(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2022-932(P2022-932A)
(43)【公開日】2022年1月4日
(54)【発明の名称】インダクター
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20211203BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20211203BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20211203BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F17/04 Z
H01F17/00 B
H01F27/29 P
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-166684(P2021-166684)
(22)【出願日】2021年10月11日
(62)【分割の表示】特願2019-214058(P2019-214058)の分割
【原出願日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0139213
(32)【優先日】2017年10月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0167356
(32)【優先日】2017年12月7日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー、ソン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジュン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ユー、ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビョン ファ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、クァン スン
(72)【発明者】
【氏名】コー、クン ホ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070BB03
5E070CB06
5E070CB12
5E070DA13
5E070EA01
5E070EA06
(57)【要約】
【課題】内部コイルと外部電極との接触性を強化してインダクターの信頼性を確保するインダクターを提供する。
【解決手段】本発明の一例によるインダクターは、第1及び第2端部を有する内部コイルと、上記内部コイルを封止し、磁性粒子を含む封止材と、を含む本体と、上記本体の外部面上において上記内部コイルと電気的に連結される第1及び第2外部電極と、を含む。上記本体と上記第1外部電極との間には、上記内部コイルの上記第1端部と直接接触し、上記第1端部を覆う第1金属拡張部が配置され、上記本体と上記第2外部電極との間には、上記内部コイルの上記第2端部と直接接触し、上記第2端部を覆う第2金属拡張部が配置される。上記第1及び第2金属拡張部と上記第1及び第2外部電極との間には複数の層で構成される第1及び第2連結層がそれぞれ介在され、上記第1及び第2連結層の各層は金属間化合物を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2端部を有する内部コイルと、前記内部コイルを封止し、磁性粒子を含む封止材と、を含む本体と、
前記本体の外部面上において前記内部コイルと電気的に連結される第1及び第2外部電極と、を含むインダクターであって、
第1金属拡張部は、前記本体と前記第1外部電極との間に配置され、前記第1端部と直接接触し、
第2金属拡張部は、前記本体と前記第2外部電極との間に配置され、前記第2端部と直接接触し、
前記第1及び第2金属拡張部と前記第1及び第2外部電極との間には複数の層で構成される第1及び第2連結層がそれぞれ介在され、前記第1及び第2連結層の各層は金属間化合物(Intermetallic Compound)を含む、インダクター。
【請求項2】
前記第1金属拡張部は、前記第1端部が前記本体の外部面に露出した露出面を覆い、前記第2金属拡張部は、前記第2端部が前記本体の外部面に露出した露出面を覆う、請求項1に記載のインダクター。
【請求項3】
前記第1及び第2連結層は二重層で構成される、請求項1または2に記載のインダクター。
【請求項4】
前記第1及び第2連結層は、前記第1及び第2金属拡張部と近い内層と、前記第1及び第2外部電極と近い外層と、を含む、請求項3に記載のインダクター。
【請求項5】
前記内層がCu6Sn5合金で構成される、請求項4に記載のインダクター。
【請求項6】
前記外層がCu3Sn合金で構成される、請求項4または5に記載のインダクター。
【請求項7】
前記第1及び第2外部電極はそれぞれ複数の層を含み、最内側に配置される第1層は、導電性フレームと、前記導電性フレーム内を充填する硬化樹脂と、を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項8】
前記導電性フレームは、Ag−Sn系合金の金属間化合物を含む、請求項7に記載のインダクター。
【請求項9】
前記導電性フレームは、前記金属間化合物中にAg粒子またはSn含有半田粒子が分散された構造を有する、請求項8に記載のインダクター。
【請求項10】
前記硬化樹脂はエポキシ系樹脂である、請求項7から9のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項11】
前記第1及び第2外部電極は最外側にSnめっき層を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極は少なくともNiめっき層を含む、請求項7から11のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項13】
前記第1及び第2金属拡張部はCuめっき層を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項14】
前記第1及び第2金属拡張部は、前記本体の外部面のうち前記第1及び第2端部が露出する外部面の全体を覆うように配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項15】
前記第1及び第2金属拡張部の平均厚さは1μm以上20μm以下である、請求項1から14のいずれか一項に記載のインダクター。
【請求項16】
前記本体の外部面上の少なくとも一部には絶縁層が配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載のインダクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクターに関するものであって、具体的には、パワーインダクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯IT機器や電子機器の高性能化及び大画面化に伴い、内部部品の小型化とともに、高信頼性の保障が求められている。パワーインダクターに求められる信頼性を改善するための方法として、磁性体コーティングによるBDV(Break Down Voltage)強化や、パッケージ(SiP)適用のための本体強度の強化などが挙げられる。一方、パワーインダクターがPMICの周辺に実装される場合、熱収縮膨張によると推定される応力によって電極部の外部電極が分離される不良が発生するが、このような外部電極の分離不良はパワーインダクターの信頼性において問題をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−182883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、内部コイルと外部電極との接触性を強化してインダクターの信頼性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例によるインダクターは、第1及び第2端部を有する内部コイルと、上記内部コイルを封止し、磁性粒子を含む封止材と、を含む本体と、上記本体の外部面上において上記内部コイルと電気的に連結される第1及び第2外部電極と、を含む。
【0006】
上記本体と上記第1外部電極との間には、上記内部コイルの上記第1端部と直接接触し、上記第1端部を覆う第1金属拡張部が配置され、上記本体と上記第2外部電極との間には、上記内部コイルの上記第2端部と直接接触し、上記第2端部を覆う第2金属拡張部が配置される。
【0007】
上記第1及び第2金属拡張部と上記第1及び第2外部電極との間には複数の層で構成される第1及び第2連結層がそれぞれ介在され、上記第1及び第2連結層の各層は金属間化合物を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果の一効果は、内部コイルと外部電極との接触性を改善することで内部コイルと外部電極との引張強度を強化し、Rdc特性を改善したインダクターを提供することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一例によるインダクターの斜視図である。
【
図2】
図1のI−I'線に沿って切断した断面図である。
【
図3】
図1及び
図2に示すインダクターの一変形例によるインダクターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0011】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0012】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0013】
以下では、本発明の一例によるインダクターについて説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0014】
図1は本発明のインダクター100の斜視図であり、
図2は
図1のI−I'線に沿って切断した断面図である。
【0015】
図1及び
図2を参照すると、インダクター100は、本体1と、上記本体の外部面上に配置される第1及び第2外部電極21、22と、を含む。
【0016】
上記本体1はインダクターの外観を成すものであって、厚さ方向において互いに向い合う上面及び下面、長さ方向において互いに向い合う第1及び第2端面、幅方向において互いに向い合う第1及び第2側面を含むことで、実質的に六面体形状を有することができる。
【0017】
一方、上記本体1は、磁性粒子を含む封止材11を含む。上記封止材11は、磁性粒子が樹脂に分散された形態であって、磁性粒子と樹脂の複合体で構成されることができる。例えば、上記封止材11は、フェライトまたは金属系軟磁性材料を充填して形成されることができる。上記フェライトは、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライト、またはLi系フェライトなどの公知のフェライトを含むことができる。上記金属系軟磁性材料としては、Fe、Si、Cr、Al、及びNiからなる群から選択される何れか1つ以上を含む合金が挙げられ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属粒子を含むことができるが、これに制限されるものではない。上記金属系軟磁性材料の粒径は0.1μm以上20μm以下であることができる。上記フェライトまたは金属系軟磁性材料がエポキシ樹脂またはポリイミドなどの高分子に分散された形態で含まれて本体を構成する。
【0018】
上記封止材によって内部コイル12が本体内に埋め込まれるが、上記内部コイル12は、外部の部品と連結されるように、本体の第1端面及び第2端面に露出する第1端部121及び第2端部122を含む。上記第1及び第2端部がそれぞれ第1端面及び第2端面に露出することを例示しているが、これに限定されない。
【0019】
上記内部コイルは全体的にスパイラル状を有することができる。内部コイルの具体的な形成方式は特に制限されず、例えば、基板上にめっき方式により形成するか、予め準備された金属ストリップを巻き取るか、または、複数の磁性シート上に内部コイルパターンの一部を印刷してから複数の磁性シートを積層する方式により内部コイルを形成することができる。
【0020】
上記内部コイルと上記磁性物質との間の絶縁のために、上記内部コイルの露出表面上には絶縁コーティング層123がさらに含まれることができる。上記絶縁コーティング層を形成する方式は特に制限されず、絶縁特性を有する物質を含むものであれば十分であるため、その材料も特に限定されない。
【0021】
上記内部コイルと上記外部電極との間の構造をより詳細に説明するために、
図2を参照すると、内部コイルの第1端部と第1外部電極との間には第1金属拡張部31が配置され、内部コイルの第2端部と第2外部電極との間には第2金属拡張部32が配置される。上記第1及び第2金属拡張部は、金属材料で構成され、内部コイルと外部電極との電気的連結性を強化する機能を果たすのに好適な優れた電気伝導性を有する金属材料であれば限定されずに適用可能である。例えば、内部コイルと実質的に同一の組成を含むことができる。したがって、上記第1及び第2金属拡張部はCu金属を含むことができる。上記第1及び第2金属拡張部は、内部コイルと外部電極が接触する接触面積を増加させる機能を果たすものであるため、内部コイルの第1端部が上記第1端面に露出する面積に比べて、上記第1金属拡張部が上記第1端面と当接する面積をより大きくする必要があり、同様に、内部コイルの第2端部が上記第2端面に露出する面積に比べて、上記第2金属拡張部が上記第2端面と当接する面積をより大きくする必要がある。したがって、上記第1及び第2端部が第1及び第2端面に露出する部分を上記第1及び第2金属拡張部が覆う形態で構成することが好ましい。
【0022】
上記第1及び第2金属拡張部の厚さは特に制限されないが、チップサイズの小型化の傾向に応えるべく、1〜20μmの範囲内に構成されることが好ましい。上記厚さが1μmより小さい場合には、上記第1及び第2端部の露出部を覆う形状を均一な厚さに維持することが技術的に困難であり、上記厚さが20μmより大きい場合には、チップの全体サイズを維持するために、相対的に外部電極の厚さを過度に薄型化しなければならないという問題がある。
【0023】
次に、上記第1及び第2金属拡張部31、32はそれぞれ第1及び第2外部電極21、22によって覆われる。この際、上記第1金属拡張部と上記第1外部電極との間には第1連結層41が介在され、上記第2金属拡張部と上記第2外部電極との間には第2連結層42が介在される。上記第1及び第2連結層は、第1金属拡張部と第1外部電極との間、及び上記第2金属拡張部と第2外部電極との間の接触により形成された金属間化合物(Intermetallic Compound、IMC)である。上記金属間化合物は、上記第1及び第2金属拡張部中に含まれる金属成分と、上記第1及び第2外部電極のうち最内側に配置される第1及び第2外部電極中に含まれる金属成分との結合により形成されたものである。上記金属間化合物はCu−Sn金属間化合物であり得るが、上記Cu成分は第1及び第2金属拡張部中の銅成分に由来のものであり、上記Sn成分は上記第1及び第2外部電極のうち最内側に形成される第1及び第2外部電極中に含まれるスズ成分に由来のものである。より具体的に、第1及び第2外部電極中に含まれるスズ成分は、第1及び第2外部電極のうち最内側に形成される層をAg−エポキシ含有ペーストで形成する時に、Ag−Sn系半田−エポキシ系化合物ペーストを適用することで由来することができる。上記Ag−Sn系半田−エポキシ系化合物中に添加されるSn系半田のモル数とAg粒子のモル数の比に応じて、残りのSn成分が発生する。このような残りのSn成分が、第1及び第2金属拡張部中の銅成分とさらに金属間化合物を形成しながら、第1及び第2連結層を形成する。上記Ag−Sn系半田−エポキシ系化合物ペーストにおいて、上記Sn系半田は、例えば、Sn、Sn
96.5Ag
3.0Cu
0.5、Sn
42Bi
58、Sn
72Bi
28などで表される粉末であることができるが、これに限定されるものではない。また、上記ペーストにおいて、エポキシを除き、高融点を有する導電性粒子、例えば、Ag粒子と、半田粒子、例えば、Sn半田との重量比は55:45以上70:30以下であることが好ましい。上記範囲内の重量比である場合に、外部電極の最内側内に安定した連結層が形成されることができる。
【0024】
より具体的に、上記第1及び第2連結層の構造を説明するために、
図2のA領域の拡大図を参照すると、上記第1及び第2連結層41、42は少なくとも2つの層に区別されることができる。上記第1及び第2連結層のうち第1及び第2金属拡張部に近い内層411、421はCu
6Sn
5合金からなり、第1及び第2外部電極に近い外層412、422はCu
3Sn合金からなることができる。上記内層及び外層が両方とも上記本体の第1及び第2端面の全体に沿って連続して構成されていると示されているが、第1及び第2外部電極中に含まれるAg−Sn系半田−エポキシ系化合物中におけるAg組成とSn組成とのモル比などを制御する際に、上記内層及び外層の少なくとも1つは不連続の層で構成してもよいことは言うまでもない。
【0025】
上記第1及び第2連結層はそれぞれ第1及び第2外部電極によって覆われる形態で構成される。より具体的には、上記第1及び第2連結層が、上記第1及び第2外部電極21、22の最内側に配置される第1層211、221によって覆われる構造を有するように構成される。上述のように、上記第1層211、221と上記第1及び第2金属拡張部との間には連結層41、42が介在されるため、上記第1層211、221は、Ag−Sn系半田−エポキシ系ペーストを用いて形成された層で構成することが好ましい。上記第1層211、221はエポキシ系樹脂を含む。この際、エポキシ系樹脂は熱硬化性樹脂であることに特徴があるため、当業者が必要に応じて、エポキシ系樹脂以外に他の熱硬化性樹脂を選択して第1層の組成を変更することは制限されない。上記第1層の構造は、基本的に、導電性フレームと、上記導電性フレーム内を充填する硬化樹脂と、を含む。上記導電性フレームはAg−Sn系合金を含む。例えば、上記導電性フレームを構成するAg−Sn系合金はAg
3Snであることができる。上記導電性フレームに内部には、Ag粒子、または互いに異なるSn含量を含む半田粒子が不規則的に分散された構造が観察されることもできる。
【0026】
上記第1層が、基本的に、連続して連結されたネットワーク構造を有する導電性フレームを含むため、外部電極の全体的な機械的強度が増加することができ、インダクターの全体的なRdc値が低減されることができる。
【0027】
上記第1及び第2外部電極21、22は、最内側に配置される第1層211、221上に第2層212、222をさらに含み、上記第2層はNiめっき層であることが好ましい。また、上記第2層上には、インダクターを外部基板に実装する際における半田付け特性を向上させるために、Sn含有めっき層の第3層213、223をさらに含むことが好ましい。
【0028】
一方、下記の表1は、インダクターの外部電極の両端にピンを半田付けさせた後、外側に向かって引っぱりながら外部電極が分離されるのに必要な力を測定することで、外部電極の引張強度を測定した結果である。
【0029】
実施例1のインダクターは、外部電極中に含まれるAg−エポキシのうち、Agを略60wt%含み、その他に、銅、スズ、及びエポキシビスフェノールA樹脂、ポリビニルブチラールなどの複数の樹脂物質を含む。インダクターチップのサイズは幅1.4mm、長さ2.00mm、厚さ1.00mmであり、Lsは0.47μHの値を有する。
【0030】
これに対し、比較例1のインダクターは、実施例1のインダクターと比較して、内部コイルの端部と外部電極を互いに直接接触させ、外部電極の最内側から順に、Ni含有めっき層、Sn含有めっき層を含むという点で異なる。また比較例2のインダクターは、比較例1のインダクターと比較して、Ni含有めっき層を形成する前に、Ag−エポキシの金属−樹脂ペーストを塗布したという点で異なる。
【0032】
上記表1から分かるように、実施例1によるインダクターは、他の構造のインダクターに比べて、実質的に2倍に近い外部電極の引張強度を有する。このように、実施例1によるインダクターが改善された引張強度を有する理由は、内部コイルの第1及び第2端部と第1及び第2外部電極との間に、第1及び第2金属拡張部だけでなく、それと連結される第1及び第2連結層を含むとともに、上記第1及び第2外部電極の最内側の第1層に、IMC化合物で構成された導電性フレームの骨格構造及びその骨格構造内に充填された硬化樹脂をさらに含むためである。
【0033】
次に、
図3は、
図1及び
図2に示すインダクター100に加えて、本体の絶縁のための絶縁層5をさらに含むインダクター200の断面図である。
図3は、
図1及び
図2と比較して、絶縁層5をさらに含むことのみが異なるだけで、実質的に同一の構成を含むため、説明の便宜のために重複構成についての説明は省略し、同一の構成要素には
図1及び
図2と対応する図面符号を用いる。
【0034】
図3を参照すると、絶縁層5は本体の上面及び下面に配置される。これは、本体の第1及び第2端面上に配置される第1及び第2金属拡張部のめっき広がりを防止するための構成である。上記絶縁層5は、絶縁特性を有する材料を含み、例えば、ポリイミド、パリレン、エポキシ樹脂などであることができるが、当業者が必要に応じて適宜選択することができる。
図3に示したように、第1及び第2金属拡張部は上記絶縁層の上面の一部まで延びないことが好ましいが、場合によって、全体のチップサイズの誤差範囲内であれば、上記絶縁層の上面の一部まで延びてもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0036】
一方、本発明で用いられた一実施例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一実施例は、他の実施例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の実施例で説明されていなくても、他の実施例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の実施例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0037】
また、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0038】
100 インダクター
1 本体
11 封止材
12 内部コイル
121、122 第1及び第2端部
21、22 第1及び第2外部電極
31、32 第1及び第2金属拡張部
41、42 第1及び第2連結層