(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機100の適例としてのパチンコ遊技機100について説明を行う。
図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。
なお、遊技機100の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技盤1を取り付ける前面枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿や下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
【0019】
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(例えば、木製若しくは合成樹脂製等)を備え、当該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0020】
遊技領域1aの略中央には、前面側が開口したセンターケース200(詳細後述)が取り付けられている。
センターケース200の右側部やや上寄りの位置には、普図始動ゲート4が配設されている。
【0021】
普図始動ゲート4は、普図始動領域を構成する始動領域構成部をなす。即ち、普図始動ゲート4内には、当該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(
図3参照)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過してゲートSW4aから遊技球の検出信号が出力されると、普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器15にて表示されるようになっている。
【0022】
普図変動表示ゲームは、遊技状態表示装置160(後述)の普図表示器5で実行されるようになっている。普図表示器5は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当たりを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。
なお、液晶表示装置43の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は普通識別情報として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様(特定結果)となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0023】
センターケース200の奥側には、可動役物装置500を備える可動役物構成装置400(詳細後述)が配設されている(
図2参照)。具体的には、センターケース200は、遊技盤1の略中央部に形成された取付用開口部(図示略)に手前側から嵌め込まれるように取り付けられている。そして、センターケース200の窓部200aの内側に可動ユニット510(後述)が配置されるように、遊技盤1に対して裏側から可動役物装置500を備える可動役物構成装置400が取り付けられるようになっている。
そして、可動役物構成装置400の裏側には、液晶表示装置43が配設され(
図1参照)、当該可動役物構成装置400の略中央部の開口を介して表示部43aが視認されるようになっている。
なお、センターケース200及び可動役物構成装置400の各構成については後述する。
【0024】
液晶表示装置43は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部43aがセンターケース200の窓部200aを介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。そして、液晶表示装置43は、変動表示装置として、変動表示ゲームをなす特図変動表示ゲームに対応して複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームを実行可能となっている。
なお、液晶表示装置43は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
【0025】
センターケース200の下方には、第1の始動入賞領域をなす第1始動入賞口13が設けられている。そして、遊技球が第1始動入賞口13に入賞した場合は、特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
即ち、第1始動入賞口13の内部には第1始動口SW13a(
図3参照)が備えられ、この第1始動口SW13aによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第1特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。
【0026】
第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で第1始動記憶として記憶される。
そして、第1始動記憶は、遊技状態表示装置160(後述)の第1特図記憶表示器18に表示される。また、第1特図記憶表示器18の表示に対応して表示部43aに第1保留数(始動記憶)表示がなされる。
【0027】
第1始動入賞口13の下方には、特別変動入賞装置10が設けられている。
特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置10は、例えば、駆動装置としての大入賞口SOL10b(
図3参照)により駆動される開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントSW10c(
図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置10の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。
【0028】
また、センターケース200の右下には、第2の始動入賞領域(特図始動領域)をなす普通変動入賞装置7が設けられている。そして、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞した場合は、特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0029】
普通変動入賞装置7は、後述するように遊技盤1に対してユニット化して取り付けられる普電ユニット600として構成されている(
図12参照)。また、普通変動入賞装置7は、左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態、第1状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置7の上方には、閉塞部材601が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b;
図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、第2状態)に変化させられるようになっている。
【0030】
普通変動入賞装置7の内部には第2始動口SW7d(
図3参照)が備えられ、この第2始動口SW7dによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第2特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。
第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば、4)の範囲内で第2始動記憶として記憶される。
そして、第2始動記憶は、遊技状態表示装置160(後述)の第2特図記憶表示器19にて表示される。また、第2特図記憶表示器19の表示に対応して表示部43aに第2保留数(始動記憶)表示がなされる。
【0031】
これらの他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(
図3参照)が配設されている。
そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、第1始動入賞口13、普通変動入賞装置7、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51(
図3参照)によって排出される(払い出される)ようになっている。
【0032】
また、遊技盤1の前面右下であってガイドレール2の外側には、遊技状態表示装置160が設けられている。
遊技状態表示装置160には、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5と、第1特図変動表示ゲームを表示する第1特図表示器8と、第2特図変動表示ゲームを表示する第2特図表示器9と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器15と、第1特図変動表示ゲームの未処理回数(第1始動記憶)を表示する第1特図記憶表示器18と、第2特図変動表示ゲームの未処理回数(第2始動記憶)を表示する第2特図記憶表示器19と、大当り状態であるか否かを表示する大当り表示器20と、特別遊技状態となった場合のラウンド数(例えば、2R、15R)を表示するラウンド数表示器21と、変動時間短縮機能の作動の有無や電源投入時に高確率状態(時短の有無も含む)となっているか否かを表示する遊技状態表示器22と、通常状態の左打ちや時短状態の右打ち(強打ち)を指示表示する打ち方指示表示器23とが設けられている。
なお、普図記憶表示器15、普図表示器5、第1特図記憶表示器18、第2特図記憶表示器19、大当り表示器20、ラウンド数表示器21、遊技状態表示器22、打ち方指示表示器23は、消灯、点灯、点滅等を行うことで遊技状態を表す遊技状態表示LED6として一体に設けられている。
【0033】
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、第1特図表示器(変動表示装置)8及び第2特図表示器(変動表示装置)9で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、液晶表示装置43にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、第1特図表示器8若しくは第2特図表示器9の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して液晶表示装置43の表示態様も特別結果態様となる。
【0034】
なお、第1特図表示器8、第2特図表示器9は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、液晶表示装置43も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の液晶表示装置43や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の液晶表示装置43や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機100に第1特図表示器8、第2特図表示器9を備えずに、液晶表示装置43のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0035】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口13(若しくは、普通変動入賞装置7)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口13(若しくは、普通変動入賞装置7)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0036】
また、
図3に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御手段をなす遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
【0037】
遊技制御装置30は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
【0038】
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数などの各種乱数値なども生成している。
【0039】
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な液晶表示装置43を有し、該液晶表示装置43が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機100において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、液晶表示装置43の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、液晶表示装置43の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0040】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して液晶表示装置43に表示される飾り特図変動表示ゲームが、液晶表示装置43における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1、スペシャルリーチ2が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャルリーチ1<スペシャルリーチ2の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定されると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0041】
RAM31cは、第1始動入賞口13に設けられた第1始動口SW13aや普通変動入賞装置7に設けられた第2始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。
ROM31bには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターンの判定値などが記憶されている。また、普図変動表示ゲームの当たり判定値、普図変動表示ゲームの変動パターンも記憶されている。
【0042】
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1始動口SW13a、第2始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、内枠開放SW121、排出発射制御装置50などが接続されている。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。
なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものであり、内枠開放SW121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。
【0043】
また、入出力インタフェース33には、CPU31aから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、当該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、第1特図表示器8や、第2特図表示器9や、第1特図記憶表示器18、第2特図記憶表示器19、普図表示器5、普図記憶表示器15、大当り表示器20、ラウンド数表示器21、遊技状態表示器22、打ち方指示表示器23を含む遊技状態表示LED6や、大入賞口SOL10bや、普電開閉SOL7bや、遊技機100外部の管理装置150などと接続する外部出力端子16や、演出制御装置40や、排出発射制御装置50に出力される。
【0044】
サブ制御装置としての演出制御装置40は、制御装置としてのCPU40a、ROM40b、RAM40c、入出力インタフェースや、表示装置(液晶表示装置)43における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、画像や映像データが記憶されたCGROM40dなどを含むビデオ回路、グラフィックプロセッサとしてのVDP40e(video display processor)を備えている。また、遊技盤1や当該遊技盤1の前方を覆うクリア
部材保持枠に設けられた装飾用の各種LED45などを駆動するドライバ40f、音の出力を制御する音源LSI40gを備えている。
【0045】
この演出制御装置40は、図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30が接続されている。そして、遊技制御装置30から出力されて入力される各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))は、当該入出力インタフェースにより中継されて、CPU40aに対し出力される。演出制御装置40は、遊技制御装置30から受信した演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機100の制御を行う。また、入出力インタフェースには、上皿に設けられた操作手段をなす操作ボタン158から出力された検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40はこれらの検出信号に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、遊技機100の制御を行う。また、入出力インタフェースには、可動役物装置500に設けられた始動位置検出センサ590や回動検出センサ519から出力された検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40はこれらの検出信号に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、ユニット駆動モータ520や回動駆動モータ513の制御を行う。
【0046】
さらに、入出力インタフェースには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、当該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバ40fを介して各種LED45、可動役物装置500のユニット駆動モータ520や回動駆動モータ513や揺動用ソレノイド570などに出力される。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40eに出力され、VDP40eから当該制御信号に基づく画像データが液晶表示装置43に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音源LSI40gに出力され、音源LSI40gから当該制御信号に基づく音声データがスピーカ145に出力される。
【0047】
サブ制御装置としての排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行うようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドルに触れることで、操作ハンドルに設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドルに設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、当該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
【0048】
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0049】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31のCPU31aでは、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a、7aを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0050】
また、第1始動入賞口13に備えられた第1始動口SW13aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM31bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置7に備えられた第2始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM31bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
【0051】
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置40に出力する。そして、第1特図表示器8や第2特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、液晶表示装置43で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、スピーカ145からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理、可動ユニット510の上下動及び回動部材512の回動を制御する処理等を行う。
【0052】
そして、遊技制御装置30のCPU31aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、第1特図表示器8や第2特図表示器9に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU31aは、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒または1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回または2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、第1特図表示器8や第2特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0053】
また、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置7を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が2秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置7の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置7の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、2秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0054】
また、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置7の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0055】
このように、遊技制御装置30は、所定の特別遊技状態の終了後に、普通変動入賞装置7が開状態に変換される頻度が通常状態よりも高い頻度に変更される時短状態や確変状態等の特定遊技状態を発生させる特定遊技状態制御手段をなす。
【0056】
次に、センターケース200について
図4〜
図11を参照して説明する。
図4は、センターケース200を示す分解斜視図である。
【0057】
図4に示すように、センターケース200は、遊技盤1に取付固定されるケースベース部材(ベース部)210を備えている。
ケースベース部材210は、遊技盤1に螺着するためのネジ穴が複数形成された枠状の部材であり、当該ケースベース部材210の前面側には、鎧部220、普図始動ゲート4、防護部材230及び前面側装飾部材240が取り付けられている。また、ケースベース部材210の後面側には、後面側装飾部材250及びステージ部300が取り付けられている。
【0058】
鎧部220、普図始動ゲート4、防護部材230及び前面側装飾部材240は、ケースベース部材210の前面側の略全域を手前側から被覆するように取り付けられている。
【0059】
先ず、鎧部220及び防護部材230について
図5〜
図7を参照して詳細に説明する。
図5は、センターケース200から鎧部220及び防護部材230が取り外された状態を示す分解斜視図である。また、
図6は、センターケース200の鎧部220及び防護部材230が配設された部分を手前側右斜め上方から視て拡大して示す分解斜視図であり、
図7は、センターケース200の鎧部220及び防護部材230が配設された部分を奥側右斜め下方から視て拡大して示す分解斜視図である。
【0060】
図5に示すように、鎧部220は、ケースベース部材210の上部に取り付けられ、当該ケースベース部材210の表面から前方に庇状に突出した形状に形成されている。鎧部220の前端部は、遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置され、これにより、遊技球がセンターケース200の内側に流入するのを防止している。
また、鎧部220は、屋根を模した形状に形成され、その表面に、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されている。鎧部220の頂点部221は、ケースベース部材210の左右方向の中央部よりも向かって右側に位置するように配置されている。即ち、鎧部220は、センターケース200の上部であって普通変動入賞装置7側(右側の遊技領域1a側)に配設されている。
また、鎧部220の頂点部221から右斜め下方に向かって緩やかに湾曲するように傾斜した円弧状の右片部222の方が、頂点部221から左斜め下方に向かって緩やかに湾曲するように傾斜した円弧状の左片部223に比べてわずかに短くなっている。
鎧部220の右片部222の上側には、防護部材230が配設されている(
図2参照)。
【0061】
防護部材(第1防護部材)230は、例えば、樹脂製の透明な部材であり、鎧部220の右片部222を上側から被覆するように配設され、遊技領域1a内に発射された遊技球の鎧部220の右片部222に対する衝突を防護するようになっている。
防護部材230は、
図5〜
図7に示すように、ケースベース部材210と鎧部220とにより挟持されてセンターケース200に取り付けられる防護ベース部231と、この防護ベース部231の上端部に庇状に形成された防護本体部232とを備えている。
【0062】
図6及び
図7に示すように、防護ベース部231の裏面側には、ケースベース部材210の防護部材取付部211の凹部211aと係合する位置決め用の二つの突起部231aが所定間隔を空けて配設されている。これら二つの突起部231a、231aの内側には、当該防護部材230をセンターケース200に螺着するためのネジ穴231bが防護ベース部231を貫通して二つ形成されている。
また、右側の突起部231aよりも右側であってわずかに上側には、鎧部220の裏面側に形成された位置決め用の突起部222aと係合する貫通孔部231cが形成されている。
【0063】
そして、防護部材230のセンターケース200に対する取付けに際しては、先ず、防護ベース部231の二つの突起部231a、231aの各々をケースベース部材210の二つの凹部211a、211aの各々に係合させるとともに、防護ベース部231の貫通孔部231cに鎧部220の突起部222aを係合させることで、当該防護部材230(防護ベース部231)をセンターケース200に対して位置決めする。その後、ケースベース部材210のネジ穴211b、防護ベース部231のネジ穴231b、鎧部220のネジ穴222bの順に、ケースベース部材210の裏面側から螺着用ネジ(図示略)を螺子込むことで、防護部材230がセンターケース200に対して固定された状態となる。
なお、鎧部220は、さらにケースベース部材210や後面側装飾部材250に形成された他のネジ穴を介して螺着されるようになっている。
【0064】
防護本体部232は、鎧部220の頂点部221近傍から鎧部220の右片部222の先端部近傍まで緩やかに湾曲するように傾斜して上向きに凸の円弧状に形成されている。また、防護本体部232の前端部は、遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置されている。即ち、防護部材230がセンターケース200に取り付けられた状態で、鎧部220の上方にて当該鎧部220側に遊技球が流入する空間を形成しないように、防護本体部232は防護ベース部231の前面(遊技盤1前面側)から前方に突出して形成されている。これにより、遊技球が鎧部220に衝突するのを回避している。
ここで、防護部材230は、遊技領域1a内に発射された遊技球の鎧部220に対する衝突を回避する衝突回避手段を構成している。
【0065】
ケースベース部材210の鎧部220の下側には、前面側装飾部材240が取り付けられ、ケースベース部材210の正面視にて右側部には、普図始動ゲート4が取り付けられている(
図8参照)。即ち、普図始動ゲート4は、遊技領域1aの第2の始動入賞領域(特図始動領域)をなす普通変動入賞装置7側に設けられている。
【0066】
図8は、センターケース200の普図始動ゲート4を示す分解斜視図である。
図8に示すように、普図始動ゲート4は、ケースベース部材210に対するベース取付部260を備え、このベース取付部260に形成されたネジ穴260a、ケースベース部材210のネジ穴210aの順に、ベース取付部260aの前面側から螺着用ネジ(図示略)を螺子込むことで、普図始動ゲート4がセンターケース200に対して固定された状態となる。そして、普図始動ゲート4や鎧部220や防護部材230等を具備するセンターケース200が、一ユニットとして遊技盤1に取付固定されるようになっている。
即ち、普図始動ゲート4は、第1ユニットベース部としてのケースベース部材210や、鎧部220や防護部材230等の他の部材とともにユニット化されたセンターケース200を構成している。
【0067】
また、普図始動ゲート4は、螺着用ネジが取り外されることで、ケースベース部材210から取り外すことができるようになっている。即ち、普図始動ゲート4は、ケースベース部材(第1ユニットベース部)210に対して着脱自在に構成されている。
【0068】
前面側装飾部材240の正面視にて左側部には、遊技領域1aの当該センターケース200外部であって左側(普通変動入賞装置7と反対側)を流下する遊技球をステージ部300まで流入可能なワープ流路241が形成されている。
即ち、センターケース200の外周壁の左側部には、ワープ流路241への入口となるワープ入口242が形成されている。ワープ入口242は、左上方に向かって開口するように形成され、当該ワープ入口242を介して導入された遊技球はワープ流路241を通って排出口243からセンターケース200内に排出される。
排出口243は、センターケース200の内周壁の左側部に右方に向けて開口するように形成され、排出口243から排出された遊技球は、ステージ部300の左端部に排出される(
図10(a)等参照)。
【0069】
ステージ部300は、センターケース200の開口部の下部に設けられ、具体的には、ケースベース部材210に対して裏側から取付固定されている(
図4等参照)。
【0070】
ここで、ステージ部300について
図9〜
図11を参照して説明する。
図9は、ステージ部300を示す平面図である。また、
図10(a)及び
図10(b)は、ステージ部300を示す斜視図であり、ステージ部300の第1転動部330における遊技球の転動状態を説明するための図である。また、
図11(a)及び
図11(b)は、ステージ部300を示す斜視図であり、ステージ部300の第2転動部340における遊技球の転動状態を説明するための図である。
【0071】
図9〜
図11に示すように、ステージ部300は、排出口243から排出された遊技球が流入される傾斜路310と、この傾斜路310から遊技球が流入される第1振分部320と、この第1振分部320に連続して形成された第1及び第2転動部330、340と、第1始動入賞口(入賞部)13の上方に配置された球誘導路350と、この球誘導路350の左右に配置された床面部360、360と、第1転動部330若しくは第2転動部340を転動して流入された遊技球を球誘導路350と床面部360とに振り分ける第2振分部370とを備えている。
【0072】
傾斜路310は、前後方向に延在するように形成され、排出口243から排出された遊技球が当該傾斜路310の前端部から流入される。また、傾斜路310の奥側は、手前側に対してわずかに高くなっており、当該傾斜路310を流下転動することで遊技球の勢いが弱められるようになっている。
傾斜路310の中途部、具体的には、前後方向中央部やや手前側の位置は、第1振分部320と連通されており、当該傾斜路310を経て排出される遊技球は第1振分部320に流入される。
【0073】
第1振分部320は、ステージ部300の後端縁部に形成された第1転動部330と前端縁部に形成された第2転動部340とを繋ぐように前後方向に延在して形成されている。また、第1振分部320の右側壁は、当該第1振分部320の転動面に対してわずかに起立して形成されている。さらに、第1振分部320の前後方向略中央部が両端部に比べてわずかに高くなっており、これにより、第1振分部320に流入された遊技球が第1転動部330若しくは第2転動部340に振分けられるようになっている。
なお、傾斜路310から流入してくる遊技球の勢いがあまりにも強くない限り、第1転動部330若しくは第2転動部340に振り分けられるが、遊技球の勢いが強すぎると当該第1振分部320の右側壁に衝突した後、右側壁を乗り越えて床面部360に流入することがある。
【0074】
第1転動部330は、ステージ部300の後端縁部に沿って形成され、転動面に連続して形成された前後の側壁によって溝状に形成されている。また、第1転動部330の中途部、具体的には、左右方向略中央部に第2振分部370が設けられている。そして、第1転動部330の第2振分部370の配設部分が左右方向両端部に比べて低くなっており、第1転動部330を転動する遊技球が集められるようになっている。
【0075】
また、第1転動部330の両側壁の第1振分部320と第2振分部370との間の所定位置には、側壁の内面から内側に突出した凸部331が複数(例えば、一の側壁に対して二つずつ)形成され、これら凸部331、…に遊技球が衝突することで遊技球の勢いが弱められるとともに、当該遊技球の転動態様に動きを持たせることができるようになっている。
さらに、第1転動部330の両側壁の第1振分部320と反対側(第2振分部370よりも右側)の所定位置にも、側壁の内面から内側に突出した凸部331が所定数(例えば、一の側壁に対して一つずつ)形成されている。これにより、第1転動部330を転動して第2振分部370に流入せずに当該第2振分部370よりも右側に転動した遊技球や、第2転動部340から後述する傾斜連通路380を経て第1転動部330に流入された遊技球の勢いがこれら凸部331、…によって弱められるとともに、当該遊技球の転動態様に動きを持たせることができるようになっている。
【0076】
第2転動部340は、ステージ部300の前端縁部に沿って形成され、転動面に連続して形成された前後の側壁によって溝状に形成されている。この第2転動部340は、正面視にて略中央部が上向きにわずかに突出するように「W」字状に形成されている。また、第2転動部340の中途部、具体的には、左右方向略中央部にて、奥側の側壁が一部分切り欠かれるとともに、転動面が手前側から奥側に下向きに傾斜した「V」字状に形成されることで、第2振分部370に対する遊技球の流入を案内するガイド部341が形成されている。
また、奥側の側壁のガイド部341の左右両側部分、即ち、「W」字状に形成された第2転動部340の最も低い部分もそれぞれ切り欠かれるとともに、転動面が手前側から奥側に下向きに傾斜するように形成されることで、床面部流入用出口342がそれぞれ形成されている。そして、第2転動部340を転動する遊技球が床面部流入用出口342から排出されることで、床面部360に流入されるようになっている。
さらに、第2転動部340の右端部には、手前側から奥側に下向きに傾斜して第1転動部330と連通する傾斜連通路380が設けられている。
【0077】
従って、第1振分部320により振り分けられて第2転動部340に流入された遊技球は、その勢いに応じて第2転動部340の左側の床面部流入用出口342から床面部360に排出されるか、或いは、ガイド部から第2振分部370に流入されるか、或いは、第2転動部340の右側の床面部流入用出口342から床面部360に排出されるか、或いは、傾斜連通路380を経て第1転動部330に流入されることとなり、当該ステージ部300(第2転動部340)における遊技球の転動態様にバリエーションを持たせて興趣を向上させることができる。
【0078】
第2振分部370は、平面視にて円形状に形成され(
図9参照)、その奥側の一部分が第1転動部330に食い込んで当該第1転動部330を分断するように配置されている。この第2振分部370の底面は、第1転動部330の転動面よりもわずかに低くなっており、第1転動部330を流下転動する遊技球が第2振分部370に流入し易くなっている。また、第2振分部370は、第1転動部330に食い込んでない部分の外周を取り囲むように外周壁が形成され、この外周壁は第1転動部330の手前側の側壁と連続した状態となっている(
図10(a)等参照)。
【0079】
また、第2振分部370の左右方向略中央部には、それぞれ略円形状の第1開口部371及び第2開口部372が前後方向に並んで形成されている(
図9等参照)。第1開口部371及び第2開口部372は、当該第2振分部370の底面を貫通して形成されている。
【0080】
第1開口部371は、第2振分部370の中心よりも奥側に形成されている。そして、第1開口部371を通過する遊技球は、当該第1開口部371の略真下の流下方向変換部373(
図9参照)によって左右何れかの床面部360側に流下方向が変換されることで、何れかの床面部360に流入可能となっている。
なお、第1開口部371の縁部には、その前後方向中央部やや奥側の位置から手前側にかけて起立壁が連続して形成されており、当該起立壁の内側に衝突する遊技球が第2開口部372側に流入し難くなっているとともに、当該起立壁の外側に衝突する遊技球が第1開口部371側に流入し難くなっている。即ち、第1開口部371の縁部の起立壁に遊技球が衝突することで、当該遊技球の転動態様に動きを持たせることができるようになっている。
【0081】
第2開口部372は、第1開口部371の手前側であって第2振分部370の中心よりも手前側に形成されている。また、第2開口部372は、第2転動部340のガイド部341よりも奥側に当該ガイド部341と前後方向に並んで形成されている。この第2開口部372の略真下には球誘導路350が配設されており、当該第2開口部372を通過する遊技球は球誘導路350に流入可能となっている。
なお、第2開口部372は、第1開口部371よりもわずかに大径に形成されている。
【0082】
球誘導路350は、奥側(第2開口部372側)から手前側に下向きに傾斜するように形成されている。また、球誘導路350の第2開口部372と反対側の出口が第1始動入賞口13の略直上に配設されている。これにより、球誘導路350に流入された遊技球は、奥側から手前側に流下して前面側装飾部材240の開口244(
図5等参照)を介して排出されることで、第1始動入賞口13に入賞し易いようになっている。
【0083】
左右の床面部360、360の各々は、球誘導路350の左右の起立壁に連続して形成されている。また、各床面部360は、左右方向略中央部が両端部よりもわずかに低くなるように下向きに凹んで湾曲して形成されるとともに、奥側から手前側に傾斜するように形成された幅広の転動面を有している。これにより、第2振分部370の第2開口部372を介して球誘導路350に流入しなかった遊技球でも、床面部360の転動面上を転動することで球誘導路350に流入可能となっている。
【0084】
ここで、ステージ部300における遊技球の流下転動態様について説明する。
先ず、ワープ流路241を介してステージ部300に流入される遊技球は、傾斜路310を経て第1振分部320に流入されるが、このとき、遊技球が傾斜路310を手前側から奥側に流下転動することから、大部分は奥側の第1転動部330に振り分けられる。そして、第1転動部330の複数の凸部331、…に対する衝突より遊技球が減速されながら当該第1転動部330を流下転動していき、第2振分部370に流入する。
第2振分部370に流入した遊技球は、その勢いが弱いと直接第1開口部371や第2開口部372に流入して床面部360若しくは球誘導路350に振り分けられる。一方、勢いが強い遊技球は、当該第2振分部370の外周に沿ってくるっと回転するように転動し、これにより、勢いが弱められた遊技球が第1開口部371や第2開口部372に流入し易くなって、第1開口部371及び第2開口部372のうちの何れか一方を通過することで床面部360若しくは球誘導路350に振り分けられる。
球誘導路350に振り分けられた遊技球は、当該球誘導路350を奥側から手前側に転動して第1始動入賞口13の略真上に排出される。一方、床面部360に振り分けられた遊技球は、当該床面部360の転動面を転動することで球誘導路350に流入する可能性もあるが、大部分は第1始動入賞口13の左右両側に排出される。
【0085】
一方、第1振分部320によって手前側の第2転動部340に振り分けられた遊技球は、当該第2転動部340を流下転動していき、その勢いに応じて第2転動部340の左側の床面部流入用出口342から床面部360に排出されるか、或いは、ガイド部341から第2振分部370に流入されるか、或いは、第2転動部340の右側の床面部流入用出口342から床面部360に排出されるか、或いは、傾斜連通路380を経て第1転動部330に流入されることとなる。
このうち、ガイド部341により第2振分部370に流入された遊技球は、当該ガイド部341よりも奥側に形成された第2開口部372に流入し易くなっており、これにより、遊技球が球誘導路350に流入し易くなっている。特に、第2開口部372は第1開口部371に対して大径に形成されているため、第2転動部340のガイド部341を経て第2振分部370に流入される遊技球は、第2開口部372に流入し易くなっている。
【0086】
遊技盤1のセンターケース200の右下方には、普通変動入賞装置7を具備する普電ユニット600が配設されている(
図1参照)。
ここで、普電ユニット600について
図12を参照して説明する。
図12(a)は、遊技機100の普電ユニット600を示す斜視図であり、
図12(b)は、普電ユニット600から普通変動入賞装置7を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【0087】
普電ユニット600は、普通変動入賞装置7と一般入賞口12や装飾用ランプ(図示略)等の他の部材とを一ユニットとして遊技盤1に取付固定されるものである。
具体的には、普電ユニット600は、普通変動入賞装置7や一般入賞口12とが取り付けられた普電ユニットベース部(第2ユニットベース部)610を備えている。普電ユニットベース部610の上部には、普通変動入賞装置7が取り付けられる普電取付部611(
図12(b)参照)が設けられている。
一方、普通変動入賞装置7には、普電ユニットベース部610に対するベース取付部620が設けられている。ベース取付部620の奥側には、普電開閉SOL7bが配設されている。
そして、普電ユニットベース部610の普電取付部611に普通変動入賞装置7を取り付けた後、この普通変動入賞装置7のベース取付部620に形成されたネジ穴620a、普電取付部611のネジ穴611aの順に、ベース取付部620の前面側から螺着用ネジ(図示略)を螺子込むことで、普通変動入賞装置7が普電ユニットベース部610に対して固定された状態となる。そして、普通変動入賞装置7や一般入賞口12等を具備する普電ユニット600が、一ユニットとして遊技盤1に取付固定されるようになっている。
即ち、普通変動入賞装置7は、第2ユニットベース部としての普電ユニットベース部610や、一般入賞口12等の他の部材とともに一ユニットの普電ユニット600を構成している。
【0088】
また、普通変動入賞装置7は、螺着用ネジが取り外されることで、普電ユニットベース部610から取り外すことができるようになっている。即ち、普通変動入賞装置7は、普電ユニットベース部(第2ユニットベース部)610に対して着脱自在に構成されている。
【0089】
なお、普電ユニットベース部610と一般入賞口12とは、一体となって構成されても良いし、普電ユニットベース部610に対して一般入賞口12が着脱自在に別体で構成されても良い。
【0090】
次に、可動役物構成装置400について
図13〜
図20を参照して説明する。
図13は、可動役物構成装置400を示す分解斜視図である。
図13に示すように、可動役物構成装置400は、構成装置ベース部材410を備え、この構成装置ベース部材410の内側に、可動ユニット510を具備する可動役物装置500と、可動演出装置420と、装飾部材430と、LED基板440とが配設されている。
【0091】
構成装置ベース部材410は、遊技盤1に対して裏面側から取付固定されるものであり、前面開口411の箱形状に形成されるとともに、後面部略中央に液晶表示装置43の表示部43aが視認される後側開口412が形成されている。
構成装置ベース部材410の内側には、液晶表示装置43の表示部43aを前面側に露出させるように、可動役物装置500、可動演出装置420、装飾部材430及びLED基板440が四方に配設されている。即ち、構成装置ベース部材410の後側開口412の上側縁部に沿って可動役物装置500が配設され、当該構成装置ベース部材410の後側開口412の右側縁部に沿って可動演出装置420が配設され、当該構成装置ベース部材410の後側開口412の左側縁部に沿って装飾部材430が配設され、当該構成装置ベース部材410の後側開口412の下側縁部に沿ってLED基板440が配設されている。
また、構成装置ベース部材410の手前側のフランジ状の縁部には、遊技盤1に螺着するためのネジ穴が複数形成されている。
【0092】
LED基板440は、左右方向に長尺に形成され、複数(例えば、6つ)のLEDが所定間隔を空けて配設されている。
装飾部材430は、上下方向に長尺に形成され、遊技者により視認可能な手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されている。
可動演出装置420は、例えば、所定の駆動源(例えば、ソレノイド等)の駆動により所定動作する可動役物421が所定数(例えば、3つ;
図13にあっては二つのみ図示)設けられている。これら可動役物421、…は、例えば、上下方向の軸を中心として回動可能に構成され、演出制御装置40の制御下にて遊技状態に応じて動作する。
【0093】
次に、可動役物装置500について
図14〜
図20を参照して詳細に説明する。
図14は、可動役物装置500の可動ユニット510が上側に位置した状態を説明するための図であり、
図14(a)は可動役物装置500を示す正面図、
図14(b)は可動役物装置500を手前側右斜め上方から視て示す斜視図、
図14(c)は可動役物装置500を示す背面図、
図14(d)は可動役物装置500から装置ベース部材540及び左側のLED基板550を取り外した状態を示す背面図である。また、
図15は、可動役物装置500の可動ユニット510が下側に位置した状態を説明するための図であり、
図15(a)は可動役物装置500を示す正面図、
図15(b)は可動役物装置500を示す背面図、
図15(c)は可動役物装置500から装置ベース部材540及び左側のLED基板550を取り外した状態を示す背面図である。
【0094】
図14及び
図15に示すように、可動役物装置500は、役物装置本体部500aの左右方向略中央部に可動ユニット510が配設され、この可動ユニット510が役物装置本体部500aに対して上下動するようになっている。
役物装置本体部500aは、可動ユニット510を上下動させるためのユニット駆動モータ(ユニット用駆動源)520を備え、このユニット駆動モータ520の駆動力を当該役物装置本体部500aに配設された第1〜第5ギヤ531〜535と可動ユニット510に固定されたラック部(ユニット用動力伝達部)544とを介して可動ユニット510に伝達して、この可動ユニット510を上下動させる。
【0095】
ここで、役物装置本体部500aについて
図16〜
図18を参照して詳細に説明する。
図16は、可動役物装置500の揺動部材560の揺動状態を説明するための図であり、
図16(a)は通常状態の可動役物装置500を示す正面図、
図16(b)は揺動後の状態の可動役物装置500を示す正面図、
図16(c)は揺動後の状態の可動役物装置500から装置ベース部材540及び左右のLED基板550、550を取り外した状態を示す背面図である。また、
図17は、可動役物装置500を手前側右斜め上方から視て示す分解斜視図であり、
図18は、可動役物装置500を奥側右斜め上方から視て示す分解斜視図である。
【0096】
図16〜
図18に示すように、役物装置本体部500aは、ユニット駆動モータ520と、このユニット駆動モータ520の駆動力を伝達する第1〜第5ギヤ531〜535と、ユニット駆動モータ520及び第1〜第5ギヤ531〜535が取り付けられる装置ベース部材540と、この装置ベース部材540に取付固定される左右両側のLED基板550、550と、可動ユニット510の左右両側にて揺動動作する左右の揺動部材560、560と、これら揺動部材560、560を揺動させる左右の揺動用ソレノイド570、570と、これら揺動用ソレノイド570、570が裏面側に取り付けられるとともに、ユニット駆動モータ520、第1〜第5ギヤ531〜535及び左右両側のLED基板550、550を前面側から被覆するカバー部材580とを備えている。
【0097】
装置ベース部材540は、左右方向に長尺な部材であり、その略中央部に、可動ユニット510の二本のガイド軸511、511が挿通されるガイド孔541が形成されている。
ガイド孔541は、上下方向に長尺に形成された長孔であり、可動ユニット510に備わる上下方向に並んだ二本のガイド軸511、511が挿通される。
また、各ガイド軸511の基端部及び、挿通されたガイド孔541の裏面側から突出する先端部には、それぞれ筒状部材542が取り付けられている。各筒状部材542は、ガイド孔541の内側に挿入される本体部に連続して鍔部が形成されている。本体部の外径は、ガイド孔541の内径と略等しいか、或いは、これよりもわずかに小径とされている。
これにより、ガイド孔541に二本のガイド軸511、511が挿通された状態で、各ガイド軸511に取り付けられた筒状部材542の本体部がガイド孔541の内面を摺動することにより、当該ガイド軸511(可動ユニット510)の上下動が案内される。
【0098】
また、装置ベース部材540の前面側の左側部には、ユニット駆動モータ520が取付固定されるモータ取付部543が設けられている。
装置ベース部材540のモータ取付部543の右側には、第1〜第5ギヤ531〜535の各々が回動自在に取り付けられる第1〜第5回動軸540a〜540eが設けられている。
【0099】
第1回動軸540aは、装置ベース部材540のモータ取付部543よりも右側に設けられ、当該第1回動軸540aに取り付けられた第1ギヤ531がユニット駆動モータ520の出力軸に固定された駆動ギヤ520aと噛み合うようになっている。
第2回動軸540bは、第1回動軸540aよりも右側に設けられ、当該第2回動軸540bに取り付けられた第2ギヤ532が第1ギヤ531と噛み合うようになっている。
第3回動軸540cは、第2回動軸540bよりも右側に設けられ、当該第3回動軸540cに取り付けられた第3ギヤ533が第2ギヤ532と噛み合うようになっている。
第4回動軸540dは、第3回動軸540cよりも右側、且つ、下側に設けられ、当該第4回動軸540dに取り付けられた第4ギヤ534が第3ギヤ533と噛み合うようになっている。
第5回動軸540eは、第4回動軸540dよりもわずかに右側、且つ、下側に設けられ、当該第5回動軸540eに取り付けられた第5ギヤ535が第4ギヤ534と噛み合うようになっている。
このように、ユニット駆動モータ520の駆動ギヤ520a及び第1〜第5ギヤ531〜535は、隣合うものどうしで互いに噛合しており、駆動ギヤ520aの回動に同期して回動するようになっている。
【0100】
また、第5ギヤ535は、可動ユニット510の上下方向に延在するラック部544とも噛み合うようになっており(
図14(d)等参照)、第5ギヤ535の回動に同期して、ラック部544が取付固定された可動ユニット510が上下方向に移動する。
具体的には、ユニット駆動モータ520の回動方向に応じて可動ユニット510が上下何れかの方向に移動可能となっている。例えば、ユニット駆動モータ520の駆動ギヤ520aが向かって左方向(反時計回り)に回動すると、当該駆動ギヤ520aの回動に同期して、この駆動ギヤ520aと噛合する第1ギヤ531が右方向に、この第1ギヤ531と噛合する第2ギヤ532が左方向に、この第2ギヤ532と噛合する第3ギヤ533が右方向に、この第3ギヤ533と噛合する第4ギヤ534が左方向に、この第4ギヤ534と噛合する第5ギヤ535が右方向にそれぞれ回動し、当該第5ギヤ535と噛合するラック部544を介して可動ユニット510が下方向に移動する。
一方、ユニット駆動モータ520の駆動ギヤ520aが向かって右方向(時計回り)に回動すると、当該駆動ギヤ520aの回動に同期して、第1ギヤ531が左方向に、第2ギヤ532が右方向に、第3ギヤ533が左方向に、第4ギヤ534が右方向に、第5ギヤ535が左方向にそれぞれ回動し、当該第5ギヤ535と噛合するラック部544を介して可動ユニット510が上方向に移動する。そして、可動ユニット510が最上部(始動位置)に配置された状態で始動位置検出センサ590によって検出片591が検出されると、ユニット駆動モータ520の駆動が停止する(詳細後述)。
このように、駆動ギヤ520a、第1〜第5ギヤ531〜535並びにラック部544は、ユニット駆動モータ(ユニット用駆動源)520の駆動力を可動ユニット510に伝達するユニット用動力伝達部を構成している。
【0101】
また、装置ベース部材540の左右両側には、左右のLED基板550、550が取付固定される左右の基板取付部545、545が設けられている。
左右の基板取付部545、545及び左右のLED基板550、550の各々には、カバー部材580に取付固定された左右の揺動用ソレノイド570、570の各々を裏面側に臨ませる開口がそれぞれ形成されている
【0102】
装置ベース部材540の左の基板取付部とガイド孔541との間には、第4、第5ギヤ534、535を前面側から被覆するギヤカバー546が取付固定されるようになっている。
なお、ギヤカバー546の遊技者により視認可能な手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されていても良い。
【0103】
また、装置ベース部材540の右の基板取付部とガイド孔541との間には、始動位置検出センサ590を保持するセンサ保持部592が取付固定されるようになっている。
始動位置検出センサ590は、例えば、光学式のセンサであり、可動ユニット510に取付固定された検出片591を検出する。即ち、ユニット駆動モータ520の駆動により、可動ユニット510が始動位置である最上部に配置された際に、始動位置検出センサ590によって検出片591が検出されるようになっている。そして、始動位置検出センサ590から出力された検出信号が演出制御装置40に入力されると、演出制御装置40は、可動ユニット510が上側にそれ以上移動しないようにユニット駆動モータ520の駆動を制御する。
なお、センサ保持部592の遊技者により視認可能な手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されていても良い。
【0104】
カバー部材580は、左右方向に長尺な部材であり、その略中央部に、可動ユニット510が上下動可能となるように配置されるユニット配置部581が設けられている。
ユニット配置部581は、カバー部材580の底面部から上側に切り欠かれるように形成された下側開口の空間部であり、当該ユニット配置部581内に配置された可動ユニット510の下方への移動及びユニット配置部581外からユニット配置部581内への可動ユニット510の移動を許容する。
【0105】
カバー部材580のユニット配置部581の左右両側には、左右の揺動部材560、560の各々が取り付けられる揺動部材取付部582が設けられている。
揺動部材取付部582は、当該カバー部材580を前後方向に貫通する開口部582aを有し、この開口部582aに揺動部材560の第1〜第3ガイド部561〜563が手前側から挿通されるようになっている。また、揺動部材取付部582は、カバー部材580の裏面側であって開口部582aの上下両縁部に設けられた揺動軸582cの上下の軸受部582bを有している。
【0106】
左右の揺動部材560、560の各々は、所定方向に湾曲して形成され、各揺動部材取付部582に取り付けられることでユニット配置部581を左右から囲むように配置される。各揺動部材560の手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されている。
一方、各揺動部材560の裏面側には、揺動軸582cが挿通される挿通孔がそれぞれ形成された第1〜第3ガイド部561〜563が上下に並んで設けられている。
第1〜第3ガイド部561〜563の各々は、揺動部材560の裏面側から後側に突出するように形成されている。そして、第1〜第3ガイド部561〜563が揺動部材取付部582の開口部582aに手前側から挿通されて、同心となる位置に配置された当該第1〜第3ガイド部561〜563の各挿通孔並びに上下の軸受部582bに揺動軸582cが挿通されることで、揺動部材560が上下方向の揺動軸582cを軸心として揺動自在となる。
【0107】
また、第1ガイド部561と第3ガイド部563により上下に挟まれた第2ガイド部562の先端部には、揺動用ソレノイド570の可動部571の接続孔に遊挿される接続軸562a(
図18参照)が下向きに形成されている。
【0108】
カバー部材580の揺動部材取付部582の外側には、左右の揺動用ソレノイド570、570の各々が取り付けられる左右のソレノイド取付部583、583が設けられている。
各ソレノイド取付部583には、左右の揺動用ソレノイド570、570の各々の可動部571が内側に位置するとともに当該可動部571を左右方向に動作させる向きとなるように各揺動用ソレノイド570が配設されている。即ち、左側の揺動用ソレノイド570は、可動部571がソレノイド本体部に対して右側に位置するように配置され、一方、右側の揺動用ソレノイド570は、可動部571がソレノイド本体部に対して左側に位置するように配置されている。
また、左右の揺動用ソレノイド570、570の各可動部571に設けられた接続孔に、左右の揺動部材560、560の各接続軸562aが前後方向に移動可能に遊挿されている。
【0109】
これにより、通常状態では、左右の揺動用ソレノイド570、570の各々が、各可動部571を内側(中央部側)に動作させることにより、当該可動部571の接続孔に遊挿された接続軸562aを内側に移動させて、各揺動部材560の先端部が奥側に移動するように(即ち、揺動部材560が外側に開くように)動作した状態となっている(
図16(a)参照)。
この状態から、左右の揺動用ソレノイド570、570の各々が、各可動部571を外側(端部側)に動作させることで、当該可動部571の接続孔に遊挿された接続軸562aを外側に移動させて、各揺動部材560の先端部が手前側に移動するように(即ち、揺動部材560が内側に閉じるように)動作する(
図16(b)及び
図16(c)参照)。
なお、左右の揺動用ソレノイド570、570は、同期して動作しても良いし、それぞれ独立して動作しても良い。
【0110】
また、装置ベース部材540にカバー部材580が取り付けられた状態で、カバー部材580と装置ベース部材540との間に生じる左右両側下部の空隙を塞ぐように左右の下側カバー584、584が取り付けられるようになっている。
【0111】
次に、可動ユニット510について
図19及び
図20を参照して説明する。
図19は、可動ユニット510を手前側右斜め上方から視て示す分解斜視図であり、
図20は、可動ユニット510を奥側右斜め上方から視て示す分解斜視図である。
【0112】
可動ユニット510は、回動自在な回動部材(可動役物)512を備え、この回動部材512を当該可動ユニット510の上下方向の動作状態に関わらず独立して動作可能に構成されている。
具体的には、
図19及び
図20に示すように、可動ユニット510は、回動駆動モータ(役物用駆動源)513と、この回動駆動モータ513の駆動ギヤ513aに接続された動力伝達ギヤ514と、回動駆動モータ513及び動力伝達ギヤ514等が取り付けられるユニットベース部材(ベース部)515と、このユニットベース部材515に取り付けられた動力伝達ギヤ514等を収納する収納ケース部516と、この収納ケース部516に取付固定される枠状装飾部材517と、この枠状装飾部材517の手前側に配設された回動部材512と、この回動部材512の手前側に配設された主装飾部材518とを備えている。
【0113】
ユニットベース部材515の裏面側には、
図20に示すように、始動位置検出センサ590によって検出される検出片591が取付固定される検出片取付部515a、二本のガイド軸511、511が取付固定されるガイド取付部515b、ラック部544が取付固定されるラック取付部515c、回動駆動モータ513が取付固定されるモータ取付部515dが設けられている。
モータ取付部515dには、回動駆動モータ513が裏面側から図示しない取付用ネジにより螺着されるようになっている。また、モータ取付部515dには、回動駆動モータ513の出力軸が挿通される開口部515eが形成され、この開口部515eに対して裏面側から挿通されることで前面側に配置された出力軸に駆動ギヤ513aが固定されるようになっている。
なお、モータ取付部515dに取付固定された回動駆動モータ513の裏面側には、裏側カバー部材513bが取り付けられることで、当該回動駆動モータ513の一部分(例えば、接続端子)が裏面側から覆われた状態となっている。
【0114】
また、ユニットベース部材515のモータ取付部515dの左側であって、当該ユニットベース部材515の略中央部には、主装飾部材(非回動部材)518に固定された回動中心構成軸(接続軸)518aが回動不可に取り付けられる取付孔515fが形成されている。そして、この取付孔515fに取付固定された回動中心構成軸518aによって、動力伝達ギヤ514及び回動部材512を回動自在に支持する回動中心軸が構成されている。
即ち、回動駆動モータ513の駆動ギヤ513aと噛合する動力伝達ギヤ514の略中心には、前後に貫通して形成された中心孔514aが設けられている。そして、動力伝達ギヤ514の中心孔514aと取付孔515fとが同心となるように当該動力伝達ギヤ514が配置され、回動中心構成軸518aが動力伝達ギヤ514の中心孔514aに挿通された後、この中心孔514aの裏面側から突出した回動中心構成軸518aの先端部側が取付孔515fに取付固定されることで、動力伝達ギヤ514の回動中心軸が構成される。このように、動力伝達ギヤ514の中心孔514aに回動中心構成軸(接続軸)518aが遊挿されることにより、動力伝達ギヤ514は、回動中心構成軸518aを中心として当該軸周りに回動自在に構成されている。
【0115】
動力伝達ギヤ514の前面側には、回動部材512の係合部512aと係合する被係合部514bが形成されている。
被係合部514bは、中心孔の縁部に連続して形成された凹部であり、正面視にて略「十」字状に形成されている。そして、この被係合部514bに回動部材512の略中心に設けられた回動軸部512bの略「十」字状の係合部512aが嵌め込まれて固定されることで、当該動力伝達ギヤ514と回動部材512とが一体となって回動自在となる。
また、動力伝達ギヤ514は、回動駆動モータ513の駆動ギヤ513aと噛み合った状態となっているので、回動駆動モータ513が駆動することで駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514を介して回動駆動モータ513の駆動力が回動部材512に伝達される。ここで、駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514は、回動駆動モータ(役物用駆動源)513の駆動力を回動部材(可動役物)512に伝達する役物用動力伝達部を構成している。
また、動力伝達ギヤ514の被係合部514bの外側には、回動検出センサ519により検出される検出片519aが配設されている。
【0116】
回動検出センサ519は、例えば、光学式のセンサであり、ユニットベース部材515の前面側の左側部に取付固定されるようになっている。そして、回動駆動モータ513の駆動により回動部材512が回動(回転)する際に、動力伝達ギヤ514の検出片519aを検出することで回動部材512の回動(回転)を検出する。そして、回動検出センサ519から出力された検出信号が演出制御装置40に入力されると、演出制御装置40は、回動部材512の回転数や回転方向に応じて回動駆動モータ513の駆動を制御する。
【0117】
収納ケース部516は、回動駆動モータ513の駆動ギヤ513a、動力伝達ギヤ514、回動検出センサ519等を側方から覆うようユニットベース部材515に取付固定される。
また、収納ケース部516の前面側には、LED基板516aが取付固定されるようになっており、これにより、収納ケース部516に収納された駆動ギヤ513a、動力伝達ギヤ514、回動検出センサ519等が前面側からほぼ覆われた状態となる。
LED基板516aの略中央部には、前後に貫通して形成された挿通孔516bが設けられ、この挿通孔516bに回動部材512の回動軸部512bが挿通されるようになっている。
【0118】
また、収納ケース部516の外側面部には、枠状装飾部材517が取付固定される装飾部材取付部516cが設けられている。
枠状装飾部材517には、LED基板516aの所定数のLEDa1の配置に対応する形状に形成された開口部517aが設けられ、この開口部517aを介してLED基板516aに配設されたLEDa1が前面側(回動部材512側)に露出されるようになっている。
そして、LEDa1は、演出制御装置40の制御下にて、遊技状態に応じて所定の発光態様で発光する。
【0119】
回動部材512は、例えば、樹脂製の透明な部材であり、枠状装飾部材517を前面側から被覆するように配設される。この回動部材512の手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されている。また、回動部材512の裏面側の略中心部には、回動軸部512bが設けられている。
回動軸部512bは、当該回動部材512の裏面側から後方に突出するように形成され、その中心部を前後方向に貫通して貫通孔512cが形成されている。そして、この貫通孔(挿通孔)512cに回動中心構成軸(接続軸)518aが遊挿されることにより、回動部材512は、回動中心構成軸518aを中心として当該軸周りに回動自在となる。具体的には、主装飾部材518の回動中心構成軸518aが回動軸部512bの貫通孔512cに挿通された後、さらに動力伝達ギヤ514の中心孔514aに挿通されて、この中心孔514aの裏面側から突出した回動中心構成軸518aの先端部側がユニットベース部材515の取付孔515fに取付固定されることで、回動部材512が回動中心構成軸518aを中心として回動自在となる。即ち、回動部材512の貫通孔512c及び動力伝達ギヤの中心孔514aに回動自在に挿通された主装飾部材518の回動中心構成軸518aがユニットベース部材515の取付孔515fに回動不可に取付固定されることで、一体となって回動する回動部材512及び動力伝達ギヤ514を回動自在に支持する回動中心軸が構成される。
なお、回動軸部512bは、回動部材512の中心から偏心した位置に設けられても良い。
【0120】
また、回動軸部512bの先端部には、貫通孔512cの縁部に連続して、被係合部514bの被係合部514bに嵌め込まれる背面視略「十」字状の係合部512aが形成されている。
また、貫通孔512cの手前側部分は、後側部分に比べて大径に形成され、筒状部材518bが取り付けられた回動中心構成軸518aを挿通可能となっている(後述)。
【0121】
また、回動部材512の回動軸部512bの周囲には、当該回動部材512よりも後側に設けられたLEDa1の発光を屈折させ散乱させる加工レンズ部512dが形成されている。この加工レンズ部512dは、回動部材512の裏面側の中央部(回動軸部512b)の周囲部分が特殊形状に加工されることで形成される。
【0122】
主装飾部材518は、回動部材512を前面側から被覆するように配設される。この主装飾部材518の手前側の面には、例えば、色彩や模様や造形等の所定の装飾が施されている。また、主装飾部材518の裏面側の略中心部には、回動中心構成軸518aが設けられている。
回動中心構成軸518aは、当該主装飾部材518の裏面側から後方に突出するように形成され、当該回動中心構成軸518aに取り付けられた筒状部材518bを介して回動部材512の貫通孔512cに挿通されている。
【0123】
以上のように、本実施形態の遊技機100によれば、前面に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、遊技領域1aに設けられ、遊技状態に応じて所定動作する可動役物装置500と、を備える遊技機100において、可動役物装置500は、所定動作する可動役物(回動部材512)を有する可動ユニット510と、可動ユニット510を動作させるためのユニット用駆動源(ユニット駆動モータ520)と、ユニット用駆動源の駆動力を可動ユニット510に伝達するユニット用動力伝達部(駆動ギヤ520a、第1〜第5ギヤ531〜535並びにラック部544)と、を備え、可動ユニット510は、可動役物(回動部材512)を動作させるための役物用駆動源(回動駆動モータ513)と、役物用駆動源の駆動力を可動役物に伝達する役物用動力伝達部(駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514)と、を有し、可動役物は、可動ユニット510の動作状態に関わらず独立して動作可能に構成されている。
【0124】
従って、可動役物装置500に備わるユニット用駆動源(ユニット駆動モータ520)及びこのユニット用駆動源の駆動力を可動ユニット510に伝達するユニット用動力伝達部(駆動ギヤ520a、第1〜第5ギヤ531〜535並びにラック部544)によって、可動役物(回動部材512)を有する可動ユニット510を動作させることができるだけでなく、可動ユニット510に備わる役物用駆動源(回動駆動モータ513)及びこの役物用駆動源の駆動力を可動役物(回動部材512)に伝達する役物用動力伝達部(駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514)によって、可動ユニット510の可動役物を、当該可動ユニット510の動作状態に関わらず独立して動作させることができるので、可動役物装置500の動作内容が単調とならないように可動役物をより複雑に動作させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0125】
また、可動ユニット510は、可動役物(回動部材512)の後側に配設され、遊技状態に応じて所定の発光態様で発光する発光部(LEDa1)を備え、可動役物には、発光部の発光を屈折させ散乱させるレンズ部(加工レンズ部512d)が設けられている。
【0126】
従って、可動役物(回動部材512)の後側に配設された発光部(LEDa1)の発光をレンズ部(加工レンズ部512d)によって屈折させ散乱させることができるので、可動役物の動作態様に応じて発光部の発光態様を変更することで、可動役物の動作と発光部の発光により所定の遊技状態の演出態様をより華やかにして、遊技者の興味を惹き付けることができ、これにより、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0127】
また、可動ユニット510は、役物用駆動源(回動駆動モータ513)が取付けられるベース部(ユニットベース部材515)と、ベース部に回動不可に取付固定される接続軸(回動中心構成軸518a)を具備する非回動部材(主装飾部材518)と、を備え、役物用動力伝達部は、略中心部に接続軸が遊挿される中心孔514aを有し、役物用駆動源と接続される動力伝達ギヤ514を備え、この動力伝達ギヤ514は、中心孔514aに接続軸が遊挿されることで当該接続軸を中心として回動自在に構成され、可動役物は、役物用駆動源の駆動に基づいて、動力伝達ギヤ514と一体となって回動する回動部材512であり、回動部材512は、動力伝達ギヤ514の被係合部514bと係合する係合部512aと、接続軸が遊挿される挿通孔(貫通孔512c)とを有する回動軸部512bを備え、この回動軸部512bの挿通孔に接続軸が遊挿されることで当該接続軸を中心として回動自在に構成され、回動軸部512bの係合部512aと動力伝達ギヤ514の被係合部514bとが係合して固定されるとともに、回動軸部512bの挿通孔及び動力伝達ギヤの中心孔514aに遊挿された非回動部材の接続軸がベース部に回動不可に取付固定されて、当該接続軸により回動部材512及び動力伝達ギヤ514を回動自在に支持する回動中心軸が構成されている。
【0128】
従って、可動ユニット510は、役物用駆動源(回動駆動モータ513)が取付けられるベース部(ユニットベース部材515)と、このベース部に回動不可に取付固定される接続軸(回動中心構成軸518a)を具備する非回動部材(主装飾部材518)と、を備え、可動役物は、動力伝達ギヤ514と一体となって回動する回動部材512であり、この回動部材512の回動軸部512bの係合部512aと動力伝達ギヤ514の被係合部514bとが係合して固定されるとともに、回動軸部512bの挿通孔(貫通孔512c)及び動力伝達ギヤ514の中心孔514aに遊挿された非回動部材の接続軸が可動ユニット510のベース部に回動不可に取付固定されて、当該接続軸により回動部材512及び動力伝達ギヤ514を回動自在に支持する回動中心軸が構成されているので、非回動部材の接続軸を回動部材512及び動力伝達ギヤ514の回動中心軸として用いることができ、回動部材512及び動力伝達ギヤ514の各々に回動用の軸を個別に設ける必要がなくなり、当該遊技機100を構成する部品の部品点数を減少させることができる。
【0129】
また、前面に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、遊技領域1aに設けられ、前面側が開口したセンターケース200と、を備え、遊技領域1aの左右両側のうちの一方の側部に設けられた特図始動領域(普通変動入賞装置7)に対する遊技球の流入に基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機100において、センターケース200は、当該センターケース200を遊技盤1に取付固定するためのベース部(ケースベース部材210)と、該ベース部に取り付けられるとともに、当該センターケース200の上部であって左右両側のうちの特図始動領域側に設けられ、所定の装飾が施された鎧部220と、遊技領域1a内に発射された遊技球の鎧部220に対する衝突を回避する衝突回避手段(防護部材230)と、を備え、衝突回避手段は、ベース部と鎧部220とにより挟持されてセンターケース200に取り付けられ、鎧部220に対する遊技球の衝突を防護する透明な第1防護部材(防護部材230)を備え、第1防護部材は、センターケース200に取り付けられた状態で、鎧部220の上方にて当該鎧部220側に遊技球が流入する空間を形成しないように遊技盤1前面側から前方に突出して形成されている。
【0130】
従って、センターケース200の上部であって左右両側のうちの特図始動領域(普通変動入賞装置7)側に設けられた鎧部220に対する遊技球の衝突が回避されるので、センターケース200の所定の装飾が施された鎧部220を保護することができる。即ち、遊技者が特図始動領域に遊技球を流入させるように遊技領域1aの当該特図始動領域側を狙って遊技球を発射させると、センターケース200の特図始動領域側に設けられた鎧部220に遊技球が衝突して当該鎧部220に傷が生じたり鎧部220の破損や劣化を引き起こし、鎧部220の意匠のデザイン性を低下させる虞があるが、鎧部220に対する遊技球の衝突を回避することで、当該鎧部220を保護することができ、これにより、鎧部220の意匠のデザイン性の低下防止を図ることができる。
特に、センターケース200に取り付けられる透明な第1防護部材(防護部材230)によって、鎧部220に対する遊技球の衝突を防護するので、透明な第1防護部材をセンターケース200と一体化した状態とすることができ、鎧部220の意匠のデザイン性に影響を生じ難くすることができる。
また、第1防護部材は、センターケース200に取り付けられた状態で、鎧部220の上方にて当該鎧部220側に遊技球が流入する空間を形成しないように遊技盤1前面側から前方に突出して形成されているので、鎧部220に対する遊技球の衝突を確実に回避することができる。
【0131】
また、遊技領域1aの左右両側のうち、特図始動領域(普通変動入賞装置7)側に設けられた普図始動領域を構成する始動領域構成部(普図始動ゲート4)と、普図始動領域に対する遊技球の流入に基づいて、閉状態と当該閉状態よりも遊技球が流入し易い開状態とに変換可能に構成されるとともに、特図始動領域を具備する普通変動入賞装置7と、所定の特別遊技状態の終了後に、普通変動入賞装置7が開状態に変換される頻度が通常状態よりも高い頻度に変更される特定遊技状態を発生させる特定遊技状態制御手段(遊技制御装置30)と、始動領域構成部及び普通変動入賞装置7をそれぞれ他の部材とともにユニット化して遊技盤1に取り付けるための第1及び第2ユニットベース部(ケースベース部材210、普電ユニットベース部610)と、を備え、始動領域構成部及び普通変動入賞装置7は、それぞれ第1及び第2ユニットベース部に対して着脱自在に構成されている。
【0132】
従って、始動領域構成部(普図始動ゲート4)及び普通変動入賞装置7は、それぞれ他の部材とともに第1及び第2ユニットベース部(ケースベース部材210、普電ユニットベース部610)によってユニット化されて遊技盤1に取り付けられるので、始動領域構成部及び普通変動入賞装置7の遊技盤1に対する取付け作業をより容易なものとすることができる。
また、始動領域構成部及び普通変動入賞装置7は、それぞれ第1及び第2ユニットベース部に対して着脱自在に構成されているので、当該始動領域構成部及び普通変動入賞装置7の遊技盤1からの取り外し作業や取り替え作業をより容易なものとすることができる。即ち、遊技領域1aの特図始動領域側にて遊技球を流下転動させるように遊技球を強打ち(右打ち)する遊技性をもった遊技機100において、発射勢の強い遊技球が一定期間集中して特図始動領域側に発射されることにより、遊技者によって特に狙われる始動領域構成部材(普図始動ゲート4)や普通変動入賞装置7等も破損や劣化が生じ易くなってしまうが、この場合に、破損や劣化が生じた始動領域構成部や普通変動入賞装置7の取り外し作業や取り替え作業を簡便に行うことができる。
【0133】
また、センターケース200は、当該センターケース200の開口部の下部に設けられ、遊技球が転動可能なステージ部300と、遊技領域1aの当該センターケース200外部であって左右両側のうち、特図始動領域(普通変動入賞装置7)と反対側を流下する遊技球をステージ部300まで流入可能なワープ流路241と、を備え、遊技領域1aのセンターケース200の下方に配置され、遊技球が入賞する入賞部(第1始動入賞口13)を備え、ステージ部300は、ワープ流路241から排出され流入された遊技球が転動する第1転動部330と、ワープ流路241から排出され流入された遊技球が転動する第2転動部340と、入賞部の上方に配置され、当該入賞部に遊技球を誘導する球誘導路350と、第1転動部330若しくは第2転動部340を転動して流入された遊技球を球誘導路350とこの球誘導路350以外の流路に振り分ける振分部(第2振分部370)と、を備える構成を採っている。
【0134】
従って、センターケース200に、遊技領域1aの当該センターケース200外部であって左右両側のうち、特図始動領域(普通変動入賞装置7)と反対側を流下する遊技球をステージ部300に流入するワープ流路241が設けられているので、このワープ流路241を介して遊技球をステージ部300まで流入することができる。また、ステージ部300は、ワープ流路241から排出され流入された遊技球が転動する第1転動部330若しくは第2転動部340を転動して流入された遊技球を、入賞部(第1始動入賞口13)に遊技球を誘導する球誘導路350とこの球誘導路350以外の流路に振り分ける振分部(第2振分部370)を備えているので、遊技者が遊技球の発射方向として遊技領域1aの特図始動領域側を狙う必要のない遊技状態において、ステージ部300における遊技球の転動態様にバリエーションを持たせて、当該ステージ部300における遊技球の転動状態に遊技者の興味を惹き付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0135】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
ここで、遊技機100の各部材や装置等の変形例について以下に説明する。
【0136】
<変形例1>
以下に、変形例1の遊技機100について
図21及び
図22を参照して説明する。
図21に示すように、変形例1の遊技機100に備わる防護部材1230は、遊技領域1aの鎧部220の上方を流下する遊技球の流路1234が形成され、この防護部材1230の流路1234の流入部1234aと反対側の排出部1234bは、普図始動ゲート4の上方に配置されている。
なお、変形例1の遊技機100にあっては、防護部材1230の構成及び普図始動ゲート4の配置以外の構成は略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0137】
防護部材1230は、
図21及び
図22に示すように、防護ベース部1231と、遊技領域1aの鎧部220の上方を流下する遊技球が転動する第1転動面部1232と、この第1転動面部1232の下方に設けられた第2転動面部1233とを備え、第1転動面部1232の下面と第2転動面部1233の上面と遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面とにより流路1234が形成されている。
【0138】
第2転動面部1233は、上記実施形態の防護本体部232と同様に、鎧部220の頂点部221近傍から鎧部220の右片部222の先端部近傍まで緩やかに湾曲するように傾斜して上向きに凸の円弧状に形成されている。また、第2転動面部1233の前端部は、遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置されている。即ち、防護部材1230がセンターケース200に取り付けられた状態で、鎧部220の上方にて当該鎧部220側に遊技球が流入する空間を形成しないように、第2転動面部1233は防護ベース部231の前面(遊技盤1前面側)から前方に突出して形成されている。
従って、第2転動面部1233は、鎧部220の右片部222を上側から被覆するように配設され、遊技領域1a内に発射された遊技球の鎧部220の右片部222に対する衝突を防護するようになっている。
【0139】
また、第1転動面部1232は、第2転動面部1233の左端部上方から右端部上方近傍まで緩やかに湾曲するように傾斜して上向きに凸の円弧状に形成されている。具体的には、第1転動面部1232は、第2転動面部1233に対して、流入部1234aから排出部1234bに亘って遊技球を少なくとも一つ通す程度の間隔を空けて配置されている。
また、第1転動面部1232の前端部は、遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置されている。
そして、第1転動面部1232及び第2転動面部1233の左側(中央部側)の端部に流路1234の流入部1234aが形成され、一方、第1転動面部1232及び第2転動面部1233の右側(普通変動入賞装置7側)の端部に流路1234の排出部1234bが形成されている。
【0140】
なお、防護部材1230は、上記実施形態のものと同様に、例えば、樹脂製で透明に形成されている。
また、防護ベース部1231は、上記実施形態の防護ベース部231に比べて上下に幅広に形成されている点以外の構成、即ち、当該防護ベース部1231をセンターケース200に位置決めして螺着するための構成等はほぼ同様であり、その詳細な説明を省略する。
【0141】
また、センターケース200の鎧部220の右辺部の右側(防護部材1230の第2転動面部1233の右下側)には、普図始動ゲート4が配設されている。即ち、流路1234の排出部1234bは、普図始動ゲート(普図始動領域)4の上方に配置されている。
これにより、第2転動面部1233を流下転動する遊技球は、第1転動面部1232を流下転動する遊技球に比べて普図始動ゲート4に入り易くなっている。
【0142】
このように、変形例1の遊技機100によれば、第1防護部材(防護部材1230)は、遊技領域1aの鎧部220の上方を流下する遊技球が流入部1234aから流入されて転動面を転動する流路1234を備え、流路1234の流入部1234aと反対側の排出部1234bは、普図始動領域(普図始動ゲート4)の上方に配置されている。
【0143】
従って、第1防護部材(防護部材1230)に、遊技領域1aの鎧部220の上方を流下する遊技球が流入部1234aから流入されて転動面を転動する流路1234が備えられ、この流路1234の流入部1234aと反対側の排出部1234bが、普図始動領域(普図始動ゲート4)の上方に配置されているので、遊技球の発射勢により流路1234を通過するか否か、即ち、普図始動領域に流入し易くなるか否かが変化することから、遊技の興趣を向上させることができるとともに、遊技球の発射操作に対する遊技者の関心を向上させることができる。
【0144】
<変形例2>
以下に、変形例2の遊技機100について
図23を参照して説明する。
図23に示すように、変形例2の遊技機100は、センターケース200の防護部材230の後側に、所定数のLED(発光部)701を具備するLED基板700を備えている。
なお、変形例2の遊技機100にあっては、LED701を備える以外の構成は略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0145】
LED基板700は、ケースベース部材210の裏面側に、防護部材230の後側に位置するように取付固定されるようになっている。また、LED701は、演出制御装置40の制御下にて、遊技状態に応じて所定の発光態様で発光するようになっている。例えば、特定遊技状態が発生した場合には、普図始動ゲート4や普通変動入賞装置7を狙って遊技球を発射するようになるが、このとき、確変状態が潜伏している遊技状態の場合に、当該潜伏を報知するような態様でLED701を発光させたり、所謂、右打ち(強打ち)を報知するような態様でLED701を発光させる。
【0146】
また、防護部材230は、LED701の発光が当該防護部材230を導光部として導光されるような材料や組成で形成されている。
【0147】
このように、変形例2の遊技機100によれば、第1防護部材(防護部材230)の後側に配設され、遊技状態に応じて所定の発光態様で発光する発光部(LED701)を備え、発光部の発光は、第1防護部材を導光部として導光される構成を採っている。
【0148】
従って、第1防護部材(防護部材230)の後側に配設された発光部(LED701)の発光は、第1防護部材を導光部として導光されるので、他の導光部材を必要とすることなく、遊技者側に発光部の発光を導くことができる。また、第1防護部材を利用して鎧部220に対する遊技球の衝突を防護するだけでなく、発光部が遊技状態に応じて所定の発光態様で発光することで、遊技状態の報知等も行うことができ、当該第1防護部材に遊技者の興味を惹き付けることができる。
【0149】
<変形例3>
以下に、変形例3の遊技機100について
図24を参照して説明する。
図24(a)及び
図24(b)に示すように、変形例3の遊技機100に備わる防護部材2230は、前後方向の軸を中心として回動自在に構成され、遊技領域1a内における遊技球の流下転動領域を制限するとともに、鎧部220に対する遊技球の衝突を防護する。
なお、変形例3の遊技機100にあっては、防護部材2230の構成以外の構成は略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0150】
防護部材(第2防護部材)2230は、上記実施形態の防護部材230の防護本体部232と同様に、例えば、透明な樹脂製の部材であり、鎧部220の頂点部221近傍から鎧部220の右片部222の先端部近傍まで緩やかに湾曲するように傾斜して上向きに凸の円弧状に形成されている。また、防護部材2230の前端部は、遊技領域1aの手前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置されている。即ち、防護部材2230がセンターケース200に取り付けられた状態で、鎧部220の上方にて当該鎧部220側に遊技球が流入する空間を形成しないように、防護部材2230は遊技盤1前面側から前方に突出するように形成されている。
従って、防護部材2230は、鎧部220の右片部222を上側から被覆するように配設され、遊技領域1a内に発射された遊技球の鎧部220の右片部222に対する衝突を防護するようになっている。
【0151】
また、防護部材2230の左端部には、前後方向に延設された回動軸2231が設けられ、この回動軸2231に接続された所定の駆動源(例えば、駆動モータ等)の駆動に基づいて、当該回動軸2231を中心として回動自在となっている。また、防護部材2230の回動態様は、遊技制御装置30によって、現在の遊技状態に応じて変更制御される。
即ち、遊技状態が通常状態である場合には、駆動源の駆動により防護部材2230が回動軸2231を中心として上側に回動して、当該防護部材2230の右端部が遊技領域1aを構成する遊技盤1の内側面近傍に配置される(
図24(a)参照)。これにより、遊技球が防護部材2230の下側、即ち、普通変動入賞装置7側に流入しないようになって、遊技球の流下転動領域が普通変動入賞装置(特図始動領域)7と反対側に制限される。
一方、遊技状態が特定遊技状態である場合には、駆動源の駆動により防護部材2230が回動軸を中心として下側に回動して、当該防護部材2230の右端部が遊技領域1aを構成する側面から離れて配置される(
図24(b)参照)。これにより、遊技球が防護部材2230の下側、即ち、普通変動入賞装置7側に流入可能となって、遊技球の流下転動領域の制限を解除する。
【0152】
このように、変形例3の遊技機100によれば、遊技領域1aの左右両側のうち、特図始動領域(普通変動入賞装置7)側に設けられた普図始動領域(普図始動ゲート4)に対する遊技球の流入に基づいて、閉状態と当該閉状態よりも遊技球が流入し易い開状態とに変換可能に構成されるとともに、特図始動領域を具備する普通変動入賞装置7と、所定の特別遊技状態の終了後に、普通変動入賞装置7が開状態に変換される頻度が通常状態よりも高い頻度に変更される特定遊技状態を発生させる特定遊技状態制御手段と、を備え、衝突回避手段は、遊技領域1a内における遊技球の流下転動領域を制限するとともに、鎧部220に対する遊技球の衝突を防護する透明な第2防護部材(防護部材2230)を備え、第2防護部材は、前後方向の軸を中心として回動自在に構成されるとともに、通常状態にて所定方向に回動して流下転動領域を遊技領域1a内の左右両側のうち、特図始動領域と反対側に制限する一方で、特定遊技状態にて所定方向と反対方向に回動して流下転動領域の制限を解除する構成を採っている。
【0153】
従って、遊技領域1a内における遊技球の流下転動領域を制限するとともに、鎧部220に対する遊技球の衝突を防護する透明な第2防護部材(防護部材2230)によって、通常状態にて所定方向に回動して流下転動領域を遊技領域1a内の左右両側のうち、特図始動領域(普通変動入賞装置7)と反対側に制限される一方で、特定遊技状態にて所定方向と反対方向に回動して流下転動領域の制限が解除されるので、通常状態では鎧部220に加えて遊技領域1aの特図始動領域側に配置された各種部材に対する遊技球の衝突を防止することができる一方で、普通変動入賞装置7が開状態に変換される頻度が通常状態よりも高い頻度に変更される特定遊技状態では、普通変動入賞装置7側への遊技球の流入を許容するように回動することで、当該第2防護部材に遊技者の興味を惹き付けることができ、遊技球の発射方向や遊技状態の遊技者に対する報知に用いることもできる。
また、例えば、遊技状態(確率状態)を明確に報知しない潜伏状態とし、普通変動入賞装置7についての特定遊技状態を発生していない場合でも、第2防護部材(防護部材2230)を回動させて流下転動領域の制限を解除することで、確率変動状態が潜伏している旨を報知するようにしてもよい。このとき、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームのほうが優先的に消化するように制御する、第2特図変動表示ゲームのほうが獲得価値の振り分けが有利に設定する等、第2特図変動表示ゲームを有利な位置づけとすることが望ましい。
【0154】
<変形例4>
以下に、変形例4の遊技機100について
図25〜
図27を参照して説明する。
図25〜
図27に示すように、変形例4の遊技機100に備わる可動ユニット510は、回動部材(回転体)512の回転に基づいて回転する風車800を備え、この風車800の回転により発生する風を液晶表示装置43の手前側の装飾部材Fに吹き付けて当該装飾部材Fを動作させるようになっている。
なお、変形例4の遊技機100にあっては、可動ユニット510の構成、装飾部材Fを備える点及び演出制御装置40の構成以外の構成は略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0155】
図25に示すように、風車800には、その前面側の略中心部から手前側に突出した回転軸801が設けられ、この回転軸801に対して同心となるように風車動力伝達ギヤ802が取付固定されるようになっている。
回動駆動モータ513の出力軸には、動力伝達ギヤ514と噛合する駆動ギヤ513aの裏面側に風車駆動ギヤ513cが接続固定されるようになっている。
風車駆動ギヤ513cは、回動駆動モータ513の出力軸に対して同心となるように取付固定され、この状態で風車動力伝達ギヤ802と噛み合うようになっている。これにより、回動駆動モータ513の駆動に基づいて、駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514を介して回動部材512が回動(回転)するとともに、風車駆動ギヤ513c及び風車動力伝達ギヤ802を介して風車800が回動(回転)するようになっている。
なお、風車駆動ギヤ513cと駆動ギヤ513aは、一体となって構成されても良いし、別体で構成されても良い。
【0156】
また、液晶表示装置43の前面側には、例えば、花びらの形状を模した複数の装飾部材F、…が収納された装飾部材収納部900が設けられている(
図26参照)。
装飾部材収納部900は、例えば、樹脂等から透明に形成され、外側から内側を視認可能となっている。また、装飾部材収納部900の上端部には、下側に移動した可動ユニット510の風車800が配置される風車用開口901が形成されている。風車用開口901の手前側部分は、可動ユニット510が下側に移動した際に(
図27(b)参照)、風車800の回転軸801が配置されるように上端部から下側に切り欠かれた形状となっている。
また、装飾部材収納部900の手前側の面には、風車800の回転により発生する風が当該装飾部材収納部900よりも手前側にくるように複数の開口902、…が形成されている。即ち、可動ユニット510には、風車800の手前側に回動駆動モータ513が搭載されており、風車800の回転により発生した風が開口902を介して回動駆動モータ513に吹き付けられ、当該回動駆動モータ513やその他の発熱部を冷却するようになっている。
【0157】
また、回動部材512(風車800)の回転は、回転制御手段としての演出制御装置40の制御下にて行われる。即ち、演出制御装置40は、回動部材512を回動(回転)させる回動駆動モータ513の駆動を制御して、例えば、可動ユニット510が下側に移動した状態等の所定のタイミングで回動部材512を回転動作させることで、装飾部材Fを舞い上がらせるように当該装飾部材Fに風車800からの送風を吹き付けるようになっている。
また、演出制御装置40は、液晶表示装置43の表示内容と関連付けて回動部材512(風車800)を所定の動作態様で回転動作させるようになっている(
図27(a)参照)。例えば、演出制御装置40は、液晶表示装置43における飾り特図変動表示ゲームの表示態様がリーチ状態となる場合や、特別結果態様(例えば、「7,7,7」等)となる場合等に、回動部材512(風車800)を他の状態よりも勢いよく回転動作させることで、より多くの装飾部材Fを舞い上がらせるようにより華美な演出を行う。
【0158】
このように、変形例4の遊技機100によれば、可動役物(回動部材512)は、回転体であり、回転体の回転に基づいて回転する風車800と、風車800の回転により発生する風が吹き付けられる装飾部材Fと、回転体を回転動作させて、装飾部材Fを動作させるように当該装飾部材Fに風車800からの送風を吹き付ける回転制御手段(演出制御装置40)と、を備える構成を採っている。
【0159】
従って、回転体(回動部材512)を回転動作させることで、当該回転体の回転に基づく風車800の回転により発生する風を装飾部材Fに吹き付けて装飾部材Fを動作させるので、回転体の回転により装飾部材Fを動作させるような演出を行うことができ、当該回転体に遊技者の興味を惹き付けることができ、これにより、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0160】
また、装飾部材Fの後側に配設された表示装置(液晶表示装置43)を備え、回転制御手段(演出制御装置40)は、表示装置の表示内容と関連付けて回転体(回動部材512)を所定の動作態様で回転動作させる構成を採っている。
【0161】
従って、装飾部材Fの後側に配設された表示装置(液晶表示装置43)の表示内容と関連付けて回転体(回動部材512)を所定の動作態様で回転動作させるので、表示装置の表示内容と回転体の回転により装飾部材Fを動作させるような演出とを関連付けることができるだけでなく、演出内容をより複雑にすることで遊技者の興味を惹き付けることができ、これにより、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0162】
なお、上記実施形態にあっては、衝突回避手段として防護部材230、1230、2230を例示したが、これに限られるものではなく、鎧部220に対する遊技球の衝突を回避するものであれば如何なるものであっても良い。
例えば、遊技領域1aにおける鎧部220よりも上流側を流下する遊技球を流入口から流入して鎧部220の下流側に排出口から排出する衝突回避用ワープ流路を備えていても良い(図示略)。具体的には、衝突回避用ワープ流路の流入口は、遊技領域1a若しくはセンターケース200における、遊技領域1aにおける鎧部220よりも上流側を流下する遊技球が流入可能となる位置(例えば、鎧部220の左上側)に設けられ、一方、衝突回避用ワープ流路の排出口は、鎧部220の下流側に遊技球を排出する位置(例えば、鎧部220の右下側)に設けられている。
これにより、遊技領域1aを流下する遊技球、特に、鎧部220よりも上流側を流下する遊技球が衝突回避用ワープ流路を通過することで鎧部220の下流側に排出されることとなって、鎧部220に対する遊技球の衝突が回避されることとなる。
【0163】
このように、衝突回避手段は、遊技領域1a若しくはセンターケース200に設けられ、遊技領域1aにおける鎧部220よりも上流側を流下する遊技球が流入する流入口と、流入口に流入された遊技球を鎧部220の下流側に排出する排出口とを具備する衝突回避用ワープ流路を備えている。
【0164】
従って、遊技領域1a若しくはセンターケース200に設けられた衝突回避用ワープ流路によって、遊技領域1aにおける鎧部220よりも上流側を流下する遊技球が流入口から流入して鎧部220の下流側に排出口から排出することができ、鎧部220の意匠のデザイン性に影響を与えることなく、鎧部220に対する遊技球の衝突を確実に回避することができる。
【0165】
また、上記実施形態では、特図始動領域を構成する普通変動入賞装置7を遊技領域1aの右側に設けるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、遊技球の発射方向が反対となる場合等には、遊技領域1aの左側に設けるようにしても良い。
【0166】
さらに、可動役物として、所定方向に回動する回動部材512を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、上下左右の移動、スライド移動等の所定動作する可動役物であれば如何なるものであっても良い。
また、役物用駆動源として、可動駆動モータ513を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、ソレノイド等の可動役物を動作させるためのものであれば如何なるものであっても良い。
加えて、役物用動力伝達部として、駆動ギヤ513a及び動力伝達ギヤ514を例示したが、ギヤの数はこれに限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。さらに、役物用動力伝達部は必ずしもギヤを備えて構成する必要はなく、例えば、動力伝達用のシャフトやチューブ等を用いても良い。
【0167】
また、可動ユニット510を上下動させるようにしたが、可動ユニット510の動作はこれに限られるものではなく、例えば、左右の移動、スライド移動等の動作を行わせるようにしても良い。
さらに、ユニット用駆動源として、ユニット駆動モータ520を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、ソレノイド等の可動役物を動作させるためのものであれば如何なるものであっても良い。
加えて、ユニット用動力伝達部として、駆動ギヤ520a、第1〜第5ギヤ531〜535並びにラック部544を例示したが、ギヤの数はこれに限られるものではなく、適宜任意に変更することができる。さらに、ユニット用動力伝達部は必ずしもギヤを備えて構成する必要はなく、例えば、動力伝達用のシャフトやチューブ等を用いても良い。
【0168】
なお、本発明の遊技機100は、実施形態に示されるようなパチンコ遊技機100に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機100に適用可能である。
【0169】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。