特開2021-98965(P2021-98965A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-98965(P2021-98965A)
(43)【公開日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】軒樋支持具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20210604BHJP
【FI】
   E04D13/072 502T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-230402(P2019-230402)
(22)【出願日】2019年12月20日
(71)【出願人】
【識別番号】593178409
【氏名又は名称】株式会社オーティス
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 昌司
(57)【要約】
【課題】固定部材に対する上下位置が調整可能な支持部を有する見栄えの良い軒樋支持具を提供する
【解決手段】建物8に固定される固定部材2と、軒樋7を支持する支持部材4とを有する軒樋支持具1において、前記固定部材と前記支持部材とは、連結部材3を介して連結され、前記固定部材は、前記連結部材の上下位置を調整するための第1調整部20が設けられており、前記連結部材は、前記支持部材の上下位置を調整するための第2調整部30が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に固定される固定部材と、軒樋を支持する支持部材とを有する軒樋支持具において、
前記固定部材と前記支持部材とは、連結部材を介して連結され、
前記固定部材は、前記連結部材の上下位置を調整するための第1調整部が設けられており、
前記連結部材は、前記支持部材の上下位置を調整するための第2調整部が設けられていることを特徴とする軒樋支持具。
【請求項2】
請求項1において、
前記固定部材は、前記建物の屋根の前端部を挟持する挟持部を有し、
該挟持部の前端部は、前記第1調整部よりも前方に突出していることを特徴とする軒樋支持具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記連結部材は、前記固定部材と連結するための連結手段を有し、該連結手段に隣接して前記第2調整部が設けられていることを特徴とする軒樋支持具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に固定される固定部材と、軒樋を支持する支持部材とを有する軒樋支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物に固定される固定部材と、軒樋を支持する支持部材とで構成されている軒樋支持具が知られている(たとえば、特許文献1)。このような軒樋支持具は、固定部材に設けられている長孔と連結体とにより、支持部材の固定部材に対する上下位置を調整することが可能である。また、このような軒樋支持具は、支持部材の上下位置を十分に調整可能とするために、長孔が上下方向に長く形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−100732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような軒樋支持具は、支持部材が固定部材の長孔の上部に固定されると、固定部材の下部が支持部材や軒樋よりも下方に位置してしまい、固定部材が建物の前方や下方から視認可能に露出され、見栄えが悪くなってしまう。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、固定部材に対する上下位置が調整可能な支持部材を有する見栄えの良い軒樋支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の軒樋支持具は、建物に固定される固定部材と、軒樋を支持する支持部材とを有する軒樋支持具において、前記固定部材と前記支持部材とは、連結部材を介して連結され、前記固定部材は、前記連結部材の上下位置を調整するための第1調整部が設けられており、前記連結部材は、前記支持部材の上下位置を調整するための第2調整部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の軒樋支持具は上述した構成とされているため、第1調整部と第2調整部とが協働して支持部材の上下位置を調整することが可能となる。また、支持部材の下方に固定部材の下部が露出しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】は、本発明の実施の形態に係る軒樋支持具の模式的斜視図である。
図2】は、同軒樋支持具の模式的分解斜視図である。
図3】は、同軒樋支持具の模式的側面図であり、(a)、(b)は、それぞれ連結部材及び支持部材の上下位置が異なる状態を示している。
図4】(a)は、軒樋支持具の変形例を示している模式的分解側面図、(b)は連結部材の模式的背面図、(c)は支持部材の模式的背面図である。
図5】は、他の実施形態に係る軒樋支持具の模式的分解斜視図である。
図6】は、同軒樋支持具の模式的側面図であり、(a)、(b)は、それぞれ連結部材及び支持部材の上下位置が異なる状態を示している。
図7】(a)は、他の実施形態に係る軒樋支持具の模式的分解斜視図、(b)は、(a)の固定部材、連結部材、支持部材が連結されている状態における軒樋支持具のX−X線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。まず、軒樋支持具の基本構成について説明する。なお、軒樋支持具が建物の軒先に固定されている状態を基準にして、前後方向(建物側を後ろ方向、それとは反対側を前方向)、幅方向(軒先に対する見付の方向と一致する方向)、上下方向等を規定する。また、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
【0010】
図1図3の軒樋支持具1について説明する。
軒樋支持具1は、建物8に固定される固定部材2と、軒樋7を支持する支持部材4とを有する。固定部材2と支持部材4とは、連結部材3を介して連結されている。固定部材2は、連結部材3の上下位置を調整するための第1調整部20が設けられている。連結部材3は、支持部材4の上下位置を調整するための第2調整部30が設けられている。
以下、詳しく説明する。
【0011】
本実施形態の固定部材2、連結部材3、支持部材4は、金属製の板材を加工して形成されている。固定部材2は、建物8に固定されるための固定手段と、固定手段から下方に延伸している吊り片部22とを有している。本実施形態では、固定手段は、建物8の前方に向けて下り傾斜している屋根の前端部81を挟持して軒樋支持具1を固定する挟持部21である。挟持部21は、後端部21bから前端部21aまで前方に下り傾斜している上片部21Aと、折り返すように後方に上り傾斜している下片部21Bとを有している。上片部21Aには、屋根にネジや釘等の固着具が挿通される挿通孔21Aaが穿設されている。下片部21Bは、上片部21Aの下方に位置し、側面視して、上片部21Aの前後方向の半ば付近まで折り返されている。上片部21Aと下片部21Bとの間には、前端部21aから屋根の前端部81が挿入される間隙が形成される。挟持部21の前端部21aは、上片部21Aと下片部21Bとにより、側面視して略U字状に形成されている。挟持部21の下片部21Bから下方に延伸して吊り片部22が形成されている。吊り片部22には、上下方向に延伸している長孔20Aが穿設されており、本実施形態では、この長孔20Aが第1調整部20となる。挟持部21の前端部21aは、第1調整部20を有する吊り片部22よりも前方に突出している。吊り片部22の上下寸法は、後述する支持部材4の上下寸法よりも小さく形成されていることが望ましい。
【0012】
連結部材3は、短片部31と、短片部31の幅方向に隣接して上下方向に延伸している長片部32とを有している。連結部材3は、正面視して反転した略L字状に形成されている。短片部31は、ボルト51が挿通される丸孔31Aが穿設されており、この丸孔31Aが固定部材2と連結するための連結手段である。長片部32には、上下方向に延伸している長孔30Aが穿設されており、この長孔30Aが第2調整部30となる。固定部材2との連結手段である丸孔31Aの幅方向に隣接して長孔30Aが設けられているため、長孔30Aに挿通されるボルト51の軸部が、固定部材2の吊り片部22に接触することなく、長孔30Aに沿って支持部材4を上下方向にスライドさせることができる。また、連結部材3を固定部材2の長孔20Aに沿って上下方向にスライドさせても、長孔30Aに挿通されるボルト51の軸部が、固定部材2の吊り片部22に接触することを回避することができる。連結部材3の上下寸法は、固定部材2の吊り片部22の上下寸法と略同程度に形成され、また、後述する支持部材4の上下寸法よりも小さく形成されていることが望ましい。
【0013】
支持部材4は、軒樋7を支持する支持部41と、軒樋7の前耳を保持する前耳保持部42aと、軒樋7の後耳を保持する後耳保持部42bとを有している。本実施形態では、支持部41は、軒樋7を受け支持する受具であり、側面視して略U字状に形成されている。前耳保持部42aは、折り曲げ自在な薄板の金属材で形成されており、支持部41が軒樋7を支持している状態で、図3(a)(b)の二点鎖線矢印に示すように軒樋7の内方側に折り曲げることで、軒樋7の前耳を保持する。後耳保持部42bは、側面視して略コ字状に形成されている。後耳保持部42bは、後面42baに前後方向に穿設された丸孔43Aを有している。
【0014】
上述のようにして形成された固定部材2、連結部材3、支持部材4を連結させることで、軒樋支持具1が構成される。本実施形態では、ボルト51と蝶ナット52を用いて各部材が連結される。連結部材3の丸孔31Aと固定部材2の第1調整部20である長孔20Aとが前後方向に重なっている状態で、後方からボルト51を挿通させて蝶ナット52で締結させることで、固定部材2と連結部材3とが連結される。なお、ボルト51は、連結部材3の丸孔31Aの前方から挿通されてもよい。そして、支持部材4の丸孔43Aと連結部材3の第2調整部30である長孔30Aとが前後方向に重なっている状態で前方からボルト51を挿通させて蝶ナット52で締結させることで、連結部材3と支持部材4とが連結される。なお、各蝶ナット52と連結部材3との間には、座金6が介在されている。
【0015】
上述のようにして構成された軒樋支持具1を建物8に固定させる。まず、建物8の屋根の前端部81を、前方から軒樋支持具1の挟持部21によって挟みこませて仮固定させる。そして、挟持部21の上片部21Aの挿通孔21Aaにボルトや釘等の固着具を挿通させることによって、軒樋支持具1が建物8に固定される。
【0016】
軒樋支持具1が建物8に固定されたら、支持部材4の上下位置を調整する。第1調整部20である長孔20Aに沿って連結部材3を上下方向に移動させて位置を調整することで、連結部材3の上下位置と、連結部材3に連結されている支持部材4の上下位置とを調整することができる。また、連結部材3に設けられている第2調整部30である長孔30Aに沿って支持部材4を上下方向に移動させて位置を調整することで、支持部材4の上下位置を調整することができる。つまり、軒樋支持具1は、固定部材2に設けられている第1調整部20と、連結部材3に設けられている第2調整部30との協働により、支持部材4の上下位置を調整することができる。
【0017】
本発明の軒樋支持具1は、固定部材2に設けられている第1調整部20と、連結部材3に設けられている第2調整部30との二部材により支持部材4の上下位置を調整することができる。そのため、本実施形態の吊り片部22の上下寸法は、固定部材の吊り片部の長孔のみによって支持部材の上下位置を調整する従来の軒樋支持具と比べて半分程度の上下寸法で形成できる。
【0018】
また、連結部材3の長片部32の上下寸法は、固定部材2の吊り片部22の上下寸法と略同程度に形成され、また、支持部材4の上下寸法よりも小さく形成されている。そのため、図3(a)に示すような支持部材4が第2調整部30の上部に固定されても、固定部材2の吊り片部22の下端部や連結部材3の長片部32の下端部が、支持部材4よりも下方に露出しない態様となる。また、図3(b)に示すような支持部材4が第2調整部30の下部に固定されても、当然に固定部材2の吊り片部22の下端部や連結部材3の長片部32の下端部が、支持部材4よりも下方に露出しない態様となる。
【0019】
軒樋支持具1は、上述の構成や形状に限定されることはない。例えば、図4(a)の軒樋支持具1の模式的分解側面図が示すように、固定部材2を建物8に固定させる固定手段は、挟持部21でなくてもよく、後端部23bから前端部23aに向けて下り傾斜した傾斜部23であってもよい。そして、傾斜部23の前端部23aから下方に延伸して吊り片部22が形成されてもよい。
【0020】
また、図4(a)及び連結部材3の模式的背面図である図4(b)に示すように、連結部材3の短片部31の側端面には、後方に延伸している側壁部34Aが形成されてもよい。側壁部34Aは、固定部材2と連結部材3とが連結されることで、固定部材2の吊り片部22の側端面に接触して、連結部材3がボルト51を軸にして回動するのを防止する。また、短片部31のボルト51が挿入される挿通孔は、矩形状に穿設されている角孔31Bであってもよい。そして、ボルト51は、頭部と軸部との境目に回り止め部51aが形成されている根角ボルトであってもよい。ボルト51は連結部材3の前方から角孔31Bに挿入される。ボルト51の回り止め部51aが角孔31Bに挿入されることで、ボルト51と蝶ナット52とを螺合させる際に、ボルト51が回動して空転するのを防ぐ効果を奏する。
【0021】
図4(a)及び支持部材4の模式的背面図である図4(c)に示すように、支持部材4は、支持部材4の後耳保持部42bの後面42baの一部を後方に切り起こして切り起こし片44が形成されてもよい。切り起こし片44が第2調整部30である長孔30A内に挿入されることで、切り起こし片44は、支持部材4がボルト51を軸にした回動を防止する回り止めとなる。また、後耳保持部42bのボルト51が挿通される挿通孔は、矩形状に穿設されている角孔43Bであってもよい。そして、ボルト51は回り止め部51aが角孔43Bに挿入される根角ボルトであってもよい。
【0022】
次に他の実施形態について説明する。なお、図1図3の軒樋支持具1を第1実施形態とし、第1実施形態と共通する部分の説明は省略する。
図5,6に示す第2実施形態の軒樋支持具1の固定部材2は、建物8の屋根の前端部81を上片部21Aと下片部21Bとで挟持する挟持部21と、挟持部21から下方に延伸して形成されている吊り片部22とを有する。挟持部21の上片部21Aには、屋根にネジや釘等の固着具が挿通される挿通孔21Aaが穿設されている。固定部材2の吊り片部22には、正面視して矩形状の複数の挿通孔20Bが上下方向に等間隔に穿設されており、この複数の挿通孔20Bが固定部材2に設けられている第1調整部20となる。
【0023】
連結部材3は、上下方向に延伸している長尺の板状体である。連結部材3の上端部には、連結手段である係止部33が後方に突出して形成されている。係止部33は、後方に延伸している水平片33aと、水平片33aの後端部から下方に突出している爪片33bとを有するかぎ爪状に形成されている。係止部33の下方には、正面視して矩形状の複数の挿通孔30Bが上下方向に等間隔に穿設されており、この複数の挿通孔30Bが連結部材3に設けられている第2調整部30となる。つまり、本実施形態では、連結手段である係止部33の下方に隣接して第2調整部30が設けられている。
【0024】
支持部材4は、軒樋7を支持する支持部41と、支持部41の前方に形成された前耳保持部42aと、支持部41の後方に形成された後耳保持部42bとを有している。後耳保持部42bの後面42baの上端部には、後方に突出している係止部45が形成されている。係止部45は、後方に延伸している水平片45aと、水平片45aの後端部から下方に突出している爪片45bとを有するかぎ爪状に形成されている。
【0025】
上述のようにして形成された固定部材2、連結部材3、支持部材4を連結させることで、軒樋支持具1が構成される。固定部材2の第1調整部20のいずれかの挿通孔20Bに、連結部材3の係止部33が挿通される。係止部33は、爪片33bが挿通孔20Bの下方の部位に引っ掛かって係止される。これにより、固定部材2と連結部材3とが連結される。
連結部材3と支持部材4との連結も、上述した固定部材2と連結部材3との連結と同様にして行われる。支持部材4の係止部45が連結部材3の第2調整部30のいずれかの挿通孔30Bに挿通されることで、連結部材3と支持部材4とが連結される。
【0026】
図6(a)に示すように、支持部材4が連結部材3の上方に固定されると、支持部材4の係止部45の爪片45bは、連結部材3と固定部材2の吊り片部22とに挟まれるように位置する。そのため、連結部材3の係止部33の水平片33aの前後寸法は、支持部材4の係止部45の前後寸法よりも大きく形成されている。
なお、図6(b)に示すように、支持部材4が連結部材3の下方に固定されると、支持部材4の係止部45の爪片45bは、連結部材3と固定部材2の吊り片部22とに挟まれない。その結果、連結部材3の係止部33の水平片33aが、第1調整部20の挿通孔20Bに対して前後にスライドして不安定になる恐れがある。そのため、後述する図7の連結部材3の側壁部34Bのような吊り片部22の前面に接触する部位が連結部材3に形成されて、連結部材3が前後に動きにくくなる構成であってもよい。また、第1調整部20の複数の挿通孔20Bの間隔と第2調整部30の複数の挿通孔30Bの間隔とをそれぞれ異ならせることで、軒樋7の水勾配に合わせて支持部材4の上下位置を微調整することができる。
【0027】
図7(a)(b)に示す第3実施形態の軒樋支持具1は、第1実施形態と略同様の固定部材2と、第2実施形態と略同様の支持部材4とを有し、連結部材3が他の実施形態と異なる構成となっている。
連結部材3は、上下方向に延伸している長尺の板状体である。連結部材3の上部には、ボルト51が挿通される丸孔31Aが穿設されている。そして、丸孔31Aの下方には、正面視して矩形状の複数の挿通孔30Bが上下方向に等間隔に穿設されており、この複数の挿通孔30Bが連結部材3に設けられている第2調整部30となる。連結部材3の両側端には、後方に折曲されて側壁部34Bが形成されている。固定部材2、連結部材3、支持部材4が連結されている状態における軒樋支持具1のX−X線断面図である図7(b)に示すように、連結部材3の側壁部34Aの後端面は、固定部材2の吊り片部22の前面に接触するように形成されている。そのため、固定部材2と連結部材3とが連結されると、吊り片部22と連結部材3との間に間隙sが形成される。連結部材3の上部の挿通孔30Bに支持部材4の係止部45が連結されると、間隙s内に支持部材4の係止部45の爪片45bが挿入される。
【0028】
連結部材3の丸孔31Aと固定部材2の第1調整部20の長孔20Aとが前後方向に重なっている状態で、丸孔31Aの前方からボルト51が挿通され、蝶ナット52で締結されることで、固定部材2と連結部材3とが連結される。そして、連結部材3の第2調整部30のいずれかの挿通孔30Bに支持部材4の係止部45が係止されることで、連結部材3と支持部材4とが連結される。
【0029】
本発明の軒樋支持具1は、上述した各実施形態に限定されることはない。例えば、支持部材4は、前耳保持部42aと後耳保持部42bとによって軒樋7の前耳と後耳とを吊り保持する吊り具であってもよい。また、軒樋支持具1は、各実施形態の特徴事項が適宜組み合わされてもよい。例えば、第2,3実施形態の連結部材3は、第1実施形態のように、短片部31と長片部32とを有する構成であってもよい。また、第2,3実施形態の固定部材2も挟持部21ではなく、図4に示すような傾斜部23であってもよい。また、第1調整部20や第2調整部30も、上述した長孔や複数の挿通孔に限定されることはなく、適宜設計されればよい。また、軒樋支持具1は、あらかじめ各部部材が連結されている状態で建物8に固定される態様に限定されることはない。各部材が連結されていない状態で、固定部材2を建物8に固定された後、連結部材3、支持部材4が連結される態様であってもよい。また、第1実施形態の軒樋支持具1は、バランスをよくするために第2調整部30の長孔30Aと第1調整部20の長孔20Aとが前後方向に重なるものとしてもよい。その場合は、第2,3実施形態のように、連結部材3は短片部31を有しない構成とし、固定部材2の吊り片部22と、連結部材3との間に空隙が形成されるような構成が好ましい。また第1実施形態のように第1調整部20と第2調整部30とが長孔20A,30Aである軒樋支持具1は、1つの留め具で第1調整部20の長孔20Aに連結されている連結部材3と、第2調整部30の長孔30Aに連結されている支持部材4との上下方向のスライドのロック/アンロックを切り替える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 軒樋支持具
2 固定部材
20 第1調整部
21 挟持部
21a 前端部
3 連結部材
30 第2調整部
4 支持部材
7 軒樋
8 建物
81 (屋根の)前端部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7