【構成】 製品1を搬送する第一搬送コンベア装置11と、製品を複数段積みした製品群2を搬送する第二搬送コンベア装置12と、第二搬送コンベア装置の上方に配置される第一シャッター装置13・第二シャッター装置14と、第一搬送コンベア装置上を移動する製品を第一シャッター装置・第二シャッター装置へ移し替える移し替えロボット15を備える。第一シャッター装置と第二シャッター装置は、第二搬送コンベア装置へ製品群を供給する製品投入位置Xと、第一製品供給装置Y1・第二製品供給位置Y2との間で移動可能に構成し、製品積み込み完了した一方のシャッター装置が製品投入位置で待機していても、製品供給装置にいる他方のシャッター装置に対する製品供給を可能にした。
前記移し替えロボットは、前記製品投入位置に位置する前記第一シャッター装置及びまたは前記第二シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えることを特徴とする請求項2に記載の製品集積供給装置。
前記移し替えロボットは、前記第一位置と前記製品投入位置以外の場所に位置する前記第一シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の製品集積供給装置。
前記移し替えロボットは、前記第二位置と前記製品投入位置以外の場所に位置する前記第二シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の製品集積供給装置。
前記異なる位置は複数有し、前記第一シャッター装置及びまたは前記第二シャッター装置は、前記第二搬送コンベア装置の異なる位置で前記製品群を落下させて供給可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の製品集積供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、シャッター装置内に所定数の製品を積み込んだなら、それ以上はシャッター装置への製品供給はできない。一方、シャッター装置の直下に第二搬送コンベアの製品供給位置がくるまではシャッターは閉じたままとなる。
【0007】
よって、例えばシャッター装置内に所定数の製品を積み込んでから、第二搬送コンベアの製品供給位置がシャッター装置の直下にくるまでのタイムラグが長くなればなるほど、第一搬送コンベア上を移動する製品のシャッター装置へ積み込みができなくなる時間が長くなる。その結果、上流側の第一搬送コンベア上を移動する製品は、積み込みできずに廃棄されるか、第一搬送コンベアでの滞留を生じてしまい、無駄なく、スムーズな製品の移し替えができない。
【0008】
また、係る事態の発生を抑制するためには、例えば、シャッター装置とそのシャッター装置に第一搬送コンベア上の製品を移し替える手段を2組、3組、4組…と多数組備ええ、搬送方向に沿って前後に配置する必要があり、装置の大型化を招く。
【0009】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できれば良い。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の製品供給装置は、(1)製品を搬送する第一搬送コンベア装置と、複数の前記製品を整列させた製品群を搬送する第二搬送コンベア装置と、前記第二搬送コンベア装置の上方に配置される第一シャッター装置及び第二シャッター装置と、前記第一搬送コンベア装置上を移動する前記製品を保持するとともに前記第一シャッター装置または前記第二シャッター装置へ移し替える移し替えロボットを備え、前記第一シャッター装置と前記第二シャッター装置は、前記製品を上方から受け取ることで内部に前記製品を整列状態で貯留する機能と、底部が開閉して貯留した前記製品群を落下させる機能を備え、前記第一シャッター装置と前記第二シャッター装置は、前記第一搬送コンベア装置に沿って移動可能に構成し、前記第一シャッター装置及び前記第二シャッター装置は、前記移し替えロボットにより前記製品を供給された位置及びまたは当該位置と異なる位置で前記第二搬送コンベア装置へ前記製品群を落下させて供給可能に構成した。
【0011】
このようにすると、例えば所定数の製品を積み込まれた第一シャッター装置または第二シャッター装置の一方が、第二搬送コンベア装置への製品群の供給を待機している状態でも、移し替えロボットは、他方のシャッター装置に対して第一搬送コンベア装置上を移動する製品を供給することができる。よって、第一搬送コンベア装置上を移動する製品の積み残しによる廃棄等の発生を可及的に抑制できる。さらに、第一シャッター装置と第二シャッター装置は、第一搬送コンベア装置に沿って移動するため、移し替えロボットによる供給や、第二搬送コンベア装置への供給を、適切な位置で効率よく行うことができる。整列状態は、例えば製品を上下に段積したり、積み重ねる際に横にずらして製品の一部が重なるようにサシミ状にしたりする集積状態や、横に並べるなど各種の態様がある。
【0012】
(2)前記第一シャッター装置は、前記第二搬送コンベア装置へ前記製品群を供給する製品投入位置と、それと異なる第一位置との間で移動可能に構成し、前記第二シャッター装置は、前記製品投入位置と、それと異なる第二位置との間で移動可能に構成し、前記移し替えロボットは、少なくとも前記第一位置で前記第一シャッター装置に前記製品を供給し、少なくとも前記第二位置で前記第二シャッター装置に前記製品を供給するように構成した。
【0013】
このようにすると、例えば所定数の製品を積み込まれた第一シャッター装置または第二シャッター装置の一方が製品投入位置に位置し、第二搬送コンベア装置への製品群の供給を待機している状態でも、移し替えロボットは、製品投入位置にいない他方のシャッター装置に対して第一搬送コンベア装置上を移動する製品を供給することができる。よって、第一搬送コンベア装置上を移動する製品の積み残しによる廃棄等の発生を可及的に抑制できる。
【0014】
(3)前記移し替えロボットは、前記製品投入位置に位置する前記第一シャッター装置及びまたは前記第二シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えるとよい。このようにすると、例えば所定数の最終の製品を、製品投入位置に位置する第一シャッター装置及びまたは第二シャッター装置に対して行うことができるので、所定数の製品の積み込みが完了するとすぐに第二搬送コンベア装置に対する供給ができるのでよい。
【0015】
(4)前記移し替えロボットは、前記第一位置と前記製品投入位置以外の場所に位置する前記第一シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えるとよい。このようにすると、第一位置と製品投入位置の間で第一シャッター装置に製品を供給できるので所定数の製品の積み込みが完了した第一シャッター装置が製品投入位置まで移動する距離が短くなり、移動による時間ロスを可及的に抑制できるのでよい。
【0016】
(5)前記移し替えロボットは、前記第二位置と前記製品投入位置以外の場所に位置する前記第二シャッター装置に前記製品を供給する機能を備えるとよい。このようにすると、第二位置と製品投入位置の間で第二シャッター装置に製品を供給できるので所定数の製品の積み込みが完了した第二シャッター装置が製品投入位置まで移動する距離が短くなり、移動による時間ロスを可及的に抑制できるのでよい。
【0017】
(6)前記異なる位置は複数有し、前記第一シャッター装置及びまたは前記第二シャッター装置は、前記第二搬送コンベア装置の異なる位置で前記製品群を落下させて供給可能に構成するとよい。このようにすると、第一シャッター装置及びまたは第二シャッター装置の直下に、第二搬送コンベア装置の被供給位置等が来るまで待機すること無く、例えば第二搬送コンベア装置の運転状況に合わせて第一シャッター装置及びまたは第二シャッター装置を適切な位置に移動することで、当該シャッター装置から第二搬送コンベア装置への製品の供給作業を迅速に終了し、次の第一搬送コンベア装置上の製品のシャッター装置への供給を可能にし、高速処理が行える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、所定数の製品を積み込まれた第一シャッター装置または第二シャッター装置の一方が第二搬送コンベア装置への製品群の供給を待機している状態でも、移し替えロボットは、他方のシャッター装置に対して第一搬送コンベア装置上を移動する製品を供給することができる。第一搬送コンベア装置上を移動する製品の積み残しによる廃棄や滞留等の発生を可及的に抑制でき、無駄なく、スムーズな製品の移し替えができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0021】
製品集積供給装置10は、製品1を搬送する第一搬送コンベア装置11と、その第一搬送コンベア装置11に沿うように配置された第二搬送コンベア装置12と、第二搬送コンベア装置12の上方に配置される第一シャッター装置13と、第二搬送コンベア装置12の上方に配置される第二シャッター装置14と、第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を保持するとともに第一シャッター装置13あるいは第二シャッター装置14へ移し替える移し替えロボット15を備える。また、第一シャッター装置13と第二シャッター装置14は、第二搬送コンベア装置12の搬送方向に沿って配置され、例えば第一シャッター装置13が下流側に配置する。
【0022】
さらに本実施形態では、第一シャッター装置13と第二シャッター装置14と移し替えロボット15を2組設け、各組を製品1の搬送方向に沿って前後に配置する。そして、各組毎に第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を取得するとともに組を構成する第一シャッター装置13或いは第二シャッター装置14に移し替え、第一シャッター装置13或いは第二シャッター装置14に集積された製品群2を第二搬送コンベア装置12上に投入する処理を行う。
【0023】
製品1は、例えば四方シール包装体や三方シール包装体のように扁平な袋状のものであり、その袋状の内部に所望の物品が収納される。第一搬送コンベア装置11は、製品1を平置きの姿勢のまま一個ずつ搬送するものであり、例えばベルトコンベアから構成すると良い。図示の例では、各製品1は、所定ピッチ毎に一列縦隊で整列し、個々の製品1の姿勢も長辺が搬送方向と平行な姿勢で搬送しているが、本発明は必ずしもそのようにする必要は無く、前後の製品1の間隔及びまたは搬送姿勢がランダムに変わっていても良いが、図示のように整列していると、移し替えが容易・スムーズ・迅速にできるので良い。また、第一搬送コンベア装置11の搬送路の上方所定位置には、製品検知センサ18を配置し、搬送路上の製品1を検知する。
【0024】
第二搬送コンベア装置12は、バケットコンベア、フィンガーコンベアその他の搬送面上における製品供給位置が決まっているコンベア装置から構成すると良い。図示の例では、搬送路を構成する無端状部材16と、その無端状部材16を回転移動させる駆動機構(図示せず)と、その無端状部材16の外周面に回転方向に沿って所定間隔で取り付けたフィンガー部材17を備える。無端状部材16は、例えばエンドレスベルトや、搬送方向に対して直交する方向に延びるフリーローラを搬送方向に沿って多数整列配置したものの他各種の構成を適用するとよい。前後のフィンガー部材17の配置間隔は、製品1の長辺の長さと等しいか、所定量長くする。
【0025】
第二搬送コンベア装置12は、前後のフィンガー部材17の間に、複数の製品1を段積した製品群2を乗せた状態で搬送する。前後のフィンガー部材17の配置ピッチが、上述した所定間隔であり、製品群2の搬送ピッチとなる。第二搬送コンベア装置12は、下流側に配置された包装機(図示省略)に対して製品群2を順次供給するものとするとよい。第二搬送コンベア装置12は、本実施形態では間欠駆動することなく連続的に搬送面が移動する構成としたが、間欠駆動するものでも良い。
【0026】
搬送面がベルトの場合、製品群2を進行方向後ろ側のフィンガー部材17の直近に供給するとよい。また、搬送面がフリーローラ等で製品1が搬送面の移動に追従せず、進行方向後方のフィンガー部材17に接触すると前進移動する構成の場合には、前後のフィンガー部材17の間の任意の区間に供給すればよいのでより好ましい。
【0027】
第一シャッター装置13は、複数の製品1を上下に積み重ねた状態で一時貯留可能な空間を有する第一貯留部13aを備える。この第一貯留部13aは、上下がともに開口しており、製品1を上方から供給し、下方から搬出する。そして第一貯留部13aは一時貯留する空間を区画するための側壁状部13bを備える。側壁状部13bは、製品1の外周囲に沿った仮想の矩形状の各辺に沿うように配置される。各辺に配置する側壁状部13bは、例えば一枚の板状のものでもよいし、例えばその複数の棒状物体を仮想の辺に沿って上下に延びるように起立された枠体状のものとしてもよい。複数の棒状物体を用いると、隣接する棒状物体の間に空間が形成されて製品1の外周との接触面積が小さくなるため、製品1は第一貯留部13a内をスムーズに下降移動可能になるのでよい。
【0028】
第一貯留部13aの下方には、開閉する第一シャッター部材13cを配置する。通常状態では第一シャッター部材13cは第一貯留部13aの下方開口部のエリアを塞ぐように位置し、その通常状態から当該下方開口部のエリア外に移動可能に構成する。このエリア外への移動は、例えば、第一シャッター部材13cを搬送面と平行な水平方向に往復直線移動させるようにしたり、側壁状部13b側の端部を中心に正逆回転移動させるようにしたりするとよい。特に、水平方向に往復直線移動させるようにすると、第一貯留部13aの下端と、第二搬送コンベア装置12の距離を短くすることができ、製品群2の落下移動距離を短くできるのでよい。
【0029】
さらに、第一シャッター部材13cは、本形態では、搬送方向に沿った左右両側にそれぞれ配置し、左右両側から中央に向けて前後進移動することで、シャッターを開閉する。この第一シャッター部材13cの往復直線移動は、例えばシリンダーまたはモータなどの駆動手段の動力を受けて行うと良い。
【0030】
同様に第二シャッター装置14は、複数の製品1を上下に積み重ねた状態で一時貯留可能な空間を有する第二貯留部14aを備える。この第二貯留部14aは、上下がともに開口しており、製品1を上方から供給し、下方から搬出する。そして第二貯留部14aは一時貯留する空間を区画するための側壁状部14bを備える。側壁状部14bは、製品1の外周囲に沿った仮想の矩形状の各辺に沿うように配置される。各辺に配置する側壁状部14bは、例えば一枚の板状のものでもよいし、例えばその複数の棒状物体を仮想の辺に沿って上下に延びるように起立された枠体状のものとしてもよい。複数の棒状物体を用いると、隣接する棒状物体の間に空間が形成されて製品1の外周との接触面積が小さくなるため、製品1は第二貯留部14a内をスムーズに下降移動可能になるのでよい。
【0031】
第二貯留部14aの下方には、開閉する第二シャッター部材14cを配置する。通常状態では第二シャッター部材14cは第二貯留部14aの下方開口部のエリアを塞ぐように位置し、その通常状態から当該下方開口部のエリア外に移動可能に構成する。このエリア外への移動は、例えば、第二シャッター部材14cを搬送面と平行な水平方向に往復直線移動させるようにしたたり、側壁状部13b側の端部を中心に正逆回転移動させるようにしたりするとよい。特に、水平方向に往復直線移動させるようにすると、第二貯留部14aの下端と、第二搬送コンベア装置12の距離を短くすることができ、製品群2の落下移動距離を短くできるのでよい。
【0032】
さらに、第二シャッター部材14cは、本形態では、搬送方向に沿った左右両側にそれぞれ配置し、左右両側から中央に向けて前後進移動することで、シャッターを開閉する。この第二シャッター部材14cの往復直線移動は、例えばシリンダーまたはモータなどの駆動手段の動力を受けて行うと良い。
【0033】
第一シャッター装置13と第二シャッター装置14は、第二搬送コンベア装置12の搬送路の上方空間に、搬送方向に沿って同一直線上を往復直線移動可能に配置する。すなわち、第一シャッター装置13は、第二搬送コンベア装置12の搬送路の上方所定位置に設定された製品投入位置Xと、その製品投入位置Xより下流側に設定された第一製品供給位置Y1との間を往復移動する。一方、第二シャッター装置14は、上述した製品投入位置Xと、その製品投入位置Xより上流側に設定された第二製品供給位置Y2との間を往復移動する。
【0034】
第一シャッター装置13の第一シャッター部材13cは、製品投入位置Xに位置した状態で適宜のタイミングで開き、第一シャッター装置13が第一製品供給位置Y1に戻るまでの間に閉じるようにする。同様に第二シャッター装置14の第二シャッター部材14cは、製品投入位置Xに位置した状態で適宜のタイミングで開き、第二シャッター装置14が第二製品供給位置Y2に戻るまでの間に閉じるようにする。
【0035】
第一シャッター装置13と第二シャッター装置14の往復移動は、例えば第二搬送コンベア装置12の搬送面の上方の左右両側にガイドレール25を配置し、第一シャッター装置13と第二シャッター装置14をそれぞれガイドレール25に連係させ、ガイドレールに沿って移動可能に配置する。そして、シリンダーや駆動モータの出力を受けて往復直線運動をする移動部材を第一シャッター装置13や第二シャッター装置14にそれぞれ連係し、それぞれに設けた移動部材の移動に追従して、第一シャッター装置13や第二シャッター装置14が相互に独立して移動するように構成するとよい。
【0036】
このように本実施形態では、シャッター装置を2つ用意し、下流側の第二搬送コンベア装置12へ落とすポイントを一箇所に固定し、シャッター装置がそのポイントに移動してくるようにし、シャッター装置への製品1の積み込み位置は、それぞれ別のポイント(ここでは、第一製品供給位置Y1,第二製品供給位置Y2)で行う。係る構成を採ることで、例えば所定数の製品1の積み込みを完了した一方のシャッター装置(例えば第一シャッター装置13)を製品投入位置Xに位置した状態で落下供給を待っている場合、当該一方のシャッター装置に対する製品1の新たな供給はできないが、他方のシャッター装置(例えば第二シャッター装置14)に対しての製品1の積み込みが行える。よって、製品投入位置Xにて第二搬送コンベア装置12への製品群2の落下供給を待っている間でも、移し替えロボット15は、第一搬送コンベア装置11を移動する製品1を取得し、別のシャッター装置へ供給できるので、第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を取得できずに廃棄されたり、第一搬送コンベア装置11で滞留を生じたりすることがなく、無駄なく、スムーズな製品の移し替えを行うことができる。
【0037】
移し替えロボット15は、ロボットアーム20と、そのロボットアーム20の先端に取り付けられた吸着部21を備える。吸着部21は、例えばベース部材に複数の吸着ノズルを格子状に配置し、例えば扁平な袋状の製品1であっても、複数の吸着ノズルが全体的に接触して、全面に対して吸着し、安定して保持することができる。ロボットアーム20による吸着部21の移動エリアは、第一搬送コンベア装置11の搬送面の上方及び第二搬送コンベア装置12の搬送面の上方を含み、少なくとも第一製品供給位置Y1及び第二製品供給位置Y2を含む範囲とすると良い。
【0038】
係る構成にすると、移し替えロボット15は、製品検知センサ18の検出信号に基づき第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を吸着保持し、その保持した状態のままロボットアーム20の駆動により吸着部21を第一製品供給位置Y1或いは第二製品供給位置Y2の上方に位置させるとともに、下降移動して製品1を第一シャッター装置13内或いは第二シャッター装置14内に供給する。
【0039】
上述した構成において、本実施形態では、例えば以下のように動作して第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を、複数段積・集積した製品群2の態様で第二搬送コンベア装置12上に移し替える。すなわち、運転開始に先立ち、例えば、
図1,
図4(a)に示すように、第一シャッター装置13は第一製品供給位置Y1で待機し、第二シャッター装置14は第二製品供給位置Y2で待機する。このときの第一シャッター装置13と第二シャッター装置14は、それぞれ第一シャッター部材13cと第二シャッター部材14cが閉じた状態となる。
【0040】
この状態で、移し替えロボット15は、第一搬送コンベア装置11上を移動する1つの製品1を吸着保持する。そして、移し替えロボット15は、吸着保持した製品1を第一製品供給位置Y1で待機する第一シャッター装置13内に供給する(
図1,
図4(a)参照)。
【0041】
次いで移し替えロボット15は、吸着部21を第一搬送コンベア装置11の搬送路の上方所定位置に移動し、その搬送路上を移動する製品1を吸着保持するとともに、再び第一製品供給位置Y1に移動して第一シャッター装置13内に製品を供給する。これにより、今回供給された製品1は、先に供給されて第一シャッター装置13の第一貯留部13aにある製品1の上に載せられ、段積される。なお、
図1,
図4(a)は、第一シャッター装置13内に製品1が貯留された状態を示している。
【0042】
係る処理を所定回数繰り返すことで、第一貯留部13a内に所定数(例えば5個)の製品1が段積された製品群2が貯留される(
図4(b)参照)。このように所定数の製品が積み込まれたら、第一シャッター装置13は、第二搬送コンベア装置12上を、搬送方向に沿って移動し製品投入位置Xに位置する(
図2,
図4(c)参照)。
【0043】
製品投入位置Xに至った第一シャッター装置13は、その直下に第二搬送コンベア装置12の製品供給位置、すなわち、前後のフィンガー部材17の間の区間がくるまで、第一シャッター部材13cは閉じたままで待機する。そして、第二搬送コンベア装置12の製品供給位置が、製品投入位置Xに至ると、第一シャッター部材13cが開き、第一シャッター装置13内に段積された製品群2が落下し、第二搬送コンベア装置12の製品供給位置に供給される。これにより、第一搬送コンベア装置11から第二搬送コンベア装置12上に製品1が移し替えられる(
図4(d)参照)。その後、第一シャッター装置13は、第一製品供給位置Y1に戻る。
【0044】
一方、上記のように所定数の製品1を第一シャッター装置13内に積み込んだ移し替えロボット15は、吸着部21を第一搬送コンベア装置11の搬送路の上方所定位置に移動し、その搬送路上を移動する製品1を吸着保持するとともに、第二製品供給位置Y2に移動して第二シャッター装置14内に製品を供給する(
図2,
図4(c),(d)参照)。係る処理を所定回数繰り返すことで、第二貯留部14a内に所定数(例えば5個)の製品1が段積された製品群2が貯留される。このように所定数の製品1が積み込まれたら、第二シャッター装置14は、第二搬送コンベア装置12上を、搬送方向の上流側に向けて移動し製品投入位置Xに位置する(
図3,
図4(e)参照)。
【0045】
製品投入位置Xに至った第二シャッター装置14は、その直下に第二搬送コンベア装置12の製品供給位置、すなわち、前後のフィンガー部材17の間の区間がくるまで、第二シャッター部材14cは閉じたままで待機する。そして、第二搬送コンベア装置12の製品供給位置が、製品投入位置Xに至ると、第二シャッター部材14cが開き、第二シャッター装置14内に段積された製品群2が落下し、第二搬送コンベア装置12の製品供給位置に供給される。これにより、第一搬送コンベア装置11から第二搬送コンベア装置12上に製品1が移し替えられる。
【0046】
また、上述した移し替えロボット15による第二シャッター装置14への製品の供給開始は、第一シャッター装置13の状況に関係なく行われる。よって、
図3に示すように、例えば、第二シャッター装置14が製品投入位置Xで待機している状態でも、第一シャッター装置13への製品1の積み込みは開始され、移し替えロボット15は、第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を効率よく・スムーズに吸着保持して所定のシャッター装置へ移し替えることができる。
【0047】
さらに本実施形態では、移し替えロボット15と第一シャッター装置13と第二シャッター装置14を2組用意し、搬送方向に沿って前後に配置したため、各組の移し替えロボット15が、第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を適宜吸着保持することで、例えば連続して高速で搬送されてくる製品1であっても、確実に所定のシャッター装置に積み込み、製品群2を第二搬送コンベア装置12上の所定位置に落下供給することかできる。
【0048】
上述した実施形態では、第一シャッター装置13並びに第二シャッター装置14への製品供給は、それぞれ第一製品供給位置Y1或いは第二製品供給位置Y2にて行うようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、適宜の位置で製品供給をすると良い。
【0049】
製品の搬送速度が高速になると、製品供給位置で所定数の製品1を積み込んだ後に製品投入位置に移動し、タイミングを合わせて第二搬送コンベア装置12上に製品群2を落下供給する方式では、製品投入位置までの移動時間のロスにより間に合わないおそれがある。そこで、少なくとも一部の製品1は、製品投入位置X近く、或いは製品投入位置Xで積み込むようにするとよい。このようにすると、所定数の最後の製品1が供給されたシャッター装置が、製品投入位置Xまで移動する距離が短くなり、移動時間が短くなるのでよい。特に、少なくとも最後の製品1の供給を、製品投入位置Xで行うようにするとより好ましい。
【0050】
係る実施形態を実施するための具体的な制御の一例としては、例えば以下のように動作して第一搬送コンベア装置11上を移動する製品1を、複数段積・集積した製品群2の態様で第二搬送コンベア装置12上に移し替える。すなわち、第一シャッター装置13は、第一製品供給位置Y1と製品投入位置Xに加え、両者の間の所定位置(第一中間位置)でそれぞれ一時停止するように移動動作を制御する。同様に第二シャッター装置14は、第二製品供給位置Y2と製品投入位置Xに加え、両者の間の所定位置(第二中間位置)でそれぞれ一時停止するように動作を制御する。
【0051】
そして、運転開始に先立ち、第一シャッター装置13は第一製品供給位置Y1で待機し、第二シャッター装置14は第二製品供給位置Y2で待機する。このときの第一シャッター装置13と第二シャッター装置14は、それぞれ第一シャッター部材13cと第二シャッター部材14cが閉じた状態となる。
【0052】
そして、移し替えロボット15が、第一シャッター装置13に製品1を供給する場合、第一製品供給位置Y1に位置する第一シャッター装置13に対して製品1を所定数、例えば1個を供給すると、第一シャッター装置13は第一中間位置に移動し一時停止する。移し替えロボット15は、この第一中間位置に一時停止している第一シャッター装置13に対し、所定数(例えば1ないし2個)の製品1を供給する。係る製品1の供給が完了すると、第一シャッター装置13は製品投入位置Xに移動し一時停止する。移し替えロボット15は、この製品投入位置Xに一時停止している第一シャッター装置13に対し、残りの製品1を供給する。これにより、最後の製品1の供給は、製品投入位置Xで行う。よって、所定数の製品1の積み込み完了後は、第一シャッター装置13は移動する必要が無く、積み込み完了後はすぐに製品群2を落下させて第二搬送コンベア装置12への供給が可能となる。そして、第二搬送コンベア装置12への供給が完了すると、第一シャッター装置13は第一製品供給位置Y1に移動する。
【0053】
同様に、移し替えロボット15が、第二シャッター装置14に製品1を供給する場合、第二製品供給位置Y2に位置する第二シャッター装置14に対して製品1を所定数、例えば1個を供給すると、第二シャッター装置14は第二中間位置に移動し一時停止する。移し替えロボット15は、この第二中間位置に一時停止している第二シャッター装置14に対し、所定数(例えば1ないし2個)の製品1を供給する。係る製品1の供給が完了すると、第二シャッター装置14は製品投入位置Xに移動し一時停止する。移し替えロボット15は、この製品投入位置Xに一時停止している第二シャッター装置14に対し、残りの製品1を供給する。これにより、最後の製品1の供給は、製品投入位置Xで行う。よって、所定数の製品1の積み込み完了後は、第二シャッター装置14は移動する必要が無く、積み込み完了後はすぐに製品群2を落下させて第二搬送コンベア装置12への供給が可能となる。
【0054】
第一中間位置と第二中間位置で供給する製品の数は、固定としてもよいが、他方のシャッター装置の第二搬送コンベア装置12への供給タイミングに併せて調整するとよく、できるだけ製品投入位置Xで多くの製品を積み込むようにするとよい。
【0055】
上述した各実施形態では、運転開始当初は第一シャッター装置13と第二シャッター装置14は、それぞれ第一製品供給位置Y1と第二製品供給位置Y2に待機してそこで製品の供給を受けるようにしたが、異なる位置から開始してもよい。例えば、運転開始当初は、一方のシャッター装置(例えば第一シャッター装置13)を製品投入位置Xに位置させ、他方のシャッター装置(例えば第二シャッター装置14)は対応する製品供給位置に位置させる。製品投入位置Xで待機している一方のシャッター装置に所定数の製品1の積み込みが完了すると、移し替えロボット15は、製品供給位置で待機している他方のシャッター装置に対する製品の積み込みを開始する。そして、一方のシャッター装置のシャッター部材が開いて第二搬送コンベア装置12への製品群2の供給が完了すると当該一方のシャッター装置は製品供給位置に移動する。この後、所定タイミングで他方のシャッター装置が製品投入位置Xに移動する。そして移し替えロボット15は、その製品投入位置Xで一時停止する他方のシャッター装置に所定数になるまで製品の積み込み作業を行う。以後、上記の処理を繰り返し実行することで、所定数の製品をシャッター装置に積み込み完了後は、その直後から第二搬送コンベア装置12への供給が可能となるのでよい。
【0056】
上述した各実施形態では、第二搬送コンベア装置12と第一搬送コンベア装置11の搬送方向は同じにしたが、第二搬送コンベア装置12は、第一搬送コンベア装置11とは反対方向に製品1を搬送するようにしてもよい。
【0057】
また、上述した各実施形態では、製品1は移し替えロボット15により各シャッター装置内の物品の真上に重ねるように供給して集積したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、シャッター装置内に搬送方向または搬送方向と直角方向に一列に、または行列状態にして複数の物品を供給してもよい。また、シャッター装置内に物品を搬送方向に製品の一部が重なるようにサシミ状にして供給してもよい。この場合、シャッターの載置部を例えば鋸刃状に傾斜させ、当該シャッターを搬送方向と直角方向に開閉させるとよい。
【0058】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。