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特開2022-2943航空機燃料氷捕獲フィルタハウジング、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイス、及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2022-2943(P2022-2943A)
(43)【公開日】2022年1月11日
(54)【発明の名称】航空機燃料氷捕獲フィルタハウジング、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイス、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 37/32 20060101AFI20211217BHJP
   F02M 37/34 20190101ALI20211217BHJP
   F02M 37/24 20190101ALI20211217BHJP
【FI】
   B64D37/32
   F02M37/34
   F02M37/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-80386(P2021-80386)
(22)【出願日】2021年5月11日
(31)【優先権主張番号】16/906,595
(32)【優先日】2020年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ニコラス ダブリュー.
(57)【要約】
【課題】新規な航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジング、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイス及び使用方法を提供すること。
【解決手段】本発明の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングは、燃料入口と、燃料出口と、燃料入口から燃料の流れを受け入れ円筒形エレメントを備える主ハウジング本体とを備える。円筒形エレメントは内面に複数の離隔氷フィルタを有し、各離隔氷フィルタが前端、後端、上壁、第1及び第2の側面を有し、開口が上壁を貫通し、各離隔氷フィルタの前端の上壁は、内面からある距離持ち上げられて、燃料流に対して直角に配置された開口部を形成し、燃料入口は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントの周りに接線方向に動く燃料流が得られるように構成され、円筒形エレメントは、多孔質エレメントを備える航空機燃料フィルタを受け入れるよう構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)航空機燃料入口と、
(b)航空機燃料出口と、
(c)前記航空機燃料入口から航空機燃料の流れを受け入れる主ハウジング本体であり、中心空洞、内面、外面、及び垂直軸線を有する円筒形エレメントを備える主ハウジング本体と
を具備する航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングであって、
前記円筒形エレメントが前記内面に複数の離隔氷フィルタを有し、前記複数の離隔氷フィルタのそれぞれが前端、後端、上壁、第1の側面、及び第2の側面、並びに前記上壁を貫通する複数の開口を有し、前記複数の離隔氷フィルタのそれぞれの前記前端における前記上壁が、前記内面からある距離だけ持ち上げられて、航空機燃料流に対して直角に配置された開口部を形成し、
前記航空機燃料入口が、前記円筒形エレメントの前記垂直軸線に対して略垂直に配置され、前記円筒形エレメントのまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、
前記円筒形エレメントが、多孔質エレメントを備える航空機燃料フィルタを受け入れるように構成される、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジング。
【請求項2】
請求項1に記載の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングと、
前記航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジング内に配置された多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタと
を具備する、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイス。
【請求項3】
航空機燃料を濾過する方法であって、請求項2に記載の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスに航空機燃料を通すステップを含む、方法。
【請求項4】
前記航空機燃料が氷を含み、
当該方法が、複数の離隔氷捕獲フィルタにおいて氷を捕獲するステップと、航空機燃料の一部分が前記離隔氷捕獲フィルタを通過できるようにするステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溶けた氷を前記航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスの前記出口に通すステップをさらに含む、請求項4又は5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]例えば湿気が航空機燃料タンク内に蓄積し、その湿気が、航空機の高度飛行などでタンクが低温状態に曝されることにより凍結する場合、航空機燃料中に氷が発生することがある。場合によっては、燃料中の氷(例えば、氷晶)の量が航空機燃料オイル熱交換器及び/又は航空機燃料フィルタを通る燃料の流れに影響を及ぼして、航空機エンジンの動作を中断させたり悪影響を及ぼしたりするおそれがある。
【0002】
[0002]航空機燃料から氷を取り除く燃料フィルタデバイスの改善が必要とされている。
【0003】
[0003]本発明は、従来技術の不利点の少なくとも一部の改善を実現する。本発明の上記及びその他の利点は、下記の説明から明らかになろう。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態は、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを提示し、この航空機燃料氷フィルタデバイスハウジングは、(a)航空機燃料入口と、(b)航空機燃料出口と、(c)航空機燃料入口から航空機燃料の流れを受け入れる主ハウジング本体であり、中心空洞、内面、外面、及び垂直軸線を有する円筒形エレメントを備える主ハウジング本体とを具備し、円筒形エレメントは内面に複数の離隔氷フィルタを有し、複数の離隔氷フィルタのそれぞれが前端、後端、上壁、第1の側面、及び第2の側面を有し、複数の開口が上壁を貫通し、複数の離隔氷フィルタのそれぞれの前端における上壁は、内面からある距離だけ持ち上げられて、航空機燃料流に対して直角に配置された開口部を形成し、航空機燃料入口は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントのまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、円筒形エレメントは、多孔質エレメントを備える航空機燃料フィルタを受け入れるように構成される。
【0005】
[0005]本発明の一実施形態による航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスは、一実施形態の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを備え、この航空機燃料入口及び航空機燃料出口は、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを通り抜ける燃料流路を画定し、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスは、燃料流路を横切ってハウジング内に配置された多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタをさらに具備する。
【0006】
[0006]本発明の別の実施形態によれば、航空機燃料を濾過する方法が提供され、この方法は、航空機燃料を一実施形態の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスに通すことを含み、航空機燃料の一部分が複数の離隔氷捕獲フィルタの開口を通過する。
【0007】
[0007]この方法の好ましい一実施形態では、航空機燃料が氷を含み、この方法は、複数の離隔氷捕獲フィルタの氷を捕獲することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】航空機燃料入口と、本発明の一実施形態による複数の離隔氷捕獲フィルタとを含む例示的な航空機燃料氷捕獲デバイスハウジング本体(トップカバーが取り除かれている)の上方からの斜視図であり、航空機燃料入口流のための円筒形エレメントの切り欠きも示す。
図1B】氷捕獲フィルタがない例示的な航空機燃料氷捕獲デバイスハウジング本体の上方からの斜視図である。
図1C】航空機燃料フィルタも含む、図1Aの例示的な航空機燃料氷捕獲デバイスハウジング本体の上方からの斜視図である。
図2A】本発明の一実施形態による個別氷フィルタの上面図である。
図2B】本発明の一実施形態による個別氷フィルタの正面図である。
図2C】本発明の一実施形態による個別氷フィルタの上方からの斜視図である。
図3A】ハウジング及び航空機燃料フィルタを備える、組み立てられた航空機燃料氷捕獲デバイスの斜視図であり、航空機燃料氷捕獲デバイスハウジングの上部カバー、航空機燃料入口、航空機燃料出口、及びフィルタの一部分を示す。
図3B】組み立てられた航空機燃料氷捕獲デバイスの斜視図である。
図3C】組み立てられた航空機燃料氷捕獲デバイスの上面図である。
図3D図3Cの線A−Aに沿った断面図である。
図3E図3Dの線C−Cに沿った断面図であり、中空円筒形航空機燃料フィルタがひだ付きフィルタであることも示す。
図3F】フィルタの部分的側面破断図であり、内部コア及び外部包みも示す。
図4A】別の航空機燃料氷捕獲デバイスの外側の図であり、航空機燃料入口及び航空機燃料出口も示す斜視図である。
図4B】別の航空機燃料氷捕獲デバイスの外側の図であり、航空機燃料入口及び航空機燃料出口も示す正面図である。
図4C】別の航空機燃料氷捕獲デバイスの外側の図であり、航空機燃料入口及び航空機燃料出口も示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0012]本発明の一実施形態は、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを提示し、この航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングは、(a)航空機燃料入口と、(b)航空機燃料出口と、(c)航空機燃料入口から航空機燃料の流れを受け入れる主ハウジング本体であり、中心空洞、内面、外面、垂直軸線、及び内面の複数の離隔氷捕獲フィルタを有する円筒形エレメントを備える主ハウジング本体とを具備し、複数の離隔氷捕獲フィルタのそれぞれが前端、後端、上壁、第1の側面、第2の側面、開放底部、及び上壁を貫通する複数の開口を有し、複数の離隔氷捕獲フィルタのそれぞれの前端における上壁は、前記円筒形エレメントの内面からある距離だけ持ち上げられて、航空機燃料流に対して直角に配置された開口部を形成し、航空機燃料入口は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントのまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、円筒形エレメントは、多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタを受け入れるように構成される。
【0010】
[0013]本発明の一実施形態による航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスは、一実施形態の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを備え、この航空機燃料入口及び航空機燃料出口は、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを通り抜ける燃料流路を画定し、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスは、燃料流路を横切ってハウジング内に配置された多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタをさらに具備する。
【0011】
[0014]本発明の一実施形態は、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングを備える航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスを提示し、この航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングは、(a)航空機燃料入口と、(b)航空機燃料出口と、(c)航空機燃料入口から航空機燃料の流れを受け入れる主ハウジング本体であり、中心空洞を有する円筒形エレメント、内面、外面、垂直軸線を備える主ハウジング本体であり、複数の離隔氷捕獲フィルタを有する円筒形エレメントを具備し、複数の離隔氷捕獲フィルタのそれぞれが前端、後端、上壁、第1の側面、第2の側面、底開口部、及び上壁を貫通する複数の開口を有し、複数の離隔氷捕獲フィルタのそれぞれの前端における上壁は、円筒形エレメントの内面からある距離だけ持ち上げられて、航空機燃料流に対して直角に配置された開口部を形成し、航空機燃料入口は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントのまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジングはさらに、ハウジング内に配置された多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタを具備する。
【0012】
[0015]本発明の別の実施形態によれば、航空機燃料を濾過する方法が提供され、この方法は、航空機燃料を一実施形態の航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスに通すことを含み、航空機燃料の一部分が複数の離隔氷捕獲フィルタの開口を通過する。
【0013】
[0016]この方法の好ましい一実施形態では、航空機燃料が氷を含み、この方法は、複数の離隔氷捕獲フィルタの氷を捕獲することを含む。
【0014】
[0017]この方法のいくつかの実施形態では、この方法はさらに、溶けた氷を航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスの出口に通すことを含む。
【0015】
[0018]フィルタは氷保持能力が得られるように設計されなくてもよいので、小型のフィルタ及びフィルタデバイスを利用することができ、そのため、フットプリントの低減及び重量の低減が実現することが有利である。
【0016】
[0019]本発明によるフィルタ及びフィルタデバイスは、全水が288ppmにおける水濃度試験「緊急システム動作」、及び85±5°Fにおける水飽和を超える2cc/ガロンである水濃度試験「バイパス機能動作付きフィルタ」が含まれる、現在の業界標準Aircraft Fuel System and Component Icing Test SAE ARP1401B(2012年6月6日)を含む複数の条件下で、氷を捕獲する。
【0017】
[0020]次に、本発明の構成要素のそれぞれについて以下でより詳細に説明する。同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0018】
[0021]図1Aは、航空機燃料入口1と、航空機燃料出口2(図3Aに示す)と、主ハウジング本体に配置された複数の離隔氷捕獲フィルタ100を備える主ハウジング本体10とを含む航空機燃料氷捕獲デバイスハウジング1000の一実施形態を示す(図1Bは、氷捕獲フィルタがない主ハウジング本体を示し、図1Cは、航空機燃料フィルタ200及び航空機燃料フィルタエレメント201を収容するハウジング1000を備える航空機燃料氷捕獲デバイス2000を示す)。主ハウジングは、航空機燃料入口からの航空機燃料の流れを受け入れるように構成され、主ハウジング本体(又はボウル)10は、中心空洞11,内面12、外面13及び垂直軸線A−Aを有する円筒形エレメントを備える。
【0019】
[0022]以下で図2B及び図2Cに関してより詳細に論じられるように、氷フィルタの底部の主ハウジング本体10の内面12の付随部分は、氷捕獲ポケット102が形成されるように氷捕獲フィルタ100の底部になる。
【0020】
[0023]航空機燃料入口1(内面12を貫通する穴を形成する切り欠きを含む)は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントの内面のまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、この円筒形エレメントは、多孔質航空機燃料フィルタエレメント201を備える航空機燃料フィルタ200を受け入れて航空機燃料氷捕獲デバイス2000を形成するように構成される(図1C、3D及び図3E参照)。
【0021】
[0024]いくつかの実施形態では、航空機燃料入口1は、接線方向にある燃料入口内径が約2インチの場合に、円筒形エレメントの内面のまわりに接線方向に動く少なくとも約0.55m/sの航空機燃料流が得られるように構成される。当業者には理解されるように、小型の航空機エンジンは一般に燃料流量が少なく、システムのサイズ及び重量を最小限にするために入口直径が減少することになる。入口の接線方向に動く流れが高速度燃料回転を与えて、航空機燃料を円筒形エレメントの内面12に強制的に向けることが有利である。氷及び水は航空機燃料よりも密度が高いので、入口で接線方向に動く流れが航空機燃料からの氷/水の遠心分離を可能にする。
【0022】
[0025]図2A〜2Cに示されるように、複数の離隔氷捕獲フィルタ100のそれぞれが主ハウジング本体の内面に配置されており、各氷フィルタは、前端105、後端106、上壁107、第1の側面108A、第2の側面108B、及び内面12で形成された底部101、並びに少なくとも上壁を貫通する複数の開口110を有し(これらの図では、開口は後端も貫通し、いくつかの実施形態(図示せず)では第1及び第2の側面も貫通している)、特に図2B及び図2Cに示されるように、複数の離隔氷捕獲フィルタのそれぞれの前端における上壁の面は、主ハウジング本体10の内面12からある距離だけ持ち上げられて、入ってくる航空機燃料流に対して直角に配置された開口部102Aを形成する。
【0023】
[0026]通常、個別氷捕獲フィルタは、約0.23インチ(約5.8mm)の最小長さ(前端105から後端106まで)、約0.23インチ(約5.8mm)の最小高さ(面12から上壁107の前端105まで)、及び約0.26インチ(約6.6mm)の最小幅(第1の側面108Aから第2の側面108Bまで)を有する。通常、開口部102Aは少なくとも約0.20インチ(約5mm)である。
【0024】
[0027]個別氷捕獲フィルタ同士は離隔される。その結果、流れはハウジングに入り、氷捕獲がある領域と氷捕獲がない領域に分割される。氷捕獲デバイスがない領域では、流れが円筒形エレメントの内側で接線方向に動いて回転するので、速度の変化が低減される。ハウジングの上部で氷捕獲フィルタ同士の間隔を離して配置すると、燃料流を遮ることがある氷捕獲フィルタ間の氷橋絡も回避される。
【0025】
[0028]個別氷捕獲フィルタは、航空機燃料フィルタが円筒形エレメントIDと同心であると仮定すれば、航空機燃料フィルタ外径(OD)と円筒形エレメント内径(ID)の間の所定の隙間G(図3E参照)に基づく最大高さを有することが好ましい。例示として、円筒形エレメントIDが4インチ(約102mm)であり、航空機燃料フィルタODが3.5インチ(約89mm)であるならば、最大氷フィルタ高さは、干渉を防止するために約0.25インチ(約6mm)でなければならない。
【0026】
[0029]各氷フィルタに開口110が存在すると、航空機燃料入口1のよどみ圧が最小になる。図2Aでは、開口が環状の形で、平行な水平列に配置されているように示されているが、開口は別の形を有すること、及び別の形態で配置することもできる。例えば、開口は楕円の形とすることができ、その楕円が垂直若しくは水平に、又はある角度に配置されている。個々の開口は、前端から後端まで、又は第1の側面から第2の側面まで延びることができる。フィルタは、複数の形の複数の組み合わせによる開口を有することができる。通常、個々の開口は、直径が約0.06インチ(約1.5mm)から約0.12インチ(約3mm)の範囲にある。個々の開口の深さは通常、壁の厚さに等しく、例えば、約0.04インチ(約1mm)から約0.25インチ(約6mm)の範囲にある。
【0027】
[0030]航空機燃料フィルタ200及び航空機燃料フィルタエレメント201は、任意の適切な孔構造を有することができ、例えば、孔寸法(例えば、泡立ち点によって、若しくは例えば米国特許第4,340,479号に記載のKによって明示される、又は毛管凝縮フローポロメトリによって明示される)、孔レーティング、孔直径(例えば米国特許第4,925,572号に記載の修正OSU F2試験を用いて、例えば特性が示される場合)、又は、流体がエレメントを通過するときに1つ又は複数の対象の材料が通過するのを低減又は可能にする除去レーティングを有することができる。
【0028】
[0031]航空機燃料フィルタは、追加のエレメント、層、又は構成要素を含むことができ、これらは、異なる構造及び/又は機能を有すること、例えば次のもの、すなわち事前濾過、支持、排水、間隔確保、及び緩衝のうち少なくとも1つ又は1つ以上を有することができる。例示として、航空機燃料フィルタは、コア、メッシュ及び/又はスクリーンなどの少なくとも1つの追加のエレメントを含むこともできる。図3Fに示された実施形態では、フィルタは内部コア及び外部包みを有する。
【0029】
[0032]本発明の諸実施形態によれば、航空機燃料フィルタは、少なくとも1つの多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える。この航空機燃料フィルタエレメントは通常、繊維性メディアを備える。航空機燃料フィルタ及び/又は航空機燃料フィルタエレメントには、ひだ付き及び中空円筒形を含む様々な形態があり得る。1つの好ましい実施形態では、図3D〜3Fに示されるように、航空機燃料フィルタは中空円筒形のひだ付き形態を有する。
【0030】
[0033]入口及び出口、並びに挿入物及び航空機燃料フィルタ用の空洞を形成する、適切な形状の任意のハウジングが使用され得る。図3A、3B、及び図4A〜4Cは、様々な例示的ハウジングを示す。
【0031】
[0034]ハウジングのそれぞれは、図1A及び図3Aに示された実施形態に関して説明したように、航空機燃料入口と、航空機燃料出口と、複数の離隔氷捕獲フィルタを備える円筒形エレメントを備える主ハウジング本体とを有し(例えば、図1Aに関して上述したように)、航空機燃料入口は、円筒形エレメントの垂直軸線に対して略垂直に配置され、円筒形エレメントの内面のまわりに接線の方向に動く航空機燃料流が得られるように構成され、多孔質航空機燃料フィルタエレメントを備える航空機燃料フィルタが、ハウジングの中心空洞内に配置され得る。
【0032】
[0035]図3A〜3Fを参照のために用いると、航空機燃料フィルタ200は、航空機燃料氷捕獲デバイスハウジング1000において空洞11の中に配置され、ハウジング1000は、入口1及び出口2を備え、入口と出口の間の航空機燃料流量を画定し、航空機燃料フィルタ200は、航空機燃料流路を横切って、航空機燃料氷フィルタデバイス2000を形成する。
【0033】
[0036]ハウジングは、濾過される航空機燃料との適合性がある任意の適切な剛性の不浸透性材料から製作することができる。例えばハウジングは、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス鋼などの金属から、又は金属を含む複合材料から製作することができる。必要に応じて、ハウジングは例えば、鋳造、付加製造、押し出し、及び光重合によって製造することができる。
【0034】
[0037]例えば、ハウジングはモノリシックとし、付加製造(場合により「付加層製造」又は「3D印刷」と呼ばれる)によって製造し、通常は、活性化可能結合剤と結合された金属粉末の繰り返し堆積(例えば、結合剤噴射、場合により「ドロップオンパウダ」と呼ばれる)によって形成することができ、通常は、例えば焼結によって粉末を塊にすることが後に続く。他の適切な方法には、押し出し(例えば、ペースト押し出し、溶融フィラメント製作及び溶融堆積モデリング)、並びに光重合(例えば、光造形装置(SLA)及びデジタル光処理(DLP))が含まれる。
【0035】
[0038]任意の適切な付加製造機器を使用することができ、様々な生産3Dプリンタが適しており、市販されている。
【0036】
[0039]出版物、特許申請書、及び特許を含む、本明細書で引用されたすべての参照文献は、あたかも各参照文献が参照によって組み込まれるように個々に明確に示されたかのように、その全体が本明細書に示されたのと同じ程度に参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
[0040]本発明を説明する文脈における(特に添付の特許請求の範囲の文脈における)、用語の「1つの(a)」及び「1つの(an)」、並びに「その」及び「少なくとも1つの」及び同様の指示対象の使用は、本明細書で特に指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形も複数形も包含するものと解釈される。1つ又は複数の項目のリストが後に続く用語の「少なくとも1つの」(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書で特に指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、列記された項目(A又はB)から選択された1つの項目、又は列記された項目(A又はB)のうちの2つ以上の任意の組み合わせを意味するものと解釈される。用語の「備える」、「有する」、「含む」、及び「包含する」は、特にことわらない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の記述は、特にことわらない限り、その範囲に入るそれぞれの別個の値を個々に参照する簡略な方法として機能するものにすぎず、それぞれの別個の値は、あたかもそれが本明細書で個々に記述されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で特に指示がない限り、又はそれとは別に文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提示される、いずれか及びすべての例、又は例示的な言語(例えば、「などの」)の使用は、本発明をより明確にするものにすぎず、特にことわらない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書の言語は、どの非特許請求要素も本発明の実践に不可欠とは示していないと解釈されるべきである。
【0038】
[0041]本発明の好ましい実施形態が本明細書に、本発明を実践するための本発明者に知られているベストモードを含めて記載されている。これらの好ましい実施形態の変形形態が、当業者には上記の説明を読めば明らかになろう。本発明者らは、当業者がこのような変形形態を適宜に用いることを予測し、また本発明者らは、本明細書に明確に記載されたものとは別の方法で本発明が実践されることを意図している。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲に記述された主題のすべての修正形態及び等価物を、適用法令によって許されるものとして含む。さらに、本明細書に別に示されていない限り、又はそれとは別に文脈によって明らかに矛盾しない限り、上述の要素の任意の組み合わせが、そのすべての可能な変形形態として本発明に包含される。
【符号の説明】
【0039】
1 航空機燃料入口
2 航空機燃料出口
10 主ハウジング本体(又はボウル)
11 中心空洞
12 内面
13 外面
100 離隔氷捕獲フィルタ
101 底部
102 氷捕獲ポケット
102A 開口部
105 前端
106 後端
107 上壁
108A 第1の側面
108B 第2の側面
110 開口
200 航空機燃料フィルタ
201 多孔質航空機燃料フィルタエレメント
1000 航空機燃料氷捕獲フィルタデバイスハウジング
2000 航空機燃料氷捕獲デバイス
G 隙間
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
【外国語明細書】
2022002943000001.pdf