【解決手段】本発明は、超純水から望ましくない物質を除去するためのフィルタを提供するものであり、このフィルタは、微孔性カチオン帯電膜と、多孔性非対称膜とを含み、(a)微孔性カチオン帯電膜は、上流表面及び下流表面を有し、(b)多孔性非対称膜は、第1の表面、上流部分、下流部分及び第2の表面と、上流部分及び下流部分を含む第1の表面と第2の表面との間のバルクとを有し、また、多孔性非対称膜は、第1の表面及び上流部分から下流部分及び第2の表面に向かう方向に細孔径を減少させ、第2の表面は、ナノ多孔性平均細孔径を有するスキンを含み、多孔性非対称膜の第1の表面は、微孔性カチオン帯電膜の下流表面と接触する。
少なくとも約ログ2(約99%)の、約10nm〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子のコロイド状シリカログ保持値(LRV)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルタ。
前記微孔性カチオン帯電膜の前記上流表面に接触する上流支持体及び/又はドレネージメディアと、前記多孔性非対称膜の前記下流部分に接触する下流支持体及び/又はドレネージメディアとをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタ。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0009]本発明の実施形態によれば、UPWから望ましくない物質を除去するためのフィルタは、微孔性カチオン帯電膜と、多孔性非対称膜とを含み、(a)微孔性カチオン帯電膜は、上流表面及び下流表面を有し、(b)多孔性非対称膜は、第1の表面、上流部分、下流部分及び第2の表面と、上流部分及び下流部分を含む第1の表面と第2の表面との間のバルクとを有し、また、多孔性非対称膜は、第1の表面及び上流部分から下流部分及び第2の表面に向かう方向に細孔径を減少させ、第2の表面は、ナノ多孔性平均細孔径を有するスキンを含み、多孔性非対称膜の第1の表面は、微孔性カチオン帯電膜の下流表面と接触する。
【0007】
[0010]本発明の別の実施形態によれば、UPWを濾過する方法は、(a)上流表面及び下流表面を有する微孔性カチオン帯電膜、並びに(b)第1の表面及び上流部分及び下流部分及び第2の表面と、上流部分及び下流部分を含む第1の表面と第2の表面との間のバルクと、を有する多孔性非対称膜を含むフィルタであって、多孔性非対称膜が、第1の表面及び上流部分から下流部分及び第2の表面に向かう方向に細孔径を減少させ、第2の表面が、ナノ多孔性平均細孔径を有するスキンを含み、多孔性非対称膜の第1の表面が、微孔性カチオン帯電膜の下流表面と接触するフィルタにUPWを通すステップを含み、本方法は、多孔性非対称膜にUPWを通す前に、微孔性カチオン帯電膜にUPWを通すステップを含む。
【0008】
[0011]好ましい実施形態では、フィルタは、少なくとも約ログ2(約99%)の、約10ナノメートル(nm)〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子のコロイド状シリカログ保持値(LRV)を有する。
【0009】
[0012]コロイド状シリカLRVは、当技術分野で知られているように特性評価することができる。好ましくは、コロイド状シリカLRVは、SEMI C79−0113「Guide to Evaluate the Efficacy of Sub−15 nm Filters used in Ultrapure Water(UPW)Distribution System」(2013)に基づいて、少なくとも約ログ2(約99%)の、約10nm〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子について特性評価される。
【0010】
[0013]好ましくは、濾過されたUPWの純度の目標レベルは、10nmで少なくとも約1.3LRVである。
【0011】
[0014]好適には、所望の流量を維持しながら、シリカ及び硬質粒子を効率的に除去することができる。
【0012】
[0015]何らかの特定の機構に限定されることなく、篩分けと他の機構との組合せによって、溶解シリカ、コロイド状シリカ及び微粒子状シリカが除去されると考えられる。
【0013】
[0016]フィルタは、異なる構造及び/又は機能、例えば、予備濾過、支持、排水、離隔及び緩衝のいずれか1つ以上のうちの少なくとも1つを有することができる追加の要素、層又は構成要素を含むことができる。例示的に、フィルタはまた、メッシュ及び/又はスクリーンなどの少なくとも1つの追加の要素を含むことができる。
【0014】
[0017]いくつかの実施形態では、フィルタは、微孔性カチオン帯電膜の上流表面に接触する上流支持体と、多孔性非対称膜の下流部分に接触する下流支持体とをさらに含む。例えば、上流支持体及び下流支持体はそれぞれ、メタロセンメッシュ又はスクリーンを含むことができる。
【0015】
[0018]一実施形態では、フィルタは、中空円筒形フィルタ、典型的にはプリーツフィルタを含む。
【0016】
[0019]本発明の実施形態によるフィルタ装置の実施形態は、外側ケージ及び内側コアを有するハウジング内に配置された、中空円筒形構成を有するフィルタの実施形態を含む。いくつかの実施形態では、フィルタはプリーツフィルタである。
【0017】
[0020]膜は、任意の好適な細孔構造、例えば、細孔径(例えば、泡立ち点により、若しくは例えば米国特許第4,340,479号明細書に記載されるK
Lにより証明される、又は毛管凝縮フローポロメトリー(capillary condensation flow porometry)により証明される)、平均流量細孔(MFP)径(例えば、ポロメータ、例えば、Porvair Porometer(Porvair plc、Norfolk,UK)、又は商標POROLUX(Porometer.com;Belgium)の下に市販されているポロメータを使用して特性評価される場合)、細孔レーティング(pore rating)、細孔直径(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に記載されている修正OSU F2試験を使用して特性評価される場合)、又は除去レーティングメディア(removal rating media)を有することができる。使用される細孔構造は、利用される粒子の寸法、処理される流体の組成、及び処理される流体の所望の流出物レベルに応じて決まる。
【0018】
[0021]典型的には、帯電膜は、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲、好ましくは約50nm〜約100nmの範囲の細孔径を有する。
【0019】
[0022]多孔性非対称膜の第2の(又は下流)表面は、典型的には約3ナノメートル〜約1ナノメートルの範囲、好ましくは約2ナノメートルのナノ多孔性平均細孔径を有するスキンを含む。
【0020】
[0023]典型的には、多孔性非対称膜は、第1の表面と第2の表面との間のバルクに、スキンのナノ多孔性平均細孔径の直径の約5倍〜約100倍の平均直径を有する細孔径を有する。
【0021】
[0024]ここで、本発明の各構成要素について、以下にさらに詳細に説明する。
【0022】
[0025]例示的な帯電膜は、例えば、米国特許第6,565,748号明細書に開示されており、例示的な非対称膜は、例えば、米国特許第6,045,899号明細書、米国特許第6,110,369号明細書、米国特許第6,440,306号明細書、米国特許第6,565,782号明細書、米国特許第6,939,468号明細書及び米国特許第7,125,493号明細書に開示されている。
【0023】
[0026]例示的な膜は、以下にさらに詳細に説明される。
【0024】
[0027]帯電膜
好ましくは、形成された最初に疎水性の膜のカチオン電荷変性のために、膜は、本発明の改良されたポリマー湿潤剤のいずれかにより親水性にされ、その後、膜は、水溶液中で第1及び第2の電荷変性剤と短時間同時に単に接触し、その後、膜は、膜からの第1及び第2の電荷変性剤の浸出を低減する架橋を誘導するように設計された熱条件下で乾燥される。第1のカチオン電荷変性剤は、ポリアミン、例えば、ヒドロキシエチル化ポリエチレンイミン(HEPEI)又はアジリジン−エチレンオキシドコポリマーであり得る。第2のカチオン電荷変性剤は、高分子量又は低分子量のエピクロロヒドリン変性高分岐ポリアミンのいずれかであり得る。このようなポリアミンには、高分子量のKYMENE 736樹脂及びKYMENE 450樹脂、並びにRETEN 201(50,000ダルトン)低分子量樹脂が含まれ得る。ポリアミンの分子量は、典型的には、形成された膜の「開放性」に基づいて選択される。例えば、比較的分子量が高いポリアミンは、比較的大きな細孔のシート又は膜に関連して利用されることが好ましく、比較的分子量が低い化合物は、0.02μm未満の細孔径を有する膜などの「比較的タイトな」細孔の膜に関連して利用される。
【0025】
[0028]また、ポリマー湿潤剤のいずれかにより親水性にされた、形成された最初に疎水性の膜を水溶液中で第1又は第2の電荷変性剤のいずれか単独と短時間接触させ、その後、熱条件下で膜を乾燥させて架橋を誘導して、カチオン電荷変性膜を製造する。
【0026】
[0029]エポキシド架橋剤又はエピクロロヒドリン変性ポリアミンを使用せずに、ビニルピロリドンとカチオン性イミダゾリニウム化合物とのコポリマーとともに、スルホンポリマーを含有するポリマーブレンドを流延して、スルホンポリマーとカチオン性ポリマーとの間及びカチオン性ポリマー内に架橋を形成させることによって膜を製造することにより、膜の十分なカチオン電荷変性を達成することができる。ポリマーブレンドを流延することによって製造された膜の十分な不可逆的なカチオン電荷変性は、化学的に誘導された架橋プロセスを全く用いず達成することができる。
【0027】
[0030]カチオン電荷変性ポリマーとそれ自体、及びポリマーブレンドの他の成分との単純な熱誘導架橋を使用して、不可逆的にカチオン帯電した膜を製造することができる。ポリマーブレンドを流延することによって製造されたそのような膜はまた、第1及び第2のカチオン電荷変性剤を使用する前述の方法を用いて後処理することができる。
【0028】
[0031]湿潤及び電荷変性に適した形成された膜には、複数又は単数の湿潤及びカチオン電荷変性剤を用いた処理を可能にするのに十分な多孔性を有する、形成された最初に疎水性のあらゆるポリマー膜が実質的に含まれる。形成された膜は最初に疎水性であり、有効量のポリマー湿潤剤を用いた表面処理によって親水性になる。複数のポリマー湿潤剤を同時に使用してもよい。本明細書で使用される湿潤剤は、水による表面の濡れ性を増加させる能力を有する。一般に、好適な湿潤剤は、例えば、ヒドロキシル基、カルボン酸基などの親水性化学官能基を含む。ポリマー湿潤剤は、HPC、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Methocell(商標)、及び親水性官能基を有する他のセルロースポリマー、並びにPVAからなる群から選択され、HPCが特に好ましい。
【0029】
[0032]膜に形成することができる様々な疎水性ポリマーは、上記の湿潤剤を用いて処理することによって親水性にすることができる。好ましいポリマーには、ポリスルホン、ポリアリールスルホン及びポリエーテルスルホンなどのスルホンポリマー、フッ化ポリビニリデン(PVDF)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素化ポリマー、ポリプロピレン、並びにポリエチレンなどの他のものが含まれる。
【0030】
[0033]好ましくは、第1のカチオン電荷変性剤は、ポリアミン又はアジリジン−エチレンオキシドコポリマーである。ポリアミン及びアジリジン−エチレンオキシドコポリマーは、他の官能基又は置換基との化学的架橋を開始することができるエポキシド若しくはエピクロロヒドリン又は同様の置換基を含まない。ポリアミンは、好ましくは、ポリエチレンイミン及び同様のポリアミンから選択される。ポリアミンは、最も好ましくは、少なくとも1つの二級アミン及びカルボキシル置換基又はヒドロキシル置換基を有する脂肪族ポリアミンである。
【0031】
[0034]アジリジン−エチレンオキシドコポリマーは、米国特許第4,797,187号明細書に開示されているように、少なくとも1つのカチオン性アジリジニウム置換基を含むことができる。一実施形態では、第1のカチオン電荷変性剤は、以下の一般構造を有するヒドロキシエチル化ポリエチレンイミン(HEPEI)であり、
【化1】
式中、Rは、H、又はポリマー鎖の連続であり得る。好ましいHEPEIは、約40,000〜約80,000ダルトン、例えば、60,000ダルトンの分子量を有する。低分子量のポリエチレンイミン化合物も使用することができる。後者の化合物の一例は、低分子量ポリエチレンイミンであるポリG−20である。
【0032】
[0035]好ましくは、HEPEIは、第2のカチオン電荷変性剤とともに好適な水溶液に溶解され、溶液は、場合により、緩衝液及び他の薬剤、例えば、張性剤又は電解質を含有する。
【0033】
[0036]第2のカチオン電荷変性剤は、一般に、約1000ダルトンを超える分子量を有する水溶性有機ポリマーとして特徴付けられ得、ポリマーは、第1のカチオン電荷変性剤、又は湿潤剤変性膜の表面に結合することができる少なくとも1つのエポキシド置換基又はエピクロロヒドリン置換基を有し、ポリマーはまた、カチオン電荷部位を提供することができる少なくとも1つの三級アミン基又は四級アンモニウム基を有する。例えば、第2のカチオン電荷変性剤は、エピクロロヒドリン変性ポリアミン、例えば、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミド−ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、又はエピクロロヒドリンと反応するジアリル窒素含有材料に基づく樹脂であり得る。このような樹脂は、典型的には、ポリアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物であり、(i)三級アミン基又は四級アンモニウム基と、(ii)第1のカチオン電荷変性剤、又は湿潤剤変性膜の表面に結合することができるポリアミン鎖に沿ったエポキシド基又はエピクロロヒドリン基とを有する。米国特許第4,673,504号明細書は、同じく使用するのに適したカチオン性ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂を開示している。処理される膜の細孔径に応じて、高分子量又は低分子量の第2のカチオン電荷変性剤のいずれかを使用することができる。好適なエピクロロヒドリン変性ポリアミンの例には、高分子量のKYMENE 736樹脂及びKYMENE 450樹脂、並びにRETEN 201(50K MW)低分子量樹脂が挙げられる。KYMENE 736が好ましい。この樹脂の化学構造は、エピクロロヒドリン変性四級アンモニウム基を含む。
【0034】
[0037]所望により、KYMENE 736と同時にHEPEIを使用することができる。あるいは、カチオン電荷変性にHEPEI又はKYMENE 736のいずれかを単独で使用してもよい。
【0035】
[0038]好ましくは、形成された疎水性の膜は、(i)ポリマー湿潤剤、例えば、HPC(Krucel、Hercules Co.,Wilmington,Del.から入手可能)又はMethocell(商標)(Dow Chemical Co.,Midland,Mich.から入手可能)により処理されて親水性にされ、(ii)乾燥され、(iii)第1及び第2の電荷変性剤又はいずれかの薬剤単独により処理され、(iv)好ましくは熱により乾燥され、これにより、さらに架橋を誘導し、ひいては複数又は単数の電荷変性剤の浸出を最小限に抑える。
【0036】
[0039]流延膜では、HPCによる処理は、流延直後又は流延の後間もなくの急冷又はリンス浴で簡便に行うことができる。例として、不活性支持体上にポリスルホン系のWrasidlo型不安定分散相反転配合物を流延し、HPC(約0.01w/v%〜約0.5w/v%)を含む水性浴を使用して急冷して、高度に異方性の精密濾過膜を形成することができる。乾燥後に得られる膜は、HPC処理により、本質的に親水性である。
【0037】
[0040]また、湿潤剤(例えば、HPC)を用いて、形成された膜を後処理して、当技術分野で知られている様々な手順によって親水性膜を得ることができる。例示的な水溶液は、一般に、約0.01w/v%〜約0.5%w/v%の湿潤剤を含む。さらに、Zonylなどの低濃度の界面活性剤を使用して、湿潤剤による膜の最初の水性湿潤を助けることができる。他の非イオン性又はアニオン性界面活性剤も利用することができる。また、少量のイソプロピルアルコール(約0.6w/v%)を使用して、膜の湿潤剤処理を容易にすることもできる。他の低分子量溶媒も利用することができる。典型的には、処理は湿潤剤を含む浴中で行われる。次いで、膜を約30秒間遠心分離して過剰な流体を除去した後、好適な温度及び時間で、例えば100℃で4時間にわたりオーブン乾燥させることができる。
【0038】
[0041]膜が形成され、親水性にされ、好ましくは乾燥されると、膜は電荷変性の準備ができている。好ましい実施形態では、水溶液中の有効量の第1及び第2の電荷変性剤と同時に、又はいずれかの薬剤単独と膜を接触させる。複数又は単数の電荷変性剤と膜を接触させるための様々な手順が好適であり、当技術分野で知られている。
【0039】
[0042]カチオン電荷変性剤の有効量は、一般に、約0.1w/v%〜約5.0w/v%、好ましくは約1.0w/v%〜約3.0w/v%の第1及び第2の電荷変性剤又はいずれかの薬剤単独の濃度である。例えば、HEPEI及びKYMENE 736がそれぞれ第1及び第2の電荷変性剤として使用される好ましい実施形態では、1w/v%のHEPEI及び1.2w/v%のKYMENE 736を含有する水溶液と膜を接触させる。典型的には、1秒〜60秒にわたり電荷変性剤と膜を接触させる。複数又は単数の電荷変性剤を含有する水溶液のpHは、典型的には、電荷変性剤と膜との相互作用を最適化するように調整される。HEPEI及びKYMENE 736がそれぞれ第1及び第2の電荷変性剤として使用される実施形態では、約8〜約8.5のpHを有する水溶液と膜を接触させることができる。
【0040】
[0043]カチオン電荷変性膜は、スルホンポリマー、ビニルピロリドンとカチオン性イミダゾリニウム化合物とのコポリマー、低分子量有機酸及び溶媒を含有する混合ポリマー溶液をフィルムに流延し、得られたフィルムを水性浴中で急冷し、凝固した膜を洗浄し、乾燥させることによって作成することができる。好ましい実施形態では、スルホンポリマーは、ポリスルホン、ポリアリールスルホン及びポリエーテルスルホンからなる群から選択され得る。ポリエーテルスルホンが好ましい。米国特許第5,531,893号明細書に記載されている化学構造及び分子量範囲を有するポリエーテルスルホンを使用することができる。一般に、スルホンポリマーの約5〜約50重量%の濃度(例えば、約10〜約25重量%)がポリマー溶液に使用され得る。ビニルピロリドンとカチオン性イミダゾリニウム化合物とのコポリマーは、任意の数の繰り返しビニルピロリドン基及びイミダゾリニウム基を含む任意のコポリマーであり得る。一般に、約0.5〜約10重量%のコポリマーの濃度がポリマー溶液に使用され得る。
【0041】
[0044]非対称膜
非対称膜は、好ましくは、比較的疎水性のポリマーを利用して作成される。疎水性ポリマーは、スルホン部分を含む任意のポリマーを包含するスルホンポリマーである。好適なスルホンポリマーの例は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリアリールスルホンである。疎水性ポリマーに加えて、親水性の第2のポリマーが利用される。好ましくは、第2のポリマーはポリビニルピロリドンである。第2のポリマーはまた、ポリビニルピロリドンのコポリマー誘導体、例えば、ポリビニルピロリドン/ポリビニルアセテートコポリマーであり得る。
【0042】
[0045]流延溶液は、典型的には、ポリマー用の溶媒及びポリマー用の非溶媒の両方を含む。第2のポリマーが存在する場合、ポリマー用の非溶媒は、好ましくは、第2のポリマー用の溶媒である。さらに、ドープ溶液が調製される場合、親水性である第2のポリマーは、それ自体がポリマー用の追加の非溶媒として作用し得る。したがって、非溶媒は、ポリマーの溶解性に寄与しないドープ混合物の任意の部分を含み得る。非溶媒の集合的な群は、「ポリマー非溶媒」と「非ポリマー非溶媒」又は「他の非溶媒」との間の参照の便宜のために細分され得る。典型的なポリマー非溶媒はポリビニルピロリドンであり、典型的な非ポリマー非溶媒は水である。
【0043】
[0046]流延溶液は、均質で安定であることが好ましい。例示的には、流延配合物は、以下の比を利用して調製することができる。
【表1】
【0044】
[0047]この配合物では、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及び水はいずれも、ドープ混合物中の非溶媒として機能する。したがって、この配合物では、非溶媒の合計は、ドープ混合物の約18.5%〜約45%を構成し得る。
【0045】
[0048]非対称膜は、通常、当技術分野で知られている手順を使用して流延される。膜を急冷する前に、湿潤空気に流延膜を曝露することが好ましい。曝露時間は、膜の細孔に望まれる開放性の程度に応じて変化し得る。湿潤空気に対する曝露は、形成膜の細孔を開放するように作用する。好ましい曝露時間は、2〜20秒、好ましくは2〜15秒、最も好ましくは3〜10秒の範囲である。相対湿度は、好ましくは相対湿度約50%〜約90%、さらに好ましくは相対湿度55%〜80%、最も好ましくは相対湿度60%〜75%の範囲である。
【0046】
[0049]非対称ポリマー膜は、比較的大きな微孔性スキン細孔を有しながら、かなりの程度の非対称性を保持する。一般に、本発明の膜の微孔性スキン細孔の平均微孔性スキン細孔径又は直径は、約0.1μmよりも大きく、典型的には、0.5μm又は1.0μmよりも大きい。
【0047】
[0050]本明細書で使用される実質的に非対称とは、米国特許第4,629,563号明細書、米国特許第4,774,039号明細書、米国特許第5,188,734号明細書及び米国特許第5,171,445号明細書に開示され、それらに従って作成された膜が有するものと同様の程度の非対称性を意味する。その点で、膜は、典型的には、約0.1μmよりも大きい平均微孔性スキン細孔径を有し、流延中に支持紙又はベルトに隣接する裏面については、SEMSは、平均細孔径が平均微孔性スキン細孔径の少なくとも5倍であることを示す。したがって、微孔性スキン細孔径と流延表面細孔径との比は約5:1であり、いくつかの実施形態では、10:1、50:1、100:1又はさらには1000:1である。
【0048】
[0051]非対称膜は、均質な溶液、及び分散液から作成することができる。好ましい実施形態では、本発明の膜は、均質な溶液から作成される。均質な溶液は、溶媒のみを使用するか、非溶媒と組み合わせて溶媒を使用することにより調製することができる。分散液から作成された膜は、均質な溶液から作製されたものと同じ一般的な範囲の泡立ち点を有するように形成することができる。ただし、そのような膜は、一般に、急冷する前に空気にさらに長い期間曝露する必要がある。
【0049】
[0052]非対称膜は、好ましくは、例えば、スルホンポリマーなどの疎水性ポリマーと、例えば、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマーと、疎水性ポリマー及び親水性ポリマーに適した溶媒とを含有する均質な溶液から作成される。ポリスルホンが利用される場合、ポリマー濃度は、一般に、約8〜約17%、又はさらに好ましくは約9〜約15%、最も好ましくは約10〜約12%である。
【0050】
[0053]親水性ポリマーは、疎水性ポリマーと適合性のある任意のポリマーであり得る。好ましい実施形態では、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンである。別の好ましい実施形態では、親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドンとポリビニルアセテートとのコポリマーである。親水性ポリマーは、約3〜約15%、さらに好ましくは約3〜約12%、最も好ましくは4〜10%で含まれる。
【0051】
[0054]溶媒は、疎水性ポリマー及び親水性ポリマーのそれぞれにとって良好な溶媒であるように選択される。疎水性ポリマーがポリスルホンであり、親水性ポリマーがポリビニルピロリドンである場合、N−メチルピロリジン、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドが溶媒として効果的に作用する。非常に好ましい実施形態では、ジメチルホルムアミドが溶媒として利用される。
【0052】
[0055]部分的又は完全な分散配合物は、少なくとも疎水性ポリマー用の非溶媒を含めることによって調製することができる。例えば、水は、分散流延ドープを作成するのに十分な量で配合物に加えられ得る。あるいは、少量の非溶媒、又は水よりも弱い非溶媒を利用して、均質な溶液を形成してもよい。完全な分散が望まれる場合、別の非溶媒、例えば、非溶媒として水を置換又は補充するのに十分な量の三級アミルアルコールなどのアルコールを加えることができる。したがって、非溶媒の組合せ、又は単一種の非溶媒を利用して、特定の品質を有する流延ドープを調製することができる。高い非溶媒濃度を使用して分散配合物を作成することができるのに対して、比較的低い非溶媒濃度を使用して均質な溶液を形成することができる。非ポリマー非溶媒の量は、約0.1%〜約10%まで変化し得る。好ましくは、均質な流延ドープを調製するのに有効な量の非ポリマー非溶媒として水が利用される。例えば、水が非溶媒として利用される場合、水は、好ましくは、約0.1%〜約3.0%、非常に好ましい実施形態では、約1%〜約2%で流延ドープに含まれる。
【0053】
[0056]ポリマー溶液は、典型的には、薄膜に流延され、所定の時間にわたりガス環境に曝露され、次いで非溶媒中で急冷される。本発明の膜は、当技術分野で知られている様々な手順を使用して流延することができる。流延に続いて、流延された分散液又は溶液は、当技術分野で知られている手順を使用して急冷される。典型的には、急冷は、移動ベルト上の流延膜を水浴などの急冷液に移動させることによって行われる。急冷液は最も一般的には水である。急冷操作により、浴中でポリマーを沈殿又は凝固させ、必要な細孔径と、特徴的な構造を有する支持領域とを有する微孔性スキンを製造することができる。得られた膜は、通常、同伴溶媒を含まずに洗浄され、溶媒、希釈剤及び急冷液の追加の増分を排出し、ひいては膜を回収するために乾燥され得る。
【0054】
[0057]一般に、非対称膜を作成する際には、流延フィルムは、急冷する前に、前述のように、大きな表面細孔の形成を誘導するのに十分に長い間、空気に曝露されるべきである。曝露が短いほど、湿度を高くしなければならず、その逆も同様である。比較的高い周囲空気温度では、同じ効果を得るために相対湿度が比較的低くされ得る。一般に、急冷が温かいほど、膜の開放度が高くなる。
【0055】
[0058]一般に、約20℃〜約35℃の流延溶液又は分散液温度、及び約20℃〜約70℃、好ましくは30℃〜約60℃の急冷浴温度が利用される。急冷浴の温度は、膜の微孔性スキンの細孔径と、その非対称性とに著しい変化を引き起こすと考えられる。比較的高い急冷温度が利用される場合、膜は比較的大きなスキン細孔及び増強された非対称性の両方を有する。逆に、比較的低い温度が利用される場合、比較的小さな細孔が形成され、非対称性は減少し得る。
【0056】
[0059]好ましくは、流延溶液又は分散液は、流延後、急冷前に湿潤空気に曝露される。相対空気湿度は、好ましくは約60%よりも大きい。さらに、流延溶液又は分散液との接触を強化するために、空気を循環させることが好ましい。循環は、例えば、ファンを用いて行うことができる。
【0057】
[0060]曝露時間は一般に約2秒〜約20秒である。この範囲で曝露時間を延長すると、得られる膜の透過性が高くなる傾向がある。
【0058】
[0061]いくつかの実施形態では、非対称膜は、15細孔/1000μm
2を超える細孔密度を有する。例えば、細孔密度は、25細孔/1000μm
2以上、例えば、30細孔/1000μm
2超であり得る。
【0059】
[0062]帯電した非対称膜は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(critical wetting surface tension)(CWST、例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義される)を有し、当技術分野で知られているように、例えば、米国特許第5,152,905号明細書、米国特許第5,443,743号明細書、米国特許第5,472,621号明細書及び米国特許第6,074,869号明細書などにさらに開示されているように選択され得る。典型的には、膜はそれぞれ、約50ダイン/cm(約50×10
−5N/cm)以上、いくつかの実施形態では、約60ダイン/cm(約60×10
−5N/cm)以上のCWSTを有する。
【0060】
[0063]本発明の実施形態によれば、膜、フィルタ及び/又はフィルタ要素は、平面、プリーツ及び中空円筒形を含む様々な構成を有することができる。本発明の実施形態は、「レイドオーバープリーツ」(LOP)フィルタ及びフィルタ装置構成(例えば、米国特許第5,543,047号明細書に記載されている)に特に適している。
【0061】
[0064]フィルタは、異なる構造及び/又は機能、例えば、予備濾過、支持、排水、離隔及び緩衝のいずれか1つ以上のうちの少なくとも1つを有することができる追加の要素、層又は構成要素を含むことができる。例示的に、フィルタはまた、メッシュ及び/又はスクリーン又は織布若しくは不織布などの少なくとも1つの追加の支持体及び/又はドレネージ(drainage)要素を含むことができる。
【0062】
[0065]市販のメディアを含む様々なメディアが、支持及び/又は排水をもたらすのに適している。支持体及び/又はドレネージ材料(メッシュ及び布地)は、濾過される流体(UPW)と、温度などの適用可能な濾過パラメータとに適した任意の好適な材料から製造することができる。
【0063】
[0066]メッシュがポリマーであるメッシュを含むそれらの実施形態では、ポリマーメッシュは、織られたメッシュ及び押出メッシュの形態である。いずれのタイプも使用され得るが、押出メッシュの方が滑らかであり、したがって、フィルタメディアの隣接する層の摩耗が少ないため、好ましい場合がある。押出メッシュは、平行ストランドの第1のセットと、ストランドの第1のセットとある角度で交差する平行ストランドの第2のセットとを有し得る。押出メッシュは、対称又は非対称のいずれかに分類され得る。対称メッシュでは、ストランドの第1のセット及び第2のセットのいずれも、メッシュのいわゆる「機械方向」、すなわち、メッシュがメッシュ製造機から出てくる方向に伸びない。非対称メッシュでは、ストランドのセットのうちの1つが機械方向に平行に伸びる。本発明の実施形態によれば、対称メッシュ又は非対称メッシュのいずれかを使用することができる。
【0064】
[0067]様々なメッシュが、本発明の実施形態による使用に適している。例えば、好適な押出ポリマーメッシュには、Schweiter−Mauduit International Inc.(Alpharetta,GA)から商標名DELNETの下に入手可能なものが含まれる。
【0065】
[0068]メッシュは、それらの厚さと、1インチ当たりのストランドの数とによって特徴付けられ得る。これらの寸法は、いずれの特定の値にも限定されず、メッシュの所望のエッジワイズ流れ(edgewise flow)特性と、所望の強度とに従って選択することができる。典型的には、メッシュは、1インチ当たり少なくとも約5ストランドのメッシュ数を有する。
【0066】
[0069]布地がポリマーである不織布を含むこれらの実施形態では、不織布は、濾過される流体と、温度などの適用可能な濾過パラメータとに適したポリエステル、ポリプロピレン又はポリアミド(例えば、ナイロン)を含む任意のポリマー材料から製造することができる。
【0067】
[0070]様々な不織布が、本発明の実施形態による使用に適している。例えば、好適な不織布には、Avintiv Technical Nonwovens(Old Hickory,TN)から商標名REEMAY(例えば、REEMAY 2011及びREEMAY 2250)及びTYPARの下に入手可能なポリエステルスパンボンド不織布が含まれる。
【0068】
[0071]いくつかの実施形態では、支持体及び/又はドレネージメディアは、メタロセンメディア、例えば、中密度ポリエチレン(mMDPE)メディアなどのメタロセンポリエチレンメディアを含む。好適なメタロセンメディアは、例えば、Chevron Phillips Chemical Company、Univation Technologies、Exxon Mobil Corporation、Tricon Energy Inc.、INEOS Olefins and Polymers、The Dow Chemical Company、R.POLYMERS PVT.LTD.、B LyondellBasell Industries Holdings.V、ChemChina、Repsol、Total Petrochemical&Refining USA Inc.、Reliance Industries Limited、Borealis AG、Braskem及びPrime Polymer Co.Ltd.から入手可能である。
【0069】
[0072]複数のフィルタ要素を含むいくつかの実施形態では、フィルタは、典型的には、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を含み、かつ入口と出口との間に少なくとも1つの流体流路を画定するハウジング内に配置され、フィルタは、流体流路を横切ってフィルタ装置を提供する。好ましくは、フィルタ装置は滅菌可能である。好適な形状であり、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を提供する任意のハウジングが使用され得る。
【0070】
[0073]例えば、
図4は、ハウジング100内に配置された帯電膜501及び非対称膜502を含むフィルタ500(プリーツフィルタとして示される)を含む例示的なフィルタ装置1000を示し、フィルタは略円筒形を有し、ハウジングは、フィルタの端部を封止する2つのエンドキャップ101、102を含む。上側エンドキャップ101(出口10を含む)及びフィルタ500の部分は、フィルタの内部を示すために部分的に切り取られている。この図示される実施形態では、外側ケージ110(入口を提供する開口部111を含む)がフィルタの外周に沿って配置され、エンドキャップがケージ(及び所望によりフィルタの端部)に対して封止される。フィルタは、複数の長手方向に湾曲したプリーツ又は半径方向プリーツ(図示せず)を含み得る。
【0071】
[0074]
図4に示す実施形態では、円筒形コア120が、フィルタの内周に沿って同軸に配置されている。コアは、典型的には、フィルタが半径方向内側(外側から内側)の流体の流れにさらされる場合に使用される。あるいは、フィルタが半径方向外側(内側から外側)の流体の流れにさらされる場合、円筒形コアは必要でない場合がある。
【0072】
[0075]図示されるフィルタは、フィルタの少なくとも一方の側、好ましくは上流側、さらに好ましくは上流側及び下流側の両方に配置された支持体及び/又はドレネージメディアをさらに含む(
図4は、上流メディア及び下流メディア511、512を示す)。支持体及び/又はドレネージメディアは、フィルタの対向する表面が互いに接触するのを防ぎ、流体がフィルタの表面の実質的にあらゆる部分に、又はそこから均一に流れることを可能にする。したがって、実質的に、フィルタの表面積全体が濾過に効果的に使用され得る。
【0073】
[0076]支持体及び/又はドレネージメディアを含むフィルタは、波形にする前又は波形にするのと同時に、従来のフィルタ製造技術によって複合材料に形成することができる。
【0074】
[0077]以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、言うまでもなく、いかなる方法によってもその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0075】
[0078]この実施例は、個々の膜を有するフィルタと比較して、本発明の実施形態による2つの膜を有するフィルタの驚くべき相乗効果を実証している。
【0076】
[0079]本発明の実施形態によるフィルタは、米国特許第6,565,748号明細書に全般に記載されているように作成された微孔性カチオン(アミン)帯電膜と、米国特許第6,045,899号明細書に全般に記載されているように作成された多孔性非対称膜とを有するように作成される。フィルタは、濾過中に帯電膜が非対称膜の上流になるように配置される。
【0077】
[0080]微孔性カチオン帯電膜は、約50ナノメートル(nm)〜約100nmの範囲の平均細孔径を有する。多孔性非対称膜は、約2nmの平均細孔径を有する細孔を有するスキン(膜の下流又は第2の表面)を有する。
【0078】
[0081]各膜は、約60ダイン/cm(約60×10
−5N/cm)のCWSTを有する。
【0079】
[0082]単一の微孔性カチオン帯電膜と単一の多孔性非対称膜とを有するフィルタも作成される。
【0080】
[0083]フィルタはプリーツ加工され、上部メッシュの不織布支持体及び/又はドレネージメディアと下部メッシュの不織布支持体及び/又はドレネージメディアとの間に配置され、
図4に全般に示すように、ケージ及びコアを有するハウジング内に配置される。
【0081】
[0084]3つのフィルタは、SEMI C79−0113「Guide to Evaluate the Efficacy of Sub−15 nm Filters used in Ultrapure Water(UPW)Distribution System」(2013)に準拠して試験される。
【0082】
[0085]
図2に示すように、単一の多孔性非対称膜を有するフィルタは、約ログ0.15〜約0.2(約20%未満)の、約10nm〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子のコロイド状シリカLRVを有する。
【0083】
[0086]
図3に示すように、単一の微孔性カチオン帯電膜を有するフィルタは、約ログ1.1(約90%)の、約10nm〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子のコロイド状シリカLRVを有する。
【0084】
[0087]驚くべきことに、
図1に示すように、本発明の実施形態によるフィルタは、約ログ2(約99%)の、約10nm〜約12nmの範囲の平均径寸法を有する粒子のコロイド状シリカLRVを有する。
【0085】
[0088]本明細書に引用される刊行物、特許出願及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個別にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
[0089]本発明を説明する文脈において(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つ」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ以上の項目の列挙がその後に続く用語「少なくとも1つ」(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、列挙された項目から選択された1つの項目(A又はB)又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」は、特に明記しない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、限定されない」ことを意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内に入っている各別個の値を個別に言及する簡略化された方法として機能することを単に意図しており、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書に提供されるありとあらゆる例、又は例示的な語(例えば、「など」)の使用は、本発明をさらに良好に明らかにすることを単に意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。本明細書中の語は、本発明の実施に必須のものとして、特許請求されていない任意の要素を示していると解釈されるべきではない。
【0087】
[0090]本発明を実施するために本発明者が知る最良の形態を含む、本発明の好適な実施形態が本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が、必要に応じて、そのような変形例を使用することを予測しており、かつ、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載された以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法律によって許容されているように、添付の特許請求の範囲に記載されている主題のすべての変更及び均等物を含む。さらに、そのすべての可能性のある変形例の中の上述の要素の任意の組合せは、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。