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特開2021-99320放射性同位体を用いたパイプ及び他の構造体に対する放射線検査システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-99320(P2021-99320A)
(43)【公開日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】放射性同位体を用いたパイプ及び他の構造体に対する放射線検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20180101AFI20210604BHJP
【FI】
   G01N23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-203152(P2020-203152)
(22)【出願日】2020年12月8日
(31)【優先権主張番号】62/952,057
(32)【優先日】2019年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/852,279
(32)【優先日】2020年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】517023736
【氏名又は名称】ヴァレックス イメージング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クライド メイ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ティー ニシウス
(72)【発明者】
【氏名】ラジャシェカー ヴェンカタチャラン
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001GA06
2G001HA13
2G001KA04
2G001KA11
2G001LA02
2G001MA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射性同位体を用いたパイプ及び他の構造体に対する放射線検査システムを提供する。
【解決手段】いくつかの実施形態には放射線検査システムが含まれている。放射線検査システムは、検出器と、検出器を構造体に、検出器が構造体の周りに移動できるように取り付けるように構成された支持体と、放射性同位体コリメータと、検出器を放射性同位体コリメータに結合して、放射性同位体コリメータが検出器とともに動くようにするコリメータ支持アームと、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線検査システムであって、
検出器と、
前記検出器を構造体に、前記検出器が前記構造体の周りに移動できるように取り付けるように構成された支持体と、
放射性同位体コリメータと、
前記検出器を前記放射性同位体コリメータに結合して、前記放射性同位体コリメータが前記検出器とともに動くようにするコリメータ支持アームと、
を含む、放射線検査システム。
【請求項2】
前記検出器及び前記放射性同位体コリメータを前記構造体の周りに回転させるように構成された制御論理回路をさらに含む、請求項1に記載の放射線検査システム。
【請求項3】
前記制御論理回路はさらに、前記検出器が回転すると前記検出器からデータを連続的に取得するように構成されている、請求項2に記載の放射線検査システム。
【請求項4】
前記制御論理回路はさらに、前記検出器から複数の画像を取得するように構成され、各画像は異なる回転位置で取得される、請求項2または3に記載の放射線検査システム。
【請求項5】
前記制御論理回路はさらに、前記複数の画像を結合して合成画像にするように構成されている、請求項4に記載の放射線検査システム。
【請求項6】
前記制御論理回路はさらに、滞留時間及び前記複数の画像の数の少なくとも一方を決定するように構成されている、請求項4または5に記載の放射線検査システム。
【請求項7】
前記制御論理回路はさらに、前記複数の画像を取得するために前記検出器の活性領域全体よりも小さい前記検出器の活性領域を選択するように構成されている、請求項4から6のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項8】
無線通信システムをさらに含み、
前記制御論理回路はさらに、前記検出器からデータを、前記無線通信システムを通して通信するように構成されている、請求項2から7のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項9】
前記制御論理回路はさらに、前記構造体及び放射性同位体の少なくとも一方に基づいて走査パラメータを生成するように構成されている、請求項2から8のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項10】
前記コリメータ支持アームは調整可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項11】
前記コリメータ支持アームは少なくとも2つの自由度を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項12】
前記支持体は、前記検出器を前記構造体に取り付けるように構成された柔軟なベルトを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の放射線検査システム。
【請求項13】
前記柔軟なベルトはさらに、前記検出器が前記構造体の周りに動くと前記検出器とともに動く、請求項12に記載の放射線検査システム。
【請求項14】
方法であって、
放射性同位体を露出させることと、
検出器を用いて複数の画像を取得することであって、前記検出器は、前記露出させた放射性同位体と前記検出器との間の構造体によって位置付けられている、取得することと、
前記複数の画像のうち少なくとも2枚を取得する間に前記検出器を前記構造体の周りに回転させることと、
前記複数の画像の取得が完了した後でのみ前記放射性同位体を後退させることと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記放射性同位体を前記検出器とともに前記構造体の周りに回転させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記検出器を前記構造体の周りに回転させることは、各連続した対の前記複数の画像を取得する間に前記検出器を前記構造体の周りに回転させることを含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の画像を結合して合成画像にすることをさらに含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記構造体の特性に基づいて前記複数の画像の数を選択することをさらに含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
システムであって、
放射線に応じて画像を生成するための手段と、
前記放射線をコリメートするための手段と、
前記放射線に応じて前記画像を生成するための前記手段を前記放射線をコリメートするための前記手段に取り付けるための手段と、
前記放射線に応じて前記画像を生成するための前記手段を対象物に移動可能に取り付けるための手段と、を含むシステム。
【請求項20】
前記放射線に応じて、前記画像を生成するための前記手段からの複数の前記画像を結合して合成画像にするための手段のための手段を含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
放射線検査システムはパイプ及びパイプ溶接部などの対象物の画像を生成する場合がある。たとえば、放射線検査システムをパイプに取り付けて溶接部の複数の画像を生成する場合がある。放射性同位体を露出させる場合があり、画像を取り込む場合があり、放射性同位体を後退させる場合があり、技師が放射線検査システムを別の位置に動かす場合がある。所望の数の画像が生成されるまでプロセスが繰り返される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1A】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図1B】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図2A】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。
図2B】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。
図2C】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。
図2D】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。
図2E】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。
図3】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図4A】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図4B】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図5A】いくつかの他の実施形態による放射線検査システムからの画像上で行われる動作のブロック図である。
図5B】いくつかの他の実施形態による放射線検査システムからの画像上で行われる動作のブロック図である。
図6】いくつかの実施形態による放射線検査システムの一部のブロック図である。
図7】いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。
図8】いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
いくつかの実施形態は放射線検査システムに関し、詳細には、放射性同位体を用いたパイプ及び他の構造体に対する放射線検査システムに関する。
【0004】
種々の異なるパイプ直径に対するパイプ溶接部を、放射線試験(RT)を用いて検査する場合がある。このようなパイプの例としては、約1.5インチ(in.)〜約12インチ(約3.81〜30.5センチメートル(cm))直径のパイプが挙げられる。パイプは最初、製油所または化学工場などの設備を建設する間に溶接される場合がある。溶接部は最初の溶接後に及び/または定期検査間隔で検査する場合があり(たとえば、パイプの腐食を検査するとき)、これは規制または品質保証要求によって求められる場合がある。従来、いくつかのRT方法では、放射線源としてIr−192などの放射性同位体及びフィルムを用いて、二重壁片面撮影(DWSI)プロセスを行う。このプロセスでは放射性同位体線源をパイプの一方の側に、フィルムを他方の側に置く。二重壁とは、画像を取得する前に放射線源からの放射線がパイプの2つの壁(たとえば、放射線源に最も近いパイプ壁とフィルムに最も近いパイプ壁)を貫通することを指す。溶接部の検査部分はフィルムに最も近い側である。このタイプのイメージングに対する時間には、技師が線源コリメータとフィルムをパイプの周りに配置すること、線源を露出する前に放射線被曝を最小限にするために安全な距離まで後退すること、パイプ直径及び壁厚さに基づいてパイプを正確な時間の間露出させること、線源を後退させること、露出されたフィルムを現像するために取り出すこと、そして線源及び検出器を動かして溶接部のさらなるDWSI画像を実現し、全範囲に広げることが含まれる。プロセスは、フル範囲を得るのに3〜6枚のフィルム撮影をし、15〜20分間かかる場合がある。その結果、時間あたり約3〜4箇所の完全な溶接部に対する画像を完了させることができる。加えて、各フィルムを次に現場で調べて、フィルム保管庫に保管するかまたはデジタル形式に変換してデジタル保管しなくてはならない。いくつかのプロセスでは、柔軟な蛍光イメージングプレートを用いて露出させる。露出させたプレートをスキャンしてデジタル化する。
【0005】
これらの技術には大きな労働力が必要となる場合があり、設備建設の間に特に重要となるスループットが制限される可能性がある。溶接部検査に対してデザインされた他のシステムとして、DWSI用のX線管ならびに一重壁片面撮影(SWSI)を挙げてもよい。SWSIは、いくつかの好適なメカニズムによって放射線源をパイプの内側に配置して、フィルムをパイプ(またはパイプの一部)の外側に巻き付け、放射線源からの放射線をパイプの1つの壁を貫通させて画像を取得するという技術である。SWSIによってフィルムをパイプの外側全体に巻き付けることは、パノラマ露出法またはイメージングとして知られている場合がある。しかし、システムにX線管が含まれると、パワー及び重量の両方に適応するためにシステムとしては大きくなるため、直径の大きいパイプに適用することは制限される場合がある。放射性同位体線源は、同様のX線またはガンマ線エネルギーを生成するX線管よりもはるかに軽い可能性がある。加えて、このようなシステムを別の溶接位置まで動かすためには、機器を持ち上げる必要が生じる場合があり(たとえば、クレーン)、セットアップ時間が長くなる。
【0006】
図1A〜1Bは、いくつかの実施形態による放射線源として放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。図1Aは切り取り図であり、図1Bは平面1Bに沿って見た断面図である。図1A及び1Bを参照して、いくつかの実施形態では、放射線検査システム100には、検出器102、支持体104、放射性同位体コリメータ106、及びコリメータ支持アーム(CSA)108が含まれている。放射性同位体118、露出装置116、露出管114などは、パイプ110または他の対象物に基づいて画像を生成するために、システム100の一部であってもよく及び/またはシステム100とともに用いてもよい。
【0007】
検出器102には、放射性同位体コリメータ106内に配置されたときに放射性同位体118からの放射線112を検知するように構成されたセンサの2次元イメージングアレイ111が含まれている。検出器102には、アモルファスシリコン(a−Si)、インジウムガリウム酸化亜鉛(IGZO)、または相補型金属酸化物半導体(CMOS)フラットパネル検出器などが含まれていてもよい。他の実施形態では、検出器102には湾曲した検出器が含まれていてもよい。他の実施形態では、検出器102にはパイプ110の湾曲に適合する柔軟な検出器102が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、検出器102がパイプ110から半径方向にずれることに適応するために、柔軟な検出器102の湾曲はパイプ110のそれとは異なっていてもよい。他の実施形態では、検出器102には、長さに沿ったピクセルの数に対して幅に沿ったピクセルの数が少ないラインスキャナが含まれていてもよい。ラインスキャナは、連続スキャニング応用例または検出器102の連続的な一様な動きの応用例においてうまく機能する。
【0008】
放射線112を検出器102のイメージングアレイ111によって検出可能な波長に変換するために、検出器102に変換スクリーン、シンチレーターなどが含まれていてもよい。たとえば、シンチレーターには、ガドリニウムオキシスルフィド(GdS;GOS;Gadox)、テルビウムがドープされたガドリニウムオキシスルフィド(GdS:Tb)、ヨウ化セシウム(CsI)などが含まれていてもよい。例としてシンチレーターのいくつかの材料を用いているが、他の実施形態では、特定の放射性同位体118に応じて材料は異なっていてもよい。他の実施形態では、イメージングアレイ111には、放射線112を信号に直接変換するように構成された直接変換型センサ(カドミウムテルル化物(CdTe)、カドミウム亜鉛テルル化物(CdZnTeまたはCZT)、セレンなどを含む)が含まれていてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、検出器102のイメージングアレイ111のピクセル領域は約14.6x14.6cm(または5.8x5.8in)であってもよい。イメージングアレイ111にはピクセルの1152x1152アレイが含まれていてもよい。ピクセルピッチは約127ミクロン(μm)であってもよい。検出器102は、少なくとも16ビット精度でピクセルの出力をデジタル化するように構成してもよい。検出器102には通信インターフェース、たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、イーサネット(登録商標)インターフェースなどが含まれていてもよい。例として検出器102、イメージングアレイ111などの特定のコンポーネント及びパラメータを用いているが、他の実施形態ではパラメータは異なっていてもよい。
【0010】
検出器102には制御論理回路109が含まれていてもよい。制御論理回路109には、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、プログラマブル論理回路、ディスクリート回路、このようなデバイスの組み合わせなどが含まれていてもよい。制御論理回路109には、外部インターフェース、たとえばアドレス及びデータバスインターフェース、割込みインターフェースなどが含まれていてもよい。制御論理回路109には、制御論理回路109を内部及び外部部品に接続するための他のインターフェースデバイス、たとえば、ロジックチップセット、ハブ、メモリコントローラ、通信インターフェースなどが含まれていてもよい。制御論理回路109は、本明細書で説明する種々の動作を制御するように構成してもよい。
【0011】
システム100は、直径が約2in.〜約12in.(約5cm〜30.5cm)のパイプ110について動作するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、パイプ110直径の範囲は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、システム100は単一のパイプ110直径に対して構成してもよい。他の実施形態では、システム100は、ある直径範囲のパイプ110についてシステム100を使用し得るように調整可能であってもよい。パイプ110は鉄または非鉄であってもよい。いくつかの実施形態では、あるパイプ内の合金元素からの屈折が原因で、X線源を用いることは難しい場合がある。放射性同位体118を用いることによってこのような合金の影響が減る場合がある。
【0012】
いくつかの実施形態では、システム100の重量は、約30ポンド(lbs;約13.6キログラム(kg))、約55ポンド(約25kg)等を下回っている。重量は、一人の人間がシステム100をパイプ110に取り付けて、操作して、取り外し得るほどに十分低くてもよい。たとえば、検出器102の重量は約6ポンドまたは2.7kgであってもよい。モータ、チェーン、構造体部品などを、重量を前述した制限未満に保つように選択してもよい。
【0013】
支持体104は、検出器102を構造体に、検出器102が構造体の周りに移動できるように取り付けるように構成されている。ここで、構造体の一例としてパイプ110を用いているが、他の例では別の構造体を用いてもよい。いくつかの実施形態では、支持体104は検出器102をパイプ110に回転可能に結合させるように構成されている。たとえば、支持体104には、パイプ110の周りに巻き付けるチェーンベルト、ローラチェーン、柔軟な構造体などが含まれていてもよい。特定の例では、チェーンベルトが検出器102をパイプ110に回転可能に結合させてもよく、一方でモータ、ホイール、または他の構造体が検出器102の位置をパイプ110の周囲に維持及び/または回転させてもよい。ここで、パイプ110に接触するホイール107が、検出器104をパイプの周りに回転させ、及び/または検出器102を特定の位置に保持してもよい。いくつかの実施形態では、支持体104は検出器102とともに回転する。しかし他の実施形態では、支持体104はパイプ110に取り付け可能な構造体であってもよく、また検出器102が支持体104の周りに回転して、結果としてパイプ110の周りに回転してもよい。いくつかの実施形態では、検出器102及び/または支持体104は、検出器102を溶接部及び/またはパイプ110表面から所望の距離に配置するように構成可能であってもよい。たとえば、支持体104は、溶接部122またはパイプ110壁に対して、検出器102をクリアランス0.35in.(または8.9ミリメートル(mm))、クリアランス0.5in.(または1.27cm)、クリアランス1in.(または2.54cm)で配置するように構成可能であってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、支持体104は長さが調整可能であってもよい。たとえば、チェーンベルトはある直径範囲(たとえば約1.5in.〜約12in.(または約3.81cm〜約30.5cm))のパイプ110を取り囲むのに十分な長さであってもよい。
【0015】
放射性同位体コリメータ106は、放射性同位体118からの放射線112を成形するように構成された構造体である。たとえば、放射線コリメータ106には、望ましくない方向に放出された放射線112を遮蔽するためのシールディング、及び放射性同位体118が放射性同位体コリメータ106内にあるときに、放出された放射線112を成形するためのコリメーティング構造(たとえば、一連の平行な開口部)が含まれていてもよい。
【0016】
放射性同位体コリメータ106は、コリメータ支持アーム108によって検出器102に堅固に及び/または調整可能に結合してもよい。コリメータ支持アーム108は、検出器102に対して放射性同位体コリメータ106を位置決めするためのゼロ以上の自由度を与えてもよい。たとえば、コリメータ支持アーム108には、放射性同位体コリメータ106を検出器102に堅固に接続するC形状アームが含まれていてもよい。このようなシステム100は単一直径のパイプに対してデザインしてもよい。他の例では、コリメータ支持アーム108には、検出器102に対して放射性同位体コリメータ106を回転及び/または平行移動させるための複数の自由度が含まれていてもよい。コリメータ支持アーム108は、放射性同位体コリメータ106を検出器102に調整後に堅固に(または半永久的に)接続するように固定されるように構成可能であってもよい。したがって、放射性同位体コリメータ106及び検出器102の向きを、その動作の間に固定してもよい。しかし、別の動作の場合に対しては、たとえばシステム100を異なる直径のパイプまで動かすときには、コリメータ支持アーム108をパイプ直径の差に適応するように調整してもよい。いくつかの実施形態では、コリメータ支持アーム108には、放射性同位体コリメータ106の位置及び向きを調整するための一連の継ぎ手が含まれていてもよい。それとは関係なく、検出器102をパイプ110の周りに動かすときに検出器102と放射性同位体コリメータ106との間の相対位置が実質的に同じままであるように、コリメータ支持アーム108は調整後に固定されるように構成可能であってもよい。実質的に同じには、同じ位置が含まれていてもよいが、機械公差、コリメータ支持アーム108の歪みなどに起因する多少のばらつきも含まれる。
【0017】
放射性同位体118は、フィールド放射線撮影においてX線管よりも広範に用いられる。特にオイル及びガス産業などの業界であり、これはサイズ、重量、パワー、ケーブル布線、アクセス可能性、及び/またはエネルギー要求性などの理由からである。本明細書で説明するシステム100を用いれば、ユーザは放射性同位体118をシステム100の性能を向上させて使い続け得る。
【0018】
放射性同位体118を露出装置116内に配置するように構成してもよい。露出装置116には、放射性同位体を放射性同位体コリメータ106に向けて延ばして後退させることができるような構造体が含まれていてもよい。たとえば、放射性同位体118をケーブル120に結合してもよい。ケーブル120を、たとえばクランクを回転させて、モータを起動する等によって操作して、放射性同位体118を、露出管114を通して放射性同位体コリメータ106まで動かしてもよい。放射性同位体118を実線の後退位置及び破線の露出位置で例示している。
【0019】
露出時、放射線112はパイプ110の両方の壁を通って進むが、検出器102に最も近い壁上の溶接部122の部分122aのみが検査に対して十分に敏感である。すなわち、溶接部122の部分122bは、イメージングアレイ111において顕著な検出信号が生じない位置であってもよく、及び/または放射性同位体コリメータ106のせいで放射線112の強度が部分122aと比べて低くなっている位置であってもよい。放射性同位体コリメータ106は検出器102からパイプ110に沿って軸方向にずれていてもよい。一例では、軸方向のずれによって、画像化された放射線112が、少なくとも検出器102から最も遠い壁(放射性同位体コリメータ106に最も近い壁)上の溶接部122の部分122bを貫通することが回避される場合がある。コリメータ支持アーム108は、種々の直径のパイプに対して放射性同位体118をこのような位置に配置するように構成可能である。放射性同位体118が所定の位置にあれば、システム100はパイプ110の周りに360度回転して溶接部の100%を検査し得る。
【0020】
いくつかの溶接部イメージングの応用例では、検出器及びX線源は、直径が約15in未満のパイプ上では実施可能でない場合がある。X線源が十分なエネルギーを有していると、比較的に小さ目のパイプの周りに配置するには大きすぎる場合がある。X線源が十分に小さいと、パイプを貫通するのに十分なエネルギーを伴う放射線が生成されない場合がある。すなわち、放射線には、パイプのサイズまたはパイプスケジュールに応じてパイプを貫通するのに十分なエネルギーが必要である。このようなエネルギーの例は250キロボルト(kV)以上である。放射性同位体であれば、放射線にこのようなエネルギーを与える場合があり、それでも比較的に持ち運び可能であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、容易に取り付けて取り外すことができる人間が持ち運び可能な検査システムが含まれる。詳細には、人間が持ち運び可能な検査システムは一人の人間が取り付けて取り外し得るものである。人間が持ち運び可能な検査システムには、重量が約20ポンド(約9.1kg)未満、約25ポンド(約11.4kg)未満、約30ポンド(約13.6kg)未満、約45ポンド(約20.4kg)未満、または約55ポンド(約25kg)未満のシステムが含まれていてもよい。システム100はこのような人間が持ち運び可能な検査システムの例である。
【0022】
いくつかの実施形態では、検出器102は、1本以上のケーブル124を通して電力を受け取り及び/または通信するように構成されている。動作時には、システム100がパイプ110の周りに回転すると、ケーブル124がパイプ110の周りに巻かれてもよい。したがって、ケーブル124は、少なくとも完全に一周することによってパイプ100の周りに巻きつくほど十分に柔軟で十分に長くてもよい。詳細には、放射性同位体118が連続的に露出し得るために高線量の放射線が発生するので、動作中に人間の介入は認められ得ない。
【0023】
いくつかの実施形態では、検出器102はケーブル124を用いることなく無線通信するように構成してもよい。たとえば、検出器102には、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、セルラーデータネットワーク、衛星通信ネットワークなどによって動作するための無線通信システム113が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、制御論理回路109を、無線通信システム113を通して画像を通信するように構成してもよい。他の実施形態では、検出器102を、ケーブル124を通して無線通信システムと通信するように構成してもよい。それに応じて、システム100が作成したデータを必要に応じて種々の宛先に送信してもよく、及び/またはシステム100の制御を遠隔に行ってもよい。
【0024】
本明細書で後述するように、システム100をパイプ110に固定したら、放射性同位体118を露出させる。放射性同位体118を露出させている間、システム100をパイプ110の周りに360度回転させて、結果として得られるデジタル画像を互いにつなぎ合わせて溶接部の1つの画像を示し、評価することができる。この合成画像を現場で検査することも可能であり、またはネットワークまたは衛星通信を介して送信して、現場から離れた専門家が評価することも可能である。画像とともに任意の他の収集したメタデータを次にデジタル的に保管することもできる。
【0025】
いくつかの実施形態では、検出器102のイメージングアレイ111は特定のサイズの活性領域を有していてもよい。制御論理回路109は、イメージングアレイ111のうち、画像を取得するための活性領域全体よりも小さい活性領域を選択するように構成してもよい。詳細には、システム100は、種々の異なる直径のパイプ110などの種々の異なる対象物とともに用いてもよい。より小さい直径のパイプ110に対しては、より小さい活性領域を用いてもよく、一方で、より大きい直径のパイプ110についてはより大きい活性領域を用いる。活性領域はパイプ110の直径に対しては上限を設けなくてもよい。たとえ活性領域全体を用いたとしても、画像を取得する間により小さい回転ステップを用いて溶接部122の合成画像を生成してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、検出器102はイメージングアレイ111とは別個のコンポーネントに対するシールディングを有していてもよい。たとえば、放射線112のエネルギー範囲は約280kV〜約720kVであってもよい。放射線112には種々の別個のエネルギーピークがあってもよい。シールディングは、検出器102の制御論理回路109または他のコンポーネントに到達する放射線の量を減らす、ピークのうちの1つ以上を減らす等を行ってもよい。
【0027】
図2A〜2Eはいくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のブロック図である。図2Aを参照して、画像化すべき対象物の一例としてパイプ110を再び用いるが、異なる対象物を画像化するためにシステム100を用いてもよい。システム100をパイプ110上にインストールしてもよい。たとえば、支持体104を検出器102に対する一端に取り付けてもよい。支持体104をパイプ110の周りに巻いて、検出器に再び取り付けてもよい。
【0028】
システム100を固定するための調整を行ってもよい。たとえば、検出器102をパイプ110に固定するように支持体104を調整してもよい。パイプ110に対する検出器102の位置(たとえば、高さ、向きなど)を調整してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、放射線コリメータ106の位置を検出器102に対して固定してもよく、したがってその位置を調整しなくてもよい。しかし他の実施形態では、位置は調整可能であってもよい。前述したように、コリメータ支持アーム108には、予想される放射線112(図1Aに例示する)がイメージングアレイ111上に入射し得る(図1Aに例示する)ように放射線コリメータ106を位置合わせするように調整し得る複数の自由度が含まれていてもよい。
【0030】
図2Bを参照して、放射性同位体118を放射線コリメータ106まで延ばしてもよい。その結果、放射線112は、パイプ110、溶接部122を通過して(図1Bに例示するように)、検出器102のイメージングアレイ111によって検出され得る。溶接部122の画像をパイプ110の周りのこの回転位置において作成してもよい。
【0031】
図2C〜2Eを参照して、システム100をパイプ110の周りに回転させてもよい。ここでは図ごとに90度の回転を例示している。しかし他の実施形態では、角度変化は異なっていてもよく、より小さいものまたはより大きいものが含まれていてもよい。詳細には、放射性同位体118が放射性同位体コリメータ106内で放射線112を発生させている間に、検出器102を位置から位置に移動させてもよい。各位置で画像を取得する。たとえば、全部で10個の画像を取得してもよく、それぞれパイプ110の周りに等間隔に配置される。第1の画像を取得したら、検出器102を36度回転させてもよい。別の画像を新しい位置で取得してもよい。それぞれの所望の場所における画像を取得するまで回転と取得を繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、画像は最後に、イメージングを開始した位置(図2B)で取得してもよい。最後の画像を取得したら、放射性同位体118を露出装置116内に後退させてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、放射性同位体118を、溶接部全体122をスキャンする間に一度だけ露出及び後退させてもよい。しかし他の実施形態では、放射性同位体118を、溶接部122あたり2回以上だが画像あたり1回未満で露出及び後退させてもよい。たとえば、放射性同位体118を露出させて、画像の半分を取得し、放射性同位体118を後退させてもよい。プロセスを繰り返して、溶接部122に沿ったすべての所望の位置において画像を生成してもよい。プロセスを取得画像あたり1回未満で行ってもよいため、放射性同位体118を露出及び後退させるオーバーヘッドが低減される場合がある。
【0033】
いくつかの実施形態では、チェック手順を実施してもよい。チェック手順には単一画像を取得することが含まれていてもよい。単一画像を用いて、受け入れられる像質計(IQI)検出、受け入れられる位置合わせ、リード指標/数の可視性などを検証してもよい。いくつかの実施形態では、IQIには、ワイヤ、事前に孔が穿孔されたプラークなどが含まれていてもよい。IQIを、パイプの周りに配置されたリード数の付近に配置してもよい。受け入れられる画像が取得されるまで相対位置を調整するために、システム100を動かすこと、放射線コリメータ106を調整すること等を行ってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、放射性同位体118を露出させずにテストスキャンを行ってもよい。たとえば、検出器102をパイプ110の周りに完全に回転させてもよい。いくつかの実施形態では、検出器102の回転を、実際のスキャンで画像を取得する各点で停止してもよい。いくつかの実施形態では、テストスキャンを行った後に、検出器102を逆方向に回転させて検出器102をその初期状態に戻してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、動作方法には、十分に重複した複数の別個の場所でデータを取得して倍率差が最小限になるようにすることが含まれていてもよい。その結果、画像をつなぎ合わせて合成画像を形成することには、スケール変更、非線形歪みなどではなくて、画像にマッチするための平行移動及び回転が含まれていてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、所与の場所における滞留時間を、IQI検出を介して必要なコントラストノイズ比(CNR)を実現するように設定してもよい。滞留時間を単一の回転位置において取り込んだテスト画像を通して決定してもよい。画像内で所望のコントラストを実現するために滞留時間を手動でまたは自動的に調整してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、滞留点の数を、放射線コリメータ106から検出器102までによって形成される円の周囲を、本明細書で説明する合成画像にするためにつなぎ合わせるかまたは結合することを実現するための有用な活性領域で割ることによって、設定してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、別の動作方法には、システム100が回転するとデータを連続的に取得することが含まれていてもよい。たとえば、システム100が回転するとしてイメージングアレイ111のピクセルの単一行を用いて1次元画像を取得してもよい。別の例では、イメージングアレイ全体111を用いて、複数の検出器ピクセルを介してパイプ上の同じ点でサンプリングしてもよい。IQIによって求めたCNRを実現するように速度を設定してもよい。異なる検出器ピクセル場所からの倍率差を軽減するために、検出器102データを円の円弧内で再サンプリングしてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、スキャン時間を同位体強度、パイプ110直径及び壁厚さに基づいて計算してもよく、つなぎ合わせアルゴリズムをパネルの規定された活性領域及びパイプ直径に基づいて計算してもよい。スキャン時間を、滞留時間、積分時間、平均するフレームの数などに基づいて計算してもよい。加えて、滞留時間は、画像内のIQIの所与のワイヤが見られるなどの特定の画質レベルを実現することに基づいてもよい。たとえば、スケジュール40、6in.のパイプを、50キュリー放射性同位体118を用いてイメージングする場合、所望の画質はグレーカウントが25000カウント、積分時間が10秒によって実現され得る。この情報を用いて、他の放射性同位体118に対する積分時間を計算してもよい。所与のキュリー強度に対して積分時間とグレーカウントとの間に直線関係が存在するため、異なるキュリー強度の放射性同位体118を用いることは異なる積分時間に変換され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、動作には、放射性同位体118のパイプ種類及び強度を選択することが含まれていてもよい。次にこれらの値を用いて画像取得に対するパラメータを示してもよい。これらのパラメータまたはユーザが変更したパラメータを用いて、画像取得を行い、複数の画像が得られる。次に複数の画像をつなぎ合わせて及び/または結合して合成画像にする。いくつかの実施形態では、合成画像に注釈を付けてもよい。溶接部に隣接するリード要素を用いることを通して画像に情報を埋め込んでもよいが、いくつかの実施形態では、合成画像のメタデータに、このようなデータ及びまたは溶接部112、走査パラメータ、パイプ110、放射性同位体118などに関する他のデータを用いて注釈を付けてもよい。いくつかの実施形態では、画像データを変更して合成画像に注釈を付けてもよい。たとえば、画像データ内でパイプ/溶接部における割れ、空隙、ひびなどを特定して強調してもよい。
【0041】
図3〜4Bは、いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。図3を参照して、コリメータ支持アームにはc型アーム108aが含まれる。c型アーム108aの形状は、システム100aがそのシステム100aに対する最大直径パイプ110の周りの位置であり得るようなものであってもよい。システム100aを他の、より小さい直径のパイプ110とともに用いてもよい。いくつかの実施形態では、c型アーム108を検出器102及び放射線コリメータ106に固定する。その結果、検出器102と放射線コリメータ106との位置合わせを調整する必要がない。
【0042】
図4A及び4Bを参照して、システム100bは前述のシステム100と同様であってもよい。しかしいくつかの実施形態では、コリメータ支持技術108は調整可能であってもよい。ここでは、少なくとも3つの自由度を伴うコリメータ支持アーム108bを例示している。すなわち、コリメータ支持アーム108bは、少なくとも3つの異なる継ぎ手109−1、109−2、及び109−3を回転させることによって調整可能であってもよい。一例として3つの継ぎ手109を用いているが、他の実施形態では、より多いかより少ない継ぎ手を用いてもよい。加えて、継ぎ手109には回転及び/または平行移動メカニズムが含まれていてもよい。
【0043】
図4Aの構成では、支持体104をほぼ最大まで延ばした構成を例示している。したがって、パイプ110aの直径は、システム100bに対する最大パイプ直径またはその近くであってもよい。これに対し、同じシステム100bを調整して、図4Bに例示したより小さい直径パイプ110bに適合するようにしてもよい。この例では、支持体104としてローラチェーンを用いている。ローラチェーン104'の尾部または過剰分は、システム100bをパイプ110bに取り付けた後に残ってもよい。加えて、支持アーム108bの継ぎ手109を調整して、放射線コリメータ106がパイプ110b及び検出器102に対する所望の位置に配置されるようにしてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、継ぎ手109の1つ以上が電子的に制御可能であってもよい。たとえば、継ぎ手109の1つ以上に、継ぎ手を駆動するように構成されたアクチュエータ、たとえばモータ、ソレノイド、油圧または空気圧シリンダなどが含まれていてもよい。制御論理回路109をアクチュエータに結合してもよく、また放射線コリメータ106を所望の位置に置くようにアクチュエータを制御するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、放射性同位体118を露出させている間、アクチュエータは制御可能であってもよい。画質を向上させること、溶接部112の部分112bを回避することなどのために、放射線コリメータ106の位置を取得画像からのフィードバックに基づいて変えてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109には、パイプ直径または他のパイプ特性に基づいて放射線コリメータ106の位置に関する情報を記憶するメモリが含まれていてもよい。他の実施形態では、制御論理回路109は、コンピュータ190または他のシステムから無線通信システム113またはケーブル124を通してこのような情報を受け取るように構成してもよい。
【0046】
図1A及び1Bを再び参照して、いくつかの実施形態において、システム100をセットアップする。リードマーカーを溶接部の近くの周囲方向に配置して、取得画像内にマーカーが現れるようにしてもよい。システム100をパイプ110に、溶接部122に重なる場所にくるように取り付けてもよい。次にコリメータ支持アーム108を調整して、受け入れられる画像が生成されるように放射性同位体コリメータ106を位置決めしてもよい。
【0047】
取得は、たとえばパイプの種類を選択することによって、たとえば直径、スケジュールなどによって、セットアップしてもよい。特定の例には、4in.公称サイズ、スケジュール40パイプなどを選択することが含まれる。検出器102にスキャンプランをアップロードしてもよい。スキャンプランには、パイプの種類、放射性同位体118の強度、キュリー強度、取得/個々の画像の数、積分時間、平均するフレームの数、コリメータ支持アームのアクチュエータの位置などのパラメータが含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、パイプの構成を用いてスキャンプラン及び付随するパラメータを自動的に作成してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、検出器102の活性領域をパイプ直径に基づいて変えてもよい。たとえば、より大きいパイプ110に対しては、より大きい領域を用いてもよい。いくつかの実施形態では、活性領域に対応する平坦からのパイプのずれが、閾値(たとえば、1/4in.または検出器102とパイプ110との離隔距離の何分の1か)よりも小さくなるように、活性領域をパイプの半径に基づいて選択してもよい。他の実施形態では、他の基準を用いて活性領域のサイズを選択してもよい。特定の例では、12in.直径パイプとともに3in.幅の活性領域を用いてもよい。いくつかの実施形態では、より大きい活性領域を用いてもよい。検出器102に対するパイプの湾曲を考慮するために画像を後処理してもよい(たとえば倍率、相対強度などの変更)。
【0049】
図5A及び5Bは、いくつかの他の実施形態による放射線検査システムからの画像上で行われる動作のブロック図である。図5Aを参照して、複数の画像502を対象物の周りの異なる位置で取得してもよい。画像502を結合して合成画像504にしてもよい。破線は個々の画像502の境界を表す。重複領域では、画像を種々の方法で結合してもよい。たとえば、データを重複領域内で平均化すること、2枚の画像の一方または他方に対する近さに応じて加重平均を用いて結合すること等を行ってもよい。一例としてある重複を用いているが、他の実施形態では、画像を重複させることなく互いにタイルのように並べてもよい。
【0050】
図5Bを参照して、いくつかの実施形態では、画像502を前述のように結合する前に前処理してもよい。たとえば、対象物の湾曲、たとえばパイプ壁の湾曲、放射線118の相対強度などを用いて、各画像502をスケール変更するか、歪めるか、または他の場合にはデータを変換してもよい。いくつかの実施形態では、画像を処理して、イメージングアレイ111が対象物の輪郭に従ったかのように、また略均一な放射源を用いてイメージングアレイ111を照明したかのように取得された画像を表すように画像を規格化してもよい。
【0051】
特定の例では、放射源118及び放射性同位体コリメータ106が、画像の中央部のどこかに明るい中心を誘起し得る放射線112を発生させる。この放射線112は円形または楕円形状であってもよく、画像502の境界に向かって強度が小さくなってもよい。2枚の隣接する画像を互いにつなぎ合わせると、これらの画像には、一方の画像において上り勾配で他方において下り勾配となる重複領域がある場合があり、2つの画像の重複度合いを得るために何らかの相互相関手順を適用するときの難しさが増す場合がある。
【0052】
いくつかの実施形態では、各画像からビームプロファイルを差し引く動作を行ってもよい。たとえば、この動作では、方程式1及び2に記述されるように放射源の強度が指数関数的に落ちることを想定してもよい。
【数1】
【数2】
【0053】
変数x及びyは画像の各ピクセルの位置を示す(行列)。一例では、x及びyの範囲は1〜1152である。しかし値は検出器102及び他の処理に基づいて変わってもよい。取得した各画像に対して、6つの量a、b、e、xmax、ymax、及びzを求める必要がある。xmax及びymaxは画像座標系上のビームプロファイルの最大位置を示す。zは線源の距離を示し、像平面と直交する。eはビームプロファイルの楕円率を意味する。プロファイルはxまたはy方向にのみ細長いと想定してもよい。a及びbは指数関数的な減少を記述する任意の定数である。しかし、aは通常、bと比べてむしろ小さく、aは約0.001で、bは約1のオーダーである。6つの未知数を求めるために、方程式3を用いて非線形回帰フィットを計算してもよい。
【数3】
【0054】
ここで、pi,jは画像の各ピクセルの強度である。6パラメータの最尤パラメータ推定を見つけるために、方程式4〜9で与えられる2フィットの最小値を見つけてもよい。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【0055】
この連立非線形方程式を解くときに、非線形回帰フィットに対して用い得る方法であるレーベンバーグマーカート法を用いてもよい。いくつかの実施形態では、方程式10及び11における対数を方程式1に適用することによって指数法則を半線形問題にしてもよい。
【数10】
【数11】
【0056】
6パラメータを求めた後で、方程式12のようにビームプロファイルを差し引いてもよい。
【数12】
【0057】
この新しい取得画像は、他の画像と結合して合成画像にすることに適用できる状態である。いくつかの実施形態では、画像の特徴(たとえば、パイプの周りの番号付けしたリードストラップまたは他のICIによって作成された数)を相互に関連づけることによって、画像を結合してもよい。その結果、複数の画像を結合して単一画像にしてもよい。1つの画像のみが保管、取り出し、管理等の必要があるため、単一画像によって評価作業がより簡単になり得る。
【0058】
図6は、いくつかの実施形態による放射線検査システムの一部のブロック図である。放射線検査システム600は、前述した放射線検査システム100などと同様であってもよい。ここで、放射線検査システム600には高さ調整メカニズム640が含まれている。これは手動で、自動で、または電子的に調整してもよい。高さ調整メカニズム640には、第1の構造体650及び第2の構造体652が含まれている。これらは互いに対して移動可能であり、互いに対して固定されていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、高さ調整メカニズム640には、第1の構造体650に取り付けられたリニアギア660が含まれていてもよい。第2の構造体652にはギア662が取り付けられていてもよい。ギア662はリニアギア660と噛み合うように配置されていてもよい。調整ノブ656を伴うシャフト654によって、第1の構造体650が第2の構造体652に対して動くことを可能にしてもよい。図6では調整ノブを示しているが、他の例では、高さ調整メカニズムの高さには、ギアを動作させるように構成されたアクチュエータ、たとえばモータ、ソレノイド、油圧または空気圧シリンダなどが含まれていてもよい。制御論理回路109はアクチュエータに結合されていてもよく、またアクチュエータを制御して高さ調整メカニズムを調整し、放射線検査システムを所望の高さまで動かすように構成されていてもよい。
【0059】
放射線検査システム600をパイプ110に取り付けるとき、支持体104(例示せず)によって、高さ調整メカニズム640を含む検出器102をパイプ110に取り付けて、ホイール107が検出器102をパイプ110の周りに動かし得るようにしてもよい。第1の構造体650をホイール107に堅固に結合してもよい。その結果、パイプ110に対する第1の構造体650の離隔距離は実質的に同じままであってもよい。しかし、第2の構造体は第1の構造体650に対して移動可能であるため、第2の構造体652をパイプ110に対して動かしてもよい。検出器102のイメージングアレイ111を第2の構造体652に取り付けて、パイプ110に対するその相対距離を調整してもよい。これによって、所与のパイプ110に対して検出器を位置決めするときの精度を高めることが可能になり得る。ロッキングシステム658によって、検出器102を調整後に所定の位置にロックしてもよい。
【0060】
例として、パイプ110または他の対象物に対する検出器102の部分の相対位置の調整を可能にする構造体の特定の例を用いているが、他の実施形態では、異なる構造体及び/またはメカニズムを用いて相対位置を変えてもよい。
【0061】
図1A及び1Bを再び参照して、いくつかの実施形態では、システム100を、110/220V電源などの主電源から電力を受け取るように構成してもよい。たとえば、電力はケーブル124を通して供給されてもよい。他の実施形態では、システム100を、電源192、たとえば携帯電源、電池、インバータなどから電力を受け取るように構成してもよい。さらに他の実施形態では、システム100には内蔵電池などの内部電源が含まれていてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、システム100には、システム100に通信によって結合し得るコンピュータ190が含まれていてもよい。このようなデバイスの例としては、タブレット、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、モバイルデバイスなどである。このようなデバイスは、個々の画像を受け取ること、個々の画像を結合して溶接部全体の合成画像にすること、合成画像を受け取ること、個々の画像及び/または合成画像を送信することなどを行うように構成してもよい。いくつかの実施形態では、動作の制御をコンピュータ190と制御論理回路109との間で分散させてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、遠隔分析を行ってもよい。個々の画像及び/または合成画像を遠隔地に送信してもよい。遠隔地におけるオペレータが溶接部を評価してもよい。遠隔にアクセスできることに加えてまたはその代わりに、コンピュータ190でローカルに解釈を行ってもよい。他の実施形態では、複数の溶接部または他の構造体に対する複数の画像セットをバルクで収集して送信/評価してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、コンピュータ190はグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供してもよい。GUIは、現在位置及び取得した画像のサムネイルを図式的に示して、ユーザに進み具合及びステータスが見えるようにしてもよい。またGUIは、前述した種々のパラメータを入力するためのフィールドを提供してもよい。またGUIは、つなぎ合わせた合成画像を表示してもよい。しかし、他の実施形態では、合成画像を異なるシステムを用いて作成してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、システム100をパイプ110に沿って軸方向に平行移動してもよい。システム100を、平行移動中にパイプ110の周りに部分的に回転させることから完全に回転させることまで行ってもよい。少なくとも部分的な回転によって、パイプセクション、重要領域などの完全な検査が行われてもよい。詳細には、パイプ110の一部が腐食している場合があり、平行移動及び回転によってこのような部分をカバーすることを可能にし得る。詳細には、一例として溶接部122を用いているが、対象物の他の構造体を画像化してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、比較的より大きい検出器102または比較的より小さい検出器102を平行移動させて、画像を用いてコンピュータ断層撮影を行ってもよい。その結果、溶接部122及び腐食の3次元情報(たとえば、何らかの特定されたひびの深度情報など)を作成してもよい。
【0067】
図7は、いくつかの実施形態による放射性同位体を用いた放射線検査システムのブロック図である。放射線検査システム700は、前述した放射線検査システム100と同様であってもよい。しかし放射線検査システム700には、検出器102に取り付けられた放射線コリメータ106が含まれていなくてもよい。対照的に、放射線コリメータ106はパイプ110の内側に(たとえば、アクセスポート780、及びパイプの端部などを通して)配置された別個の構造体であってもよい。いくつかの実施形態では、放射性同位体をパノラマ式線源として構成する。他の実施形態では、放射線コリメータ106をパイプ110の内側に配置して、放射線112を前述のようにコリメートしてもよい。放射線検査システム700を用いて、一重壁片面撮影(SWSI)を行ってもよい。前述した動作と同様に、放射性同位体118を露出してもよく、また検出器102をパイプ110の周りに回転させることによって画像を形成してもよい。前述したように、放射性同位体118を一度だけ露出及び後退させてもよいし、または画像あたり1回未満で露出及び後退させてもよい。その結果、動作がより効率的に行われ得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、パイプ110は、直径が約1.5in.〜約12in.のスケジュール40パイプであってもよい。このようなパイプ110は、壁厚さが約0.145in.〜約0.5in.の範囲であってもよい。実際の外径は約1.9in.〜約12.75in.の範囲であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、画像に対する積分時間または滞留時間はパイプ110の種類に基づいてもよい。たとえば、下表1に、所与の直径のスケジュール40パイプに対する1キュリー線源を用いた場合のフレームあたりの積分時間の例と、平均するフレームの数とを列挙する。これらのパラメータは、目標とするグレーカウントである約30000に基づいていてもよい。
【表1】
【0070】
いくつかの実施形態では、検出器102のエンクロージャはホコリ、水、熱、直射日光などに対して耐性があってもよい。フレームをアルミニウムで形成してもよい。押出成形の白色プラスチックカバーであれば太陽熱加熱が最小限になり得る。電力及びデータに対するLEMO(登録商標)ケーブル接続部のようなプッシュプルコネクタなどのコネクタは、エンクロージャ本体と同一平面にあり、ケーブルがはさまることまたはひっかかることを防ぐ場合がある。液体及びホコリ侵入を阻止するために内部ガスケットを用いてもよい。
【0071】
検出器102、支持体104、コリメータ支持アーム108、放射性同位体コリメータ106、露出管114などの間の接続部は、迅速な分離を可能にする迅速接続特徴部を有して、より簡単な取り扱い、ある位置から別の位置へのより速い動きなどをもたらしてもよい。加えて、コリメータ支持アーム108もこのような迅速接続特徴部を有していてもよく、自由度の数及び/または継ぎ手の種類をフィールドにおいて必要に応じて変えてもよい。
【0072】
図8は、いくつかの実施形態による放射線検査システムの動作のフローチャートである。一例として図1A及び1Bのシステム100を用いて、800では、放射線検査システム100を構造体上で位置付ける。たとえば、前述したシステム100などを、支持体104をパイプ110に固定することによって、パイプ110などの構造体上に配置してもよい。いくつかの実施形態では、動作を一人の人間によって行ってもよい。
【0073】
810では、放射性同位体118を露出させる。たとえば、放射性同位体118を放射性同位体コリメータ106内に延ばしてもよい。820では、検出器102を用いて画像を取得する。検出器102は、露出させた放射性同位体118と検出器102との間の構造体によって位置付けられている。画像を取得することには、平均化したかまたはそうでなければ結合して単一画像にした複数の画像を取得することが含まれていてもよい。
【0074】
830でさらなる画像を取得すべきである場合、840で検出器102を構造体の周りに回転させる。そうでない場合は、850で放射性同位体を後退させてもよい。所望の数の画像を取得したら、860で画像を結合して合成画像にする。
【0075】
いくつかの実施形態では、検出器102と、検出器102が構造体の周りに移動できるように検出器102を構造体に取り付けるように構成された支持体104と、放射性同位体コリメータ106と、検出器102を放射性同位体コリメータ106に結合して、放射性同位体コリメータ106が検出器102とともに動くようにするコリメータ支持アーム108、108a、108bと、を含む放射線検査システム100、100a、100b、600、700を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、システム100、100a、100b、600、700はさらに、検出器102と放射性同位体コリメータ106とを構造体の周りに回転させるように構成された制御論理回路109を含んでいる。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109はさらに、検出器102が回転すると検出器102からデータを連続的に取得するように構成されている。
【0078】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109はさらに、検出器102から複数の画像を取得するように構成され、各画像は異なる回転位置で取得される。
【0079】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109はさらに、画像を結合して合成画像にするように構成されている。
【0080】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109はさらに、滞留時間及び画像の数の少なくとも一方を決定するように構成されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、システム100、100a、100b、600、700はさらに無線通信システム100、100a、100b、600、700を含み、制御論理回路109はさらに、検出器102からデータを無線通信システム100、100a、100b、600、700を通して通信するように構成されている。
【0082】
いくつかの実施形態では、制御論理回路109はさらに、画像を取得するために検出器102の活性領域全体よりも小さい検出器102の活性領域を選択するように構成されている。
【0083】
制御論理回路109はさらに、構造体及び放射性同位体の少なくとも一方に基づいて走査パラメータを生成するように構成されている請求項2に記載のシステム100、100a、100b、600、700。
【0084】
いくつかの実施形態では、コリメータ支持アーム108aにはc型アームが含まれる。
【0085】
いくつかの実施形態では、コリメータ支持アーム108、108a、108bは調整可能である。
【0086】
いくつかの実施形態では、支持アーム108、108a、108bは少なくとも2つの自由度を含んでいる。
いくつかの実施形態では、支持体104は、検出器102を構造体に取り付けるように構成された柔軟なベルトを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、柔軟なベルトはさらに、検出器102が構造体の周りに動くと検出器102とともに動く。
【0088】
方法であって、放射性同位体を露出させることと、検出器102を用いて複数の画像を取得することであって、検出器102は、露出させた放射性同位体と検出器102との間の構造体によって位置付けられている、取得することと、画像のうち少なくとも2枚を取得する間に検出器102を構造体の周りに回転させることと、画像の取得が完了した後でのみ放射性同位体を後退させることと、を含む方法。
【0089】
いくつかの実施形態では、本方法は、放射性同位体を検出器102とともに構造体の周りに回転させることをさらに含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、検出器102を構造体の周りに回転させることは、各連続した画像対を取得する間に検出器102を構造体の周りに回転させることを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本方法は、画像を結合して合成画像にすることをさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、本方法は、構造体の特性に基づいて画像の数を選択することをさらに含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、システムを含み、システムは、放射線に応じて画像を生成するための手段と、放射線をコリメートするための手段と、放射線に応じて画像を生成するための手段を、放射線をコリメートするための手段に取り付けるための手段と、放射線に応じて画像を生成するための手段を対象物に移動可能に取り付けるための手段と、を含む。放射線に応じて画像を生成するための手段の例には、検出器102、イメージングアレイ111、及び制御論理回路109が含まれる。放射線をコリメートするための手段の例には、放射性同位体コリメータ106が含まれる。放射線に応じて画像を生成するための手段を、放射線をコリメートするための手段に取り付けるための手段の例には、コリメータ支持アーム108、108a、及び108bが含まれる。放射線に応じて画像を生成するための手段を対象物に移動可能に取り付けるための手段の例には、支持体104が含まれる。
【0094】
いくつかの実施形態では、システムは、放射線に応じて画像を生成するための手段からの複数の画像を結合して合成画像にするための手段のための手段をさらに含む。放射線に応じて画像を生成するための手段からの複数の画像を結合して合成画像にするための手段のための手段の例には、制御論理回路109及びコンピュータ190が含まれる。
【0095】
特定の実施形態に基づいて、構造体、デバイス、方法、及びシステムについて説明してきたが、当業者であれば容易に分かるように、特定の実施形態に対する多くの変形が可能であり、したがってどんな変形も本明細書で開示した趣旨及び範囲内であると考えるべきである。それに応じて、添付の請求項の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が当業者によってなされ得る。
【0096】
この書面による開示に続く請求項は、本明細書によって、この書面による開示に明白に取り入れられており、各請求項は別個の実施形態として自立している。本開示には、独立請求項とそれらの従属請求項とのすべての並べ換えが含まれている。また、以下の独立及び従属請求項から導出することが可能なさらなる実施形態も、この書面の説明に明白に取り入れられている。これらのさらなる実施形態を決定することは、所与の従属請求項の依存関係を、語句「請求項[x]から始まり、本請求項の直前に来る請求項で終わる請求項のうちのいずれか」と交換することによってなされる。ここで、カッコでくくった用語「[x]」は、直前に記載した独立請求項の番号と交換される。たとえば、独立請求項1から始まる第1の請求項の組の場合、請求項3は請求項1及び2のいずれかに従属することができ、これらの別個の依存関係は2つの明確な実施形態をもたらし、請求項4は請求項1、2、または3のいずれか1項に従属することができ、これらの別個の依存関係は3つの明確な実施形態をもたらし、請求項5は請求項1、2、3、または4のいずれか1項に従属することができ、これらの別個の依存関係は4つの明確な実施形態をもたらす、などである。
【0097】
請求項における特徴または要素に対する用語「第1」の記載には必ずしも、第2またはさらなるこのような特徴または要素の存在の意味が含まれているわけではない。米国特許法第112条第6項に基づき、ミーンズプラスファンクションの形式で具体的に記載された要素は、もしあれば、本明細書で説明する対応する構造体、材料、または作用及びその均等物に及ぶと解釈されることが意図されている。独占的所有または特権を請求する本発明の実施形態を以下のように規定する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
【外国語明細書】
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