(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-98263(P2021-98263A)
(43)【公開日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】オープンエンドレンチ
(51)【国際特許分類】
B25B 21/00 20060101AFI20210604BHJP
【FI】
B25B21/00 H
B25B21/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-240166(P2019-240166)
(22)【出願日】2019年12月19日
(71)【出願人】
【識別番号】520017018
【氏名又は名称】遠藤 洋二
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 洋二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オープンソケットの軸心をナットの軸心に正確に合致させ、確実に把持して高速回転で且つ軽量コンパクトなオープンエンドレンチを提供する。
【解決手段】動力源で回転されるドライブスプロケット4に咬合するチェーン2が内側チェーンガイド6aと外側チェーンガイド6b、6cで形成するチェーンだまり部6dを備える循環通路に沿ってアイドラー3を経由し、オープンソケット9を構成するオープンスプロケット1の開口部を挟んで対峙する歯に橋架するチェーン2のローラー又はブッシュ2bが歯に乗り上げずに嵌合して回転させ、更にオープンソケット9の開口部と該開口部のナット挟持面の位相をW程ずらし、開口部に隣接する6角ナット頂点部を誘導面Xに導かれ移動させる開口部13を形成し、オープンエンドレンチ作動中にナットの軸心12がオープンソケット9の軸心10から離脱せずにナットを掴持しながらオープンソケット9を回転させる。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状部材に挿通されたナットの側方から直接接近して、該ナットを連続回転させ、締め付けや緩めるため、ヘッド先端部分に径方向に開口を有する顎部と、径方向に挿入溝を有したオープンソケットを構成するオープンスプロケットと重合するオープンロータリーヘッドを軸支し、チェーン伝達を回転手段として正逆回転自在のオープンソケットを備えるオープンエンドレンチであつて、
前記オープンスプロケットの開口部をはさみ、対峙した直線で橋架するチェーンのローラー又はブッシュ中心間のピッチ直線距離と直線以外の円周のピッチ円直径上の距離が該オープンスプロケットを一周させた距離と該オープンスプロケットを一回転させた場合に対峙した歯とチェーンにずれが生じないピッチ円直径に形成し、任意の回転駆動源によってドライブスプロケットを回転させアイドラーを介してチェーンガイドに導かれたエンドレスなチェーンを循環させオープンソケットの作動を得るようにしたことを特徴とするオープンエンドレンチ。
【請求項2】
オープンソケットのナット挿入のための開口部とナット挟持面の位相を正逆に約8°程度ずらし連続回転中のナットを軸心に誘導してナットを掴持し続けさせる形状を有することを特徴とするオープンエンドレンチ。
【請求項3】
チェーン循環機構において巻掛けしたチェーンの外周全面と内周全面をチェーンガイドでチェーン循環通路を形成し、該チェーンガイドを両側から挟み込み、循環チェーンの両側面の全面をガードしたチェーンの循環通路となる空間を形成したことを特徴とするオープンエンドレンチ。
【請求項4】
前記チェーンガイドはスプロケット歯に噛み合ったチェーンをスプロケット歯から離脱させるためにスプロケット歯のみが通過する溝を有することを特徴とするオープンエンドレンチ。
【請求項5】
また、前記チェーンガイドはチェーンがドライブスプロケットから離脱した後のチェーンのゆるみ状態となるチェーンの待ち受けるスペースとしてチェーンだまり部をアイドラーとの間に設ける。当該チェーンだまり部の縦幅はチェーンプレートの長さに達しない範囲とし、チェーンが程よくつづら折り状態になる緩やかに膨らんだ形状のチェーンだまり部を備えたことを特徴とするオープンエンドレンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロッド等に外挿され螺合しているナットの締め付けや緩め作業のために回転するオープンエンドレンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナットの締め付けや緩め作業を行なうオープンエンドレンチのオープンソケットの回転の手段として平歯車の組み合わせで行なっている、例えば特許文献1、2、3、4、5及び6が知られているがこの方法は両側に配置した平歯車によって駆動され片方の平歯車が開口部を通過しているとき、もう一方の平歯車が伝達を担うためオープンソケットは回転が途切れることがないが構造的に剛性が必要でヘッド部分も厚くなり装置が大型となり移動性に課題を有している。
【0003】
また、ベルト式でナットを回転させる方法、例えば特許文献7及び8が知られているがナットに直接横から押し付けながらの作業方法となり、ナットの回転トルクはベルトの摩擦力に頼るのでベルトやナットにオイル等の付着が生じている場合の滑りを考慮すると十分な回転力が得られるか課題を有している。
【0004】
また、ローラー方式例えば特許文献12が知られているがレンチのヘッドの歯車と出力歯車がほぼ同じ大きさのものを用いなければならないためレンチヘッドの歯車と同じ回転力が必要となり、弱い動力源では回転力不足となる可能性が残り、ヘッド部分も厚くなり重量も増す結果になる。
【0005】
また、ウォームギアやラックによりオープンソケットを回転させる方法、例えば特許文献13、14、15及び16が知られているが、連続高速回転に課題を有している。
【0006】
チェーンによるオープンソケット回転手段として、例えば特許文献9、10及び11で知られているがオープンスプロケットを使用する場合、オープンスプロケットの開口部が広くなるほど、開口部で対峙した歯とチェーンのローラー又はブッシュとの噛合にずれが生じ、噛み合いが悪くなる。この現象は円周、つまり円でスプロケット歯に咬合していたチェーンが開口部では直線となり噛み合いに差が生じるからである。噛み合いの差、すなわち、チェーンのずれは対峙する反対側の歯に乗り上げることになり、次々と乗り上げ、はじめに噛み合っていた側のオープンスプロケットの歯から解放されるまで継続し、解放した瞬間に乗り上げていたチェーンがずれ落ちて咬合しオープンスプロケットの回転を続けるが、このときオープンスプロケットの回転に変化が生じスムーズな回転にならない。また、チェーン及びスプロケットの耐久性に悪影響をおよぼす結果となる。
【0007】
巻掛けされたチェーンが何らかの要因で弛んだ場合や整備作業等でチェーンのスプロケットからの脱落を防止するためのガード及びテンショナー等を構成したもの、例えば特許文献17、18、19及び20などが知られているがチェーンの水平、垂直の巻掛けに限らず自在に傾けて使用するオープンエンドレンチにおいて、部分的なチェーンガイド又はテンショナーの張力にたよりスプロケットからのチェーンの脱落を防止する方法に課題を有している。
【0008】
配管等に外挿され螺合しているナットを締め付けや緩め作業を手持ち式オープンエンドレンチで行なおうとするときにオープンソケットのナット挟持面に該ナットを挿入して高速回転させると、強い力でオープンエンドレンチをナット側方に押し付けていないとオープンソケットの回転軸心と該ナットの回転軸心が離れてナットがオープンソケットから押し出され、オープンエンドレンチの振れやヘッド先端部分の開口部にナットが挟まりオープンソケットの回転停止や破損等の悪影響の原因となる可能性がある。
このため、オープンソケットの開口部を狭くして、ナットに直接アクセスではなく、ナットを支えるパイプやホース等の側方からアクセスし、軸方向からオープンソケットにナットを係合し、該ナットを挟持して回転させる方法、例えば特許文献9、10、11、21及び23などが知られているがソケットの開口部と該ナットの挟持面を合わせる手間がかかることになる。
また、ソケット部分のナットを挟持する面、及び掴持部分の形状を種々に形成した、例えば特許文献22、24、28及び29などが知られているが連続高速回転のためのレンチソケット部の軸心とナットの回転軸心を完全に一致させナットのソケットの挟持面への誘導やソケット部からナットの飛び出しを防ぐ目的のものでない。
更にまた、オープンソケット部分にナットを挟持させる装置、例えば特許文献5、6、25、26及び27などが知られているが軸心は一致して連続高速回転が可能であるが構造が複雑で、ナット径に比較するとオープンソケットの外径が大きくなり、ヘッド部分も厚くなり重量も増すため手持式オープンエンドレンチには課題を有している。
【先行技術文献】
【0009】
【特許文献1】特開 昭63―062681
【特許文献2】特開 昭52−022199
【特許文献3】特開 昭52−153300
【特許文献4】実開 平02−027856
【特許文献5】特開 2000−280182
【特許文献6】特開 2001−232575
【特許文献7】特開 昭57−054041
【特許文献8】実全 昭61−035752
【特許文献9】特開 平05−069343
【特許文献10】特開 平08−019968
【特許文献11】特開 2000−317853
【特許文献12】特開 2011−140086
【特許文献13】特開 昭52−069097
【特許文献14】特開 平05−008181
【特許文献15】特開 平07−112373
【特許文献16】特開 2002−200569
【特許文献17】実全 昭60−097692
【特許文献18】実全 昭61−038355
【特許文献19】実全 平03−059436
【特許文献20】特開 2018−173097
【特許文献21】実開 昭56−048470
【特許文献22】特開 2007−283427
【特許文献23】特開 平07−186059
【特許文献24】特開 平05−305575
【特許文献25】特開2000−280180
【特許文献26】特開2004−017907
【特許文献27】特開2012−162266
【特許文献28】実登3166546
【特許文献29】特開2000−263455
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はオープンエンドレンチのオープンヘッド部分に軸支されているオープンソケットを回転させるオープンスプロケットの噛み合いの精度を高め、係る作業の効率化を図るため、オープンエンドレンチの軽量化と移動性を高め、低コストのオープンエンドレンチを提供しようとするものである。
【0011】
前記オープンエンドレンチの回転部を成すオープンソケットはオープンロータリーヘッドとオープンスプロケットで構成しオープンスプロケットをチェーンで伝達回転駆動する。一般にチェーンとスプロケットは規格化されており、スプロケットはチェーンとセットで汎用されている。このスプロケットをオープンスプロケットとして使用しようとして、例えばナットの幅やナットを支えるパイプの径に合わせ
図5に示すように開口部としてDを切除し開口部Eを形成したスプロケットAにチェーン2を橋架すると、円周部分のスプロケット歯Fが切り取られた訳であるからチェーン2の張りは直線Iとなり、対峙した片方の歯とチェーンローラー又はブッシュ26の噛み合いがKからLにずれて一致しなくなり
図2(a)に示す様に次々とチェーン2がオープンスプロケット1の歯に乗り上げることになり、安定したオープンソケットの回転とならない。
【0012】
スプロケットをチェーンで伝達回転駆動する場合、チェーンのスプロケットへの噛み合いやチェーン離れのためにテンショナーが一般的に用いられており、テンショナーを用いない場合は
図2(b)の矢視S、T及びUで示す様に回転作動中にチェーン2がチェーンガイド6a、6b及び6c、とスプロケット1の歯との間にくい込み回転不能となることがある。
【0013】
循環するチェーンが
図2(c)に示す様にオープンスプロケットの開口部に位置しているとき、弛んだチェーン2をチェーンだまり部6dで待機させるがチェーンだまり部の縦寸法Pがチェーンプレート2aの寸法Oを超えると、後続のチェーンが矢視Qのように前のチェーンリンクを追い越しチェーンリンクどうしが重なりチェーン詰まりになり回転不能となることがある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のオープンエンドレンチはヘッド先端部分の開口部と重合するナットの側方から直接挿入可能なオープンソケットを備え、該オープンソケットをオープンロータリーヘッドとオープンスプロケットで形成し、オープンロータリーヘッド外周を開口部のあるヘッド部分が軸支し、オープンスプロケットを任意の回転駆動源によってドライブスプロケットからチェーン伝達駆動により該オープンソケットを回転作動させるオープンエンドレンチにおいて、オープンスプロケットの歯を該オープンスプロケットに架かるチェーンとずれがなく咬合させるため該オープンスプロケットの開口部で
図6に示す対峙する歯に架かるチェーンのローラー又はブッシュの中心位置J及びLが直線となる距離Iの位置にするとともに、該オープンスプロケットの開口部以外の円周の歯については、該オープンスプロケットが一回転した場合に噛み合いがずれないピッチ円直径にすることで
図3に示すようにスムーズなオープンスプロケットの回転を得るようにする。
すなわち、ピッチ円直径は前記[0011]に示す汎用のスプロケットを用いた場合に生じる直線となって橋架するチェーンのローラー又はブッシュ間の距離と該汎用スプロケットの円周の歯のピッチ円直径上の切除した距離の、ずれに相当する距離の分、円周のピッチ円直径上の距離を増加することであり、結果、本発明のオープンスプロケットの歯の部分のピッチ円直径は僅かに増大することになる。 (請求項 1)
【0015】
オープンエンドレンチのヘッド先端部分に軸支するオープンソケットのナット挟持面の位相を該オープンソケット開口部と若干ずらした位相に挟持させ、該オープンソケットを回転することでナットを挟持面に誘導し、確実にオープンソケットに挟持し該オープンソケット作動中はナット回転軸心がオープンソケットの回転軸心と一致しナットが開口部から押し出されることがなく回転中に掴持し続け、連続した高速回転が可能となる。
(請求項 2)
【0016】
チェーンの確実なスプロケットとの噛み合いと、循環機構からの飛び出しや脱落を防止するため、チェーン循環機構において循環するエンドレスなチェーン外周全面と内周全面をチェーンガイドで囲み、且つチェーンとチェーンガイドとのクリアランスを制限して各スプロケットの噛み合う外周の位置においてチェーンを強制的に噛み合せるために外周はチェーンとの間隙を抑制して、正逆回転切り替え時など、チェーンが弛んだ場合に於いても確実にスプロケットに噛み合うようにする。
また、チェーン側面においてチェーンのねじれや、はみ出しを制御するためのチェーン全側面をハウジングに挟まれた通路形態の空間を形成し該空間にチェーンを循環させる。 (請求項 3)
【0017】
前記チェーンガイドはチェーンが噛み合っていたスプロケットから離脱する時、チェーン離れが良くない場合や、正逆回転の切り替え時などのバックラッシュや弛みが原因でガイドの縁にチェーンローラー又はブッシュがくい込みチェーンのロック状態になるのを避けるため、チェーンをすくい上げてチェーン通路に誘導するようにスプロケット歯のみが通るチェーン分離用の溝を備える形状とする。 (請求項 4)
【0018】
また前記チェーンガイドは循環するチェーンがドライブスプロケットを通過後の弛みや、オープンスプロケットの開口部に位置しているときに生じるチェーンの弛みや、たるんだ状態のチェーンを待機させるスペースとして、チェーンガイドの形状で形成するチェーンだまり部をアイドラーとの間に設ける。 (請求項 5)
【0019】
前記チェーンだまり部のスペースの形状はゆるやかで且つ、やや膨らんだチェーン通路形態とする。また、この通路の縦幅はチェーンプレートの長さに達しない範囲とし循環するチェーンがオープンスプロケットの開口部に架かり弛んだ遊び状態にあっても十分なスペースで待機チェーンが程よく、つづら折り状態になる形状とする。
【0020】
前記チェーンガイドによるチェーン通路を備えることでチェーン張力機構としてのテンショナーは導入しない。
【発明の効果】
【0021】
チェーン駆動のオープンスプロケットの導入によりオープンソケット回転方式のオープンエンドレンチのヘッド部分の肉厚を薄くでき、またヘッド部分の回転機構の単純化によってコンパクトで軽量になり取扱が向上する。
【0022】
オープンソケットのナットの掴みが確実となりナットの側方への押し付けに配慮する必要がなくなり、楽に作業ができる。
また、ヘッド部分をコンパクトにできることで開口部を汎用のオープンエンドレンチのように傾けることができ、作業が容易になる。
更にまた、オープンソケットのソケット部分の長さを延長することでヘッド部分の入らない狭いスペースの作業も可能となる。
【0023】
本発明のオープンエンドレンチのオープンソケットとチェーンの使用により、ドライブスプロケットの回転トルクに比べナットの締め付けトルクを大きくできるので回転トルクの小さな電動工具の使用が可能となる。
【0024】
オープンソケットとドライブスプロケットの軸間距離を離すことができるので一般に使用されているレンチやスパナのハンドルを回すスペースが無い狭い場所でもオープンエンドレンチのヘッド部分又はオープンソケット部分が挿入できるスペースがあれば効果的に作業が可能となる。
【0025】
広範に使用されている手持ち電動回転工具、例えばインパクトドライバーやドライバードリル等との併用や電動動力内蔵方式により、係るこの種の作業を迅速に行なうことが可能となる。
【0026】
シンプルな構造により軽量で部品数が少ないため、制作コストを削減でき、本オープンエンドレンチの整備性や移動性が向上し、維持費の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】 本発明の要部の模式図である。(a)は上面図である。(b)は循環するチェーンの状態を示した要部の断面図である。
【
図2】 本発明の実施前の各不具合の状態の説明図である。(a)はオープンスプロケットの開口部に橋架するチェーンの噛み合いの状態を示す。(b)はチェーンがチェーンガイドに咬み込む状態を示す。(c)はチェーンだまり部にチェーンがロックする状態を示す。
【
図3】 本発明の実施後のオープンスプロケットとチェーンの噛み合う状態を示している。
【
図4】 本発明のオープンソケットがナットを挟持する状態を示す平面図である。(a)はオープンソケットの開口部の面とナット挟持面の関係を示す。(b)は(a)を更に説明する図である。
【
図5】 本発明を実施しようとするオープンスプロケットの不具合の状態を説明する図である。
【
図6】 本発明を実施した場合のオープンスプロケットの説明図である。
【
図7】 オープンソケットの構成を示す斜視図である。
【
図8】 本発明の実施状態の要部の模式図と部分断面図である。
【
図9】 本発明のオープンエンドレンチの要部断面図である。(a)はA−A断面である。(b)はB−B断面である。
【
図10】 本発明のオープンエンドレンチを使用する場合の任意の組み合わせの可能性を示す参考のための外観斜視図である。
【
図12】 本発明のオープンエンドレンチと電動回転工具と併用した場合の使用状態の図である。
【
図13】 本発明を実施したもう一つの使用状態の図である。
【
図14】 本発明を実施した更にもう一つの使用状態とその分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のオープンエンドレンチは手持ち式のものである。以下図面に基づいて実施の形態を説明する。
【0029】
8図に示すオープンエンドレンチ7はヘッド先端部分に軸状部材に挿通されたナット11に側方から直接、径方向に挿入及び離脱可能な開口部13を形成して、オープンソケット9を内装する。該オープンソケット9はナット11に側方から挿入及び離脱可能な開口部を形成し
図7に示すオープンロータリーヘッド8と重合するオープンスプロケット1をオープンロータリーヘッド8で挟み緊結し、該オープンロータリーヘッド8の外周を8図に示すヘッド部分5が軸支し、オープンスプロケット1に装架したチェーン2とドライブスプロケット4を備え、該ドライブスプロケット4を駆動する回転駆動源による正逆回転を伝達するためのアイドラー3備えナット11を回転する。
【0030】
そして、オープンソケット9のナット挟持面Rはナット11挿入のための開口部とナット11の挟持面となる位相を
図4(a)のWに示すように、ずれ角として正逆回転に対応するように約8°程度傾けた面とし、ナット11の誘導面Xを設ける。オープンソケット9とナット11の拘持と挟持の関係の細部は
図4(b)に示す様にナット6角部の頂点部Vが半径V1で形成しているX1の面でオープンソケット9の軸心10にナット11の軸心12を一致させてオープンソケット9を回転させ、ナット11の6角部の頂点Vを面Xが誘導しながら摺動面X1に沿って残りの6角部の頂点Vが移動し、オープンソケット9の面Rがナット11の締め付け面と密着した所で、該ナット11がオープンソケット9に挟持されナット11はオープンソケット9の回転中に軸心が一致するようにナットを拘持し続けることができるようにする。またオープンソケット9のナット挟持面Rの頂点Zはオープンソケット9の面Rがナット11を挟持するときに破線Z2に沿って移動することを妨げない間隙R1を確保する。
尚、オープンソケットの開口部をナット幅より狭くしてナットを支えるパイプやホース等の側方からアクセスし、軸方向からナットに係合し、該ナットを回転する方式のオープンソケットを選択した場合、この項は該当しない。
【0031】
前記オープンソケット9を形成しているオープンスプロケット1は
図6に示す様に開口部で対峙するチェーン2のローラー又はブッシュの中心Jとローラー又はブッシュの中心Lの位置をチェーン2が直線で橋架する位置で咬合させ、この直線距離Iから残りのオープンスプロケット1のピッチ円上の円周距離を決定し、該オープンスプロケット1の歯の部分のピッチ円上の半径、すなわちピッチ円直径を割り出す。
【0032】
オープンソケット9は
図7に示すオープンロータリーヘッド8の外周面が回転軸となり
図11に示すオープンソケット9のオープンロータリーヘッド8の外周面と面するヘッド部分5のヘッドハウジング上部5aとヘッドハウジング下部5bで内装する内周面が軸支する。
【0033】
オープンスプロケット1の回転駆動は
図8に示す正逆回転に対応するアイドラー3を両側に備えているが、該アイドラー3は本説明図の記載において、スプロケットで表現しているがローラータイプのものでも目的は達せられる。
【0034】
またオープンスプロケット1の回転駆動は任意の距離に配置したドライブスプロケット4を任意の駆動方法、例えば
図10に示す動力による工具24やドライブスプロケット4と同軸に組み込まれたベベルギアを介して内蔵電動力等を利用して行なうこともできるが、ここでの詳細な説明は省略する。
【0035】
図8に示すチェーン2はエンドレスなチェーンを用い、内側チェーンガイド6a、外側チェーンガイド6b及び6cで形成した通路を循環させ、各スプロケットのチェーン2との咬合する部分はチェーン2を強制的にスプロケットに咬合させる間隙を確保し、また、この内側チェーンガイド6a、外側チェーンガイド6b及び6cにはチェーン2の分離溝25を備える。但し、チェーンガイド6aのアイドラー3の部分について、ローラータイプのアイドラーを選定した場合、分離溝25は必要ない。
【0036】
チェーンだまり部6dをドライブスプロケット4とアイドラー3の間に設ける。チェーンだまり部6dの幅Pはチェーンプレートの幅Oより狭い範囲で滑らかな形状とする。
尚、前記のチェーンだまり部6dの幅がチェーンプレートの幅O以上になるとドライブスプロケット4を通過したチェーンが弛み、
図2(c)のQ矢視に示す様にチェーン2が後からきたチェーンリンクと折り重なりチェーンがロックすることになる。したがってこの状態を避けるため、
図8のチェーンだまり部6dの縦寸法Pはチェーンプレートの幅Oより小さくなければならない。
【0037】
ドライブスプロケット4を回転駆動する手段は
図10の24のシルエットに示す様に汎用の手動レンチやドライバードリル等の各種電動回転工具を併用するための任意の工具の取り付口や受け口を設けたり、出力駆動軸自体をラチェット構造にしたり、また、ハンドル部分に電動回転機構を内蔵し傘歯車を介して回転駆動する等の種々の方法があるが当該スプロケットの駆動については任意として、ここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
尚、本発明のオープンエンドレンチについて手持ちでの実施方法について説明しているが、前記形態に限定されるものではなく、定置式のオープンエンドレンチにも適用でき本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、これら構成を適宜変更できるものである。
【実施例】
【0039】
本発明のオープンエンドレンチの実施例を
図10〜14に示す。ここに示すオープンエンドレンチは手持ち式である。実施例1を
図11と
図12に示す。ハンドルを付けたタイプでドライブスプロケットを回転駆動する手段は手動又は電動回転工具を併用するものである。実施例2を
図13に示す。ハンドル部分に電動力を内蔵したものである。実施例3を
図14に示す。ハンドル部分が無いもので、汎用の電動回転工具、例えばドライバードリルにオープンエンドレンチのヘッド部分をブラケットで固定して作業を行なうタイプのもので、電動回転工具に付加するアタッチメントとして有効である。
【実施例1】
【0040】
このオープンエンドレンチの構成を
図11に示す。オープンエンドレンチ7のヘッドハウジング上部5a及びヘッドハウジング下部5bの開口部に6角ナットに直接挿入可能となる開口部を設けたオープンロータリーヘッド8に挟まれたオープンスプロケット1と緊結し構成したオープンソケット9を備え、これを軸支する。
尚、ヘッド開口部の傾きは限定するものでは無いので任意とする。
【0041】
オープンソケット9の回転駆動はドライブスプロケット4の回転駆動によってチェーン2によりアイドラー3を経由し、オープンスプロケット1を駆動して行なう。
尚、ドライブスプロケット4の回転駆動手段は前記[0037]で任意の方法があることを記述しているが、ここではドライブスプロケット4の回転軸端末を汎用のドライバードリル又はインパクトドライバーを使用して回転する方法で説明する。
【0042】
チェーン2はエンドレスなチェーンでチェーンガイド6a、6b及び6cで形成した循環通路とヘッドハウジング上部5aヘッドハウジング下部5bで挟まれた空間に収められる。また、チェーンガイド6a、6b及び6cは前記[0036]で記述のチェーンだまり部を成形されなければならない。
【0043】
尚、本発明の実施のための部品構成には複数のネジやボルト、ナットによって固定されるところであるが図面での表示は省略している。
【0044】
ドライブスプロケット4には回転出力の伝達口として回転軸がヘッドハウジング5aから突出し、
図9に示すように電動工具の掴み部4a又はビット孔4b及び差し込み角を形成した回転工具の受け口とするが掴み部は電動工具によって種々の形態があり、細部については省略する。
【0045】
図10のオープンソケット23はソケットサイズ等のバリエーションとして対象ナットや作業環境に対応させるため重要であるが、ここでは着脱交換が可能であることを示唆するもので、本発明の請求項の内容を意図とするものではなく、あくまでも参考として示したものであり詳細は省略する。
また、オープンエンドレンチの駆動機構のなかにラチェット機能を内蔵させラチェットレンチとして使用することも可能であり、レンチとしての有効性を向上することができるが、詳細は省略する。
【0046】
図11に示すオープンエンドレンチを用い汎用の電動回転工具を使用した作業状態を
図12に示す。
【実施例2】
【0047】
図13に示すオープンエンドレンチは電動出力回転機構をハンドル部分に内蔵したものである。ドライブスプロケットの回転はハンドル部分に内蔵した電動出力回転機構により、ドライブスプロケットと一体化した傘歯車で回転軸を任意に変換し駆動するものである。
すなわち、このタイプのオープンエンドレンチは本発明の最良の形態でドライブスプロケットとの連結方法や電動出力回機構の説明は本発明の請求項の内容を意図としないので想像図に留め詳細は省略する。また、出力回転機構にはエアモーター等も考えられるが動力源は任意とする。
【実施例3】
【0048】
部品の配置、構成は
図14に示す。基本的構成は
図11に示すものと同じである。前記実施例1との唯一の相違は持ち手部となるハンドルを有しないタイプであり、汎用の電動回転工具をブラケットで固定したもので、軸状部材と平行にアクセスするオープンエンドレンチである。
【0049】
また、このタイプのオープンエンドレンチはブラケットの形状を変えることで、汎用の電動回転工具を使用できる。
更にまた、オープンエンドレンチ機構にブラケット及び電動回転機構を内蔵、一体化したオープンエンドレンチも本発明のもう一つの理想とするものであるが記述に留め、詳細は省略する。
【符号の説明】
【0050】
1 オープンスプロケット
2 チェーン
2a チェーンプレート
2b ローラー又はブッシュ
3 アイドラー
4 ドライブスプロケット
4a ドライブスプロケット駆動口6角ソケット
4b ドライブスプロケット駆動口6角ビット
5 ヘッド部分
5a ヘッドハウジング上部
5b ヘッドハウジング下部
6a 内側チェーンガイド
6b 外側チェーンガイド
6c 外側チェーンガイド
7 オープンエンドレンチ
7a ハンドル部
8 オープンロータリーヘッド
9 オープンソケット
10 オープンソケットの軸心
11 ナット
12 ナットの軸心
13 開口部
14 オープンロータリーソケットアッセンブリー
20 アイドラー回転軸
21 ブラケット
22 ドライブスプロケット回転軸
23 オープンソケット各種
24 ドライブスプロケット駆動用工具各種
25 スプロケット歯の通過溝
26 チェーンローラー又はブッシュ
【0051】
A 従来の汎用のスプロケットである。
B 従来の汎用のスプロケット歯である。
C 従来のスプロケットのピッチ円直径である。
D 切除したスプロケットである。
E オープンスプロケットの開口部である。
F 切除したスプロケットDの歯である。
G 切除した開口部の寸法である。
H 従来のスプロケットでDを切除したときに対峙したスプロケット歯間のチェーン が架かるローラー又はブッシュの中心間の直線距離である。
H1 本発明前のスプロケットで開口部を切除する前にピッチ円直径上に架かるチェー ンローラー又はブッシュJとチェーンローラー又はブッシュK間の円周の距離で ある。
I チェーンの直線となる部分でチェーンローラー又はブッシュJとLとの中心間の 距離である。
J 開口部を切除する前にチェーンを噛ませた場合のチェーンローラー又はブッシュ の中心である。
K 開口部を切除する前にチェーンを噛ませた場合のチェーンローラー又はブッシュ の中心で、Jと対峙する位置である。
L スプロケットの開口部でチェーンを橋架した場合のチェーンローラー又はブッシ ュの中心がくる位置である。
M 開口部を直線とみなし対峙した歯に噛ませるチェーンのチェーンローラー又はブ ッシュの中心位置から割り出したピッチ円直径であり、ずれる分を考慮して僅か に大きくなったピッチ円直径である。
N ピッチ円直径を大きくした部分のオープンスプロケット歯である。
O チェーンプレートの寸法である。
P チェーンだまり部の厚さである。
Q チェーンの折り重なる状態を示したものである。
R 6角ナットの挟持面である。
R1 6角ナットとオープンソケットZ部との間隙である。
S オープンスプロケットへのチェーンの咬み込む状態を示すものである。
T ドライブスプロケットへのチェーンの咬み込む状態を示すものである。
U アイドラースプロケットへのチェーンの咬み込む状態を示すものである。
V 6角ナットの6角頂点である。
V1 6角ナットの6角頂点からナット中心までの距離である。
V2 6角ナットサイズの1/2で6角ナット中心からの距離である。
V3 V2+R1の距離でZ1の移動半径である。
W 位相のずらし角又は傾き角である。
X 6角ナットの6角部頂点の誘導面である。
X1 6角ナットの6角部頂点の摺動面である。
Y 開口部における6角ナットの6角部頂点の移動円であり、破線で示している。
Z 6角ナットの正逆回転挟持面の頂点である。
Z1 6角ナットを挟持したときのZの位置である。
Z2 Zの移動円であり、破線で示している。
【手続補正書】
【提出日】2020年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記オープンエンドレンチの回転部を成すオープンソケットはオープンロータリーヘッドとオープンスプロケットで構成しオープンスプロケットをチェーンで伝達回転駆動する。一般にチェーンとスプロケットは規格化されており、スプロケットはチェーンとセットで汎用されている。このスプロケットをオープンスプロケットとして使用しようとして、例えばナットの幅やナットを支えるパイプの径に合わせ
図5に示すように開口部としてDを切除し開口部Eを形成したスプロケットAにチェーン2を橋架すると、円周部分のスプロケット歯Fが切り取られた訳であるからチェーン2の張りは直線Iとなり、対峙した片方の歯とチェーンローラー又はブッシュ26の噛み合いがKからLにずれて一致しなくなり
図2a に示す様に次々とチェーン2がオープンスプロケット1の歯に乗り上げることになり、安定したオープンソケットの回転とならない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
スプロケットをチェーンで伝達回転駆動する場合、チェーンのスプロケットへの噛み合いやチェーン離れのためにテンショナーが一般的に用いられており、テンショナーを用いない場合は
図2bの矢視S、T及びUで示す様に回転作動中にチェーン2がチェーンガイド6a、6b及び6c、とスプロケット1の歯との間にくい込み回転不能となることがある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
循環するチェーンが
図2cに示す様にオープンスプロケットの開口部に位置しているとき、弛んだチェーン2をチェーンだまり部6dで待機させるがチェーンだまり部の縦寸法Pがチェーンプレート2aの寸法Oを超えると、後続のチェーンが矢視Qのように前のチェーンリンクを追い越しチェーンリンクどうしが重なりチェーン詰まりになり回転不能となることがある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
【
図1】 本発明の要部の模式図である。aは上面図である。bは循環するチェーンの状態を示した要部の断面図である。
【
図2】 本発明の実施前の各不具合の状態の説明図である。aはオープンスプロケットの開口部に橋架するチェーンの噛み合いの状態を示す。bはチェーンがチェーンガイドに咬み込む状態を示す。cはチェーンだまり部にチェーンがロックする状態を示す。
【
図3】 本発明の実施後のオープンスプロケットとチェーンの噛み合う状態を示している。
【
図4】 本発明のオープンソケットがナットを挟持する状態を示す平面図である。aはオープンソケットの開口部の面とナット挟持面の関係を示す。bはaを更に説明する図である。
【
図5】 本発明を実施しようとするオープンスプロケットの不具合の状態を説明する図である。
【
図6】 本発明を実施した場合のオープンスプロケットの説明図である。
【
図7】 オープンソケットの構成を示す斜視図である。
【
図8】 本発明の実施状態の要部の模式図と部分断面図である。
【
図9】 本発明のオープンエンドレンチの要部断面図である。(a)はA−A断面である。(b)はB−B断面である。
【
図10】 本発明のオープンエンドレンチを使用する場合の任意の組み合わせの可能性を示す参考のための外観斜視図である。
【
図12】 本発明のオープンエンドレンチと電動回転工具と併用した場合の使用状態の図である。
【
図13】 本発明を実施したもう一つの使用状態の図である。
【
図14】 本発明を実施した更にもう一つの使用状態とその分解図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
そして、オープンソケット9のナット挟持面Rはナット11挿入のための開口部とナット11の挟持面となる位相を
図4aのWに示すように、ずれ角として正逆回転に対応するように約8°程度傾けた面とし、ナット11の誘導面Xを設ける。オープンソケット9とナット11の拘持と挟持の関係の細部は
図4bに示す様にナット6角部の頂点部Vが半径V1で形成しているX1の面でオープンソケット9の軸心10にナット11の軸心12を一致させてオープンソケット9を回転させ、ナット11の6角部の頂点Vを面Xが誘導しながら摺動面X1に沿って残りの6角部の頂点Vが移動し、オープンソケット9の面Rがナット11の締め付け面と密着した所で、該ナット11がオープンソケット9に挟持されナット11はオープンソケット9の回転中に軸心が一致するようにナットを拘持し続けることができるようにする。またオープンソケット9のナット挟持面Rの頂点Zはオープンソケット9の面Rがナット11を挟持するときに破線Z2に沿って移動することを妨げない間隙R1を確保する。
尚、オープンソケットの開口部をナット幅より狭くしてナットを支えるパイプやホース等の側方からアクセスし、軸方向からナットに係合し、該ナットを回転する方式のオープンソケットを選択した場合、この項は該当しない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
チェーンだまり部6dをドライブスプロケット4とアイドラー3の間に設ける。チェーンだまり部6dの幅Pはチェーンプレートの幅Oより狭い範囲で滑らかな形状とする。尚、前記のチェーンだまり部6dの幅がチェーンプレートの幅O以上になるとドライブスプロケット4を通過したチェーンが弛み、
図2cのQ矢視に示す様にチェーン2が後からきたチェーンリンクと折り重なりチェーンがロックすることになる。したがってこの状態を避けるため、
図8のチェーンだまり部6dの縦寸法Pはチェーンプレートの幅Oより小さくなければならない。