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特開2022-3442クラウドサービス評価システム、クラウドサービス評価方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2022-3442(P2022-3442A)
(43)【公開日】2022年1月11日
(54)【発明の名称】クラウドサービス評価システム、クラウドサービス評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20211217BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-107582(P2020-107582)
(22)【出願日】2020年6月23日
(11)【特許番号】特許第6924878号(P6924878)
(45)【特許公報発行日】2021年8月25日
(71)【出願人】
【識別番号】501435901
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】安部 充
(72)【発明者】
【氏名】廣橋 美紀
(72)【発明者】
【氏名】田中 一也
(72)【発明者】
【氏名】外山 篤史
(72)【発明者】
【氏名】鎌村 星平
(72)【発明者】
【氏名】藤井 憲作
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クラウドコンピューティングを用いて提供されるサービスをユーザがより適切に選択することができるクラウドサービス評価システム、クラウドサービス評価方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサービス評価システム100は、エッジ端末1と、複数のクラウド装置2と、評価装置3とを備える。エッジ端末1は、ユーザ9に使用される演算装置であり、クラウド装置2は、ユーザ9に提供されるサービスのコンピュータプログラムを実行する演算装置である。評価装置3は、クラウド装置2が提供するサービスについて、ユーザ9にとって好適である度合いを評価する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドコンピューティングにおいてユーザに提供され得るサービスのコンピュータプログラムを実行するクラウド装置と前記ユーザに使用されるエッジ端末との間の通信に関する量と、前記コンピュータプログラムの実行結果に関する精度とを取得する情報取得部と、
前記通信に関する量と前記実行結果に関する精度とに基づき、前記ユーザに前記クラウド装置が提供するサービスが前記ユーザにとって好適である度合いを評価する評価部と
を備える、
クラウドサービス評価システム。
【請求項2】
前記評価部の評価結果に基づき前記ユーザに提示するサービスを決定する提示サービス決定部、
をさらに備える請求項1に記載のクラウドサービス評価システム。
【請求項3】
前記評価部は、前記量に基づき評価者条件を満たす評価者による前記量の評価結果を示す値である通信評価値を取得し、前記精度に基づき前記評価者による前記精度の評価結果を示す精度評価値を取得し、取得した前記通信評価値と前記精度評価値とに基づき前記度合を評価する、
請求項1又は2に記載のクラウドサービス評価システム。
【請求項4】
クラウドコンピューティングにおいてユーザに提供され得るサービスのコンピュータプログラムを実行するクラウド装置と前記ユーザに使用されるエッジ端末との間の通信に関する量と、前記コンピュータプログラムの実行結果に関する精度とを取得する情報取得ステップと、
前記通信に関する量と前記実行結果に関する精度とに基づき、前記ユーザに前記クラウド装置が提供するサービスが前記ユーザにとって好適である度合いを評価する評価ステップと
を有する、
クラウドサービス評価方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のクラウドサービス評価システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドサービス評価システム、クラウドサービス評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドコンピューティングでは、多種多用な機能やサービスを遠隔サーバがクライアントに提供する。クライアントは、遠隔サーバとのインタフェースさえあれば複雑な開発や構築を行うことなく、遠隔サーバから提供可能なサービスのうちからサービスを選択し、迅速に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−079071号公報
【特許文献2】特開2014−137654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クラウドコンピューティングでは、提供されるサービスの実行速度や信頼性等のサービスの質が遠隔サーバに依存している場合がある。このような場合、選択されたサービスと遠隔サーバのインタフェースの性能との組み合わせ次第では、選択されたサービスがクライアントのユーザにとって適切なサービスでは無い場合があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、クラウドコンピューティングを用いて提供されるサービスのうちから、ユーザにとってより適切なサービスを選択することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、クラウドコンピューティングにおいてユーザに提供され得るサービスのコンピュータプログラムを実行するクラウド装置と前記ユーザに使用されるエッジ端末との間の通信に関する量と、前記コンピュータプログラムの実行結果に関する精度とを取得する情報取得部と、前記通信に関する量と前記実行結果に関する精度とに基づき、前記ユーザに前記クラウド装置が提供するサービスが前記ユーザにとって好適である度合いを評価する評価部とを備える、クラウドサービス評価システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、クラウドコンピューティングを用いて提供されるサービスをユーザがより適切に選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のクラウドサービス評価システム100の概要を説明する説明図。
図2】実施形態における通信関連量及び通信評価値の一例を示す図。
図3】実施形態におけるアプリケーション精度及び精度評価値の一例を示す図。
図4】実施形態における評価装置3の機能構成の一例を示す図。
図5】実施形態における制御部30の機能構成の一例を示す図。
図6】実施形態における評価装置3が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態のクラウドサービス評価システム100の概要を説明する説明図である。クラウドサービス評価システム100は、エッジ端末1と、複数のクラウド装置2と、評価装置3とを備えるクラウドコンピューティングのシステムである。エッジ端末1はユーザ9に使用される演算装置である。ユーザ9はエッジ端末1を用いて各種サービスを享受する。なお、本実施形態におけるサービスとは、ユーザ9が所定のコンピュータプログラムを実行した場合に実行結果をユーザ9に通知することを意味する。
【0010】
クラウド装置2は、ユーザ9に提供され得るサービスのコンピュータプログラムを実行する演算装置である。以下、クラウド装置2が実行するコンピュータプログラムであってユーザ9に提供され得るサービスのコンピュータプログラムをアプリケーションという。
【0011】
アプリケーションは、例えば音声認識アプリ等の入力された音声信号に基づいて音声信号が表す内容をテキストデータに出力するコンピュータプログラムである。アプリケーションは、例えばマッチングアプリ等の入力された複数の情報のうち所定の条件を満たす最適な組み合わせを推定するコンピュータプログラムであってもよい。
【0012】
少なくとも1つのクラウド装置2は、他のクラウド装置2が提供するサービスとは異なるサービスをユーザ9に提供する。他のサービスと異なるサービスとは、アプリケーションが他のサービスにおけるアプリケーションと異なるサービスを意味する。
【0013】
評価装置3は、クラウド装置2が提供するサービスについてユーザ9にとって好適である度合い(以下「好適度合い」という。)を評価する。より具体的には、評価装置3は、通信情報及びアプリケーション品質情報に基づき、好適度合い評価方法によってクラウド装置2が提供するサービスの好適度合いを評価する。
【0014】
好適度合い評価方法は、通信情報及びアプリケーション品質情報に基づき好適度合いを評価する方法である。好適度合い評価方法は、例えばユーザ9がエッジ端末1を操作して評価装置3に指示する。好適度合い評価方法は、予め定められた方法であってもよい。通信情報は、エッジ端末1とクラウド装置2との間の通信に関する量(以下「通信関連量」という。)を示す。通信関連量は、例えば、平均応答時間等の通信の品質に関する量である。通信関連量は、例えばサーバの稼働率であってもよい。通信情報は1つの通信関連量だけを示す必要は無く、複数の通信関連量を示してもよい。アプリケーション品質情報は、アプリケーションの実行結果の精度(以下「アプリケーション精度」という。)についての事前の評価結果を示す情報である。
【0015】
アプリケーション精度とは、例えばアプリケーションが音声認識アプリである場合には誤認識率である。このような場合、アプリケーション精度が高いとは誤認識率が低いことを意味し、アプリケーション精度が低いとは誤認識率が高いことを意味する。アプリケーション精度とは、例えばアプリケーションがマッチングアプリである場合には推定結果の正しさである。このような場合、アプリケーション精度が高いとは推定結果が正しい確率が高いことを意味し、アプリケーション精度が低いとは推定結果が誤りである確率が高いことを意味する。
【0016】
アプリケーション品質情報はアプリケーション精度についての事前の評価結果を取得可能な方法であればどのような方法で取得された情報であってもよい。アプリケーション品質情報は、例えば過去にアプリケーションを使用したユーザにアプリケーション精度についてアンケートを行った結果である。
【0017】
評価装置3が評価に用いるアプリケーション品質情報は評価装置3が取得可能なものに記憶されていればどのようなものに記憶されていてもよい。アプリケーション品質情報は、例えば評価装置3が接続可能なネットワーク900上の所定の記憶装置に記憶されていてもよいし、予め評価装置3が記憶していてもよい。
【0018】
好適度合い評価方法は、例えば通信評価値取得処理を有する。通信評価値取得処理は、通信情報が示す各通信関連量を、通信関連情報ごとに通信評価値変換情報に基づき通信評価値に変換する処理である。通信評価値は、評価者条件を満たす評価者による通信評価量の評価結果を示す値である。評価者条件は、例えば評価者はユーザ9であるという条件である。評価者条件は、例えば評価者はクラウドサービス評価システム100の管理者であるという条件である。通信評価値変換情報は、通信関連量を通信評価値に変換する規則を示す情報である。
【0019】
好適度合い評価方法は、例えば精度評価値取得処理を有する。精度評価値取得処理は、アプリケーション品質情報が示すアプリケーション精度を、精度評価値変換情報に基づき精度評価値に変換する処理である。精度評価値は、評価者条件を満たす評価者によるアプリケーション精度の評価結果を示す値である。精度評価値変換情報は、アプリケーション精度を精度評価値に変換する規則を示す情報である。
【0020】
図2は、実施形態における通信関連量及び通信評価値の一例を示す図である。図2における通信関連量は平均応答時間である。図2は、通信関連量が0ms以上150ms未満であれば、通信評価値が5であることを示す。図2は、通信関連量が150ms以上500ms未満であれば、通信評価値が4であることを示す。図2は、通信関連量が500ms以上1000ms未満であれば、通信評価値が3であることを示す。図2は、通信関連量が1000ms以上3000ms未満であれば、通信評価値が2であることを示す。図2は、通信関連量が3000ms以上10000ms以下であれば、通信評価値が1であることを示す。
【0021】
なお、通信関連量がクラウド装置2の故障時等の正常なサービスが提供されていない場合の通信関連量である場合、通信評価値は、(−9999)等の正常なサービスが提供されている場合における通信関連量と逆の符号の値であってもよい。通信関連量がクラウド装置2の故障時等の正常なサービスが提供されていない場合の通信関連量は、例えば3000ms以上である。
【0022】
図2において通信評価値は、評価者条件を満たす評価者による平均応答時間に対する評価結果を示す。図2において、通信評価値は、値が大きいほど評価者条件を満たす評価者の評価が高いことを示す。図2に示す平均応答時間と通信評価値との対応関係は、通信評価値変換情報の一例である。
【0023】
図3は、実施形態におけるアプリケーション精度及び精度評価値の一例を示す図である。図3におけるアプリケーション精度は音声認識の誤認識率である。図3は、音声認識の誤認識率が0%以上20%未満であれば、精度評価値が5であることを示す。図3は、音声認識の誤認識率が20%以上40%未満であれば、精度評価値が4であることを示す。図3は、音声認識の誤認識率が40%以上60%未満であれば、精度評価値が3であることを示す。図3は、音声認識の誤認識率が60%以上80%未満であれば、精度評価値が2であることを示す。図3は、音声認識の誤認識率が80%以上100%以下であれば、精度評価値が1であることを示す。なお、音声認識の誤認識率が80%以上100%以下である場合には、1に代えて(−9999)等の音声認識の誤認識率が80%よりも小さい場合の精度評価値と符号が逆の値であってもよい。
【0024】
なお、音声認識の誤認識率がクラウド装置2の故障時等の正常なサービスが提供されていない場合の音声認識の誤認識率である場合、精度評価値は、(−9999)等の正常なサービスが提供されている場合における音声認識の誤認識率と逆の符号の値であってもよい。音声認識の誤認識率がクラウド装置2の故障時等の正常なサービスが提供されていない場合の音声認識の誤認識率は、例えば誤認識率が80%以上である。
【0025】
図3において精度評価値は、評価者条件を満たす評価者による音声認識の誤認識率に対する評価結果を示す。図3において、精度評価値は、値が大きいほど評価者条件を満たす評価者の評価が高いことを示す。図3に示す音声認識の誤認識率と精度評価値との対応関係は、精度評価値変換情報の一例である。
【0026】
評価装置3は、好適度合いの評価結果に基づき、ユーザ9に提示するサービスの候補(以下「提示サービス候補」という。)を決定する。より具体的には、評価装置3は、好適度合いの評価結果に基づき提示サービス候補決定条件を満たすサービスを提示サービス候補に決定する。
【0027】
提示サービス候補決定条件は、例えば好適度合いが最も高いという条件(以下「提示サービス第1条件」という。)を含む。提示サービス候補決定条件は、サービス第1条件にくわえてさらに、例えばアプリケーション精度の高さと通信情報が示す全ての通信関連量の大きさとが所定の条件を満たすという条件(以下「提示サービス第2条件」という。)を含んでもよい。
【0028】
提示サービス候補決定条件は、例えばユーザ9がエッジ端末1を操作して評価装置3に指示する。提示サービス候補決定条件は、予め定められた条件であってもよい。
【0029】
評価装置3は、決定した提示サービス候補をエッジ端末1に送信する。提示サービス候補はエッジ端末1に受信された後、エッジ端末1によってユーザ9に提示される。
【0030】
図4は、実施形態における評価装置3の機能構成の一例を示す図である。評価装置3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部30を備え、プログラムを実行する。評価装置3は、プログラムの実行によって制御部30、入力部31、通信部32、記憶部33及び出力部34を備える装置として機能する。より具体的には、プロセッサ91が記憶部33に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、評価装置3は、制御部30、入力部31、通信部32、記憶部33及び出力部34を備える装置として機能する。
【0031】
制御部30は、評価装置3が備える各種機能部の動作を制御する。制御部30は、例えば各アプリケーションについて好適度合いを評価する。
【0032】
入力部31は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部31は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部31は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。
【0033】
通信部32は、自装置を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部32は、ネットワーク900を介してエッジ端末1及びクラウド装置2と通信する。通信部32は、例えばエッジ端末1が送信した情報を受信する。通信部32は、例えば受信した情報をクラウド装置2に送信する。通信部32は、例えばクラウド装置2が送信した情報を受信する。通信部32は、例えば受信した情報をエッジ端末1に送信する。このようにして、通信部32は、エッジ端末1とクラウド装置2との間の通信を中継する。通信部32は、例えばネットワーク900を介して提示サービス候補をエッジ端末1に送信する。
【0034】
通信部32は、例えばエッジ端末1に入力されたユーザ9による自装置に対する指示を取得する。ユーザ9による自装置に対する指示の内容は、例えば提示サービス候補決定条件である。ユーザ9による自装置に対する指示の内容は、例えば好適度合い評価方法である。ユーザ9による自装置に対する指示の内容は、例えば評価装置3が決定した提示サービス候補のうちの1つのサービスであってユーザ9が享受することを決定したサービス(以下「享受サービス」という。)である。
【0035】
記憶部33は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部33は評価装置3に関する各種情報を記憶する。
【0036】
出力部34は、各種情報を出力する。出力部34は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部34は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部34は、例えば入力部31に入力された情報を出力する。
【0037】
図5は、実施形態における制御部30の機能構成の一例を示す図である。制御部30は、情報取得部310、評価部320、提示サービス決定部330、享受サービス提供制御部340及び出力制御部350を備える。
【0038】
情報取得部310は、通信情報取得部311、アプリケーション品質情報取得部312、条件情報取得部313を備える。通信情報取得部311は、通信部32を介したエッジ端末1とクラウド装置2との通信の履歴を示す情報(以下「通信履歴情報」という。)を取得する。通信情報取得部311は、取得した通信履歴情報に基づきエッジ端末1とクラウド装置2との間の通信に関する通信情報を取得する。なお、サーバの稼働率(以下「サーバ稼働率」という。)を示す情報が記憶部33等の評価装置3が読み出し可能な記憶装置に予め記憶済みである場合には、情報取得部310は通信情報が示す通信関連量の1つとしてサーバ稼働率を取得してもよい。
【0039】
アプリケーション品質情報取得部312は、通信部32の動作を制御し通信部32を介してアプリケーション品質情報を取得する。アプリケーション品質情報取得部312は、アプリケーション品質情報が予め記憶部33に記憶されている場合には、記憶部33からアプリケーション品質情報を読み出すことでアプリケーション品質情報を取得してもよい。
【0040】
条件情報取得部313は、通信部32の動作を制御し通信部32を介して、好適度合い評価方法及び提示サービス候補決定条件を取得する。条件情報取得部313は、例えばユーザ9がエッジ端末1を介して評価装置3に好適度合い評価方法及び提示サービス候補決定条件を指示した場合に、ユーザ9の指示を好適度合い評価方法及び提示サービス候補決定条件として取得する。
【0041】
条件情報取得部313は、予め記憶部33に好適度合い評価方法が記憶されている場合には、記憶部33から好適度合い評価方法を読み出すことで好適度合い評価方法を取得してもよい。条件情報取得部313は、予め記憶部33に提示サービス候補決定条件が記憶されている場合には、記憶部33から提示サービス候補決定条件を読み出すことで提示サービス候補決定条件を取得してもよい。
【0042】
評価部320は、通信情報及びアプリケーション品質情報に基づき、好適度合い評価方法によって好適度合いを評価する。以下説明の簡単のため評価部320が実行する好適度合い評価方法が、通信評価値取得処理及び精度評価値取得処理を有する場合を例にクラウドサービス評価システム100を説明する。
【0043】
提示サービス決定部330は、好適度合いの評価結果と提示サービス候補決定条件とに基づき提示サービス候補を決定する。
【0044】
享受サービス提供制御部340は、通信部32を介して、享受サービスを提供するクラウド装置2とエッジ端末1とを操作し、享受サービスを提供するクラウド装置2とエッジ端末1との間の通信を開始させる。享受サービス提供制御部340は、具体的にはエッジ端末1を介してユーザによりクラウド装置2とエッジ端末1との間の通信の開始の指示が入力されると、享受サービスを提供するクラウド装置2とエッジ端末1との間の通信を開始させる。
【0045】
出力制御部350は、通信部32の動作を制御し通信部32に提示サービス候補を出力させる。
【0046】
図6は、実施形態における評価装置3が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、説明の簡単のため好適度合い評価方法及び提示サービス候補決定条件が、ユーザ9の指示である場合を例にクラウドサービス評価システム100を説明する。
【0047】
ユーザ9が、エッジ端末1を介して好適度合い評価方法及び提示サービス候補決定条件を評価装置3に指示する(ステップS101)。情報取得部310が通信情報及びアプリケーション品質情報を取得する(ステップS102)。次に、評価部320が、通信情報及びアプリケーション品質情報に基づき好適度合い評価方法によって好適度合いを評価する(ステップS103)。ステップS103では具体的にはまず、評価部320が通信情報の示す各通信関連量に対して通信評価値取得処理を実行し、各通信関連量に対応する通信評価値を取得する。ステップS103では次に、評価部320がアプリケーション品質情報の示すアプリケーション精度に対して精度評価値取得処理を実行し、精度評価値を取得する。ステップS103では取得された通信評価値及び精度評価値に基づき好適度合いが取得される。
【0048】
ステップS103の次に提示サービス決定部330が、好適度合いの評価結果と提示サービス候補決定条件とに基づき提示サービス候補を決定する(ステップS104)。次に出力制御部350が、通信部32の動作を制御し通信部32に提示サービス候補を出力させる(ステップS105)。通信部32が出力した提示サービス候補はエッジ端末1に送信され、エッジ端末1を介してユーザ9に提示される。ステップS105の次にユーザ9は、提示された提示サービス候補のうちの1つを享受サービスに決定し、決定結果を、エッジ端末1を介して評価装置3に送信する(ステップS106)。享受サービス提供制御部340は、通信部32を介して、決定結果の享受サービスを提供するクラウド装置2とエッジ端末1とを操作し、決定結果の享受サービスを提供するクラウド装置2とエッジ端末1との間の通信を開始させる(ステップS107)。
【0049】
なお、ステップS106においてユーザ9は必ずしも享受サービスを決定する必要は無い。このような場合、ユーザ9にはサービスが提供されない。
【0050】
このように構成された実施形態のクラウドサービス評価システム100は、通信情報だけでなくアプリケーション品質情報に基づいて好適度合いを取得し、取得した好適度合いが高いサービスをユーザ9に提示する。そのため、クラウドサービス評価システム100は、クラウドコンピューティングを用いて提供されるサービスをユーザ9がより適切に選択することを可能とする。
【0051】
(変形例)
【0052】
評価装置3は、所定の周期で繰り返しステップS102〜ステップS107の処理を実行してもよい。このような場合、提示サービス候補決定条件を所定の回数満たさないサービスについては、提示サービス候補決定条件を所定の回数満たさなかった時点以降に通信情報及びアプリケーション品質情報が取得されなくてもよい。このようにすることで、評価装置3の演算量を軽減することができる。
【0053】
評価装置3は、必ずしも提示サービス候補を決定する必要は無く、好適度合いの評価結果を、エッジ端末1を介してユーザ9に提示するだけでもよい。このような場合、ユーザ9は、提示された評価結果に基づいて享受するサービスを決定する。
【0054】
なお、評価装置3は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、評価装置3が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0055】
なお、エッジ端末1、クラウド装置2及び評価装置3の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0056】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0057】
100…クラウドサービス評価システム100、 1…エッジ端末、 2…クラウド装置、 3…評価装置、 30…制御部、 31…入力部、 32…通信部、 33…記憶部、 34…出力部、 310…情報取得部、 311…通信情報取得部、 312…アプリケーション品質情報取得部、 313…条件情報取得部、 320…評価部、 330…提示サービス決定部、 340…享受サービス提供制御部、 350…出力制御部、 900…ネットワーク、 91…プロセッサ、 92…メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6