【解決手段】袋供給システム10は、袋束供給装置37、袋取出装置38及び押込装置39を備える。袋束供給装置37は、積み重ねられた複数の袋bを含む袋束Bが載せられる搬送部41、42を有する。袋取出装置38は、袋束供給装置37から送られてくる袋束Bに含まれる袋bを取り出す。押込装置39は、押込部48と、押込部48を搬送部42と袋取出装置38との間で往復動させる押込進退駆動部49と、を有する。押込進退駆動部49は、搬送部41、42が袋束Bを搬送する速度よりも速い速度で、押込部48によって搬送部42上の袋束Bを袋取出装置38に向けて移送する袋供給システム。
前記制御装置は、前記袋束供給コンベアによる袋束の搬送を停止した後に、前記袋束切り離しコンベアによる袋束の搬送を停止する請求項2に従属する請求項4に記載の袋供給システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、袋供給システム10及び包装機11の一例の概略構成を示す平面図である。
図2は、
図1に示す袋供給システム10及び包装機11の概略構成を示す側方図である。
図1及び
図2の各々では、袋供給システム10及び/又は包装機11を構成する要素のうちの一部の図示が省略されている。
【0017】
袋供給システム10は、袋束Bを搬送方向D1へ搬送する袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42を備える。袋束Bは複数の袋bを含み、これらの袋bは高さ方向にお互いに積み重ねられている。袋束Bは、袋束切り離しコンベア42の下流に位置づけられる袋取出載置部43の取出位置P1に移送されて配置される。取出位置P1に配置されている袋束Bに含まれる袋bは、ピックアップ部44によって1枚ずつ取り出され、姿勢矯正装置12で位置及び/又は姿勢が矯正された後、包装機11に供給される。袋供給システム10の構成の詳細は後述する。
【0018】
図示の姿勢矯正装置12は、3つの矯正台30、両サイドに位置する2つの矯正台30にそれぞれ取り付けられる一対の矯正グリッパー31、矯正センサ32、及び台駆動装置33を含む。矯正台30には袋供給システム10から送られてくる袋bが載せられる。矯正センサ32は、矯正センサ32の直下に位置する検出ポイントに、矯正台30上の袋bが存在するか否かを検出する。台駆動装置33は、両サイドに位置する2つの矯正台30及び一対の矯正グリッパー31を搬送方向D1に沿って往復移動させる。
【0019】
姿勢矯正装置12は、矯正台30に載せられた袋bの位置を調整し、当該袋bの長さ方向の位置ずれを解消してもよい。袋bの長さ方向の位置ずれを解消するための具体的な方法は限定されない。一例として、袋bは、長さ方向が搬送方向D1と一致した状態で矯正台30に載せられ且つ両側部が矯正グリッパー31により把持された状態で、矯正グリッパー31及び矯正台30(特に両サイドの2つの矯正台30)とともに搬送方向D1に移動する。その際、袋bが検出ポイントに達したタイミングを、矯正センサ32によって検出する。袋bが検出ポイントに達してから所定距離だけ袋bを搬送方向D1(すなわち長さ方向)に移動させることによって、袋bの長さ方向の位置ずれを解消することができる。
【0020】
姿勢矯正装置12は、矯正台30に載せられた袋bの姿勢(傾き)を矯正してもよい。例えば、矯正台30に載せられている袋bの両側部のそれぞれの先頭位置を検出可能な2つの検出センサ(図示省略)を設置する。これらの検出センサの検出結果に基づいて、一方側の矯正台30及び矯正グリッパー31と他方側の矯正台30及び矯正グリッパー31とを互いに独立して駆動し、袋bの両側部の先頭位置間におけるずれを解消するように、袋bの両側部の先頭位置を調整してもよい。
【0021】
袋bは、位置及び/又は姿勢が矯正された後、袋移送チャック20によって矯正台30から持ち上げられ、包装機11の袋グリッパー21に渡される。
【0022】
包装機11は、このようにして袋供給システム10から姿勢矯正装置12を介して供給される袋bの内側に内容物を投入した後、当該袋bの口部をシールし、内容物が封入された状態の袋bを後段に向けて放出する。
【0023】
図示の包装機11は、回転テーブル22の外周部に等間隔に取り付けられた複数の袋グリッパー21を備える。
図1及び
図2では、便宜的に、1つの袋グリッパー21のみを図示し、他の袋グリッパー21は図示が省略されている。各袋グリッパー21は、袋移送チャック20から袋bを受け取る。袋bは、各袋グリッパー21によって両側部が把持されている状態で、回転テーブル22とともに搬送方向D2に回転移動し、複数のステーションを順次巡る。図示の包装機11では、回転テーブル22が間欠回転し、各袋グリッパー21により保持されている袋bが各ステーションで間欠的に停止する。各袋グリッパー21により保持されている袋bは、各ステーションに間欠的に停止している間に、各ステーションに設けられた装置により処理を受ける。
【0024】
図示の包装機11に設けられる複数のステーションは、袋供給ステーション、袋開口ステーション、内容物投入ステーション、袋口シールステーション、及び袋口冷却・放出ステーションを含む。袋供給ステーションでは、各袋グリッパー21が袋移送チャック20から空の袋bを受け取る。袋開口ステーションでは、開口装置23が、空の袋bの口部を開く。内容物投入ステーションでは、投入装置24が、口部を介して袋bの内側に内容物(例えば、固体、液体、気体、或いはこれらのうちの2以上の形態の内容物)を投入する。袋口シールステーションでは、シール装置25が、内側に内容物が入れられている袋bの口部をシール(本例では熱シール)する。袋口冷却・放出ステーションでは、冷却装置26が、袋bのシールされた部分を冷却し、これにより袋bの口部が堅固に閉じられる。そして放出コンベア27は、内側に内容物が入れられ且つ口部が堅固にシールされた袋bを、後段に向けて放出する。なお、回転テーブル22、開口装置23、投入装置24、シール装置25、冷却装置26及び放出コンベア27は、据付けテーブル28により支持されている。
【0025】
次に、
図1〜
図3を参照して袋供給システム10の詳細について説明する。
図3は、袋供給システム10の平面図である。
【0026】
袋供給システム10は、袋束供給装置37、袋取出装置38及び押込装置39を備える。
【0027】
袋束供給装置37は、搬送部を有し、搬送部に載せられる袋束Bを下流に向けて送る。本実施形態の搬送部は、袋束Bが載せられる袋束供給コンベア41と、袋束供給コンベア41よりも下流に位置づけられる袋束切り離しコンベア42とを含む。
【0028】
袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42の各々の上方には、2つのサイドガイド45が設けられている。これらのサイドガイド45は、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42によって搬送される袋束Bの幅方向位置を制限し、袋束Bが幅方向にずれることを防ぐ。
【0029】
袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42の各々は、袋束Bが載せられる無端状ベルトと、当該無端状ベルトを走行させるモーター等のベルト駆動部とを有する。袋束供給コンベア41の無端状ベルト上への袋束Bの補給は、図示しない装置によって行われてもよいし、人手によって行われてもよい。袋束切り離しコンベア42の無端状ベルトは、搬送方向D1に延びる第1押出間隙59を有する。第1押出間隙59は、袋取出載置部43が有する第2押出間隙60とともに、搬送方向D1に延びる同一直線上に配置される。第1押出間隙59及び第2押出間隙60は、押込部48が通過可能なサイズを有し、押込部48の移動経路の一部を構成する。
【0030】
袋取出装置38は、袋束供給装置37から送られてくる袋束Bに含まれる袋bを取り出す。本実施形態の袋取出装置38は、袋取出載置部43、ピックアップ部44、2つのサイドガイド45及び先頭ストッパー46を有する。
【0031】
袋取出載置部43には、袋束供給装置37(特に袋束切り離しコンベア42)から送られてくる袋束Bが載せられる。ピックアップ部44は、袋取出載置部43(特に取出位置P1)上の袋束Bから最上位置の袋bを持ち上げて、当該袋bを後段(本実施形態では姿勢矯正装置12)に運ぶ。図示のピックアップ部44は吸盤を有し、取出位置P1に配置された袋束Bの最上位置の袋bの側面(特に上方に露出する上方側面)を吸引保持する。2つのサイドガイド45は、袋取出載置部43上の袋束Bの幅方向位置を制限し、袋束Bが幅方向にずれることを防ぐ。先頭ストッパー46は、袋取出載置部43上の袋束Bの搬送方向D1への移動を制限する。袋束Bは、搬送方向D1の先頭側部分が先頭ストッパー46に接触することによって、取出位置P1に精度良く位置づけられる。
【0032】
押込装置39は、押込部48と、押込部48を移動させる押込進退駆動部49とを有する。本実施形態の押込進退駆動部49は、押込部48を昇降させる押込昇降駆動部50と、押込部48を押込昇降駆動部50とともに水平方向(特に搬送方向D1に沿う方向)に往復移動させる押込搬送駆動部51とを有する。押込進退駆動部49は押込部48を移動させて、押込部48により袋束切り離しコンベア42上の袋束Bを袋取出載置部43に向けて移送させる。すなわち押込部48は、搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)上の袋束Bを袋取出装置38の袋取出載置部43に向けて搬送方向D1に押して、当該袋束Bのうちの搬送方向D1の先頭側部分を先頭ストッパー46に接触させる。
【0033】
袋供給システム10は、更に、位置検出部53、袋検出部54及び後方ストッパー56を備える。
【0034】
位置検出部53は、搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)上における袋束Bの位置を検出する。袋検出部54は、袋取出載置部43(特に取出位置P1)上における袋bの存在の有無を検出する。
【0035】
後方ストッパー56は、ストッパー駆動部57によって昇降させられる。後方ストッパー56は、昇降の際に、袋取出載置部43において第2押出間隙60とは別個に設けられたストッパー孔62(
図3参照)を通過する。このように後方ストッパー56は、押込部48の移動経路(例えば第2押出間隙60)から離れた位置で昇降するため、押込部48と衝突することはない。
【0036】
本実施形態のストッパー駆動部57は、袋検出部54の検出結果に基づいて後方ストッパー56を昇降する。袋検出部54の検出結果が、袋取出載置部43の取出位置P1に袋bが配置されていることを示す間、後方ストッパー56はストッパー駆動部57によって上昇位置に配置され、袋取出載置部43(特に取出位置P1)への新たな袋束Bの進入を防ぐ。一方、袋検出部54の検出結果が、袋取出載置部43の取出位置P1に袋bが配置されていないことを示す間、後方ストッパー56はストッパー駆動部57によって下降位置に配置される。これにより、袋束切り離しコンベア42から袋取出載置部43(特に取出位置P1)への新たな袋束Bの進入が許容される。
【0037】
なお上昇位置に配置されている後方ストッパー56は、取出位置P1における袋束B(すなわち複数の袋b)の崩れを抑えることもできる。特に、ピックアップ部44によって袋bを取り出す際には、取出位置P1に配置されている袋束B(袋b)に意図しない力が作用することがある。本実施形態のように、取出位置P1に配置されている袋束Bを、先頭ストッパー46、サイドガイド45及び後方ストッパー56により囲むことによって、当該袋束Bにピックアップ部44から力が作用した場合であっても、積み重ねられた複数の袋bの崩れを抑えることができる。
【0038】
図示の位置検出部53は、第1押出間隙59の真上に配置され、第1押出間隙59の真上の検出ポイントにおける袋束Bの通過を検出する。図示の袋検出部54は、第2押出間隙60の真下に配置され、第2押出間隙60の真上の検出ポイント(特に取出位置P1に配置されている袋bによって横切られるはずの検出ポイント)における袋bの有無を検出する。位置検出部53及び袋検出部54は、任意のデバイスによって実現可能である。例えばレーザ等の光を利用した光学センサや撮像装置(カメラ)を、位置検出部53及び袋検出部54は有していてもよい。位置検出部53及び/又は袋検出部54が撮像装置を有する場合、位置検出部53、袋検出部54及び/又は制御装置70(後述の
図4参照)が撮像データを画像解析することができる。当該画像解析の結果、検出ポイントにおける袋束Bの通過の有無や袋bの配置の有無を検出することが可能である。
【0039】
押込昇降駆動部50、押込搬送駆動部51及びストッパー駆動部57も、任意のデバイスによって実現可能であり、例えばエアシリンダやボールねじを有していてもよい。
【0040】
図4は、袋供給システム10の制御構成例を示す機能ブロック図である。
【0041】
袋供給システム10が備える制御装置70は、位置検出部53、袋検出部54、袋束供給コンベア41、袋束切り離しコンベア42、押込進退駆動部49(押込昇降駆動部50及び押込搬送駆動部51)及びストッパー駆動部57に接続されている。
【0042】
制御装置70は、位置検出部53及び袋検出部54の各々から検出結果を受信する。制御装置70は、袋束供給コンベア41、袋束切り離しコンベア42、押込進退駆動部49(押込昇降駆動部50及び押込搬送駆動部51)及びストッパー駆動部57を制御する。
【0043】
例えば、押込進退駆動部49(特に押込搬送駆動部51)は、制御装置70の制御下で、搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)が袋束Bを搬送する速度よりも速い速度で、押込部48によって搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)上の袋束Bを袋取出装置38の袋取出載置部43に向けて移送させる。これにより、袋取出載置部43に袋束Bを素早く補給することができる。
【0044】
制御装置70は、袋検出部54の検出結果に応じて、押込進退駆動部49(特に押込搬送駆動部51)を制御する。袋検出部54が取出位置P1に袋bが存在しないことを検出した場合、押込昇降駆動部50は押込搬送駆動部51を制御し、押込部48によって搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)上の袋束Bを袋取出載置部43に向けて押して移送させる。本実施形態では、ピックアップ部44が袋取出載置部43上の最後の袋bを取り出してから袋取出載置部43の上方に戻るまでの間に、押込装置39によって新たな袋束Bが袋取出載置部43上に補給される。これにより、ピックアップ部44は、動作を中断することなく、一定のリズムで袋取出載置部43からの袋bの取り出し動作を継続的に行うことができる。
【0045】
また制御装置70は、位置検出部53の検出結果に応じて、袋束供給装置37の袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42を制御する。すなわち制御装置70は、位置検出部53が検出する搬送部(本実施形態では袋束切り離しコンベア42)上における袋束Bの位置に応じて、搬送部上の袋束Bを搬送する速度を調整する。
【0046】
本実施形態の制御装置70は、袋束供給コンベア41による袋束Bの搬送を停止した後に、袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送を停止する。これにより袋束供給コンベア41上の袋束B(特に搬送方向D1に関して先頭の袋束B)と、袋束切り離しコンベア42上の袋束Bとの間に、十分な大きさの間隔を確保することができる。その結果、後述のように、押込部48を上昇させる際に、押込部48が搬送部(袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42)上の袋束Bと接触することを有効に防ぐことができる。
【0047】
次に、袋供給システム10の作動例について説明する。下述の袋供給方法は、制御装置70が各種デバイスを適宜制御することによって行われる。
【0048】
図5〜
図9は、袋供給システム10の作動例を示す袋供給システム10の側方図である。
図10〜
図15は、袋供給システム10の作動例を示す袋供給システム10の平面図である。
図5〜
図15のうちの少なくとも一部の図面では、袋供給システム10を構成する要素のうちの一部の図示が省略されている。
【0049】
図5及び
図10には、袋束切り離しコンベア42及び袋取出載置部43(特に取出位置P1)のそれぞれに袋束Bが補給された直後の状態が示されている。
図5に示す状態では、押込部48は、後方待機下降位置に配置され、袋束切り離しコンベア42の無端状ベルト(特に袋束Bが載せられる上面)よりも上方に突出していない。また
図5に示す状態では、後方ストッパー56は、下降位置に配置され、袋取出載置部43(特に袋束Bが載せられる上面)よりも上方に突出していない。
【0050】
ストッパー駆動部57は、制御装置70の制御下で、袋取出載置部43の取出位置P1に袋束Bが新たに配置された後速やかに、上昇位置に配置される。また押込昇降駆動部50は、袋束切り離しコンベア42上に袋束Bが新たに配置された後であって、袋取出載置部43の取出位置P1からすべての袋bが取り出される前に、制御装置70の制御下で押込部48を後方待機上昇位置に配置する(
図6参照)。これにより押込部48は、袋束供給コンベア41上の先頭の袋束Bと袋束切り離しコンベア42上の袋束Bとの間において、袋束切り離しコンベア42の無端状ベルト(特に袋束Bが載せられる上面)よりも上方に突出する。この際、押込部48は、袋束切り離しコンベア42上の袋束B(特に最後尾部分)の高さと同じ高さ位置まで又は当該袋束B(特に最後尾部分)の高さよりも高い高さ位置まで突出することが好ましい。
【0051】
そしてピックアップ部44により、袋取出載置部43の取出位置P1にセットされた袋束Bから最上位置の袋bが1枚ずつ取り出されて、後段の姿勢矯正装置12(特に矯正台30)に渡される。
【0052】
ピックアップ部44によって、袋取出載置部43の取出位置P1からすべての袋bが取り出されると、袋検出部54によって、取出位置P1に袋bが存在しないことが検出される(
図6及び
図11参照)。制御装置70は、袋検出部54から当該検出結果を受信すると、ストッパー駆動部57を制御して後方ストッパー56を下降位置に配置し、押込搬送駆動部51を制御して押込部48を搬送方向D1に前進させる。その結果、袋束切り離しコンベア42上の袋束Bが押込部48によって押され、当該袋束Bが袋取出載置部43の取出位置P1に新たにセットされる(
図7及び
図12参照)。この際、押込部48は、袋束Bの進行方向の先頭側部分を先頭ストッパー46に接触させる位置(すなわち前進補給位置)に移動する。これにより袋束Bは、押込部48及び先頭ストッパー46により挟まれて搬送方向D1に関する位置が制限された状態で、取出位置P1に精度良く配置される。
【0053】
押込部48によって袋束Bが袋束切り離しコンベア42から押されるのに応じて、制御装置70の制御下で袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42が駆動され、新たな袋束Bが袋束供給コンベア41から袋束切り離しコンベア42に移送される(
図13参照)。この場合の袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42の袋束Bの搬送速度(すなわち袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42の無端状ベルトの走行速度)は、限定されないが、典型的には互いに同じ速度である。
【0054】
この場合、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42を駆動するタイミングは、限定されない。例えば、押込部48が袋束Bを袋束切り離しコンベア42から袋取出載置部43に向けて押すタイミングを基準に、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42は袋束Bの搬送を開始してもよい。この場合、制御装置70は、袋検出部54が取出位置P1に袋bが存在している状態から存在しない状態に変わったことを検出したタイミングに基づいて、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42を駆動するタイミングを決めることができる。また、袋束Bが袋取出載置部43の取出位置P1に新たにセットされたタイミングを基準に、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42は袋束Bの搬送を開始してもよい。この場合、制御装置70は、袋検出部54が取出位置P1に袋bが存在していない状態から存在している状態に変わったことを検出したタイミングに基づいて、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42を駆動するタイミングを決めることができる。
【0055】
そして袋束切り離しコンベア42上に新たに配置される袋束B(特に先頭側部分)が、位置検出部53の検出ポイントを通過する(
図13参照)。この「袋束Bが位置検出部53の検出ポイントを通過するタイミング」に基づいて、制御装置70は、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送を停止するタイミングを決める。
【0056】
袋束供給コンベア41は、制御装置70の制御下で、袋束切り離しコンベア42上に新たに配置される袋束Bのすぐ後ろに位置する袋束Bが、袋束切り離しコンベア42上に載らないように、袋束Bの搬送を停止する。本実施形態の袋束供給コンベア41は、袋束切り離しコンベア42上に新たに配置される袋束Bの後方側部分が、まだ袋束供給コンベア41上に位置しているタイミングで、袋束Bの搬送を停止する(
図14参照)。一方、袋束切り離しコンベア42は、制御装置70の制御下で、新たな袋束Bの全体が袋束切り離しコンベア42上に載った後(特に押込部48の後方待機上昇位置(
図6参照)よりも袋取出載置部43側に配置された後)、袋束Bの搬送を停止する(
図15参照)。
【0057】
このように袋束供給コンベア41による袋束Bの搬送を停止した後に、袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送を停止するための具体的な方法は、限定されない。一例として、位置検出部53の検出ポイントを袋束Bが通過するタイミングから予め定められた時間(以下「搬送継続時間」とも称する)だけ、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42によって袋束Bを搬送してもよい。この場合、袋束供給コンベア41に対して割り当てられる搬送継続時間よりも、袋束切り離しコンベア42に対して割り当てられる搬送継続時間を長くする。これにより、袋束供給コンベア41による袋束Bの搬送を停止した後に、袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送を停止することができる。
【0058】
一方、押込部48は、押込昇降駆動部50によって前進補給位置(
図7参照)から下降させられ、押込搬送駆動部51によって袋取出載置部43から遠ざかるように移動させられ、後方待機下降位置に戻される(
図8、
図9、
図14及び
図15参照)。これにより袋供給システム10は再び
図5に示す状態となる。
【0059】
上述の一連の処理を繰り返し行うことによって、袋取出載置部43の取出位置P1への袋束Bの補給及び取出位置P1からの袋bの取り出しを継続して行うことができる。なお袋束供給コンベア41に対する新たな袋束Bの供給も継続して行うことができる。
【0060】
以上説明したように本実施形態の袋供給システム10及び袋供給方法によれば、取出位置P1に次に補給される予定の袋束Bを、袋束切り離しコンベア42に待機させておくことができる。そして、袋取出載置部43の取出位置P1からすべての袋bが取り出された直後に、押込部48によって袋束Bを取出位置P1に素早く補給することができる。これによりピックアップ部44は中断することなく継続して動作し続けることができ、取出位置P1から後段の姿勢矯正装置12及び包装機11に、一定の速度で安定的に袋bを供給することができる。
【0061】
また袋束Bは、押込部48、サイドガイド45及び先頭ストッパー46によって水平方向への移動が制限された状態で、袋束切り離しコンベア42から取出位置P1に向けて移動される。これにより、袋束Bに含まれる複数の袋bが移動の途中で崩れてしまうことを防ぐことができる。
【0062】
また袋束供給装置37の搬送体(袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42)は、押込部48の動作に影響を受けることなく、作動する。そのため、押込部48によって袋束切り離しコンベア42から袋取出載置部43に袋束Bが高速供給される場合であっても、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送速度を高速にする必要がない。そのため、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42によって袋束Bをゆっくり搬送することで、袋束Bに含まれる複数の袋bの搬送中における崩れを防ぐことができる。
【0063】
また袋束切り離しコンベア42における新たな袋束Bのセットは、袋取出載置部43の取出位置P1に袋束Bが供給されてから当該袋束Bに含まれるすべての袋bが取出位置P1から取り出され終わる前に、完了すれば十分である。そのため、袋束切り離しコンベア42に新たな袋束Bをセットする作業には、比較的長い時間を費やすことが可能である。そのため袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42による袋束Bの搬送速度が比較的ゆっくりであっても、袋束切り離しコンベア42に新たな袋束Bを適切にセットすることが可能である。
【0064】
一例として、袋束切り離しコンベア42から袋取出載置部43の取出位置P1に袋束Bを移送する際、押込部48は、数十m/min(分)の速度で袋束Bを取出位置P1に向けて押すことができる。一方、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42は、数十cm/min〜数m/minの速度で袋束Bを下流に向けて搬送することができる。このように、本実施形態の袋供給システム10及び袋供給方法によれば、取出位置P1への袋束Bの迅速な補給と、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42における袋束Bの低速搬送とを、両立することができる。なお袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42における袋束Bの低速搬送は、袋束Bに含まれる複数の袋bの崩れを防ぐ観点から有利であり、また袋束供給コンベア41の無端状ベルト上に袋束Bを適切に供給する観点からも有利である。
【0065】
また本実施形態の袋束供給装置37は、搬送部(袋束供給コンベア41の無端状ベルト及び袋束切り離しコンベア42の無端状ベルト)を、個々の袋束Bが載せられる複数領域に区分するための仕切り板を持たない。そのため袋束供給装置37の搬送部には、サイズ及び構成を変えることなく、様々なサイズの袋束B(袋b)を載せることができ、搬送部は様々なサイズの袋束Bを下流に向けて適切に搬送することができる。したがって本実施形態の袋供給システム10及び袋供給方法によれば、装置及び設置スペースを大型化することなく、様々なサイズの袋bを後段の姿勢矯正装置12及び包装機11に安定的に供給することができる。
【0066】
このように本実施形態の袋供給システム10は、基本的に物理的構造を変えることなく、様々なサイズの袋b及び袋束Bを搬送することができる。袋供給システム10によって搬送すべき袋束B(袋b)のサイズが変更される場合、袋供給システム10における制御構成を変えることで、そのような袋束Bのサイズ変更に対応することが可能である。例えば、袋束供給コンベア41及び袋束切り離しコンベア42の駆動時間(すなわち袋束Bを搬送方向D1に搬送する時間)を、袋b及び袋束Bのサイズに応じて変えてもよい。袋束供給コンベア41による袋束Bの搬送停止タイミングを、袋束Bの搬送方向D1(すなわち長さ方向)の長さに応じて調整することで、袋束切り離しコンベア42に次に供給される予定の袋束Bを、袋束供給コンベア41上の所望の位置に待機させることが可能である。
【0067】
[変形例]
本開示の装置及び方法は、上述の実施形態には限定されない。
【0068】
例えば押込装置39は、袋束切り離しコンベア42及び袋取出載置部43よりも上方に設けられてもよい。この場合、押込昇降駆動部50から下方に延びる押込部48の先端部分が、袋束切り離しコンベア42上の袋束Bよりも上方の退避位置と、袋束切り離しコンベア42のうち袋束Bが載せられる上面と同じ高さ又は当該上面よりも下方の押出位置とに配置可能なように、押込部48は押込昇降駆動部50により昇降されてもよい。同様に、後方ストッパー56は袋取出載置部43よりも上方に設けられてもよい。この場合、ストッパー駆動部57から下方に延びる後方ストッパー56の先端部分が、袋取出載置部43上の袋束Bよりも上方の退避位置と、袋取出載置部43のうち袋束Bが載せられる上面と同じ高さ又は当該上面よりも下方のストッパー位置とに配置可能なように、後方ストッパー56はストッパー駆動部57により昇降されてもよい。
【0069】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。