【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の第1の態様によれば、磁気熱量格子素子(magnetocaloric lattice element)が提供される。磁気熱量格子素子は、磁気熱量材料のファイバによって形成され、
ファイバは、互いに平行である格子面内に配置され、各ファイバは、磁気熱量材料のそれぞれの質量(mass amount)を有し、
任意の所定の格子面のファイバは互いに接触しないが、所定の格子面のファイバは、次に隣接する格子面の少なくとも2つのそれぞれの他のファイバと接触し、
磁気熱量格子素子は、長手ファイバ伸長(longitudinal fiber extension)の1つの主要質量加重方向(predominant mass-weighted direction)を正確に示す。
【0012】
本発明の第1の態様による磁気熱量素子は、平面内に配置された磁気熱量材料のファイバを含む。所定の平面のファイバは互いに接触しない。しかしながら、ファイバは、次の隣接する平面の少なくとも2本のファイバと機械的に接触している。この種の少なくともほぼ規則的な構造は、本明細書では、パックされたファイバの磁気熱量格子構造と呼ばれ、ファイバの異なる面は格子面と呼ばれる。それ故、第1の態様の磁気熱量素子は、磁気熱量格子素子とも呼ばれる。このように、磁気熱量格子素子は、構造安定性が高い磁気熱量素子を形成する。磁気熱量素子はまた、パックスクリーン型の磁気熱量素子として説明することもできる。
【0013】
所定の格子面のファイバは互いに接触しないので、各格子面に内部開口部が形成され、それにより、磁気熱量格子素子を組み込んだ応用装置の動作時に、流体は開口部を流通してファイバと流体との間で熱伝達する。磁気熱量格子素子の実施形態は、冷却用途において低い流体抵抗で効果的な熱伝達を達成する。換言すれば、このような磁気熱量格子素子構造の実施形態は、例えば、パックされた球体から作られた多孔質磁気熱量素子と比較して、流体の圧力損失が小さくなる。
【0014】
本発明の第1の態様の磁気熱量格子素子は、長手ファイバ伸長が主要質量加重方向であることをさらに特徴とする。以下に説明するように、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、磁気熱量格子素子の磁化にとって最適な方向を形成する。長手ファイバ伸長の主要質量加重方向に対する、磁気熱量格子素子及び外部磁場の適切な相対的位置合わせは、特に磁気熱量格子素子の高い磁化につながる。
【0015】
本発明の磁気熱量格子素子では、その磁化特性は、外部磁場の方向に沿って向いていないその磁気熱量ファイバの任意の区分の消磁効果を考慮して生じるという認識に基づいている。消磁効果は最大磁化の低下であり、低下は、全てのファイバが極端に薄く、外部磁場の磁界方向に配置されている場合、同じ体積の磁気熱量材料に発生することがある。従って、消磁効果は、磁気熱量材料のファイバの所定の幾何学的形状及び配置によって生じる磁化の低下である。外部磁場の方向とファイバの所定の向きとの間の正確な位置合わせから始まり、消磁効果は、外部磁場の方向とファイバの向きとの間の角度が増すにつれて上昇する。磁化方向即ち外部磁場の方向と垂直に向いたファイバ又は長手方向のファイバ区分は、最大(質量加重された)の消磁影響力を有する。
【0016】
従って、長手ファイバ伸長のその主要質量加重方向が適用装置に設ける外部磁場と位置合わせして配置された場合、本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子は、磁気熱量材料の有利な、特に高い磁化を達成し、その結果、磁気熱量ヒートポンプ、冷却装置又は発電機のような適用装置の性能を改善する。
【0017】
以下に、本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子の実施形態を説明する。
【0018】
ファイバ形状は、一般に、あらゆる横方向のファイバ伸長よりも大きい縦方向のファイバ伸長を有するとして説明することができ、横方向のファイバ伸長は、縦方向のファイバ伸長と垂直な方向の伸長を指す。ファイバ形状の一般例は円柱形状であり、円柱形状は、長手方向のファイバ伸長と垂直な平面内に円形、楕円形、長円形又は矩形の断面形状を有する、異なる変形形態のファイバを含む。しかしながら、ファイバは、必ずしも円柱形状を呈する必要はない。例えば、ファイバの横方向のファイバ伸長は、ファイバの縦方向のファイバ伸長に沿って変動することができる。
【0019】
磁気熱量格子素子の実施形態では、ファイバの縦方向(長手方向)のファイバの伸長と垂直な方向、すなわち横方向の伸長は、50μmから800μmの間である。一部の長方形又は楕円形の断面ファイバ形状では、横方向の伸長は、異なる横方向で変動する。そのような実施形態において、上記値は、好ましい最大横方向伸長を指す。
【0020】
1つの変形例では、磁気熱量格子素子の全てのファイバは、それらの縦方向のファイバ伸長と垂直な、実質的に同じ横方向の伸長を有する。横方向のファイバ伸長は、他の変形例の異なるファイバでは異なる。
【0021】
パックされたスクリーン、メッシュ又は格子形状を達成するために、磁気熱量格子素子は、全体として、少なくとも2つの方向に延びるファイバを有する。一部の実施形態では、長手方向のファイバ伸長の方向は、所定のファイバの異なる区分で異なる。実施例を以下でさらに説明する。
【0022】
一般的に、ファイバは単一の磁気熱量材料で作る。しかしながら、一部の実施形態では、ファイバは、それらの材料組成が均質ではない。異なるファイバ区分は、より多い又はより少ない磁気熱量材料、或いは異なる磁気熱量材料を含む。
【0023】
磁気熱量格子素子は、任意の適切な数のファイバを含むことができる。磁気熱量格子素子を形成するのに必要なファイバの最小数は4本のファイバである。
【0024】
一部の実施形態では、磁気熱量格子素子の格子面は平面である。しかしながら、格子面という用語は、厳密な平面の伸長を暗示する結晶学的意味に限定されない。他の実施形態では、磁気熱量格子素子の格子面は、曲面の形態とされる。
【0025】
長手ファイバ伸長の主要質量加重方向を持つ磁気熱量格子素子を達成する異なる方法がある。前述したように、本発明の磁気熱量格子素子では、そのような方向は1つだけである。磁気熱量格子素子の好ましい実施形態では、長手方向のファイバ伸長の主要質量加重方向の達成は、以下のように説明でき、すなわち各ファイバは、長手方向のファイバセグメントに区切られ、各ファイバセグメントは、セグメント質量(a segment mass)と、それぞれの長手方向のセグメント方向に沿った長手セグメント伸長(a longitudinal segment extension along a respective longitudinal segment direction)とを有するとみなされる場合、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、以下の条件によって定義される、すなわち、長手ファイバ伸長の主要方向への、全てのファイバセグメントのそれぞれの長手セグメント伸長の、全てのスカラー投影の加重和が、これに対応する、長手セグメント伸長の他の任意の方向への、全てのファイバセグメントの前記それぞれの長手セグメント伸長の、全てのスカラー投影の加重和よりも大きいという条件によって定義され、ここで、各ファイバセグメントは、そのそれぞれのセグメント質量に比例する加重和で加重される。
【0026】
この実施形態では、スカラー投影は、それぞれの長手方向のセグメント方向に沿った長手方向セグメント伸長を持つ長手方向セグメントnが、長さ1のベクトル
【数1】
としてみなされ、長手方向のファイバ伸長
【数2】
の主要質量加重方向における対応するスカラー投影が、
【数3】
で表現され、ここで、θ
nは、それぞれの長手方向のセグメント方向と長手ファイバ伸長の主要質量加重方向との間の角度である。従って、この好ましい実施形態では、長手方向のファイバ伸長
【数4】
の主要質量加重方向は、以下の関係式を満たし、
【数5】
式中、
【数6】
は3次元ベクトルであり、m
nは長手方向セグメントnのセグメント質量である。従って、式(1)は、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向はまさにその方向であり、又は、全てのファイバセグメントのそれぞれの長手方向のセグメント伸長の、長手ファイバ伸長のこの主要方向への、全てのスカラー投影の加重和が、最大を示す、長さが1のベクトルであるという事実を規定する。
【0027】
長手方向のファイバセグメントはサイズが有限であるので、式(1)の総和は加数が有限である。より一般的に言えば、ファイバは例えばコサイン形状に従う長手方向の伸長を有する特定の実施形態に、積分を用いる数学的定式化を使用することができる。
【0028】
磁気熱量格子素子のさらに好ましい実施形態では、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は以下のように達成され、すなわち全てのファイバは、第1又は第2のファイバセットに属し、第1のファイバセットのファイバは、全てファイバ伸長の共通の第1の長手方向に沿って延び、第2のファイバセットのファイバは、第1の長手方向とは異なるファイバ伸長の共通の第2の長手方向に沿って全て延びている。従って、このさらに好ましい実施形態のこの変形例では、磁気熱量格子素子のファイバは、2つの方向に延びるので、式(1)に従って長手ファイバ伸長の主要質量加重方向を決定するための2つの異なる長手方向のセグメント方向だけがある。平行なファイバは、生産に要する労力が少なく、高い構造安定性をもたらす。この実施形態のさらなる変形例では、各格子面は、それぞれのファイバセットのファイバを提供し、ファイバは、ファイバ伸長の共通のそれぞれの長手方向に沿って全て延びている。この更なる変形例では、第1及び第2のファイバセットのファイバの間で隣接する平面が交互になる。これは、磁気格子素子の基本的に規則的な構造につながり、従って高い構造安定性をもたらすことができる。
【0029】
本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子のそのような実施形態のグループでは、第1の長手方向と第2の長手方向との間の格子角度は、5°から85°(弧度)の間の鋭角である。より小さな格子角度、すなわち5°未満の格子角度は、磁気熱量格子素子を通って流れる熱伝達媒体の高い圧力損失につながる。より大きい格子角度、すなわち90°に近い格子角度は、ファイバの第1及び第2の長手方向の形状及び数が実質的に等しい場合に、磁気熱量格子素子の既述の消磁効果を上昇させる。鋭角は、好ましくは20°から70°の間、さらに好ましくは40°から60°の間にある。
【0030】
この実施形態の変形例では、ファイバは、サイズが等しく、同じ磁気熱量材料で生産され、全てが第1又は第2のファイバセットの何れかに属する。結果として、この変形例における長手方向のファイバ伸長の主要質量加重方向は、基本的に、第1のファイバセットの第1の方向及び第2のファイバセットの第2の方向に関する鋭角の格子角度の二等分線に沿っている。
【0031】
磁気熱質量量格子素子のさらなる実施形態では、第1のファイバセットは、磁気熱量材料の質量(mass amount)が前記第2のファイバセットよりも少ない。質量が異なることにより、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、第1のファイバセットのファイバ伸長方向よりも、第2のファイバセットのファイバ伸長の長手方向によってより強く影響される。このような質量セグメント総計が異なる磁気熱量材料を使用することは、磁気熱量格子素子をヒートポンプ、冷却装置又は発電機内で用いる場合、磁気熱量格子素子を通って流れる熱伝達流体の圧力損失を低下させるために有利となり得る。
【0032】
この実施形態の変形例では、第1のファイバセット内のファイバの総数は、第2のファイバセット内のファイバの総数よりも少ない。この変形例の例では、各々のファイバは、第1のファイバセット又は第2のファイバセットの何れかに属し、第1及び第2のファイバセットは、互いに垂直に向いている。このように、この例では、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、第2のファイバセットのファイバ伸長の長手方向に沿って向いている。さらなる変形例では、第1のファイバセットは、第2のファイバセットよりも少なくとも2倍小さく、それぞれのファイバセグメントの長手方向の伸長に平行な表面ベクトルを有する断面表面積を考慮する。この変形例の例では、全てのファイバは第1及び第2のファイバセットに属し、第1及び第2のファイバセットは互いに垂直に向いている。このように、この例では、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、第2のファイバセットのファイバ伸長の長手方向に沿って向いている。
【0033】
磁気熱量格子素子は、例えば、移動ノズルを用いて、磁気熱量材料を含む高負荷のペーストを押し出すことによって形成され、結果として磁気熱量格子素子のファイバが層ごとに生産される。磁気熱量材料を含むペーストは、水のような溶媒、結合剤及び添加剤をさらに含むことができる。一部の変形例では、ペースト中の気泡を避けるために消泡剤も添加される。他の変形例の生産では、磁気熱量格子素子は、三次元印画法によって形成される。
【0034】
磁気熱量格子素子の1つ実施形態では、全てのファイバは、同じ磁気熱量材料から成る。さらなる実施形態では、磁気熱量格子素子は、少なくとも2つの異なる磁気熱量材料から成る。この実施形態の変形例では、それぞれの続く平面内の磁気熱量材料は、それぞれの磁気熱量材料の一連の低下するキュリー温度を示す。続く平面におけるこのような一連の低下するキュリー温度により、磁気熱量格子素子を含む冷却装置を、冷却装置の周囲温度よりはるかに低くエネルギー効率的に冷却することが可能になる。
【0035】
第2の態様によれば、本発明は磁気熱量熱交換器に関し、磁気熱量熱交換器は、
熱交換器ハウジングと、
熱交換器ハウジング内にある、本発明の第1の態様の少なくとも1つの実施形態による磁気熱量格子素子と、
磁気熱量格子素子を通る流体の流れを案内するように構成された流体チャネルシステムとを備える。
【0036】
本発明の第2の態様による磁気熱量熱交換器は、本発明の第1の態様の磁気熱量格子素子の利点を共有する。
【0037】
磁気熱量熱交換器は、流体チャネルシステムをさらに提供し、流体チャネルシステムは、例えば磁気熱量冷却装置、ヒートポンプ又は熱源としての用途において、熱交換器の動作時に、所望のプロセスサイクルに従って、磁気熱量格子素子を通る熱伝達流体の流れを達成する。
【0038】
第3の態様によれば、本発明は磁気熱量ヒートポンプに関し、磁気熱量ヒートポンプは、
本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子、又はその実施形態の1つ、或いは本発明の第2の態様による磁気熱量熱交換器、又はその実施形態の1つを備え、
磁気熱量格子素子に外部磁場を印加するための磁石アセンブリをさらに備え、
磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリは、磁気熱量格子素子に外部磁場を、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向と平行な磁場方向で印加するように相互配置するように構成される。
【0039】
本発明の第3の態様による磁気熱量ヒートポンプは、本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子に関連して説明した利点を共有する。
【0040】
磁気熱量ヒートポンプは、磁気熱格子素子及び磁石アセンブリの相互配置をさらに達成し、相互配置は、磁気熱量ヒートポンプ内で発生した外部磁場の方向と平行に位置合わせした、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向の有利な向きである。
【0041】
ヒートポンプは、1つの実施形態では、異なる動作位置合わせ位置にある磁気熱量格子素子の長手ファイバ伸長の主要質量加重方向に関して、複数の可能な磁界方向のうちの異なるものを達成する、異なる相対的な位置合わせ位置を可能にするように構成される。磁気熱量効果及びその望ましい技術的影響の最適化は、平行な位置合わせで達成される。しかしながら、磁気熱量格子素子に印加される外部磁場の磁場成分のみが、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向と平行な磁場方向を示す場合、低減された効果を達成することもできる。
【0042】
本発明の第3の態様による磁気熱量ヒートポンプの実施形態では、磁気熱量ヒートポンプは、磁気熱量格子素子をさらに備え、
全てのファイバは、第1又は第2のファイバセットに属し、第1のファイバセットのファイバは、全て、ファイバ伸長の共通の第1の長手方向に沿って伸び、第2のファイバセットのファイバは、全て、第1の長手方向とは異なるファイバ伸長の共通の第2の長手方向に沿って延び、
第1の長手方向と第2の長手方向との間の格子角度は、5°から85°の間、好ましくは20°から70°の間、好ましくは40°から60°の間の鋭角であり、
全てのファイバは、それぞれの磁気熱量材料と同じ質量を有し、
磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリは、磁気熱量格子素子に外部磁場を、第1の長手方向と第2の長手方向との間の鋭角の格子角度の二等分線に沿って向いた磁場方向で印加するように相互配置するように構成される。
【0043】
この実施形態では、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向は、第1の長手方向と第2の長手方向との間の鋭角の格子角度の二等分線に沿って向いている。
【0044】
磁気熱量ヒートポンプのさらなる実施形態では、磁気熱量ヒートポンプは、磁気熱量格子素子を備え、
全てのファイバは、第1のファイバセット又は第2のファイバセットに属し、第1のファイバセットのファイバは、全て、ファイバ伸長の共通の第1の長手方向に沿って延び、第2のファイバセットのファイバは、全て、第1のファイバ長手方向とは異なるファイバ伸長の共通の第2の長手方向に沿って延び、
第1のファイバセットは、磁気熱量材料の質量総計が第2のファイバセットよりも小さく、
第1の長手方向は第2の長手方向と垂直であり、磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリは、磁気熱格子素子に外部磁場を、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向を形成する、第2の長手方向に沿って向いた磁界方向で印加するように相互配置するように構成される。
【0045】
磁気熱量ヒートポンプの実施形態では、磁気熱量ヒートポンプは制御ユニットをさらに備え、制御ユニットは、磁気熱量格子素子に外部磁場を、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向と平行な磁界方向で印加するために、磁石アセンブリ及び磁気熱量格子素子の相互配置を制御するように構成される。この実施形態では、制御ユニットは、自動的に及び/又は手動で、磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリの互いに対して有利な向きをもたらす。この実施形態の変形例では、制御ユニットは、磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリの向きをプロセッサ装置に記憶された基準値と比較するように構成されたプロセッサ装置を備える。さらなる変形例では、制御ユニットは、磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリの向きの何れの変更を手動で行なう必要があるかをユーザに示すように構成された、視覚的表示器を備える。別のさらなる変形例では、制御ユニットは、磁石アセンブリの周期的な運動に従って、磁気熱量格子素子の周期的な運動を自動的に実行する。
【0046】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態の少なくとも1つによる磁気熱量格子素子を備える冷却装置に関する。
【0047】
本発明の第4の態様による冷却装置は、本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子の文脈で説明した利点を共有する。
【0048】
冷却装置の実施形態では、冷却装置は、本発明の第2の態様の実施形態の少なくとも1つによる磁気熱量熱交換器を備える。
【0049】
冷却装置のさらなる実施形態では、冷却装置は、本発明の第3の態様の実施形態の少なくとも1つによる磁気熱量ヒートポンプを備える。
【0050】
好ましい実施形態では、冷却装置は、磁気熱量格子素子の磁化及び消磁を含むプロセスサイクルを実行する。この実施形態の変形例では、冷却装置は、磁気熱量冷却の第1の相及び第2の相を示す、上述したプロセスサイクルを実行する。
【0051】
第5の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態の少なくとも1つによる磁気熱量格子素子を備える磁気熱量発電機に関する。
【0052】
本発明の第5の態様による磁気熱量発電機の実施態様において、磁気熱量発電機は、磁気熱量格子素子を加熱及び冷却してその磁界を周期的に変化させるように配置及び構成された加熱リザーバ及び冷却リザーバと、磁気熱量格子素子に配置されて磁気熱量格子素子の磁場の変化によって誘起される電流を供給するコイルとを備える。
【0053】
第6の態様によれば、本発明は、磁気熱量ヒートポンプを動作させる方法に関する。この方法は、
本発明の第1の態様の実施形態の少なくとも1つによる磁気熱量格子素子を供給する段階と、
磁気熱量格子素子に外部磁場を印加するための磁石アセンブリを供給する段階と、
磁気熱量格子素子及び磁石アセンブリを配置して、磁気熱量格子素子に外部磁場を、長手ファイバ伸長の主要質量加重方向と平行な磁場方向で印加する段階とを備える。
【0054】
本発明の第5の態様による方法は、本発明の第1の態様による磁気熱量格子素子の文脈で説明した利点を共有する。
【0055】
請求項1にも規定された本発明の第1の態様の磁気熱量格子素子、請求項9にも規定された第2の態様の磁気熱量熱交換器、請求項10にも規定された第3の態様の磁気熱量ヒートポンプ、請求項13にも規定された第4の態様の冷却装置、請求項14にも規定された第5の態様の磁気熱量発電機、請求項15にも規定された磁気熱量格子素子を動作させる方法では、実施形態は、類似し又は全く同じである。