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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2022-2165(P2022-2165A)
(43)【公開日】2022年1月6日
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20211210BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20211210BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20211210BHJP
   H01G 11/18 20130101ALI20211210BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20211210BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M2/12 Z
   H01M10/48 301
   H01G11/18
   H01G11/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-170687(P2018-170687)
(22)【出願日】2018年9月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100171583
【弁理士】
【氏名又は名称】梅景 篤
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智之
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟士
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋明
(72)【発明者】
【氏名】山本 卓矢
【テーマコード(参考)】
5E078
5H012
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA09
5E078AB02
5E078HA22
5E078HA23
5E078JA11
5H012CC10
5H030FF22
5H040AA06
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY10
5H040CC20
5H040DD03
5H040DD07
(57)【要約】
【課題】蓄電セルの温度の検知精度を向上可能な蓄電モジュールを提供すること。
【解決手段】蓄電モジュールは、蓄電セルと、蓄電セルの温度を検知するためのサーミスタ64が搭載される搭載領域62hを含むフレキシブルプリント基板6と、搭載領域62hを覆う上板と、フレキシブルプリント基板6のうちの搭載領域62hの周辺部62iを蓄電セルに向けて押圧する押圧部材82と、を備え、搭載領域62hは、サーミスタ64と蓄電セルとの間に設けられ、押圧部材82は、弾性部材で構成され、上板からフレキシブルプリント基板6まで延びている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電セルと、
前記蓄電セルの温度を検知するためのサーミスタが搭載される搭載領域を含むフレキシブルプリント基板と、
前記搭載領域を覆う壁部と、
前記フレキシブルプリント基板のうちの前記搭載領域の周辺部を前記蓄電セルに向けて押圧する押圧部材と、
を備え、
前記搭載領域は、前記サーミスタと前記蓄電セルとの間に設けられ、
前記押圧部材は、弾性部材で構成され、前記壁部から前記フレキシブルプリント基板まで延びている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント基板は、配線層と、前記配線層を覆う絶縁フィルムと、を備え、
前記押圧部材は、前記絶縁フィルム上に設けられる、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
断熱シートをさらに備え、
前記押圧部材は、前記断熱シートを介して前記周辺部を押圧する、請求項1又は請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記断熱シートは、前記サーミスタを覆う、請求項3に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記蓄電セルから放出されたガスを前記蓄電モジュールの外部に排出するための排煙ダクトをさらに備え、
前記搭載領域は、前記排煙ダクトの外部に位置する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記押圧部材は、電気絶縁性を有する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記押圧部材は、断熱性を有する、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池の温度を検知するための温度検知素子を備えた蓄電モジュールが知られている。例えば、特許文献1に記載された技術では、フレキシブルプリント基板に設けられたサーミスタによって、電池の温度が検知されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−97894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、電池の温度を確実に検知するために押圧部によってサーミスタが電池に押圧されている。しかしながら、フレキシブルプリント基板にサーミスタがはんだ材等で実装されている場合には、接合部に応力が加わり、接合部にクラックが生じるおそれがある。この場合、サーミスタとフレキシブルプリント基板との電気的な接続が不十分になり、蓄電セルの温度の検知精度が低下するおそれがある。
【0005】
本発明の一側面は、蓄電セルの温度の検知精度を向上可能な蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る蓄電モジュールは、蓄電セルと、蓄電セルの温度を検知するためのサーミスタが搭載される搭載領域を含むフレキシブルプリント基板と、搭載領域を覆う壁部と、フレキシブルプリント基板のうちの搭載領域の周辺部を蓄電セルに向けて押圧する押圧部材と、を備える。搭載領域は、サーミスタと蓄電セルとの間に設けられる。押圧部材は、弾性部材で構成され、壁部からフレキシブルプリント基板まで延びている。
【0007】
この蓄電モジュールでは、壁部からフレキシブルプリント基板まで延びる押圧部材によって、フレキシブルプリント基板のうちのサーミスタが搭載される搭載領域の周辺部が蓄電セルに向けて押圧される。これにより、搭載領域が蓄電セルに固定されるとともに、サーミスタをフレキシブルプリント基板に接合する接合部に、応力が加わることが抑制される。その結果、蓄電セルの温度の検知精度を向上させることが可能となる。
【0008】
フレキシブルプリント基板は、配線層と、配線層を覆う絶縁フィルムと、を備えてもよい。押圧部材は、絶縁フィルム上に設けられてもよい。例えば、振動が加わることで、フレキシブルプリント基板上を押圧部材が摺動することがある。このような場合でも、絶縁フィルムによって配線層が保護されるので、配線層が破損する可能性を低減することができる。
【0009】
上記蓄電モジュールは、断熱シートをさらに備えてもよい。押圧部材は、断熱シートを介して周辺部を押圧してもよい。この場合、搭載領域の熱が外部に放出されることを抑制できるので、蓄電セルの温度の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【0010】
断熱シートは、サーミスタを覆っていてもよい。この場合、サーミスタに加わる衝撃及び振動を軽減することができる。
【0011】
上記蓄電モジュールは、蓄電セルから放出されたガスを蓄電モジュールの外部に排出するための排煙ダクトをさらに備えてもよい。搭載領域は、排煙ダクトの外部に位置してもよい。蓄電セルから放出されるガスの温度は通常高い。このため、排煙ダクトの外部に搭載領域が位置することにより、押圧部材に求められる耐熱性を低減することができる。
【0012】
押圧部材は、電気絶縁性を有してもよい。この場合、蓄電セルの温度を検知するための電流等が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0013】
押圧部材は、断熱性を有してもよい。この場合、搭載領域の熱が外部に放出されることを抑制できるので、蓄電セルの温度の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、蓄電セルの温度の検知精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施形態に係る蓄電モジュールを模式的に示す平面図である。
図2図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
図3図3は、図1に示される蓄電モジュールの一部を模式的に示す斜視図である。
図4図4は、搭載領域の周辺を拡大して示す斜視図である。
図5図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。
図6図6は、変形例に係る蓄電モジュールの搭載領域の周辺を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面にはXYZ直交座標系が示される。
【0017】
図1は、一実施形態に係る蓄電モジュールを模式的に示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1に示される蓄電モジュールの一部を模式的に示す斜視図である。図1図3に示されるように、蓄電モジュール1は、配列体2と、弾性部材3と、拘束部材4と、排煙ダクト5と、フレキシブルプリント基板6と、カバー7と、押圧部8と、監視装置100と、を備え得る。
【0018】
蓄電モジュール1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、及び電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電モジュール1は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であるが、電気二重層キャパシタであってもよい。
【0019】
配列体2は、配列された複数(本実施形態では7つ)の蓄電セル11を備える。各蓄電セル11は、例えば、矩形箱状のケースと、ケース内に収容された電極組立体と、を備える単電池である。複数の蓄電セル11は、配列方向D(Y軸方向)に配列されている。各蓄電セル11は、樹脂製のセルホルダに保持されてもよい。蓄電セル11の上面(表面)11dには、正極端子11a及び負極端子11bが互いに離間して設けられている。正極端子11aは、電極組立体の正極に接続された電極端子である。負極端子11bは、電極組立体の負極に接続された電極端子である。
【0020】
隣り合う2つの蓄電セル11は、正極端子11aと負極端子11bとが互いに隣り合うように配列され、隣り合う正極端子11aと負極端子11bとがバスバー12によって互いに電気的に接続されている。これにより、隣り合う2つの蓄電セル11が電気的に直列に接続される。正極端子11a及び負極端子11bは、ボルトによってバスバー12に接続されてもよいし、溶接によってバスバー12に接続されてもよい。配列体2に含まれる複数の蓄電セル11のうち、配列方向Dにおける一端に位置する蓄電セル11の負極端子11bと、配列方向Dにおける他端に位置する蓄電セル11の正極端子11aとには、例えば板状の導電部材である外部接続端子13がそれぞれ接続されている。
【0021】
各蓄電セル11は、安全弁11cを有している。安全弁11cは、例えば蓄電セル11の上面11dに設けられる。安全弁11cは、蓄電セル11内のガス圧力が予め定められた値を超えた場合にガスを外部に放出する。安全弁11cは、蓄電セル11の上面11dにおいて、正極端子11aと負極端子11bとの間に配置される。よって、複数の安全弁11cが配列方向Dに沿って配列される。
【0022】
弾性部材3は、配列方向Dにおいて、配列体2の一端に配置されている。弾性部材3は、拘束荷重による蓄電セル11の破損を防止する目的で用いられる部材であり、例えばウレタン製のゴムスポンジから構成されている。弾性部材3は、矩形の板状部材である。弾性部材3の材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、及びシリコンゴム等が挙げられる。弾性部材3は、ゴムに限られず、バネ材等であってもよい。弾性部材3は、配列方向Dにおける配列体2の両端に配置されていてもよく、互いに隣り合う2つの蓄電セル11間に配置されていてもよい。
【0023】
拘束部材4は、配列方向Dに沿って配列体2に拘束荷重を付加するための部材である。拘束部材4は、一対のエンドプレート41と、複数の連結部材42と、を備えている。一対のエンドプレート41は、配列体2を配列方向Dの両側から挟持するための部材である。エンドプレート41は、鉄等の金属材料からなる板状部材である。
【0024】
連結部材42は、一対のエンドプレート41同士を連結する。連結部材42は、例えば鉄等の金属から構成されたボルト及びナットによって構成されている。各連結部材42のボルトは、一方のエンドプレート41の挿通孔、各セルホルダの挿通孔、及び他方のエンドプレート41の挿通孔に順次挿通され、他方のエンドプレート41の外側でナットにより締結されている。この締結によって配列体2に対して配列方向Dに拘束荷重が付加される。
【0025】
排煙ダクト5は、蓄電セル11から放出されたガスを蓄電モジュール1の外部に排出するための部材である。排煙ダクト5は、配列方向Dに延在し、複数の安全弁11cを覆う。排煙ダクト5は、正極端子11aと負極端子11bとの間に配置され得る。例えば、排煙ダクト5は、セルホルダ等に固定されてもよい。排煙ダクト5は、例えば樹脂製の部材である。排煙ダクト5は、側板51と、側板52と、上板53と、を有する。上板53は、側板51と側板52との間に延在し、安全弁11cと向かい合うように配置される。安全弁11cから放出されるガスは、排煙ダクト5の側板51,52及び上板53と、蓄電セル11の上面11dとによって囲まれる内部空間を通って外部に排出される。配列方向Dと交差(直交)する排煙ダクト5の断面における空間領域は、例えば矩形状であるが、上板53から蓄電セル11の上面11dに向かうに連れて幅が広がる台形状であってもよい。
【0026】
排煙ダクト5は、側板51の下端から外側に広がる底板54と、側板52の下端から外側に広がる底板55と、を有してもよい。底板54,55は、それぞれ側板51,52と交差する方向に延在し、蓄電セル11の上面11d上に載置される。底板54,55によって、排煙ダクト5は、蓄電セル11の上面11d上に安定して載置され得る。
【0027】
フレキシブルプリント基板6は、例えば排煙ダクト5の上板53上に設けられる。フレキシブルプリント基板6は複数の蓄電セル11に接続される。本実施形態では、フレキシブルプリント基板6は、チップが実装される実装面6aと、実装面6aと反対側の非実装面6bと、を有する。つまり、フレキシブルプリント基板6は、実装面6aのみに部品が実装される片面型の基板である。
【0028】
フレキシブルプリント基板6は、配線層6cと、絶縁フィルム6d,6eと、を有している。配線層6cは、複数の配線を有している(図5参照)。各配線は、フレキシブルプリント基板6の延在方向に沿って延びている。配線層6cは、絶縁フィルム6dと絶縁フィルム6eとの間に挟まれている。絶縁フィルム6dは、実装面6aを有する。絶縁フィルム6eは、非実装面6bを有する。
【0029】
フレキシブルプリント基板6は、配列方向Dに延在する本体部61と、本体部61から分岐する複数の分岐部62Aと、本体部61から分岐する複数の分岐部62Bと、を備える。本実施形態では、フレキシブルプリント基板6は、配列方向Dを長手方向(長辺方向)とする矩形状の基板から形成され得る。この場合、各分岐部62A,62Bは、基板に切れ込みを入れることによって形成され得る。図示例では、基板の幅方向(短辺方向)の端縁から内側に入った切れ込み62aと、切れ込み62aの先端から配列方向Dに延びる切れ込み62bとによって分岐部62A,62Bが形成されている。これにより、分岐部62A,62Bの基端62cが本体部61と接続された分岐部62A,62Bが形成される。
【0030】
本体部61は、例えば接着材等により排煙ダクト5の上板53に固定される。本体部61の非実装面6bは蓄電セル11の上面11dと向かい合う。本体部61の実装面6aは蓄電セル11とは反対側を向く。本体部61の配列方向Dにおける一方の端部は、監視装置100のコネクタ101に接続される。
【0031】
本体部61の実装面6aには、複数のヒューズ63が実装され得る。各ヒューズ63は、本体部61の実装面6aにおいて絶縁フィルム6dに形成された開口から露出した各配線に接続される。ヒューズ63に電気的に接続された各配線は、各分岐部62Bの先端における実装面6aにおいて露出しており、例えばリベット接続、溶接、又ははんだ接続等によってバスバー12又は外部接続端子13に接続される。本実施形態では、ヒューズ63は、バスバー12に接続された分岐部62Bの基端に配置される。バスバー12に電気的に接続されるフレキシブルプリント基板6の配線は、蓄電セル11の電圧に関する信号を監視装置100に伝達する。
【0032】
分岐部62Aは、蓄電セル11の温度を監視するための部分である。分岐部62Aは、例えば分岐部62Aの一部が山折りに折り曲げられた屈曲部62dを有している。図示例では、屈曲部62dが分岐部62Aの基端62c近傍に形成されている。分岐部62Aは、折り返し部62eを有している。折り返し部62eは、屈曲部62dよりも分岐部62Aの先端側に形成されている。分岐部62Aのうちの折り返し部62eよりも先端側が幅方向外側に向くように、分岐部62Aが例えば90度の角度で折り返されることによって、折り返し部62eが形成されている。分岐部62Aにおいて、折り返し部62eよりも先端側は、側板51に沿って下向きに延在している。分岐部62Aは、蓄電セル11の上面11dに接触可能な位置まで延在した位置に折り返し部62fをさらに有している。折り返し部62fよりも分岐部62Aの先端側の先端部62gが配列方向Dに沿うように、分岐部62Aが例えば90度の角度で折り返されることによって、折り返し部62fが形成されている。
【0033】
先端部62gの実装面6aは、搭載領域62h(図4参照)を含む。搭載領域62hには、蓄電セル11の温度を検知するためのサーミスタ64が搭載される。搭載領域62hの詳細は後述する。
【0034】
分岐部62Bは、蓄電セル11の電圧を監視するための部分である。分岐部62Bは、バスバー12に接続される。分岐部62Bは、分岐部62Aと同様に、屈曲部62d及び折り返し部62eを有する。これにより、分岐部62Bは、本体部61からバスバー12に向かって外側に延在し得る。なお、分岐部62A,62Bは、フレキシブルプリント基板6とは別体であってもよい。この場合、分岐部62A,62Bは、屈曲部62d及び折り返し部62eを有していなくてもよい。図1の例では、複数の分岐部62Bの一部が、フレキシブルプリント基板6と別体である。
【0035】
カバー7は、排煙ダクト5の上板53上に、配列体2を覆うように設けられる。なお、図1においてカバー7の図示は省略されている。カバー7は、例えば平面視矩形状を有する。カバー7は、上板71(壁部)と、上板71の周縁に形成された側板73と、を有し得る。上板71は、搭載領域62hの上に位置し、搭載領域62hを覆っている。
【0036】
押圧部8は、フレキシブルプリント基板6を蓄電セル11に向けて押圧する部分である。なお、図1において押圧部8の図示は省略されている。押圧部8は、本体部61を押圧する押圧部材81と、分岐部62Aを押圧する押圧部材82と、を備える。押圧部材81,82は、例えばゴム材料、及びスポンジ等の弾性部材によって形成されている。押圧部材81,82は、漏電等を防止するために、電気絶縁性を有している。押圧部材81は、上板71の内面に設けられ、上板71から本体部61の実装面6aまで延びている。押圧部材82は、上板71の内面に設けられ、上板71から分岐部62Aの先端部62gの実装面6aまで延びている。押圧部材82の構成及び押圧部材82による押圧方法の詳細については後述する。
【0037】
監視装置100は、蓄電モジュール1を監視する装置である。監視装置100は、プリント配線板とプリント配線板に実装された部品(例えば半導体チップ)とによって構成され得る。監視装置100は、配列方向Dにおいて一端に位置するエンドプレート41の外側に位置する。監視装置100は、コネクタ101と、監視回路103と、電源回路104と、を備える。コネクタ101には、フレキシブルプリント基板6が接続される。これにより、蓄電セル11の電圧及び温度に関する信号が、フレキシブルプリント基板6を介して監視装置100に送られる。監視回路103は、蓄電セル11の電圧及び温度を監視する回路である。監視回路103は、複数の配線101aによりコネクタ101と接続される。電源回路104は、監視回路103に電力を供給する回路である。
【0038】
図4及び図5をさらに参照して、押圧部材82の構成及び押圧部材82による押圧方法を詳細に説明する。図4は、搭載領域の周辺を拡大して示す斜視図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。
【0039】
図4及び図5に示されるように、サーミスタ64は、フレキシブルプリント基板6の分岐部62Aの先端部62gに設けられた搭載領域62hに搭載されている。サーミスタ64は、サーミスタ素子64aと、接合部64bと、保護材64cと、を備えている。サーミスタ素子64aは、チップ部品であり、端子64d,64eを有する。接合部64bは、例えばはんだ材であり、サーミスタ素子64aをフレキシブルプリント基板6に電気的に接続する。具体的には、搭載領域62hでは、絶縁フィルム6dに形成された開口から配線層6cの配線が露出しており、配線が接合部64bによりサーミスタ素子64aの端子64d,64eと電気的に接続される。換言すれば、本実施形態における搭載領域62hは、先端部62gにおいてサーミスタ64を配線層6cに搭載するために設けられた絶縁フィルム6dの開口領域であり、サーミスタ素子64aと、接合部64bと、保護材64cとを内包している。サーミスタ64に電気的に接続されるフレキシブルプリント基板6の配線は、蓄電セル11の温度に関する信号を監視装置100に伝達する。保護材64cは、例えば樹脂であり、電気絶縁性を高めるためにサーミスタ素子64a及び接合部64bを覆っている。
【0040】
先端部62gにおいて、非実装面6bは蓄電セル11の上面11dと向かい合っている。蓄電セル11の上面11dと先端部62g(搭載領域62h)との間には、伝熱板65が配置されている。伝熱板65は、例えば例えば、銅、及びアルミニウム等の金属で形成される。伝熱板65は、矩形板状であってもよい。伝熱板65は、上面11dに接着テープ66によって固定されている。先端部62gは、伝熱板65に接着材等によって固定されている。これにより、蓄電セル11で発生した熱が接着テープ66、伝熱板65、及びフレキシブルプリント基板6を介してサーミスタ64に伝わる。
【0041】
蓄電セル11で発生した熱がサーミスタ64により確実に伝わるようにするために、断熱シート67と、押圧部材82と、が用いられる。断熱シート67は、先端部62gの実装面6aに設けられ、サーミスタ64を覆う。押圧部材82は、断熱性を有し、実装面6aのうちの搭載領域62hの周辺部62iを蓄電セル11に向けて押圧する。周辺部62iは、実装面6aのうちの搭載領域62hを囲む部分である。周辺部62iは、絶縁フィルム6d上に位置する。換言すれば、周辺部62iはサーミスタ64を搭載するために絶縁フィルム6dに形成された開口の外縁部である。
【0042】
押圧部材82は、筒状の形状を有する。本実施形態では、押圧部材82は、円筒形状を有する。押圧部材82の一端82a(図2参照)は、カバー7の上板71の内面に接触している。押圧部材82の他端82bは、断熱シート67を介して周辺部62iに設けられる。つまり、押圧部材82の他端82bは、絶縁フィルム6d上に設けられ、搭載領域62h(サーミスタ64)を囲んでいる。他端82bにおける内周面は、搭載領域62h(サーミスタ64)から離れている。
【0043】
押圧部材82は、カバー7の上板71と周辺部62iとの間に、押し縮められた状態で挟持されている。押圧部材82は弾性部材によって構成されているので、押圧部材82の弾性力によって搭載領域62hの周辺部62iが断熱シート67を介して蓄電セル11の上面11dに向けて押圧される。これにより、先端部62g(搭載領域62h)が、伝熱板65を介して蓄電セル11の上面11dに確実に固定される。
【0044】
以上説明したように、蓄電モジュール1では、カバー7の上板71からフレキシブルプリント基板6の分岐部62Aの先端部62gにおける実装面6aまで延びる押圧部材82によって、実装面6aのうちのサーミスタ64が搭載される搭載領域62hの周辺部62iが蓄電セル11の上面11dに向けて押圧される。このため、搭載領域62hが蓄電セル11(上面11d)に固定されるとともに、サーミスタ64をフレキシブルプリント基板6に接合する接合部64bに、応力が加わることが抑制される。その結果、蓄電セル11の温度の検知精度を向上させることが可能となる。
【0045】
例えば、蓄電モジュール1に振動が加わることで、フレキシブルプリント基板6上を押圧部材81,82が摺動することがある。このような場合、フレキシブルプリント基板6の配線層6cに押圧部材81,82が接触するように押圧部材81,82が設けられていたとすると、配線層6cが破損するおそれがある。これに対し、押圧部材81,82は、絶縁フィルム6d上に設けられている。このため、絶縁フィルム6dによって配線層6cが保護されるので、配線層6cが破損する可能性を低減することができる。また、配線層6cと押圧部材81,82との間に絶縁フィルム6dが介在することによって、電気絶縁性を高めることができる。また、絶縁フィルム6dが介在することによって、搭載領域62hの熱が外部に放出されることを抑制できるので、蓄電セル11の温度の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【0046】
押圧部材82は、断熱シート67を介して周辺部62iを押圧している。このため、搭載領域62hの熱が外部に放出されることを抑制できるので、蓄電セル11の温度の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【0047】
断熱シート67は、サーミスタ64を覆っている。このため、サーミスタ64に加わる衝撃及び振動を軽減することができる。
【0048】
蓄電セル11から放出されるガスの温度は通常高い。このため、排煙ダクト5の内部空間に搭載領域62hが位置していたとすると、押圧部材82、及び断熱シート67等には、高い耐熱性が求められる。この場合、各部品のコストが高くなるおそれがある。これに対し、搭載領域62hは、排煙ダクト5の外部に位置しているので、押圧部材82、及び断熱シート67等に求められる耐熱性を低減することができる。これにより、各部品のコストを低減することが可能となる。
【0049】
押圧部材82は、電気絶縁性を有している。このため、蓄電セル11の温度を検知するための電流等が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0050】
押圧部材82は、断熱性を有している。このため、搭載領域62hの熱が外部に放出されることを抑制できるので、蓄電セル11の温度の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【0051】
蓄電モジュール1は、蓄電セル11の上面11dと搭載領域62hとの間に伝熱板65を有しているので、搭載領域62hの形状が安定する。これにより、サーミスタ64の破損が抑制され得る。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0053】
例えば、押圧部材82の形状は、筒状に限られない。押圧部材82の形状は、搭載領域62hを囲むように、周辺部62iを押さえることが可能な形状であれば、周方向の一部が欠落していてもよい。
【0054】
フレキシブルプリント基板6は、排煙ダクト5の上板53上に配置されていなくてもよい。また、蓄電モジュール1は、排煙ダクト5を備えていなくてもよい。フレキシブルプリント基板6は、分岐部62Aを備えていなくてもよい。例えば、本体部61に搭載領域62hが形成されていてもよい。
【0055】
伝熱板65は、設けられていなくてもよい。この場合、接着テープ66も省略され得る。断熱シート67は、サーミスタ64を覆っていなくてもよい。断熱シート67は、少なくとも押圧部材82の他端82bと周辺部62iとの間に設けられていればよい。また、断熱シート67は、設けられていなくてもよい。
【0056】
上記実施形態では、押圧部材82の一端82aは、上板71の内面に設けられているが、上板71に限られず、サーミスタ64を覆う壁部であればよい。
【0057】
上記実施形態では、周辺部62iは絶縁フィルム6d上に位置したが、絶縁フィルム6d上に限られず、例えば、搭載領域62h周囲の配線層6c上に位置してもよい。この場合、押圧部材82の他端82bは、配線層6c上に設けられる。
【0058】
上記実施形態では、搭載領域62hは排煙ダクト5の外部に位置するが、搭載領域62hの位置は排煙ダクト5の外部に限られない。図6に示されるように、搭載領域62hは排煙ダクト5の内部空間に配置されてもよい。この例では、排煙ダクト5には、スリット56が形成されている。スリット56は、上板53から側板51にかけて連続して形成されている。上板53において、スリット56が形成されている幅は、分岐部62Aの幅よりも大きい。側板51に形成されたスリット56は、側板51の上端から下端まで連続している。
【0059】
分岐部62Aは、折曲部62j及び折曲部62kを有する。折曲部62jでは、分岐部62Aが下側に折り曲げられている。これにより、分岐部62Aの先端側が、上板53に形成されたスリット56から排煙ダクト5の内部空間内に挿通されている。折曲部62kでは、分岐部62Aが前方に折り曲げられている。これにより、分岐部62Aの先端部62gにおける実装面6aが上方に向けられている。先端部62gは、伝熱板65及び接着テープ66を介して蓄電セル11の上面11d上に配置されている。
【0060】
本変形例では、上板53(壁部)が搭載領域62hの上に位置し、搭載領域62hを覆っている。押圧部材82は、上板53の内面に設けられ、上板53から分岐部62Aの先端部62gの実装面6aまで延びている。つまり、押圧部材82の一端82aは、排煙ダクト5の上板53の内面に接触している。搭載領域62hに実装されたサーミスタ64は、押圧部材82内に配置されている。押圧部材82は、排煙ダクト5の上板53と周辺部62iとの間に、押し縮められた状態で挟持されている。これにより、押圧部材82の弾性力によって搭載領域62hの周辺部62iが蓄電セル11の上面11dに向けて押圧される。よって、先端部62g(搭載領域62h)が、伝熱板65及び接着テープ66を介して蓄電セル11の上面11dに確実に固定される。
【0061】
押圧部材82が排煙ダクト5の内部空間に配置されるので、配列方向Dと交差する幅方向のスペースが小さい場合であっても、押圧部材82を配置することができる。なお、スリット56は、フレキシブルプリント基板6が配置された後に、例えば樹脂等によって塞がれてもよい。また、押圧部材82は、上板53の内面に設けられているが、上板71の内面に設けられてもよい。この場合、押圧部材82が挿通可能な開口が上板53に設けられる。
【符号の説明】
【0062】
1…蓄電モジュール、5…排煙ダクト、6…フレキシブルプリント基板、6a…実装面、6b…非実装面、6c…配線層、6d…絶縁フィルム、7…カバー、11…蓄電セル、11d…上面、53…上板(壁部)、62h…搭載領域、62i…周辺部、64…サーミスタ、64b…接合部、67…断熱シート、71…上板(壁部)、82…押圧部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6