【解決手段】相互に重ね合わされ部分的に接合されることにより相互間にマスク収容部を形成する表側シート及び裏側シートを有し、前記表側シート及び前記裏側シートのうち少なくとも一方が、光触媒紙で形成されている。
前記表側シート及び前記裏側シートのうち少なくとも一方の外面には、マスクの表面を前記表側シート及び前記裏側シートのうちの特定のシートに向けた状態で前記マスクを前記マスク収容部に収容することを通知可能に表示された表示部を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のマスクケース。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの全体斜視図であり、
図2は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの使用状態を示す図である。
【0010】
本実施の形態のマスクケース1は、相互に重ね合わされる表側シート2及び裏側シート3を有し、部分的に接合されることにより相互間に形成されたマスク収容部4を有する。
表側シート2及び裏側シート3は、少なくとも一方が、光触媒紙で形成されている。
【0011】
光触媒紙とは、二酸化チタンが繊維間に定着した用紙であり、光(より具体的には紫外線)が当たると光触媒作用が生じ、紙表面(「光触媒面」ともいう)近くの空気中にある有機化合物を分解して浄化する機能を有する。分解対象の有機化合物としては、例えば、アンモニアやシックハウスの原因であるホルムアルデヒド等がある。また、光触媒紙は、光触媒面に付着した細菌等の増殖を防止する機能も有する。
【0012】
本実施の形態では、表側シート2及び裏側シート3の両方が光触媒紙により形成されている。よって、表裏どちら側でも除菌機能、脱臭効果を発揮することができる。
【0013】
ここで、マスクの形状としては一般に、平面タイプ、プリーツタイプ、立体タイプがある。これらのうち例えば立体タイプに関しては、不使用時に面部が二つ折りにできるように、例えば面部中央で縦に折り目、継ぎ目或いは縫い目が形成されたものがある(便宜上、このようなタイプを「二つ折りタイプ」という)。表側シート2又は裏側シート3のうち一方のみが光触媒紙製であると、二つ折りタイプのマスクを収容した場合、マスクの半面しか光触媒紙に当てることができない。これに対し、表側シート2及び裏側シート3が両方とも光触媒紙製であると、二つ折りタイプのマスクを収容した場合、マスクの全面を光触媒紙に当てることが可能となる。このように、様々なタイプのマスクを収容することを想定して、表側シート2及び裏側シート3を両方とも光触媒紙により形成することが、より好ましい。
【0014】
また、本実施の形態では、表側シート2及び裏側シート3の両方が、一枚の光触媒紙により形成されている。これにより、1枚の光触媒紙を折り畳むことで表裏を形成することができるのでマスクケース1を製造しやすい。
【0015】
なお、いずれか一方のシートが光触媒紙ではない場合、そのシートは、紙製でもよいし、樹脂等他の材料で形成されていてもよいが、本実施の形態では、後述する変形例を含めてすべて、表側シート2及び裏側シート3の両方が光触媒紙製である場合を例にとる。
【0016】
また、マスクケース1では、表側シート2及び裏側シート3を相互に重ね合わせた個所を部分的に接合する部位として、のりしろ部6が設けられている。のりしろ部6は、本実施の形態では、矩形状の一枚の光触媒紙を矩形状に折り畳んだ際に、折り畳み部7と対向して平行な辺部(長辺部)に設けられている。これにより、マスクケース1は、折り畳み部7と、これと平行な対向する長辺部(のりしろ部6)とで接合され、これら辺部に挟まれる辺部が開口可能な形状をなしている。
【0017】
表側シート2及び裏側シート3は、例えば形状が同一であること等により、外見上の区別がしにくい場合がある。そのような場合であって、仮に裏側シート3が光触媒紙製でない場合は、裏側シート3を上側に向けた状態でマスクケース1をテーブル等に載置しても、光触媒紙製の表側シート2に光が当たりにくいので除菌効果や脱臭効果を発揮しにくい。また、たとえ表側シート2及び裏側シート3が両方とも光触媒紙製であっても、何の目印もなければ、マスク収容部4内で上側に向けるべきマスク自体の除菌対象面を、誤って下側に向けた状態として、マスクケース1をテーブル等に載置してしまうおそれがある。この場合は、マスクケース1に生じる光触媒作用がマスクの除菌対象面に及ばないので除菌効果や脱臭効果を発揮しにくい。すなわち、収容したマスクを、より確実に除菌、脱臭するには、マスクケースの表裏を区別しやすくすることが望まれる。
【0018】
そこで、本実施の形態では、表側シート2及び裏側シート3のうちの少なくとも一方、好ましくはこれらの両方には、それぞれ外面に、マーク(表示部)5が付けられている。例えば、マーク5は、マスクケース1の表(おもて)面であることを通知可能に表示するものである。表側シート2が光触媒紙製である場合、マスクケース1の表面であるということは、光触媒紙により形成された面であり、光が当たることにより、その面を構成するシート(表側シート2)に覆われる部位に対して光触媒作用を生じ、抗菌及び防臭機能を発揮する面であることを示す。すなわち、マスクケース1の表面を構成する表側シート(特定のシート)2の内側では、光触媒作用により抗菌処理、防臭処理がなされる。マーク5は、ユーザーの使用により、マーク5が表示された側の面に、マスクMの表面或いはマスクMの裏面(ユーザーの口が当たる面)が対向配置されることも表示できる。
【0019】
また、表側シート2及び裏側シート3の両方が光触媒紙製である場合、マスクケース1の表面であることを表示すれば、マスクユーザーはこれを目印として、常にマスクの表面を特定の同じシート(表側シート2)の側に向けてマスクをマスク収容部4に収容させることができるので、マスクを出し入れしながらマスクケース1を繰り返し使用する場合により衛生的である。
【0020】
マーク5は、印刷によって形成されている。マーク5の印刷面積は、表側シート2と裏側シート3とで異ならせてもよい。これにより、マスクケース1の表裏を区別することもできる。
【0021】
また、マーク5を印刷するインクは有色であるため、一定程度、光(紫外線)を遮断する。よって、できるだけ紫外線透過率の高いインク或いは色を使用することが好ましい。表側シート2及び裏側シート3の両方が光触媒紙製である場合、例えば表側シート2の印刷面積を裏側シート3の印刷面積よりも小さくすれば、全体として表側シート2では裏側シート3よりも光(紫外線)遮断を低減させることができる。
【0022】
また、収容するマスクの鼻や口の位置に対応する中央部を避け、マスクケース1の外周部、特にマスクケース1が長方形であれば長方形の角部の位置に、マーク5を配置すると、実質的にマーク5によって光(紫外線)が遮断されることがないので、より好ましい。
【0023】
マーク5としては、例えば、「マスクケース」と表示することにより、マスクケース1の表面側であることと、文字の並び方向により、上下方向を通知している。このようにマーク5は、文字を横方向に並べ、並ぶ向きを基準として上下方向を表示しているが、マーク5自体を「上」、「下」の文字や「矢印」で表示して、外面の上下方向を通知可能に表示してもよい。
【0024】
上下方向を通知することにより、マスクユーザーが、マスクケースに対してマスクの出し入れを何度も行う際に、常に、マスクの面部を天地逆転せずに、マスクを衛生的に収容させることができる。
なお、マスクケース1の表面であることを、「表側」「抗菌機能」「脱臭効果」等、ユーザーがマスクケースの表側であることを容易に認識できるように表示してもよい。
【0025】
本実施の形態では、表側シート2及び裏側シート3の両面にマークが付けられ表示されている。これにより、表側シート2及び裏側シート3のいずれの側に向けてマスクの汚れた面を位置させてマスクを収容しても、その面をマスクケース1の表面として、光があたるように配置できる。
【0026】
マスクケース1によれば、マスクを収容して、紫外線を含む光を当てるだけ、例えば、マスクを収容して置いておき日光が当たるだけで電源等用意せずともほぼ無意識のうちにマスクの除菌・脱臭を行うことができる。すなわち、手軽にマスクの除菌、脱臭を行うことができ、便利である。
【0027】
また、マスクケース1にマスクを収容してテーブル等に置く場合、マスクケース1の表側シート2が上側となることが想定される。この表側シート2を、紫外線を含む光を当てるだけで除菌効果・消臭効果を発揮可能である光触媒紙で形成した場合、確実に、マスクの除菌及び脱臭を行うことができる。
【0028】
また、マスクユーザーがマスクケースの表面を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクの表面を常に表側シートに向けた状態でマスクを収容させることができ、より衛生的にマスクの除菌、脱臭を行うことができる。加えて、マスクケース1をテーブル等に置く際に、常にマスクの表面を常に上側に向けさせることができるので、より確実に、収容するマスクの除菌、脱臭を行うことができる。
【0029】
また、表側シート2及び裏側シート3がそれぞれ、紙製である場合は、ポリプロピレン等の樹脂に形成されるケースと比較して通気性に優れ、効果的に抗菌、脱臭、防臭を行うことができる。
【0030】
(変形例1)
図3は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例1を示す図であり、
図3Aは、マスクケースの変形例1の平面図であり、
図3Bは、同マスクケースの展開図である。また、
図4は、同マスクケースの変形例1の使用状態を示す図である。
【0031】
図3及び
図4に示すマスクケース1Aは、相互に重ね合わされる表側シート2A及び裏側シート3Aを有し、これら表側シート2A及び裏側シート3Aの両方が、光触媒紙により形成されている。よって、表裏どちら側もマスクケース1Aの表面、つまりマスクに接触して除菌効果や脱臭効果を発揮する面として機能し、除菌機能、脱臭効果を発揮できる。
【0032】
マスクケース1Aは、一枚の光触媒紙の折り畳み部7Aと直交して隣り合う一辺部を、のりしろ部6Aとして接合することにより表側シート2A及び裏側シート3Aの相互間に形成されたマスク収容部4Aを有する。マスク収容部4Aでは、折り畳み部7A及びこれに隣り合う一辺部以外の他の2辺部は、相互に接合されておらず、他の2辺部からマスクを収容可能となっている(
図4参照)。
【0033】
マスクケース1Aでは、マスクケース1と同様に、表側シート2A及び裏側シート3Aの両方が一枚の光触媒紙により形成されている。これにより、1枚の光触媒紙を折り畳むことで表裏を形成することができるので、マスクケース1Aを製造しやすい。
【0034】
また、表側シート2A及び裏側シート3Aには、それぞれの外面に、表側シート2A及び裏側シート3Aを区別可能に表示するマーク5が設けられている。これにより、前述した実施の形態のマーク5を有する場合と同様の効果を得ることができる。マーク5としては、例えば、「マスクケース」と表示しているが、これに限らず、「表側」「抗菌機能」「脱臭効果」等、ユーザーがマスクケース1Aの表側であること或いは裏側であることを容易に区別して認識できるように、表示される。マーク5は、外面に印刷されていてもよい。表側シート2A及び裏側シート3Aの両方が光触媒紙製であるので、例えば表側シート2Aの印刷面積(
図3のマーク5参照)を裏側シート3Aの印刷面積(
図3のマーク5a参照)よりも小さくすれば、全体として表側シート2Aでは裏側シート3Aよりも光(紫外線)遮断を低減させることができる。このような効果を含むマスクケース1Aや他の変形例におけるマーク5は、マスクケース1Aにおけるマーク5と同様の作用効果を有する。また、マークは、外面の上下方向を通知可能に表示されていてもよい。マーク自体を「上」、「下」の文字や「矢印」で表示して、上下方向を通知可能に表示してもよい。
【0035】
マスクケース1Aによれば、マスクを収容して、紫外線を含む光を当てるだけ、例えば、マスクを収容して置いておき日光が当たるだけで電源等用意せずともほぼ無意識のうちにマスクの除菌・脱臭を行うことができる。すなわち、手軽にマスクの除菌、脱臭を行うことができ、便利である。
【0036】
また、マスクケース1Aにマスクを収容してテーブル等に置く場合、マスクケース1Aの表側シート2Aが上側となることが想定される。この表側シート2Aを、紫外線を含む光を当てるだけで除菌効果・消臭効果を発揮可能である光触媒紙で形成しているので、確実に、マスクの除菌及び脱臭を行うことができる。
【0037】
また、マスクユーザーが、光触媒紙で構成したマスクケースの表側シート2A及び裏側シート3Aの両方を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクの表面を常に光触媒紙側に向けた状態でマスクを収容させることができ、より衛生的にマスクの除菌、脱臭を行うことができる。加えて、マスクケース1Aをテーブル等におく際に、常にマスクの表面を常に上側に向けさせることができるので、より確実に、収容するマスクの除菌、脱臭を行うことができる。
変形例1のマスクケース1Aでは、矩形状体に重ね合わせた表側シート2A及び裏側シート3Aの4辺部のうちの2辺部が折り目も含めて接合された構成としたが、3辺部を接合した構成としてもよい。
【0038】
(変形例2)
図5は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例2を示す図であり、
図5Aは、変形例2のマスクケースの正面斜視図であり、
図5Bは、同マスクケースの展開図である。また、
図6は、変形例2のマスクケースの使用状態を示す図である。
【0039】
変形例2のマスクケース1Bは、表側シート2B及び裏側シート3Bを相互に重ね合わせてなるマスク収容部4Bを有する。表側シート2B及び裏側シート3Bは、紙製であり、マスクケース1Bでは、表側シート2B及び裏側シート3Bのうち両方が、一枚の光触媒紙で形成されている。表側シート2B及び裏側シート3Bは、折り畳み部7Bと、折り畳み部7Bと隣り合う2辺部(のりしろ部6B)とが接合されている。これら3辺部を接合して、表側シート2B及び裏側シート3Bの相互間に、マスク収容部4Bが形成されている。マスク収容部4Bは、開口辺部のみで開口し、この開口辺部を介してマスクを収容自在となっている。
【0040】
マスクケース1Bでは、マスクケース1と同様に、表側シート2B及び裏側シート3Bの両方が一枚の光触媒紙により形成されており、1枚の光触媒紙を折り畳むことで、表側シート2B及び裏側シート3Bのどちら側もマスクケース1Bの表面として機能する。
これにより、表側シート2B及び裏側シート3Bのどちら側でも除菌機能、脱臭効果を発揮する。
【0041】
(変形例3)
図7は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例3を示す図であり、
図7Aは、変形例3のマスクケースの内面側を示す図、
図7Bは同マスクケースの外面側を示す図である。また、
図8は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例3の使用状態の一例を示す図である。
【0042】
変形例3であるマスクケース1Cは、相互に重ね合わされる、一部円弧状の角部を有する表側シート2C-1、2C−2と、裏側シート3C−1、3C−2とを有する。裏側シート3C−1、3C−2は一枚の連続するシートである。マスクケース1Cは、裏側シート3C−1、3C−2に、これらに重なる表側シート2C-1、2C−2のそれぞれのL字状に直交する2辺部を接合部として機能するのりしろ部6C−1、6C−2として接合している。これにより、マスクケース1Cでは、裏側シート3C−1、3C−2と表側シート2C-1、2C−2の相互間にそれぞれポケット状のマスク収容部4C−1、4C−2が設けられている。なお、のりしろ部6C−1、6C−2は一方を、表側シート2C-1と裏側シート3C−1、或いは表側シート2C−2と裏側シート3C−2とを連続して構成した際の折り畳み部で構成してもよい。
【0043】
マスクケース1Cにおいて、表側シート2C-1、2C−2及び裏側シート3C-1、3C−2を有するシートは、それぞれ紙製であり、表側シート2C-1、2C−2及び裏側シート3C-1、3C−2のうちの少なくとも一方側が、光触媒紙で形成されている。
【0044】
変形例3のマスクケース1Cでは、表側シート2C-1、2C−2をそれぞれ光触媒紙で形成し、こちら側の面をマスクケース1Cの表面側、つまり、光触媒作用が生じる面側としているが、裏側シート3C-1、3C−2を光触媒紙で構成してもよい。この場合、裏側シート3C-1、3C−2がマスクケース1Cの表面側、つまり光触媒作用が生じる面側となる。この構成では、例えば、
図8に示すように、マスクケース1Cの表面側となる裏側シート3C-1、3C−2のうちの一方側に、マスクの汚れた面を対向して収容し、マスクケース1Cにおいて中央部の折り目部7Cを谷折りにして畳む。そして、机上等に上側にして載置するだけで、一時的にマスクを収容しても、簡単に衛生的に収容して除菌、脱臭を無意識に確実に行うことができる。
【0045】
なお、表側シート2C-1、2C−2及び裏側シート3C-1、3C−2のうちの少なくとも一方の外面に、マスクケース1と同様に、マスクケース1Cの表面であったり、或いは裏面であったりすることを通知可能に表示するマーク5(
図1参照)を設けてもよい。マスクケース1においてマーク5を有する場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
また、変形例3のマスクケース1Cでは、一枚のシートからなる裏側シート3C-1、3C−2のそれぞれに、表側シート2C-1、2C−2を直交する2辺部を接合部として接合した構成としたが、これに限らない。例えば、変形例4或いは変形例5で示すマスクケース1D、1Eのように、一枚のシートからなる裏側シート3C-1、3C−2の一方にのみ表側シート2Cを重ね合わせて接合してなるポケットを有するようにしてもよい。
【0047】
(変形例4、変形例5)
図9は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例4を示す図であり、
図9Aは、変形例4のマスクケースの内面側を示す図であり、
図9Bは、同マスクケースの外面側を示す図である。
図10は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例5を示す図であり、
図10Aは、変形例5のマスクケースの内面側を示す図であり、
図10Bは、同マスクケースの外面側を示す図である。
【0048】
図9に示す変形例5としてのマスクケース1Dは、一枚のシートからなり連続する裏側シート3D-1、3D−2のうち一方の裏側シート3D-1に、表側シート2Dを、直交する2辺部で接合して形成されたポケット状のマスク収容部4Dを有する。マスク収容部4Dは、裏側シート3D-2側で、円弧上の角部で接続される2辺部で開口するように形成されている。また、裏側シート3D-1、3D−2は、一枚の光触媒紙で形成し、マスクケース1Dの表側を構成している。
【0049】
これにより、マスクケース1Dは、マスク収容部4D内に、マスクを収容する際に、裏側シート3D−1側に汚れた面を向けて、マスク収容部4Dに収容して、裏側シート3D−2を折り畳み部7Dで折り表側シート2D上に重ねる。そして、マスクケース1Dの表面となる裏側シート3D-1を上にして机上等に置くだけで、マスクの抗菌、脱臭を容易に行うことができる。
【0050】
図10に示す変形例6としてのマスクケース1Eは、一枚のシートからなり連続する裏側シート3E-1、3E−2のうち一方の裏側シート3E-2に、表側シート2Eを、直交する2辺部で接合して形成されたポケット状のマスク収容部4Eを有する。マスク収容部4Eは、裏側シート3E-1側の円弧上の角部で接続される2辺部で開口するように形成されている。また、裏側シート3E-1、3E−2は、一枚の光触媒紙で形成し、マスクケース1Eの表側を構成している。
【0051】
これにより、マスクケース1Eは、マスク収容部4E内に、マスクを収容する際に、裏側シート3E−2側に汚れた面を向けて、マスク収容部4Eに収容して、裏側シート3E−1を折り畳み部7Eで折り表側シート2E上に重ねる。そして、マスクケース1Eの表面として機能する裏側シート3E-2を上にして机上等に置くだけで、マスクの抗菌、脱臭を容易に行うことができる。
【0052】
なお、裏側シート3E−1、3E−2に加えて、表側シート2D、2Eを、光触媒紙で形成してもよいことは勿論である。この場合、折り畳み部7D、7Eで折り畳む場合と折り畳まない場合とに関わらず、表側シート2D、2E、裏側シート3D−1、3D−2、3E−1、3E−2について、机上等に置く向きを気にすることなく、マスクの除菌、脱臭を確実に行うことができる。
【0053】
(変形例6、7)
図11は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例6を示す図であり、
図11Aは、マスクケースの正面図、
図11Bは、マスクケースの背面図であり、
図11Cは、マスクケースの展開図である。また、
図12は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例7を示す図であり、
図12Aは、マスクケースの正面図、
図12Bは、マスクケースの背面図であり、
図12Cは、マスクケースの展開図である。
【0054】
図11及び
図12に示すマスクケース1F、1Gは、それぞれ、相互に重ね合わされる表側シート2F、2G及び裏側シート3F、3Gを有する。
表側シート2Fと裏側シート3F或いは表側シート2Gと裏側シート3Gは、それぞれ一枚の光触媒紙で形成され、それぞれを折り畳み部7F、7Gで折り畳むことにより、ポケット状のマスク収容部4F、4Gが形成されている。
【0055】
マスクケース1F、1Gでは、折り畳み部7F、7Gと隣り合う辺部にのりしろ部6F、6Gが設けられ、のりしろ部6F、6Gと折り畳み部7F、7Gとで接合されている。これにより、円弧状の角部を有するマスク収容部4F、4Gが、表側シート2F、2G及び裏側シート3F、3Gの相互間に形成されている。
【0056】
マスクケース1F、1Gでは、マスク収容部4F、4Gの開口する方向が異なる。また、マスクケース1F、1Gでは、表側シート2F、2Gの外面にそれぞれ、マスクケース1F、1Gの表面を表示する表示部としての「オモテ」が表示されている。加えて、裏側シート3F、3Gの外面にそれぞれ、マスクケース1F、1Gの裏面を表示するマーク(
表示部)50として「ウラ」が表示されている。
【0057】
これにより、マスクユーザーがマスクケース1F、1Gの裏面を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクの表面を常に、光触媒効果を発揮するシート、ここでは、表側シート2F、2Gに向けた状態でマスクを収容させることができる。よって、より衛生的、かつ、テーブル等におくときにマスクの表面を常に上側に向けさせることがでるので、より確実に、マスクの除菌・脱臭が可能となる。
【0058】
(変形例8)
図13は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例8を示す図であり、
図13Aは、マスクケースの正面図、
図13Bは、マスクケースの展開図である。
図14は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例8の使用状態を示す図である。
【0059】
変形例8のマスクケース1Hは、相互に重ね合わされる表側シート2H及び裏側シート3Hを有し、部分的に接合されることにより相互間に形成されたマスク収容部4Hと、孔部8と、を有する。表側シート2H及び裏側シート3Hは、それぞれ紙製であり、表側シート2Hは、内側面が光触媒面である光触媒紙で形成されており、特定のシートとして機能する。変形例8では、表側シート2H及び裏側シート3Hは連続する一枚の光触媒紙により構成されており、マスクケース1Hは、折り畳み部7Hで折り畳まれて矩形状に形成されている。
【0060】
マスクケース1Hでは、表側シート2H及び裏側シート3Hを相互に重ね合わせた個所を部分的に接合する部位として孔部8を挟む位置に、のりしろ部6H(6H−1、6H−2)が設けられている。
【0061】
孔部8は、表側シート2H及び裏側シート3Hとの接合部に設けられ、この孔部8は、
図14に示すように、マスク収容部4Hに収容されたマスクMの耳掛け部M1を外部へ出すことができる。
【0062】
のりしろ部6Hは、折り畳み部7Hによる辺部に直交して隣り合う短辺部分に設けられている。これにより、マスクケース1Hでは、表側シート2H及び裏側シート3Hが、折り畳み部7Hからなる長辺部と、のりしろ部6Hを有する短辺部とで接合される。これら辺部と対向する短辺部及び長辺部でマスク収容部4Hは、開口可能である。すなわち、表側シート2Hと裏側シート3Hにおいて、外周部の一部として、折り畳み部7Hからなる長辺部と、のりしろ部6Hを有する短辺部とが接合部となっている。マスクケース1Hでは、折り畳み部7Hからなる長辺部と、のりしろ部6Hを有する短辺部との接合部に対向する短辺部及び長辺部からなる対向部が、接合部となっていない。この部分から、マスクMが出し入れ可能となっている。
【0063】
表側シート2Hには、外面に、上述のマーク5(表示部)が付けられている。マーク5は、マスクケース1Hの表面であることを通知可能に表示するものである。マーク5については、マスクケース1におけるマーク5と同様の機能、効果を有するため説明は省略する。
【0064】
マスクケース1Hによれば、マスクMを収容して、紫外線を含む光を当てるだけ、例えば、マスクMを収容して置いておき日光が当たるだけで電源等用意せずともほぼ無意識のうちにマスクの除菌(抗菌)・脱臭を行うことができる。すなわち、手軽にマスクMの除菌、脱臭を行うことができ、便利である。
【0065】
また、マスクケース1HにマスクMを収容してテーブル等に置く場合、上側となることが想定されるマスクケース1Hの表側シート2Hを、紫外線を含む光を当てるだけで除菌効果・消臭効果を発揮可能である光触媒紙で形成している。これにより、確実に、マスクの除菌及び脱臭を行うことができる。
【0066】
また、マスクユーザーがマスクケース1Hの表面を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクMの表面を常に表側シート2Hに向けた状態でマスクMを収容させることができる。これにより、衛生的にマスクの除菌、脱臭を行うことができる。加えて、マスクケース1をテーブル等におく際に、常にマスクMの表面を常に上側に向けさせることができるので、より確実に、収容するマスクの除菌、脱臭を行うことができる。表側シート2H側に向けてマスクの汚れた面を位置させてマスクを収容しても、その面をマスクケース1Hの表面として、光があたるように配置できる。
【0067】
また、マスクケース1Hは、孔部8を有するので、除菌対象ではなく、取っ手としての機能も兼ねるマスクMの耳掛け部M1を、マスク収容部4Hに入れずに済む。よって、耳掛け部M1に付着した雑菌等をマスク収容部4Hに付着させずに済み、かつマスクMの出し入れ等の取扱が容易になる。
【0068】
また、表側シート2H及び裏側シート3Hは連続する一枚の光触媒紙により構成されていれば、マスクケース1Hは、表側シート2H及び裏側シート3Hの双方の内側で光触媒作用(除菌(抗菌)及び脱臭作用)を発揮できる。
すなわち、マスクケース1Hによれば、マスクケース1H内に収容されたマスクMの耳掛け部M1を、孔部8から外部に出して、係止部材に係止することにより、マスクケース1Hを、マスクMを収容した状態で吊るすことができる。これにより、耳掛け部M1を日の当たる場所等に設けられたフック等の係止部材に係止して、マスクMをマスクケース1Hごと吊して、マスクケース1Hの両面に日を当てることができる。よって、耳掛け部M1を吊るすだけで、マスクMの表面と裏面(ユーザ―の口が当たる面)の両面に対して、光触媒作用、つまり、除菌(抗菌)及び脱臭作用を発揮できる。
【0069】
(変形例9)
図15は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例9を示す図であり、
図15Aは、マスクケースの正面図、
図15Bは、マスクケースの展開図である。
図16は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例9の使用状態を示す図である。
【0070】
変形例9のマスクケース1Jは、相互に重ね合わされる表側シート2J及び裏側シート3Jと、これらの相互間に形成されたマスク収容部4Jと、孔部8Jと、を有する。
【0071】
表側シート2J及び裏側シート3Jは、それぞれ紙製であり、表側シート2J及び裏側シート3Jの両方が、内側面が光触媒面である一枚の光触媒紙で構成されている。マスクケース1Jは、光触媒紙の光触媒面を向かい合わせにして内側で対向するように、短辺部を構成する折り畳み部7Jで折り畳まれて、矩形状に形成されている。
【0072】
マスクケース1Jでは、表側シート2J及び裏側シート3Jを相互に重ね合わせた個所を部分的に接合する部位として、折り畳み部7Jと直交するように隣り合う一長辺部に、のりしろ部6Jが設けられている。
【0073】
孔部8Jは、表側シート2J及び裏側シート3Jとの接合部として機能する折り畳み部7Jに設けられている。この孔部8Jは、
図14に示す孔部8と同様に、マスク収容部4Jに収容されたマスクMの耳掛け部M1を外部へ出すことができる(
図16参照)。
【0074】
のりしろ部6Jは、折り畳み部7Jによる辺部に直交して隣り合う長辺部に設けられている。これにより、マスクケース1Jでは、表側シート2J及び裏側シート3Jが、折り畳み部7Jからなる短辺部と、のりしろ部6Jを有する長辺部とで接合される。これら辺部と対向する他方の辺部(短辺部及び長辺部)でマスク収容部4Jは、開口可能であり、マスクMを出し入れ可能に形成されている。
【0075】
表側シート2J及び裏側シート3Jには、それぞれ外面に、マーク5(表示部)が付けられている。これにより、マスクケース1Jでは、表側シート2J及び裏側シート3Jのどちらの面側でも、光が当たることにより、そのシートに覆われるマスクの部位(シート内側の部分)、つまり、光触媒面に対向する部位に対して光触媒作用が生じることを表示している。これにより、収容するマスクに対して抗菌及び防臭機能を発揮する。
【0076】
マスクケース1Jは、マスクケース1J内に収容されたマスクMの耳掛け部M1を、孔部8Jから外部に出して、係止部材に係止することにより、マスクケース1Hを、マスクMを収容した状態で吊るすことができる。これより、日の当たる場所等に設けられたフック等の係止部材に、孔部8Jから導出される耳掛け部M1を係止して、マスクMをマスクケース1Hごと吊るすことができる。これにより、マスクケース1Jの両面に日を当てて、収容するマスクMの表面と裏面(ユーザ―の口が当たる面)の両面に対して、光触媒作用、つまり、除菌(抗菌)及び脱臭作用を発揮できる。
【0077】
また、マスクケース1JにマスクMを収容してテーブル等に置く場合、マスクケース1Jの表側シート2J或いは裏側シート3Jのどちらを、上側にしても、確実に、マスクの除菌及び脱臭を行うことができる。
【0078】
また、マスクユーザーがマスクケース1Jの表面を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクMの表面を常に表側シート2J或いは裏側シート3Jに向けた状態でマスクMを収容させることができる。これにより、衛生的にマスクの除菌、脱臭を行うことができる。加えて、マスクケース1Jをテーブル等におく際に、常にマスクMの表面を常に上側に向けさせることができるので、より確実に、収容するマスクの除菌、脱臭を行うことができる。表側シート2J側に向けてマスクの汚れた面を位置させてマスクを収容しても、その面をマスクケース1Jの表面として、光があたるように配置できる。
【0079】
また、マスクケース1Jは、孔部8Jを有するので、マスクケース1Hの孔部8と同様の作用効果をうることができる。
【0080】
(変形例10〜変形例14)
図17は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例10を示す図であり、
図17Aは、変形例10のマスクケースの正面図、
図17Bは、変形例10のマスクケースの背面図、
図17Cは、マスクケースの展開図である。
【0081】
図18は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例11を示す図であり、
図18Aは、変形例11のマスクケースの正面図、
図18Bは、変形例11のマスクケースの背面図、
図18Cは、マスクケースの展開図である。
図19は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例12を示す図であり、
図19Aは、変形例12のマスクケースの正面図、
図19Bは、変形例12のマスクケースの背面図、
図19Cは、マスクケースの展開図である。
【0082】
図20は、本発明の実施の形態に係るマスクケースの変形例13を示す図であり、
図20Aは、変形例13のマスクケースの正面図、
図20Bは、変形例13のマスクケースの背面図、
図20Cは、マスクケースの展開図である。
【0083】
図17〜
図20に示す変形例10〜13のマスクケース1K〜1Nは、いずれも表側シート2K〜2N及び裏側シート3K〜3Nを有し、これらを相互に重ね合わせて部分的に接合されることにより形成されたマスク収容部4K〜4Nを有する。
【0084】
表側シート2K〜2Nが、光触媒紙で形成されており、外面にそれぞれ、マスクケース1K〜1Nの表面であることを通知するマーク5(表示部)を有する。ここではマーク5として、「マスクケース」の表示により、光触媒効果を発揮する面を示している。また、マスクケース1K〜1Nでは、それぞれ、外面がマスクケース1K〜1Nの裏面であり、光触媒作用を発揮しない面であることを示すマーク(表示部)50が設けられている。
【0085】
マーク50は、ここでは、「ウラ」で表示されているが表示形態は、これに限らない。このマーク50により、マスクユーザーがマスクケース1K〜1Lの裏面を把握できるので、幾度かマスクを出し入れする場合に、除菌対象となるマスクの表面を常に表側シート2K〜2Nに向けた状態でマスクを収容させることができる。これにより、より衛生的、かつ、テーブル等におくときにマスクの表面を常に上側に向けさせることができ、より確実に、収容したマスクの除菌・脱臭をおこなうことができる。これらマーク5、50は、それぞれ印刷により形成されてなるため、紙である表側シート2K〜2N、裏側シート3K〜3Nに形成しやすい。
【0086】
加えて、
図19に示すマスクケース1Mと、
図20に示すマスクケース1Nでは、表側シート2M、2Nと裏側シート3M、3Nにおいて、折り畳み部7M、7Nとこれに隣り合う2辺部に設けられたのりしろ部6M、6Nとにより接合された状態となっている。これらにより、表側シート2M、2Nと裏側シート3M、3Nにおいて、折り畳み部7M、7Nに対向する対向部としてV型の切り欠き部9M、9Nが、裏側シート3M、3Nに接合、つまり、表側シート2M、2Nと裏側シート3M、3Nの接合部となっていない。
これにより、マスクケース1M、1Nは、マスク収容部4M、4Nへのマスクの出し入れがしやすく、かつ、収容時にマスクの耳掛け部を両方ともマスク収容部に入れずに済む。
【0087】
なお、マスクケース1、1A、1B、1D〜1Nでは、マーク5は、マスクの表面を表側シートに向けた状態でマスクをマスク収容部4に収容することを通知可能に表示されてもよい。これにより、マスクユーザーが、幾度かマスクを出し入れする場合に常に、除菌対象となるマスクの表面を常に表側シート2、2A、2B、2D〜2Nに向けた状態でマスクを収容するよう、マスクユーザーに意識させることができる。これにより、より衛生的、かつ、テーブル等におくときにマスクの表面を常に上側に向けさせることができるので、より確実に、マスクの除菌・脱臭を行うことができる。
【0088】
また、マーク5を表側シート2、2A〜2Nの外面に設けて、マスクケース1、1A〜1Nが横長の長方形形状であることを通知可能に表示してもよい。これにより、マスクユーザーが、マスクケース1、1A〜1Nがマスクの面部同様の横長形状であることを把握できる。よって、幾度かマスクを出し入れする場合に常に、マスクの面部の上下方向の向きとマスクケース1、1A〜1Nの上下方向の向きとを合わせて、より、衛生的に、マスクを収容させることができる。ちなみに、例えば
図3に示すように、マスクケース1を横長に配置したときに表示部5の文字列の向きが正常となるように表示部5を形成することにより、マスクユーザーは、マスクケース1が横長であることを認識することができる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。