特許第5647670号(P5647670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5647670道路の車線数情報特定装置及びその方法、並びに道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5647670
(24)【登録日】2014年11月14日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】道路の車線数情報特定装置及びその方法、並びに道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20141211BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   G08G1/00 A
   G01C21/26 C
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-508136(P2012-508136)
(86)(22)【出願日】2011年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2011053441
(87)【国際公開番号】WO2011122150
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2013年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2010-77049(P2010-77049)
(32)【優先日】2010年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】能川 昌久
(72)【発明者】
【氏名】李 成
(72)【発明者】
【氏名】大崎 新太郎
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−245339(JP,A)
【文献】 特開2002−054934(JP,A)
【文献】 特開2004−286641(JP,A)
【文献】 特開2004−150827(JP,A)
【文献】 特開2007−122201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00〜1/16
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定部と、を備え、
前記車線数情報特定部は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
道路の車線数情報特定装置。
【請求項2】
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第2走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定部と、を備え、
前記車線数情報特定部は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
道路の車線数情報特定装置。
【請求項3】
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第3走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定部と、
を備える道路の車線数情報特定装置。
【請求項4】
前記第3走行履歴データ抽出部は、前記第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する、
請求項3に記載の道路の車線数情報特定装置。
【請求項5】
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第5走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定部と、
を備える道路の車線数情報特定装置。
【請求項6】
前記走行履歴データは速度情報であり、
前記車線数情報特定部は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
請求項3〜5のいずれか一項に記載の道路の車線数情報特定装置。
【請求項7】
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定ステップと、を備え、
前記車線数情報特定ステップは、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
道路の車線数情報特定方法。
【請求項8】
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第2走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定ステップと、を備え、
前記車線数情報特定ステップは、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
道路の車線数情報特定方法。
【請求項9】
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第3走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定ステップと、
を備える道路の車線数情報特定方法。
【請求項10】
前記第3走行履歴データ抽出ステップは、前記第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する、
請求項9に記載の道路の車線数情報特定方法。
【請求項11】
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第5走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定ステップと、
を備える道路の車線数情報特定方法。
【請求項12】
前記走行履歴データは速度情報であり、
前記車線数情報特定ステップは、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
請求項9〜11のいずれか一項に記載の道路の車線数情報特定方法。
【請求項13】
道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定手段、として機能させ、
前記車線数情報特定手段は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
コンピュータプログラム。
【請求項14】
道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの速度情報である走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第2走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定手段、として機能させ、
前記車線数情報特定手段は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
コンピュータプログラム。
【請求項15】
道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第3走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記第3走行履歴データ抽出手段は、前記第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
道路の車線数情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、互いに同じ走行方向を有する第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第5走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路の車線数情報を特定する車線数情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記走行履歴データは速度情報であり、
前記車線数情報特定手段は、前記比較結果に基づき速度差が所定閾値以上であることをもって前記道路の車線数を特定する、
請求項15〜17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項13〜請求項18のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカーの走行履歴データを用いた道路情報特定装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路地図のコンテンツとしての道路、交差点、信号機等の道路情報を更新するため、プローブカーから生成されるプローブ情報を用いて、種々の道路情報を判定する技術が提案されている(特許文献1、2、3)。しかしながら、判定が困難な詳細の道路情報に関しては、必要に応じて人手による現地調査を行う等しており、プローブ情報を用いたより詳細な道路情報の特定が望まれていた。
本件発明に関連する従来技術を開示する特許文献4〜特許文献6も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4187163号公報
【特許文献2】特許第4116582号公報
【特許文献3】特許第4118243号公報
【特許文献4】特開2005−121707号公報
【特許文献5】特開2007−241470号公報
【特許文献6】特開2009−14574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、種々道路情報を判定するに際し、特定の走行履歴データに着目することなく、蓄積されたすべてのプローブカーの走行履歴データを用いて道路情報の判定を行っている。そこで本発明者らは、より詳細な道路情報を特定するために、同一時間に同一範囲に存在する複数のプローブカーにおける走行履歴データを判定の対象とすることに想到した。すなわち、当該走行履歴データ間の関係を利用することにより、従来に比べ幅広く、かつ、より詳細な道路情報が特定できるのではないか、と考えた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定部と、
を備える道路情報特定装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の道路情報特定装置によれば、第1の時間に第1の座標に存在する複数のプローブカーから得られた走行履歴データを比較し、道路情報を特定する。このように、同一時間かつ同一座標に存在する複数の走行履歴データ間の関係を考慮することにより、詳細な道路情報を特定することが可能となる。当該詳細な道路情報として、例えば、道路の車線数、狭隘道路等に設けられた待避所、歩車分離式交差点等が挙げられる。また、実際の車輌走行時の走行履歴データを用いることにより、実態に即し、走行環境を反映した道路情報を特定することが可能となる。
ここで、第1の時間とは、ある一点を表す時刻であっても良いし、所定の時間幅を有する時間帯であっても良い。また、第1の座標とは、ある一点を表す位置であっても良いし、所定の幅を有する面積であっても良い。後述する第2の時間、第2の座標についても同様とする。
【0007】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第2走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定部と、
を備える道路情報特定装置。
【0008】
このように規定される第2の局面の道路情報特定装置によれば、第1の座標について異なる時間に、いわゆるダブルチェックを行い、道路情報を特定する。ダブルチェックの結果、より精度良く、道路情報を特定することが可能となる。
【0009】
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第3走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定部と、
を備える道路情報特定装置。
【0010】
このように規定される第3の局面の道路情報特定装置によれば、第1プローブカー及び第2プローブカーについて異なる時間に、ダブルチェックを行い、道路情報を特定する。このようにダブルチェックを行えば、より正確に道路情報を特定することが可能となる。また、当該ダブルチェックを、異なる時間かつ異なる座標において、行うこととしても良い(第4の局面)。
【0011】
この発明の第5の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の座標に存在する、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第4走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第4走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第4走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定部と、
を備える道路情報特定装置。
【0012】
このように規定される第5の局面の道路情報特定装置によれば、第1プローブカー及び第2プローブカーについて異なる座標において、ダブルチェックを行い、道路情報を特定する。このようにダブルチェックを行えば、より正確に道路情報を特定することが可能となる。
【0013】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部と、
前記走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較部と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出部と、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較部と、
前記第1走行履歴データ比較部及び前記第5走行履歴データ比較部の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定部と、
を備える道路情報特定装置。
【0014】
このように規定される第6の局面の道路情報特定装置によれば、第2の時間に第2の座標に存在する異なる複数のプローブカーから得られた走行履歴データを用いて、ダブルチェックを行い、道路情報を特定する。このようにダブルチェックを行えば、より正確に道路情報を特定することが可能となる。
【0015】
また、この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定ステップと、
を備える道路情報特定方法。
このように規定される第7の局面に規定の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第2走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定ステップと、
を備える道路情報特定方法。
このように規定される第8の局面に規定の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0017】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第3走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定ステップと、
を備える道路情報特定方法。
このように規定される第9の局面に規定の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0018】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第9の局面に規定の道路情報特定方法において、前記第3走行履歴データ抽出ステップは、前記第2の時間に第2の座標に存在する、前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する。
このように規定される第10の局面に規定の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0019】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の座標に存在する、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第4走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第4走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第4走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定ステップと、
を備える道路情報特定方法。
このように規定される第11の局面に規定の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0020】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較ステップと、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出ステップと、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較ステップと、
前記第1走行履歴データ比較ステップ及び前記第5走行履歴データ比較ステップの比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定ステップと、
を備える道路情報特定方法。
このように規定される第12の局面に規定の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0021】
更に、この発明の第13の局面は次のように規定される。即ち、
道路情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第13の局面に規定の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0022】
この発明の第14の局面は次のように規定される。即ち、
道路情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第1の座標に存在する、第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データとを抽出する第2走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第3−1走行履歴データと前記第4−1走行履歴データとを比較する第2走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第2走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第14の局面に規定の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0023】
この発明の第15の局面は次のように規定される。即ち、
道路情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間における、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第3走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第3走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第3走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第15の局面に規定の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0024】
この発明の第16の局面は次のように規定される。即ち、
第15の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記第3走行履歴データ抽出手段は、前記第2の時間に第2の座標に存在する、前記第1プローブカーの第1−2走行履歴データと前記第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する。
このように規定される第16の局面に規定の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0025】
この発明の第17の局面は次のように規定される。即ち、
道路情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の座標に存在する、第1プローブカーの第1−2走行履歴データと第2プローブカーの第2−2走行履歴データとを抽出する第4走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−2走行履歴データと前記第2−2走行履歴データとを比較する第4走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第4走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第17の局面に規定の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0026】
この発明の第18の局面は次のように規定される。即ち、
道路情報を特定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
プローブカーの走行履歴データを保存する走行履歴データ保存部から、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第1−1走行履歴データと前記第2−1走行履歴データとを比較する第1走行履歴データ比較手段と、
前記走行履歴データ保存部から、第2の時間に第2の座標に存在する、第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出手段と、
抽出された前記第3−2走行履歴データと前記第4−2走行履歴データとを比較する第5走行履歴データ比較手段と、
前記第1走行履歴データ比較手段及び前記第5走行履歴データ比較手段の比較結果に基づいて、道路情報を特定する道路情報特定手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第18の局面に規定の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0027】
第13〜第18のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第19の局面として規定される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施の形態の道路情報特定装置の構成を示すブロック図である。
図2】対象走行履歴データの抽出方法を説明する模式図である。
図3】本発明の実施の形態の道路情報特定装置の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の他の実施の形態の道路情報特定装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の他の実施の形態の道路情報特定装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態の道路情報特定装置が特定する他の道路情報を示す模式図である。
図7】本発明の実施の形態の道路情報特定装置を構成するコンピュータシステムを示す。
図8】本発明の実施の形態の道路情報特定装置で特定された道路情報を利用するナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の実施の形態の道路情報特定装置を説明する。
図1に、この発明の実施の形態の道路情報特定装置1の概略構成を示す。
図1に示すように、この道路情報特定装置1は走行履歴データ保存部2、対象走行履歴データ抽出部3、対象走行履歴データ保存部4、対象走行履歴データ比較部5、道路情報特定部6及びナビゲーション情報保存部7を備える。
【0030】
走行履歴データ保存部2には、実際に車輌が走行した際の走行履歴データが保存される。走行履歴データとしては、例えば、プローブ情報を挙げることができる。当該プローブ情報には、少なくとも座標情報、時間情報が含まれる。GPS等の位置検出機能を有する車輌であればこれらの情報を特定することができる。更に、速度情報、プローブカーを特定するID情報、方位情報、高度情報、アクセル開度、エンジン回転数、前後加速度、ヨーレイト、ストップランプ、ABSウォーニングランプ、燃料消費量、電力残存容量、舵角(ハンドルの回転角度情報)、シフトレバー情報等を備えることが好ましい。
【0031】
対象走行履歴データ抽出部3は、特定の時間に特定の座標に存在する複数のプローブカーの走行履歴データを抽出する。ここで、特定の時間とは、ある一点を表す時刻であっても良いし、所定の時間幅を有する時間帯であっても良い。また、特定の座標とは、ある一点を表す位置であっても良いし、所定の幅を有する面積であっても良い。本実施の形態の道路情報特定装置1では、当該特定の座標、あるいは当該特定の座標を含むリンクについて、道路情報が特定されることとなる。ここで、リンクとは、道路ネットワークデータの構成要素であって、ノードとノードとを結ぶ道路に対応して生成されたデータをいう。また、ノードとは、一般に道路の交差点、折曲点等の座標点をいう。
【0032】
この道路情報特定装置1において、対象走行履歴データ抽出部3には、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する第1走行履歴データ抽出部11が備えられる。当該抽出される走行履歴データの数は、2以上であれば特に制限されないが、当該データ数が多いほど、より詳細な道路情報を特定可能となる。抽出された当該第1−1走行履歴データ及び第2−1走行履歴データは、対象走行履歴データ保存部4内の第1走行履歴データ保存部12に保存される。
【0033】
対象走行履歴データ比較部5は、対象走行履歴データ保存部4に保存された走行履歴データ同士を比較する。比較するための当該走行履歴データとしては、上述の走行履歴データから当該比較により道路情報を特定できるよう適宜選択すればよい。道路情報を特定するのに適した走行履歴データとして、例えば、速度情報、座標情報、時間情報等が挙げられる。これらの情報の1を用いて比較を行ってもよいし、複数の情報を用いて比較を行うこととしても良い。
後述する道路情報特定部において、より精度良く道路情報を特定するために、当該比較するに際し、抽出された走行履歴データのうち著しく速度の遅い走行履歴データ、2つの走行履歴データの速度が著しく異なる走行履歴データ等を予めフィルタリングしておくことが好ましい。
【0034】
この道路情報特定装置1において、対象走行履歴データ比較部5には、第1走行履歴データ保存部12に保存された走行履歴データを比較する第1走行履歴データ比較部13が備えられる。
【0035】
道路情報特定部6は、上記比較の結果を参照し、予め定められたルールに基づいて道路情報を特定する。当該ルールとしては、詳細な道路情報を特定できるルールであれば、特に制限されない。例えば、対象走行履歴データ比較部5において、2の走行履歴データの速度情報が比較された場合、当該ルールとして、走行履歴データ間の速度差が20km/h以上であるとき、特定の対象となった当該座標を含むリンクが2車線であると特定する、こととできる。このような速度差を持つ走行履歴データであれば、当該走行履歴データを生成した2のプローブカーは、それぞれ異なる車線を走行している可能性が高いためである。例えば、第1走行履歴データ抽出部11で3つの走行履歴データが抽出された場合、当該リンクが3車線であるか否かの特定が可能となる。特定された当該道路情報は、当該特定の座標あるいは当該特定の座標を含むリンクと関連付けて、ナビゲーション情報保存部7内の道路情報保存部14に保存される。
【0036】
図2に示す模式図を用いて、この発明の道路情報特定方法を詳細に説明する。また、図3は、図1に示す道路情報特定装置1の動作を示すフローチャートである。
図2において、走行履歴H1は、リンク101をノード102からノード103へ走行した、第1プローブカーが有する走行履歴データh11〜h15で形成される走行履歴である。走行履歴H2は、走行履歴H1と同様にリンク101を走行した、第2プローブカーが有する走行履歴データh21〜h27で形成される走行履歴である。
【0037】
この図2において、道路情報特定装置1はリンク101に付する道路情報を特定する。
ステップ1では、対象走行履歴データ抽出部3内の第1走行履歴データ抽出部11が、第1の時間に第1の座標に存在する、第1プローブカーの第1−1走行履歴データと第2プローブカーの第2−1走行履歴データとを抽出する。すなわち、第1走行履歴データ抽出部11によって、第1の時間T1に、第1の座標としての領域105に存在する、第1−1走行履歴データとしてのh12と第2−1走行履歴データとしてのh22とが抽出される。この例では、第1の座標として符号105に示される領域を設定した。このように、第1の座標として領域を設定する場合には、図2に示すように、リンク101を中心に第1の幅を与えることにより規定される。リンク101に、予め幅員に関する情報が付されている場合には、当該幅員を第1の幅としても良い。また、リンク101方向に与えられる第2の幅としては、例えば10mの幅を設定することができる。当該領域は、走行履歴データを抽出できるよう設定されればよく、特に制限されないが、より正確に、道路の車線数に関する道路情報を特定するためには、車輌間の速度差が発生し易い交差点ノード付近を避けた、ノードとノードを結ぶリンクの中央付近に設定することが好ましい。また、交差点における右折あるいは左折専用レーンの存在に関する道路情報を特定することもできる。この場合、設定される領域は、当該道路情報が特定できるよう、交差点の入り口付近に設けられることが好ましい。
抽出された第1−1走行履歴データ(h12)及び第2−1走行履歴データ(h22)は、第1走行履歴データ保存部12に保存される(ステップ1)。
【0038】
続くステップ3では、第1−1走行履歴データ(h12)と第2−1走行履歴データ(h22)とが比較される。比較するための当該走行履歴データとしては、上述の走行履歴データから当該比較により道路情報を特定できるよう適宜選択すればよい。道路情報を特定するのに適した走行履歴データとして、例えば、速度情報、座標情報、時間情報等が挙げられる。走行履歴データh12の速度がV1、走行履歴データh22の速度がV2である場合、当該速度V1とV2との比較を行う。
【0039】
当該比較の結果を参照し、当該第1の座標105を含むリンク101について、道路情報を特定し、保存する(ステップ5)。当該道路情報の特定は、予めルールを定め、当該ルールに基づいて行えばよい。例えば、走行履歴データh12と走行履歴データh22との速度差V1−V2を参照し、当該速度差が20km/h以上のとき、第1の座標105を含むリンク101を2車線であると特定する、こととできる。
【0040】
図4に、他の実施の形態の道路情報特定装置21を示す。図4において、図1と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
図4に示す道路情報特定装置21では、図1に示す道路情報特定装置1において、第2走行履歴データ抽出部23、第2走行履歴データ保存部25及び第2走行履歴データ比較部27を更に備えている。
【0041】
第2走行履歴データ抽出部23は、第2の時間に第1の座標に存在する、第3プローブカーの第3−1走行履歴データと第4プローブカーの第4−1走行履歴データを抽出する。当該抽出された走行履歴データは、第2走行履歴データ保存部25に保存される。
第2走行履歴データ比較部27は、第3−1走行履歴データと第4−1走行履歴データとを比較する。当該比較は、第1走行履歴データ比較部13で行われる比較と同じように行うことが好ましい。すなわち、第1走行履歴データ比較部13において、走行履歴データとして速度情報を用いて比較を行っている場合には、第2走行履歴データ比較部27においても、速度情報を用いて比較することが好ましい。
【0042】
道路情報特定装置21において、道路情報特定部6は、第1走行履歴データ比較部13及び第2走行履歴データ比較部27の比較結果を参照して、第1の座標を含むリンクの道路情報を特定する。当該特定の方法としては、例えば、両比較結果がともに予め定められたルールを満たしたときにのみ、道路情報を特定することとできる。このように、同一の座標において、異なる時間での異なる走行履歴データを用いて、ダブルチェックを行えば、より精度良く道路情報を特定することが可能となる。
【0043】
図5に、他の実施の形態の道路情報特定装置31を示す。図5において、図1及び図4と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
図5に示す道路情報特定装置31では、図1に示す道路情報特定装置1において、第3走行履歴データ抽出部33、第3走行履歴データ保存部35及び第3走行履歴データ比較部37を更に備えている。
【0044】
第3走行履歴データ抽出部33は、第1走行履歴データ抽出部11で抽出された第1−1走行履歴データを生成した第1プローブカーの、第2の時間における第1−2走行履歴データ、及び、第2−1走行履歴データを生成した第2プローブカーの、第2の時間における第2−2走行履歴データをそれぞれ抽出する。すなわち、図2を用いて説明すれば、第3走行履歴データ抽出部33は、第1プローブカーの第2の時間(T2)における走行履歴データh15を第1−2走行履歴データとして抽出し、同様にして、第2プローブカーの走行履歴データh25を第2−2走行履歴データとして抽出する。
【0045】
また、当該第3走行履歴データ抽出部33は、第2の時間に第2の座標に存在する第1−2走行履歴データ及び第2−2走行履歴データを抽出することとしても良い。当該第2の座標は、特定したい道路情報に応じて、任意に定めることができる。
抽出された当該走行履歴データは、第3走行履歴データ保存部35に保存される。
【0046】
第3走行履歴データ比較部37は、第1−2走行履歴データ(h15)と第2−2走行履歴データ(h25)とを比較する。当該比較は、例えば、速度情報や座標情報等を用いて行うことが好ましい。速度情報を用いた場合には、第2の時間における走行履歴データh15と走行履歴データh25との速度差が、所定速度差以上(例えば、第1の時間における走行履歴データh12と走行履歴データh22との速度差と同程度)であるとき、第1プローブカーと第2プローブカーは別の車線を走行した可能性が高い。すなわち、リンク101は、2車線存在する旨の道路情報を設定可能となる。
【0047】
この道路情報特定装置31において、第3走行履歴データ抽出部33に代えて、任意に定められる第2の座標に存在する第1−2走行履歴データ及び第2−2走行履歴データを抽出する第4走行履歴データ抽出部を備えることとしても良い。
また、この道路情報特定装置31において、第3走行履歴データ抽出部33に代えて、第2の時間に第2の座標に存在する、第3プローブカーの第3−2走行履歴データと第4プローブカーの第4−2走行履歴データとを抽出する第5走行履歴データ抽出部を備えることしても良い。
【0048】
この発明の実施の形態の道路情報特定装置1によれば、上述の他にも図6(A)及び図6(B)に示すような道路情報を特定することが可能である。
図6(A)は、狭隘道路205に設けられた待避所206の存在を道路情報として特定する場合の模式図である。
図6(A)において、走行履歴I1は、リンク201をノード202からノード203へ走行した第1プローブカーが有する走行履歴データi11〜i19で形成される走行履歴である。走行履歴I2は、リンク201をノード203からノード202へ走行した第2プローブカーが有する走行履歴データi21〜i24で形成される走行履歴である。
【0049】
上記道路情報特定装置1において、第1走行履歴データ抽出部11によって、第1の時間T1に第1の座標としての領域210に存在する、第1−1走行履歴データとしてのi14と第2−1走行履歴データとしてのi23とが抽出される。
この場合、例えば、抽出された走行履歴データi14と走行履歴データi23との速度情報を比較し、走行履歴データi23の速度が所定速度以上である一方、走行履歴データi14が停止を示す(速度がゼロである等)場合には、当該領域210に待避所等が存在する旨の道路情報を特定することが可能となる。
【0050】
図6(B)は、歩車分離式信号機の付された交差点307の存在を道路情報として特定する場合の模式図である。
図6(B)において、走行履歴J1は、リンク301からリンク302へ走行した第1プローブカーが有する走行履歴データj11〜j19で形成される走行履歴である。走行履歴J2は、リンク303からリンク301へ走行した第2プローブカーが有する走行履歴データj21〜j29で形成される走行履歴である。
【0051】
上記道路情報特定装置1において、第1走行履歴データ抽出部11によって、第1の時間T1に第1の座標としての領域310に存在する、第1−1走行履歴データとしてのj13と第2−1走行履歴データとしてのj23とが抽出される。第1−1走行履歴データj13と第2−1走行履歴データj23の速度はいずれもゼロであり、各プローブカーの停止状態を示す。
当該交差点の存在を道路情報として特定する際の第1の座標は、例えば、領域310に示されるように、リンク301〜リンク304について、それぞれのリンクを中心に所定幅を与えることとし、領域310の外縁は交差点307に対応するノード305から所定距離(例えば50m)として、設定される。また、領域310から、ノード305を中心とした所定領域を除外した領域を第1の座標として設定すれば、より正確に上記道路情報を特定することが可能となる。
【0052】
第1走行履歴データ比較部13では、上記抽出された走行履歴データの比較を行う。
最初に、各プローブカーの停止期間を特定し、停止期間が所定時間(例えば30秒間)を超えるもののみを対象とする(第1のフィルタリング処理)。短時間の停止は信号機の停止信号以外の状況により発生することがありうるからである。
停止期間の特定は、例えば、走行履歴データj13について、時間的にその前後の走行履歴データj1m… j12、j14、j15 …j1nの速度をチェックすることより行なえる。
【0053】
次に、第1走行履歴データ比較部13は、上記第1のフィルタリング処理を経た走行履歴データj13及び走行履歴データj23の方向情報を比較する。当該方向情報の比較は、走行履歴データj13及び走行履歴データj23を含む走行軌跡に基づき行う。例えば、走行履歴データj13について、時間的にその前後の走行履歴データj1m… j12、j14、j15 …j1nの座標をチェックすることより方向情報を特定できる。走行方向の比較の結果、第1−1走行履歴データj13及び第2−1走行履歴データj23の方向が互いに直交する場合、当該領域310に含まれる交差点307には、歩車分離式信号機が付されていると推定される。したがって、道路情報特定部6は、当該交差点307に付された信号機が歩車分離式信号機である旨の道路情報を付することとなる。ここで、直交とは、上記走行履歴データ同士の方向が90度で交差する場合に限られず、歩車分離式信号機の存在が特定できる範囲で、90度に近い角度を形成して交差する場合も含む。
このように歩車分離式信号機を特定することができれば、日頃の習慣から、通常の交差点と間違えて発車する危険を避けるために、当該道路情報に関連付けて注意喚起等を行うことが可能となる。
当該道路情報をより正確に特定するために、第2の時間に第1の座標としての領域310に存在する、第3プローブカー及び第4プローブカーの走行履歴データを用いて、ダブルチェックを行うことができる。
【0054】
図7は道路情報特定装置31のハード構成を示すブロック図である。
この装置31のハード構成は、一般的なコンピュータシステムと同様に中央制御装置221に対してシステムバス222を介して各種の要素が結合されたものである。
中央制御装置221は汎用的なCPU、メモリ制御装置、バス制御装置、割り込み制御装置更にはDMA(直接メモリアクセス)装置を含み、システムバス222もデータライン、アドレスライン、制御ラインを含む。システムバス222にはRAM(ランダムアクセスメモリ)223、不揮発メモリ(ROM224,CMOS−RAM225等)からなるメモリ回路が接続されている。RAM223に格納されるデータは中央制御装置221や他のハードウエア要素によって読み取られたり、書き換えられたりする。不揮発メモリのデータは読み取り専用であり、装置をオフとしたときにもそこのデータは喪失されない。このハードウエアを制御するシステムプログラムはハードディスク装置227に保存されており、また、RAM223に保存されており、ディスクドライブ制御装置226を介して適宜中央制御装置221に読みこまれて使用される。このハードディスク装置227には、汎用的な構成のコンピュータシステムを道路情報特定装置31として動作させるためのコンピュータプログラムを保存する領域が確保される。
このハードディスク装置227の所定の領域がナビゲーション情報保存部7用に割り付けられる。
ハードディスク装置227の他の領域が走行履歴データ保存部2用に割り付けられる。
【0055】
システムバス222には、フレキシブルディスク232に対してデータの読み込み及び書き込みを行うフレキシブルドライブ制御装置231、コンパクトディスク234に対してそれからデータの読み取りを行うCD/DVD制御装置233が接続されている。この例ではプリンタインターフェース237にプリンタ238を接続させている。
システムバス222にはキーボード・マウス制御装置241が接続され、キーボード242及びマウス243からのデータ入力を可能としている。モニタ245がモニタ制御装置244を介してシステムバス222に接続されている。モニタ245にはCRTタイプ、液晶タイプ、プラズマディスプレイタイプなどを利用することができる。
各種の要素(モデムなど)の増設を可能とするため空きのスロット251が準備されている。
【0056】
この装置31はネットワークアダプタ261を介して、ネットワークNに接続される。このネットワーク(インターネット)Nにはプローブカーが連結されている。
【0057】
このコンピュータシステムからなる道路情報特定装置31を稼動させるために必要なプログラム(OSプログラム、アプリケーションプログラム(本発明のものも含む))は、各種の記録媒体を介してシステムの中にインストールされる。例えば非書き込み記録媒体(CD−ROM、ROMカード等)、書き込み可能記録媒体(FD、DVD等)、更にはネットワークNを利用して通信媒体の形式でインストールすることも可能である。勿論、不揮発メモリ224、225やハードディスク装置227に予めこれらのプログラムを書きこんでおくこともできる。
【0058】
ナビゲーション情報保存部7の情報はナビゲーションシステムによりそのまま利用できる。ナビゲーションシステムの例を図8に示す。
このナビゲーションシステム400は制御部401、メモリ部402、入力部403、出力部404、インターフェース部405、自車位置特定部406、探索部407、ナビゲーション情報保存部7を備えている。
制御部401はCPU、バッファメモリその他の装置を備えたコンピュータ装置であり、ナビゲーションシステム400を構成する他の要素を制御する。メモリ部402にはコンピュータプログラムが保存され、このコンピュータプログラムはコンピュータ装置である制御部401に読み込まれて、これを機能させる。このコンピュータプログラムはDVD等の汎用的な媒体へ保存できる。
【0059】
入力部403は目的地等を設定するため用いられる。入力部403としてディスプレイの表示内容と協働するタッチパネル式の入力装置を用いることができる。
出力部404はディスプレイを含み、ナビゲーションに必要な地図情報、その他の情報を表示する。この出力部404は音声案内装置を含むこともできる。
インターフェース部405はナビゲーションシステム400を無線ネットワーク等へ連結させる。
自車位置特定部406はGPS装置やジャイロ装置を用いて利用者端末の現在の位置を検出する。
【0060】
探索部407は指定された出発地から目的地までの経路を探索する。経路探索の際に、探索部407はナビゲーション情報保存部7に保存の情報を参照する。
ナビゲーション情報保存部7に保存された、この発明の道路情報特定装置31で特定された道路情報を参照して、経路探索を行えば、よりスムーズに走行可能な案内ルートを車輌利用者に提供することができる。
また、特定された種々の道路情報へメッセージを関連付けておけば、走行中の車輌利用者に当該道路情報を案内することができる。例えば、「この先、車線数が増えます」、「この先、車線数が減ります」、「この先、待避所があります」等のメッセージを提供すれば、運転者のストレスを解消することにも繋がることになる。この場合、制御部401は、走行中の道路に設定されている当該道路情報のフラグに関連するメッセージをナビゲーション情報保存部7内に備えられたメッセージ保存部から読み出し、出力部404を介して出力する。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。さらには、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【0062】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 21 31 道路情報特定装置
2 走行履歴データ保存部
6 道路情報特定部
7 ナビゲーション情報保存部
11 第1走行履歴データ抽出部
12 第1走行履歴データ保存部
13 第1走行履歴データ比較部
14 道路情報保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8