【実施例】
【0072】
実施例1:アジュバント組成物ASA(ソルビトール)の調製
リポソーム製剤の形態で3−脱アシル化MPLとQS21とを含むアジュバント組成物を調製した。それは以下のようにして調製した:すなわち、
A.リポソームの調製法:
有機溶媒中、脂質(例えば、合成ホスファチジルコリン)、コレステロール、及び3−O−脱アシル化MPLの混合物を、真空下で乾燥させた。次いで、水溶液(例えば、リン酸塩緩衝生理食塩水[100mMのNaCl、20mMのリン酸塩 pH6.1])を添加し、すべての脂質が懸濁液になるまで、容器を撹拌した。次いで、その懸濁液を、高剪断ミキサーでプレホモジナイズし、そして、DLSで測定した場合にリポソームサイズがおおよそ90nm+/−10nmに低下するまで、高圧ホモジナイズした。次いで、リポソームを濾過滅菌した。
【0073】
B.ASA製剤:
工程1:濃縮リポソームの希釈
Na
2/Kリン酸塩バッファ100mM pH6.1を、注射用水に加えて10倍に希釈し、リン酸塩バッファ濃度を最終製剤において10mMにした。次いで、注射用水(WFI)中30%(w/v)ソルビトール溶液を加えて、最終製剤において4.7%の濃度にし、そしてそれを、室温で、15〜45分間撹拌した。
【0074】
次いで、濃縮リポソーム(それぞれ40mg/ml、10mg/ml、及び2mg/mlのDOPC、コレステロール、及びMPLで作られている)を混合物に加えて、最終製剤におけるMPLの濃度を100μg/mlにした。
【0075】
続いて、その混合物を、室温で、15〜45分間、撹拌した。
【0076】
工程2:QS21の添加
臑動ポンプを使用して、QS21バルク貯蔵品(200mlを、室温で24時間又は4℃で2日で解凍した)を、200ml/分の速度で、撹拌しながら、希釈リポソームに加えて、最終製剤における濃度を100μg/mlにした。その混合物を、15〜45分間、撹拌した。
【0077】
最終的なASA製剤は、1ml当たりMPLを100μg及びQS21を100μg含んでいた。
【0078】
工程3:pHを6.1+/−0.3であるようにチェックした。
【0079】
工程4:濾過滅菌
濾過滅菌法は、PALL Corporationから市販されているポリエーテルスルフォン(PES)フィルターによって、400ml/分の一定速度で行った。
【0080】
工程5:+2℃〜+8℃での貯蔵
リポソーム製剤の形態で3−O−脱アシル化MPL及びQS21を含み、且つソルビトール(ASA(ソルビトール)と呼ぶ)を含有するアジュバント組成物を得た。次いで、それを4℃で貯蔵した。
【0081】
実施例2:アジュバント組成物ASA(150mMのNaCl)の調製
A.リポソームの調製法:
有機溶媒中脂質(例えば、合成ホスファチジルコリン)、コレステロール、及び3−脱アシル化MPL(3D−MPL)の混合物を、真空下で乾燥させた。次いで、リン酸緩衝生理食塩水を加え、全ての脂質が懸濁液になるまで、容器を撹拌した。次いで、その懸濁液を、高剪断ミキサーでプレホモジナイズし、そして、DLSで測定した場合にリポソームサイズがおおよそ90nm+/−10nmに低下するまで、高圧ホモジナイズした。次いで、リポソームを、0.22μmのPES膜で濾過滅菌した。
【0082】
B.ASA製剤:
工程1:濃縮リポソームの希釈
Na
2/Kリン酸塩バッファ100mM pH6.45を、注射用水に加えて10倍に希釈し、最終製剤においてリン酸塩バッファ濃度を10mM及びNaCl濃度を150mMにした。この混合物を、室温で5分間、攪拌した。次いで、濃縮リポソーム(それぞれ40mg/ml、10mg/ml、及び2mg/mlのDOPC、コレステロール、及びMPLで作られている)を混合物に加えて、最終製剤におけるMPLの濃度を100μg/mlにした。続いて、その混合物を、室温で、5〜15分間、撹拌した。
【0083】
工程2:QS21の添加
QS21バルク貯蔵品(200mlを、室温で24時間又は4℃で2日で解凍した)を、磁気撹拌しながら、希釈リポソームに加えて、最終製剤における濃度を100μg/mlにした。その混合物は、室温で撹拌した。
【0084】
工程3:pHを6.1+/−0.1であるようにチェックした。
【0085】
工程4:濾過滅菌
濾過滅菌法は、PALL Corporationから市販されているポリエーテルスルフォン(PES)フィルターによって行った。
【0086】
工程5:+2℃〜+8℃での貯蔵
ASAの最終組成物は、1ml当たり、2mgのDOPC、500μgのコレステロール、100μgの3−O−脱アシル化MPL、100μgのQS21であった。
【0087】
実施例3.QS21の溶解活性
QS21は、赤血球(RBC)を溶解することが知られている。150mMのNaClを含む等価なアジュバント組成物(ASA(150mMのNaCl))に関して認められるのと同じ方法で確実にQS21溶解活性をクエンチするために、実施例1で調製したASA(ソルビトール)アジュバント組成物を試験した。
【0088】
QS21溶解活性は、ニワトリ赤血球(RBC)を使用する溶血作用分析で測定した。RBCを、4℃、550gで遠心分離した。上澄みは、廃棄した。ペレットを注意深くPBS緩衝液中に再懸濁させて、初期の体積にした。同じ操作を、上澄みが赤くならなくなるまで繰り返した(一般的に3回)。直ちに使用しない場合、ペレットは、4℃で最大3〜4日間貯蔵した(使用する日に再び洗浄した)。又は、同じ日に使用する場合は、緩衝液で約10倍に希釈した。
【0089】
QS21用量範囲曲線を、ASAバッファで(試験したASAサンプルの後には塩バッファで又はソルビトールバッファで)用事作成し、そして、アジュバントサンプル(500μl又は900μlのASAを意味する50μg又は90μg当量のQS21を含む)を調製した。最終体積は、(試験されるサンプルのバッファの役割としてソルビトールを含む又は含まない)十分なバッファによって、標準とサンプルを900μlに調整した。その蛋白光に起因して、ASAは、光学密度(OD)に干渉する。而して、ASA「ブランク」を調製し、そしてそれらのODを、ASA試験サンプルのODから減じた。それらのブランクは、サンプルにおいて試験される体積と同じASA体積と一致するが、バッファで1mlに調整した。RBCは、これらのブランクには加えなかった。次いで、標準及びサンプルを、室温で、30分間、RBC(900μlの標準及びサンプルに100μlの希釈RBCを加えた)と一緒にインキュベートした。次いで、サンプルを、900gで5分間、遠心分離した。540nmにおける光学密度を、遠心分離後に測定した。
【0090】
溶解活性の測定は、限度試験によって実施した。
【0091】
1. 検出限界(LOD)は、ODを導くQS21の最低濃度と定義した:
− ベースレベル(OD>0.1)に比べて高い
− ODのバッファ(「0μg」QS21)に比べて約3倍高い
− 曲線の上昇部分において
− 各試験について測定した。
【0092】
2.アジュバントサンプルに関するODがODLODに比べて大きい場合、QS21溶解活性は、アジュバントサンプルにおいて陽性であるように保たれた。
【0093】
QS21曲線の例:
【表1】
【0094】
*50μg当量のQS21を試験した。150mMの塩化ナトリウムバッファ。
【0095】
このアッセイにおける検出限界は、0.9μg QS21であり、0.12のODである。
【0096】
150mMの塩化ナトリウムを含むアジュバント組成物におけるQS21のクエンチングは、試験された50μg当量のQS21に関して98.2%を超えていると評価された。試験された90μg当量の場合、判定は、99%を超えている。
【0097】
次いで、QS21クエンチングを、ソルビトールと、わずか5mMの塩化ナトリウムとを含む等価なアジュバント組成物と比較した。データは、4℃でASAを貯蔵した後又は安定性を促進させた後に(37℃で7日)、得た。ソルビトール中ASAに関しては、QS21標準曲線を、ソルビトール含有バッファにおいて得た。
【表2】
【0098】
*90μg当量のQS21を試験した以外は、50μg当量のQS21を試験した。
【0099】
QS21は、低い塩化ナトリウムバッファで十分にクエンチされた。
【0100】
実施例4:MPL同族体
化学的には、3D−MPLは、4、5又は6位がアシル化された鎖を有する3−脱アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。各異なる3D−MPL分子は、同族体と呼ばれている。同族体の組成は、一定のままであり、同族体割合間のシフトはないことが重要である。使用されるいかなるバッファも、アジュバント組成物を作るために使用される濃縮リポソーム中における組成と同族体組成を同じにできることも重要でもある。
【0101】
図2に示してあるように、同族体組成を、3D−MPL濃縮リポソーム(濃縮リポソームLIP07−217、
図2の第1カラム)、150mMのNaClバッファ中3D−MPLリポソームとQS21とを含むアジュバント組成物(アジュバント150mMのNaCl、又はASA(150mMのNaCl)、第2カラム)、及びソルビトールと5mMのNaClバッファ中3D−MPLリポソームとQS21とを含むアジュバント組成物(アジュバントソルビトール、又はASA(ソルビトール)、カラム3〜7)において、検討した。
【0102】
調製後0日のASA(ソルビトール)アジュバントと、時間の経過に伴う漸進的な変化が起こらないことを保証するために調製してから37℃に維持した7日後のASA(ソルビトール)アジュバントとの2つのロットにおいても、同族体組成を検討した(
図2の最後の4つのカラムを参照されたい)。
【0103】
濃縮リポソーム又はASA(ソルビトール)サンプルにおけるMPLのテトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−アシル化同族体の相対的な分配を、IP−HPLC−Fluo検出(ARD)で測定した。標準及びサンプルの両方を、ダンシルヒドラジンによって誘導体化し、二糖骨格上にFluo活性発色団を導く。誘導体化したサンプルを、イオン対試薬としてテトラブチルアンモニウム水酸化物(TBAOH)を使用しているC18逆相カラムで分析した。同数の脂肪族アシル基を含む同族体を、異なる基(テトラアシル、ペンタアシル、及びヘキサアシル)で溶出させた。同族体の分配は、各基のピーク面積を、すべてのMPL同族体の総ピーク面積と比較することによって、推論される。
【0104】
図2は、各同族体のパーセントを示している。同族体組成の有意差は、アジュバントバッファ間ではなんら見出せず、そして同族体組成は、ソルビトールバッファでは、時間が経過しても一定であった。
【0105】
実施例5:実施例6及び7で使用する組成物の調製
5.1 CpG(CpG 2006を、すべての実施例で使用する)を有するPRAMEの調製
5.1.1 実施例6及び実施例7、実験1及び実験2において使用する、ASA(150mMのNaCl)と一緒にCpGを有するPRAMEの調製
30%(w/v)のスクロース溶液(注射用水中で調製した)を、注射用水に加え、5%のスクロース濃度にした。次いで、トリス−HClバッファ100mM pH9.5を加えて、トリスバッファ濃度を75mMにした。次いで、ホウ酸塩バッファ100mM pH9.8を加えて、ホウ酸塩バッファ濃度を5mMにした。10%(w/v)のPoloxamer188 溶液(注射用水中で調製した)を注射用水に加えて、0.313%の濃度にした。
【0106】
その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、約20mg/ml濃度の(注射用水中)CpG溶液を加えて、最終製剤において、1050μg/mlの濃度にした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、PRAME抗原を加えて、タンパク質濃度を1250μg/mlにした。その混合物を、室温で15分間、磁気撹拌した(150回転/分)。pHをチェックした(9.51)。得られた混合物を、3mlのガラスバイアルの中に0.5mlだけ入れ、次いで、凍結乾燥させた。
【0107】
図3は、PRAMEに関して使用した凍結乾燥サイクルを例示している(所要時間=40時間)。
【0108】
実施例2で調製した150mMのNaClを含む水性アジュバント組成物625μlによって、得られた凍結乾燥ケーキを再構成した。その凍結乾燥ケーキは、16mMのトリス、4mMのホウ酸塩、4%のスクロース、0.24%のPoloxamer 188、840μg/mlのCpG、及び1000μg/mlのPRAMEから成る最終組成物による再構成の後、適正な抗原/アジュバント比を有する、1.25倍過剰の抗原用量を含んでいた。
【0109】
5.1.2 実施例7の実験1での「液体製剤」(70mMのNaCl)のための、CpGを有するPRAMEの調製
濃縮アジュバント調製物
10倍濃縮されたpH6.1のPBS modを、注射用水に加えて10倍に希釈し、最終製剤において1倍濃縮バッファにした。リポソームと、400μg/mlに予備希釈されたQS21から作られる予備混合溶液を、別々に調製した。そのプレミックスを、室温で、15分間、磁気混合した。プレミックスで使用した濃縮リポソームは、40mg/mlのDOPC、10mg/mlのコレステロール、及び2mg/mlの3ー脱アシル化MPLで作られている。そのプレミックスを、PBSに加えて、最終製剤において、MPL濃度を200μg/ml及びQS21濃度を200μg/mlにした。続いて、その混合物を、室温で、15〜30分間、磁気撹拌した。次いで、約23mg/mlでCpGを加えて、最終濃度を1680μg/mlにした。続いて、その混合物を、室温で、15〜30分間、磁気撹拌した。6.1+/−0.1であるようにpHをチェックした。ASを、0.22μmのPESフィルターで濾過し、使用するまで4℃で貯蔵した。
【0110】
最終製剤
25%のスクロース、25mM pH9.8のホウ酸塩、及び10%のLutrolを、WFIに加えて、それぞれ、最終製剤において、9.25%、5mM、及び0.24%とした。2倍濃縮AS+CpG調製物を加えて、最終製剤では1倍濃縮にした。この混合物を、室温で5分間、攪拌した。スクロース3.15%とホウ酸塩5mM中PRAME抗原を加え、そしてその混合物を室温で5分間撹拌した。
【0111】
5.1.3 実施例7の実験2での「液体製剤」のための、CpGを有するPRAMEの調製
濃縮アジュバント調製物
液体製剤のためのASAを、次のようにして調製した。リン酸塩バッファ1M(pH6.1、100倍希釈する場合)を、磁気撹拌しながら、WFIに加えて、濃縮リポソームにおける50mMのリン酸塩濃度を考慮しながら、最終濃度を45mMにした。次いで、ソルビトール35%を、最終的には21.15%の濃度にした。その混合物に対して、40mg/mlのDOPC、10mg/mlのコレステロール、及び2mg/mlの3−脱アシル化MPLで作られた濃縮リポソームを加えて、最終MPL濃度を450μg/mlにした。QS21バルク(5000μg/ml程度で)を加えて、QS21の最終濃度を450μg/mlにした。その混合物を室温で15分間撹拌する。pHをチェックし、pH6.1+/−0.1に調整した。このASAの最終濃度は、それぞれ、MPLが450μg/ml、QS21が450μg/ml、リン酸塩が45mM、NaClが22.5mM、ソルビトールが21.15%であった。
【0112】
最終製剤
30%(w/v)のスクロース溶液(注射用水中で調製した)を、注射用水に加えて、最終製剤におけるスクロース濃度を4%にした。次いで、トリス−HClバッファ1M pH9.0を加えて、最終製剤におけるトリスバッファ濃度を16mMにした。次いで、ホウ酸塩バッファ100mM pH9.8を加えて、最終製剤におけるホウ酸塩バッファ濃度を4mMにした。次いで、10%(w/v)のPoloxamer188 溶液(注射用水中で調製した)を加えて、最終製剤における濃度を0.24%にした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、約20mg/ml濃度の(注射用水中)CpG溶液を加えて、最終製剤における濃度を840μg/mlにした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、PRAME抗原バッファ(ホウ酸塩5mM − スクロース3.15% pH 9.8)を加えて、PRAME抗原濃度を1000μg/mlに調整した。次いで、PRAME抗原を加えて、最終製剤においてタンパク質濃度を8μg/mlにした。その混合物を、室温で15分間、磁気撹拌した(150回転/分)。ソルビトール中4.5倍濃縮ASを加えて、MPL及びQS21の最終濃度を100μg/mlにした。pHをチェックした(+/−8.0)。
【0113】
5.1.4 実施例7の実験1でのASA(ソルビトール)及びASA(スクロース)のための、CpGを有するPRAMEの調製
30%(w/v)のスクロース溶液(注射用水中で調製した)を、注射用水に加え、製剤におけるスクロース濃度を5%にし、次いで、ホウ酸塩バッファ100mM pH9.8を加えて、この製剤におけるホウ酸塩バッファ濃度を5mMにし、次いで、トリス−HClバッファ100mM pH9.0を加えて、20倍に希釈して、この製剤におけるトリスバッファ濃度を5mMにした。次いで、10%(w/v)のPoloxamer188 溶液(注射用水中で調製した)を加えて、最終製剤における濃度を0.3%にした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、約20mg/ml濃度の(注射用水中)CpG溶液を加えて、製剤における濃度を1050μg/mlにした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、PRAME抗原を加えて、最終製剤においてタンパク質濃度を1250μg/mlにした。その混合物を、室温で15分間、磁気撹拌した(150回転/分)。pHを9.4に調整した。得られた混合物を、3mlのガラスバイアルの中に0.5mlだけ入れ、次いで、凍結乾燥させた。
【0114】
ASA(ソルビトール)を、実施例1に記載したようにして調製したが、以下の点がわずかに異なる:すなわち、ソルビトール濃度は4.6%であり、また、QS21を、希釈した濃縮リポソームに添加する前に、400μg/mlに予備希釈した。
【0115】
ASA(スクロース)を、実施例1に記載したようにして調製したが、以下の点がわずかに異なる:すなわち、ソルビトールの代わりにスクロースを使用し(30%w/vスクロース溶液の原液を使用し、そして最終的なスクロース濃度は8.3%である)、また、QS21を、希釈された濃縮リポソームに添加する前に、400μg/mlに予備希釈した。
【0116】
その得られた凍結乾燥ケーキを、625μlの水性アジュバント組成物で再構成した。最終組成物は、4mMのトリス、4mMのホウ酸塩、4%のスクロース、0.24%のPoloxamer 188、840μg/mlのCpG、及び1000μg/mlのPRAMEを含んでいた。
【0117】
5.1.5 実施例7の実験2でのASA(ソルビトール)のための、CpGを有するPRAMEの調製
30%(w/v)のスクロース溶液(注射用水中で調製した)を、注射用水に加え、製剤においてスクロース濃度を5%にした。次いで、トリス−HClバッファ1M pH9.0を加えて、50倍に希釈して、この製剤におけるトリスバッファ濃度を20mMにし、次いで、ホウ酸塩バッファ100mM pH9.8を加えて、20倍に希釈して、この製剤におけるホウ酸塩バッファ濃度を5mMにした。次いで、10%(w/v)のPoloxamer188 溶液(注射用水中で調製した)を加えて、最終製剤における濃度を0.3%にした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、約20mg/ml濃度の(注射用水中)CpG溶液を加えて、製剤における濃度を1050μg/mlにした。その混合物を、室温で5分間、磁気撹拌した(150回転/分)。次いで、PRAME抗原を加えて、最終製剤においてタンパク質濃度を1250μg/mlにした。その混合物を、室温で15分間、磁気撹拌した(150回転/分)。pHを9.1に調整した。得られた混合物を、3mlのガラスバイアルの中に0.5mlだけ入れ、次いで、凍結乾燥させた。
【0118】
ASAソルビトールを、実施例1記載のように調製した。その得られた凍結乾燥ケーキを、625μlの水性アジュバント組成物で再構成した。最終組成物は、16mMのトリス、4mMのホウ酸塩、4%のスクロース、0.24%のPoloxamer 188、840μg/mlのCpG、及び1000μg/mlのPRAMEを含んでいた。
【0119】
5.2 CpGを有するNY−ESO1の調製
5.2.1 実施例6における、CpGを有するNY−ES01の調製
Na/K
2リン酸塩バッファ200mM pH 6.3を、磁気撹拌しながら、注射用水に加えて20倍に希釈し、最終製剤において12.5mMにした。次いで、その混合物に対して、以下の賦形剤を、以下の順序で加えた:すなわち、最終的に0.3125%に達するまで10%w/vのモノチオグリセロールを、0.0625%に達するまで5%w/vのPoloxamer188を、最終的に5%に達するまで25%のスクロースを、そして6.25mMに達するまで287mMのL−アルギニンベース(L−Arginine base)を加えた。次いで、その混合物に対して約20mg/mlのCpGバルクを加えて、最終製剤において1050μg/mlの濃度にした。その混合物を、室温で、磁気撹拌(約150回転/分)しながら、10分間保持した。pHは、7.1+/−0.3であるようにチェックした。磁気撹拌を増加させ渦巻かせた。次いで、NY−ESO1を加えて、最終濃度を750μg/mlにした。次いで、磁気撹拌を約150回転/分まで低下させ、混合物を室温で5分間撹拌した。アリコートを採取して、最終的なpH(それは、7.02でなければならない)をチェックした。次いで、最終バルクを凍結乾燥させた。
【0120】
得られた凍結乾燥ケーキを、625μlのASAバッファ(150mMのNaCl及びソルビトール)で、再構成した。
【0121】
実施例6.バッファとしてソルビトールを含むアジュバント組成物における「塩析」の防止
図4は、塩濃度を5mMに低減し且つアジュバント組成物中にソルビトールを含有させると、(それぞれ実施例5.1.1及び5.2.1で調製された)免疫原性組成物におけるPRAME及びNY−ESO−1の両方の「塩析」が防止されることを示している。
図4において:
1.ASA 150mM NaClバッファにおいて再構成されたPRAME抗原。
【0122】
2.ASAソルビトールバッファにおいて再構成されたPRAME抗原。
【0123】
3.ASA 150mM NaClバッファにおいて再構成されたNYESO−1抗原。
4.ASAソルビトールバッファにおいて再構成されたNYESO−1抗原。
【0124】
図4は、ASA(150mMのNaCl)及びASA(ソルビトール)中で再構成されたPRAMEとNYESO−1の画像による比較である。以上のように、ASA(150mMのNaCl)において再構成されたPRAMEは、ASA(ソルビトール)において再構成されたPRAMEと比較して、濁っているように見える。同様に、ASA(150mMのNaCl)において再構成されたNY−ESOは、ASA(ソルビトール)において再構成されたNY−ESO抗原と比較して、濁っているように見える。
【0125】
実施例7.in vivoマウスモデル
実験1:
6〜8週齢の20匹の雌のCB6F1マウス(C57BL/6とBalb/Cマウスとの雑種)から成る7つの群を、ヒト用量の1/10に相当するASA+CpGの一定用量(5μgのMPL、5μgのQS21、及び42μgのCpG7909を含む50μL)中に配合したPRAMEタンパク質の筋注(二週間ごとに、左右の腓腹筋中に交互に注射)で2回免疫した。下記のように、最後の免疫化から14日後に、マウスの4つの群(各群n=8)に対して、10
+5個のCT26−PRAME腫瘍細胞を皮下に接種した。マウスの7つの群は:
− 第1群:バッファ
− 第2群:PRAMEタンパク質が沈殿する「典型的な」ASA(150mMのNaCl)中に再懸濁させた共凍結乾燥されたPRAME + CpG
− 第3群:ASA(スクロース)中に再懸濁させた共凍結乾燥されたPRAME+CpG
− 第4群:ASA(スクロース − 25℃で48時間インキュベーション)中に再懸濁させた共凍結乾燥されたPRAME+CpG
− 第5群:ASA(ソルビトール)中に再懸濁させた共凍結乾燥されたPRAME+CpG
− 第6群:PRAME+ASA − 70mMのNaCl+CpGを含む「液体」製剤
− 第7群:PRAME+ASA − 70mMのNaCl+CpG(+poloxamer)を含む「液体」製剤、であった。
【0126】
最後の免疫化から7日後に、サイトカインを分泌するT細胞の能力による細胞性応答を分析した(3匹のマウスから成るn=4群)。
【0127】
すべてのマウスは、ASA+CpGアジュバント系(5μgのMPL、5μgのQS21、及び42μgのCpG)のヒト用量の1/10中0.4μgのPRAMEを受容した。
【0128】
結果:
腫瘍成長
1群当たりの、表面(mm
2)(+SD)によって測定された時間経過に対する平均腫瘍成長が、
図6に示してある。PRAMEを配合したASA(150mMのNaCl)+CpG、及びASA液体製剤中PRAMEは、PRAME ASA(ソルビトール)+CpGに比べて、腫瘍防御がより低い(腫瘍成長がより大きい)。
【0129】
細胞性応答(2回目の免疫化の7日後 − 1群処理当たり3匹のマウスから成るn=4群):
PRAME ASA−CpG腫瘍抗原によるマウスの免疫化の後にIFNγ及びTNFαのようなサイトカインを産生できるCD4及びCD8T細胞の頻度を使用して、機能的な細胞性応答を誘導する異なる製剤の能力を示す。第二免疫化の7日後に、サイトカイン(IFNγ及びTNFα)を産生するCD4及びCD8T細胞のパーセンテージを、免疫マウスの脾臓細胞を細胞内サイトカイン染色(ICS)することによって測定した。
【0130】
図5には、IFNγ及びTNFαを産生するCD4の%(平均+/−標準偏差)が示してある。
【0131】
この実験では、測定可能なCD8反応は、認められなかった。
【0132】
ASA(150mMのNaCl)+CpGに配合されたPRAMEタンパク質は、沈殿することが示され、また、ASA(ソルビトール)+CpG中に配合されたPRAMEと比較して、より低い特異的なT細胞応答を誘導する。同様に良好なPRAME特異的CD4応答は、PRAMEタンパク質を、ASA(ソルビトール)+CpG中に、また、及びASA「液体」製剤(70mMのNaCl)+CpG中に配合する時に得られた(統計的に差はない)。体液性免疫応答も試験したが、2つの注射後のデータは解釈できなかった。
【0133】
実験2
6〜8週齢の24匹の雌のCB6F1マウス(C57BL/6とBalb/Cマウスとの雑種)から成る4つの群を、ヒト用量の1/10に相当するASA+CpGの一定用量(5μgのMPL、5μgのQS21、及び42μgのCpG7909を含む50μL)中に配合したPRAMEタンパク質の筋注(二週間ごとに、左右の腓腹筋中に交互に注射)で4回免疫した。
【0134】
下記のように、最後の免疫化から14日後に、マウスの4つの群(各群n=12)に対して、10
+5個のCT26−PRAME腫瘍細胞を皮下に接種した。マウスの4つの群は:
− 第1群:バッファ
− 第2群:PRAMEタンパク質が沈殿する「典型的な」ASA(150mMのNaCl)中に再懸濁させた共凍結乾燥させたPRAME + CpG
− 第3群:ASA(ソルビトール)中に再懸濁させた共凍結乾燥させたPRAME+CpG
− 第4群:PRAME+ASA − 「液体」製剤+CpG(+poloxamer)であった。
【0135】
最後の免疫化の14日後に、免疫応答を、以下の通りに異なる読み出しを使用して分析した:
− 体液性応答(n=12)
− サイトカインを分泌するT細胞の能力による細胞性応答(3匹のマウスから成るn=4群)
− 腫瘍接種に対する防御効果(n=12)
すべてのマウスは、ASA+CpGアジュバント系(5μgのMPL、5μgのQS21、及び42μgのCpG)のヒト用量の1/10中0.4μgのPRAMEを受容した。
【0136】
結果:
腫瘍成長
1群当たりの、表面(mm
2)(+SD)によって測定された時間経過に対する平均腫瘍成長が、
図9に示してある。PRAME配合ASA(150mMのNaCl)+CpGは、PRAME ASA(ソルビトール)+CpGに比べて、より低い腫瘍防御(より大きい腫瘍成長)を誘導する。同様な防御は、PRAME ASA(ソルビトール)+CpGと、ASA液体製剤+CpG中PRAMEとに関しても観察された。
【0137】
サンプル分析:体液性応答:
後述するように、マウス血清(n=12)を、4回の免疫化の最後から14日後に、PRAME特異的抗体の存在に関して、ELISAによって試験した。抗体応答(総Ig)を、被覆抗原として精製組換えPRAMEタンパク質を使用するELISAによって、評価した。免疫動物からの血清を、PRAME特異的抗体の存在に関して分析した。4回の免疫化後に得られた標準力価の幾何平均(n=12匹のマウス)+/−95%信頼区間が、
図7に示してある。典型的なASA(150mMのNaCl)を含むPRAME/ASA+CpGは、非常に小さい抗体応答を誘導し、一方、ASA(ソルビトール)を含むPRAME/ASA+CpGは、非常に高い抗体価を誘導する。この応答は、液体製剤ASAによって誘導される応答と同様である。
【0138】
細胞性応答(4回目の免疫化から14日後 − 1群処理当たり3匹のマウスから成るn=4群):
PRAME ASA−CpG腫瘍抗原によるマウスの免疫化の後にIFNγ及びTNFαのようなサイトカインを産生できるCD4及びCD8T細胞の頻度を使用して、機能的な細胞性応答を誘導する異なる製剤の能力を示す。4回目の免疫化の14日後に、サイトカイン(IFNγ及びTNFα)を産生するCD4及びCD8T細胞のパーセンテージを、免疫マウスの脾臓細胞を細胞内サイトカイン染色(ICS)することによって測定した。
【0139】
図8には、IFNγ及びTNFαを産生するCD4の%(平均+/−標準偏差)が示してある。p値は、0.05より大幅に低く、第2群と、第3群、及び第4群との間の有意差を証明している。
【0140】
この実験では、測定可能なCD8反応は、見出されなかった。
【0141】
ASA(150mMのNaCl)+CpGに配合されたPRAMEタンパク質は、沈殿することが示され、また、ASA(ソルビトール)+CpGに配合されたPRAMEと比較して、統計的により低い特異的なT細胞応答を誘導する。対照的に、同様に良好なPRAME特異的CD4応答は、PRAMEタンパク質を、ASA(ソルビトール)+CpG中に、及びASA「液体」製剤+CpG中に配合する時に得られた(統計的に差はない)。
【0142】
方法
CT26−PRAME腫瘍モデル及び腫瘍成長
CT26−PRAME細胞系は、PRAMEのcDNAをコードする哺乳類細胞発現プラスミドpCDNA3(カリフォルニア州カールズバッドにあるInvitrogen社製)をCT26結腸癌細胞系に形質移入することによって、発生させた。G418(200μg/ml)による選択と、限界希釈クローニングとにより、定量的リアルタイムPCRによって測定されるPRAME(CT26−PRAME)を発現するクローンを得た。(10
−3 PRAME mRNAコピー/ヒト腫瘍によるPRAME発現レベルの範囲内にあるマウスβアクチンのコピー)。
【0143】
CT26 PRAME細胞は、10%ウシ胎児血清、1%L−グルタミン、1%ペニシリン−ステプトマイシン、1%非必須アミノ酸、1%ピルビン酸ナトリウム、及び0.1%β−メルカプトエタノールを有するRPMI培地において、5%CO
2の存在下、37℃で、in vitroで培養した。細胞を、トリプシン処理し、無血清培地で2度洗浄し、そして、200μlのRPMI培養液の中に入れて注射剤とし、上記したようにPRAMEで最後に免疫した14日後に、4つの群のCB6F1マウスの右側腹部の皮下に注入した。個々の腫瘍成長は、週に2回測定した。各腫瘍の2つの主直径の積を時間の経過とともに記録し、そのデータを、動物の各群における平均腫瘍表面(mm
2)として示す。
【0144】
サンプル分析:体液性応答
血清を添加する前に、イムノプレートを、4℃で一晩、PRAME抗原で被覆した。37℃で90分間、血清と反応させた後、マウス免疫グロブリンに対するビオチン化ウサギ完全抗体を、37℃で90分間、加えた。抗原抗体複合体を、37℃で30分間、ストレプトアビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体と一緒にインキュベートすることによって、可視化した。次いで、この複合体を、室温で10分間、テトラメチルベンジジン(TMB)を添加することによって、可視化し、そして、その反応を0.2MのH
2SO
4で停止させた。光学密度は、450nmで記録した。
【0145】
サンプル分析法:細胞性応答(IFNg/TNFa産生)
CD4及びCD8T細胞によるIFNg及びTNFa産生は、PRAMEタンパク質配列全体をカバーするオーバーラップしている15merペプチドのプールで2時間刺激した後、免疫マウス(4つの群、1群当たり3匹のマウスから成る)の脾臓細胞に関して細胞内サイトカイン染色(ICS)を使用してフローサイトメトリー(Becton Dickinsonから入手されるLSR2)で測定した。
【0146】
T細胞の刺激:
− PRAME配列全体をカバーする、11アミノ酸だけオーバーラップしている123種の15merペプチドのプールによって、免疫動物の脾臓細胞を再刺激した。96穴プレート(U)において、ペプチド(1μg/ml/ペプチド)を、2μg/mlの抗CD49dと2μg/mlの抗CD28とを含む最終体積200μlのRPMI 5%FCS中で、37℃で2時間、10
+6個のT細胞(脾臓細胞)と混合する。
【0147】
− インキュベーションの後、50μlのブレフェルジン(1/1000)を、RPMI 5%FCS中に加えた。
【0148】
細胞内染色:
・CD4/CD8染色:
− 細胞を96穴プレート(円錐形ウェル)に移した。
【0149】
− 4℃で5分間、1000回転/分で遠心分離
− 250μlのFACSバッファ(PBS1%FCS)で洗浄
− 細胞のペレットを、4℃で10分間、50μlのFACSバッファ中2.4G2 1/50を使用してインキュベートした。
【0150】
− 50μlのFACSバッファ中Master mix CD4−PE(希釈Mab:1/200)とCD8PerCP(希釈 Mab:1/200)を、4℃で30分間にわたって添加した。
【0151】
− FACSバッファ中で洗浄(1200回転/分、10分間)
・細胞の透過処理:
− 4℃で20分間にわたって、200μlのcytoFix−cytoPerm溶液を使用して、ペレットをインキュベートした。
【0152】
− permWASH1xで洗浄し(1200回転/分、10分間)そのpermWASH溶液を10倍に濃縮し、滅菌水で希釈する。
【0153】
・IFNγ及びTNFα細胞内染色:
− 50μlのpermWASH1x溶液中Mix IFNγ APC(希釈Mab:1/50)及びTNFα FITC(希釈Mab:1/50)を使用して、4℃で2時間、ペレットをインキュベートした。
【0154】
− permWASH1X (1200回転/分、10分間)で洗浄した。
【0155】
− ペレットを、FACSバッファ中に再懸濁させた。
【0156】
− FACS分析
Brefeldin (Gologi Plug): BD カタログ番号555029
Cytofix/cytoperm: Pharmingen (BD) カタログ番号 554722
Perm/wash buffer: Pharmingen(BD) カタログ番号 554723
Rat anti Mouse CD49d 精製NA LE: BD カタログ番号 553154
Rat anti Mouse CD28 精製NA LE: BD カタログ番号 553295
Rat anti Mouse CD8a perCp: BD カタログ番号553036
Rat anti Mouse CD4 PE: BD カタログ番号556616
Rat anti Mouse IFNγ APC: BD カタログ番号554413
Rat anti Mouse TNFα FITC: BD カタログ番号554418
Anti−mouse CD16/CD32 (2.4G2) Becton Dickinson カタログ番号553142(0.5mg/ml)