンドルに結合されると、前記骨錐タップ部材の少なくとも一部は、前記管腔内に受け取られ、前記深部スリーブ部材と骨錐タップ部材とは、互いに独立して移動するように構成されている、深部スリーブ部材と、
前記深部スリーブ部材と動作可能に関連付けられたセンサと
を備え、
前記センサは、前記骨錐タップ部材に対する前記深部スリーブ部材の移動を検出し、前記検出された移動に基づいて、前記骨錐タップ部材によって作成された孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成されている、ハンドヘルドデバイスと、
少なくとも前記骨錐タップ部材と通信するように構成された神経監視デバイスと
を備え、
前記神経監視デバイスは、前記骨錐タップ部材から前記骨を通して送達される前記電流を受け取り、前記骨錐タップ部材の1つ以上の部分に隣接または近接する神経の存在を決定するように構成されている、システム。
(項目12)
前記神経監視デバイスは、接続箱を備え、前記接続箱は、前記骨錐タップ部材と電気接続して設置されると、神経刺激または神経監視機能のために前記骨錐タップ部材に電流を伝送すること、およびそれから電流を受け取ることを行うように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記接続箱は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、制御信号を発生させ、それを前記ハンドヘルドデバイスに伝送し、前記骨錐タップ部材から送達される電流のレベルを調節するように構成されている、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記ハンドヘルドデバイスは、制御デバイスをさらに備え、前記制御デバイスは、前記制御信号を発生させ、それを伝送するための前記接続箱の前記プロセッサと通信することによって、前記骨錐タップ部材から送達される前記電流のレベルを調節するように動作可能である、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記ハンドヘルドデバイスは、ディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記電子信号に基づいて、前記孔の前記深さのデジタル読み出しを提供するように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目16)
前記ハンドヘルドデバイスは、ディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記骨錐タップ部材の1つ以上の部分に隣接または近接する神経の存在を視覚的に示すように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目17)
前記ハンドヘルドデバイスは、ディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記骨錐タップ部材から送達される前記電流のレベルのデジタル指示を提供するように構成されている、項目11に記載のシステム。
(項目18)
前記遠位先端に隣接した前記骨錐タップ部材の一部は、外部ねじ切りされており、それによって、第1の方向における前記骨錐タップ部材の回転は、外部ねじ切りが骨を貫通し、前記骨に向かう方向に前記遠位先端を引き込み、前記骨に孔を形成することを引き起こし、前記第1の方向と反対の第2の方向における前記骨錐タップ部材の回転は、外部ねじ切りが前記孔の中から前記骨錐タップ部材を引き出し、前記骨から離れる方向に前記骨錐タップ部材を移動させることを引き起こす、項目11に記載のシステム。
(項目19)
前記ハンドルは、ラチェットアセンブリを介して前記骨錐タップ部材に回転可能に結合されている、項目3に記載のシステム。
(項目20)
前記ラチェットアセンブリは、第1の回転設定と第2の回転設定との間でトグルするためのスイッチを備え、
前記第1の回転設定において、第1の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらし、反対の第2の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が静止したままであるように、前記骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立しており、
前記第2の回転設定において、前記第1の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が静止したままであるように、前記骨錐タップ部材のいかなる回転からも独立しており、前記反対の第2の方向における前記ハンドルの回転は、前記骨錐タップ部材が同じ方向に回転することをもたらす、項目19に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本開示の徹底的な理解のために、上で説明される図面と関連して、添付される請求項を含む以下の詳細な説明が、参照されるべきである。本開示は、例示的実施形態と関連して説明されるが、本開示は、本明細書に記載される具体的形態に限定されることを意図していない。種々の省略および均等物の代用が、状況が便宜であると示唆するか、または、便宜にし得る場合、想定されることを理解されたい。
【0072】
概観として、本開示は、概して、骨インプラント固定手技等の観血または低侵襲性外科手術手技における使用のためのハンドヘルドデバイスを含むシステムを対象とする。ハンドヘルドデバイスは、例えば、限定ではないが、前腰椎体間癒合、側方椎体間癒合、および後腰椎体間癒合、または経椎間孔腰椎体間癒合を含み得る経皮的椎弓根ねじ固定を含む任意の骨インプラント固定手技において使用され得る。以下の説明は、低侵襲性外科手術手技におけるハンドヘルドデバイスの使用を説明するが、開示されるハンドヘルドデバイスは、低侵襲性手技の代替として、またはそれに加えて、観血外科手術手技において使用するために設計されることにさらに留意されたい。
【0073】
ハンドヘルドデバイスは、骨インプラント固定手技中に種々の機能を実施するように構成される。特に、本開示と一貫するハンドヘルドデバイスは、以下のうちの少なくとも1つを実施するように構成される:ねじの受け取りのための孔または開口部を形成するための骨の貫通;ねじが孔内に設置されるとき、ねじの経路内にあるかまたは別様に影響を受け得る孔に隣接する任意の近傍の神経を感知するための孔の形成中またはその後の孔の神経監視デバイスと協働しての神経監視;孔の形成中またはその後の孔に隣接する神経の神経監視デバイスと協働しての神経刺激;および、ねじの適切な長さを選択することにおいて外科医を補助するために、孔の深さを測定し、深さのデジタル測定値を提供すること。
【0074】
ハンドヘルドデバイスは、外科医または他の医療専門家に、デバイスおよびそのコンポーネントを操作するための手段を提供するグリップ部分を含むハンドルを概して含む。ハンドヘルドデバイスは、ハンドルに解放可能に結合され、グリップ部分の操作に応じて骨を貫通するように構成された骨錐タップ部材と、ハンドルと動作可能に関連付けられ、それに対して移動するように構成された深部スリーブ部材であって、深部スリーブ部材は、その中に骨錐タップ部材の一部が受け取られるそれを通して延びている管腔を含む細長い本体を含む、深部スリーブ部材と、スリーブ部材と動作可能に関連付けられ、骨錐タップ部材に対するスリーブ部材の移動を検出し、検出された移動に基づいて、骨錐タップ部材によって作成された孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成されたセンサとをさらに含む。
【0075】
ハンドヘルドデバイスは、孔または開口部が骨の中への貫通中に神経監視機能性を提供することによって骨内に形成される改良された様式を提供し、それは、次に、ねじが孔内に設置されるとき、ねじの経路内にある、または別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供する。このリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックは、視覚的に(すなわち、ディスプレイ画面等のデジタルディスプレイを介して、またはLEDアレイ等の光源を介して)および/または、可聴的に(すなわち、スピーカを介して)外科医に提供され得る。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス、特に、デバイスの貫通部材の再位置付けを促進し、それによって、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にし、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避することができる。ハンドヘルドデバイスは、形成された孔の深さの正確な測定をさらに可能にし、深さ測定値のデジタルディスプレイを提供し、それによって、外科医に、適切な長さのねじを選択するとき、外科医が頼りにする迅速かつ正確な読み取りを提供する(外科医が短すぎるか、または長すぎるかのいずれかのねじを選択しないことを確実にする)。
【0076】
ハンドヘルドデバイスは、孔を形成するための骨の中への貫通中、または孔の形成後、神経刺激機能性をさらに提供する。例えば、ハンドヘルドデバイスは、孔の中へのねじの設置に先立って、孔に隣接または近接近する神経の存在を決定するための神経監視機能のために使用され得、存在し、孔に隣接する神経は、次いで、ハンドヘルドデバイスに搬送される電流によって刺激され得る。ハンドヘルドデバイスは、ハンドヘルドデバイス自体の中に組み込まれる源から電流を発生させ得るか、または、ハンドヘルドデバイスは、本明細書に説明される神経刺激および神経監視特徴のためにハンドヘルドデバイスに電流のパルスを提供する神経監視デバイスの入力コネクタに結合され、それと電気接続して設置され得る。
【0077】
ある実施形態において、骨錐タップ部材は、骨内に形成される孔に対する所望の位置に確実に定着するように構成された展開可能な遠位フック部材を有するガイドワイヤを受け取るように構成される。特に、骨錐タップ部材は、カニューレ状(すなわち、中空)であり、したがって、それを通して完全に延びている管腔を含み得る。したがって、ガイドワイヤは、骨錐タップ部材の管腔の中に、それを通して給送され得る。ガイドワイヤの遠位フック部材は、遠位フック部材が穿孔された孔内に位置付けられ、穿孔された孔を通して所望の位置に移動し得る送達構成と、遠位フック部材が、孔内(例えば、単皮質の孔の基部において)か、または孔の外側(例えば、両皮質の穿孔された孔の反対側)かのいずれかにおける定位置に定着するように構成された展開構成との間で遷移するように構成される。ガイドワイヤは、ねじおよび/またはインプラントの設置を補助するように構成される。例えば、ガイドワイヤは、本開示と一貫するハンドヘルドデバイスと適合し得る。特に、ガイドワイヤは、フック部材が送達構成にあるとき、骨錐タップ部材の管腔の中に挿入され得、骨錐タップ部材の長さに沿って平行移動し得る。故に、孔が形成されると、フック部材は、骨錐タップ部材遠位先端から外に延長され、次いで、定位置に(すなわち、孔の基部において、または両皮質の穿孔された孔における骨の反対側のいずれか)定着させられ得る。骨錐タップ部材は、次いで、ハンドルから除去され得、その時点において、カニューレ状ねじが、ガイドワイヤ上に装填され、ガイドワイヤを辿って、孔と整列するようにスライドさせられ得る。故に、ガイドワイヤは、本質的に、外科医がねじを設置しているとき、ねじがそれに沿ってスライドするためのガイドとしての機能を果たすので、ガイドワイヤは、ねじ設置手技中に改良された安定性を提供する。
【0078】
故に、本開示のハンドヘルドデバイスは、全て滅菌環境内で、単一のデバイスの使用を通して、外科医が、骨固定手技のための孔を形成し、孔形成中に神経刺激および神経監視機能を実施および制御し、孔形成中の正確度および安全性を確実にし、孔の深さをさらに測定することを可能にする。外科医は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイ上でリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデジタルフィードバックを受け取りながら、骨固定手技の全てのそのような側面を実施し得る。
【0079】
以下の説明は、骨インプラント固定手技等の低侵襲性外科手術手技における使用のためのガイドワイヤアセンブリ、外科手術深さ器具、およびハンドヘルドデバイスの例示的実施形態に関する。説明されるガイドワイヤアセンブリ、外科手術深さ器具、およびハンドヘルドデバイスの変形例の各々は、本明細書に説明されるシステムにおいて使用され得る。
【0080】
図1は、本開示と一貫するガイドワイヤアセンブリ100の一実施形態の斜視図である。
図2は、ガイドワイヤアセンブリ100の側面図であり、
図3は、
図2の線A−Aに沿って得られるガイドワイヤアセンブリ100の側面断面図である。ガイドワイヤアセンブリ100は、概して、ガイドワイヤの遠位端に展開可能フック部材102を含む。遠位フック部材102は、複数の支柱またはスプライン104(1)−104(6)を含み、それらの各々は、ガイドワイヤ100の最遠位端106に固定して結合される遠位端と、最遠位端106からある距離に位置付けられるガイドワイヤ本体108の一部に固定して結合される近位端とを含む。故に、複数の支柱106は、それらのそれぞれの遠位および近位端において共通の固定点を共有し、バスケット様またはマッシュルーム様構造を形成する。
【0081】
複数の支柱104は、例えば、NITINOL金属、ステンレス鋼、またはシリコーンゴム等の弾力的な生物学的に不活性の材料から作製され得、フック部材102の縦方向軸に対して対称または非対称に配置され得る。合計で6つの支柱104(1)、104(2)、104(3)、104(4)、104(5)、および104(6)とともに示されるが、本開示と一貫するフック部材102は、6つを上回る、または下回る支柱を含み得、したがって、任意の数の支柱に限定されないことに留意されたい。
【0082】
フック部材102は、
図1−3に図示されるような送達構成と
図4−6に示されるような展開構成との間で遷移するように構成される。特に、ガイドワイヤアセンブリ100は、穿孔された孔内での位置付け中にガイドワイヤ100に剛性を提供するように構成されたガイド管またはカバー110と、プルロッド112と、プルロッド112に結合され、ガイドワイヤ100の最遠位端106に結合されたプルワイヤ114とをさらに含み得る。プルロッド112およびプルワイヤ114は、フック部材102が送達構成と展開構成との間の遷移することを補助するように構成される。例えば、デフォルト状態にある(すなわち、プルロッド112およびプルワイヤ114に引っ張り力が加えられていない)とき、フック部材102は、フック部材102が比較的にコンパクトなサイズを有し、第1の直径D
1を有する送達構成のままであり得る。送達構成にあるとき、そのコンパクトなサイズに起因して、フック部材102は、穿孔された孔または他の通路内に自由に位置付けられ、それを通して所望の位置に移動し得る。支柱が作製される材料の弾力的性質に起因して、フック部材102は、所望の位置に(すなわち、孔の底部、または、両皮質のドリル孔の場合に孔を完全に通して)到達するまで、穿孔された孔の中に押し付けられ得る。
【0083】
所望の位置に到達すると、ユーザ(すなわち、外科医または他の医療専門家)は、プルワイヤ114に対して引っ張り力を加えるだけでよく(すなわち、プルロッド112を引っ張る)、それは、次に、ガイドワイヤ100の最遠位端106の後退をもたらし、それによって、最遠位端に結合された複数の支柱104の各々の遠位端を各支柱の対向する近位端に向かって移動させ、フック部材102を直径において拡張させ、それによって、
図4−6に示されるように、展開構成に遷移させる。例えば、展開構成にあるとき、フック部材102は、フック部材102が送達構成にあるときの第1の直径D
1を上回る第2の直径D
2を有する。
【0084】
図7Aおよび7Bは、送達構成(
図7A)から展開構成(
図7B)へのフック部材102の遷移を図示するガイドワイヤ100の斜視図である。フック部材102の直径における拡張は、所望の位置におけるフック部材102の定着をもたらす。展開構成にあるとき、フック部材102は、孔内(例えば、単皮質の孔の基部において)か、または孔の外側(例えば、両皮質の穿孔された孔の反対側)かのいずれかにおいて定位置に定着するように構成される。例えば、フック部材102が、穿孔された孔内で展開構成に遷移させられる場合、拡張させられた直径は、支柱104に穿孔された孔の内壁に係合させ、それによって、その中にフック部材102を収容する。プレートまたはインプラントが両皮質のドリル孔を通してねじを用いて固定されるべきいくつかの手技において、遠位フック部材は、孔を通して完全に(骨の一方の側から他方の側まで)前進させられ得、その時点において、外科医は、次いで、フック部材を、拡張させられた直径が穿孔された孔の直径および開口部をはるかに上回る展開構成に遷移させ得、したがって、ユーザは、拡張させられたフック部材102が穿孔された孔に隣接する骨の外面に確実に係合するまで、ガイドワイヤ100を引き戻すだけでよい。支柱の材料の弾力的性質に起因して、フック部材は、ユーザがガイドワイヤを引き戻すと、骨の表面に対して本質的に平坦化し得、そのような平坦化は、触感を高め、フック部材が十分に定着させられていることの指示をユーザに提供し得る。ユーザは、
図5および6に示されるように、プルロッド112の周囲にプルワイヤ114の一部を単純に巻き、続けて、プルロッド112との間の接続を再確立することによって、プルワイヤ114への張力を維持することができ、プルロッド112をガイド管またはカバー114内に位置付けるだけでよい。ユーザがフック部材102を定着位置から係合解除することを所望するとき、ユーザは、プルワイヤ114への張力を解放するだけでよく、支柱104は、それらのデフォルト形状に戻り、それによって、フック部材102を送達構成に戻し、その時点において、ガイドワイヤ100は、除去されることができる。
【0085】
ガイドワイヤ100は、深さ測定手技のみならず、ねじおよび/またはインプラントの設置も補助するように構成される。例えば、ガイドワイヤは、種々の別個の医療器具と適合性があり得、種々の別個の医療器具は、孔の深さを決定するための測定デバイスと、ねじおよび/またはインプラントの設置のためのツール等の骨インプラント固定手技において使用される他の医療器具とを含み得る。
【0086】
例えば、例示的測定または外科手術深さ器具は、ガイドワイヤ100との使用のために適合性がある、スリーブ部材200と、針またはプローブ部材300とを含み得る。
図8は、ガイドワイヤ100にスライド可能に搭載されるスリーブ部材200の斜視図であり、
図9は、対応するスリーブ部材200に対する外科手術深さ器具の針またはプローブ部材300の斜視図である。
【0087】
示されるように、スリーブ部材200は、概して、手技中にユーザのためのハンドルとしての役割を果たし得る細長い本体202を含み、本体202は、遠位端204および近位端206と、遠位端204から近位端206まで本体202を通して完全に延びているボア208とを有する。ボア208は、その中にガイドワイヤ本体を受け取るように成形および/またはサイズを決定される。故に、スリーブ部材200は、ボア208を用いてガイドワイヤ100上をスライドさせられ得、それによって、遠位フック部材102の位置付けおよび定着中、または遠位フック部材102が展開され、定位置に定着させられた後、ガイドワイヤ100の長さに沿って平行移動し得る。本明細書により詳細に説明されるであろうように、スリーブ部材200の遠位端204は、手技中に穿孔された孔の少なくとも開口部に係合するように構成され、フランジ付き部材205が、孔開口部の周辺に沿った骨の外面に係合するための接触特徴としての役割を概して果たす。
【0088】
外科手術深さ器具は、
図9に図示される針またはプローブ300をさらに含み得る。針またはプローブ300は、ハンドル302と、ハンドル302から延びている細長い本体304と、遠位先端306とを含む。明確かつ容易な説明のために、針またはプローブ300は、以降、「プローブ300」と称される。プローブ300は、ボア208を用いて、スリーブ部材200内にスライド可能に搭載されるように構成される。例えば、スリーブ部材200のボア208は、ガイドワイヤ100およびプローブ300の両方を収容するように成形および/またはサイズを決定され得る。なおもさらに、他の実施形態において、プローブ300は、プローブ300がその中にガイドワイヤ100を受け取り、それによって、プローブ300がガイドワイヤ100の長さに沿って平行移動し得、スリーブ部材200の長さに沿ってさらにスライドすることを可能にするように、中空であり得る。
【0089】
故に、フック部材102が定位置に定着させられると、ガイドワイヤ100は、スリーブ部材200および/またはプローブ300がその長さに沿ってスライドするためのガイドとしての機能を本質的に果たすので、ガイドワイヤ100は、深さ測定手技および/またはねじ設置手技中に改良された安定性を提供する。さらに、フック部材100は、それから孔の深さが決定され得る正確なデータを提供し、それによって、孔の深さが決定され得る精密さを改良する。
【0090】
例えば、フック部材102を用いて定着位置を確立すると、ユーザは、テーパ状であるスリーブ部材200の最遠位端204が、孔の開口部に係合し、係合を確立し、安定にされた位置においてスリーブ部材200を維持するまで、穿孔された孔に向かってスリーブ部材200をスライドさせるだけでよく、その時点において、プローブ300は、孔の深さを測定するために使用されることができる。いくつかの実施形態において、遠位端204は、スリーブ部材200の回転時、孔の内面の中に突き刺さり、それによって、骨との引っ掛かりをさらに確立し、孔からの不注意な除去を防止し得る縁またはプロングをさらに含み得る。スリーブ部材を除去するために、ユーザは、スリーブ部材を反対方向に回転させるだけでよく、それは、縁またはプロングを係合から解放するであろう。
【0091】
図10Aおよび10Bは、開始位置(
図10A)から孔深さの測定のための延長位置(
図10B)への針またはプローブの移動を図示する互いに組み立てられたスリーブ部材200とプローブ300との側面図である。
図11Aおよび11Bは、それぞれ、
図10Aおよび10Bの線C−Cに沿って得られる互いに組み立てられたスリーブ部材200とプローブ300との側面断面図である。外科手術深さ器具は、穿孔された孔の中へのプローブ300の移動の距離を感知した結果として、孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む。例えば、本明細書により詳細に説明されるであろうように、外科医は、プローブ300の遠位先端306と定着させられたフック部材102との間の係合を確立するまで、孔の中にプローブ300を前進させるだけでよい。再び、ガイドワイヤ100は、定着させられたフック部材102に前進するとき、プローブ300がその上をスライドするか、または横並びでスライドするかのいずれかであり得るガイドとしての機能を本質的に果たし、それは、データを提供し、データから孔の深さが決定される。
【0092】
センサは、プローブ300の移動の距離に基づいて、電子信号を発生させるように構成され、電子信号は、少なくとも孔の深さを示す。特に、センサは、スリーブ部材200の遠位端204に対するプローブ300の遠位先端306の場所を感知し、その結果、その間の距離を表す電子信号を発生させるように構成される誘導性または容量性要素またはアセンブリを含み得る。故に、スリーブ部材200の遠位端204(骨表面に接触するとき)とプローブ部材の遠位先端(定着させられたフック部材に接触するとき)との間の感知された距離は、孔の深さである。
【0093】
図12および13は、プローブ300の移動に基づいて、穿孔された孔の深さを決定するための異なるセンサシステム/配置を図示するスリーブ部材200の断面図である。いくつかの実施形態において、センサシステムは、電位差計210配置(
図12)を含み得る。いくつかの実施形態において、
図13に示されるように、深さを決定するためのセンサシステムは、ウォームギヤ測定システムを含み得、スリーブ部材200は、ピニオンギヤ212を含み得、プローブは、その外面上に対応するウォームギヤ構成を有し得る。なおもさらに、いくつかの実施形態において、センサシステムは、プローブ上の機械読み取り可能なマーキングを読み取り、または別様に感知し、穿孔された孔の深さを決定/計算するときに進行させられた距離を決定するように構成されるレーザダイオードを含み得る。
【0094】
外科手術器具は、孔の深さを感知するときに他の変数を考慮するようにセンサをプログラムするために、感知能力への調節のための論理を含むか、または、それを可能にし得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態において、ある手技は、ねじを介して骨にプレートまたはインプラントを固定することを要求する。故に、ねじ長さは、孔を充填するために十分であるのみならず、孔に係合するときにねじが通過するプレートまたはインプラントの厚さを考慮するためにも十分に長くなければならない。故に、いくつかの実施形態において、センサは、プレートまたはインプラントの厚さを考慮するようにプログラムされ得、生成される電子信号にその厚さをさらに含み、それによって、電子信号は、ねじが通過し、ねじ頭が係合するであろうプレートまたはインプラントの厚さに加えて、骨内の孔の深さを含む対応するねじ長さを対象にすることが必要であろう合計深さを示す。
【0095】
故に、孔深さのデジタル感知は、従来のアナログ深さゲージよりもはるかに正確な測定値を提供し、あるにしても、外科医からの入力または解釈を殆ど要求しない。故に、孔深さのはるかに正確な測定値を提供することによって、外科医は、外科手術成功の機会を高めるように、任意の所与の孔のための正しい長さのねじを選択することが可能である。
【0096】
いくつかの実施形態において、外科手術器具は、例えば、スリーブ部材200上に提供され、センサからの電子信号に基づいて、孔の深さ測定値のデジタル読み出しを視覚的に提供するように構成され得るディスプレイをさらに含み得る。他の実施形態において、外科手術深さ器具は、例えば、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または他の無線コンピューティングデバイス等の別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、データを交換するように構成され得る。
【0097】
センサから電子信号を受信すると、別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスは、センサからの電子信号に基づいて、孔の深さ測定値を視覚的に提供するように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、孔測定値の記録を維持することを対象とし得る具体的ソフトウェアアプリケーションを含み得、および/または、複数の孔が特定のプレートまたはインプラントにマッピングされ得、各孔の深さ(プレートまたはインプラントの厚さを含む)が含まれ、記録のために記憶され得る双方向ユーザインターフェースを提供し得る。
【0098】
図14は、本開示と一貫し、スリーブ部材200と適合性があるプローブ400の別の実施形態の斜視図である。示されるように、プローブ400は、概して、骨錐に類似し、椎骨内の軟骨組織等の軟骨組織を含む組織を穿刺し、それによって、その中にねじまたは他の固定デバイスが設置されるべき孔を形成するように構成される。プローブ400は、ハンドル402と、ハンドル402から延びている細長い本体またはシャフト404と、遠位先端406とを含む。先端406は、十分に堅く、骨に係合し、それを穿刺し、その中にねじまたは他の固定デバイスが設置されるべき経路(すなわち、ボア)を作成するために十分な縁または点を含み得る。本実施形態において、プローブ400は、ボア208を用いてスリーブ部材200内にスライド可能に搭載されるように構成され、スリーブ部材200は、外科医が、所望の標的エリアを穿刺するようにプローブ400を操作するために自身の他方の手を利用する間、片方の手での十分な剛性および安定性を外科医に提供し得、それによって、スリーブ部材200は、概して、ある種のガイドとしての機能を果たし得る。
【0099】
組織および骨を貫通することに加えて、プローブ400は、神経監視目的のためにさらに利用され得る(すなわち、ねじがボア内に設置されるとき、ねじの経路内にある近傍の神経、または別様に影響を受け得るボアに隣接する任意の近傍の神経を感知し、それによって、意図せぬ神経痛および/または損傷を防止する)。特に、プローブ400は、例えば、既存の資本設備またはバッテリ給電神経監視デバイス等の神経感知/神経刺激デバイスまたはシステム600等の別個の神経監視装置に結合されるように構成され得る。
図14に図示されるように、プローブ400は、結合部材408を含み得、結合部材408は、プローブ400の一部、具体的に、内側コアまたはワイヤ410(
図15に示される)を神経感知デバイス600のコネクタと(概して、雄雌結合配置において)電気的に結合する。
【0100】
図15は、
図14の線15−15に沿って得られ、プローブ400の内部構成、特に、内部導電性コア410を図示するプローブ400の側面断面図であり、内部導電性コア410は、少なくとも神経監視特徴を提供するために、神経感知/神経刺激デバイスまたはシステム600に、およびそれから電流を搬送するように構成されている。示されるように、プローブ400の本体またはシャフト404は、ハンドル402から先端406に至るシャフト404の長さに延びている導電性コア410を含み得る。故に、シャフト404は、外側ケーシングとして概して機能し、それは、例えば、ワイヤの形態にあり得る内側コア410を包囲する。コア410は、近位端411を含み得、近位端411は、結合部材408内で露出させられ、コネクタが結合部材408と係合されると、神経感知/神経刺激デバイスまたはシステム600に電気的に結合される。内側コアまたはワイヤ410は、神経感知/刺激デバイス600への延長部としての機能を果たすように構成される導電性材料を含み得、骨内の神経またはそれに隣接する神経を感知/刺激するために使用され得る。内側コアまたはワイヤ410は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属、または他の導電性材料)を含み得、したがって、電流を搬送し得る。いくつかの実施形態において、内側コアまたはワイヤ410は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料を含み得る。いくつかの実施形態において、内側コアまたはワイヤ410は、グラファイト材料を含み得る。シャフト404は、Polygon Company(Walkerton,Indiana)によって提供されるPOLYMED複合管類等の多角形複合材料を含み得る。多角形複合材料は、内側コアまたはワイヤ410を介した神経感知および/または、刺激が起こることを依然として可能にしながら、電気絶縁材料としての機能を本質的に果たし得る。
【0101】
故に、神経感知/神経刺激デバイス600からの電流は、内側コアまたはワイヤ410に供給され得、それは、次いで、電流をプローブシャフト404の長さに沿って、遠位先端406に搬送し得、それは、次いで、プローブ400が、リアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックを提供するように、孔を作成しているとき(すなわち、骨の貫通中)、または、後続ねじ設置が神経損傷または神経痛をもたらさないであろうことを確実にするために孔が作成された後、骨内の孔に隣接または近接近する神経を感知/刺激するために使用され得る。
【0102】
本明細書に既に説明されたように、本開示は、以下のうちの少なくとも1つを実施するように構成されたハンドヘルドデバイスにさらに関する:ねじの受け取りのための孔または開口部を形成するための骨の貫通;ねじが孔内に設置されるとき、ねじの経路内にある神経、または別様に影響を受け得る孔に隣接する任意の近傍の神経を感知するための孔の形成中またはその後の孔の神経監視;および、ねじの適切な長さを選択することにおいて外科医を補助するために、孔の深さを測定し、深さのデジタル測定値を提供すること。
【0103】
図16は、本開示と一貫するハンドヘルドデバイス500の斜視図である。
図17は、部分的に透視してのハンドヘルドデバイス500の側面図であり、
図18は、ハンドヘルドデバイス500の断面図であり、それらの各々が、その内部コンポーネントを図示する。示されるように、概して、ハンドヘルドデバイスは、概して、ハンドルに類似し、ハンドルとしての役割を果たし得る上部部分502aと、対向する前部および後部部分502b、502cによって形成され得るそれから延びている細長い本体部分とを有する筐体を含む。デバイス500は、筐体内に部分的に封入される1つ以上の深部スリーブ部材504、506をさらに含む。例えば、スリーブ504の少なくとも近位端は、筐体の本体部分内に存在する一方、スリーブ504の遠位端は、本体部分から延び、遠位先端(図示せず)において終端し得る。
【0104】
深部スリーブ部材504は、スリーブが、例えば、プローブ、椎弓根骨錐、ガイドワイヤ等の医療ツールまたは付属品をその中に受け取るように構成されるように、中空である。例えば、図に示されるように、ハンドヘルドデバイス500は、カニューレ状骨錐タップ部材508を含む。骨錐タップ部材508は、骨を穿刺し、椎弓根内にパイロット孔を作成するように構成される貫通遠位先端を有する管状ロッドを備えている。骨錐タップ部材の遠位端は、骨錐タップ部材の遠位先端によって作成される孔の内面上にねじ山を切削または別様に形成するように構成されたタッピング特徴をさらに含む。特に、タッピング特徴は、概して、溝によって分離され得る外部切削ねじ山の組を含み得、骨錐タップ部材の回転時、切削ねじ山は、孔の内面を切削し、それによって、篏合対の雌型部分を形成するように構成される(すなわち、骨ねじの対応する外部ねじ切りとのねじ式係合のために椎弓根内に内部ねじ切りを作成する)。骨錐タップ部材の少なくとも近位端は、深部スリーブ部材504内に存在し、ボールロックアセンブリを介して筐体内に保持される。本明細書により詳細に説明されるように、ボールロックアセンブリは、解放ボタン510を介して筐体に対する骨錐タップ部材の回転移動を選択的に係止および係止解除する能力をユーザに提供する。
【0105】
ハンドヘルドデバイス500は、骨の中への骨錐タップ部材貫通中に神経監視機能性を可能にするように構成され、それは、次に、ねじの経路内にある任意の近傍の神経、または、ねじが孔内に設置されるとき、別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供するか、または孔作成後に神経監視機能性を可能にするように構成され得る。例えば、ハンドヘルドデバイスは、特に、
図23に関して本明細書により詳細に説明されるであろうように、そのような神経監視機能性を可能にし得る戻り電極アセンブリ512を含み得る。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス500の再位置付け、特に、骨の中への貫通中の骨錐タップ部材508の再位置付けを促進し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、骨錐タップ部材自体が、導電性であり得、したがって、神経感知/神経刺激デバイスまたはシステム600に、およびそれから電流を搬送し、少なくとも神経監視特徴を提供するように構成され得ることに留意されたい。加えて、または代替として、深部スリーブ部材504、506のうちの一方または両方も、導電性であり、したがって、神経感知/神経刺激デバイスまたはシステム600に、およびそれから電流を搬送し、少なくとも神経監視特徴を提供するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態において、骨錐タップ部材および/またはスリーブ504、506は、骨錐タップ部材508が、リアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックを提供するように、孔を作成しているとき(すなわち、骨の貫通およびタッピングの間)、または、後続ねじ設置が神経損傷または神経痛をもたらさないであろうことを確実にするために孔が作成された後、骨内の孔に隣接または近接近する神経の感知および/または、刺激のために使用され得る。
【0107】
孔の形成および神経監視機能性に加えて、ハンドヘルドデバイス500は、孔の深さの測定および深さのデジタル測定値のさらなる出力を可能にする。例えば、ハンドヘルドデバイス500は、深部スリーブ部材504に結合され、スリーブ504が穿孔された孔内に設置され、遠位先端が十分な抵抗に接する(すなわち、穿孔された孔の基部または両皮質の穿孔された孔の対向する端部に接触する)とき、互いに対するスリーブ504または筐体の移動(すなわち、進行させられた距離)を感知した結果として、孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成された少なくとも1つのセンサをさらに含む。デバイス500は、5mm〜100mmの深さ測定値を可能にし得、いくつかの実施形態において、13mm〜70mmの深さ測定値を可能にし得る。
【0108】
センサは、筐体内に封入されるプリント回路基板(PCB)518上に提供される深さゲージ電子機器および/または回路とさらに通信する。デバイス500は、例えば、提供される機能に応じて、トランジスタ520等の他の回路を含み得る。ハンドヘルドデバイスは、バッテリ動作させられる(バッテリ522)独立型デバイスであることにさらに留意されたい。バッテリ522は、例えば、3.7ボルトリチウムイオンポリマーバッテリを含み得る。いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイス500は、筐体上に提供され、センサからの電子信号に基づいて、孔の深さ測定値のデジタル読み出し、および、限定ではないが、神経刺激/神経監視フィードバック、バッテリの充電レベル等を含む他のデータを視覚的に提供するように構成されたディスプレイをさらに含み得る(
図29および30に示されるような)。バッテリは、マイクロUSBまたは他の手段を用いて再充電可能であり得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイス500は、例えば、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または他の無線コンピューティングデバイス等の別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、データを交換するように構成され得る。
【0110】
図17および18に示されるように、デバイス500は、スリーブの長さがデフォルト位置にあるときに筐体の本体部分から延びているように、深部スリーブ部材504に対して付勢力を加える戻りばね526をさらに含む。戻りばね526は、概して、約1ポンドの力を有する2つの積層ばねを備え得る。スリーブ504は、穿孔された孔内に受け取られるように成形および/またはサイズを決定され得、それによって、スリーブ504の遠位先端と穿孔された孔の基部との間の係合時、ユーザは、例えば、筐体の本体部分の遠位端が骨と接触するまで、穿孔された孔に向かってハンドヘルドデバイス500を押し続けることができる。戻りばね526は、筐体の周辺本体部分が静止したスリーブに対して孔に向かって移動している間、スリーブ504の遠位先端における抵抗に起因して、圧縮された状態になるであろう。デバイス500は、本明細書により詳細に説明されるであろうように、骨錐タップ部材504を係止位置に維持するために付勢力を加えることにおいて使用されるボールロック戻りばね524(ボールロックアセンブリの部分)をさらに含む。
【0111】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイス500は、骨錐タップ部材508を筐体に対して回転静止位置に保持するためのボールロックアセンブリを含む。
図19Aおよび19Bは、係止位置(
図19A)と係止解除位置(
図19B)との間のボールロックアセンブリ528の遷移を図示するハンドヘルドデバイス500の部分的に断面における拡大側面図である。
図20Aおよび20Bは、ハンドヘルドデバイス500の拡大断面図であり、それぞれ、係止位置と係止解除位置との間のボールロックアセンブリ528の遷移を同様に図示する。示されるように、ボールロックアセンブリ528は、概して、骨錐タップ部材508の近位部分を包囲する筐体と、筐体528の周りにスライド可能に搭載されるボールロックスリーブ530と、ボールロックスリーブ530と骨錐タップ部材508との間に位置付けられるボール532と、スライド可能ボールロックスリーブ530に対して付勢力を加えるボールロック戻りばね524と、ユーザが、ボールロックアセンブリ528、特に、ボールロックスリーブ530を係止位置(
図19Aおよび20Aに示される)から係止解除位置(
図19Bおよび20Bに示される)に選択的に遷移させることを可能にする解放ボタン510とを備えている。示されるように、骨錐タップ部材508の近位部分は、その中にボール532が置かれ得るへこみまたは窪みを含み、それによって、ボールロックスリーブ530が係止位置(
図19Aおよび20Aに示される)にあるとき、ボールロックスリーブ530が骨錐タップ部材508の対応するへこみ内にボール532を事実上維持しているので、骨錐タップ部材508の回転を防止し得る。
【0112】
ボールロックアセンブリは、骨錐タップ部材を静止位置(すなわち、筐体に対するいかなる回転もない)に係止する能力をユーザに提供し、それは、ユーザが、筐体の上部部分(すなわち、ハンドル)を回転させることをさらに可能にし、それは、次に、骨錐タップを回転させ、パイロット孔を形成するための骨の中への貫通遠位先端の前進および骨ねじの後続設置のための内部ねじ切りを作成するためのパイロット孔内のタッピング特徴のさらなる係合をもたらす。ボールロックアセンブリは、ユーザが骨錐タップ部材を係止解除することをさらに可能にし、それによって、回転移動に関して骨錐タップ部材を筐体から係合解除する(すなわち、ハンドルの回転および骨錐タップ部材の回転は、互いに独立する)。
【0113】
例えば、骨錐タップ部材508を静止位置(すなわち、筐体に対するいかなる回転もない)に係止させることによって、ユーザは、筐体の上部部分(すなわち、ハンドル)を回転させることが可能であり、それは、次に、骨錐タップ508を回転させ、骨の中への貫通遠位先端の前進およびタッピング特徴の孔の内面との後続係合をもたらす。ユーザは、
図19Bおよび20Bに示されるように、解放ボタン510を単に押すことによって、骨錐タップ部材508を係止解除することができる(すなわち、回転移動に関して骨錐タップ部材508を筐体から係合解除する)。押されると、解放ボタン510は、矢印534に示されるように、ボールロックスリーブ530に係合し、続けて、それをボールロック戻りばね524に向かって移動させる角度付き表面511を含み、それによって、ボール532が骨錐タップ部材508上のへこみから外に移動し、互いに独立したハンドルの回転と骨錐タップ部材508の回転とを可能にするように、ボールロックスリーブ530の一部をボール532から係合解除し得る。ユーザが解放ボタン510に対する押し付け力を除去すると、ボールロック戻りばね524の付勢力が、ボールロックスリーブ530を、デフォルト位置に戻るように、かつボール532と係合するように移動させ、ボール532が、その後、骨錐タップ部材508の近位部分上のへこみ内のその位置に戻るので、骨錐タップ部材508は、再度係止された状態になる。ボールロック戻りばね524は、約2ポンドの力を有し得ることに留意されたい。
【0114】
孔(骨錐タップ部材によって形成される)の深さの測定は、少なくとも骨錐タップ部材の遠位先端およびタッピング特徴の長さに基づいて最初に推定されることができる。例えば、骨錐タップ部材の鋭い遠位先端は、特定の深さ(すなわち、遠位先端から骨錐タップ部材の長さに沿ったタッピング特徴の第1の外部ねじ山までの骨錐タップ部材の長さに対応する20mmの深さ)まで前進させられ得る。その後、ボールロックアセンブリが係止位置にあるときのデバイスのハンドルの回転時、外部ねじ山は、椎弓根に係合し始め、骨錐タップ部材をさらに骨の中に事実上引っ張り、それによって、形成される孔の深さを増加させる。使用されるべき特定のタイプの骨ねじ(すなわち、特定の手技、骨、およびねじを受け取るための骨の面積に応じた特定の長さ)に応じて、タッピング特徴の長さは、例えば、5mm〜50mmであり得る。一実施形態において、タッピング特徴(すなわち、外部ねじ切り)は、約20mmの長さに延び得る。故に、外科医は、ねじ切りが骨の中に完全に係合されると、それらが40mmの深さに到達したことを把握するであろう。異なる骨錐タップ部材が、種々の長さのねじおよび種々のねじ直径(すなわち、4mm、5mm、6mm、7mm等)に適応するように、このハンドヘルドデバイスと共に使用されるように生産され得ることに留意されたい。
【0115】
図21は、深さ測定値を決定することにおける使用のための一例示的センサを図示するハンドヘルドデバイス500の断面図である。既に説明されたように、デバイス500は、孔の深さの測定および孔のデジタル測定値のさらなる出力を可能にする。例えば、ハンドヘルドデバイス500は、深部スリーブ部材504に結合され、スリーブ504が穿孔された孔内に設置され、遠位先端が十分な抵抗に接する(すなわち、穿孔された孔の基部または両皮質の穿孔された孔の対向する端部に接触する)と、互いに対するスリーブ504または筐体の移動(すなわち、進行させられた距離)を感知した結果として、孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成された少なくとも1つのセンサを含み得る。
図21に示されるように、そのようなセンサは、スリーブ部材504に結合され、筐体に対するスリーブ部材の位置に基づいて深さ測定値を決定することにおいて使用される例示的接点キャリア536と、黄銅接点538とから成るアセンブリを含み得る。例えば、深さ測定ゲージ部材が、筐体の本体部分内に含まれ得、黄銅接点538は、黄銅接点538と深さ測定ゲージとの間の直接接触および深さ測定ゲージの長さに沿った黄銅接点538の後続移動の結果として、深さ測定データを提供するために使用され得、測定データは、筐体内に封入されるPCB518上に提供される深さゲージ電子機器および/または回路に伝送される。
図22Aおよび22Bは、筐体内に位置付けられる深さ測定ゲージに対するスリーブ部材504、したがって、接点キャリア/黄銅接点536、538の異なる位置を図示するハンドヘルドデバイス500の断面図であり、該位置は、穿孔された孔の深さを決定する。
【0116】
図23は、神経監視能力をさらに可能にし得る例示的戻り電極アセンブリ512の拡大図を含むハンドヘルドデバイス500の斜視図である。示されるように、戻り電極アセンブリ512は、概して、形成された黄銅ストリップ542と、黄銅ストリップ542を保持するように構成されたプラスチックキャリア544とを含む。プラスチックキャリア544は、概して、デバイス500の筐体の一部の上にクリップ留めされるように構成されたクリップの形態である。対応する黄銅リングが、筐体上に組み立てられ、それによって、デバイスの内部への電気経路を作成することができる。アセンブリ512は、
図23に示されるように、プローブ(例えば、針プローブ)に結合された電気ラインをさらに含む。プラスチックキャリア544は、筐体上にクリップ留めされ、それによって、筐体の周りの独立した移動を可能にする(すなわち、筐体の周囲で旋回する)。
【0117】
図24は、筐体の上部部分上に位置付けられるアンビル部材514を図示するハンドヘルドデバイス500の部分的に断面における斜視図である。アンビル514は、ポリカーボネート材料を備え得、刺激電極等に取り付けられるように構成され、それによって、神経監視および/または刺激機能性を可能にする。
【0118】
本明細書に既に説明されたように、骨錐タップ部材508は、カニューレ状(すなわち、中空)であり、その中に医療ツールまたは付属品を受け取るように構成される。例えば、カニューレ状骨錐タップ部材508は、本明細書に説明されるガイドワイヤアセンブリ100を受け取るように構成され得、それは、深さ測定の正確度およびオペレータがそのような深さ測定を行い得る容易さを改良するであろう。特に、ガイドワイヤ100は、フック部材102が送達構成にあるとき、骨錐タップ部材508の中に挿入され得、骨錐タップ部材508の長さに沿って平行移動し得る。故に、孔が穿孔されると、フック部材102は、骨錐タップ部材508の遠位先端から外に延長され、次いで、定位置に(すなわち、孔の基部において、または両皮質の穿孔された孔における骨の反対側のいずれかに)定着させられ得、したがって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤが、深部スリーブ部材がその長さに沿ってスライドするためのガイドとしての機能を本質的に果たすので、深さ測定手技および/またはねじ設置手技中に改良された安定性を提供する。さらに、フック部材は、それから孔の深さが決定され得る正確なデータを提供し、それによって、孔の深さが決定され得る精密さを改良する。例えば、フック部材を用いて定着位置を確立すると、ユーザは、スリーブ部材の最遠位端がフック状端部に係合するまで、穿孔された孔に向かってスリーブ部材をスライドさせるだけでよい。
【0119】
故に、フック部材が定位置に定着させられると、ガイドワイヤが、穿孔された孔の深さを測定するとき、ハンドヘルドデバイスの深部スリーブ部材がその長さに沿ってスライドするためのガイドとしての機能を本質的に果たすので、ガイドワイヤは、深さ測定手技および/またはねじ設置手技中に改良された安定性を提供する。さらに、フック部材は、それから孔の深さが決定され得る正確なデータを提供し、それによって、孔の深さが決定され得る精密さを改良する。例えば、フック部材を用いて定着位置を確立すると、ユーザは、スリーブ部材の最遠位端がフック端部に係合するまで、穿孔された孔に向かってハンドヘルドデバイスの深部スリーブ部材をスライドさせるだけでよい。故に、フック状端部ガイドワイヤと組み合わせて、ハンドヘルドデバイスは、孔の深さの正確な測定を可能にし、深さ測定値のデジタルディスプレイを提供し、それによって、適切な長さのねじを選択するときに外科医が頼りにする迅速かつ正確な読み取りを外科医に提供する(外科医が短すぎるか、または長すぎるかのいずれかのねじを選択しないことを確実にする)。
【0120】
図25は、本明細書に前述で説明されるようなその種々のコンポーネントを図示するハンドヘルドデバイスの分解図である。
図26は、その中に格納される内部コンポーネントを図示する筐体の上部部分の内部図である。
【0121】
図27は、アンビル部材の斜視図であり、
図28は、アンビル部材を受け取るように構成されたその中に形成された陥凹を図示する筐体の上部部分の斜視図である。
【0122】
図29は、ディスプレイの一実施形態およびその上に表示される例示的データを図示する筐体の上部部分の図である。ディスプレイ画面は、深さ、電流設定、および、充電中のバッテリ電圧を示し得る。例えば、
図29に示されるように、データは、例えば、測定された深さ、および、例えば、神経刺激/神経監視事象中に印加される電流の量を含み得る。
図30は、再充電可能バッテリの電圧を含み、それによって、バッテリの充電レベルを示すその上に表示される追加の例示的データを図示する筐体の上部部分の図である。
【0123】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイス500は、骨の中への骨錐タップ部材貫通中に神経監視機能性を可能にするように構成され、それは、次に、ねじの経路内にある任意の近傍の神経、または、ねじが孔内に設置されるとき、別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供するか、または、孔作成後に神経監視機能性を可能にするように構成され得る。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス500の再位置付け、特に、骨の中への貫通中の骨錐タップ部材508の再位置付けを促進し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。例えば、第1の構成において、神経刺激が、双極電極を通して提供される。患者の筋肉は、フィードバックのために監視されなければならない。神経刺激は、例えば、0.5、5、および20maにおいて実施されることができる。
【0124】
第2の構成において、神経監視が、筋肉の中に設置される単極電極および戻り電極を通して提供される。ハンドヘルドデバイスは、電気回路が2つの電極間に作成されているかどうかを監視するように構成される。回路が検出される場合、神経は、骨錐タップ部材に過剰に近接している。第3の構成において、神経監視プローブが、提供されることができる。神経刺激または神経監視のいずれかを制御する、全てではないにしても、殆どの電子機器は、排除されることができ、戻り電極は、既存の神経監視コンソールに接続するために使用される。デバイスは、神経監視コンソールのための深さ測定プローブになる。
【0125】
孔の深さが決定され、任意の神経監視/神経刺激が実施されると、骨ねじが、本開示と一貫するガイドワイヤを含むガイドワイヤを利用することによって、孔内に位置付けられ、固定され得ることに留意されたい。例えば、ガイドワイヤ100は、外科医がねじを孔の中に前進させ、その回転を介してねじをさらに固定するとき、カニューレ状骨ねじを骨に誘導し、骨を比較的に安定に保持することに役立つために使用され得る。
【0126】
図31A−31Hは、ガイドワイヤ100のフック部材102を展開し、続けて、本開示と一貫する外科手術深さ器具を使用して深さ測定値を取得する手技を実施するための一連のステップを図示する。例えば、
図31A−31Hは、スリーブ部材200およびプローブ300を使用して深さ測定値を取得するためのプロセスを図示する。しかしながら、深さ測定値が、
図16、17、18、19A−19B、20A−20B、21、22A−22B、23、24、25、26、27、28、29、および30に図示されるハンドヘルド器具500を使用して取得され得ることにも留意されたい。
図31Aに示されるように、手技が、開始され得、外科医または他の医療専門家は、ガイドワイヤ100、具体的に、フック部材102を骨内の穿孔された孔の中に前進させ始める。フック部材102は、送達構成にあり、送達構成にある間のそのコンパクトなサイズに起因して、フック部材102は、穿孔された孔内に自由に位置付けられ、それを通して移動し得る。図において、孔は、骨を通して完全に穿孔され(すなわち、両皮質のドリル孔)、したがって、外科医は、
図31Bに示されるように、孔を通して完全にフック部材102を前進させる。
【0127】
所望の位置に到達すると、外科医は、次いで、
図31Cに示されるように、送達構成から展開構成へのフック部材の遷移を能動的に制御する。この事例において、外科医は、両皮質のドリル孔のために使用すべきねじの正しい長さを選択する目的のために、孔の深さを取得することを所望するであろう。故に、
図31Dに示されるように、フック部材を、拡張させられた直径が穿孔された孔の直径および開口部をはるかに上回る展開構成に遷移させると、外科医は、拡張させられたフック部材102が、穿孔された孔に隣接する骨の外面に確実に係合するまで、ガイドワイヤ100を引き戻す。支柱の材料の弾力的性質に起因して、フック部材102は、外科医がガイドワイヤ100を引き戻すことに応答して、骨の表面に対して本質的に平坦化し得、平坦化は、触感を高め、フック部材102が十分に定着させられていることの指示を外科医に提供し得る。
【0128】
この時点で、
図31Eに示されるように、ガイドワイヤ100が定位置に固定されると、外科医は、ガイドワイヤ100の上でスリーブ部材200を単にスライドさせ、プローブ300をスリーブ部材200とさらに組み立てることができる。プローブ300を介して孔の深さ測定を開始するために、外科医は、スリーブ部材200の遠位端204が穿孔された孔の少なくとも開口部に係合するまで、ガイドワイヤ100に搭載されたままのスリーブ部材200を孔の開口部に向かって最初に前進させ得、その時点において、フランジ付き部材205は、
図31Fに示されるように、孔開口部の周辺に沿って骨の外面に係合するように構成される。スリーブ部材200の遠位端204は、係合を確立し、安定にされた位置においてスリーブ部材200を維持し、その時点において、プローブ300は、孔の深さを測定するために使用されることができる。特に、
図31Gに示されるように、外科医は、定着させられたフック部材102にそれが到達するまで、孔内でプローブ300を前進させ、フック部材102は、プローブ300のための停止点としての役割を果たし、したがって、それから孔の深さが決定され得るデータを提供する。
図31Hに示される、プローブ300の遠位先端306がフック部材102に係合すると、孔の深さの測定は、ここで完了し、センサがプローブ300によって進行させられた距離を決定し、したがって、孔の対応する深さを計算することが可能である。
【0129】
図32A−32Dは、フック部材102を展開構成から送達構成に遷移させ、穿孔された孔の中に戻るようなフック部材102の後退を可能にし、続けて、ガイドワイヤ100およびフック部材102、特に、フック部材102の複数の支柱またはスプライン104を利用し、神経監視目的のために神経感知/神経刺激デバイス600に、および、それから電流を搬送するための一連のステップを図示する。特に、ガイドワイヤ100およびフック部材102は、金属または他の導電性材料を含み得る神経感知/神経刺激デバイス600に、およびそれから電気信号を搬送するように構成される、導電性材料を含み得る。
【0130】
深さ測定値を取得すると(
図31Hに示される)、外科医または他の医療専門家は、穿孔された孔内のねじの設置中に潜在的問題を提示し得る任意の近傍の神経が存在するかどうかを決定することを望み得る。特に、(それに隣接するが、骨の外側に位置付けられる神経と対照的に)骨自体の中に存在する神経が存在し得る。故に、外科医は、穿孔された孔の経路に隣接する骨内に任意の神経が存在するかどうかを把握することを望み得る。
図32Aに示されるように、外科医は、フック部材102を穿孔された孔の出口点においてその定着位置から最初に係合解除し得る。次いで、外科医は、フック部材をその展開構成からその送達構成に遷移させ、
図32Bに示される、フック部材の全体的直径を減少させるように、支柱またはスプラインを本質的に圧潰させ得る。外科医は、次いで、
図32Cに示されるように、孔の内面に接触するように支柱またはスプライン104を十分に拡張させられた状態にしながら、フック部材102が孔の中に戻るように後退させられることを可能にするように十分な直径までフック部材102を折り畳むだけでよい。この時点で、支柱またはスプライン104が穿孔された孔の内面と接触すると、外科医は、ガイドワイヤの近位端を神経感知/神経刺激デバイス600のコネクタ(または他の結合デバイス)に直接結合するだけでよく、その時点において、ガイドワイヤ100およびフック部材102は、神経感知/刺激デバイス600への延長部としての機能を果たすように構成され得、骨内の神経、またはそれに隣接する神経を感知/刺激するために使用され得る。導電性材料から作製された結果として、ガイドワイヤ100およびフック部材102、具体的に、支柱またはスプライン104は、フック部材102が穿孔された孔内に直接設置されると、骨内の穿孔された孔に隣接または近接近する神経を感知/刺激するために使用される信号を穿孔された孔の内面に、およびそれから搬送し得る。
【0131】
既に説明されたように、本発明は、骨インプラント固定手技等の低侵襲性外科手術手技における使用のためのシステムおよびハンドヘルドデバイスをさらに含む。以下の説明は、骨インプラント固定手技中に種々の機能を実施するように構成されるハンドヘルドデバイスを含むシステムに関し、種々の機能は、以下のうちの少なくとも1つを実施することを含む:ねじの受け取りのための孔または開口部を形成するための骨の貫通;ねじの経路内にある、またはねじが孔内に設置されるときに別様に影響を受け得る孔に隣接する任意の近傍の神経を感知するための孔の形成中またはその後の孔の神経監視;孔の形成中またはその後の孔に隣接する神経の神経刺激;および、ねじの適切な長さを選択することにおいて外科医を補助するために、孔の深さを測定し、深さのデジタル測定値を提供すること。
【0132】
図33Aおよび33Bは、骨インプラント固定手技のためのシステム3300の概略図である。システム3300は、ケーブル3310を介してハンドヘルドデバイス3400に結合され、それと電気接続して設置され得る神経監視デバイス3302を含む。ケーブル3310は、入力コネクタ3306において神経監視デバイス3302に接続される。神経監視デバイス3302は、意図される機能に応じて、それに種々の電極が電気的に接続され得る電極入力3312を含む。例えば、神経監視機能に関して、戻り電極が、その中にハンドヘルドデバイス3400のカニューレ状骨錐タップ部材3406が挿入される孔に隣接する神経によって弱められた患者3390の筋肉を検出するために使用される。
【0133】
ハンドヘルドデバイス3400は、外科医または他の医療専門家にデバイス3400およびそのコンポーネントを操作するための手段を提供するグリップ部分を含むハンドル3401を概して含む。ハンドヘルドデバイス3400は、ハンドルと動作可能に関連付けられ、それに対して移動するように構成された深部スリーブ部材3404をさらに含む。ハンドヘルドデバイス3400は、ハンドル3401に解放可能に結合された骨錐タップ部材3406をさらに含み、骨錐タップ部材3406は、ハンドル3401のグリップ部分の操作時、骨を貫通するように構成された遠位先端3408を含む。深部スリーブ部材3404は、それを通して延びている管腔を含む細長い本体を備え、管腔の中に骨錐タップ部材3406の一部が受け取られ、管腔から延びている。本明細書により詳細に説明されるであろうように、ハンドヘルドデバイス3400は、深さ測定機能を提供し、骨錐タップ部材3406を介して形成される孔の深さは、深部スリーブ部材3404と関連付けられた深さ測定センサとを介して、リアルタイムで(すなわち、骨錐タップ部材3406が骨の中に前進するとき)測定され、深さ測定センサは、深部スリーブ部材3404と動作可能に関連付けられている。骨錐タップ部材3406の本体は、導電性であり、ハンドヘルドデバイス3400に結合され、骨錐タップ部材3406と通信するケーブル3310を用いて、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。神経刺激および神経監視機能は、本明細書により詳細に説明される。
【0134】
図34は、ハンドヘルドデバイス3400のより詳細な斜視図である。
図35は、そのコンポーネントを図示するハンドヘルドデバイス3400の分解図である。示されるように、ハンドヘルドデバイス3400は、ハンドル3401を含み、ハンドル3401は、その近位端にグリップ部分を含む本体と、グリップ部分から延び、本体の遠位端を形成する細長い部分とを備えている。ハンドル3401は、複数のコンポーネントから形成され、複数のコンポーネントは、互いに組み立てられると、完全なハンドルを形成し、完全なハンドルは、深部スリーブ部材3404およびカニューレ状骨錐タップ部材3406の一部を含む種々のコンポーネントをその中にさらに格納する。例えば、ハンドル3401は、互いに結合されると、組み立てられたハンドル3401を形成する少なくとも上部パネル3402aと、対向する前部および後部パネル3402b、3402cとを含む。
【0135】
深部スリーブ部材3404は、ハンドル3401と動作可能に関連付けられた近位端と、ハンドル3401から延びている対向する遠位端とを含む細長い中空本体を備えている。例えば、示されるように、深部スリーブ部材3404の少なくとも一部(すなわち、近位端における深部スリーブ部材3404の長さ)は、ハンドル3401内に封入され、遠位端に隣接する深部スリーブ部材3404の長さは、ハンドル3401の細長い本体部分から延びている。深部スリーブ部材3404の中空本体は、それを通して完全に延びている管腔を含み、骨錐タップ部材3406の本体は、骨錐タップ部材3406がハンドル3401に結合されると、管腔の中に受け取られる。深部スリーブ部材3404と骨錐タップ部材3406とは、互いに独立して移動するように構成される(すなわち、骨錐タップ部材3406は、ハンドル3401のグリップ部分の回転に応答して、その縦方向軸の周りに回転することが可能である一方、深部スリーブ部材3404は、静止したままであり得、および/または、骨錐タップ部材3406は、骨の中に前進させられることが可能である一方、深部スリーブ部材3404は、骨に対して静止したままである)。
【0136】
さらに、本明細書により詳細に説明されるであろうように、深部スリーブ部材3404も、ハンドル3401に対して移動するように構成され、それは、骨錐タップ部材3406によって形成される孔の深さを測定するときに特に有用である。例えば、いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイス3400は、スリーブばね3405をさらに含み、スリーブばね3405は、深部スリーブ部材3404がデフォルト位置にあるとき(すなわち、骨内での孔形成手技に先立って)、ハンドル3401から離れる方向に付勢されるように、近位端またはその近傍において深部スリーブ部材3404の一部に対して付勢力を加える。深部スリーブ部材3404の遠位端は、骨錐タップ部材3406を介して形成されるべき孔の開口部の周辺に沿って骨の外面に係合するように成形および/またはサイズを決定される。故に、深部スリーブ部材3404の遠位端と骨の外面との間の係合時、ユーザは、孔を形成し始めるために、(骨錐タップ部材3406の回転、または骨錐タップ部材3406に対して力を加え、遠位先端3408を骨の中に押すことのいずれかによって)骨錐タップ部材3406の遠位先端3408を骨の中に前進させることができる。骨錐タップ部材3406の遠位先端3408が骨の中に引き込まれ、孔を形成し始めると、ハンドル3401は、骨に向かう方向に対応して引き込まれる。孔が形成されるにつれて、骨錐タップ部材3406およびハンドル3401の両方が骨に向かう方向に引き込まれるが、深部スリーブ部材3404の遠位端は、孔の開口部の周辺に沿って骨の外面と接触したままであり、ハンドル3401に向かう反対方向に本質的に押し付けられ、それによって、その近位端またはその近傍における深部スリーブ部材3404の部分は、スリーブばね3405を押し、それによって、スリーブばね3405を圧縮する。深部スリーブ部材3404のそのような移動は、深部スリーブ部材3406と動作可能に関連付けられた深さ測定センサを介してリアルタイムで(すなわち、骨錐タップ部材が骨の中に前進するにつれて)測定される。
【0137】
骨錐タップ部材3406は、骨を穿刺し、椎弓根内にパイロット孔を作成するように構成される貫通遠位先端3408を含む管状本体を備えている。骨錐タップ部材の本体は、導電性であり、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。骨錐タップ部材3406の遠位先端3408は、骨錐タップ部材の遠位先端によって作成される孔の内面上にねじ山を切削または別様に形成するように構成されたタッピング特徴をさらに含む。特に、タッピング特徴は、溝によって分離され得る外部切削ねじ山の組を概して含み得、骨錐タップ部材の回転時、切削ねじ山は、孔の内面を切削し、それによって、篏合対の雌型部分を形成するように構成される(すなわち、骨ねじの対応する外部ねじ切りとのねじ式係合のために椎弓根内に内部ねじ切りを作成する)。故に、ある実施形態において、より具体的に、
図39−41を参照して本明細書により詳細に説明されるであろうように、ハンドヘルドデバイス3400は、ハンドル3401および骨錐タップ部材3406を互いに回転可能に結合するさらにラチェットアセンブリを含む。
【0138】
骨錐タップ部材は、カニューレ状(すなわち、中空)であり、それを通して、例えば、プローブ、スタイレット、ガイドワイヤ等の医療ツールまたは付属品を受け取るように構成される。例えば、スタイレット3432が、骨錐タップ部材3406の遠位先端3408が骨の中に前進させられるとき、骨の破片または他の組織が管腔に進入することを防止するために、骨錐タップ部材3406の管腔内に位置付けられ得る。スタイレット3432は、近位端においてアンビル3430に結合され得、アンビル3430は、骨錐タップ部材3406の管腔への、およびそれからのスタイレット3432の挿入および除去を促進する。
【0139】
骨錐タップ部材3406の少なくとも近位端は、ボールロックアセンブリを介してハンドル3401内に保持される。いくつかの実施形態において、ボールロックアセンブリは、ハンドル3401の回転移動に対する骨錐タップ部材3406の回転移動を選択的に係止および係止解除する能力をユーザに提供し得る。ボールロックアセンブリは、ボール筐体3416と、ばね3414と、ボール3418と、ボール保持器3412と、解放ボタン3410とを含む。加えて、または代替として、ボールロックアセンブリは、骨錐タップ部材3406を定位置に係止し、手技中にハンドル3401に結合されたままにし、手技の完了時、骨錐タップ部材3401を係止解除し、それによって、骨錐タップ部材3406をハンドル3401から係合解除し、所望に応じて骨錐タップ部材3406の除去を可能にする能力をユーザに提供し得る。故に、ハンドル3401は、複数の異なる骨錐タップ部材のうちの1つを受け取るように構成され得、それらの各々は、ハンドル3401に解放可能に結合可能であり、互いに交換可能である。特に、ハンドル3401は、外科医が適当であると見なす複数の交換可能な骨錐タップ部材のうちの任意のものを装備することが可能であり、それは、各骨錐タップ部材が、特定の長さ、直径、貫通部材構成、および任意の特定の手技のために有用であり得る他の品質を有し得るので、特に有益である。
【0140】
既に説明されたように、骨錐タップ部材3406の本体は、導電性であり、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。故に、ハンドヘルドデバイス3400は、骨錐タップ部材3406を介して骨の中への貫通中に神経監視機能性を提供することができ、それは、次に、ねじの経路内にある任意の近傍の神経、または、ねじが孔内に設置されるとき、別様に影響を受け得る任意の近傍の神経の存在に関して外科医にリアルタイムまたはほぼリアルタイムのアラートを提供する。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、ハンドヘルドデバイス3400、特に、骨錐タップ部材3406の貫通遠位先端3408の再位置付けを促進し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。神経監視フィードバックは、孔に隣接または近接近する神経の神経刺激のために使用される電気パラメータの決定を通知することもできる。神経監視デバイス3302およびハンドヘルドデバイス3400、および、関連付けられるコンポーネントを用いた神経刺激および神経監視機能の実施が、
図36−38を参照して本明細書により詳細に説明される。
【0141】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイス3400は、骨錐タップ部材3406を介して形成される孔の深さが、深部スリーブ部材3404および深部スリーブ部材3404と動作可能に関連付けられた深さ測定センサを介してリアルタイムで(すなわち、骨錐タップ部材3406が骨の中に前進するにつれて)測定される、深さ測定機能を提供する。例えば、孔の深さ測定値が、孔が骨錐タップ部材3406の遠位先端3408を介して形成されているとき、同時に決定および表示され得る。特に、スリーブ部材3404は、スリーブ部材3404をハンドル3401から離れる方向に付勢するスリーブばね3405を具備する。スリーブ部材3404は、初期静止位置を有し、初期静止位置において、骨錐タップ部材3406の遠位先端3408の少なくとも一部は、スリーブ部材3404の遠位端から突出している。
図34に図示される実施形態において、スリーブ部材3404は、部分的後退構成において示され、骨錐タップ部材3406の長さの大部分がスリーブ部材3404内に封入されるであろう完全延長構成において示されていないことに留意されたい。むしろ、
図34に図示されるように、スリーブ部材3404は、ハンドル3401の中に上向きに押し付けられ、それによって、骨錐タップ部材3406の長さを明らかにするように示されている。
【0142】
深部スリーブ部材3404の遠位端は、骨錐タップ部材3406を介して形成されるべき孔の開口部の周辺に沿って骨の外面に係合するように成形および/またはサイズを決定される。故に、深部スリーブ部材3404の遠位端と骨の外面との間の係合が存在する初期位置において、ユーザは、次いで、(骨錐タップ部材3406の回転、または骨錐タップ部材3406に対して力を加え、遠位先端3408を骨の中に押すことのいずれかによって)骨錐タップ部材3406の遠位先端3408を骨の中に前進させることによって、骨内での孔の形成を開始することができる。骨錐タップ部材3406の遠位先端3408が骨の中に引き込まれ、孔を形成し始めるにつれて、ハンドル3401は、骨に向かう方向に対応して引き込まれる。孔が形成されるにつれて、骨錐タップ部材3406およびハンドル3401の両方が骨に向かう方向に引き込まれるが、深部スリーブ部材3404の遠位端は、孔の開口部の周辺に沿って骨の外面と接触したままであり、ハンドル3401に向かう反対方向に本質的に押され、それによって、その近位端またはその近傍における深部スリーブ部材3404の部分は、スリーブばね3405を押し、それによって、スリーブばね3405を圧縮する。深部スリーブ部材3404のそのような移動は、深部スリーブ部材3404と動作可能に関連付けられた深さ測定センサを介してリアルタイムで(すなわち、骨錐タップ部材が骨の中に前進するにつれて)測定される。特に、スリーブ部材3404と動作可能に関連付けられた深さ測定センサは、骨錐タップ部材3406およびハンドル3401に対するスリーブ部材3404の移動を感知し、感知された移動に応答して、電子信号を発生させるように構成される。センサは、深さ測定値を示す信号を発生させるとき、初期デフォルト静止位置におけるスリーブ部材3404の遠位端から突出する遠位先端3408の長さを考慮することが可能である。
【0143】
深さ測定センサアセンブリは、深部スリーブカラー3442の外面に結合されたスリーブ接点3444を含む。スリーブカラー3442は、深部スリーブ部材3404の近位端に結合され、深部スリーブ部材3404のフランジの上面上かつハンドル3401内に置かれている。センサアセンブリは、スリーブ接点3444と、ハンドル3401内に封入されるプリント回路基板(PCB)3440上に提供される深さゲージ電子機器および/または回路との間の接触を感知することによって、ハンドル3401および骨錐タップ部材3406に対する深部スリーブ部材3404の側方移動を感知する。特に、センサアセンブリは、スリーブ接点3444とPCB3440の関連付けられる誘導性または容量性要素またはアセンブリとの接触位置の相対的変化に基づいて、スリーブ接点3444の移動を感知するように構成される誘導性または容量性要素またはアセンブリを含み得る。ハンドヘルドデバイス3400は、バッテリ動作させられる(バッテリ3450)独立型デバイスであることにさらに留意されたい。バッテリ3450は、例えば、3.7ボルトリチウムイオンポリマーバッテリを含み得る。バッテリは、マイクロUSBまたは他の手段を用いて再充電可能であり得る。示されるように、ディスプレイ3420は、ハンドル3401上に提供され、深さ測定センサアセンブリからの電子信号に基づいて、孔の深さ測定値のデジタル読み出しを視覚的に提供するように構成され得る。したがって、孔の深さ測定値は、骨錐タップ部材3406が骨の中に前進し、その中に孔を形成しているとき、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで決定され、ハンドヘルドデバイス3400のディスプレイ3420上に視覚的に表示され得る。ディスプレイ3420は、限定ではないが、神経監視および/または神経刺激手技に関連する情報(例えば、神経場所/感知フィードバック、骨錐タップ部材3406から神経に伝送されている電気のレベル等)、バッテリの充電レベル等を含む他のデータも提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイス3400は、例えば、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または他の無線コンピューティングデバイス等の別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、データを交換するように構成され得る。
【0144】
同じハンドヘルドデバイス3400を用いて、外科医は、孔が形成されるとき、および骨固定手技全体を通して、孔に隣接する神経の場所に関するリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックも視覚的に受け取り得る。神経監視フィードバックは、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、骨の中への貫通中に骨錐タップ部材3406の再位置付けを通知し、それによって、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にすることができる。加えて、孔からデバイス3400を除去することなく、外科医は、孔に隣接する神経の神経刺激をさらに実施し、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで神経に伝送される電気のレベルのデジタルフィードバックを受け取り得る。外科医は、滅菌環境において、デバイス3400自体上で神経刺激または神経監視特徴のために使用される電気のレベルを調節し得る。例えば、ハンドル3401は、ハンドヘルドデバイスによる神経刺激または神経監視のために使用される電気のレベル(例えば、電流レベル)を調節するためのスイッチ3452をさらに含み得る。一実施形態において、スイッチ3452は、三位スイッチであるが、ハンドヘルドデバイス3400による神経刺激または神経監視のために使用される電気のレベルを調節するために好適な任意のスイッチが、使用され得る。したがって、デバイス3400は、全体を通して視覚的デジタルフィードバックを受け取りながら骨固定手技を実施するための単一の使い捨てデバイスと、監視動作を実行するために専門家に依拠することなく滅菌環境内から神経刺激または神経監視特徴を制御する能力とを外科医に提供する。故に、骨固定手技を実施する外科医は、デバイス3400のディスプレイ3420上に視覚的に示される情報からのリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックを受け取り得、孔の深さを正確に決定するために、対応する長さを有するねじの選択を通知するために表示される情報を使用し得る。
【0145】
少なくとも神経刺激および神経監視機能を実施するために、ハンドヘルドデバイスは、ケーブルを介して神経監視デバイスの入力コネクタに結合され、それと電気接続して設置され得る。神経監視デバイスは、入力コネクタおよびハンドヘルドデバイスに、および、それから電流を搬送するように構成された接続箱を含み得る。接続箱は、電流を発生させ、入力コネクタに、およびハンドヘルドデバイスから電流を伝送するように構成されるプロセッサを含む。例えば、プロセッサは、骨錐タップ部材が孔内に位置付けられている間、電気のパルスを発生させ、それを骨錐タップ部材に伝送し、孔に隣接する神経の神経監視を実施するように構成され得る。加えて、患者の筋肉の中に挿入されたある電極が、骨錐タップ部材と電極との間の完成された回路を示す骨錐タップ部材から電極への電流フローを検出するために使用され得、そのような電流フローは、骨錐タップ部材によって刺激される神経によって弱められた筋肉における電気活性を検出することによって、孔に隣接する神経の存在を示す。接続箱のプロセッサは、入力コネクタ、電極入力、および1つ以上のPCBに動作可能に接続される。1つ以上のPCBは、電流を発生させ、それをハンドヘルドデバイスに伝送するように構成されたパルスまたは電流発生回路と、デバイスから神経に伝送される電流を検出するように構成された電流発生確認回路と、神経刺激または神経監視機能に応答する筋運動を検出するように構成された筋運動検出回路と、接続箱または患者からの電極の部分的または全体的断絶、または患者の中への電極の不適切な挿入を検出するように構成された電極断絶検出回路とを含み得る。
【0146】
図36は、そのコンポーネントを図示する神経監視デバイス3600の分解図である。神経監視デバイス3600は、前部筐体3640と後部筐体3642とを含み、それらは、プロセッサ(図示せず)に動作可能に接続されたPCB3646を一緒に封入する。例えば、プロセッサは、電流を少なくとも入力コネクタ3606に、およびそれから通信するように構成されたマイクロプロセッサであり得る。前部筐体3640は、種々のコネクタおよび電極が接続され得る位置を示すために、グラフィックオーバーレイを含み得る。この例において、神経監視デバイス3600は、少なくとも入力コネクタ3606、感知電極3652、接地電極3654、および戻り電極3658に接続され得る。電極は、電極を神経監視デバイスの電極入力に接続することによって、神経監視デバイスと電気接続して設置され得る。示されるように、前部筐体3640と後部筐体3642とは、ねじまたは留め具によって一緒に固定され、PCB3646、プロセッサ、および他のコンポーネントが、その中に格納される。神経監視デバイス3600は、神経監視デバイス3600が、特に、電極設定に関して、適切に設定され、意図されるように機能しているかどうかに関する指示をユーザに提供するためのインジケータ特徴を含むことに留意されたい。特に、神経監視デバイス3600は、感知電極3652、接地電極3654、および戻り電極3658が、プラグ接続され、さらに適切に機能しているか、またはプラグ断絶され、問題を経験しているか(すなわち、信号の不適切な伝送等)を識別するように構成される。神経監視デバイス3600は、電極設定および機能のステータスの視覚指示を提供するように構成される。例えば、一実施形態において、神経監視デバイス3600は、電極設定および機能が容認可能であることを示す緑色ライトと、電極設定または機能に関する問題が存在することを示す赤色ライトとを提供し得る。
【0147】
この例証において、神経監視デバイス3600は、少なくとも接地電極3654、戻り電極3658、感知電極3652、および入力コネクタ3606に電気的に結合され得る。例えば、神経監視デバイス3600は、感知電極3652の2つ、4つ、6つ、8つ、または8つを上回る対に電気的に接続され得る。使用される感知電極3652の数は、意図される手技、関与する筋肉、治療されている傷害、または他の患者または手技関連パラメータに従って選択され得る。手技中、感知電極の各対は、通常、対の一方の電極が筋肉の一方の側に挿入され、対の他方の電極が筋肉の反対側に挿入される構成において、患者の筋肉の中に挿入され得る。感知電極が筋肉の中に挿入されると、感知電極は、神経監視デバイス3600に接続され、神経監視デバイス3600の電極選択スイッチが、使用される感知電極の数に対応する位置に切り替えられ得る。
【0148】
接地電極3654が、患者の異なる身体部分の中に、好ましくは、臀部の近傍に挿入され得、筋肉の中に挿入される必要性はない。接地電極3654は、続けて、神経監視デバイス3600に接続される。戻り電極3658が、孔が骨内に形成されるべき、またはすでに形成されている患者の切開エリアの近傍またはその中に挿入され得る。戻り電極は、続けて、神経監視デバイス3600に接続される。神経監視デバイス3600は、次いで、入力コネクタ3606とハンドヘルドデバイスとの間にケーブルを接続することによって、本明細書に説明されるようなハンドヘルドデバイス3400に電気的に接続され得る。
【0149】
孔がハンドヘルドデバイスの骨錐タップ部材によって形成されている間、または形成後、神経監視デバイス3600は、孔内に位置付けられると、骨錐タップ部材に隣接または近接近する神経の神経刺激または神経監視のためにハンドヘルドデバイス3400に搬送される電流を発生させ、それを伝送し得る。一例において、電流は、入力コネクタ3606からケーブルを通して骨錐タップ部材の導電性本体に搬送され、神経刺激または神経監視特徴を提供する。いくつかの実施形態において、骨錐タップ部材本体の一部は、絶縁され得る(すなわち、絶縁材料のコーティングを含むか、または、絶縁材料の層または外側ジャケットを含む)一方、他の部分は、非絶縁状態のままである。次に、ハンドヘルドデバイス3400に伝送される電流は、骨錐タップ部材を通して進行し、非絶縁部分から放出されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、骨錐タップ部材の遠位先端は、非絶縁性であり得、したがって、電流は、それから放出される。他の実施形態において、骨錐タップ部材の外部ねじ切り部分のみが絶縁されていないが、骨錐タップ部材の残りの部分は、絶縁されている(すなわち、骨錐タップ部材の残りの長さおよび骨錐タップ部材の遠位先端)。その結果、電流は、孔形成手技中、骨錐タップ部材から周辺の骨に送達され、骨内の骨錐タップ部材に隣接するいかなる神経も、電流によって刺激され得る。神経刺激は、例えば、0.5、5、および20maにおいて実施されることができる。いくつかの実施形態において、ハンドヘルドデバイス3400自体が、ハンドヘルドデバイスの中に組み込まれる内部源から電流を発生させ得、したがって、電流に関して神経監視デバイス3600に依拠しないことに留意されたい。
【0150】
神経刺激中、感知電極3652は、フィードバックのために患者の筋肉を監視するために使用され得る。神経監視デバイス3600のプロセッサは、制御信号を発生させ、伝送し、制御信号に応答して、神経を刺激する電気のレベルを調節するように構成される。例えば、プロセッサは、所定の電気のレベルが感知電極3652によって感知されると、骨錐タップ部材への電流フローを増加、減少、または停止させるための制御信号を発生させるように構成され得る。この例において、神経監視デバイス3600のプロセッサが、神経監視デバイス3600から骨錐タップ部材に伝送される電気のレベルが所定のレベルを上回っていると決定する場合、プロセッサは、骨錐タップ部材への電流フローを減少させるための制御信号を発生させ、それを伝送し得る。既に説明されたように、ハンドヘルドデバイスは、骨錐タップ部材から神経に伝送される電気のレベルを調節するために、スイッチまたは他の制御デバイスも含み得る。スイッチまたは制御デバイスは、神経監視デバイス3600のプロセッサと通信し、骨錐タップ部材から伝送される電気のレベルを調節するための制御信号をプロセッサに発生および伝送させる。神経監視デバイス3600のプロセッサは、信号を発生させ、それをハンドヘルドデバイスのディスプレイに伝送し、神経を刺激する電気のレベル、電流フローにおけるいずれかの異常、または他の同様の情報をディスプレイに視覚的に示させるようにさらに構成され得る。
【0151】
神経監視機能は、骨固定手技が実施されている外科手術部位の開放露出組織の中に、または、外科手術部位の近傍またはそれに隣接する組織の中に戻り電極3658を挿入することによって実施され得る。電気のパルスまたは電流が、骨錐タップ部材によって孔に隣接する神経に供給される。電気のパルスは、神経監視デバイスをハンドヘルドデバイス3400に接続するケーブルによって神経監視デバイス3600から搬送される。したがって、神経監視は、骨錐タップ部材が形成されるか、または、形成されつつある孔内にあるときに骨錐タップ部材に隣接する神経を弱らせ、神経によって弱められた筋肉内の電流を検出することによって実施され得る。電流の検出は、回路が骨錐タップ部材と戻り電極3658との間で作成されていることを示す。故に、電流が検出される場合、神経は、孔にあまりに近い。神経監視デバイス3600のプロセッサは、ディスプレイが、孔に隣接する神経の存在および他の関連情報を視覚的に示すように、信号を発生させ、それをハンドヘルドデバイスのディスプレイに伝送するようにも構成される。外科医は、表示される情報を使用し、近傍の神経の任意の感知が存在する場合、孔の形成中に骨錐タップ部材の再位置付けを通知し得る。孔に隣接する感知された神経のこのリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックは、意図せぬ構造または組織に対する不注意の穿刺、破断、損傷、または衝突を回避するように、適切に形成される孔を確実にし、続けて、孔内のねじの適切な位置付けを確実にする。
【0152】
いくつかの実施形態において、神経監視デバイス3600のプロセッサは、ハンドヘルドデバイスの深部スリーブ部材に結合されるセンサから電気信号を受信するようにさらに構成される。センサは、スリーブの遠位端が、孔の骨錐タップ部材を介して形成されるべき孔の開口部の周辺に沿って骨の外面に接触し、骨錐タップ部材の遠位先端が上で説明されるように孔の中に前進するとき、上向きに、かつハンドルの中に押し付けられるとき、ハンドヘルドデバイスのハンドルに対するスリーブの移動(すなわち、進行させられた距離)を感知した結果として、孔の深さを示す電子信号を発生させるように構成される。神経監視デバイス3600のプロセッサは、孔の深さを視覚的に示すために、信号を発生させ、それをハンドヘルドデバイスのディスプレイに伝送するようにも構成される。
【0153】
図37は、本開示のハンドヘルドデバイス3400との使用のため神経監視デバイス3600の概略図である。示されるように、神経監視デバイス3600は、神経監視デバイス3600を本明細書に説明されるようなハンドヘルドデバイスに電気的に接続するための入力コネクタ3606に動作可能に結合されるマイクロプロセッサ3604と、電極入力3608とを含む。マイクロプロセッサ3604は、電流戻り部3690に接続されるパルスまたは電流発生回路3610と、電流発生確認回路3612とを含む1つ以上のPCBに動作可能に結合される。マイクロプロセッサ3604は、接地3680に接続される筋運動検出回路3616と、接地3680に接続される電極断絶回路3618とを含む1つ以上のPCBにも動作可能に結合される。
【0154】
パルスまたは電流発生回路3610は、本明細書に既に説明されたように、神経刺激または神経監視機能のための電流を発生させ、それをハンドヘルドデバイス3400に伝送するように構成される。パルスまたは電流発生確認回路3612は、ハンドヘルドデバイスの骨錐タップ部材から伝送される電流を検出するように構成される。電流発生回路3610および電流確認回路3612は、骨錐タップ部材と戻り電極との間に存在する戻り電流を検出するように構成される電流戻り部3690に動作可能に結合される。
【0155】
電流発生回路3610によって発生させられる電流は、入力コネクタ3606に電気的に接続されるケーブルによって、本明細書に説明されるようなハンドヘルドデバイスに搬送され得、電流は、孔に隣接する神経の神経刺激または神経監視のために使用され得る。例えば、電流発生回路3610は、調節可能な定電流源、昇圧変圧器、および変圧器、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗器、電位差計、および、発生させ、または伝送されるパルスまたは電流のパラメータを調節するための複数の位置を有する1つ以上のスイッチを含む意図される使用に応じた他の電気コンポーネントを含み得る。別の例において、電流発生確認回路3612は、電流発生回路によって発生させられた電流を検出し、検出された電流に応答して、プロセッサに信号を伝送するように構成される電流検出チップを含み得る。プロセッサ3604は、信号を発生させ、それをハンドヘルドデバイスのディスプレイに伝送し、ハンドヘルドデバイスの骨錐タップ部材から伝送される電気のレベル、および、任意の神経が存在し、骨錐タップ部材に隣接するかどうかをディスプレイに視覚的に示させるようにも構成される。
【0156】
筋運動検出回路3616は、電流発生回路3610から孔に伝送される電流によって弱められた筋肉の電気活性を検出するように構成される。運動検出回路3616は、神経監視デバイス3600によって受信されたアナログ信号をプロセッサによって読み取り可能なマルチレベルデジタル信号に変換するアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を含み得る。
【0157】
電極断絶検出回路3618は、接地3680に動作可能に接続され、神経監視デバイス3600からの電極の部分的または全体的断絶、または患者の中への電極の不適切な挿入を検出するように構成される。プロセッサ3604は、信号を発生させ、それをハンドヘルドデバイスのディスプレイに伝送し、電極のそのような部分的または全体的断絶を示すように構成され得る。一例において、電極断絶検出回路3618は、電極の部分的または全体的断絶を検出するためのリードオフチップを含み得る。
【0158】
図38は、本開示と一貫するハンドヘルドデバイス3400の概略図である。示されるように、ハンドヘルドデバイス3400は、ディスプレイ3420と、電流選択スイッチ3452と、取り外し可能バッテリアイソレータ3451に接続されるバッテリ3450とを有するハンドルを含む。動作中、バッテリアイソレータ3451は、最初に除去され、バッテリ3450およびデバイス3400の他の電気コンポーネントへの、および、それからの電流フローを可能にする。一例において、電流選択スイッチ3452は、神経監視デバイスとデバイス3400(特に、骨錐タップ部材3406)との間の電流フローを調節するために使用され得る。デバイス3400は、ハンドル3401および骨錐タップ部材3406を回転可能に結合し、互いに対するハンドル3401と骨錐タップ部材3406とのラチェッティング移動を可能にするラチェットアセンブリ3490を含む。ラチェットアセンブリ3490は、
図39−41を参照して下で詳細に説明される。示されるように、骨錐タップ部材3406は、骨錐タップ部材3406の遠位先端が孔の中に前進させられるとき、骨の破片または他の組織が内側チャネルに進入することを防止するために、骨錐タップ部材の中空内側チャネル内に取り外し可能に位置付けられるスタイレット3432を有する。スタイレット3432は、近位端においてアンビル3430に結合され得、アンビル3430は、内側チャネルへの、およびそれからのスタイレットの挿入および除去を促進する。既に説明されたように、骨錐タップ部材3406の本体は、導電性であり、神経刺激および神経監視機能のための電流を搬送するように動作可能である。
【0159】
ハンドヘルドデバイス3400は、深部スリーブ部材3404も含み、それを通して骨錐タップ部材3406がその長さに沿って延びている。スリーブ部材3404は、その管状本体に接続されるスリーブカラーを有し、スリーブカラーは、その外面に接続される、スリーブ接点を有する。スリーブ接点は、PCBを含み得る深さ測定基板3440に接触する。スリーブ3404が(回転移動と対照的に)側方向きに骨錐タップ部材3406およびハンドル3401に対して移動するにつれて、スリーブ接点と深さ測定基板3440との間の接触位置は、変化し、電気信号が、深さ測定基板3440からADCコンバータ3455に搬送される。アナログ電気信号が、ADCコンバータ3455によってデジタル信号に変換される。これらのデジタル信号は、外科医に、孔の深さ測定値の視覚表現を提供するために、ディスプレイ3420によって使用され得る。ADCコンバータ3455からの電気信号は、随意に、神経監視デバイスの入力コネクタ3606とハンドヘルドデバイス3400との間に電気的に接続されるケーブルを介して、
図36および37を参照して説明されるもの等の神経監視デバイスに伝送され得る。この例において、単一のケーブルは、電流を骨錐タップ部材3406に搬送する電流パルスラインと、バッテリ3450に接続される電力ラインおよび接地ラインと、ADCコンバータ3455と入力コネクタ3606との間でデータを伝送および受信するためのシリアルデータラインと、ADCコンバータ3455からハンドヘルドデバイスまたは神経監視デバイスの他のコンポーネントへのデータ転送を同期させるためのシリアルクロックラインとを含む。
【0160】
既に説明されたように、ハンドヘルドデバイス3400は、ハンドル3401と骨錐タップ部材3406とを互いに回転可能に結合するラチェットアセンブリをさらに含む。
図39は、本開示のハンドヘルドデバイス3400との使用のため例示的ラチェットアセンブリ3900の斜視図である。
図40は、
図39の線40−40に沿って得られるラチェットアセンブリ3900の断面図である。
【0161】
ラチェットアセンブリ3900は、骨錐タップ部材3406が、孔形成中に骨の中に前進するか、または、それから引き出されることをもたらすラチェッティング作用を提供する。例えば、ラチェットアセンブリ3900は、歯ギヤ3904と、少なくとも1つの爪3908と、ハンドヘルドデバイス3400のハンドル3401に結合されるカラー3902とを含む。ラチェットアセンブリ3900は、カニューレ状骨錐タップ部材3406の本体の少なくとも一部に回転可能に結合される。ラチェットアセンブリ3900は、ロックリング3906にも動作可能に結合され、ロックリングは、歯ギヤ3904の回転を防止する。歯ギヤ3904は、ギヤの外周の周りに間隔を置かれた歯と、対向する歯間の最小直径とを有する。歯ギヤ3904は、歯ギヤが本明細書に説明されるような動作のために好適である限り、任意の数の歯を有し得、そのような歯の間に任意の最小直径を有し得る。好ましくは、歯ギヤは、24個、22個、20個、または20個未満の歯を有し得る。示されるように、爪3908は、爪3908の遠位端がギヤ3904に係合し、第1の方向と反対の第2の方向におけるギヤ3904のさらなる回転を防止するように、最小直径に接して位置付けられる。ラチェットアセンブリ3900は、ユーザが第1の回転設定と第2の回転設定との間でトグルすることを可能にするスイッチをさらに含む。
【0162】
第1の回転設定において、第1の方向におけるハンドル3401の回転は、骨錐タップ部材3406が同じ方向に回転することをもたらす一方、反対の第2の方向におけるハンドル3401の回転は、骨錐タップ部材3406のいかなる回転からも独立する(すなわち、骨錐タップ部材3406は、静止したままである)。したがって、第1の方向における骨錐タップ部材3406の回転は、骨錐タップ部材3406の遠位先端3408を(外部ねじ切りを介して)骨の中に貫通させ、その中に引き込ませ得る。第2の回転設定において、第1の方向におけるハンドル3401の回転は、骨錐タップ部材3406のいかなる回転からも独立する(すなわち、骨錐タップ部材3406は、静止したままである)一方、反対の第2の方向におけるハンドル3401の回転は、骨錐タップ部材3406が同じ方向に回転することをもたらす。したがって、第2の反対方向における骨錐タップ部材3406の回転は、骨錐タップ部材3406の遠位先端3408が孔から引き下がることをもたらし得る。
【0163】
例えば、爪3908は、時計回り方向におけるハンドルおよび骨錐タップ部材3406の回転を可能にするが、反時計回り方向における回転を防止する(または逆もまた同様である)ように構成され得る。この例において、爪3908は、第1の方向におけるハンドル3401の回転に対応する第1の方向における骨錐タップ部材3406の回転を可能にするが、ハンドル3401が第2の反対方向に回転させられると、骨錐タップ部材3406の対応する回転を可能にしない。カラー3902は、爪3908をギヤ3904から係合解除し、第2の方向における回転を可能にするように構成される。故に、カニューレ状骨錐タップ部材3406の遠位先端3408によって孔の所望の深さに到達すると、カラー3902は、骨錐タップ部材3406の近位端に向かって引っ張られ、爪3908を歯ギヤ3904から係合解除し、それによって、第2の方向におけるハンドル3401の回転が骨錐タップ部材3406の対応する回転をもたらし、骨錐タップ部材3406の遠位先端3408の引き出しもたらすように、ギヤ3904を解放し得る。
【0164】
図41は、歯ギヤおよび爪の動作を図示するラチェットアセンブリ3900の一部の平面図である。示されるように、ラチェットアセンブリ3900は、ギヤの直径の反対側の対向する歯の間に最小直径3912を有する歯ギヤ3904と、ギヤの反対側の爪3908とを含む。この例において、歯ギヤ3904は、24個の歯を有するが、本明細書に説明されるような動作のために好適なより多いまたはより少ない数の歯を有する歯ギヤが、使用され得る。骨錐タップ部材3406は、ハンドヘルドデバイス3400のハンドル3401の回転が、カニューレ状骨錐タップ部材3406のみならずギヤ3904も回転させるように、歯ギヤ3904の内側ボアを通して延びている。上で説明されるように、ラチェットアセンブリのカラーは、カニューレ状骨錐タップ部材の近位端に向かって引っ張られ、一方または両方の爪3908を最小直径3912から係合解除し、反対方向における回転を可能にし得る。反対方向におけるそのような回転は、カニューレ状骨錐タップ部材の遠位先端を孔から引き出し、ねじまたは他の留め具が、続けて、骨プレートを骨に固定するために、骨の中に設置され得る。
【0165】
図42は、本開示のハンドヘルドデバイス3400との使用のためラチェットアセンブリ4000の別の実施形態の斜視図である。
図43は、
図42の線43−43に沿って得られるラチェットアセンブリ4000の断面図である。示されるように、ラチェットアセンブリ4000は、歯ギヤ4004と、2つの爪(
図44に示されるような)とを含む。ラチェットアセンブリ4000は、ロックリング4006および解放ボタン4024にも動作可能に接続され、ボタン4024をその遠位端に向かって、かつロックリング4006の方向に押すことは、ロックリング4006とボタン4024との間の接続の傾斜した曲率に起因して、ロックリングが上向きに押し付けられることをもたらす。ロックリング4006が上向きに、かつラチェットアセンブリ4000の近位端に回転可能に結合されるハンドルに向かって押し付けられると、ハンドルは、解放され、自由に回転することが可能である。示されるように、ラチェットアセンブリ4000は、ハンドルの回転が骨錐タップ部材4020の回転ももたらすように、カニューレ状骨錐タップ部材3406にも結合される。骨錐タップ部材4020は、歯ギヤ4004の内側チャネルを通して延びている。この例において、歯ギヤ4004は、ハンドル4002内で骨錐タップ部材4020に結合される。
【0166】
この例において、ラチェットアセンブリ4000は、歯ギヤ4004の外周の少なくとも一部の周りにスライド可能に搭載されるラチェットトグル4022も含む。ラチェットトグル4022は、第1の方向または第1の方向と反対の第2の方向に回転またはスライドさせられ、ラチェットアセンブリ4000の爪を係合解除し、係合解除された爪の方向における歯ギヤ4004の回転を可能にし得る。
【0167】
図44は、ギヤおよび爪の動作を図示するラチェットアセンブリ4000の一部の平面図である。示されるように、ラチェットアセンブリ4000は、それを通して骨錐タップ部材3406が延びている内側チャネルを有する歯ギヤ4004と、爪4008aおよび4008bと、トグル4022とを含む。爪4008aおよび4008bの各々は、爪4008aおよび4008bの遠位端とばね4009との間の係合が、各爪の遠位端を歯ギヤ4004に向かって付勢するように、ばね4009によって付勢され、それによって、歯ギヤ4004の歯に係合し、ギヤ4004の爪の方向における回転を防止する。この例において、歯ギヤ4004は、ギヤの外周の周りに間隔を置かれた約20個の歯を有し、対向する歯の間に最小直径を有する。歯ギヤ3904は、歯ギヤが本明細書に説明されるような動作のために好適である限り、任意の数の歯を有し得、そのような歯の間に任意の最小直径を有し得る。爪4008aおよび4008bは、ギヤの最小直径において歯ギヤ3904に係合する。
【0168】
トグル4022は、ハンドヘルドデバイスのハンドルの反時計回り回転およびハンドルの回転による骨錐タップ部材3406の対応する回転を可能にする位置において示される。この位置において、トグル4022は、時計回り方向においてスライドまたは回転させられている。トグル4022の左アーム4022aは、爪4008aに係合し、爪4008aの遠位端をばね4009に向かって押すように示され、それによって、爪4008aを歯ギヤ4004から係合解除し、歯ギヤが反時計回り方向に回転することを可能にする。逆に、爪4008bは、トグル4022の右アーム4022bと係合されず、爪4008bの遠位端は、歯ギヤ4004と係合されるように示され、歯ギヤ4020の時計回り方向における回転を防止する。
【0169】
図45は、ラチェットアセンブリ4000の少なくとも一部が、ハンドヘルドデバイス3400のハンドル3401内に格納されたラチェットアセンブリ4000の斜視図である。示されるように、ラチェットアセンブリ4000は、骨錐タップ部材3406の管状本体に動作可能に結合される。ラチェットアセンブリ4000は、トグル4022と、歯ギヤ4004と、2つの爪とを含む。ラチェットアセンブリ4000は、ロックリング4006に動作可能に結合され、それは、外科医が、解放ボタン4024を介してハンドル3401に対するラチェットアセンブリの回転移動を選択的に係止および係止解除することを可能にする。骨錐タップ部材3406の本体の近位端の一部は、ギヤ4004の回転が、骨錐タップ部材3406も回転させるように、歯ギヤ4004の内側チャネルを通して延びている。
【0170】
図45および、
図46は、本明細書に既に説明されたように深さ測定機能を可能にするハンドヘルドデバイス3400の深部スリーブ部材3404および他のコンポーネントに関するさらなる例証的詳細を提供する。例えば、示されるように、深部スリーブカラー3442が、深部スリーブ部材3404の近位端に結合され、スリーブ接点3444が、スリーブカラー3442の外面に結合され、スリーブ接点3444は、PCB3440と接触する。深部スリーブ部材3404は、ばね3405に動作可能に結合され、それは、スリーブカラー3442に結合されるばね受けプレート3403に対して付勢力を加える。したがって、深部スリーブ部材3404は、ハンドル3401から離れる方向に付勢される。
図46に示されるように、深部スリーブ部材3404は、近位端3456および管状本体3454の遠位端3458上の面取り遠位縁を伴う管状本体3454を備えている。スリーブ部材3406の面取り遠位縁は、直角または鋭角において内向きにテーパ状になる斜角縁を提供する。このテーパ状遠位縁は、本明細書に既に説明されたように、孔が形成されているときに孔の周辺との係合を促進し、孔の深さ測定をさらに促進する。スリーブ部材3404は、本体3454から外向きに延びているフランジ3460も含む。スリーブ部材3404がスリーブカラー3442およびスリーブ接点3444に結合されると、スリーブカラー3442は、フランジ3460上に静止し、それによって、スリーブ部材3404の本体3454に対する静止位置においてそれと関連してスリーブ接点3444を維持し得る。
【0171】
故に、本開示のハンドヘルドデバイスは、全て滅菌環境内で、単一のデバイスの使用を通して、外科医が、骨固定手技のための孔を形成し、孔形成中に神経刺激および神経監視機能を実施および、制御し、孔形成中の正確度および安全性を確実にし、孔の深さをさらに測定することを可能にする。外科医は、ハンドヘルドデバイスのディスプレイ上でリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデジタルフィードバックを受け取りながら、骨固定手技の全てのそのような側面を実施し得る。
【0172】
本明細書全体を通した「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の箇所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0173】
本明細書に採用された用語および表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴の任意の均等物(またはその一部)を除外するいかなる意図も存在せず、種々の修正が、請求項の範囲内で可能であることが認識される。故に、請求項は、全てのそのような均等物を対象とすることを意図している。