特開2022-3441(P2022-3441A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2022-3441多言語非同期翻訳システム、多言語非同期翻訳方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2022-3441(P2022-3441A)
(43)【公開日】2022年1月11日
(54)【発明の名称】多言語非同期翻訳システム、多言語非同期翻訳方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/58 20200101AFI20211217BHJP
【FI】
   G06F40/58
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-107579(P2020-107579)
(22)【出願日】2020年6月23日
(71)【出願人】
【識別番号】501435901
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】外山 篤史
(72)【発明者】
【氏名】廣橋 美紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 一也
(72)【発明者】
【氏名】安部 充
(72)【発明者】
【氏名】鎌村 星平
(72)【発明者】
【氏名】藤井 憲作
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091AA03
5B091CB12
5B091CB32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】互いに異なる言語を用いインターネットを介して情報を送受信する送信者及び受信者の情報のやり取りに関わる負担を軽減することが可能な多言語非同期翻訳システム、多言語非同期翻訳方法及びプログラム技術を提供する。
【解決手段】多言語非同期翻訳システム100において、受信側に伝える言葉を示す言葉情報と、前記言葉を表す言語を示す送信側使用言語情報と、を送信する送信部と、前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信側に伝える言葉を示す言葉情報と、前記言葉を表す言語を示す送信側使用言語情報と、を送信する送信部と、
前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳部と、
を備える多言語非同期翻訳システム。
【請求項2】
前記言葉を表す音声が入力される音声入力部と、
前記音声入力部に入力された音声に基づき、前記音声の言葉を示すテキストデータを生成する文書生成部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の多言語非同期翻訳システム。
【請求項3】
前記翻訳部の翻訳結果の言葉を示す音声信号を生成する音声生成部、
をさらに備える請求項1又は2のいずれか一項に記載の多言語非同期翻訳システム。
【請求項4】
受信側に伝える言葉を示す言葉情報と、前記言葉を表す言語を示す送信側使用言語情報と、を送信する送信ステップと、
前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳ステップと、
を有する多言語非同期翻訳方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の多言語非同期翻訳システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多言語非同期翻訳システム、多言語非同期翻訳方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
感染症の広がりにより、WEB会議やWEBチャット等のインターネット等のネットワークを介した情報の送受信の重要度が増している。このようなインターネット等のネットワークを介した情報の送受信においては情報の送信者と受信者との言語が必ずしも同一ではなく送信者又は受信者が相手の言語を翻訳しなければならない場面がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−125006号公報
【特許文献2】実用新案登録第3169988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、情報の送信者や受信者が言語に堪能ではないという場面は多い。このような場合、送信者又は受信者による翻訳の作業は送信者又は受信者にとって大きな負担である場合があった。また、例え情報の送信者や受信者が言語に堪能な者であっても、送信者又は受信者が翻訳することなく各人が母国語の言語で情報を送受信できる方が各人にとって負担が少なく好ましい場面が多い。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、互いに異なる言語を用いネットワークを介して情報を送受信する送信者及び受信者の情報のやり取りに関わる負担を軽減する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、受信側に伝える言葉を示す言葉情報と、前記言葉を表す言語を示す送信側使用言語情報と、を送信する送信部と、前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳部と、を備える多言語非同期翻訳システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、互いに異なる言語を用いネットワークを介して情報を送受信する送信者及び受信者の情報のやり取りに関わる負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の多言語非同期翻訳システム100の概要を説明する説明図。
図2】実施形態における通信端末1のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】実施形態における制御部10の機能構成の一例を示す図。
図4】実施形態の多言語非同期翻訳システム100における通信の流れの一例を示す第1のフローチャート。
図5】実施形態の多言語非同期翻訳システム100における通信の流れの一例を示す第2のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態の多言語非同期翻訳システム100の概要を説明する説明図である。多言語非同期翻訳システム100は、複数の通信端末1を備え、各通信端末1のユーザ同士の異なる言語による通信(以下「多言語通信」という。)を可能にする。通信端末1は、ユーザが入力した言葉を示す情報(以下「言葉情報」という。)を他の通信端末1に送信し、他の通信端末1が送信した言葉情報を受信する通信端末である。言葉情報は他の通信端末1に送信される言葉を示す情報であるので、言葉情報は、通信相手に伝える言葉を示す情報である。言葉情報は、例えばテキストデータである。言葉情報は音声信号であってもよい。ユーザによる通信端末1への言葉の入力は、キーボードへの打ち込みであってもよいし、音声入力であってもよい。
【0010】
以下説明の簡単のため、言葉の入力が音声によって行われる場合を例に多言語非同期翻訳システム100を説明する。以下説明の簡単のため、言葉情報がテキストデータである場合を例に多言語非同期翻訳システム100を説明する。
【0011】
多言語非同期翻訳システム100は、例えば複数の通信端末1として通信端末1−1及び通信端末1−2を備える。そして多言語非同期翻訳システム100は、通信端末1−1のユーザ(以下「第1ユーザ901」という。)と通信端末1−2のユーザ(以下「第2ユーザ902」という。)との間の言葉情報のやり取りを可能にする。以下説明の簡単のため、多言語非同期翻訳システム100が通信端末1−1及び通信端末1−2の2つの通信端末1を備える場合を例に多言語非同期翻訳システム100を説明する。
【0012】
多言語非同期翻訳システム100は、第1ユーザ901が第1言語で通信端末1−1に入力した言葉を第2言語に翻訳して第2ユーザ902に伝える。多言語非同期翻訳システム100は、第2ユーザ902が第2言語で通信端末1−2に入力した言葉を第1言語に翻訳して第1ユーザ901に伝える。
【0013】
より具体的には多言語非同期翻訳システム100では、第1ユーザ901が第1言語で通信端末1−1に入力した言葉が言葉情報の形でネットワーク900を介して通信端末1−2に送信される。多言語非同期翻訳システム100において通信端末1−2は言葉情報を受信し受信した言葉情報が示す言葉を第2言語に翻訳して第2ユーザ902に伝える。また多言語非同期翻訳システム100では、第2ユーザ902が第2言語で通信端末1−2に入力した言葉が言葉情報の形でネットワーク900を介して通信端末1−1に送信される。多言語非同期翻訳システム100において通信端末1−1は言葉情報を受信し受信した言葉情報が示す言葉を第1言語に翻訳して第1ユーザ901に伝える。
【0014】
第1言語と第2言語とは互いに異なる言語であってもよいし同じ言語であってもよい。以下説明の簡単のため第1言語と第2言語とが異なる言語である場合を例に、多言語非同期翻訳システム100を説明する。
【0015】
多言語非同期翻訳システム100において第1ユーザ901は予め、第1言語を示す情報(以下「第1言語情報」という。)を通信端末1−1に記憶させておく。多言語非同期翻訳システム100において第2ユーザ902は予め、第2言語を示す情報(以下「第2言語情報」という。)を通信端末1−2に記憶させておく。このように通信端末1のユーザは、多言語通信において自身が用いる言語(以下「使用言語」という。)を示す情報(以下「使用言語情報」という。)予め自身が用いる通信端末1に記憶させる。
【0016】
ここで多言語非同期翻訳システム100において送受信される情報をより具体的に説明する。説明の簡単のため、まずは第1ユーザ901が第2ユーザ902に言葉情報を伝える場合を例に多言語非同期翻訳システム100において送受信される情報を説明する。
【0017】
通信端末1−1は第1ユーザ901によって入力された言葉の送信に際して、第1言語情報を言葉情報とともに送信する。通信端末1−2は通信端末1−1が送信した言葉情報及び第1言語情報を受信し、第1言語情報と第2言語情報とに基づき第1言語で表現された言葉情報が示す言葉を第2言語に翻訳して第2ユーザ902に伝える。
【0018】
次に第2ユーザ902が第1ユーザ901に言葉情報を伝える場合を例に多言語非同期翻訳システム100において送受信される情報を説明する。通信端末1−2は第2ユーザ902によって入力された言葉の送信に際して、第2言語情報を言葉情報とともに送信する。通信端末1−1は通信端末1−2が送信した言葉情報及び第2言語情報を受信し、第2言語情報と第1言語情報とに基づき第2言語で表現された言葉情報が示す言葉を第1言語に翻訳して第1ユーザ901に伝える。
【0019】
このように多言語非同期翻訳システム100においては、送信側のユーザの使用言語示す情報(以下「送信側使用言語情報」という。)が言葉情報とともに受信側のユーザの通信端末1に送信される。受信側のユーザの通信端末1は、送信側使用言語情報と自身(すなわち受信側のユーザ)が用いる使用言語を示す情報(以下「受信側使用言語情報」という。)とに基づき受信した言葉情報が示す言葉を翻訳し、受信側のユーザに伝える。
【0020】
図1は、通信端末1−1が表示する画面の一例を画面M1として示す。画面M1の例において、第1言語は日本語であり、第2言語はヒンディー語である。なお、第2言語は必ずしもヒンディー語に限らない。第2言語は、例えばアラビア語であってもよいし、カタルニア語であってもよいし、デンマーク語であってもよいし、ドイツ語であってもよいし、英語であってもよいし、スペイン語であってもよい。第2言語は、例えばフィンランド語であってもよいし、フランス語であってもよいし、ヒンディー語であってもよいし、イタリア語であってもよいし、韓国語であってもよいし、ノルウェー語であってもよいし、オランダ語であってもよい。第2言語は、例えばポーランド語であってもよいし、ポルトガル語であってもよいし、ロシア語であってもよいし、スウェーデン語であってもよいし、中国語(簡体字)であってもよいし、中国語(繁体字)であってもよいし、タイ語であってもよい。
【0021】
画面M1には、第1ユーザ901の質問と、第1ユーザ901の質問に対する第2ユーザ902の回答とが表示されている。第1ユーザ901の質問と第2ユーザ902の回答とはどちらも、言葉情報が示す言葉の一例である。画面M1では第1ユーザ901の質問は日本語で表現されている。画面M1では、第2ユーザ902の回答はヒンディー語と日本語とで表現されている。第2ユーザ902の回答のヒンディー語の文章は、第2ユーザ902が通信端末1−2に第2言語で入力した文章そのものである。第2ユーザ902の回答の日本語の文章は、第2ユーザ902が通信端末1−2に第2言語で入力した文章を日本語に翻訳された文章である。
【0022】
通信端末1は受信した言葉情報が示す言葉を、図1の画面M1が示すような表示によってユーザに伝えるだけでなく、音声合成を行い音声によって伝達してもよい。以下、通信端末1が表示だけでなく音声によっても受信した言葉情報が示す言葉をユーザに伝える場合を例に多言語非同期翻訳システム100を説明する。
【0023】
図2は、実施形態における通信端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。通信端末1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部10を備え、プログラムを実行する。通信端末1は、プログラムの実行によって制御部10、入力部11、通信部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。より具体的には、プロセッサ91が記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、通信端末1は、制御部10、入力部11、通信部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。
【0024】
制御部10は、通信端末1が備える各機能部の動作を制御する。制御部10は、例えば文書化処理を実行する。文書化処理は、ユーザが音声によって通信端末1に入力した言葉を示すテキストデータを生成する処理である。文書化処理は、例えば以下の参考文献1又は参考文献2に記載のサービスが実行する音声認識の技術によって音声信号をテキストデータに変換する。
【0025】
参考文献1:”Speech to Text”、[online]、Microsoft Azure、[令和2年6月4日検索]、インターネット〈URL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/speech-to-text/>
参考文献2:”SPEECH-TO-TEXT”、[online]、Google Cloud、[令和2年6月4日検索]、インターネット〈URL:https://cloud.google.com/speech-to-text?hl=ja>
【0026】
制御部10は、例えば翻訳処理を実行する。翻訳処理は、受信した言葉情報が示す言葉を言葉情報とともに受信した送信側使用言語情報と受信側使用言語情報とに基づき、受信側使用言語情報が示す言語に翻訳する処理である。翻訳処理は、例えば以下の参考文献3又は参考文献4に記載のサービスが実行する処理であって翻訳元の言語と翻訳先の言語とが既知である場合に翻訳元の言語から翻訳先の言語に言葉を翻訳する処理によって言葉を翻訳する。
【0027】
参考文献3:”Translator”、[online]、Microsoft Azure、[令和2年6月4日検索]、インターネット〈URL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cognitive-services/translator/>
参考文献4:”翻訳”、[online]、Google Cloud、[令和2年6月4日検索]、インターネット〈URL:https://cloud.google.com/translate/?hl=ja>
【0028】
入力部11は、音声入力部111及び非音声入力部112を備える。音声入力部111は、マイク等の音声の入力装置を含んで構成される。音声入力部111は、これらの音声の入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。音声入力部111は、自装置に対する音声による各種情報の入力を受け付ける。音声入力部111には、音声による言葉が入力される。
【0029】
非音声入力部112は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。非音声入力部112は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。非音声入力部112は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。言葉がキーボードへの打ち込みによって行われる場合には、言葉は例えば入力部11に入力される。
【0030】
通信部12は、自装置を他の通信端末1等の外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部12は、例えばネットワーク900を介して他の通信端末1と通信する。通信部12は、例えばネットワーク900を介して言葉情報及び送信側使用言語情報を送信先の他の通信端末1に送信する。通信部12は、例えばネットワーク900を介し、他の通信端末1が送信した言葉情報及び送信側使用言語情報を受信する。
【0031】
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部13は通信端末1に関する各種情報を記憶する。記憶部13は、例えば受信側使用言語情報を記憶する。
【0032】
出力部14は、各種情報を出力する。出力部14は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置と、スピーカー等の音声の出力装置とを含んで構成される。出力部14は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部14は、通信端末1のユーザが入力した言葉を出力する。出力部14は、例えば通信部12を介して受信した言語情報が示す言語の翻訳結果を出力する。出力部14による出力は、表示であってもよいし音声の出力であってもよい。出力部14による表示の一例は画面M1である。
【0033】
図3は、実施形態における制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、入力音声取得部110、文書生成部120、送信制御部130、受信制御部140、翻訳部150、音声生成部160及び出力制御部170を備える。
【0034】
入力音声取得部110は、音声入力部111に入力された音声の音声信号を取得する。文書生成部120は、入力音声取得部110が取得した音声信号に対して文書化処理を実行する。文書化処理の実行により、入力音声取得部110が取得した音声の言葉を示すテキストデータが生成される。
【0035】
送信制御部130は、通信部12の動作を制御し通信部12を介して、文書生成部120によって生成されたテキストデータを言葉情報として、通信先の他の通信端末1に送信する。また、送信制御部130は、テキストデータとともに、予め記憶部13に記憶済みの受信側使用言語情報も送信側使用言語情報として通信先の他の通信端末1に送信する。このように、送信制御部130は、通信部12の動作を制御し通信部12を介して通信先の他の通信端末1に、言葉情報及び送信側使用言語情報を送信する。
【0036】
受信制御部140は、通信部12の動作を制御し通信部12を介して通信先の他の通信端末1が送信した言葉情報及び送信側使用言語情報を取得する。
【0037】
翻訳部150は、受信制御部140が受信した言葉情報が示す言葉に対して翻訳処理を実行する。翻訳部150は、翻訳処理の実行により、受信した言葉情報が示す言葉を受信側使用言語情報が示す言語に翻訳する。
【0038】
音声生成部160は、翻訳部150が翻訳した言葉を示す音声の音声信号を生成する。音声信号は、例えば参考文献1又は参考文献2に記載のサービスが実行する音声合成の技術によって生成される。
【0039】
出力制御部170は出力部14の動作を制御し、出力部14に音声生成部160が生成した音声信号が示す音声を出力させる。
【0040】
図4は、実施形態の多言語非同期翻訳システム100における通信の流れの一例を示す第1のフローチャートである。より具体的には、通信端末1−1の第1ユーザ901から通信端末1−2の第2ユーザ902へ言葉を送信する際の通信の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
第1ユーザ901が通信端末1−1に音声を入力する(ステップS101)。すなわち、通信端末1−1の入力音声取得部110が、入力された音声の音声信号を取得する。次に、通信端末1−1の文書生成部120がステップS101で取得された音声信号に対して文書化処理を実行する(ステップS102)。文書化処理の実行により、ステップS101で取得された音声の言葉を示すテキストデータが生成される。ステップS102で生成されたテキストデータは、通信端末1−1の送信制御部130が送信する送信側使用言語情報である。ステップS102の次に、通信端末1−1の送信制御部130は、通信端末1−1の通信部12の動作を制御し通信端末1−2に、言葉情報及び送信側使用言語情報を送信する(ステップS103)。
【0042】
図5は、実施形態の多言語非同期翻訳システム100における通信の流れの一例を示す第2のフローチャートである。より具体的には、通信端末1−1から通信端末1−2へ送信された後、言葉情報が示す言葉が通信端末1−2によって第2ユーザ902に伝達されるまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0043】
通信端末1−2の受信制御部140が、通信端末1−1が送信した言葉情報及び送信側使用言語情報を取得する(ステップS201)。次に通信端末1−2の翻訳部150は、ステップS201で受信した言葉情報が示す言葉に対して翻訳処理を実行する(ステップS202)。ステップS202の処理により、ステップS201で受信された言葉情報が示す言葉が受、信側使用言語情報が示す言語に翻訳される。ステップS202の次に通信端末1−2の音声生成部160が、ステップS202の翻訳結果の言葉を示す音声の音声信号を生成する(ステップS203)。次に、通信端末1−2の出力制御部170が通信端末1−2の出力部14の動作を制御しステップS203で生成された音声信号が示す音声を出力させる(ステップS204)。
【0044】
このように構成された実施形態の多言語非同期翻訳システム100では、言葉情報を送信する側の通信端末1は言葉情報だけでなく送信側使用言語情報も通信相手の通信端末1に送信するため、受信側の通信端末1は翻訳を適切に行うことができる。このため多言語非同期翻訳システム100では、送信者は通信相手である受信者の言語を用いて通信する必要がなく、受信者も送信者の言語を用いて通信を行う必要が無い。そのため多言語非同期翻訳システム100は、互いに異なる言語を用いネットワークを介して情報を送受信する送信者及び受信者の情報のやり取りに関わる負担を軽減することができる。
【0045】
(変形例)
なおユーザによる通信端末1への言葉の入力が音声入力ではなく非音声入力部112を介した文字の入力の場合には、送信制御部130は、非音声入力部112に入力された文字を示すテキストデータを言葉情報として通信先の通信端末1に送信する。
【0046】
なお使用言語情報は必ずしも予め記憶部13に記憶済みである必要はない。使用言語情報は、言葉情報の送信側のユーザが言葉の入力時に入力部11に入力してもよい。また使用言語情報は、言葉情報の受信側のユーザが翻訳部150による翻訳処理の開始前に入力部11に入力してもよい。
【0047】
通信端末1は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、通信端末1が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、文書生成部120と、翻訳部150と、音声生成部160とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
【0048】
なお、通信端末1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0049】
なお、送信制御部130は送信部の一例である。受信制御部140は受信部の一例である。
【0050】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100…多言語非同期翻訳システム、 1、1−1、1−2…通信端末、 10…制御部、 11…入力部、 111…音声入力部、 112…非音声入力部、 12…通信部、 13…記憶部、 14…出力部、 110…入力音声取得部、 120…文書生成部、 130…送信制御部、 140…受信制御部、 150…翻訳部、 160…音声生成部、 170…出力制御部、 91…プロセッサ、 92…メモリ、 900…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021年10月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる言葉の入力を受け付ける入力部と、
前記ユーザによって予め設定された情報であって前記入力部に入力される言葉を表す言語を示す情報である送信側使用言語情報を予め記憶する記憶部と、
前記記憶部から読み出した前記送信側使用言語情報と、前記入力部に入力された言葉を示す言葉情報と、を送信する送信部と、
前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記言葉情報を受信する受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳部と、
を備える多言語非同期翻訳システム。
【請求項2】
前記入力部には、前記言葉を表す音声が入力され、
前記入力部に入力された音声に基づき、前記音声の言葉を示すテキストデータを生成する文書生成部と、
をさらに備える、
請求項1に記載の多言語非同期翻訳システム。
【請求項3】
前記翻訳部の翻訳結果の言葉を示す音声信号を生成する音声生成部、
をさらに備える請求項1又は2のいずれか一項に記載の多言語非同期翻訳システム。
【請求項4】
ユーザによる言葉の入力を受け付ける入力部と、前記ユーザによって予め設定された情報であって前記入力部に入力される言葉を表す言語を示す情報である送信側使用言語情報を予め記憶する記憶部と、を備える多言語非同期翻訳システムが実行する多言語非同期翻訳方法であって、
ユーザによる言葉の入力を受け付ける入力ステップと、
前記送信側使用言語情報を予め前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部から読み出した前記送信側使用言語情報と、前記入力ステップで入力された言葉を示す言葉情報と、を送信する送信ステップと、
前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記言葉情報及び前記送信側使用言語情報と、前記言葉情報を受信する受信側が用いる言語を示す受信側使用言語情報とに基づき、前記送信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉を前記受信側使用言語情報が示す言語で表された前記言葉に翻訳する翻訳ステップと、
を有する多言語非同期翻訳方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の多言語非同期翻訳システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。