【解決手段】ピッチ可変装置10は、ボディ12と、該ボディ12に固定される駆動部14と、該ボディ12の長手方向に移動自在に設けられる複数の可動フィンガ16a〜16dと、前記駆動部14の駆動力を前記可動フィンガ16a〜16dへと伝達する駆動力伝達機構18とを備える。この駆動力伝達機構18は、上下方向に駆動するエンドブロック60に連結された連結ブロック92と、ボディ12の内部に収納され該連結ブロック92に対して連結されるカムプレート108と、前記カムプレート108の第1〜第4カム溝122、124、126、128に挿通された4本のフィンガピン110とから構成される。そして、フィンガピン110は、ボディ12のガイド孔44に沿って長手方向に移動自在に設けられると共に、可動フィンガ16a〜16dに対してそれぞれ連結される。
ボディと、該ボディに連結される駆動部と、前記ボディの長手方向に沿って移動自在に設けられる複数の可動フィンガと、前記駆動部の駆動力を前記可動フィンガに対して伝達する駆動力伝達機構とを有し、前記駆動部の駆動作用下に前記長手方向に沿った互いの間隔が均等となるように複数の可動フィンガを移動させるピッチ可変装置において、
前記駆動力伝達機構は、前記ボディに設けられ前記可動フィンガの移動方向に対して直交する方向へ移動自在なカムプレートを備え、
前記カムプレートには、前記移動方向に対して傾斜した複数のカム溝が形成され、該カム溝に対して前記可動フィンガの一部が挿通される、ピッチ可変装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るピッチ可変装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0019】
この第1の実施の形態に係るピッチ可変装置10は、
図1〜
図8に示されるように、ボディ12と、該ボディ12の背面に装着される駆動部14と、前記ボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って移動自在に設けられる複数の可動フィンガ16a〜16dと、前記駆動部14の駆動力を前記可動フィンガ16a〜16dへと伝達する駆動力伝達機構18とを含む。なお、ここでは、4つの可動フィンガ16a〜16dを備える場合について説明する。そして、上述したピッチ可変装置10は、例えば、図示しない搬送装置におけるアームの先端に取り付けられ、各可動フィンガ16a〜16dに吸着ユニットP(
図6〜
図8参照)がそれぞれ装着され用いられる。
【0020】
ボディ12は、長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って長尺に形成され、可動フィンガ16a〜16dを移動自在に保持する本体部20と、該本体部20の背面側(矢印B1方向)に装着されるカバー部材22とを備える。
【0021】
本体部20は、ボディ12の長手方向と直交する正面側(矢印B2方向)に形成され可動フィンガ16a〜16dを収納するフィンガ収納部24と、該正面とは反対側となる背面側(矢印B2方向)に形成される収納室26とを有する。
【0022】
フィンガ収納部24は、正面側となる第1端面28から所定深さだけ窪み、該第1端面28と略平行に形成されると共に、該第1端面28側に対して背面側(矢印B1方向)となる位置には上下方向(高さ方向)へ窪んだ一対の係合溝30(
図8参照)が形成される。換言すれば、
図8に示されるように、フィンガ収納部24は、その背面側(矢印B1方向)において高さ方向(矢印C1、C2方向)に幅広に形成されている。そして、係合溝30は、フィンガ収納部24と同様にボディ12の長手方向に沿って後述する固定フィンガ32から長手方向両端までそれぞれ延在している。
【0023】
また、本体部20の長手方向中央には固定フィンガ32が形成される。この固定フィンガ32は、上下方向(矢印C1、C2方向)に長尺な断面略長方形状に形成され、フィンガ収納部24を長手方向(矢印A1、A2方向)に2分割するように設けられると共に、該フィンガ収納部24によって分割された上方(矢印C1方向)の第1端面28と下方(矢印C2方向)の第1端面28とを接続するように形成される。
【0024】
そして、固定フィンガ32は、第1端面28に対して若干だけ外側(矢印B2方向)へと突出し(
図6参照)、且つ、その突出部位には該第1端面28と略平行な第1取付面34を有している。この第1取付面34には、例えば、ワークを吸着するための吸着ユニットPが取付孔34aを介して取り付けられる。
【0025】
収納室26は、
図4、
図6〜
図8に示されるように、本体部20における背面側の第2端面36に対して所定深さだけ窪み、該第2端面36と略平行に形成されると共に、前記本体部20の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って一定深さで形成される。また、収納室26の外縁は、
図4に示されるように、本体部20における背面側の外壁によって覆われ、該収納室26の上方(矢印C1方向)となる外壁には、下方へと向かって突出した断面矩形状の凸部38が一組設けられ、一方、前記収納室26の下方(矢印C2方向)となる外壁には、その角部にテーパ状に膨出した隅部40がそれぞれ形成される。
【0026】
また、本体部20は、
図1〜
図8に示されるように、フィンガ収納部24と収納室26とを分離する分離壁42を有し、該分離壁42には、高さ方向略中央となる位置に一対のガイド孔44が形成される。ガイド孔44は、固定フィンガ32を中心としてそれぞれ本体部20の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って一直線状に形成され、該固定フィンガ32から本体部20の長手方向両端近傍まで延在すると共に、フィンガ収納部24と収納室26とを連通するように分離壁42を貫通して形成される。
【0027】
カバー部材22は、
図1〜
図4、
図6〜
図8に示されるように、本体部20の背面側(矢印B1方向)を全面的に覆うプレート状に形成され、その長手方向中央には、該長手方向と直交する高さ方向(矢印C1、C2方向)に延在した孔部46が形成される。孔部46は、カバー部材22の高さ方向に長尺且つ一直線状に形成され、該カバー部材22を貫通するように形成されることで本体部20の収納室26と外部とが連通している。
【0028】
そして、カバー部材22は、本体部20の背面側に装着された状態で複数の取付ボルト48によって固定されることで収納室26が覆われた状態となる。
【0029】
駆動部14は、
図1〜
図5及び
図9に示されるように、例えば、通電作用下にロッド(出力軸)58を軸方向(矢印C1、C2方向)に進退動作可能な電動アクチュエータからなる。この駆動部14は、
図9に示されるように、ハウジング50と、該ハウジング50の内部に収納されるモータ52と、前記ハウジング50の内部に回転自在に設けられる送りねじ54と、前記モータ52の駆動力を前記送りねじ54へと伝達する伝達機構56と、前記送りねじ54の回転作用下にハウジング50に沿って進退動作するロッド58と、該ロッド58の先端に連結されるエンドブロック60とを含む。
【0030】
そして、駆動部14は、
図2に示されるように、ボディ12の背面側(矢印B1方向)において、該ボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)と直交するように配置され、カバー部材22に対して図示しないボルト等によって連結されている。
【0031】
ハウジング50は、
図9に示されるように、中空状に形成された第1及び第2ボア部62、64を有し、前記第1ボア部62と前記第2ボア部64とがボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)と直交する高さ方向(矢印C1、C2方向)に沿ってそれぞれ設けられると共に、該長手方向に隣接して設けられる。そして、第1ボア部62の内部にはモータ52が収納され、第2ボア部64の内部には送りねじ54、スライダ76及びロッド58が収納される。
【0032】
また、第1及び第2ボア部62、64の上端部にはプーリカバー66が接続され、前記第1ボア部62と前記第2ボア部64とを互いに接続すると共に閉塞し、その内部には伝達機構56の一部が収納されている。
【0033】
送りねじ54は、軸方向(矢印C1、C2方向)に沿って所定長さを有した軸体からなり、その外周面にはねじが形成されると共に、第2ボア部64内で高さ方向に延在するように収納され軸受68を介して回転自在に支持されている。
【0034】
伝達機構56は、モータ52の駆動軸95に連結される駆動プーリ70と、送りねじ54の一端部に連結される従動プーリ72と、前記駆動プーリ70と従動プーリ72との間に懸架されるタイミングベルト74と、前記送りねじ54の外周に螺合されるスライダ76とを含む。
【0035】
スライダ76は、その内周面に雌ねじが形成された円筒体からなり、内部に挿通された送りねじ54のねじと螺合されると共に、他端部には円環状に形成されたロッド58が連結されている。このロッド58は、内部に送りねじ54を収納可能な管体からなり、その他端部が第2ボア部64の下端部に対して外部へ露呈するように設けられると共に、該他端部がソケット78によって塞がれている。
【0036】
エンドブロック60は断面L字状に形成され、第2ボア部64の外部に設けられ、その短尺なエンド部84がロッド58に対して略直交してソケット78及び固定ボルト82によって該ロッド58の他端部に連結されると共に、前記エンド部84の一端から略直交するように延在したサイド部86が第2ボア部64の側方となり上下方向(矢印C1、C2方向)に延在している。
【0037】
また、サイド部86には、第2ボア部64に臨む側面にガイドブロック88が設けられ、該ガイドブロック88が前記第2ボア部64の側壁に形成された凹状のガイドレール90へと係合される。これにより、前記サイド部86を含むエンドブロック60が第2ボア部64の高さ方向(矢印C1、C2方向)に沿って移動自在にガイドされる。
【0038】
さらに、サイド部86には、ガイドブロック88を有した側面とは反対側となる側面に、後述する駆動力伝達機構18を構成する連結ブロック(連結部材)92が2本のボルト94によって連結される。
【0039】
そして、モータ52への通電作用下に駆動軸95が回転することで、その回転駆動力が駆動プーリ70、タイミングベルト74及び従動プーリ72を介して送りねじ54へと伝達され、該送りねじ54が軸受68に支持された状態で回転する。これにより、送りねじ54との回転によって螺合されたスライダ76がロッド58と共に第2ボア部64に沿って軸方向(矢印C1、C2方向)へと進退動作し、エンドブロック60がガイドレール90に沿って高さ方向へ移動する。
【0040】
可動フィンガ16a〜16dは、
図1、
図3、
図5〜
図8に示されるように、例えば、固定フィンガ32と略同一形状となる断面長方形状に形成され、その長尺方向が高さ方向(矢印C1、C2方向)となるように配置されると共に、高さ方向両端には高さ方向へ突出した一対の鍔部96(
図3及び
図8参照)がそれぞれ形成される。
【0041】
そして、可動フィンガ16a〜16dは、ボディ12のフィンガ収納部24に収納されると共に、その鍔部96が上下方向(矢印C1、C2方向)となるように配置され係合溝30へとそれぞれ挿入され係合される。これにより、各可動フィンガ16a〜16dは、ボディ12のフィンガ収納部24に沿って長手方向(矢印A1、A2方向)に移動自在に保持される。
【0042】
また、4つの可動フィンガ16a〜16dのうちの2つの可動フィンガ16a、16bが、ボディ12において固定フィンガ32に対して長手方向一方側(矢印A1方向)に配置され、残りの2つの可動フィンガ16c、16dが、前記固定フィンガ32に対して長手方向他方側(矢印A2方向)に配置される。すなわち、4つの可動フィンガ16a〜16dは、固定フィンガ32を挟んで長手方向一方側(矢印A1方向)及び長手方向他方側(矢印A2方向)に同数となるように配置される。
【0043】
さらに、可動フィンガ16a〜16dは、フィンガ収納部24に収納された状態で、その正面側がボディ12の第1端面28に対して若干だけ外側(矢印B2方向)へと突出し、且つ、その突出部位には該第1端面28と略平行な第2取付面98を有している。この第2取付面98は、固定フィンガ32の第1取付面34と同一平面となるように形成され、例えば、前記固定フィンガ32と同様にワークを吸着するための吸着ユニットPが取付孔98aを介して取り付けられる。
【0044】
さらにまた、可動フィンガ16a〜16dにおける背面の中央にはピン穴100が形成され、後述する駆動力伝達機構18のフィンガピン110がそれぞれ圧入され固定される。一方、
図3及び
図5に示されるように、隣接する可動フィンガ16a、16b、可動フィンガ16c、16dに臨む側面には、該ピン穴100に対して上下方向(矢印C1、C2方向)となる位置にスプリング(弾発部材)102が挿入される一対のスプリング孔104がそれぞれ形成される。
【0045】
スプリング孔104は、隣接する一方の可動フィンガ16a(16d)の側面と、他方の可動フィンガ16b(16c)の側面に対し、前記可動フィンガ16a〜16dの移動方向(矢印A1、A2方向)に沿って所定深さでそれぞれ形成される。そして、一方の可動フィンガ16a(16d)のスプリング孔104と他方の可動フィンガ16b(16c)のスプリング孔104との間にスプリング102が設けられる。すなわち、スプリング102は、可動フィンガ16a〜16dの移動方向、すなわち、ボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って設けられる。
【0046】
スプリング102は、例えば、コイルスプリングからなり、隣接する2つの可動フィンガ16a(16d)、16b(16c)を互いに離間する方向に弾発力が付勢され、該弾発力によって隣接する可動フィンガ16a、16b(16c、16d)の間に生じるがたつきがそれぞれ防止され常に略平行な状態に維持される。
【0047】
駆動力伝達機構18は、
図2〜
図8に示されるように、駆動部14を構成するエンドブロック60に連結され連結ボルト(連結部材)106を有した連結ブロック92と、ボディ12の収納室26に収納され前記連結ボルト106と連結されるカムプレート108と、該カムプレート108の第1〜第4カム溝122、124、126、128に挿通され各可動フィンガ16a〜16dに連結されるフィンガピン110とを備える。
【0048】
連結ブロック92は、例えば、断面長方形状のブロック体からなり、エンドブロック60のサイド部86に連結され、該サイド部86に対して駆動部14のハウジング50とは反対側(矢印A1方向)に突出するように設けられる。そして、連結ブロック92の高さ方向中央には、ボディ12側(矢印B2方向)に向かって突出するように連結ボルト106が連結されている。
【0049】
また、連結ブロック92は、駆動部14がボディ12の背面に固定された状態で、カバー部材22の孔部46に臨む位置となり、連結ボルト106が前記孔部46に挿通され収納室26内へと突出している(
図6参照)。
【0050】
カムプレート108は、
図3〜
図8に示されるように、ボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って長尺な板材からなり、収納室26の長手寸法と略同一寸法、且つ、前記収納室26の高さ寸法に対して約半分となる形状で形成される。そして、カムプレート108は、収納室26内において上下方向(矢印C1、C2方向)に移動自在に収納されると共に、前記カムプレート108の側部にはそれぞれウェアリング112が設けられ、該カムプレート108が移動する際に収納室26の内壁に当接することで上下方向へと案内される。
【0051】
カムプレート108の中央には、厚さ方向に貫通したボルト孔114を介して連結ボルト106が背面側から挿通され、その先端にナット116(
図3及び
図6参照)が螺合されることで該連結ボルト106と連結される。
【0052】
また、カムプレート108の上端には、
図4に示されるように、ボディ12の凸部38が挿入可能な一対の凹部118が下方(矢印C2方向)へ窪むように形成されると共に、長手方向両端の下端には、斜めに切り欠かれた切欠部120が形成されている。
【0053】
さらに、カムプレート108には、その下端近傍から上端側へ向かって放射状に延在する4本の第1〜第4カム溝122、124、126、128を備える。2本の第1及び第2カム溝122、124が、長手方向中央となる孔部46を挟んで長手方向一方側(矢印A1方向)に形成され、2本の第3及び第4カム溝126、128が、前記孔部46を挟んで長手方向他方側(矢印A2方向)に形成される。
【0054】
また、カムプレート108において長手方向両端側となる第1及び第3カム溝122、126が、孔部46の中央を上下方向(矢印C1、C2方向)に通る仮想線Lに対して第1傾斜角度θ1でそれぞれ傾斜して形成され、且つ、該仮想線Lに対して対称形状となるように形成される。そして、第1及び第3カム溝122、126は、その上端がカムプレート108における長手方向両端の上端近傍まで延在している。
【0055】
一方、第2及び第4カム溝124、128は、仮想線Lに対して第1傾斜角度θ1より小さな第2傾斜角度θ2でそれぞれ傾斜して形成され(θ2<θ1)、且つ、該仮想線Lに対して対称形状となるように形成される。そして、第2及び第4カム溝124、128は、その上端が凹部118の長手方向内側近傍まで延在している。
【0056】
すなわち、第1及び第2カム溝122、124と第3及び第4カム溝126、128とが、カムプレート108の長手方向中央に対して対称形状となるように形成され、第1及び第3カム溝122、126が、第2及び第4カム溝124、128に対して長く形成される。
【0057】
フィンガピン110は、各可動フィンガ16a〜16dのピン穴100に固定されることで背面側(矢印B1方向)へと突出し(
図7参照)、ボディ12のガイド孔44にそれぞれ挿通されると共に、カムプレート108における第1〜第4カム溝122、124、126、128にそれぞれ挿通される。これにより、各フィンガピン110は、ガイド孔44によってボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)へのみ移動可能な状態となる。
【0058】
本発明の第1の実施の形態に係るピッチ可変装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、
図1及び
図5に示される4つの可動フィンガ16a〜16dがボディ12の長手方向中央となる固定フィンガ32側へと移動して接近したクローズ状態を初期状態として説明する。
【0059】
この初期状態では、駆動部14の駆動作用下にエンドブロック60が上方(矢印C1方向)へと移動してエンド部84が第2ボア部64の他端部に近接しており(
図2参照)、カムプレート108は、
図4及び
図6に示されるように、収納室26内で上方(矢印C1方向)に位置してフィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128の下端にそれぞれ位置した状態にある。
【0060】
そのため、各フィンガピン110が、
図4に示されるように、ボディ12の長手方向中央に集まって接近し、各フィンガピン110の連結された各可動フィンガ16a〜16dが長手方向中央となる固定フィンガ32側へと集まり、互いに接近して間隔D1(
図5参照)で配置された状態となる。
【0061】
上述した初期状態において、図示しないコントローラから駆動部14のモータ52へと制御信号を出力することで、該モータ52の駆動軸95が回転して駆動プーリ70、タイミングベルト74及び従動プーリ72へと回転駆動力が伝達され、送りねじ54が軸受68に支持された状態で回転する。
【0062】
この送りねじ54の回転に伴ってスライダ76が下降し、該スライダ76と共にロッド58が下降することでエンドブロック60のエンド部84がハウジング50から離間する方向(矢印C2方向)へと移動する。そして、エンドブロック60と共に連結ブロック92が下降することで、連結ボルト106で連結されたカムプレート108が収納室26内でウェアリング112のガイド作用下に下降していく。
【0063】
図11及び
図12に示されるように、このカムプレート108の下降に伴って、ガイド孔44に挿通された各フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってそれぞれ長手方向両端側(矢印A1、A2方向)へとそれぞれ移動し、長手方向において互いに離れていく。
【0064】
詳細には、各フィンガピン110に対し、第1〜第4カム溝122、124、126、128がその下端から上端へと移動することで、第1及び第2カム溝122、124に挿通された各フィンガピン110が固定フィンガ32に対してガイド孔44に沿って長手方向一方側(矢印A1方向)へと移動していく。この際、第1カム溝122に挿通されたフィンガピン110は、第2カム溝124に挿通されたフィンガピン110に対してさらに長手方向一方側(矢印A1方向)へ移動していく。
【0065】
一方、第3及び第4カム溝126、128に挿通された各フィンガピン110が固定フィンガ32に対してガイド孔44に沿って長手方向他方側(矢印A2方向)へと移動していく。第3カム溝126に挿通されたフィンガピン110は、第4カム溝128に挿通されたフィンガピン110に対してさらに長手方向他方側(矢印A2方向)へ移動していく。
【0066】
この際、第1及び第2カム溝122、124と第3及び第4カム溝126、128が、カムプレート108の移動方向(矢印C1、C2方向)に対して対称形状に形成されているため、各フィンガピン110の長手方向両端側(矢印A1、A2方向)への移動速度、移動距離がそれぞれ均等となる。
【0067】
そして、各フィンガピン110の移動に伴って、該フィンガピン110に連結された可動フィンガ16a〜16dも同様に固定フィンガ32から離間するように、フィンガ収納部24において互いに等間隔離れた状態を維持しつつ長手方向両端側へ向かって移動していく。
【0068】
最後に、
図11、
図12及び
図14に示されるように、駆動部14の駆動作用下にカムプレート108が収納室26内で下端まで移動し、その切欠部120が隅部40にそれぞれに臨む位置となることで、
図10、
図12及び
図13に示されるように、ボディ12の長手方向において、各可動フィンガ16a〜16d及び固定フィンガ32が間隔D2で等間隔離間して配置されたオープン状態となる。
【0069】
一方、
図10に示される上述した可動フィンガ16a〜16dのオープン状態からクローズ状態へと復帰させる場合には、図示しないコントローラからの制御信号によって駆動部14のモータ52を反対方向に回転させることで、駆動プーリ70及び従動プーリ72を介して送りねじ54が反対方向に回転し、ロッド58が第2ボア部64へと引き込まれるように移動する。これにより、エンドブロック60及び連結ブロック92がハウジング50に沿って上方(矢印C1方向)へと移動し、それに伴って、カムプレート108が収納室26内で上方へと移動する。
【0070】
そして、カムプレート108の上昇に伴って、ガイド孔44に挿通された各フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってそれぞれ固定フィンガ32側へとそれぞれ移動し、
図5に示されるように、フィンガピン110に連結された各可動フィンガ16a〜16dが互いに接近して間隔D1となったクローズ状態となる。すなわち、上述したピッチ可変装置10は、駆動部14におけるロッド58の移動方向(出力方向、矢印C1、C2方向)と可動フィンガ16a〜16dの移動方向(矢印A1、A2方向)とが直交している。
【0071】
次に、上述したピッチ可変装置10を図示しない搬送装置におけるアームの先端に取り付け、固定フィンガ32及び可動フィンガ16a〜16dに装着された各吸着ユニットPによって複数のワークの搬送を行う場合について説明する。
【0072】
先ず、
図1及び
図7に示されるピッチ可変装置10の初期状態であるクローズ状態において、固定フィンガ32及び可動フィンガ16a〜16dに設けられた吸着ユニットPによって、供給元に載置された5つのワークが吸着され把持される。この際、各ワークの間隔は、クローズ状態における固定フィンガ32及び可動フィンガ16a〜16dの間隔D1に応じたものとなる。
【0073】
次に、搬送装置がワークの供給元から供給先へと向かう該ワークの搬送途中において、駆動部14の駆動作用下に固定フィンガ32に対して4つの可動フィンガ16a〜16dがボディ12の長手方向両端に向かうように移動していくことで、各吸着ユニットPに把持された5つのワークが互いに離れるように間隔が大きくなる。そして、ピッチ可変装置10のカムプレート108が下端まで移動することで、
図10、
図12及び
図13に示されるように、固定フィンガ32及び4つの可動フィンガ16a〜16dが最大となる間隔D2で離れたオープン状態となり、5つのワークも前記間隔D2で離間した状態となる。
【0074】
そして、ピッチ可変装置10によって最大間隔で互いに離間した5つのワークを搬送装置によって供給先へと搬送した後、吸着ユニットPによる吸着状態を解除することで、供給元とは異なる間隔で5つのワークが前記供給先へと供給される。
【0075】
以上のように、第1の実施の形態では、ボディ12における収納室26の内部に、駆動部14の駆動作用下に上下方向(矢印C1、C2方向)へ移動自在なカムプレート108を備え、このカムプレート108には、その移動方向(上下方向)に対して所定角度傾斜した第1〜第4カム溝122、124、126、128を有している。また、ボディ12の長手方向(矢印A1、A2方向)に延在するガイド孔44へ挿通された4本のフィンガピン110を第1〜第4カム溝122、124、126、128にそれぞれ挿通させている。そして、フィンガピン110を、ボディ12のフィンガ収納部24に沿って長手方向へ移動自在に設けられた4つの可動フィンガ16a〜16dに対して連結している。
【0076】
その結果、ピッチ可変装置10において、複数の可動フィンガ16a〜16dと駆動部14との間に、該駆動部14からの駆動力を前記可動フィンガ16a〜16dへと伝達するカムプレート108及びフィンガピン110を設けるという簡素な構成で、モーターの駆動力を板カム及び2本のレバーを介してスライドブロックへと伝達している従来のピッチ可変装置と比較して厚さ方向(矢印B1、B2方向)に小型化できると共に製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0077】
また、隣接する可動フィンガ16a〜16dの間には、互いに離間する方向(矢印A1、A2方向)へと付勢するスプリング102を備えているため、隣接する2つの可動フィンガ16a〜16dの間のがたつきが防止され、隣接する可動フィンガ16a、16b(16c、16d)が常に略平行な状態で好適に保持される。
【0078】
さらに、カムプレート108の側部には収納室26の内壁に摺接可能なウェアリング112を備えているため、前記カムプレート108がボディ12に対して直接接触することが回避され、しかも、前記カムプレート108が収納室26内で上下方向(矢印C1、C2方向)に移動する際に好適に案内される。
【0079】
次に、第2の実施の形態に係るピッチ可変装置150を
図15〜
図21に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係るピッチ可変装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0080】
この第2の実施の形態に係るピッチ可変装置150では、複数の可動フィンガ152a〜152dをボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って案内するための一対のガイドロッド(ガイド部材)156a、156bと、スプリング(弾発部材)158をガイドするための一対のスプリング用ロッド160a、160bとを備えている点で、第1の実施の形態に係るピッチ可変装置10と相違している。
【0081】
このピッチ可変装置150は、
図15〜
図17に示されるように、ボディ154を構成する本体部162の長手方向両端にそれぞれ端壁164a、164bを備えると共に、フィンガ収納部24には一対のガイドロッド156a、156b及びスプリング用ロッド160a、160bが互いに略平行となるようにそれぞれ設けられる。
【0082】
ガイドロッド156a、156bは、フィンガ収納部24において上方及び下方に設けられ、ボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って設けられると共に、その一端が一方の端壁164aに保持され、他端が他方の端壁164bに保持されている。
【0083】
また、ガイドロッド156a、156bは、固定フィンガ166の第1取付面34に対して窪んだ第1ロッド溝168にそれぞれ挿通されると共に、複数の可動フィンガ152a〜152dに形成された第1ロッド孔170に挿通されている。第1ロッド孔170は、可動フィンガ152a〜152dの移動方向、すなわち、ボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って貫通して形成され、該可動フィンガ152a〜152dの上端及び下端近傍にそれぞれ形成される。
【0084】
そして、複数の可動フィンガ152a〜152dがボディ154のフィンガ収納部24において移動する際、第1ロッド孔170に挿通された一対のガイドロッド156a、156bに沿って長手方向(矢印A1、A2方向)へ高精度に案内される。
【0085】
スプリング用ロッド160a、160bは、フィンガ収納部24においてガイドロッド156a、156bに対してそれぞれ高さ方向中央側に設けられ、ボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って設けられると共に、その一端が一方の端壁164aに保持され、他端が他方の端壁164bに保持されている。
【0086】
また、スプリング用ロッド160a、160bは、第1取付面34に対して窪んだ固定フィンガ166の第2ロッド溝172にそれぞれ挿通されると共に、複数の可動フィンガ152a〜152dに形成された第2ロッド孔174に挿通されている。
【0087】
第2ロッド孔174は、可動フィンガ152a〜152dの移動方向、すなわち、ボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って貫通して形成され、第1ロッド孔170に対してピン穴100側となり、且つ、該ピン穴100を有した可動フィンガ152a〜152dの高さ中心に対して対称となる位置にそれぞれ形成される。また、第2ロッド孔174は、スプリング158の挿入されるスプリング孔104と同軸上に形成される。
【0088】
そして、スプリング用ロッド160a、160bには、隣接する2つの可動フィンガ152a、152b(152c、152d)の間において、その外周側にスプリング158が挿通されると共に、該スプリング158の両端部がそれぞれスプリング孔104(
図16参照)へと挿入される。すなわち、スプリング用ロッド160a、160bは、可動フィンガ152a、152b(152c、152d)の間に介装されるスプリング158をボディ154の長手方向に保持するガイド手段として用いられる。
【0089】
本発明の第2の実施の形態に係るピッチ可変装置150は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する、なお、第1実施の形態のピッチ可変装置10と同一の動作については、その詳細な説明を省略する。
【0090】
先ず、
図20及び
図21に示されるクローズ状態では、カムプレート108がボディ154内において上方(矢印C1方向)に位置し、可動フィンガ152a〜152dの間に設けられたスプリング158の弾発力に抗して4つの可動フィンガ152a〜152dがボディ154の長手方向中央となる固定フィンガ166側へと移動して接近した状態にある。なお、上述したスプリング158は、それぞれ可動フィンガ152a〜152dにおけるスプリング孔104の内部に収納されている。
【0091】
次に、駆動部14の駆動作用下にカムプレート108がボディ154内で下降することで、フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってボディ154の長手方向両端側(矢印A1、A2方向)へと移動し始め、それに伴って、
図15及び
図17に示されるように、各可動フィンガ152a〜152dが固定フィンガ166から離れるように前記長手方向両端側へと移動する。
【0092】
この際、一対のガイドロッド156a、156bによって可動フィンガ152a〜152dがボディ154の長手方向に沿って円滑且つ高精度に案内される。また、隣接する可動フィンガ152a、152b(152c、152d)の間に設けられたスプリング158によって該可動フィンガ152a、152b(152c、152d)間のがたつきがそれぞれ防止され、且つ、可動フィンガ152a〜152dの高さ中心に対して対称となるようにスプリング158が配置されているため、隣接する可動フィンガ152a〜152dが常に略平行な状態で維持される。
【0093】
そして、
図17に示されるように、駆動部14の駆動作用下にカムプレート108が収納室26内で下端まで移動することで、各可動フィンガ152a〜152d及び固定フィンガ166がボディ154の長手方向においてそれぞれ均一の間隔D2で開いたオープン状態となる。
【0094】
以上のように、第2の実施の形態では、駆動部14の駆動作用下に上下方向(矢印C1、C2方向)へ移動自在なカムプレート108をボディ154の内部に備え、このカムプレート108には、その移動方向(上下方向)に対して所定角度傾斜した第1〜第4カム溝122、124、126、128を有している。また、ボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に延在するガイド孔44へ挿通された4本のフィンガピン110を前記第1〜第4カム溝122、124、126、128にそれぞれ挿通させている。そして、フィンガピン110を、ボディ154のフィンガ収納部24に沿って長手方向へ移動自在に設けられた4つの可動フィンガ152a〜152dに対して連結している。
【0095】
その結果、ピッチ可変装置150において、複数の可動フィンガ152a〜152dと駆動部14との間に、該駆動部14からの駆動力を前記可動フィンガ152a〜152dへと伝達するカムプレート108及びフィンガピン110を設けるという簡素な構成で、モーターの駆動力を板カム及び2本のレバーを介してスライドブロックへと伝達している従来のピッチ可変装置と比較して厚さ方向(矢印B1、B2方向)に小型化できると共に製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0096】
また、ボディ154のフィンガ収納部24において、その長手方向に沿って延在する一対のガイドロッド156a、156bを設け、前記ガイドロッド156a、156bを可動フィンガ152a〜152dの第1ロッド孔170へと挿通させている。これにより、可動フィンガ152a〜152dが駆動部14の駆動作用下にボディ154の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って移動する際、前記ガイドロッド156a、156bによって長手方向へ案内することができるため、複数の可動フィンガ152a〜152dを円滑且つ高精度に動作させることが可能となる。
【0097】
さらに、ボディ154のフィンガ収納部24において、スプリング158を長手方向に沿ってガイドするためのスプリング用ロッド160a、160bを設けることで、前記スプリング158の弾発力を可動フィンガ152a〜152dに対して前記長手方向へ付与することが可能となる。そのため、隣接する可動フィンガ152a〜152d同士を常に平行に維持することが可能となり、前記可動フィンガ152a〜152dの間の間隔を高精度に管理することができる。
【0098】
次に、第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200を
図22〜
図31に示す。なお、上述した第2の実施の形態に係るピッチ可変装置150と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0099】
この第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200では、駆動部202がボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って略平行に配置されると共に、該駆動部202に連結され駆動力伝達機構206を構成するサブカムプレート(変換部材)208を備えている点で、第2の実施の形態に係るピッチ可変装置150と相違している。
【0100】
このピッチ可変装置200は、
図22〜
図27に示されるように、ボディ204と、該ボディ204の背面に装着される駆動部202と、前記ボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って移動自在に設けられる複数の可動フィンガ152a〜152dと、前記駆動部202の駆動力を前記可動フィンガ152a〜152dへと伝達する駆動力伝達機構206とを含む。
【0101】
ボディ204は、長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って長尺に形成され、可動フィンガ152a〜152dを移動自在に保持する本体部162と、該本体部162の背面側(矢印B1方向)に装着されるカバー部材22と、前記カバー部材22と共に前記本体部162の背面側を覆う箱状のケーシング210とを含む。
【0102】
駆動部202は、
図23、
図24、
図26及び
図27に示されるように、通電作用下に駆動可能な電動アクチュエータからなり、そのハウジング50がボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿うようにカバー部材22の背面に対して連結されている。そして、駆動部202は、通電作用下にロッド58がボディ204の前記長手方向に沿って進退動作する。
【0103】
なお、この駆動部202の主要な構造は、第1及び第2の実施の形態のピッチ可変装置10、150に用いられた駆動部14と略同一であり、プーリカバー66を有した一端部側がボディ204の長手方向一方側(矢印A1方向)となるように固定される。
【0104】
また、カバー部材22の背面側には、
図23及び
図26に示されるように、駆動力伝達機構206を構成するサブカムプレート208が移動自在に設けられる。このサブカムプレート208は、矩形状で板状に形成されるベース部212と、該ベース部212に対して立設した接続片214とを有している。そして、サブカムプレート208は、ベース部212がカバー部材22の背面に当接するように設けられると共に、その上端及び下端が前記カバー部材22の上端及び下端近傍に設けられた一対のガイド片216a、216bによって長手方向(矢印A1、A2方向)へ移動自在に保持される。
【0105】
ベース部212には、一対のガイド片216a、216bに保持される上端と下端との間にサブカム溝(第2のカム溝)218が形成される。このサブカム溝218は、サブカムプレート208の移動方向(矢印A1、A2方向)に対して所定角度だけ傾斜して形成され、接続片214の設けられる下端中央に対して上端が駆動部202側(矢印A1方向)、下端が前記駆動部202とは反対側(矢印A2方向)となるように形成される。そして、サブカム溝218には、カムプレート108に連結される連結ボルト106が移動自在に挿通される。
【0106】
接続片214は、ベース部212に対して略直交してカバー部材22から離間する方向(
図23及び
図28中、矢印B1方向)へと突出し、駆動部202におけるロッド58の他端部がソケット78及び固定ボルト82を介して連結される(
図27参照)。
【0107】
そして、サブカムプレート208は、駆動部202の駆動作用下にロッド58が軸方向に進退動作することで、一対のガイド片216a、216bに保持された状態でボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って移動する。
【0108】
なお、上述した駆動部202及びサブカムプレート208は、本体部162の背面側に装着されるケーシング210によって覆われる(
図23参照)。
【0109】
本発明の第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する、
【0110】
先ず、
図22及び
図25に示されるクローズ状態では、駆動部202は、
図23及び
図26に示されるように、そのロッド58の他端部が長手方向他方側(矢印A2方向)へと押し出され、それに伴って、サブカムプレート208が前記長手方向他方側へと移動した状態にあり、連結ボルト106がサブカム溝218の上端に位置している(
図28参照)。そのため、連結ボルト106に連結されたカムプレート108がボディ204内において上方(矢印C1方向)に位置し、4つの可動フィンガ152a〜152dがスプリング158の弾発力に抗してボディ204の長手方向中央となる固定フィンガ166側へと移動して接近した状態にある。
【0111】
上述した初期状態において、図示しないコントローラから駆動部202へ制御信号を入力することで、該モータ52の回転作用下にロッド58が軸方向(矢印A1方向)に移動してハウジング50内へと引き込まれていく。そして、ロッド58の移動に伴って、サブカムプレート208がガイド片216a、216bの案内作用下にボディ204の長手方向一方側(矢印A1方向)へと移動する。
【0112】
このサブカムプレート208の移動によってサブカム溝218に挿通された連結ボルト106が下降し、連結されたカムプレート108が収納室26内で下降していく。そして、
図29及び
図30に示されるように、カムプレート108の下降に伴って、ガイド孔44に挿通された各フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってそれぞれ長手方向両端側(矢印A1、A2方向)へとそれぞれ移動し、且つ、長手方向において互いに離れていく。
【0113】
そして、各フィンガピン110の移動に伴って、該フィンガピン110に連結された可動フィンガ152a〜152dも同様に固定フィンガ166から離間するようにボディ204のフィンガ収納部24において長手方向両端側へ向かって移動していく。
【0114】
最後に、
図29〜
図31に示されるように、駆動部202の駆動作用下にカムプレート108が収納室26内で下端まで移動することで、ボディ204の長手方向において、各可動フィンガ152a〜152d及び固定フィンガ166が間隔D2(
図29参照)で等間隔離間して配置されたオープン状態となる。なお、上述したピッチ可変装置200は、駆動部202におけるロッド58の移動方向(出力方向、矢印A1、A2方向)と可動フィンガ152a〜152dの移動方向(矢印A1、A2方向)とが平行となるように構成される。
【0115】
すなわち、上述したサブカムプレート208は、駆動部202のロッド58からの長手方向へ沿った出力を上下方向(矢印C1、C2方向)へと変換してカムプレート108へと伝達する出力変換手段として機能する。
【0116】
以上のように、第3の実施の形態では、駆動部202の駆動作用下にサブカムプレート208を介して上下方向(矢印C1、C2方向)へ移動自在なカムプレート108を備え、このカムプレート108には、その移動方向(上下方向)に対して所定角度傾斜した第1〜第4カム溝122、124、126、128を有している。また、ボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に延在するガイド孔44へ挿通された4本のフィンガピン110を前記第1〜第4カム溝122、124、126、128にそれぞれ挿通させている。そして、フィンガピン110を、ボディ204のフィンガ収納部24に沿って長手方向へ移動自在に設けられた4つの可動フィンガ152a〜152dに連結している。
【0117】
その結果、ピッチ可変装置200において、複数の可動フィンガ152a〜152dと駆動部202との間に、該駆動部202からの駆動力を前記可動フィンガ152a〜152dへと伝達するカムプレート108、サブカムプレート208及びフィンガピン110を設けるという簡素な構成で、ベース板に対して揺動する2本のレバーを設けていた従来のピッチ可変装置と比較し、揺動動作する部材を不要とすることで小型化を図ることができると共に、製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0118】
また、電動アクチュエータからなる駆動部202をボディ204の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って配置することで、該駆動部202がボディ204に対して高さ方向(矢印C1、C2方向)へ突出することがないため、ピッチ可変装置200の高さ寸法を小型化することが可能となる。そのため、例えば、ピッチ可変装置200を図示しない搬送装置に取り付けるにあたり高さ方向の制約がある場合に好適である。
【0119】
次に、第4の実施の形態に係るピッチ可変装置250を
図32〜
図41に示す。なお、上述した第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0120】
この第4の実施の形態に係るピッチ可変装置250では、電動アクチュエータの代わりに流体圧シリンダを駆動部254として用いている点で、第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200と相違している。
【0121】
このピッチ可変装置250は、
図32〜
図41に示されるように、ボディ252を構成するカバー部材22の背面に該ボディ252の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って駆動部254が装着され、該駆動部254は、例えば、流体の供給作用下にピストン256及びピストンロッド(出力軸)258が軸方向に進退動作する流体圧シリンダからなる。
【0122】
駆動部254は、
図36及び
図38に示されるように、カバー部材22に固定される筒状のシリンダチューブ260と、該シリンダチューブ260のシリンダ室262に沿って変位自在に設けられるピストン256と、該ピストン256の一端中央から軸方向(矢印A1、A2方向)に延在するピストンロッド258とを備え、前記シリンダチューブ260に形成された一対のポート264a、264bが、ピストン256によって分割されるシリンダ室262とそれぞれ連通している。そして、駆動部254は、そのピストン256及びピストンロッド258の軸方向がボディ252の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿うように固定されている。
【0123】
また、シリンダチューブ260の開口した端部にはロッドカバー266が装着され閉塞されると共に、前記ロッドカバー266の中央に挿通されたピストンロッド258の先端が外部へと露出してサブカムプレート(変換部材)268の接続片270とボルト272を介して連結されている。この接続片270は、サブカムプレート268において駆動部254側(矢印A2方向)となる端部近傍に設けられている(
図36参照)。
【0124】
そして、ポート264a、264bのいずれか一方を通じてシリンダチューブ260のシリンダ室262へと流体が供給されることで、ピストン256及びピストンロッド258が軸方向(矢印A1、A2方向)に移動し、サブカムプレート268がボディ252の長手方向に沿って一体的に移動する。
【0125】
本発明の第4の実施の形態に係るピッチ可変装置250は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する、
【0126】
先ず、
図32、
図35〜
図37に示されるクローズ状態では、駆動部254は、ピストンロッド258がシリンダチューブ260の内部へと引き込まれ、それに伴って、サブカムプレート268が長手方向他方側(矢印A2方向)へと移動した状態にあり、連結ボルト106がサブカム溝218の上端に位置している(
図36参照)。
【0127】
そのため、連結ボルト106に連結されたカムプレート108がボディ252内において上方(矢印C1方向)に位置し、
図35に示されるように4つの可動フィンガ152a〜152dが、スプリング158の弾発力に抗してボディ252の長手方向中央となる固定フィンガ166側へと移動して接近した状態にある。
【0128】
上述した初期状態において、図示しない流体供給源から一方のポート264aを通じてシリンダ室262へと流体を供給することで、ピストン256がロッドカバー266側(長手方向一方側)へ付勢され、ピストンロッド258が一体的に移動することでサブカムプレート268がガイド片216a、216bの案内作用下にボディ252の長手方向一方側(矢印A1方向)へと移動する。
【0129】
このサブカムプレート268の移動によってサブカム溝218に挿通された連結ボルト106が孔部46に沿って下降し、連結されたカムプレート108が収納室26内で下降していく。そして、カムプレート108の下降に伴って、ガイド孔44に挿通された各フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってそれぞれ長手方向両端側(矢印A1、A2方向)へとそれぞれ移動し、且つ、長手方向において互いに離れていく。
【0130】
そして、各フィンガピン110の移動に伴って、
図39及び
図40に示されるように、該フィンガピン110に連結された可動フィンガ152a〜152dも同様に固定フィンガ166から離間するようにボディ252のフィンガ収納部24において長手方向両端側(矢印A1、A2方向)へ向かって移動していく。
【0131】
最後に、
図39及び
図41に示されるように、駆動部254の駆動作用下にカムプレート108が収納室26内で下端まで移動することで、ボディ252の長手方向において、各可動フィンガ152a〜152d及び固定フィンガ166が間隔D2(
図39参照)で等間隔離間して配置されたオープン状態となる。
【0132】
一方、上述した可動フィンガ152a〜152dのオープン状態からクローズ状態へと復帰させる場合には、駆動部254に対して前記とは反対となる他方のポート264bへと流体を供給する。これにより、ピストン256及びピストンロッド258が、ボディ252の長手方向他方側(矢印A2方向)へと移動してシリンダチューブ260内へと引き込まれていき、それに伴って、サブカムプレート268がボディ252に沿って長手方向他方側(矢印A2方向)へと移動する。これにより、サブカム溝218に挿通された連結ボルト106が上昇し、カムプレート108が収納室26内で上方(矢印C1方向)へと移動する。
【0133】
そして、カムプレート108の上昇に伴って、ガイド孔44に挿通された各フィンガピン110が第1〜第4カム溝122、124、126、128によってそれぞれ固定フィンガ166側へとそれぞれ移動し、
図35に示されるように互いに接近して間隔D1となったクローズ状態となる。すなわち、上述したピッチ可変装置250は、駆動部254におけるピストンロッド258の移動方向(出力方向、矢印A1、A2方向)と可動フィンガ152a〜152dの移動方向(矢印A1、A2方向)とが平行となるように構成されている。
【0134】
なお、上述したサブカムプレート268は、駆動部254のピストンロッド258からの長手方向へ沿った出力を上下方向(矢印C1、C2方向)へと変換してカムプレート108へと伝達する出力変換手段として機能する。
【0135】
以上のように、第4の実施の形態では、駆動部254の駆動作用下にサブカムプレート268を介して上下方向(矢印C1、C2方向)へ移動自在なカムプレート108を備え、このカムプレート108には、その移動方向(上下方向)に対して所定角度傾斜した第1〜第4カム溝122、124、126、128を有している。また、ボディ252の長手方向(矢印A1、A2方向)に延在するガイド孔44へ挿通された4本のフィンガピン110を前記第1〜第4カム溝122、124、126、128にそれぞれ挿通させている。そして、フィンガピン110を、ボディ252のフィンガ収納部24に沿って長手方向へ移動自在に設けられた4つの可動フィンガ152a〜152dに連結している。
【0136】
その結果、ピッチ可変装置250において、複数の可動フィンガ152a〜152dと駆動部254との間に、該駆動部254からの駆動力を前記可動フィンガ152a〜152dへと伝達するカムプレート108、サブカムプレート268及びフィンガピン110を設けるという簡素な構成で、ベース板に対して揺動する2本のレバーを設けている従来のピッチ可変装置と比較し、揺動動作する部材を不要とすることで小型化できると共に、製造コストの削減を図ることが可能となる。
【0137】
また、流体圧シリンダからなる駆動部254をボディ252の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って配置することで、該駆動部254がボディ252に対して高さ方向(矢印C1、C2方向)へ突出することがないため、ピッチ可変装置250の高さ寸法を小型化することが可能となる。そのため、例えば、ピッチ可変装置250を図示しない搬送装置に対して取り付けるにあたり高さ方向の制約がある場合に好適である。
【0138】
さらに、駆動部254として流体圧シリンダを用いることで、電動アクチュエータを駆動部202として用いた第3の実施の形態に係るピッチ可変装置200と比較し、厚さ方向(矢印B1、B2方向)に小型化を図ることができる。
【0139】
次に、複数の可動フィンガ152a〜152dのオープン状態における間隔を調整可能なストッパ機構を備えたピッチ可変装置280、300、310について説明する。なお、上述した第4の実施の形態に係るピッチ可変装置250と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0140】
先ず、第1変形例に係るピッチ可変装置280は、
図42及び
図43に示されるように、カバー部材22の背面においてサブカムプレート268の移動方向(矢印A1、A2方向)に対峙する第1ストッパ機構282を備える。第1ストッパ機構282は、例えば、ボディ252の長手方向一方側(矢印A1方向)に設けられ、カバー部材22の背面に対して固定されたホルダ284と、該ホルダ284に対して螺合されるストッパピン(ストッパ部材)286と、該ストッパピン286の進退動作を規制するロックナット288をと含む。
【0141】
ホルダ284は、カバー部材22の背面に対して略直角に設けられ、且つ、駆動部254におけるピストンロッド258の軸線上となる位置に設けられる。そして、ホルダ284の中心には、ボディ252の長手方向(矢印A1、A2方向)に沿って貫通したねじ孔290が形成され、ストッパピン286が螺合されている。
【0142】
ストッパピン286は、その外周面にねじが形成された軸体からなり、ホルダ284のねじ孔290に螺合され、該ホルダ284に対して螺回させることで軸方向(矢印A1、A2方向)に進退自在に設けられると共に、駆動部254を構成するピストンロッド258と同軸状に形成される。すなわち、ストッパピン286は、サブカムプレート268に対して接近・離間可能に設けられている。
【0143】
ロックナット288は、ストッパピン286に対して螺合され、ホルダ284に対してボディ252の長手方向一方側(矢印A1方向)となるように設けられる。そして、ロックナット288がホルダ284の側面に当接することでホルダ284に対するストッパピン286の螺回が規制される。
【0144】
一方、サブカムプレート268には、接続片270と略平行なストッパブロック292が形成される。このストッパブロック292は、ベース部212に対して略直交し、接続片270と同一方向へ突出すると共に、該ベース部212の長手方向一方側(矢印A1方向)に設けられる。また、ストッパブロック292は、サブカムプレート268の移動方向において、前記接続片270と一直線状となる位置に形成され、第1ストッパ機構282のストッパピン286の先端に臨むように配置される。
【0145】
次に、複数の可動フィンガ152a〜152dのオープン状態における間隔を調整する場合について説明する。先ず、
図42に示されるクローズ状態(初期状態)において、第1ストッパ機構282のストッパピン286を螺回し、前記可動フィンガ152a〜152dのオープン状態におけるサブカムプレート268の位置よりもストッパピン286の先端が駆動部254側(矢印A2方向)となるように移動させる。そして、ストッパピン286のさらなる回転を防止するために、ロックナット288を螺回させホルダ284に対して当接させる。
【0146】
上述したようにストッパピン286が軸方向に位置決めされ固定された状態で、駆動部254の駆動作用下にサブカムプレート268が第1ストッパ機構282側(矢印A1方向)へと移動することで、そのストッパブロック292がストッパピン286の先端に対して接触することで移動が規制される。すなわち、サブカムプレート268は、可動フィンガ152a〜152dが全開となる最大の間隔での移動位置E(
図43参照)に対し、所定距離だけ手前側(矢印A2方向)となる位置で停止することとなる。
【0147】
そのため、
図43に示されるように、サブカムプレート268の長手方向一方(矢印A1方向)への移動が規制されることでカムプレート108の下降動作が途中で停止することとなり、フィンガピン110もカムプレート108における第1〜第4カム溝122、124、126、128の上端と下端との間で止まった状態となる。
【0148】
その結果、複数の可動フィンガ152a〜152dは、クローズ状態から全開となる最大の間隔D2で開くことがなく、該間隔D2よりも小さな間隔D3で互いに等間隔で離れたオープン状態となる(D3<D2)。
【0149】
このように、第1ストッパ機構282におけるストッパピン286を軸方向に進退動作させ、サブカムプレート268が移動した際の移動距離(移動位置)を調整可能とすることで、オープン状態における可動フィンガ152a〜152dの間隔を自在に調整することが可能となる。
【0150】
また、上述した第1ストッパ機構282のように、ボディ252の背面側にストッパ機構を設けサブカムプレート268の移動量を規制する場合に限定されるものではなく、例えば、
図44及び
図45に示される第2変形例に係るピッチ可変装置300のように、可動フィンガ152a〜152dの長手方向に沿った移動を直接規制可能な第2ストッパ機構302を設けるようにしてもよい。
【0151】
このピッチ可変装置300では、例えば、ボディ252を構成する本体部162の長手方向他方側となる端壁164bに対し、長手方向に貫通したねじ孔304を形成し、該ねじ孔304に対してストッパピン(ストッパ部材)306が進退自在に螺合されると共に、前記ストッパピン306に螺合されたロックナット308を端壁164bに対して外側(矢印A2方向)となるように配置している。
【0152】
ストッパピン306は、端壁164bに対して可動フィンガ152a〜152dの収納されたフィンガ収納部24側(矢印A1方向)へと突出するように設けられると共に、その螺回作用下にボディ252の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
【0153】
この構成によれば、
図44に示されクローズ状態にある複数の可動フィンガ152a〜152dが駆動部254の駆動作用下に長手方向両端側へ向かって移動する際、
図45に示されるように、第2ストッパ機構302のストッパピン306に臨む可動フィンガ152cが該ストッパピン306の先端に接触することでさらなる移動が規制される。そして、可動フィンガ152cがストッパピン306と接触することで、該可動フィンガ152cの挿通されたカムプレート108の下方への移動も規制されるため、前記可動フィンガ152c以外となる3つの可動フィンガ152a、152b、152dの移動も同時に規制されて停止する。
【0154】
その結果、複数の可動フィンガ152a〜152dは、クローズ状態から全開となる最大の間隔D2で開くことがなく、該間隔D2よりも小さな間隔D4で互いに離れたオープン状態となる(D4<D2)。
【0155】
このように、第2ストッパ機構302におけるストッパピン306を軸方向に進退動作させ、該可動フィンガ152cをストッパピン306に対して接触させることで、可動フィンガ152a〜152dが移動する際の移動距離(移動位置)を調整することが可能となるため、オープン状態における可動フィンガ152a〜152dの間隔を自在に調整することが可能となる。
【0156】
また、
図46〜
図48に示される第3変形例に係るピッチ可変装置310では、カバー部材22の背面においてサブカムプレート268の移動方向(矢印A1方向)に対峙する第3ストッパ機構312を備え、該第3ストッパ機構312を流体の供給作用下に駆動するシリンダ装置314から構成している。なお、第3ストッパ機構312を構成するシリンダ装置314は、第4の実施の形態における駆動部254と同一の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0157】
この第3ストッパ機構312を構成するシリンダ装置314は、サブカムプレート268のストッパブロック292に臨み、且つ、そのピストンロッド(ストッパ部材)316が、駆動部254を構成するピストンロッド258と同軸状となるように設けられている。
【0158】
また、シリンダ装置314は、
図46に示されるピストンロッド316がボディ252の長手方向一方側(矢印A1方向)へと移動した引き込み位置において、ピストンロッド316の先端がサブカムプレート268と接触することがないように配置され、
図48に示される前記ピストンロッド316が長手方向他方側(矢印A2方向)へと移動した押し出し位置では、前記サブカムプレート268と接触可能に設けられている。
【0159】
そして、複数の可動フィンガ152a〜152dのオープン状態における間隔を調整する場合、
図46に示されるクローズ状態(初期状態)において、シリンダ装置314における一方のポート318aに対して流体を供給してピストンロッド316をサブカムプレート268側(矢印A2方向)へ向かって押し出した押し出し位置とする(
図48参照)。
【0160】
これにより、
図47に示されるように、駆動部254の駆動作用下にサブカムプレート268がシリンダ装置314側(矢印A1方向)へと移動した際、ピストンロッド316の先端が接触することでサブカムプレート268のさらなる移動が規制される。その結果、カムプレート108の下降が途中で停止することとなり、フィンガピン110もカムプレート108における第1〜第4カム溝122、124、126、128の上端と下端との間で止まった状態となる。その結果、複数の可動フィンガ152a〜152dは、クローズ状態から全開となる最大の間隔D2で開くことがなく、該間隔D2よりも小さな間隔D5で互いに離れたオープン状態となる(D5<D2)。
【0161】
また、
図48に示されるように、他方のポート318bへの流体の供給作用下にシリンダ装置314を引き込み位置とすることで、サブカムプレート268が該シリンダ装置314側へと移動した際にピストンロッド316の先端と接触することがない。そのため、サブカムプレート268がボディ252に沿って所望の位置まで移動し、それに伴って、カムプレート108が収納室26の下端まで移動することで複数の可動フィンガ152a〜152dが全開となる最大の間隔D2で開いたオープン状態とすることができる。
【0162】
このように、第3ストッパ機構312を備えるピッチ可変装置310において、シリンダ装置314に対する流体の供給作用下にピストンロッド316を変位させ、サブカムプレート268の長手方向への移動を規制可能な押し出し位置(規制状態)と、該サブカムプレート268の移動を妨げることのない引き込み位置(非規制状態)とを自在に切り換えることができる。
【0163】
その結果、可動フィンガ152a〜152dを、カムプレート108が下端まで移動して全開で開いたオープン状態、該カムプレート108が途中で停止して該クローズ状態とオープン状態との間となる中間オープン状態とを第3ストッパ機構312によって流体の供給によって自在に切り換えることが可能となる。これにより、ピッチ可変装置310を用いて複数のワークを搬送する際、異なる2つの間隔D2、D5で前記ワークを供給先へと供給することが可能となる。
【0164】
なお、本発明に係るピッチ可変装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。