特許第5647753号(P5647753)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5647753
(24)【登録日】2014年11月14日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/02 20060101AFI20141211BHJP
   B60K 15/067 20060101ALI20141211BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20141211BHJP
   E02F 9/08 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   B62D21/02 Z
   B60K15/067
   B62D25/20 A
   E02F9/08 Z
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-543688(P2014-543688)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(86)【国際出願番号】JP2014067451
【審査請求日】2014年9月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中西 潤一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 陽輔
【審査官】 鹿角 剛二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−110773(JP,A)
【文献】 特開2003−025858(JP,A)
【文献】 実開昭55−153280(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0125228(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/069297(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/02
B60K 15/067
B62D 25/20
E02F 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向において中央よりも第1側に配置され前後方向に延びる第1側板、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置され前後方向に延びる第2側板、を有する車体フレームと、
前記第1側板と前記第2側板とに跨って配置され、対象物を前記車体フレームの上方において支持する支持ブラケットと、
を備え、
前記支持ブラケットは、
車幅方向において中央よりも第1側に配置された第1下端部、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置された第2下端部を含むブラケット本体部と、
前記第1側板の側面から上方に延び、前記第1下端部と前記第1側板とを連結する第1連結部と、
前記第2側板の側面から上方に延び、前記第2下端部と前記第2側板とを連結する第2連結部と、
を有し、
前記第1連結部は、
前記第1側板の上下方向の中央部において前記第1側板に固定される第1固定部と、
前記第1側板と間隔をあけて配置され、前記第1固定部から上方に延びる第1柱部と、
前記第1下端部が取り付けられる第1取付部と、
を有する、
作業車両。
【請求項2】
前記第1取付部は、前後方向に延びる、
請求項に記載の作業車両。
【請求項3】
前記第2連結部は、
前記第2側板の上下方向の中央部において前記第2側板に固定される第2固定部と、
前記第2側板と間隔をあけて配置され、前記第2固定部から上方に延びる第2柱部と、
前記第2下端部が取り付けられる第2取付部と、
を有する、
請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記第2取付部は、前後方向に延びる、
請求項に記載の作業車両。
【請求項5】
前記第1連結部は、前記第1下端部よりも低い剛性を有し、
前記第2連結部は、前記第2下端部よりも低い剛性を有する、
請求項1からのいずれかに記載の作業車両。
【請求項6】
前記第1下端部は、下方へ延びる第1前脚部と、前記第1前脚部の後方に配置され下方へ延びる第1後脚部と、を有し、
前記第1連結部は、前記第1前脚部又は前記第1後脚部と、前記第1側板と、を連結し、
前記第2下端部は、下方へ延びる第2前脚部と、前記第2前脚部の後方に配置され下方へ延びる第2後脚部と、を有し、
前記第2連結部は、前記第2前脚部又は前記第2後脚部と、前記第2側板と、を連結する、
請求項1からのいずれかに記載の作業車両。
【請求項7】
前記支持ブラケットは、
前記第1側板の側面から上方に延び、前記第1前脚部と前記第1側板とを連結する第3連結部と、
前記第2側板の側面から上方に延び、前記第2前脚部と前記第2側板とを連結する第4連結部と、
をさらに有し、
前記第1連結部は、前記第1後脚部と前記第1側板とを連結し、
前記第2連結部は、前記第2後脚部と前記第2側板とを連結する、
請求項に記載の作業車両。
【請求項8】
前記第3連結部は、前記第1前脚部よりも低い剛性を有し、
前記第4連結部は、前記第2前脚部よりも低い剛性を有する、
請求項に記載の作業車両。
【請求項9】
前記第1側板の内側面に取り付けられた第1剛性部材と、
前記第2側板の内側面に取り付けられた第2剛性部材と、
をさらに備え、
前記第1連結部は、前記第1側板の外側面に取り付けられ、
前記第2連結部は、前記第2側板の外側面に取り付けられる、
請求項1からのいずれかに記載の作業車両。
【請求項10】
前記第1連結部は、前後方向において、前記第1剛性部材の先端よりも後方、且つ前記第1剛性部材の後端よりも前方において、前記第1側板に取り付けられる、
請求項に記載の作業車両。
【請求項11】
前記第2連結部は、前後方向において、前記第2剛性部材の先端よりも後方、且つ前記第2剛性部材の後端よりも前方において、前記第2側板に取り付けられる、
請求項又は10に記載の作業車両。
【請求項12】
車幅方向において中央よりも第1側に配置され前後方向に延びる第1側板、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置され前後方向に延びる第2側板、を有する車体フレームと、
前記第1側板と前記第2側板とに跨って配置され、対象物を前記車体フレームの上方において支持する支持ブラケットと、
を備え、
前記支持ブラケットは、
車幅方向において中央よりも第1側に配置された第1下端部、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置された第2下端部を含むブラケット本体部と、
前記第1側板の側面から上方に延び、前記第1下端部と前記第1側板とを連結する第1連結部と、
前記第2側板の側面から上方に延び、前記第2下端部と前記第2側板とを連結する第2連結部と、
を有し、
前記第1連結部は、前記第1下端部よりも低い剛性を有し、
前記第2連結部は、前記第2下端部よりも低い剛性を有する、
作業車両。
【請求項13】
車幅方向において中央よりも第1側に配置され前後方向に延びる第1側板、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置され前後方向に延びる第2側板、を有する車体フレームと、
前記第1側板と前記第2側板とに跨って配置され、対象物を前記車体フレームの上方において支持する支持ブラケットと、
を備え、
前記支持ブラケットは、
車幅方向において中央よりも第1側に配置された第1下端部、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置された第2下端部を含むブラケット本体部と、
前記第1側板の側面から上方に延び、前記第1下端部と前記第1側板とを連結する第1連結部と、
前記第2側板の側面から上方に延び、前記第2下端部と前記第2側板とを連結する第2連結部と、
を有し、
前記第1下端部は、下方へ延びる第1前脚部と、前記第1前脚部の後方に配置され下方へ延びる第1後脚部と、を有し、
前記第1連結部は、前記第1前脚部又は前記第1後脚部と、前記第1側板と、を連結し、
前記第2下端部は、下方へ延びる第2前脚部と、前記第2前脚部の後方に配置され下方へ延びる第2後脚部と、を有し、
前記第2連結部は、前記第2前脚部又は前記第2後脚部と、前記第2側板と、を連結する、
作業車両。
【請求項14】
車幅方向において中央よりも第1側に配置され前後方向に延びる第1側板、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置され前後方向に延びる第2側板、を有する車体フレームと、
前記第1側板と前記第2側板とに跨って配置され、対象物を前記車体フレームの上方において支持する支持ブラケットと、
前記第1側板の内側面に取り付けられた第1剛性部材と、
前記第2側板の内側面に取り付けられた第2剛性部材と、
を備え、
前記支持ブラケットは、
車幅方向において中央よりも第1側に配置された第1下端部、及び車幅方向において中央よりも第2側に配置された第2下端部を含むブラケット本体部と、
前記第1側板の側面から上方に延び、前記第1下端部と前記第1側板とを連結する第1連結部と、
前記第2側板の側面から上方に延び、前記第2下端部と前記第2側板とを連結する第2連結部と、
を有し、
前記第1連結部は、前記第1側板の外側面に取り付けられ、
前記第2連結部は、前記第2側板の外側面に取り付けられ、
前記第1連結部は、前後方向において、前記第1剛性部材の先端よりも後方、且つ前記第1剛性部材の後端よりも前方において、前記第1側板に取り付けられる、
作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータグレーダなどの作業車両は、作業機を用いて所望の作業を行う。作業機は、油圧ポンプによって加圧された作動油によって駆動される。この作動油は、作動油タンク内に貯留されている。例えば、特許文献1に記載の作業車両において、作動油タンクは、車体フレームの上方において、支持されている。詳細には、車体フレームの上面に取り付けられた支持ブラケットによって、作動油タンクは支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−110773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業車両の走行中、又は作業中に、車体フレームに捻じれなどの弾性変形が生じることがある。例えば、モータグレーダなどの作業車両が凹凸状の路面を走行する際、右側の後輪又は左側の後輪が路面から浮き上がることがある。
【0005】
このような場合に、その浮き上がった後輪の重みによって車体フレームに応力が掛かる。この車体フレームに掛かる応力が、車体フレームと支持ブラケットとの取り付け部分に悪影響を及ぼすおそれがある。なお、このような問題は、作動油タンクを支持する支持ブラケットに限定されるものではなく、他の対象物を支持する支持ブラケットにおいても同様に起こり得る。
【0006】
本発明の課題は、車体フレームに対して支持ブラケットを安定して取り付けることのできる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある側面に係る作業車両は、車体フレームと、支持ブラケットと、を備えている。車体フレームは、第1側板と第2側板とを有する。第1側板は、車幅方向において中央よりも第1側に配置される。第1側板は、前後方向に延びる。第2側板は、車幅方向において中央よりも第2側に配置される。第2側板は、前後方向に延びる。支持ブラケットは、第1側板と第2側板とに跨って配置される。支持ブラケットは、対象物を車体フレームの上方において支持する。支持ブラケットは、ブラケット本体部と、第1連結部と、第2連結部とを有している。ブラケット本体部は、第1下端部と第2下端部とを有する。第1下端部は、車幅方向において中央よりも第1側に配置される。第2下端部は、車幅方向において中央よりも第2側に配置される。第1連結部は、支持ブラケットの第1下端部と第1側板とを連結する。第1連結部は、第1側板の側面から上方に延びる。第2連結部は、支持ブラケットの第2下端部と第2側板とを連結する。第2連結部は、第2側板の側面から上方に延びる。
【0008】
浮き上がった車輪の重み等によって車体フレームが弾性変形する場合、第1側板の上面及び第2側板の上面に応力が掛かる。これに対して、上記構成によれば、第1連結部は第1側板の側面から上方に延びており、第1側板の上面には固定されていない。このため、第1連結部は第1側板に対して安定的に取り付けられている。なお、同様に第2連結部も、第2側板に対して安定的に取り付けられている。
【0009】
好ましくは、第1連結部は、第1固定部と、第1柱部と、第1取付部とを有している。第1固定部は、第1側板の上下方向の中央部において第1側板に固定される。第1柱部は、第1側板と間隔をあけて配置される。第1柱部は、第1固定部から上方に延びる。第1取付部に、ブラケット本体部の第1下端部が取り付けられる。
【0010】
浮き上がった車輪の重み等によって車体フレームが弾性変形する場合、上下方向において、第1側板の中央部に掛かる応力は小さい。これに対して、上記構成のように第1連結部は、上下方向において第1側板の中央部に固定されているため、第1連結部は第1側板に対して安定的に取り付けられている。
【0011】
好ましくは、第1取付部は、前後方向に延びる。この構成によれば、ブラケット本体部の第1下端部を第1取付部に容易に取り付けることができる。
【0012】
好ましくは、第2連結部は、第2固定部と、第2柱部と、第2取付部とを有している。第2固定部は、第2側板の上下方向の中央部において第2側板に固定される。第2柱部は、第2側板と間隔をあけて配置される。第2柱部は、第2固定部から上方に延びる。第2取付部に、ブラケット本体部の第2下端部が取り付けられる。
【0013】
浮き上がった車輪の重み等によって車体フレームが弾性変形する場合、上下方向において、第2側板の中央部に掛かる応力は小さい。これに対して、上記構成のように第2連結部は、上下方向において第2側板の中央部に固定されているため、第2連結部は第2側板に対して安定的に取り付けられている。
【0014】
好ましくは、第2取付部は、前後方向に延びる。この構成によれば、ブラケット本体部の第2下端部を第2取付部に容易に取り付けることができる。
【0015】
好ましくは、第1連結部は、ブラケット本体部の第1下端部よりも低い剛性を有する。また、第2連結部は、ブラケット本体部の第2下端部よりも低い剛性を有する。この構成によれば、ブラケット本体部は、第1及び第2連結部を介して車体フレームに取り付けられている。このため、車体フレームが弾性変形した場合であっても、その弾性変形は、ブラケット本体部に直接影響しない。詳細には、車体フレームの弾性変形は、第1及び第2連結部を介してブラケット本体部に伝わる。ここで、第1及び第2連結部は、ブラケット本体部よりも低い剛性を有する。このため、第1及び第2連結部によって、ブラケット本体部に対する車体フレームの弾性変形の影響を抑制することができる。
【0016】
好ましくは、ブラケット本体部の第1下端部は、第1前脚部と、第1後脚部とを有する。第1前脚部は、下方へ延びる。第1後脚部は、第1前脚部の後方に配置される。第1後脚部は、下方へ延びる。第1連結部は、第1前脚部又は第1後脚部と、第1側板と、を連結する。第2下端部は、第2前脚部と第2後脚部とを有する。第2前脚部は、下方へ延びる。第2後脚部は、第2前脚部の後方に配置される。第2後脚部は、下方へ延びる。第2連結部は、第2前脚部又は第2後脚部と、第2側板と、を連結する。
【0017】
好ましくは、支持ブラケットは、第3連結部と、第4連結部とをさらに備える。第3連結部は、第1側板の側面から上方に延びる。第3連結部は、ブラケット本体部の第1前脚部と第1側板とを連結する。第4連結部は、第2側板の側面から上方に延びる。第4連結部は、ブラケット本体部の第2前脚部と第2側板とを連結する。第1連結部は、ブラケット本体部の第1後脚部と第1側板とを連結する。第2連結部は、ブラケット本体部の第2後脚部と第2側板とを連結する。
【0018】
好ましくは、第3連結部は、第1前脚部よりも低い剛性を有する。また、第4連結部は、第2前脚部よりも低い剛性を有する。
【0019】
好ましくは、作業車両は、第1剛性部材と、第2剛性部材とをさらに備える。第1剛性部材は、第1側板の内側面に取り付けられる。第2剛性部材は、第2側板の内側面に取り付けられる。第1連結部は、第1側板の外側面に取り付けられる。第2連結部は、第2側板の外側面に取り付けられる。
【0020】
この構成によれば、第1剛性部材によって第1側板自体のねじれを抑制することができる。この結果、第1連結部は、第1側板に安定的に取り付けることができる。また、第2剛性部材によって第2側板自体のねじれを抑制することができる。この結果、第2連結部は、第2側板に安定的に取り付けることができる。
【0021】
好ましくは、第1連結部は、前後方向において、第1剛性部材の先端よりも後方、且つ第1剛性部材の後端よりも前方において、第1側板に取り付けられる。
【0022】
好ましくは、第2連結部は、前後方向において、第2剛性部材の先端よりも後方、且つ第2剛性部材の後端よりも前方において、第2側板に取り付けられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車体フレームに対して支持ブラケットを安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】モータグレーダの斜視図。
図2】モータグレーダの側面図。
図3】車体フレームの斜視図。
図4】ブラケット本体部の斜視図。
図5】第1側板の斜視図。
図6】第1連結部の斜視図。
図7】第1連結部の正面図。
図8】第2連結部の斜視図。
図9】第2側板の斜視図。
図10】第3連結部の斜視図。
図11】第4連結部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係るモータグレーダ100について図面を参照しつつ説明する。図1は、モータグレーダ100の斜視図、図2はモータグレーダ100の側面図である。なお、以下の説明において、「右」、「左」、「上」、及び「下」は、運転室から前方を見た状態を基準とした方向を示す。「車幅方向」は「左右方向」と同義である。また、「前後方向」は、車体の前後方向を意味する。各図面において、X軸が前後方向を示し、Y軸が車幅方向を示し、Z軸が上下方向を示す。また、車幅方向の中央とは、車幅方向におけるモータグレーダ100の中央を示す。
【0026】
図1及び図2に示すように、モータグレーダ100は、車両本体101、作業機102、及びキャブ103を備えている。モータグレーダ100は、作業機102によって整地作業、除雪作業、軽切削、又は材料混合等を行うことができる。
【0027】
車両本体101は、前部車体101a及び後部車体101bを有する。前部車体101aは複数(例えば2つ)の前輪104を有している。各前輪104は、前部車体101aの前部に配置されている。
【0028】
作業機102は、ドローバ102a、サークル102b、ブレード102c、複数の油圧シリンダ102d〜102hなどを有している。ブレード102cは、ドローバ102a及びサークル102bを介して、上下の昇降、前後方向に対する傾きの変更、左右方向に対する傾きの変更、回転、及び、左右方向のシフトを行なうことができる。
【0029】
後部車体101bは、前部車体101aの後方に位置している。後部車体101bは、複数(例えば4つ)の後輪105を有している。これらの後輪105がエンジンからの駆動力によって回転駆動されることにより、モータグレーダ100が走行する。後部車体101bは、車体フレーム1を有している。
【0030】
図3は、車体フレーム1を示す斜視図である。図3に示すように、車体フレーム1は、第1側板11と第2側板12とを有している。第1側板11は、車幅方向において中央よりも第1側に配置されている。具体的には、第1側板11は、車幅方向の中央よりも左側に配置されている。第1側板11は、前後方向に延びている。
【0031】
第2側板12は、車幅方向において、中央よりも第2側に配置されている。具体的には、第2側板12は、車幅方向の中央よりも右側に配置されている。第2側板12は、前後方向に延びている。
【0032】
第1側板11と第2側板12とは、車幅方向に互いに間隔をあけて対向している。第1側板11の内側面11aと、第2側板12の内側面12aとが対向している。第1側板11と第2側板12とは、車幅方向に延びる前板13及び後板14によって連結されている。第1側板11と、第2側板12とは、実質的に左右対称の形状となっている。第1側板11及び第2側板12は、鋼材によって形成されている。例えば、第1側板11及び第2側板12は、圧延鋼材によって形成することができ、具体的にはSS400(日本工業規格による定義(JIS G 3101))によって形成することができる。
【0033】
支持ブラケット20は、第1側板11と第2側板12とに跨って配置されている。支持ブラケット20は、車体フレーム1の上方において、対象物を支持している。具体的には、図4に示すように、支持ブラケット20は、作動油タンク31を支持している。また、支持ブラケット20は、その他に、バッテリー32などを支持している。支持ブラケット20は、車体フレーム1の前部の上方に配置されている。なお、支持ブラケット2の下方には、トルクコンバータ、及びトランスミッションなどが配置されている。
【0034】
図3に示すように、支持ブラケット20は、ブラケット本体部2と、複数の連結部41〜44とを有する。例えば、支持ブラケット20は、第1〜第4連結部41〜44を有する。
【0035】
ブラケット本体部2は、第1下端部21と、第2下端部22とを有している。また、ブラケット本体部2は、支持本体部23を有している。支持本体部23は、上述した対象物を支持するように構成されている。特に限定されるものではないが、ブラケット本体部2は、平面視において、車幅方向の寸法の方が前後方向の寸法よりも長い。すなわち、ブラケット本体部2は、平面視において、横長の矩形状である。
【0036】
第1下端部21は、車幅方向において、中央よりも第1側に配置されている。また、第2下端部22は、車幅方向において、中央よりも第2側に配置されている。詳細には、第1下端部21は、車幅方向の中央よりも左側に配置されている。また、第2下端部22は、車幅方向の中央よりも右側に配置されている。第1下端部21は第1側板11の近傍に配置され、第2下端部22は第2側板12の近傍に配置されている。
【0037】
第1下端部21は、支持本体部23から下方へ延びている。具体的には、第1下端部21は、支持本体部23の左側端部から下方へ延びている。第1下端部21は、第1前脚部21aと、第1後脚部21bとを有している。
【0038】
第1前脚部21a及び第1後脚部21bは、下方へ延びる。詳細には、第1前脚部21aは、支持本体部23の左側の前端部から下方へ延びている。第1後脚部21bは、支持本体部23の左側の後端部から下方へ延びている。すなわち、第1後脚部21bは、第1前脚部21aの後方に配置されている。第1前脚部21a及び第1後脚部21bのそれぞれは、前後方向に延びる底部211a、211bを有している。
【0039】
第2下端部22は、支持本体部23から下方へ延びている。具体的には、第2下端部22は、支持本体部23の右側端部から下方へ延びている。第2下端部22は、第2前脚部22aと、第2後脚部22bとを有している。
【0040】
第2前脚部22a及び第2後脚部22bは、下方へ延びる。詳細には、第2前脚部22aは、支持本体部23の右側の前端部から下方へ延びている。第2後脚部22bは、支持本体部23の右側の後端部から下方へ延びている。すなわち、第2後脚部22bは、第2前脚部22aの後方に配置されている。第2前脚部22a及び第2後脚部22bのそれぞれは、前後方向に延びる底部221a、221bを有している。
【0041】
ブラケット本体部2は、第1〜第4連結部41〜44を介して車体フレーム1に取り付けられる。第1〜第4連結部41〜44は、車体フレーム1とブラケット本体部2とを連結する部材である。
【0042】
第1連結部41は、ブラケット本体部2の第1下端部21と第1側板11とを連結する。詳細には、第1連結部41は、ブラケット本体部2の第1後脚部21bと、第1側板11とを連結する。第1連結部41は、第1側板11の側面から上方に延びている。詳細には、第1連結部41は、第1側板11の外側面11bから上方に延びている。第1連結部41は、鋼材によって形成されている。例えば、第1連結部41は、圧延鋼材によって形成することができ、具体的にはSS400(日本工業規格による定義(JIS G 3101))によって形成することができる。
【0043】
図5は、第1側板11を右側から見た斜視図である。図5に示すように、第1連結部41は、第1側板11の上面11cには固定されていない。詳細には、第1連結部41は、第1側板11の上面11cと接触していない。
【0044】
第1連結部41は、ブラケット本体部2よりも低い剛性を有している。詳細には、第1連結部41は、ブラケット本体部2の第1後脚部21bよりも低い剛性を有している。
【0045】
図6は、第1連結部41を示す斜視図である。図6に示すように、第1連結部41は、第1固定部41aと、第1柱部41bと、第1取付部41cとを有している。第1固定部41aは、第1側板11の上下方向の中央部において、第1側板11に固定されている。例えば、第1固定部41aは、第1側板11の外側面11bに固定されている。第1固定部41aは、好ましくは第1側板11に溶接されている。
【0046】
図7は前方から見た第1連結部41を示す図である。図7に示すように、第1柱部41bは、第1固定部41aから上方に延びている。また、第1柱部41bは、第1側板11と間隔をあけて配置されている。詳細には、第1柱部41bは、第1側板11の外側面11bと間隔をあけて配置されている。すなわち、第1柱部41bは、第1側板11と接触していない。この第1柱部41bと第1側板11との間隔dは、5mm以上10mm以下程度である。第1柱部41bの前後方向の長さは、第1後脚部21bの前後方向の長さよりも小さい。このため、第1連結部41は、第1後脚部21bよりも剛性が低い。
【0047】
図6に示すように、第1取付部41cは、ブラケット本体部2の第1下端部21が取り付けられる部分である。詳細には、第1取付部41cは、ブラケット本体部2の第1後脚部21bが取り付けられる部分である。第1取付部41cは、前後方向に延びている。第1取付部41cは、第1柱部41bの上端部と連結している。なお、第1後脚部21bは、第1側板11の上方において、第1取付部41cに取り付けられる。例えば、第1後脚部21bは、ボルトなどの締結部材を用いて第1取付部41cに取り付けられる。ボルトは、第1取付部41cの下から挿入されている。
【0048】
図8は、第2連結部42を示す斜視図である。図8に示すように、第2連結部42は、ブラケット本体部2の第2下端部22と第2側板12とを連結する。詳細には、第2連結部42は、ブラケット本体部2の第2後脚部22bと、第2側板12とを連結する。第2連結部42は、第2側板12の側面から上方に延びている。詳細には、第2連結部42は、第2側板12の外側面12bから上方に延びている。
【0049】
図9は、第2側板12を左側から見た斜視図である。図9に示すように、第2連結部42は、第2側板12の上面12cには固定されていない。詳細には、第2連結部42は、第2側板12の上面12cと接触していない。
【0050】
図8に示すように、第2連結部42は、ブラケット本体部2よりも低い剛性を有している。詳細には、第2連結部42は、第2後脚部22bよりも低い剛性を有している。第2連結部42は、第2固定部42aと、第2柱部42bと、第2取付部42cとを有している。第2連結部42の構成は、実質的に第1連結部41の構成と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図10は、第3連結部43を示す斜視図である。図10に示すように、第3連結部43は、ブラケット本体部2の第1前脚部21aと第1側板11とを連結する部材である。第3連結部43は、第1側板11の外側面11bに固定されている。第3連結部43は、第1側板11の上面11cには固定されていない。詳細には、第3連結部43は、第1側板11の上面11cに接触していない。
【0052】
第3連結部43は、本体部43aと、水平部43bとを有する。本体部43aは、前板部43cと、後板部43dと、上板部43eとを有する。前板部43cと、後板部43dと、上板部43eとは、1つの部材によって形成される。具体的には、一枚の板状部材を折り曲げることによって、前板部43cと、後板部43dと、上板部43eとが形成される。
【0053】
前板部43c及び後板部43dは、第1側板11の外側面11bに固定されている。具体的には、前板部43c及び後板部43dは、第1側板11の外側面11bに溶接されている。
【0054】
上板部43eは、前後方向に延びている。上板部43eは、第1側板11の上面11cに固定されていない。詳細には、上板部43eは、第1側板11と接触していない。上板部43eに、ブラケット本体部2の第1前脚部21aが取り付けられている。例えば、第1前脚部21aは、ボルトなどの締結部材を用いて上板部43eに取り付けられる。なお、ボルトは、上板部43eの下から挿入されている。
【0055】
水平部43bは、前板部43cと後板部43dとの間を延びており、前板部43c及び後板部43dのそれぞれに連結している。また、水平部43bは、第1側板11の外側面11bに固定されている。
【0056】
図11は、第4連結部44を示す斜視図である。図11に示すように、第4連結部44は、ブラケット本体部2の第2前脚部22aと第2側板12とを連結する部材である。第4連結部44は、第2側板12の外側面12bに固定されている。詳細には、第4連結部44は、第2側板12の外側面12bに溶接されている。第4連結部44は、第2側板12の上面12cには、固定されていない。詳細には、第4連結部44は、第2側板12の上面12cに接触していない。
【0057】
第4連結部44の構成は、第3連結部43の構成と実質的に同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0058】
図5に示すように、第1側板11の内側面11aには、第1剛性部材51が取り付けられている。第1剛性部材51が取り付けられていることによって、第1側板11の剛性が向上している。第1連結部41は、前後方向において、第1剛性部材51の先端よりも後方、且つ第1剛性部材51の後端よりも前方において、第1側板11に取り付けられる。また、上下方向において、第1連結部41は、第1剛性部材51の近傍において、第1側板11に取り付けられる。なお、第1剛性部材51は、図示しないアクスル装置を支持するように構成されている。第1剛性部材51は、鋼材によって形成されている。例えば、第1剛性部材51は、圧延鋼材によって形成することができ、具体的にはSS400(日本工業規格による定義(JIS G 3101))によって形成することができる。第1剛性部材51は、前後方向に延びている。
【0059】
図9に示すように、第2側板12の内側面12aには、第2剛性部材52が取り付けられている。第2剛性部材52が取り付けられていることによって、第2側板12の剛性が向上している。第2連結部42、前後方向において、第2剛性部材52の先端よりも後方、且つ第2剛性部材52の後端よりも前方において、第2側板12に取り付けられる。また、上下方向において、第2連結部42は、第2剛性部材52の近傍において、第2側板12に取り付けられる。なお、第2剛性部材52は、図示しないアクスル装置を支持するように構成されている。第2剛性部材52は、鋼材によって形成されている。例えば、第2剛性部材52は、圧延鋼材によって形成することができ、具体的にはSS400(日本工業規格による定義(JIS G 3101))によって形成することができる。第2剛性部材52は、前後方向に延びている。
【0060】
以上のように、本実施形態に係るモータグレーダ100のブラケット本体部2は、第1連結部41及び第2連結部42を介して車体フレーム1に取り付けられている。このため、車体フレーム1が弾性変形した場合であっても、その弾性変形は、ブラケット本体部2に直接影響しない。詳細には、車体フレーム1の弾性変形は、第1連結部41及び第2連結部42を介してブラケット本体部2に伝わる。ここで、第1連結部41及び第2連結部42は、ブラケット本体部よりも低い剛性を有する。このため、第1及び第2連結部によって、ブラケット本体部に対する車体フレームの弾性変形の影響を抑制することができる。
【0061】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0062】
変形例1
上記実施形態では、第3連結部43は、第1連結部41と異なる構成であるが、第3連結部43の構成は特にこれに限定されない。例えば、第3連結部43は、第1連結部41と同じ構成であってもよい。同様に、第4連結部44は、第2連結部42と同じ構成であってもよい。
【0063】
変形例2
上記実施形態では、第1連結部41がブラケット本体部2の第1後脚部21bと第1側板11とを連結しており、第3連結部43がブラケット本体部2の第1前脚部21aと第1側板11とを連結しているが、特にこれに限定されない。例えば、第1連結部41と第3連結部43とを入れ替えてもよい。すなわち、第1連結部41がブラケット本体部2の第1前脚部21aと第1側板11とを連結し、第3連結部43がブラケット本体部2の第1後脚部21bと第1側板11とを連結してもよい。
【0064】
変形例3
上記実施形態では、第2連結部42がブラケット本体部2の第2後脚部22bと第2側板12とを連結しており、第4連結部44がブラケット本体部2の第2前脚部22aと第2側板12とを連結しているが、特にこれに限定されない。例えば、第2連結部42と第4連結部44とを入れ替えてもよい。すなわち、第2連結部42がブラケット本体部2の第2前脚部22aと第2側板12とを連結し、第4連結部44がブラケット本体部2の第2後脚部22bと第2側板12とを連結してもよい。
【0065】
変形例4
上記実施形態では、ブラケット本体部2は4つの脚部41〜44を有しているが、このブラケット本体部2の脚部の数は特にこれに限定されない。
【0066】
変形例5
上記実施形態では、第1連結部41は、第1側板11の外側面11bに固定されているが、特にこれに限定されない。例えば、第1連結部41は、第1側板11の内側面11aに固定されていてもよい。同様に、第2連結部42は、第2側板12の内側面12aに固定されていてもよい。
【0067】
変形例6
上記実施形態では、各連結部41〜44は、ブラケット本体部2と異なる部材によって構成されているが、特にこの構成に限定されない。例えば、ブラケット本体部2と各連結部41〜44とは、1つの部材によって構成されていてもよい。例えば、ブラケット本体部2の第1後脚部21bから第1連結部41が連続して延びていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 車体フレーム
11 第1側板
12 第2側板
2 ブラケット本体部
21 第1下端部
21a 第1前脚部
21b 第1後脚部
22 第2下端部
22a 第2前脚部
22b 第2後脚部
41 第1連結部
41a 第1固定部
41b 第1柱部
41c 第1取付部
42 第2連結部
42a 第2固定部
42b 第2柱部
42c 第2取付部
43 第3連結部
44 第4連結部
【要約】
作業車両(100)は、車体フレーム(1)と、支持ブラケット(20)と、を備えている。車体フレーム(1)は、第1側板(11)と第2側板(12)とを有する。支持ブラケット(20)は、第1側板(11)と第2側板(12)とに跨って配置される。支持ブラケット(20)の第1連結部(41)は、支持ブラケット本体部(2)の第1下端部(21)と第1側板(11)とを連結する。第1連結部(41)は、第1側板(11)の側面から上方に延びる。支持ブラケット(20)の第2連結部(42)は、ブラケット本体部(2)の第2下端部(22)と第2側板(12)とを連結する。第2連結部(42)は、第2側板(12)の側面から上方に延びる。
図1
図2
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図4
図5
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図11