特許第5647710号(P5647710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5647710
(24)【登録日】2014年11月14日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】外科用器具のための関節運動機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20141211BHJP
【FI】
   A61B17/10 310
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-97309(P2013-97309)
(22)【出願日】2013年5月7日
(62)【分割の表示】特願2008-238600(P2008-238600)の分割
【原出願日】2008年9月17日
(65)【公開番号】特開2013-146604(P2013-146604A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2013年5月7日
(31)【優先権主張番号】11/863,653
(32)【優先日】2007年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】サチン シャー
(72)【発明者】
【氏名】フランク シー. マッフェイ
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−098133(JP,A)
【文献】 特開2007−038003(JP,A)
【文献】 特開2006−075376(JP,A)
【文献】 特表2005−505335(JP,A)
【文献】 特開2005−261621(JP,A)
【文献】 特開平08−336540(JP,A)
【文献】 特開平08−164144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具における関節運動を防ぐシステムであって、該システムは、
関節運動ロックアセンブリと、
軸方向に沿って延びるロッドであって、該ロッドは、該ロッド上に作動面を有するロッド
を含み、
該ロッドは、該作動面が該関節運動ロックアセンブリに係合するように該軸方向に移動するように構成されており、該関節運動ロックアセンブリは、可撓性部材を有し、該可撓性部材は、少なくとも1つの突出部を含み、該少なくとも1つの突出部は、少なくとも1つの関節運動駆動部材の保持面に係合するように該軸方向に直交する方向に延びるように構成されている、システム
【請求項2】
前記関節運動ロックアセンブリは、起動部材をさらに含み、該起動部材は、前記ロッド係合するように構成されており、前記作動面は、該起動部材の移動を促す、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記起動部材は、前記可撓性部材に向かって移動させられる、請求項2に記載のシステム
【請求項4】
前記起動部材は、前記可撓性部材の内部スペース中に移動し、該可撓性部材を側方に拡げる、請求項3に記載のシステム
【請求項5】
前記作動面は、チャンネルを形成し、該チャンネルは、前記起動部材が前記可撓性部材から離れて移動するように該起動部材を受容するように構成されている、請求項3に記載のシステム
【請求項6】
前記少なくとも1つの関節運動駆動部材は、2つの関節運動駆動部材を含み、前記少なくとも1つの突出部は、該2つの関節運動駆動部材の保持面のそれぞれに係合する反対方向に延びる2つの突出部を含む、請求項1に記載のシステム
【請求項7】
前記起動部材は、前記作動面に沿ったスライドによって移動される、請求項3に記載のシステム
【請求項8】
前記ロッドは、前記外科用器具が発射されると前記軸方向に移動するように構成されている、請求項1に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、外科用器具の少なくとも一部分を移動させる機構に、そしてより特定すれば、細長い外科用器具との使用のための関節運動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
組織が、まず対向する顎構造間に把持またはクランプ留めされ、そして次に外科用ファスナーにより接合される外科用デバイスは、当該技術分野で周知である。いくつかの器具では、ナイフが、ファスナーによって接合された組織を切断するために提供される。これらファスナーは、代表的には、外科用ステープルの形態にあるが、二部分のポリマーファスナーもまた利用され得る。
【0003】
特許文献1に開示されるステープラーは、切開の両側に二重の列のステープルを付与する。これは、カム部材が、2つのセットの千鳥状のステープル保持溝間の細長い案内通路を通って移動する使い捨て可能な装填ユニットを提供することによって達成される。ステープル駆動部材は、これらの溝内に位置され、そしてカム部材を長手軸方向に移動することにより接触され、使い捨て可能な装填ユニットのステープルカートリッジからステープルの駆出を行うような様式で位置決めされる。このようなステープルのその他の例は、特許文献2および特許文献3に開示されている。
【0004】
上記の器具の各々は、外科医が手術部位への直接手動接近を有する従来の外科的手順における使用のために設計された。しかし、内視鏡または腹腔鏡手順では、手術は、小さな切開を通るか、または皮膚中の小さな入口創傷を通って挿入された狭いカニューレを通って実施される。内視鏡手順および/または腹腔鏡手順の特定の必要性を取り扱うために、内視鏡外科用ステープル留めデバイスが、開発され、そして、例えば、特許文献4(Greenら);特許文献5(Olsonら);特許文献6(Greenら);特許文献7(Greenら);特許文献8(Greenら);および特許文献9(Robinsonら)に開示されている。
【0005】
特定の現在の腹腔鏡線状ステープラーは、関節運動され、軸を離れた形態で作動するような形態である。関節運動する内視鏡外科用ステープラーは、Millimanらに発行された特許文献10に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】

【特許文献1】米国特許第3,499,591号明細書
【特許文献2】米国特許第4,429,695号明細書
【特許文献3】米国特許第5,065,929号明細書
【特許文献4】米国特許第5,040,715号明細書
【特許文献5】米国特許第5,307,976号明細書
【特許文献6】米国特許第5,312,023号明細書
【特許文献7】米国特許第5,318,221号明細書
【特許文献8】米国特許第5,326,013号明細書
【特許文献9】米国特許第5,332,142号明細書
【特許文献10】米国特許第6,953,139号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、関節運動する細長い外科用器具に関し、これは、ハンドルアセンブリ、およびこのハンドルアセンブリから遠位方向に延び、そして第1の長手方向軸を規定する細長い本体部分を含む。この細長い外科用器具はまた、上記第1の細長い長手方向軸に実質的に直交する旋回軸回りで上記細長い本体部分の遠位端上に旋回可能に支持されるツールアセンブリを含む。上記細長い外科用器具は、同様に、上記ツールアセンブリを移動させる関節運動機構を含む。
【0008】
上記器具は、少なくとも1つの保持面を有する少なくとも1つの関節運動駆動部材;この少なくとも1つの関節運動駆動部材に隣接して配置されるロッドであって、このロッド上に配置される作動面を有するロッド;および上記作動面を選択的に係合し、そしてその係合を解放し、かつ上記少なくとも1つの関節運動駆動部材の上記少なくとも1つの保持面を選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放する関節運動ロックアセンブリを備える。
【0009】
上記少なくとも1つの関節運動駆動部材は、2つの関節運動駆動部材を含み、これら2つの関節運動駆動部材の各々は、上記関節運動ロックアセンブリによる係合および係合の解放のための少なくとも1つの保持面を有する。上記関節運動ロックアセンブリは少なくとも2つの保持面を有し、少なくとも1つの保持面が上記2つの関節運動駆動部材の1つを係合し、そして少なくとも1つのその他の保持面が上記2つの関節運動駆動部材のもう1つを係合する。
【0010】
上記関節運動ロックアセンブリの保持面または複数の保持面は、1つ以上の突出部として構成され得る。これら突出部は、上記の関節運動駆動部材の個々の少なくとも1つの保持面を選択的に係合し、そしてその係合を解放し得る。上記関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面は、上記関節運動アセンブリの個々の突出部を受容するチャンネルとして構成され得る。
【0011】
上記関節運動ロックアセンブリの少なくとも1つの保持面は、各々摩擦面を備え得る。上記関節運動駆動部材または複数の部材の少なくとも1つの保持面は摩擦面を含み得る。
【0012】
1つの実施形態では、上記関節運動ロックアセンブリは、側方に拡張可能である可撓性部材を含み得る。上記関節運動ロックアセンブリは、上記可撓性部材に向かって移動可能な起動部材をさらに含み得る。上記ロッド上に配置される作動面は、このロッドの表面中の移動止めチャンネルとして構成され得る。この移動止めチャンネルは、上記ロッドの運動の際に、上記起動部材を移動させるような形態である少なくとも1つの傾斜面を含み得る。
【0013】
1つの実施形態では、上記可撓性部材は内部スペースを有し、そしてここで、上記ロッドの運動の際に、上記起動部材が上記可撓性部材の内部スペースに入り、そして上記可撓性部材を側方に拡げる。上記起動部材は、上記可撓性部材を係合するための傾斜面を有し得る。
【0014】
上記可撓性部材は、上記起動部材を上記可撓性部材から押し離し、そしてそれによって上記駆動部材を解放し、この駆動部材の移動を可能にするに十分な弾力性を備える形態であり得る。上記可撓性部材は、上記内部スペースにまたがる少なくとも一対の傾斜面を含み得、そして上記起動部材は、上記可撓性部材の傾斜面を係合するこの起動部材の運動が、この可撓性部材の保持面を、個々の関節運動駆動部材の保持面と係合させ、またはそれから係合を解放する形態であり得る。上記可撓性部材は、アパーチャをさらに含み得、そして上記起動部材は、上記可撓性部材のアパーチャとロックして係合し、そしてそれによって受容されるような形態の突出部をさらに含み得る。上記起動部材の突出部は、上記起動部材の運動の間に上記可撓性部材のアパーチャとロックして係合し、そしてそれによって受容され得、上記可撓性部材の傾斜面を係合し、上記関節運動ロック手段の保持面が、上記個々の関節運動駆動部材の保持面を選択的に係合し、そしてそれから係合を解放するようにする。
【0015】
1つの実施形態では、上記細長い本体部分は、各々が少なくとも2つの保持面を有する少なくとも2つの駆動部材、操作レバー、およびベースプレートを含む。このベースプレートは、上記操作レバーに作動可能に連結され得、各々が遠位係合部分および近位係合部分である第1の対および第2の対を有する。この遠位係合部分の第1の対は上記操作レバーの移動に際し、遠位係合アパーチャを交互に係合するような形態であり、その一方、上記近位係合部分の第2の対は上記操作レバーの移動に際し、近位係合アパーチャを交互に係合するような形態である。
【0016】
上記ベースプレートは、複数のノッチをさらに含み得、ここでこれら複数のノッチの各々は、上記旋回部材の関節運動の特定の位置に影響する上記ベースプレートの特定の位置に対応し、そして上記外科用器具は、上記ベースプレート中の複数のノッチの任意の1つとロックして係合し、上記旋回部材の関節運動の特定位置をロックするロックアクチュエーターをさらに含む。
【0017】
上記器具のロッドは、上記ツールアセンブリから外科用ステープルの発射を行うための発射ロッドを備え得る。
【0018】
本発明のさらなる局面では、外科用器具における関節運動を防ぐ方法は、その上に作動面を有するロッドを、この作動面が関節運動ロックアセンブリを係合するように移動させる工程を包含する。この関節運動ロックアセンブリは、少なくとも1つの関節運動駆動部材を係合するように側方にカム運動される可撓性部材を有する。上記方法は、上記起動部材が上記ロッドと係合し、上記作動面が上記起動部材を移動させることを包含し得る。上記起動部材は、上記可撓性部材に向かって移動され得る。特定の実施形態では、上記起動部材は、上記可撓性部材の内部スペース中に移動し、この可撓性部材を側方に拡げる。上記の方法は、上記起動部材を上記ロッド中のチャンネル中に移動させ、そして上記可撓性部材から離れさせる工程をさらに含み得る。上記可撓性部材上の保持面は、上記少なくとも1つの関節運動駆動部材上の保持面と係合するように移動させられ得る。
【0019】
特定の実施形態では、上記可撓性部材は、2方向に側方にカム運動し、2つの関節運動駆動部材を係合する。上記駆動部材は、少なくとも1つの傾斜面に沿ってスライドし得る。好ましい実施形態では、外科用ステープルは、上記ロッドを遠位方向に移動することを含む、上記外科用器具から発射される。
【0020】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)関節運動する細長い外科用器具であって:
ハンドルアセンブリ;
該第ハンドルアセンブリから遠位方向に延び、そして第1の長手方向軸を規定する細長い本体部分;
該細長い本体部分の遠位端上で、該第1の細長い長手方向軸に実質的に直交する旋回軸回りに旋回可能に支持されるツールアセンブリ;
該ツールアセンブリの移動をもたらす関節運動機構;
少なくとも1つの保持面を有する少なくとも1つの関節運動駆動部材であって、該関節運動機構によって作動される1つの関節運動駆動部材;
該少なくとも1つの関節運動駆動部材に隣接して配置されるロッドであって、該ロッド上に配置される作動面を有するロッド;および
該作動面を選択的に係合し、そしてその係合を解放し、かつ該少なくとも1つの関節運動駆動部材の該少なくとも1つの保持面を選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放する関節運動ロックアセンブリ、を備える、関節運動する細長い外科用器具。
(項目2)上記少なくとも1つの関節運動駆動部材が、2つの関節運動駆動部材を含み、該2つの関節運動駆動部材の各々が、上記関節運動ロックアセンブリによる係合および係合の解放のための少なくとも1つの保持面を有する、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目3)上記関節運動ロックアセンブリが少なくとも2つの保持面を有し、少なくとも1つの保持面が上記2つの関節運動駆動部材の1つを係合し、そして少なくとも1つのその他の保持面が該2つの関節運動駆動部材のもう1つを係合する、項目2に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目4)上記関節運動ロックアセンブリが、上記少なくとも1つの関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面を選択的に係合し、そしてその係合を解放するための少なくとも1つの突出部を有する、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目5)上記少なくとも1つの関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面が、上記少なくとも1つの突出部を受容するためのチャンネルを備える、項目4に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目6)上記少なくとも1つの関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面が、摩擦面を備える、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目7)上記関節運動ロックアセンブリが、上記少なくとも1つの関節運動駆動部材の摩擦面を選択的に係合し、そしてその係合を解放するための少なくとも1つの摩擦面を有する、項目6に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目8)上記関節運動ロックアセンブリが、側方に拡張可能である可撓性部材を含む、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目9)上記関節運動ロックアセンブリが、上記可撓性部材に向かって移動可能な起動部材を含む、項目8に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目10)上記ロッドが、上記作動面を上記起動部材と接触させるように移動可能である、項目9に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目11)上記ロッド上に配置される作動面が、該ロッドの表面中の移動止めチャンネルとして構成される、項目9に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目12)上記移動止めチャンネルが、上記ロッドの運動の際に、上記起動部材を移動させるような形態である少なくとも1つの傾斜面を含む、項目11に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目13)上記可撓性部材が内部スペースを有し、そしてここで、上記ロッドの運動の際に、上記起動部材が該可撓性部材の内部スペースに入り、そして該可撓性部材を側方に拡げる、項目8に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目14)上記起動部材が、上記可撓性部材を係合するための傾斜面を有する、項目9に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目15)上記細長い本体部分が:
各々が少なくとも2つの保持面を有する少なくとも2つの駆動部材;
操作レバー;および
ベースプレートであって、該操作レバーに作動可能に連結され、各々が遠位係合部分および近位係合部分である第1の対および第2の対を有し、該遠位係合部分の第1の対が該操作レバーの移動に際し、遠位係合アパーチャを交互に係合するような形態であり、該近位係合部分の第2の対が該操作レバーの移動に際し、近位係合アパーチャを交互に係合するような形態である、ベースプレートを備える、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目16)上記ロッドが、上記ツールアセンブリから外科用ステープルの発射を行うための発射ロッドである、項目1に記載の関節運動する細長い外科用器具。
(項目17)外科用器具における関節運動を防ぐ方法であって、その上に作動面を有するロッドを、該作動面が関節運動ロックアセンブリを係合するように移動させる工程を包含し、該関節運動ロックアセンブリが、少なくとも1つの関節運動駆動部材を係合するように側方にカム運動させられる可撓性部材を有する、方法。
(項目18)起動部材を上記ロッドと係合する工程をさらに包含し、上記作動面が該起動部材の移動を促す、項目17に記載の方法。
(項目19)上記起動部材が、上記可撓性部材に向かって移動させられる、項目18に記載の方法。
(項目20)上記起動部材が、上記可撓性部材の内部スペース中に移動し、該可撓性部材を側方に拡げる、項目19に記載の方法。
(項目21)上記起動部材を上記ロッド中のチャンネル中に移動させ、そして上記可撓性部材から離れさせる工程をさらに包含する、項目19に記載の方法。
(項目22)上記可撓性部材上の保持面を移動させ、上記少なくとも1つの関節運動駆動部材上の保持面とを係合させる工程をさらに包含する、項目17に記載の方法。
(項目23)2つの関節運動駆動部材を係合するように、上記可撓性部材を2方向に側方にカム運動させる工程をさらに包含する、項目17に記載の方法。
(項目24)上記起動部材を少なくとも1つの傾斜面に沿ってスライドさせる工程をさらに包含する、項目19に記載の方法。
(項目25)上記ロッドを遠位方向に移動することを含む、上記外科用器具から外科用ステープルを発射する工程をさらに包含する、項目17に記載の方法。
【0021】
(摘要)
関節運動する細長い外科用器具は、ハンドルアセンブリ、細長い本体部分、この細長い本体部分の遠位端上に旋回可能に支持されるツールアセンブリを含む。この細長い外科用器具はまた、上記ツールアセンブリを移動させる関節運動機構を含み、この関節運動機構は、上記ツールアセンブリに作動可能に連結される旋回部材を含む。細長い本体は、少なくとも1つの保持面をその中に有する少なくとも1つの関節運動駆動部材;この関節運動駆動に隣接して配置される発射ロッドであって、この発射ロッドの上に配置された関節運動ロック作動面を備える発射ロッド;および上記作動面を選択的に係合し、そしてその係合を解放し、かつ関節運動駆動部材の保持面を選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放する関節運動ロックアセンブリ含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
種々の実施形態が図面を参照して本明細書中に記載される:
図1図1は、本明細書に開示されるステープル留め装置の実施形態の斜視図である。
図2図2は、図1に示される外科用装置の関節運動機構の斜視図である。
図3図3は、本開示による旋回部材および関節運動駆動部材を示す、図2の詳細である。
図4図4は、本開示による駆動部材よびその他の特徴を示す、図2の詳細である。
図5図5は、駆動部材を示す本開示による関節運動機構の近位端の平面図である。
図6図6は、本開示による、両方が関節運動ロック機構を納める、関節運動作動機構および細長い外科用器具のための細長い本体部分の斜視図である。
図7図7は、図6の細長い外科用器具の細長い本体部分の内部構成要素の分離されたパーツの斜視図である。
図8A図8Aは、図6の細長い外科用器具のための細長い本体部分の旋回部材および関節運動駆動部材の1つの実施形態を示す斜視図である。
図8B図8Bは、図8Aの細長い本体部分の旋回部材および関節運動駆動部材の側面図である。
図8C図8Cは、図8Aの細長い本体部分の旋回部材および別の関節運動駆動部材の側面図である。
図9A図9Aは、図6の細長い外科用器具のための旋回部材および関節運動駆動部材の別の実施形態を示す斜視図である。
図9B図9Bは、図9Aの細長い本体部分の旋回部材および関節運動駆動部材の側面図である。
図10図10は、本開示による関節運動ロック機構の1つの実施形態を示す、図8の細長い外科用器具の細長い本体部分の内部構成要素の分離されたパーツでの斜視図である。
図11図11は、図10の関節運動ロック機構の斜視図である。
図12図12は、図6、7および10の細長い本体部分の内部構成要素の断面斜視図である。
図13図13は、図12中の線13−13に沿ってとった、細長い本体部分の内部構成要素の別の断面図であり、係合が解放された位置における関節運動ロック機構を示す。
図14図14は、係合が解放された位置における関節運動ロック機構を示す、図10、11および13の細長い本体部分の内部構成要素の断面図である。
図15図15は、係合位置における関節運動ロック機構を示す、図10、11、13および14の細長い本体部分の内部構成要素の断面図である。
図16図16は、係合位置における関節運動ロック機構を示す、図10、11、13、14および15の細長い本体部分の内部構成要素の断面図である。
図17図17は、係合位置における関節運動ロック機構を示す、図10、11、13、14、15および16の細長い本体部分の内部構成要素の平面図である。
図18図18は、関節運動駆動部材保持面の代替の形態を示す、細長い本体部分の内部構成要素の斜視図である。
図19図19は、関節運動駆動部材保持面の代替の形態を示す、細長い本体部分の内部構成要素の斜視図である。
図20図20は、係合位置における関節運動駆動部材保持面を示す、図19の細長い本体部分の内部構成要素の断面図である。
図21図21は、係合位置における関節運動駆動部材保持面の代替の形態を示す、図19および20の細長い本体部分の内部構成要素の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施形態は、ここで、図面を参照して詳細に説明され、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図面の各々で、同一または対応する要素を指定する。
【0024】
図面において、そして以下の説明において、用語「近位」は、伝統的であるように、操作者に最も近い外科用器具の端部または部分をいい、その一方、用語遠位は、操作者から最も遠い外科用器具の端部または部分をいう。
【0025】
ここで、図1〜5を参照して、本開示による、細長い外科用器具、例えば、外科用ステープルを付与するための外科用ステープル留め装置が、外科用器具10として一般に示される。外科用器具10は、一般に、ハンドル部分18および移動可能なトリガー部分20を備えたハウジング16を有するハンドルアセンブリ12を含む。この外科用器具10は、ハウジング16に作動可能に連結される細長い本体14を含む。関節運動レバー130がまた、ハンドルアセンブリ12の前方端上に取り付けられ、ツールアセンブリ17の関節運動を容易にする。1つの実施形態では、ツールアセンブリ17が、細長い本体14の遠位端19に離脱可能に固定される。図1〜2に示されるように、このツールアセンブリ17は、アンビルアセンブリ23aおよびカートリッジアセンブリ23bを含む一対の顎23aおよび23bを有する。アンビルアセンブリ23aは、細長い本体14に対して移動可能に固定される。このアンビルアセンブリ23aは、カートリッジアセンブリ23bに対向して配置され、そしてこのカートリッジアセンブリ23bは、ステープルの直線状の列を付与するような形態である。長さが約30mm〜約60mmの寸法のステープルの列を付与するためのツールアセンブリを備えた装填ユニットが、細長い本体14の遠位端19に連結され得る。その他の長さ、例えば、45mmのステープルの直線状の列を有する置換可能な装填ユニットもまた、想定される。外科用ステープルの展開およびそのための作動機構は、米国特許出願公開第2004/0232201 A1号明細書中に開示されており、その全体の内容は、本明細書中に、本明細書によって援用される。
【0026】
内視鏡外科用ステープル留め装置として具現化される、外科用器具10の一般的全体配置、構築および作動は、多くの点で、制限されないで、例えば、2005年10月11日に公開されたMillimanらによる本出願人に譲渡された米国特許第6,953,139B2により詳細に記載されたような外科用ステープル留め装置に類似し、この特許の全体の内容は、本明細書中に本明細書によって援用される。この外科用器具10はまた、把持器具、開創器として、または外科用ツール部材の関節運動を要求する別の器具として具現化され得る。これらの実施形態は、内視鏡外科用ステープラーの関連に制限されない。
【0027】
本開示による実施形態では、外科用器具10は関節運動機構100をさらに含み(図2を参照のこと)、ツールアセンブリ17の移動を行う。この関節運動駆動100は、ツールアセンブリ17にその近位端21で作動可能に連結されている(図1を参照のこと)旋回部材102を含む。細長い本体部分14は、ハンドルアセンブリ12から遠位方向に延び、そして第1の長手方向軸を規定する。ツールアセンブリ17は、上記第1の長手方向軸に実質的に垂直である、旋回部材102によって規定される旋回軸の周りで、細長い本体部分14の遠位端上の旋回部材102によって旋回可能に支持されている。このツールアセンブリ17は、第2の長手方向軸を規定し、そして上記第2の長手方向軸が上記第1の長手方向軸と一直線となる第1の位置と、上記第2の長手方向軸が上記第1の長手方向軸と所定角度で位置決めされる第2の位置との間で移動可能である。
【0028】
関節運動機構100はさらに、旋回部材102に、第2の関節運動駆動部材110bに対する第1の関節運動駆動部材110aの運動が、旋回部材102を、ツールアセンブリ17の移動を行うよう移動するように作動可能に連結されている少なくとも第1の関節運動駆動部材110aおよび第2の関節運動駆動部材110bをそれぞれ備えた形態である。
【0029】
関節運動機構100は、さらに、作動アセンブリ104を含み得る。この作動アセンブリ104は、少なくとも第1の関節運動駆動プレート112aおよび第2の関節運動駆動プレート112bをそれぞれ含む。第1の関節運動駆動プレート112aは、少なくとも第1の関節運動駆動部材110aに作動可能に連結され得、その一方、少なくとも第2の関節運動駆動プレート112bは、少なくとも第2の関節運動駆動部材110bに連結され得、その結果、第1の関節運動駆動プレートおよび第2の関節運動駆動プレートのうちの1つの112aまたは112bそれぞれの、第1の関節運動駆動プレートおよび第2の関節運動駆動プレートのうちの別の1つの112bまたは112aそれぞれに対する相対運動が、旋回部材102を、ツールアセンブリ17の移動を行うよう移動させる。1つの実施形態では、上記駆動部材110aおよび110bは、平坦または丸い細片または棒から形成され得る。1つの実施形態では、上記第1および第2の関節運動駆動部材110aおよび110bは、それぞれ、細長い本体部分14内に配置されるような形態である。
【0030】
駆動プレート112aおよび112bは、個々の駆動部材110aおよび110bに直交して連結され得る。これら駆動プレート112aおよび112bは、各々が少なくともその中に形成される遠位係合アパーチャ114a、114bまたは近位係合アパーチャ116a、116bをそれぞれ有する矩形プレートとしての形態であり得る。各々のアパーチャ114a、114b、および116a、116bは、内面118a、118bおよび120a、120bをそれぞれ規定する。
【0031】
関節運動機構100は、駆動プレート112aおよび112bと接触するような形態である関節運動駆動棒130をさらに含み得、その結果、駆動プレート112aと112bとの接触に際し、関節運動駆動棒130の移動が駆動プレート112aおよび112bの移動を行い、ツールアセンブリ17の移動を行う。
【0032】
1つの実施形態では、関節運動駆動棒130は、第1および第2の駆動プレート112aおよび112bの各々の、少なくとも遠位または近位係合アパーチャ114a、114bまたは116a、116bのそれぞれを係合するような形態であり、その結果、少なくとも遠位または近位係合アパーチャ114a、114b、116a、116bを係合するに際し、それによって、関節運動駆動棒130の移動が、ツールアセンブリ17の移動を行う。
【0033】
この関節運動駆動棒130は、駆動プレート112a、112bのそれぞれの少なくとも遠位または近位係合アパーチャ114a、114bまたは116a、116bのそれぞれの内面118a、118b、120a、120bと接触するような形態であり、その結果、内面118a、118b、120a、120bとの接触に際し、それによって、関節運動駆動棒130の移動が、ツールアセンブリ17の移動を行う。
【0034】
関節運動駆動棒130は、操作レバー140およびこの操作レバー140に作動可能に連結されているベースプレート150を含み得る。1つの実施形態では、図2、4および5に示されるように、ベースプレート150は、遠位係合部分152aおよび152bならびに近位係合部分154aおよび154bの各々がそれぞれ第1の対および第2の対であるようなベースプレート周縁の周りに4つの突出部を備える弓形−つなぎ形態を有する。遠位係合部分152aおよび152bは、操作レバー140の移動に際し、遠位係合アパーチャ114aおよび114bをそれぞれ係合するような形態であり、その一方、近位係合部分154aおよび154bは、操作レバー140の移動に際し、近位係合アパーチャ116aおよび116bにそれぞれ交互に係合するような形態である。
【0035】
図5を参照して、ベースプレート150は、さらに、このベースプレート150の周縁の近位部分に配置された複数のノッチ156を含み得る。この複数のノッチ156の各々は、ベースプレートが中心軸Y−Yの周りで回転され、旋回部材102の関節運動の特定位置をもたらすとき、ベースプレート150の特定位置に対応する。軸Y−Yは図4に示され、ロックアクチュエーター、例えば、ロックピン160が、ベースプレート150中の複数のノッチ156の1つと係合し、ツールアセンブリ17の所定の関節運動された位置を規定する。
【0036】
外科用器具10は、例えば、第1および第2の関節運動駆動プレート112aおよび112bの近位端122aおよび122bで、この外科用装置10に作動可能に連結された張力体、例えば、コイルスプリング170aおよび170bをそれぞれ、この張力体が、関節運動駆動部材110aおよび110bの相対的移動に対し張力を提供するように、さらに含み得る。
【0037】
関節運動機構100の関節運動駆動部材110a、110b、関節運動駆動プレート112a、112bおよび関節運動駆動棒130、ならびに付随する構成要素は、プラスチック、金属もしくは金属合金のような材料、またはその他の適切な材料から作製され得る。
【0038】
操作において、使用者は操作レバー140を係合し、それを左または右に回す。使用者がこの操作レバー140を、図1および5に示されるように、使用者の視野から右に回すとき、近位係合部分154bは、第2の関節運動駆動プレート112bを遠位方向に前進させる。ベースプレート150はまた、駆動プレート112bが前進させられるとき、遠位係合部分152aが第1の関節運動駆動プレート112aを近位方向に退却するように配列され得る。旋回部材102は、図1に示されるように、ツールアセンブリ17が左に関節運動するように旋回する。
【0039】
上の記載から認識され得るように、本開示は、細長い本体部材14を含む関節運動する内視鏡外科用器具10を提供する。細長い本体部分14は、第1の長手方向軸A−Aを規定する(図1を参照のこと)。この内視鏡外科用器具10はまた、顎23aおよび23bの対(閉じた位置で図1に示される)を有する関節運動ツールアセンブリ17を含む。この関節運動ツールアセンブリ17は、第2の長手方向軸B−Bを規定する(図1を参照のこと)。この関節運動ツールアセンブリ17は、本体部分14の遠位端19に配置され、そして上記第2の長手方向軸B−Bが上記第1の長手方向軸A−Aと実質的に一直線となる第1の位置から、少なくとも上記第2の長手方向軸B−Bが上記第2の長軸方向軸A−Aに対して角度θで配置される第2の位置まで移動可能である。関節運動する内視鏡器具10はまた、関節運動機構100および旋回部材102に作動可能に連結されているツールアセンブリ17を含み、ツールアセンブリ17の関節運動を行う。
【0040】
旋回部材102は、旋回軸X−Xで細長い本体部分14に旋回可能に取り付けられる(図3を参照のこと)。第1の関節運動駆動部材110aおよび第2の関節運動駆動部材110bは、旋回部材102に、これら関節運動駆動部材110a、110bの相対的移動が、ツールアセンブリ17を関節運動するように取り付けられる。第1の関節運動駆動部材110aは旋回軸X−Xの第1の側で旋回部材102に取り付けられ、そして第2の関節運動駆動部材110bは旋回軸X−Xの第2の側で旋回部材102に取り付けられる。
【0041】
回転可能に取り付けられるベース150を含む作動アセンブリ104は、第1および第2の関節運動駆動部材110aおよび110bそれぞれと、操作レバー140の回転に際し、第1の関節運動駆動部材110aが近位方向に移動し、そして第2の関節運動駆動部材110bが遠位方向に移動するように作動可能に連結される。
【0042】
図6〜21を参照し、関節運動する外科用器具のための関節運動ロック機構の実施形態が開示される。図6〜21では、この関節運動ロック機構の構築および操作を説明するために必要であるようなこの関節運動する外科用器具の部分のみが示される。より詳細には、図6を参照して、細長い外科用器具のための関節運動作動アセンブリ230は、一対の上部セクション232および下部セクション234を含み、該一対のセクションは、この細長い外科用器具(図示はされていない)のハウジング(図示はされていない)に作動可能に連結される細長い本体部分214を収容する。
【0043】
図7は、細長い本体部分214の内部構成要素の分離されたパーツでの斜視図である。細長い本体部分214は、その中に少なくとも1つの保持面を有する少なくとも1つの関節運動駆動部材、例えば、各々がその中に保持面205aおよび205bを有する第1および第2の関節運動駆動部材210aおよび210bを含む。発射ロッド216は、この関節運動駆動部材(単数または複数)に隣接して配置され得、例えば、発射ロッド216は、第1の関節運動駆動部材210aに隣接して、および第2の関節運動駆動部材210bに隣接して配置され得る。作動面250は、発射ロッド216の上に配置され得る。
【0044】
細長い本体214はまた、作動面250を選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放し、かつ、少なくとも1つの関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面、例えば、関節運動駆動部材210aおよび210bのそれぞれを選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放する保持面205aおよび205b、を選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放するような形態の関節運動ロック手段または関節運動ロックアセンブリ260を含む。
【0045】
関節運動ロック手段260は、作動面250を、そして関節運動駆動部材の少なくとも1つの保持面とともに、例えば、関節運動駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bとともに選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放するような形態であり得る。この関節運動ロック手段260は、個々の関節運動駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bを選択的に係合し、そしてそれからの係合を解放する2つの保持面265aおよび265bを含む。
【0046】
関節ロック手段260の保持面、例えば、保持面265aおよび265bは、突出部として構成され得、ここで、これら突出部265aおよび265bの各々は、関節駆動部材210aおよび210bの個々の保持面205aおよび205bをそれぞれ選択的に係合、そしてそれからの係合を解放する。
【0047】
1つの実施形態では、関節駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bは、それぞれ、少なくとも2つの保持面、例えば、保持面215a1、215a2、215a3、215a4、215a5および215b1、215b2、215b3、215b4、215b5をそれぞれ含む。これら保持面、例えば、保持面215a1、215a2、215a3、215a4、215a5および215b1、215b2、215b3、215b4、215b5はそれぞれ、関節ロック手段260の個々の突出部265aおよび265bを受容するチャンネルとして各々構成され得る。保持面215a1、215a2、215a3、215a4、215a5は、関節運動駆動部材210aの上部エッジ210a’および下部エッジ210a’’の少なくとも1つの上に配置され得、その一方、保持面215b1、215b2、215b3、215b4、215b5は、関節運動駆動部材210bの上部エッジ210b’および下部エッジ210b’’の少なくとも1つの上に配置され得る。関節運動駆動部材チャンネル215a1、215a2、215a3、215a4、215a5および215b1、215b2、215b3、215b4、215b5は、図7に示されるように、少なくとも1つの解放チャンネルとして、そして図18に示されるように、閉鎖チャンネル215a1’、215a2’、215a3’、215a4’、215a5’および215b1’、215b2’、215b3’、215b4’、215b5’として、あるいはその他の形状を有して構成され得る。特定の実施形態では、保持面は、上記関節運動駆動部材の上部エッジまたは下部エッジの1つの上のみに提供される。その他の実施形態では、保持面は、両方のエッジ上に提供され、製造目的のため、または第2のロック手段による係合のための対称を提供する。
【0048】
図7はまた、駆動部材210aおよび210bの各々が近位端212aおよび212bそれぞれを、そして遠位端212a’および212b’それぞれを含むことを示す。遠位端212a’および212b’には、図7、8Aおよび8BではU形状ループジョイントによって例示されている旋回係合ジョイント218aおよび218bが配置される。
【0049】
遠位端212a’で、細長い本体部分214は、アンビルアセンブリ23a(図1を参照のこと)のようなアンビルアセンブリ、およびカートリッジアセンブリ23b(図1〜3および8Aを参照のこと)に作動可能に連結される旋回部材202を含む。アンビルアセンブリ23aは、細長い本体214に対して移動可能に固定される。
【0050】
旋回係合ジョイント218aおよび218bは、旋回部材202内に配置され、駆動部材210aおよび210bを旋回部材202に連結する。旋回係合ジョイント218a’は、スリーブ220を経由して旋回係合ジョイント218aの垂直U形状ループと係合するように反転U形状ループにある形態であり、その一方、旋回係合ジョイント218b’は、別のスリーブ220を経由して旋回係合ジョイント218bの反転U形状ループと係合するように垂直U形状ループにある形態である(図8Bおよび8Cを参照のこと)。
【0051】
図9Aおよび9Bは、旋回部材202の、および駆動部材210aおよび210bの遠位端212a’および212b’の代替の形態を示す。より詳細には、旋回部材202’の駆動部材210aおよび210bの遠位端212a’および212b’は、各々、T形状のアーム228’を有するT形状形態を有する旋回ジョイント228aおよび228bを備えた形態である。旋回部材202’は、旋回部材202’中に配置されているスリーブ222を備えた形態であり、T形状遠位端212a’および212b’のアーム228’をそれぞれ受容する。
【0052】
図19〜21を参照して、1つの実施形態では、関節運動ロック手段の保持面、例えば、関節運動ロック手段260の保持面265aおよび265bは、各々摩擦面を含み得る。摩擦面265a’および265b’は、それぞれ、関節運動駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bをそれぞれ選択的に係合し、そしてそれとの係合を解放する。これら摩擦面265a’および265b’は、個々の摩擦面225aおよび225bを選択的に係合し、そしてそれとの係合を解放する。これら摩擦面265a’、265b’および225a、225bは、所定材料から形成されるか、または手触りの残るようにされ(textured)、上記駆動部材とロック部材260との間の摩擦を増加し、そして駆動部材210aおよび210bの移動に抵抗する。
【0053】
図10〜17に最も良く示されるように、関節運動ロック部材260は、関節運動面250を選択的に係合し、そしてそれとの係合を解放し、かつ関節運動駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bを選択的に係合し、そしてそれとの係合を解放するような形態である。
【0054】
関節運動ロック部材260は、可撓性部材262を選択的に係合し、そしてそれから係合を解放するか、または可撓性部材262と相互作用する形態である起動部材、例えば、プランジャー264を含み得、保持面265aおよび265bの、駆動部材210aおよび210bの保持面205aおよび205bの係合および係合の解放をそれぞれ行う。
【0055】
作動面250、および起動部材264は、細長い本体214内の構成要素の運動が、起動部材264の運動に影響する形態であり得る。発射ロッド216の作動面250は、発射ロッド216の表面216’中の移動止めチャンネル252として構成され得る。この移動止めチャンネル252は、発射ロッド216の運動の際に起動部材264を移動させるような形態の少なくとも1つの傾斜面252aを含む。
【0056】
可撓性部材262は、内部スペース266を有するループタイプの配列にある形態であり得る。発射ロッド216の運動に際し、起動部材264はこの内部スペース266に入り、そして可撓性部材262に向かって押され、そして可撓性部材262と、突出部265aおよび265bを駆動部材210aおよび210bに向かって移動するように相互作用する。
【0057】
可撓性部材262は、内部スペース266にまたがる傾斜面266aおよび266bを含む。発射ロッド216は、起動部材264がチャンネル252からずり上がるように前方に移動される。起動部材264が表面216’上に静止するとき(図10を参照のこと)、可撓性部材262は、駆動部材210aおよび210bと係合される。起動部材264は、可撓性部材262の側部を側方に拡げるような配列かつ形態である。起動部材264は、この起動部材264が可撓性部材262に向かって押されるとき、(突出部265aおよび265bを保持する)可撓性部材262の側部が駆動部材210aおよび210bに向かって側方にカム運動されるように、可撓性部材262の傾斜面266aおよび266bを係合する傾斜面269a、269bを有する。突出部265aおよび265bは、保持面205aおよび205bを係合する。起動部材264上の案内リブ270は、可撓性部材262中のスロット267との係合を通じ、起動部材264の長手方向移動を防ぐ。
【0058】
可撓性部材262は、好ましくは、この可撓性部材262から起動部材264を押し離すに十分な弾力性を有するような形態であり、それによって、駆動部材210aおよび210bを解放し、そしてその移動を可能にする。発射ロッド216が退却されるとき、起動部材264はチャンネル252と位置が合い、起動部材264が可撓性部材262から離れて移動するようにする。可撓性部材262の弾力性質は、この可撓性部材262の側部を内方に移動させ、保持面265a、265bを保持面205a、205bから離れるように移動させる。発射ロッド216は、ステープルの発射を作動するためのロッド、またはツールアセンブリ17の位置をロック止めするロッドであり得る。特定の代替実施形態では、発射ロッド216は、発射ロッド216上の突出部として形成される作動特徴250を有する。発射ロッド216が移動されるとき、起動部材264は、この突出部の傾斜面上にずり上がり、可撓性部材262を係合する。
【0059】
認識され得るように、上記に記載の関節運動機構100および関節運動ロック手段260および細長い本体214内の付随する構成要素は、ステープル止め装置以外の外科用器具に適用され得る。例は、把持器具または開創器を含む。
【0060】
さらなる実施形態では、1つの関節運動駆動部材210が提供され、そして関節運動ロック手段は、この関節運動駆動部材上の保持面を係合するように配列された保持面を片側に有する。
【0061】
特定の実施形態では、ツールアセンブリ17が細長い本体部分14に取り付けられる除去可能かつ置換可能なアセンブリとして提供される。ツールアセンブリ17および細長い本体部分14に取り付けられるハウジング部分は、関節運動アセンブリの1つ以上の駆動部材と連結する1つ以上のリンクを含む装填ユニットを形成する。
【0062】
本開示は例示の実施形態に関して説明されているけれども、変更および改変が、添付の請求項によって規定される本開示の思想または範囲から逸脱することなくそれに対してなされ得ることは当業者に容易に明らかである。
【符号の説明】
【0063】
10 外科用器具
12 ハンドルアセンブリ
14 細長い本体
16 ハウジング
17 ツールアセンブリ
18 ハンドル
20 トリガー部分
23a アンビルアセンブリ
23b カートリッジアセンブリ
130 関節運動駆動棒
140 操作レバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21